JP2004195774A - 導電性フィルムおよびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導体層の良好な導電性能と導体層と支持体との良好な密着性を両立させた導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】支持体上に薄膜金属層を有する導電性フィルムにおいて、該支持体と該薄膜金属層との間にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】支持体上に薄膜金属層を有する導電性フィルムにおいて、該支持体と該薄膜金属層との間にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性フィルム、およびその作製方法に関し、より詳細には、フレキシブル配線板(PWB)、フレキシブル銅張積層板(FCL)、電磁波シールド(EMI)フィルタとして利用し得る導電性フィルタおよびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性フィルムは、一般的に、フレキシブルな高分子フィルム上に導電性薄膜を形成したものであり、柔軟性、および軽量性を有し、且つ、小型化および薄型化が容易である。近年、ディスプレイ機器、通信機器をはじめとする民生機器に対する、小型化および軽量化への要求が強く、導電性フィルムについては、種々の民生機器の電子部品としての用途が拡大している。例えば、高分子フィルム上に、銅導体を接着したフレキシブル銅張積層板は、小型電子機器のプリント配線板として種々使用されている。また、金属からなるメッシュパターンを有する導電性フィルムは、電磁波シールドフィルタの部材として利用されている。
【0003】
前記フレキシブル銅張積層板(FCL)には、銅導体と基板フィルムとを接着する接着層を有する3層FCLと、接着層が設けられていない2層FCLとがある。耐熱性が必要な回路板への適用や、超薄型の用途には、接着剤が不要な2層FCLが有利である。従来、2層FCLの製造方法としては、スパッタリング法を利用して高分子フィルム上に導体層を形成する方法が知られている。しかし、前記スパッタリング法は、導体層と高分子フィルム支持体との密着性が充分でなく、性能信頼性が低いという問題がある。また、生産工程が煩雑であるととともに、生産コスト高になるという問題がある。
【0004】
一方、合成樹脂のような非導電性の支持体上に、炭素−炭素三重結合を有する化合物の重合体(特許文献1参照)を含む層を形成し、その層の表面にパラジウム含有溶液を接触させて導電性を付与する方法も知られている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法によっても、導体層と支持体との間の密着性および/または導体層の導電性になお改善の余地があった。
【特許文献1】特公平7−53777号公報
【特許文献2】特開平11−80991号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、導体層の良好な導電性能と導体層と支持体との間の良好な密着性を両立させた導電性フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、簡易な工程により、且つ低コストで、良好な導電性能を有する導電性フィルムを安定的に製造する方法を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を有する本発明によれば上記目的を達成しうることを見出した。
<1> 支持体上に薄膜金属層を有する導電性フィルムであって、該支持体と該薄膜金属層との間にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム。
<2> 支持体の短期耐熱温度が150℃以上である<1>に記載の導電性フィルム。
<3> 支持体がポリイミドである<1>に記載の導電性フィルム。
<4> 薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
<5> 微細金属含有層が銀を含み、薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<4>に記載の導電性フィルム。
<6> 微細金属含有層が銀とパラジウムを含み、薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<4>に記載の導電性フィルム。<7> ポリアミック酸および金属アセチリドを含有する塗布液を支持体上に塗布し、加熱処理して微細金属含有層を形成する第1の工程と、形成された微細金属含有層を、パラジウム、錫、金、白金および銀からなる群から選ばれるいずれか1種もしくは複数種の金属元素のイオンを含有する酸性溶液に接触させて処理する第2の工程とを有する導電性フィルムの作製方法。
<8> 第2の工程の後、微細金属含有層をメッキ核としてメッキすることにより、該微細金属含有層上に薄膜金属層を形成する第3の工程を有する<7>に記載の導電性フィルムの作製方法。
<9> 支持体上にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム形成用フィルム。
<10> 微細金属含有層が、金属アセチリドとポリイミド前駆体とを含む層を加熱することにより形成される<9>に記載の導電性フィルム形成用フィルムの製造方法。
<11> 微細金属含有層が、銀、金、白金、銅、アルミニウム、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選ばれるいずれかの金属元素を含む<9>に記載の導電性フィルム。
<12> <9>に記載の導電性フィルム形成用フィルムにパターン化した金属薄膜層を積層されたフレキシブル配線板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の導電性フィルムおよびその作製方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の導電性フィルムの第1の実施形態の概略断面図を図1に示す。フィルム10は、高分子フィルムからなる支持体12と、その上に、微細金属含有層14とを有する。微細金属含有層14は、その表面14aの電気抵抗が通常500Ω/□以下、好ましくは200Ω/□以下である。前記微細金属含有層14は、好ましくはポリアミック酸等のポリイミド前駆体と金属アセチリドとを含有する塗布液を塗布し、加熱処理してなるので、支持体12との密着性が高い。また、銀アセチリドに等当量の銀イオンを含む層を加熱し、さらに酸性水溶液に接触させた微細金属含有層は高い導電性を有する。また、銀アセチリド含む層を加熱し、さらにパラジウムイオンを含む酸性水溶液に接触させた微細金属含有層は高い無電解めっき触媒性と高い導電性を有する。さらに、金属アセチリドを含む塗布液は塗布適性に優れているので、生産性が良好である。
【0008】
以下、導電性フィルム10の好ましい作製方法について説明する。
まず、金属アセチリドを含有する塗布液を調製する。金属アセチリドを含有する塗布液は、▲1▼炭素−炭素三重結合を有するモノマーおよび金属元素を有する金属化合物を所定の溶媒に分散および/または溶解する(以下、「A塗布液」という)ことによって、あるいは▲2▼金属アセチリドを所定の溶媒に分散および/または溶解する(以下、「B塗布液」という)ことによって調製することができる。A塗布液では、溶媒中で炭素−炭素結合を有するモノマーと金属元素が反応することによって、前記モノマーの一部または全部が金属アセチリドに変化する。前記A塗布液において、前記炭素−炭素三重結合を有するモノマーとしては下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】
前記一般式(1)中、Aはポリオキシエーエル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表し、R1は水素原子、カルボキシル基もしくはその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表し、Lは炭素−炭素三重結合とAとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。
【0011】
また、前記一般式(1)において、Aはさらに水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィノ基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、カルボキシル基もしくはその塩、または重合性の基で置換されていてもよい。前記重合性の基としては、例えば、グリシジル基、ビニル基、イソシアナート基等が挙げられる。
【0012】
