JP2004189367A - エレベータの据付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仮設の支持梁を昇降路に設けることを要せずに、容易にかつ迅速に昇降路内機器を据付けることができるエレベータ据付方法の提供。
【解決手段】最上部ガイドレール3aに主ロープ7の一端のロープエンド17を設け、ロープエンド17を介し最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット18,19を介し昇降路1の壁に支持させるとともに、他の最上部ガイドレール4aにも主ロープ7の他端のロープエンド22を設け、ロープエンド22を介し最上部ガイドレール4aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット23,24を介し昇降路1の壁に支持させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】最上部ガイドレール3aに主ロープ7の一端のロープエンド17を設け、ロープエンド17を介し最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット18,19を介し昇降路1の壁に支持させるとともに、他の最上部ガイドレール4aにも主ロープ7の他端のロープエンド22を設け、ロープエンド22を介し最上部ガイドレール4aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット23,24を介し昇降路1の壁に支持させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路の頂部に機械室を設けないいわゆる機械室レス形式のエレベータの据付方法に係わり、特に、つり合いおもりと釣瓶式に連結した乗かごを昇降させて昇降路内機器を据付けるエレベータの据付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータが設置される建物には、昇降路の頂部に巻上機や制御盤を設置した機械室が設けられていた。このように昇降路の頂部の機械室に巻上機を設置した場合、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重は、巻上機を介して機械室の床に負荷され建物で支持することになる。よって、エレベータのガイドレールには前記の総懸垂荷重が負荷されないため、ガイドレールを立設しながら、巻上機により乗かごを昇降させながら昇降路内機器を据付けることが可能であった。しかしながら、上述した従来のエレベータでは、乗かごが最上階まで上昇するため、上記の機械室は必然的に建物屋上から一段突出することとなり、建物北側に位置する住宅地に対して目照権の問題を提起し、また、美観的にも好ましくないものであった。
【0003】
そこで近年、法規制が緩和され、所定の条件下において巻上機や制御盤を昇降路内に設置することが認められるようになった。このようないわゆる機械室レス形式のエレベータにあっては、昇降路内に設置される巻上機を介して負荷された乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重を支持する建物の床がないため、その総懸垂荷重をガイドレールを介して昇降路底部で支持する構造としている。そのため、ガイドレールを立設しながら巻上機によって乗かごを昇降させながら昇降路内機器を据付けることが困難である。
【0004】
図3はこの種のエレベータの据付方法の一例を説明する斜視図、図4は図3のエレベータに設けられるレールブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【0005】
図3に示すエレベータは、昇降路1と、順次連結され昇降路1底部のベース材2上に立設される2組のガイドレール3,4と、これらのうち一対のガイドレール3により案内され、昇降路1を昇降する乗かご5と、他の一対のガイドレール4により案内され、昇降路1を昇降するつり合いおもり6と、これらの乗かご5およびつり合いおもり6を連結して釣瓶式に吊上げる主ロープ7と、昇降路1の底部に設置され、主ロープ7を巻き上げる巻上機8とを備えている。乗かご5を案内するガイドレール3は、所定の間隔をおいて配置されるレールブラケット9を介し昇降路1の壁に固定されており、つり合いおもり6を案内する他のガイドレール4も同様である。また、図4に示すようにレールクリップ10とレールブラケット9との間で最上部ガイドレール3aを挟圧するようになっており、レールブラケット9は、複数のガイドレール3のうちの最上部ガイドレール3aに対しても左右一対の計2個使用されている。
【0006】
そして従来、この種のエレベータの据付方法として、仮設の支持梁11,12を昇降路1の頂部を横切って配置するとともに、仮設の支持梁11,12をブラケット13,14を介して昇降路1の壁に固定し、これらの支持梁11,12で乗かご5及びつり合いおもり6より掛かる総懸垂荷重を支持するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000―60158号公報(段落番号0017、図1〜図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のエレベータの据付方法では、昇降路1の頂部を横切って配置された仮設の支持梁11,12が長物であり、かつかなりの重量があるため、これらの支持梁11,12の設置と解体が困難であるという問題がある。また、仮設の支持梁11,12を昇降路1の大きさに合せて据付工事毎に準備する必要があるためエレベータ据付工期が長引くとともに、仮設の支持梁11,12の機材管理に費用が掛かるという問題もある。
【0009】