前記一般式(1)において、R1は水素元素、カルボキシル基もしくはその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表す。前記一般式(1)中、R1が表すアルキル基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、アルキル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。また、R1が表すシクロアルキル基としては、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基が好ましい。R1が表すアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が好ましく、アルケニル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。R1が表すアルキニル基としては、炭素原子数2〜10のアルキニル基が好ましく、アルキニル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。R1が表すアリール基しては、炭素原子数6〜10のアリール基が好ましい。R1が表すアラルキル基としては、炭素原子数7〜10のアラルキル基が好ましい。R1が表す複素環基としては、窒素原子、硫黄原子、または酸素原子等を含む、5〜6員環からなる複素環基が好ましい。R1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、および複素環基は各々置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、アセチル基、エポキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
【0013】
前記一般式(1)において、Lは炭素−炭素三重結合とAを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表す。例えば、Lは、各々置換されていてもよいアルキレン基、アリール基、アラルキレン基、ビニレン基、シクロアルキレン基、グルタロイル基、フタロイル基、ヒドラゾ基、ウレイレン基、チオ基、カルボニル基、オキシ基、イミノ基、スルフィニル基、スルホニル基、チオカルボニル基、オキザリル基、アゾ基等を表す。また、前記いずれかの基を2種以上組み合わせた基であってもよい。尚、Lは、さらに種々の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、Aの置換基として例示した基が挙げられる。
【0014】
前記一般式(1)において、kおよびlは、各々、1以上の整数を表す。kは1〜4の整数であるのが好ましく、lは1〜2の整数であるのが好ましい。また、前記一般式(1)において、mは0以上の整数を表し、中でも、1〜3の整数であるのが好ましい。
【0015】
前記一般式(1)で表される化合物について、以下に、具体例(1)〜(16)を示す。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
炭素−炭素三重結合を有するモノマーとしては、具体例(1)が好ましい。
【0019】
前記A塗布液に含有される金属元素は、周期律表8族および1B族元素から選ばれるいずれかの元素であるのが好ましい。周期律表8族元素としては、例えば、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金等が挙げられ、また1B族元素としては銅、銀、金が挙げられる。中でも、金属元素は、銀、金、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、またはパラジウムであるのが好ましく、銀または銅であるのがより好ましい。また、前記元素は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記金属元素は、金属塩および金属錯体の形態で前記塗布液の調製に用いられるのが好ましい。前記金属塩としては、硝酸銀、酢酸銀、四フッ化ホウ素酸銀、塩化パラジウム、塩化第一銅、塩化白金等が挙げられる。前記金属錯体としては、ジ−μ−クロロビス(η−2−メチルアリル)ジパラジウム(II)錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム錯体、ジ−μ−クロロテトラカルボニルジロジウム(I)錯体、1,4,7,10,13−ペンタオキシシクロドデカン・ナトリウムテトラクロルバナジナイト、ジシクロペンタジエン−金(I)クロリド等が挙げられる。尚、B塗布液にも、前記金属元素の金属塩および/または金属錯体を含有させてもよい。
【0020】
前記B塗布液に用いられる金属アセチリドは、下記一般式(2)で表される化合物であるのが好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】
前記一般式(2)中、Aはポリオキシエーエル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表し、R2は金属元素を表し、Lは炭素−炭素三重結合とAとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。前記一般式(2)中の、A、L、k、n、およびmについては、前記一般式(1)の各々と同義であり、好ましい例も同様である。
【0023】
前記一般式(2)中、R2は金属元素を表す。R2が表す金属元素としては、水素を除く1A族(アルカリ元素)、1B族(銅族)、2A族(アルカリ土類元素)、2B族(亜鉛族)、ホウ素を除く3B族、炭素とケイ素を除く4B族、8族(鉄族および白金族)、3A族、4A族、5A族、6A族および7A族に属する元素とアンチモン、ビスマス、ポロニウムが挙げられる。中でも、R2は、銀、金、銅、アルミニウム、ニッケル、またはパラジウム原子であることが好ましく、銀または銅原子であるのが好ましい。尚、前記B塗布液には、前記A塗布液と同様に金属元素を含有させてもよい。
【0024】
前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、前記一般式(1)の具体例で示した化合物(1)〜(16)において、R1に相当する基を金属元素に置換した化合物が挙げられる。中でも、具体例(1)のアセチレン基の末端水素原子が金属元素、特に銀元素に置換された化合物が好ましい。
【0025】
尚、前記一般式(1)および一般式(2)中、R1およびR2とアセチレン基との結合は、各々、σ結合であってもπ結合であってもよい。
【0026】
前記AおよびB塗布液の調製に用いられる溶媒としては、純水、または有機溶媒を用いることができる。特に、B塗布液に含有される金属アセチリドは、純水に対しても分散性および/または溶解性が高いので、純水を溶媒として塗布液を調製することができ、生産工程の環境安全性が向上するので好ましい。前記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化合物、酢酸エチルのようなエステル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等のエーテル類、メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテートの様なアセテート類が挙げられる。
【0027】
前記B塗布液においては、金属アセチリドは溶解または0.1μm以下の分散粒子径で溶媒中に分散しているので、微細金属含有層14を均一な層厚で形成できるので好ましい。尚、前記A塗布液の調製時には、塗布液中に含有される金属元素とモノマーとが反応して金属アセチリドが生成する場合は、生成した金属アセチリドは溶解または前記範囲の分散粒子径で溶媒中に分散しているのが好ましい。
【0028】
次に、本発明に用いられるポリアミック酸は、さらに加熱によって脱水閉環してポリイミド環すなわちポリイミド樹脂を形成する。従ってポリアミック酸はポリイミド前駆体であるが、合成的には二官能酸無水物と二官能アミンを縮合させて得られる多官能カルボン酸またはその塩として安定に得ることができる。それはポリイミドに至る閉環反応が容易には起こらないからである。一般的に、電子材料の支持体として用いられる耐熱性ポリイミド樹脂は、以下の反応式(3)に従い得られるが、無水ピロメリット酸とオキシジアニリンとの反応により得られるポリイミドが高耐熱性樹脂として標準的に用いられている。
【0029】
【化5】
【0030】
反応式(3)に示された二官能酸無水物の構造Xとしては、四価の有機残基であればどのようなものでも良いが、好ましいものを下記に示す。
【0031】
【化6】
【0032】
反応式(3)に示された二官能アミンの構造Yとしては、二価の有機残基であればどのようなものでも良いが、好ましいものを下記に示す。
【化7】
【0033】
これらの反応によって生成するポリアミック酸はジカルボン酸であり、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、モルホリン塩、ジアザビシクロノナン塩やジアザビシクロウンデカノン塩とし、本発明の金属アセチリドの溶液として塗布することができる。また、支持体上に予めポリアミック酸またはその塩を塗布し、その上に金属アセチリドを塗布しても良い。塗布性および塗布経費の点では、混合して塗布するほうが好ましい。
【0034】
ポリアミック酸の塗布量は、0.01g/m2〜50g/m2が好ましく、0.1g/m2〜1.0g/m2がさらに好ましい。また、炭素−炭素三重結合を有するモノマーの塗布量を100質量部としたとき、ポリアミック酸の塗布量は100質量部以下であることが好ましく、5〜50重量部であることがより好ましい。
【0035】