この発明は、上記した従来技術における実状を鑑みてなされたもので、その目的は、昇降路に仮設の支持梁を設けることを要せずに、容易に、かつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることのできるエレベータの据付方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の請求項1に係わる発明は、乗かご及びつり合いおもりをそれぞれ案内する複数のガイドレールのうちの最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールを、それぞれ最下部ブラケット及び最上部ブラケットを介して昇降路壁に固定し、前記最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールにそれぞれ係合させた状態で乗かご及びつり合いおもりを組み上げた後、これらの乗かご及びつり合いおもりを主ロープにて連結して釣瓶式に昇降させ、前記乗かご及びつり合いおもりの昇降時に負荷される総懸垂荷重を前記昇降路壁に支持させた状態で、昇降路内機器の芯出し固定を行なうエレベータの据付方法において、前記最上部ガイドレールに、前記主ロープの両端のロープエンドを設けるとともに、これらのロープエンドを介して前記最上部ガイドレールに負荷される前記総懸垂荷重を、前記最上部ブラケットを介して前記昇降路壁に支持させるよう構成した。
【0011】
このように請求項1に係わる発明では、乗かご及びつり合いおもりを主ロープにて連結して釣瓶式に昇降させるとき、主ロープの両端のロープエンドを介して負荷される総懸垂荷重を、最上部ガイドレールで受けるとともに最上部ブラケットを介して昇降路壁に支持させる。これにより、前記の総懸垂荷重を支持する仮設の支持梁を昇降路に設けることを要せずに、乗かごを昇降させながら容易に、かつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ガイドレールを前記最上部ブラケットとの間で挟圧するレールクリップの員数を増加させる構成にした。
【0013】
このように請求項2に係わる発明では、最上部ガイドレールを挟圧するレールクリップの員数を増加させることで最上部ガイドレールを挟圧する力が大きくなるので、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重がロープエンドを介して負荷される最上部ガイドレールを確実に支持することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に係わる発明は、請求項1に係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットが、前記総懸垂荷重の曲げモーメントを支持可能な強度部材を備えた構成にした。
【0015】
このように請求項3に係わる発明では、最上部ガイドレールに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケットの強度部材で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレールを強固に支持することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に係わる発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットは、据付作業の完了後に本設のエレベータに使用される構成にした。
【0017】
このように請求項4に係わる発明では、エレベータの昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケットを、据付作業の完了後も取外すことなく本設のエレベータに使用することにより、エレベータ据付作業の効率を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータの据付方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係わるエレベータの据付方法を説明する斜視図、図2は図1のエレベータの据付方法で用いられる最上部ブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【0020】
図1に示すエレベータでは、乗かご5用の最上部ガイドレール3aの上端に取付けられる吊りビーム15と、この吊りビーム15につなぎ部材16を介して連結されるロープエンド17と、最上部ガイドレール3aを昇降路1の壁に固定する最上部ブラケット18,19と、つり合いおもり6用の最上部ガイドレール4aの上端に取付けられる吊りビーム20と、この吊りビーム20につなぎ部材21を介して連結されるロープエンド22と、最上部ガイドレール4aを昇降路1の壁に固定する最上部ブラケット23,24とが設けられている。
【0021】
また、最上部ブラケット18は、図2に示すように、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを支持可能な強度部材25と、この強度部材25との間で最上部ガイドレール3aを挟圧する左右三対(計6個)のレールクリップ26とを備えており、他の最上部ブラケット19、23,24もそれぞれ同様である。
【0022】
そして、本実施形態の据付方法にあっては、乗かご5用の最上部ガイドレール3aに吊りビーム15、つなぎ部材16及びロープエンド17を介して吊りロープ7の一端を取付けて、前記のロープエンド17を介して最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット18,19を介して昇降路1の壁に支持させる。また、つり合いおもり6用の最上部ガイドレール4aに吊りビーム20、つなぎ部材21及びロープエンド22を介して吊りロープ7の他端を取付けて、前記のロープエンド22を介して最上部ガイドレール4aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット23,24を介して昇降路1の壁に支持させる。この状態で乗かご5及びつり合いおもり6を主ロープ7にて釣瓶式に昇降させながら、乗かご5に乗り込んだ作業者が昇降路1内の機器の芯出し固定を行なう。次いで、このようにしてエレベータ据付作業を完了した後も最上部ブラケット18,19、23,24を取外すことなく本設のエレベータに使用するようになっている。