前記AおよびB塗布液中におけるモノマー等の分散性および/または溶解性を向上させることを目的として、各々の塗布液中に界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、フッ素系、アンモニウム塩系、スルホン酸塩系、エチレンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の含有量は、モノマー100質量部あたり5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部程度であることがより好ましい。その他、前記AおよびB塗布液中には、各々、バインダ樹脂、可塑剤、増粘剤等を含有させてもよい。
【0036】
調製した前記塗布液を、高分子フィルムからなる支持体12の表面に塗布し、その後、加熱する。加熱時には、金属アセチリド(A塗布液では、塗布液中に生成した金属アセチリド)に含まれる有機成分が分解し、さらに複雑に重合する。一方、ポリアミック酸は加熱時、縮合環化しポリイミド樹脂層を形成し、境界の不明瞭な微細金属含有層14が形成される。その結果、微細金属含有層14と高分子フィルムからなる支持体12との間は極めて高い密着力により密着し、且つ微細金属含有層14に含有される金属成分の割合が増大し、微細金属含有層14は高い導電性を示す。特に、本実施の形態では、高分子フィルムを支持体12として用いているが、金属アセチリド(A塗布液では塗布液中に生成する金属アセチリド)は低温分解性を有するので、高分子フィルムの耐熱温度範囲で加熱することによって、高い導電性を有する微細金属含有層14を形成できる。加熱温度は、150℃〜300℃であるのが好ましく、170℃〜200℃であるのがより好ましい。さらに、加熱時間は30秒〜5分が好ましく、より好ましくは10秒〜3分である。
【0037】
支持体12は、微細金属含有層14形成時の熱処理に耐える必要があるので、支持体12に用いられる高分子フィルムとしては、短期耐熱温度が150℃以上であるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる高分子フィルムが好ましい。尚、短期耐熱温度とは、非晶性ポリマーではガラス転移温度(Tg)を、結晶性ポリマーではTm−50℃(Tmは融点℃)をいう。密着性の点では、支持体としてはポリイミド樹脂が最も好ましい。
【0038】
次に、形成された微細金属含有層14を、パラジウム、錫、白金、金および銀からなる金属元素群から選ばれるいずれかの金属元素のイオンを含有する酸性溶液に少なくとも接触させ、例えば、浸漬して処理する。この処理によって、酸性溶液中に含まれる前記金属元素イオンが、微細金属含有層14の表面に析出し、微細金属含有層14中の金属と合金化する。その結果、微細金属含有層14の表面電気抵抗は500Ω/□以下、好ましくは200Ω/□以下になる。金属元素イオンを含有する前記酸性溶液は、金属塩を酸性溶液に溶解することによって調製できる。用いる金属塩としては、塩化パラジウム、塩化白金、塩化金酸等が挙げられる。
【0039】
中でも、パラジウムのイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。特に、銀の金属アセチリドから微細金属含有層14を形成した場合は、銀とパラジウムの合金が形成されることで、導電層回路間に生じるマイグレーションを軽減することができる。
【0040】
前記酸性溶液による処理後、微細金属含有層14の表面を純水等で洗浄するのが好ましい。また、洗浄後、室温〜150℃で乾燥するのが好ましい。
【0041】
前記酸性溶液による処理後、微細金属含有層14中に含有される金属元素の量は0.2g/m2以上であると、表面電気抵抗を低下させることができるので好ましく、0.5g/m2以上であるのがより好ましい。
【0042】
微細金属含有層14の層厚は、0.05μm〜1μmであるのが好ましく、0.1μm〜0.5μmであるのがより好ましい。微細金属含有層14の層厚は、塗布液の塗布量を調整することによって、好ましい範囲にすることができる。また、支持体12として透明なフィルムを用いるとともに、微細金属含有層14を光透過性とすると、例えば、電磁波シールドフィルム等の光透過性が要求される部材に利用することができる。B塗布液(金属塩粒子を別途添加しない塗布液)を用いて微細金属含有層14を形成することによって、微細金属含有層14を光透過性とすることができる。
【0043】
本実施の形態において、支持体12がポリイミド以外の場合、支持体12と微細金属含有層14との密着性をより向上させる一般的方法として、支持体12と微細金属含有層14との間に下塗り層を設けてもよい。下塗り層の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、およびポリエステル樹脂が好ましい。また、本実施の形態では、支持体12の片面にのみ微細金属含有層14を形成したが、これに限定されず、用途に応じて、支持体12の両面に微細金属含有層14を形成してもよい。
【0044】
前記作製方法の各工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、導電性フィルムの生産コストを軽減することができる。また、接着剤を使用していないので、耐熱性が要求される部材、例えば、回路板等の部材として使用することができる。
【0045】
本発明の導電性フィルムの第2の実施の形態の概略断面図を図2に示す。導電性フィルム20は、図1の導電性フィルム10の微細金属含有層14上に、微細金属含有層14をメッキ核としてメッキしてなる薄膜金属層16を有する。微細金属含有層14の表面14aの表面電気抵抗は500Ω/□以下であるので、メッキ核として機能させることができ、微細金属含有層14上にメッキによる薄膜金属層を容易に形成することができる。
【0046】
無電解メッキ処理は、通常の方法に従って実施することができる。すなわち、基体表面を洗浄し、塩化第一錫もしくは他の第一錫塩を含む浴に浸漬し、水洗する。これに所望金属の析出を促進する金属塩(例えば硝酸銀、塩化金、塩化パラジウムもしくは塩化白金)の浴中に浸漬する。次に、この金属イオンを還元して触媒的に活性化された表面を形成する。還元剤(一般的にはホルムアルデヒド)の存在下に、所望金属塩の液に浸漬して銅、ニッケルやコバルトを析出させる。
【0047】
電解メッキ処理は、通常の方法に従って実施することができる。メッキ浴に含有させる金属としては、ニッケル、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウムが好ましい。本実施の形態の導電性フィルムを、フレキシブル銅張積層板、あるいは電磁波シールドフィルタに適用する場合は、メッキ浴として銅メッキ浴を使用するのが好ましい。銅メッキ浴としては、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴が挙げられる。また、銀メッキ浴としては、シアン化銀カリウム浴が一般的である。メッキ浴のpHは8〜9、メッキ処理時のメッキ浴の温度は50℃〜70℃に維持されるのが好ましい。また、メッキ処理時には、電流密度を30〜80A/dm2で実施するのが好ましい。尚、薄膜金属層16の層厚は、メッキ処理時の電流値、メッキ処理時間によって適宜設定できる。
【0048】
前記工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、導電性フィルムの生産コストを軽減することができる。また、接着剤を使用していないので、耐熱性が要求される部材、例えば、回路板等の部材として使用することができる。
【0049】
本発明の導電性フィルムの第3の実施の形態の概略断面図を図3に示す。導電性フィルム30は、導電性フィルム20の微細金属含有層14および薄膜金属層16が各々パターニング処理されてなる微細金属含有層14’および薄膜金属層16’とを有する。例えば、本実施の形態をフレキシブル銅張積層板に適用する場合は、パターン化された微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、微細回路を構成する。また、例えば、本実施の形態を電磁波シールドフィルタに適用する場合は、パターン化された微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、電磁波をシールドするためのメッシュパターンを構成する。
【0050】
前記微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、第2の実施の形態の導電性フィルム20を作製した後、即ち薄膜金属層16を形成した後に微細金属含有層14と薄膜金属層16を同時にパターニング処理して形成してもよいし、第1の実施の形態の導電性フィルム20を作製した後に、微細金属含有層14をパターニング処理し、パターン化された微細金属含有層14’をメッキ核とするメッキにより薄膜金属層16’を形成してもよい。
【0051】
図4に、第2の実施の形態の導電性フィルム20を形成した後、微細金属含有層14および薄膜金属層16を同時にパターニング処理する例を示す。導電性フィルム20を用意し(図4(a))、薄膜金属層16上に、フォトレジス材料を含有する感光層22をラミネート処理により形成する(図4(b))。次に、感光層22上から、フォトマスク24を介して光を照射する(図4(c))。光照射によって、感光層22の光照射部は硬化して、現像液に対する溶解性が低下する。その後、アルカリ性の現像液等で現像すると、感光層22の非光照射部のみが除去される(図4(d))さらに、エッチング処理を施し、感光層22によって保護されていない領域の微細金属含有層14および薄膜金属層16を除去する(図4(e))。次に、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒で洗浄し、残存する感光層22を除去して、導電性フィルム30が得られる(図4(f))。尚、光照射は、フォトマスクを使用せずに、レーザによってパターン状に光照射してもよい。
【0052】
図5に、第1の実施の形態の導電性フィルム10を作製した後、微細金属含有層14をパターニング処理して微細金属含有層14’を形成し、微細金属含有層14’をメッキ核として薄膜金属層16’を形成する例を示す。導電性フィルム10を用意し(図5(a))、微細金属含有層14上に、フォトレジス材料を含有する感光層22をラミネート処理により形成する(図5(b))。次に、感光層22上から、フォトマスク24を介して光を照射する(図5(c))。光照射によって、感光層22の光照射部は硬化して、現像液に対する溶解性が低下する。その後、アルカリ性の現像液等で現像すると、感光層22の非光照射部のみが除去される(図5(d))。さらに、塩化第二銅水溶液等でエッチング処理を施し、感光層22によって保護されていない領域の微細金属含有層14を除去する(図5(e))。次に、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒で洗浄し、残存する感光層22を除去することによって、支持体12上に、導電性を有するパターン化された微細金属含有層14’を形成することができる(図5(f))。さらに、微細金属含有層14’をメッキ核として、前記第2の実施の形態で示した方法によりメッキ処理を施すと、導電性フィルム30が得られる(図5(g))。尚、光照射は、フォトマスクを使用せずに、レーザによってパターン状に光照射してもよい。
【0053】
この様にして形成した導電性フィルム30は、微細金属含有層14’と薄膜金属層16’との密着性が良好で、高い性能信頼性を有する。前記工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、生産コストを軽減することができる。
【0054】
この様にして作製した導電性フィルム30は、2層タイプの銅張積層板として利用できる。さらに、微細金属含有層14の形成、薄膜金属層16の形成、およびパターニング(微細金属含有層14’および薄膜金属層16’の形成)、あるいは微細金属含有層14の形成、パターニングによる微細金属含有層14’の形成、および薄膜金属層16’の形成工程を繰り返すことによって、微細で且つ緻密な回路のフレキシブルプリント基板とすることができる。フレキシブルプリント基板として使用する場合、微細金属含有層14、14’上に、所望により、耐水性、耐熱性、絶縁性等を有する被覆層を形成してもよい。
【0055】
また、微細金属含有層14’および薄膜金属層16’を光透過性とすることで、微細なメッシュパターンを有する磁気シールドフィルターに利用することができる。導電性フィルム30を利用した磁気シールドフィルターは、例えば、薄膜金属層16’上にさらに、接着層を形成し、該接着層を、フィルタの基板となるアクリル板等の表面に接着して作製することができる。導電性フィルム30を利用した磁気シールドフィルタ−は、良好な磁気シールド性能を有するとともに、高い性能信頼性を有する。
【0056】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、「部」は「質量部」示すものとする。
【0057】
[製造例1]
下記に示す組成の微細金属含有層用塗布液aを調製した。尚、塗布液は、0.5μmφのポアサイズのフィルターで濾過した後に使用した。
金属アセチリド 15部
(下記構造式1で表される化合物)
ポリアミック酸 15部
(下記構造式2で表される化合物)
ノニオン型フッ素系界面活性剤 0.1部
(C8F17SO2N(C3H7-n)C2H4O(C2H4O)15H)
純水 70部
【0058】
[製造例2]
下記に示す組成の微細金属含有層用塗布液bを調製した。尚、塗布液は、0.5μmφのポアサイズのフィルターで濾過した後に使用した。
金属アセチリド 10部
(下記構造式1で表される化合物)
硝酸銀水溶液(1mol/L) 40部
ポリアミック酸 10部
(下記構造式2で表される化合物)
ノニオン型フッ素系界面活性剤 0.1部
(C8F17SO2N(C3H7-n)C2H4O(C2H4O)15H)
メタノール 40部
【0059】
【化8】
【0060】
[実施例1]
ポリイミド樹脂(厚さ50μm、短期耐熱温度420℃)フィルム上に、前記微細金属含有層用塗布液aを、乾燥膜厚が0.5μmになる様にバーコータにより塗布した。次に、185℃で5分間熱処理を行い微細金属含有層を形成した。次に、形成された微細金属含有層を塩化パラジウムの1mol/L塩酸溶液に浸漬し、水洗した後、1時間100℃で乾燥した。
また、微細金属含有層用塗布液aの替わりに微細金属含有層用塗布液bを用いて同じ工程を行った。
【0061】
形成された微細金属含有層aと微細金属含有層bについて、それぞれ表面電気抵抗および透過率を測定した。表面電気抵抗は、JIS規格C−6481に従って測定した。また、光透過率は分光光度計を用いて測定した。測定結果を下記表1に示す。
【0062】
次に、微細金属含有層aを有するフィルムを希塩酸水溶液で表面処理した後、微細金属含有層をメッキ核とし、硫酸銅水溶液をメッキ浴として電解銅めっきを施し、微細金属含有層上に約10μmの厚みを有する銅の薄膜金属層を形成し、フレキシブル銅張積層板(FCL)を作製した。
【0063】
[実施例2]
実施例1と同様に、ポリイミド樹脂(厚さ50μm、短期耐熱温度420℃)フィルム上に、微細金属含有層aを形成し、塩化パラジウムの1mol/L塩酸溶液に浸漬し、水洗した後、1時間100℃で乾燥した。
【0064】
次に、希塩酸水溶液で表面処理を施した後、微細金属含有層をメッキ核とし、硫酸銅水溶液をメッキ浴として無電解銅めっきを施し、微細金属含有層上に約10μmの厚みを有する銅の薄膜金属層を形成し、FCLを作製した。
【0065】
【表1】
【0066】
[比較例1]
比較例用試料として、市販の2層タイプのFCLを使用した。このFCLは、ポリイミド樹脂のフィルム(厚さ50μm)上に、銅の無電解メッキ層、およびさらにその上に、銅メッキ層が形成された構成であった。
【0067】
[比較例2]
比較例用試料として、市販の3層タイプのFCLを使用した。このFCLは、ポリイミド樹脂のフィルム(厚さ50μm)上に、アクリル樹脂接着剤からなる接着層、およびさらにその上に、圧延銅層が形成された構成であった。
【0068】
[試験例1]
実施例1〜2と比較例1〜2のFCLについて、各々、ピール強度およびピンホール発生数を調べた。ピール強度については、JIS規格C−6471に従って測定した。また、ピンホール数については、透過型顕微鏡を使用して、10cm×10cmの面積内に発生しているピンホールの数を数えた。評価結果を下記表2に各々示した。
【0069】
[試験例2]
実施例1と比較例1〜2のFCLについて、導電性フィルム(富士写真フイルム社製のDFR「HL−020」)をラミネーターを用いて、薄膜金属層上に各々積層した。次に、対抗櫛型のネガパターン(S/L=50μm/50μm)を介して、50mJでDFRを露光した。その後、Na2CO3(1%濃度)水溶液で現像処理し、更に、塩化第二銅の溶液で50秒間エッチング処理した。更に、アセトンで残存するDFRを除去した。次に、パターン化された銅の薄膜金属層上および露出している下塗り層上に、ソルダーレジスト(Du Pont社製)を含有する層をスクリーン印刷により形成し(厚さ、約20μm)、150℃で1時間熱処理して、微細パターンの櫛型の回路が形成されたプリント基板を各々作製した。
【0070】
作製した各々のプリント基板に直流電圧5Vを印可して、配線間の絶縁抵抗を測定した。さらに、直流電圧5Vを連続的に印可して、温度100℃、相対湿度90%、1.3Kg/cm2の荷重下において、配線間の絶縁抵抗の耐久性を調べた。試験開始から300時間経過するまで絶縁抵抗が維持された場合は、耐久性は300時間より長いものと評価した。
評価結果を下記表2に各々示した。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、導体層の良好な導電性能と導体層と支持体との間の良好な密着性を両立させた導電性フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、簡易な工程により、且つ低コストで、良好な導電性能を有する導電性フィルムを安定的に製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの作製工程例を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの作製工程の他の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10,20,30 導電性フィルム
12 支持体
14,14’ 微細金属含有層
16,16’ 薄膜金属層
22 感光層
24 マスク