【0023】
このように構成した実施形態では、主ロープ7を介して負荷される乗かご5及びつり合いおもり6の総懸垂荷重を最上部ガイドレール3a,4aで受けるとともに最上部ブラケット18,19、23,24を介して昇降路1の壁に支持させるので、従来のように仮設の支持梁を昇降路1に設けることを要せずに済む。したがって、長物で重量のある仮設の支持梁の設置と解体作業及び支持梁の機材管理が不要となり、コスト削減を図れるとともに、仮設の支持梁を昇降路1の大きさに合せて据付工事毎の準備が不要となり据付工期を短くできるので、容易にかつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0024】
また、本実施形態では、最上部ブラケット18のレールクリップ26の員数を増加させることで最上部ガイドレール3aを挟圧する力が大きくなるので、乗かご5及びつり合いおもり6の総懸垂荷重がロープエンド17を介して負荷される最上部ガイドレール3aを確実に支持することができ、他の最上部ブラケット19、23,24の図示しないレールクリップに関しても同様である。
【0025】
また、本実施形態では、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケット18の強度部材25で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレール3aを強固に支持することができ、他の最上部ブラケット19、23,24の図示しない強度部材に関しても同様である。
【0026】
また、本実施形態では、昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケット18,19、23,24を据付作業の完了後も取外さずに本設のエレベータに使用することにより、エレベータ据付作業の効率向上を図ることができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、最上部ガイドレール3aを2つの最上部ブラケット18,19により支持する場合を例示したが、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重が比較的小さい場合には1つのみの最上部ブラケット18で最上部ガイドレール3aを支持することもできる。また、同様に1つのみの最上部ブラケット23で最上部ガイドレール4aを支持することもできる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に係わる発明では、主ロープを介して負荷される乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重を最上部ガイドレールで受けるとともに最上部ブラケットを介して昇降路壁に支持させるので、従来のように仮設の支持梁を昇降路に設けることを要せずに、乗かごを昇降させながら容易にかつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0029】
また、本発明の請求項2に係わる発明では、最上部ブラケットのレールクリップの員数を増加させることで最上部ガイドレールを挟圧する力が大きくなるので、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重がロープエンドを介して負荷される最上部ガイドレールを確実に支持することができる。
【0030】
また、本発明の請求項3に係わる発明では、最上部ガイドレールに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケットの強度部材で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレールを強固に支持することができる。
【0031】
また、本発明の請求項4に係わる発明では、昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケットを据付作業の完了後も取外さずに本設のエレベータに使用するので、エレベータ据付作業の効率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるエレベータの据付方法を説明する斜視図である。
【図2】図1のエレベータの据付方法で用いられる最上部ブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【図3】エレベータの据付方法の一例を説明する斜視図である。
【図4】図3のエレベータに設けられるレールブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 昇降路
3,4 ガイドレール
3a,4a 最上部ガイドレール
3b,4b 最下部ガイドレール
5 乗かご
6 つり合いおもり
7 主ロープ
9 レールブラケット
15 吊りビーム
16 つなぎ部材
17 ロープエンド
18,19 最上部ブラケット
20 吊りビーム
21 つなぎ部材
22 ロープエンド
23,24 最上部ブラケット
25 強度部材
26 レールクリップ
【発明の属する技術分野】