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性フィルム、およびその作製方法に関し、より詳細には、フレキシブル配線板(PWB)、フレキシブル銅張積層板(FCL)、電磁波シールド(EMI)フィルタとして利用し得る導電性フィルタおよびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性フィルムは、一般的に、フレキシブルな高分子フィルム上に導電性薄膜を形成したものであり、柔軟性、および軽量性を有し、且つ、小型化および薄型化が容易である。近年、ディスプレイ機器、通信機器をはじめとする民生機器に対する、小型化および軽量化への要求が強く、導電性フィルムについては、種々の民生機器の電子部品としての用途が拡大している。例えば、高分子フィルム上に、銅導体を接着したフレキシブル銅張積層板は、小型電子機器のプリント配線板として種々使用されている。また、金属からなるメッシュパターンを有する導電性フィルムは、電磁波シールドフィルタの部材として利用されている。
【0003】
前記フレキシブル銅張積層板(FCL)には、銅導体と基板フィルムとを接着する接着層を有する3層FCLと、接着層が設けられていない2層FCLとがある。耐熱性が必要な回路板への適用や、超薄型の用途には、接着剤が不要な2層FCLが有利である。従来、2層FCLの製造方法としては、スパッタリング法を利用して高分子フィルム上に導体層を形成する方法が知られている。しかし、前記スパッタリング法は、導体層と高分子フィルム支持体との密着性が充分でなく、性能信頼性が低いという問題がある。また、生産工程が煩雑であるととともに、生産コスト高になるという問題がある。
【0004】
一方、合成樹脂のような非導電性の支持体上に、炭素−炭素三重結合を有する化合物の重合体(特許文献1参照)を含む層を形成し、その層の表面にパラジウム含有溶液を接触させて導電性を付与する方法も知られている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法によっても、導体層と支持体との間の密着性および/または導体層の導電性になお改善の余地があった。
【特許文献1】特公平7−53777号公報
【特許文献2】特開平11−80991号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、導体層の良好な導電性能と導体層と支持体との間の良好な密着性を両立させた導電性フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、簡易な工程により、且つ低コストで、良好な導電性能を有する導電性フィルムを安定的に製造する方法を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の構成を有する本発明によれば上記目的を達成しうることを見出した。
<1> 支持体上に薄膜金属層を有する導電性フィルムであって、該支持体と該薄膜金属層との間にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム。
<2> 支持体の短期耐熱温度が150℃以上である<1>に記載の導電性フィルム。
<3> 支持体がポリイミドである<1>に記載の導電性フィルム。
<4> 薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
<5> 微細金属含有層が銀を含み、薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<4>に記載の導電性フィルム。
<6> 微細金属含有層が銀とパラジウムを含み、薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される<4>に記載の導電性フィルム。<7> ポリアミック酸および金属アセチリドを含有する塗布液を支持体上に塗布し、加熱処理して微細金属含有層を形成する第1の工程と、形成された微細金属含有層を、パラジウム、錫、金、白金および銀からなる群から選ばれるいずれか1種もしくは複数種の金属元素のイオンを含有する酸性溶液に接触させて処理する第2の工程とを有する導電性フィルムの作製方法。
<8> 第2の工程の後、微細金属含有層をメッキ核としてメッキすることにより、該微細金属含有層上に薄膜金属層を形成する第3の工程を有する<7>に記載の導電性フィルムの作製方法。
<9> 支持体上にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム形成用フィルム。
<10> 微細金属含有層が、金属アセチリドとポリイミド前駆体とを含む層を加熱することにより形成される<9>に記載の導電性フィルム形成用フィルムの製造方法。
<11> 微細金属含有層が、銀、金、白金、銅、アルミニウム、ニッケルおよびパラジウムからなる群から選ばれるいずれかの金属元素を含む<9>に記載の導電性フィルム。
<12> <9>に記載の導電性フィルム形成用フィルムにパターン化した金属薄膜層を積層されたフレキシブル配線板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の導電性フィルムおよびその作製方法について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の導電性フィルムの第1の実施形態の概略断面図を図1に示す。フィルム10は、高分子フィルムからなる支持体12と、その上に、微細金属含有層14とを有する。微細金属含有層14は、その表面14aの電気抵抗が通常500Ω/□以下、好ましくは200Ω/□以下である。前記微細金属含有層14は、好ましくはポリアミック酸等のポリイミド前駆体と金属アセチリドとを含有する塗布液を塗布し、加熱処理してなるので、支持体12との密着性が高い。また、銀アセチリドに等当量の銀イオンを含む層を加熱し、さらに酸性水溶液に接触させた微細金属含有層は高い導電性を有する。また、銀アセチリド含む層を加熱し、さらにパラジウムイオンを含む酸性水溶液に接触させた微細金属含有層は高い無電解めっき触媒性と高い導電性を有する。さらに、金属アセチリドを含む塗布液は塗布適性に優れているので、生産性が良好である。
【0008】
以下、導電性フィルム10の好ましい作製方法について説明する。
まず、金属アセチリドを含有する塗布液を調製する。金属アセチリドを含有する塗布液は、▲1▼炭素−炭素三重結合を有するモノマーおよび金属元素を有する金属化合物を所定の溶媒に分散および/または溶解する(以下、「A塗布液」という)ことによって、あるいは▲2▼金属アセチリドを所定の溶媒に分散および/または溶解する(以下、「B塗布液」という)ことによって調製することができる。A塗布液では、溶媒中で炭素−炭素結合を有するモノマーと金属元素が反応することによって、前記モノマーの一部または全部が金属アセチリドに変化する。前記A塗布液において、前記炭素−炭素三重結合を有するモノマーとしては下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】
前記一般式(1)中、Aはポリオキシエーエル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表し、R1は水素原子、カルボキシル基もしくはその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表し、Lは炭素−炭素三重結合とAとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。
【0011】
また、前記一般式(1)において、Aはさらに水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィノ基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、カルボキシル基もしくはその塩、または重合性の基で置換されていてもよい。前記重合性の基としては、例えば、グリシジル基、ビニル基、イソシアナート基等が挙げられる。
【0012】
前記一般式(1)において、R1は水素元素、カルボキシル基もしくはその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表す。前記一般式(1)中、R1が表すアルキル基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、アルキル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。また、R1が表すシクロアルキル基としては、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基が好ましい。R1が表すアルケニル基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が好ましく、アルケニル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。R1が表すアルキニル基としては、炭素原子数2〜10のアルキニル基が好ましく、アルキニル基は直鎖状であっても分岐していてもよい。R1が表すアリール基しては、炭素原子数6〜10のアリール基が好ましい。R1が表すアラルキル基としては、炭素原子数7〜10のアラルキル基が好ましい。R1が表す複素環基としては、窒素原子、硫黄原子、または酸素原子等を含む、5〜6員環からなる複素環基が好ましい。R1が表すアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、および複素環基は各々置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、アセチル基、エポキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
【0013】
前記一般式(1)において、Lは炭素−炭素三重結合とAを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表す。例えば、Lは、各々置換されていてもよいアルキレン基、アリール基、アラルキレン基、ビニレン基、シクロアルキレン基、グルタロイル基、フタロイル基、ヒドラゾ基、ウレイレン基、チオ基、カルボニル基、オキシ基、イミノ基、スルフィニル基、スルホニル基、チオカルボニル基、オキザリル基、アゾ基等を表す。また、前記いずれかの基を2種以上組み合わせた基であってもよい。尚、Lは、さらに種々の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、Aの置換基として例示した基が挙げられる。
【0014】
前記一般式(1)において、kおよびlは、各々、1以上の整数を表す。kは1〜4の整数であるのが好ましく、lは1〜2の整数であるのが好ましい。また、前記一般式(1)において、mは0以上の整数を表し、中でも、1〜3の整数であるのが好ましい。
【0015】
前記一般式(1)で表される化合物について、以下に、具体例(1)〜(16)を示す。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
炭素−炭素三重結合を有するモノマーとしては、具体例(1)が好ましい。
【0019】
前記A塗布液に含有される金属元素は、周期律表8族および1B族元素から選ばれるいずれかの元素であるのが好ましい。周期律表8族元素としては、例えば、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金等が挙げられ、また1B族元素としては銅、銀、金が挙げられる。中でも、金属元素は、銀、金、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、またはパラジウムであるのが好ましく、銀または銅であるのがより好ましい。また、前記元素は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。前記金属元素は、金属塩および金属錯体の形態で前記塗布液の調製に用いられるのが好ましい。前記金属塩としては、硝酸銀、酢酸銀、四フッ化ホウ素酸銀、塩化パラジウム、塩化第一銅、塩化白金等が挙げられる。前記金属錯体としては、ジ−μ−クロロビス(η−2−メチルアリル)ジパラジウム(II)錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム錯体、ジ−μ−クロロテトラカルボニルジロジウム(I)錯体、1,4,7,10,13−ペンタオキシシクロドデカン・ナトリウムテトラクロルバナジナイト、ジシクロペンタジエン−金(I)クロリド等が挙げられる。尚、B塗布液にも、前記金属元素の金属塩および/または金属錯体を含有させてもよい。
【0020】
前記B塗布液に用いられる金属アセチリドは、下記一般式(2)で表される化合物であるのが好ましい。
【0021】
【化4】
【0022】
前記一般式(2)中、Aはポリオキシエーエル基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基を表し、R2は金属元素を表し、Lは炭素−炭素三重結合とAとを連結する化学結合、もしくは(k+m)価の基を表し、kおよびnは各々1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表す。前記一般式(2)中の、A、L、k、n、およびmについては、前記一般式(1)の各々と同義であり、好ましい例も同様である。
【0023】
前記一般式(2)中、R2は金属元素を表す。R2が表す金属元素としては、水素を除く1A族(アルカリ元素)、1B族(銅族)、2A族(アルカリ土類元素)、2B族(亜鉛族)、ホウ素を除く3B族、炭素とケイ素を除く4B族、8族(鉄族および白金族)、3A族、4A族、5A族、6A族および7A族に属する元素とアンチモン、ビスマス、ポロニウムが挙げられる。中でも、R2は、銀、金、銅、アルミニウム、ニッケル、またはパラジウム原子であることが好ましく、銀または銅原子であるのが好ましい。尚、前記B塗布液には、前記A塗布液と同様に金属元素を含有させてもよい。
【0024】
前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、前記一般式(1)の具体例で示した化合物(1)〜(16)において、R1に相当する基を金属元素に置換した化合物が挙げられる。中でも、具体例(1)のアセチレン基の末端水素原子が金属元素、特に銀元素に置換された化合物が好ましい。
【0025】
尚、前記一般式(1)および一般式(2)中、R1およびR2とアセチレン基との結合は、各々、σ結合であってもπ結合であってもよい。
【0026】
前記AおよびB塗布液の調製に用いられる溶媒としては、純水、または有機溶媒を用いることができる。特に、B塗布液に含有される金属アセチリドは、純水に対しても分散性および/または溶解性が高いので、純水を溶媒として塗布液を調製することができ、生産工程の環境安全性が向上するので好ましい。前記有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化合物、酢酸エチルのようなエステル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンのようなアミド類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル等のエーテル類、メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテートの様なアセテート類が挙げられる。
【0027】
前記B塗布液においては、金属アセチリドは溶解または0.1μm以下の分散粒子径で溶媒中に分散しているので、微細金属含有層14を均一な層厚で形成できるので好ましい。尚、前記A塗布液の調製時には、塗布液中に含有される金属元素とモノマーとが反応して金属アセチリドが生成する場合は、生成した金属アセチリドは溶解または前記範囲の分散粒子径で溶媒中に分散しているのが好ましい。
【0028】
次に、本発明に用いられるポリアミック酸は、さらに加熱によって脱水閉環してポリイミド環すなわちポリイミド樹脂を形成する。従ってポリアミック酸はポリイミド前駆体であるが、合成的には二官能酸無水物と二官能アミンを縮合させて得られる多官能カルボン酸またはその塩として安定に得ることができる。それはポリイミドに至る閉環反応が容易には起こらないからである。一般的に、電子材料の支持体として用いられる耐熱性ポリイミド樹脂は、以下の反応式(3)に従い得られるが、無水ピロメリット酸とオキシジアニリンとの反応により得られるポリイミドが高耐熱性樹脂として標準的に用いられている。
【0029】
【化5】
【0030】
反応式(3)に示された二官能酸無水物の構造Xとしては、四価の有機残基であればどのようなものでも良いが、好ましいものを下記に示す。
【0031】
【化6】
【0032】
反応式(3)に示された二官能アミンの構造Yとしては、二価の有機残基であればどのようなものでも良いが、好ましいものを下記に示す。
【化7】
【0033】
これらの反応によって生成するポリアミック酸はジカルボン酸であり、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、モルホリン塩、ジアザビシクロノナン塩やジアザビシクロウンデカノン塩とし、本発明の金属アセチリドの溶液として塗布することができる。また、支持体上に予めポリアミック酸またはその塩を塗布し、その上に金属アセチリドを塗布しても良い。塗布性および塗布経費の点では、混合して塗布するほうが好ましい。
【0034】
ポリアミック酸の塗布量は、0.01g/m2〜50g/m2が好ましく、0.1g/m2〜1.0g/m2がさらに好ましい。また、炭素−炭素三重結合を有するモノマーの塗布量を100質量部としたとき、ポリアミック酸の塗布量は100質量部以下であることが好ましく、5〜50重量部であることがより好ましい。
【0035】
前記AおよびB塗布液中におけるモノマー等の分散性および/または溶解性を向上させることを目的として、各々の塗布液中に界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、フッ素系、アンモニウム塩系、スルホン酸塩系、エチレンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤の含有量は、モノマー100質量部あたり5質量部以下であることが好ましく、0.1質量部程度であることがより好ましい。その他、前記AおよびB塗布液中には、各々、バインダ樹脂、可塑剤、増粘剤等を含有させてもよい。
【0036】
調製した前記塗布液を、高分子フィルムからなる支持体12の表面に塗布し、その後、加熱する。加熱時には、金属アセチリド(A塗布液では、塗布液中に生成した金属アセチリド)に含まれる有機成分が分解し、さらに複雑に重合する。一方、ポリアミック酸は加熱時、縮合環化しポリイミド樹脂層を形成し、境界の不明瞭な微細金属含有層14が形成される。その結果、微細金属含有層14と高分子フィルムからなる支持体12との間は極めて高い密着力により密着し、且つ微細金属含有層14に含有される金属成分の割合が増大し、微細金属含有層14は高い導電性を示す。特に、本実施の形態では、高分子フィルムを支持体12として用いているが、金属アセチリド(A塗布液では塗布液中に生成する金属アセチリド)は低温分解性を有するので、高分子フィルムの耐熱温度範囲で加熱することによって、高い導電性を有する微細金属含有層14を形成できる。加熱温度は、150℃〜300℃であるのが好ましく、170℃〜200℃であるのがより好ましい。さらに、加熱時間は30秒〜5分が好ましく、より好ましくは10秒〜3分である。