この発明は、昇降路の頂部に機械室を設けないいわゆる機械室レス形式のエレベータの据付方法に係わり、特に、つり合いおもりと釣瓶式に連結した乗かごを昇降させて昇降路内機器を据付けるエレベータの据付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータが設置される建物には、昇降路の頂部に巻上機や制御盤を設置した機械室が設けられていた。このように昇降路の頂部の機械室に巻上機を設置した場合、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重は、巻上機を介して機械室の床に負荷され建物で支持することになる。よって、エレベータのガイドレールには前記の総懸垂荷重が負荷されないため、ガイドレールを立設しながら、巻上機により乗かごを昇降させながら昇降路内機器を据付けることが可能であった。しかしながら、上述した従来のエレベータでは、乗かごが最上階まで上昇するため、上記の機械室は必然的に建物屋上から一段突出することとなり、建物北側に位置する住宅地に対して目照権の問題を提起し、また、美観的にも好ましくないものであった。
【0003】
そこで近年、法規制が緩和され、所定の条件下において巻上機や制御盤を昇降路内に設置することが認められるようになった。このようないわゆる機械室レス形式のエレベータにあっては、昇降路内に設置される巻上機を介して負荷された乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重を支持する建物の床がないため、その総懸垂荷重をガイドレールを介して昇降路底部で支持する構造としている。そのため、ガイドレールを立設しながら巻上機によって乗かごを昇降させながら昇降路内機器を据付けることが困難である。
【0004】
図3はこの種のエレベータの据付方法の一例を説明する斜視図、図4は図3のエレベータに設けられるレールブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【0005】
図3に示すエレベータは、昇降路1と、順次連結され昇降路1底部のベース材2上に立設される2組のガイドレール3,4と、これらのうち一対のガイドレール3により案内され、昇降路1を昇降する乗かご5と、他の一対のガイドレール4により案内され、昇降路1を昇降するつり合いおもり6と、これらの乗かご5およびつり合いおもり6を連結して釣瓶式に吊上げる主ロープ7と、昇降路1の底部に設置され、主ロープ7を巻き上げる巻上機8とを備えている。乗かご5を案内するガイドレール3は、所定の間隔をおいて配置されるレールブラケット9を介し昇降路1の壁に固定されており、つり合いおもり6を案内する他のガイドレール4も同様である。また、図4に示すようにレールクリップ10とレールブラケット9との間で最上部ガイドレール3aを挟圧するようになっており、レールブラケット9は、複数のガイドレール3のうちの最上部ガイドレール3aに対しても左右一対の計2個使用されている。
【0006】
そして従来、この種のエレベータの据付方法として、仮設の支持梁11,12を昇降路1の頂部を横切って配置するとともに、仮設の支持梁11,12をブラケット13,14を介して昇降路1の壁に固定し、これらの支持梁11,12で乗かご5及びつり合いおもり6より掛かる総懸垂荷重を支持するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000―60158号公報(段落番号0017、図1〜図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のエレベータの据付方法では、昇降路1の頂部を横切って配置された仮設の支持梁11,12が長物であり、かつかなりの重量があるため、これらの支持梁11,12の設置と解体が困難であるという問題がある。また、仮設の支持梁11,12を昇降路1の大きさに合せて据付工事毎に準備する必要があるためエレベータ据付工期が長引くとともに、仮設の支持梁11,12の機材管理に費用が掛かるという問題もある。
【0009】
この発明は、上記した従来技術における実状を鑑みてなされたもので、その目的は、昇降路に仮設の支持梁を設けることを要せずに、容易に、かつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることのできるエレベータの据付方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の請求項1に係わる発明は、乗かご及びつり合いおもりをそれぞれ案内する複数のガイドレールのうちの最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールを、それぞれ最下部ブラケット及び最上部ブラケットを介して昇降路壁に固定し、前記最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールにそれぞれ係合させた状態で乗かご及びつり合いおもりを組み上げた後、これらの乗かご及びつり合いおもりを主ロープにて連結して釣瓶式に昇降させ、前記乗かご及びつり合いおもりの昇降時に負荷される総懸垂荷重を前記昇降路壁に支持させた状態で、昇降路内機器の芯出し固定を行なうエレベータの据付方法において、前記最上部ガイドレールに、前記主ロープの両端のロープエンドを設けるとともに、これらのロープエンドを介して前記最上部ガイドレールに負荷される前記総懸垂荷重を、前記最上部ブラケットを介して前記昇降路壁に支持させるよう構成した。
【0011】
このように請求項1に係わる発明では、乗かご及びつり合いおもりを主ロープにて連結して釣瓶式に昇降させるとき、主ロープの両端のロープエンドを介して負荷される総懸垂荷重を、最上部ガイドレールで受けるとともに最上部ブラケットを介して昇降路壁に支持させる。これにより、前記の総懸垂荷重を支持する仮設の支持梁を昇降路に設けることを要せずに、乗かごを昇降させながら容易に、かつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係わる発明は、請求項1に係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ガイドレールを前記最上部ブラケットとの間で挟圧するレールクリップの員数を増加させる構成にした。