【0037】
支持体12は、微細金属含有層14形成時の熱処理に耐える必要があるので、支持体12に用いられる高分子フィルムとしては、短期耐熱温度が150℃以上であるのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる高分子フィルムが好ましい。尚、短期耐熱温度とは、非晶性ポリマーではガラス転移温度(Tg)を、結晶性ポリマーではTm−50℃(Tmは融点℃)をいう。密着性の点では、支持体としてはポリイミド樹脂が最も好ましい。
【0038】
次に、形成された微細金属含有層14を、パラジウム、錫、白金、金および銀からなる金属元素群から選ばれるいずれかの金属元素のイオンを含有する酸性溶液に少なくとも接触させ、例えば、浸漬して処理する。この処理によって、酸性溶液中に含まれる前記金属元素イオンが、微細金属含有層14の表面に析出し、微細金属含有層14中の金属と合金化する。その結果、微細金属含有層14の表面電気抵抗は500Ω/□以下、好ましくは200Ω/□以下になる。金属元素イオンを含有する前記酸性溶液は、金属塩を酸性溶液に溶解することによって調製できる。用いる金属塩としては、塩化パラジウム、塩化白金、塩化金酸等が挙げられる。
【0039】
中でも、パラジウムのイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。特に、銀の金属アセチリドから微細金属含有層14を形成した場合は、銀とパラジウムの合金が形成されることで、導電層回路間に生じるマイグレーションを軽減することができる。
【0040】
前記酸性溶液による処理後、微細金属含有層14の表面を純水等で洗浄するのが好ましい。また、洗浄後、室温〜150℃で乾燥するのが好ましい。
【0041】
前記酸性溶液による処理後、微細金属含有層14中に含有される金属元素の量は0.2g/m2以上であると、表面電気抵抗を低下させることができるので好ましく、0.5g/m2以上であるのがより好ましい。
【0042】
微細金属含有層14の層厚は、0.05μm〜1μmであるのが好ましく、0.1μm〜0.5μmであるのがより好ましい。微細金属含有層14の層厚は、塗布液の塗布量を調整することによって、好ましい範囲にすることができる。また、支持体12として透明なフィルムを用いるとともに、微細金属含有層14を光透過性とすると、例えば、電磁波シールドフィルム等の光透過性が要求される部材に利用することができる。B塗布液(金属塩粒子を別途添加しない塗布液)を用いて微細金属含有層14を形成することによって、微細金属含有層14を光透過性とすることができる。
【0043】
本実施の形態において、支持体12がポリイミド以外の場合、支持体12と微細金属含有層14との密着性をより向上させる一般的方法として、支持体12と微細金属含有層14との間に下塗り層を設けてもよい。下塗り層の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、およびポリエステル樹脂が好ましい。また、本実施の形態では、支持体12の片面にのみ微細金属含有層14を形成したが、これに限定されず、用途に応じて、支持体12の両面に微細金属含有層14を形成してもよい。
【0044】
前記作製方法の各工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、導電性フィルムの生産コストを軽減することができる。また、接着剤を使用していないので、耐熱性が要求される部材、例えば、回路板等の部材として使用することができる。
【0045】
本発明の導電性フィルムの第2の実施の形態の概略断面図を図2に示す。導電性フィルム20は、図1の導電性フィルム10の微細金属含有層14上に、微細金属含有層14をメッキ核としてメッキしてなる薄膜金属層16を有する。微細金属含有層14の表面14aの表面電気抵抗は500Ω/□以下であるので、メッキ核として機能させることができ、微細金属含有層14上にメッキによる薄膜金属層を容易に形成することができる。
【0046】
無電解メッキ処理は、通常の方法に従って実施することができる。すなわち、基体表面を洗浄し、塩化第一錫もしくは他の第一錫塩を含む浴に浸漬し、水洗する。これに所望金属の析出を促進する金属塩(例えば硝酸銀、塩化金、塩化パラジウムもしくは塩化白金)の浴中に浸漬する。次に、この金属イオンを還元して触媒的に活性化された表面を形成する。還元剤(一般的にはホルムアルデヒド)の存在下に、所望金属塩の液に浸漬して銅、ニッケルやコバルトを析出させる。
【0047】
電解メッキ処理は、通常の方法に従って実施することができる。メッキ浴に含有させる金属としては、ニッケル、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウムが好ましい。本実施の形態の導電性フィルムを、フレキシブル銅張積層板、あるいは電磁波シールドフィルタに適用する場合は、メッキ浴として銅メッキ浴を使用するのが好ましい。銅メッキ浴としては、硫酸銅浴、ピロリン酸銅浴が挙げられる。また、銀メッキ浴としては、シアン化銀カリウム浴が一般的である。メッキ浴のpHは8〜9、メッキ処理時のメッキ浴の温度は50℃〜70℃に維持されるのが好ましい。また、メッキ処理時には、電流密度を30〜80A/dm2で実施するのが好ましい。尚、薄膜金属層16の層厚は、メッキ処理時の電流値、メッキ処理時間によって適宜設定できる。
【0048】
前記工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、導電性フィルムの生産コストを軽減することができる。また、接着剤を使用していないので、耐熱性が要求される部材、例えば、回路板等の部材として使用することができる。
【0049】
本発明の導電性フィルムの第3の実施の形態の概略断面図を図3に示す。導電性フィルム30は、導電性フィルム20の微細金属含有層14および薄膜金属層16が各々パターニング処理されてなる微細金属含有層14’および薄膜金属層16’とを有する。例えば、本実施の形態をフレキシブル銅張積層板に適用する場合は、パターン化された微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、微細回路を構成する。また、例えば、本実施の形態を電磁波シールドフィルタに適用する場合は、パターン化された微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、電磁波をシールドするためのメッシュパターンを構成する。
【0050】
前記微細金属含有層14’および薄膜金属層16’は、第2の実施の形態の導電性フィルム20を作製した後、即ち薄膜金属層16を形成した後に微細金属含有層14と薄膜金属層16を同時にパターニング処理して形成してもよいし、第1の実施の形態の導電性フィルム20を作製した後に、微細金属含有層14をパターニング処理し、パターン化された微細金属含有層14’をメッキ核とするメッキにより薄膜金属層16’を形成してもよい。
【0051】
図4に、第2の実施の形態の導電性フィルム20を形成した後、微細金属含有層14および薄膜金属層16を同時にパターニング処理する例を示す。導電性フィルム20を用意し(図4(a))、薄膜金属層16上に、フォトレジス材料を含有する感光層22をラミネート処理により形成する(図4(b))。次に、感光層22上から、フォトマスク24を介して光を照射する(図4(c))。光照射によって、感光層22の光照射部は硬化して、現像液に対する溶解性が低下する。その後、アルカリ性の現像液等で現像すると、感光層22の非光照射部のみが除去される(図4(d))さらに、エッチング処理を施し、感光層22によって保護されていない領域の微細金属含有層14および薄膜金属層16を除去する(図4(e))。次に、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒で洗浄し、残存する感光層22を除去して、導電性フィルム30が得られる(図4(f))。尚、光照射は、フォトマスクを使用せずに、レーザによってパターン状に光照射してもよい。
【0052】
図5に、第1の実施の形態の導電性フィルム10を作製した後、微細金属含有層14をパターニング処理して微細金属含有層14’を形成し、微細金属含有層14’をメッキ核として薄膜金属層16’を形成する例を示す。導電性フィルム10を用意し(図5(a))、微細金属含有層14上に、フォトレジス材料を含有する感光層22をラミネート処理により形成する(図5(b))。次に、感光層22上から、フォトマスク24を介して光を照射する(図5(c))。光照射によって、感光層22の光照射部は硬化して、現像液に対する溶解性が低下する。その後、アルカリ性の現像液等で現像すると、感光層22の非光照射部のみが除去される(図5(d))。さらに、塩化第二銅水溶液等でエッチング処理を施し、感光層22によって保護されていない領域の微細金属含有層14を除去する(図5(e))。次に、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の有機溶媒で洗浄し、残存する感光層22を除去することによって、支持体12上に、導電性を有するパターン化された微細金属含有層14’を形成することができる(図5(f))。さらに、微細金属含有層14’をメッキ核として、前記第2の実施の形態で示した方法によりメッキ処理を施すと、導電性フィルム30が得られる(図5(g))。尚、光照射は、フォトマスクを使用せずに、レーザによってパターン状に光照射してもよい。