【0013】
このように請求項2に係わる発明では、最上部ガイドレールを挟圧するレールクリップの員数を増加させることで最上部ガイドレールを挟圧する力が大きくなるので、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重がロープエンドを介して負荷される最上部ガイドレールを確実に支持することができる。
【0014】
また、本発明の請求項3に係わる発明は、請求項1に係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットが、前記総懸垂荷重の曲げモーメントを支持可能な強度部材を備えた構成にした。
【0015】
このように請求項3に係わる発明では、最上部ガイドレールに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケットの強度部材で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレールを強固に支持することができる。
【0016】
また、本発明の請求項4に係わる発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係わるエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットは、据付作業の完了後に本設のエレベータに使用される構成にした。
【0017】
このように請求項4に係わる発明では、エレベータの昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケットを、据付作業の完了後も取外すことなく本設のエレベータに使用することにより、エレベータ据付作業の効率を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエレベータの据付方法の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係わるエレベータの据付方法を説明する斜視図、図2は図1のエレベータの据付方法で用いられる最上部ブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【0020】
図1に示すエレベータでは、乗かご5用の最上部ガイドレール3aの上端に取付けられる吊りビーム15と、この吊りビーム15につなぎ部材16を介して連結されるロープエンド17と、最上部ガイドレール3aを昇降路1の壁に固定する最上部ブラケット18,19と、つり合いおもり6用の最上部ガイドレール4aの上端に取付けられる吊りビーム20と、この吊りビーム20につなぎ部材21を介して連結されるロープエンド22と、最上部ガイドレール4aを昇降路1の壁に固定する最上部ブラケット23,24とが設けられている。
【0021】
また、最上部ブラケット18は、図2に示すように、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを支持可能な強度部材25と、この強度部材25との間で最上部ガイドレール3aを挟圧する左右三対(計6個)のレールクリップ26とを備えており、他の最上部ブラケット19、23,24もそれぞれ同様である。
【0022】
そして、本実施形態の据付方法にあっては、乗かご5用の最上部ガイドレール3aに吊りビーム15、つなぎ部材16及びロープエンド17を介して吊りロープ7の一端を取付けて、前記のロープエンド17を介して最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット18,19を介して昇降路1の壁に支持させる。また、つり合いおもり6用の最上部ガイドレール4aに吊りビーム20、つなぎ部材21及びロープエンド22を介して吊りロープ7の他端を取付けて、前記のロープエンド22を介して最上部ガイドレール4aに負荷される総懸垂荷重を、最上部ブラケット23,24を介して昇降路1の壁に支持させる。この状態で乗かご5及びつり合いおもり6を主ロープ7にて釣瓶式に昇降させながら、乗かご5に乗り込んだ作業者が昇降路1内の機器の芯出し固定を行なう。次いで、このようにしてエレベータ据付作業を完了した後も最上部ブラケット18,19、23,24を取外すことなく本設のエレベータに使用するようになっている。
【0023】
このように構成した実施形態では、主ロープ7を介して負荷される乗かご5及びつり合いおもり6の総懸垂荷重を最上部ガイドレール3a,4aで受けるとともに最上部ブラケット18,19、23,24を介して昇降路1の壁に支持させるので、従来のように仮設の支持梁を昇降路1に設けることを要せずに済む。したがって、長物で重量のある仮設の支持梁の設置と解体作業及び支持梁の機材管理が不要となり、コスト削減を図れるとともに、仮設の支持梁を昇降路1の大きさに合せて据付工事毎の準備が不要となり据付工期を短くできるので、容易にかつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0024】
また、本実施形態では、最上部ブラケット18のレールクリップ26の員数を増加させることで最上部ガイドレール3aを挟圧する力が大きくなるので、乗かご5及びつり合いおもり6の総懸垂荷重がロープエンド17を介して負荷される最上部ガイドレール3aを確実に支持することができ、他の最上部ブラケット19、23,24の図示しないレールクリップに関しても同様である。
【0025】
また、本実施形態では、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケット18の強度部材25で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレール3aを強固に支持することができ、他の最上部ブラケット19、23,24の図示しない強度部材に関しても同様である。
【0026】