【0053】
この様にして形成した導電性フィルム30は、微細金属含有層14’と薄膜金属層16’との密着性が良好で、高い性能信頼性を有する。前記工程は、真空室等で行う必要はなく、スパッタリングによる作製工程と比較して、工程が簡易であるとともに、生産コストを軽減することができる。
【0054】
この様にして作製した導電性フィルム30は、2層タイプの銅張積層板として利用できる。さらに、微細金属含有層14の形成、薄膜金属層16の形成、およびパターニング(微細金属含有層14’および薄膜金属層16’の形成)、あるいは微細金属含有層14の形成、パターニングによる微細金属含有層14’の形成、および薄膜金属層16’の形成工程を繰り返すことによって、微細で且つ緻密な回路のフレキシブルプリント基板とすることができる。フレキシブルプリント基板として使用する場合、微細金属含有層14、14’上に、所望により、耐水性、耐熱性、絶縁性等を有する被覆層を形成してもよい。
【0055】
また、微細金属含有層14’および薄膜金属層16’を光透過性とすることで、微細なメッシュパターンを有する磁気シールドフィルターに利用することができる。導電性フィルム30を利用した磁気シールドフィルターは、例えば、薄膜金属層16’上にさらに、接着層を形成し、該接着層を、フィルタの基板となるアクリル板等の表面に接着して作製することができる。導電性フィルム30を利用した磁気シールドフィルタ−は、良好な磁気シールド性能を有するとともに、高い性能信頼性を有する。
【0056】
【実施例】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、「部」は「質量部」示すものとする。
【0057】
[製造例1]
下記に示す組成の微細金属含有層用塗布液aを調製した。尚、塗布液は、0.5μmφのポアサイズのフィルターで濾過した後に使用した。
金属アセチリド 15部
(下記構造式1で表される化合物)
ポリアミック酸 15部
(下記構造式2で表される化合物)
ノニオン型フッ素系界面活性剤 0.1部
(C8F17SO2N(C3H7-n)C2H4O(C2H4O)15H)
純水 70部
【0058】
[製造例2]
下記に示す組成の微細金属含有層用塗布液bを調製した。尚、塗布液は、0.5μmφのポアサイズのフィルターで濾過した後に使用した。
金属アセチリド 10部
(下記構造式1で表される化合物)
硝酸銀水溶液(1mol/L) 40部
ポリアミック酸 10部
(下記構造式2で表される化合物)
ノニオン型フッ素系界面活性剤 0.1部
(C8F17SO2N(C3H7-n)C2H4O(C2H4O)15H)
メタノール 40部
【0059】
【化8】
【0060】
[実施例1]
ポリイミド樹脂(厚さ50μm、短期耐熱温度420℃)フィルム上に、前記微細金属含有層用塗布液aを、乾燥膜厚が0.5μmになる様にバーコータにより塗布した。次に、185℃で5分間熱処理を行い微細金属含有層を形成した。次に、形成された微細金属含有層を塩化パラジウムの1mol/L塩酸溶液に浸漬し、水洗した後、1時間100℃で乾燥した。
また、微細金属含有層用塗布液aの替わりに微細金属含有層用塗布液bを用いて同じ工程を行った。
【0061】
形成された微細金属含有層aと微細金属含有層bについて、それぞれ表面電気抵抗および透過率を測定した。表面電気抵抗は、JIS規格C−6481に従って測定した。また、光透過率は分光光度計を用いて測定した。測定結果を下記表1に示す。
【0062】
次に、微細金属含有層aを有するフィルムを希塩酸水溶液で表面処理した後、微細金属含有層をメッキ核とし、硫酸銅水溶液をメッキ浴として電解銅めっきを施し、微細金属含有層上に約10μmの厚みを有する銅の薄膜金属層を形成し、フレキシブル銅張積層板(FCL)を作製した。
【0063】
[実施例2]
実施例1と同様に、ポリイミド樹脂(厚さ50μm、短期耐熱温度420℃)フィルム上に、微細金属含有層aを形成し、塩化パラジウムの1mol/L塩酸溶液に浸漬し、水洗した後、1時間100℃で乾燥した。
【0064】
次に、希塩酸水溶液で表面処理を施した後、微細金属含有層をメッキ核とし、硫酸銅水溶液をメッキ浴として無電解銅めっきを施し、微細金属含有層上に約10μmの厚みを有する銅の薄膜金属層を形成し、FCLを作製した。
【0065】
【表1】
【0066】
[比較例1]
比較例用試料として、市販の2層タイプのFCLを使用した。このFCLは、ポリイミド樹脂のフィルム(厚さ50μm)上に、銅の無電解メッキ層、およびさらにその上に、銅メッキ層が形成された構成であった。
【0067】
[比較例2]
比較例用試料として、市販の3層タイプのFCLを使用した。このFCLは、ポリイミド樹脂のフィルム(厚さ50μm)上に、アクリル樹脂接着剤からなる接着層、およびさらにその上に、圧延銅層が形成された構成であった。
【0068】
[試験例1]
実施例1〜2と比較例1〜2のFCLについて、各々、ピール強度およびピンホール発生数を調べた。ピール強度については、JIS規格C−6471に従って測定した。また、ピンホール数については、透過型顕微鏡を使用して、10cm×10cmの面積内に発生しているピンホールの数を数えた。評価結果を下記表2に各々示した。
【0069】
[試験例2]
実施例1と比較例1〜2のFCLについて、導電性フィルム(富士写真フイルム社製のDFR「HL−020」)をラミネーターを用いて、薄膜金属層上に各々積層した。次に、対抗櫛型のネガパターン(S/L=50μm/50μm)を介して、50mJでDFRを露光した。その後、Na2CO3(1%濃度)水溶液で現像処理し、更に、塩化第二銅の溶液で50秒間エッチング処理した。更に、アセトンで残存するDFRを除去した。次に、パターン化された銅の薄膜金属層上および露出している下塗り層上に、ソルダーレジスト(Du Pont社製)を含有する層をスクリーン印刷により形成し(厚さ、約20μm)、150℃で1時間熱処理して、微細パターンの櫛型の回路が形成されたプリント基板を各々作製した。
【0070】
作製した各々のプリント基板に直流電圧5Vを印可して、配線間の絶縁抵抗を測定した。さらに、直流電圧5Vを連続的に印可して、温度100℃、相対湿度90%、1.3Kg/cm2の荷重下において、配線間の絶縁抵抗の耐久性を調べた。試験開始から300時間経過するまで絶縁抵抗が維持された場合は、耐久性は300時間より長いものと評価した。
評価結果を下記表2に各々示した。
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、導体層の良好な導電性能と導体層と支持体との間の良好な密着性を両立させた導電性フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、簡易な工程により、且つ低コストで、良好な導電性能を有する導電性フィルムを安定的に製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの作製工程例を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の導電性フィルムの作製工程の他の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10,20,30 導電性フィルム
12 支持体
14,14’ 微細金属含有層
16,16’ 薄膜金属層
22 感光層
24 マスク
Claims (8)
- 支持体上に薄膜金属層を有する導電性フィルムであって、該支持体と該薄膜金属層との間にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム。
- 支持体の短期耐熱温度が150℃以上である請求項1に記載の導電性フィルム。
- 薄膜金属層が無電解メッキあるいは電解メッキにより形成される請求項1または2に記載の導電性フィルム。
- ポリアミック酸および金属アセチリドを含有する塗布液を支持体上に塗布し、加熱処理して微細金属含有層を形成する第1の工程と、形成された微細金属含有層を、パラジウム、錫、金、白金および銀からなる群から選ばれるいずれか1種もしくは複数種の金属元素のイオンを含有する酸性溶液に接触させて処理する第2の工程とを有する導電性フィルムの作製方法。
- 第2の工程の後、微細金属含有層をメッキ核としてメッキすることにより、該微細金属含有層上に薄膜金属層を形成する第3の工程を有する請求項4に記載の導電性フィルムの作製方法。
- 支持体上にポリイミドと微細金属を含む微細金属含有層を有することを特徴とする導電性フィルム形成用フィルム。
- 微細金属含有層が、金属アセチリドとポリイミド前駆体とを含む層を加熱することにより形成される請求項6に記載の導電性フィルム形成用フィルムの製造方法。
- 請求項6に記載の導電性フィルム形成用フィルムにパターン化した金属薄膜層を積層されたフレキシブル配線板。
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