また、本実施形態では、昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケット18,19、23,24を据付作業の完了後も取外さずに本設のエレベータに使用することにより、エレベータ据付作業の効率向上を図ることができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、最上部ガイドレール3aを2つの最上部ブラケット18,19により支持する場合を例示したが、最上部ガイドレール3aに負荷される総懸垂荷重が比較的小さい場合には1つのみの最上部ブラケット18で最上部ガイドレール3aを支持することもできる。また、同様に1つのみの最上部ブラケット23で最上部ガイドレール4aを支持することもできる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に係わる発明では、主ロープを介して負荷される乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重を最上部ガイドレールで受けるとともに最上部ブラケットを介して昇降路壁に支持させるので、従来のように仮設の支持梁を昇降路に設けることを要せずに、乗かごを昇降させながら容易にかつ迅速にエレベータの昇降路内機器を据付けることができる。
【0029】
また、本発明の請求項2に係わる発明では、最上部ブラケットのレールクリップの員数を増加させることで最上部ガイドレールを挟圧する力が大きくなるので、乗かご及びつり合いおもりの総懸垂荷重がロープエンドを介して負荷される最上部ガイドレールを確実に支持することができる。
【0030】
また、本発明の請求項3に係わる発明では、最上部ガイドレールに負荷される総懸垂荷重の曲げモーメントを最上部ブラケットの強度部材で支持できるので、最上部ガイドレールに曲げ力が加わった場合でも最上部ガイドレールを強固に支持することができる。
【0031】
また、本発明の請求項4に係わる発明では、昇降路内機器を据付ける際に使用した最上部ブラケットを据付作業の完了後も取外さずに本設のエレベータに使用するので、エレベータ据付作業の効率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるエレベータの据付方法を説明する斜視図である。
【図2】図1のエレベータの据付方法で用いられる最上部ブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【図3】エレベータの据付方法の一例を説明する斜視図である。
【図4】図3のエレベータに設けられるレールブラケット及びレールクリップを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 昇降路
3,4 ガイドレール
3a,4a 最上部ガイドレール
3b,4b 最下部ガイドレール
5 乗かご
6 つり合いおもり
7 主ロープ
9 レールブラケット
15 吊りビーム
16 つなぎ部材
17 ロープエンド
18,19 最上部ブラケット
20 吊りビーム
21 つなぎ部材
22 ロープエンド
23,24 最上部ブラケット
25 強度部材
26 レールクリップ
Claims (4)
- 乗かご及びつり合いおもりをそれぞれ案内する複数のガイドレールのうちの最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールを、それぞれ最下部ブラケット及び最上部ブラケットを介して昇降路壁に固定し、前記最下部ガイドレール及び最上部ガイドレールにそれぞれ係合させた状態で乗かご及びつり合いおもりを組み上げた後、これらの乗かご及びつり合いおもりを主ロープにて連結して釣瓶式に昇降させ、前記乗かご及びつり合いおもりの昇降時に負荷される総懸垂荷重を前記昇降路壁に支持させた状態で、昇降路内機器の芯出し固定を行なうエレベータの据付方法において、
前記最上部ガイドレールに、前記主ロープの両端のロープエンドを設けるとともに、これらのロープエンドを介して前記最上部ガイドレールに負荷される前記総懸垂荷重を、前記最上部ブラケットを介して前記昇降路壁に支持させるよう構成したことを特徴とするエレベータの据付方法。 - 請求項1記載のエレベータの据付方法において、前記最上部ガイドレールを前記最上部ブラケットとの間で挟圧するレールクリップの員数を増加させることを特徴とするエレベータの据付方法。
- 請求項1記載のエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットが、前記総懸垂荷重の曲げモーメントを支持可能な強度部材を備えたことを特徴とするエレベータの据付方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載のエレベータの据付方法において、前記最上部ブラケットは、据付作業の完了後に本設のエレベータに使用されることを特徴とするエレベータの据付方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106986256A (zh) * | 2017-05-19 | 2017-07-28 | 西南交通大学 | 一种立体车库的电梯能量回收*** |
CN107522062A (zh) * | 2017-10-17 | 2017-12-29 | 上海市浦东新区建设(集团)有限公司 | 一种电梯安装施工方法 |
CN111977496A (zh) * | 2020-08-21 | 2020-11-24 | 广东中园电梯工程有限公司 | 无机房无脚手架电梯施工方法 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356913A patent/JP2004189367A/ja active Pending
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