JP2004188641A - インクジェットカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】気液分離部材の劣化によるインク漏れを防止しインク充填の安定性に優れた信頼性の高いピットインインク供給方式を用いるインクジェットカートリッジを提案することを目的とする。
【解決手段】液体吐出口を有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給される液体を貯蔵する液体貯蔵室と、液体貯蔵室の一部に設けられたメインタンクと接続される液体供給口と、液体貯蔵室の一部に設けられた大気と連通する気液分離部材と、気液分離部材を介して大気と連通する気体連通口と、気体連通口より前記気液分離部材を吸引することで、メインタンクよりインクの補充を行いまた、吐出ユニット部から液体貯蔵室内を吸引することで記録ヘッドのインク詰まりを解消するインクジェットカートリッジにおいて、前記気液分離部材の上面側と下面側に前記気液分離部材を支持する気液分離部材押圧部材を備えることを特徴とするインクジェットカートリッジ。
【選択図】 図１
【解決手段】液体吐出口を有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給される液体を貯蔵する液体貯蔵室と、液体貯蔵室の一部に設けられたメインタンクと接続される液体供給口と、液体貯蔵室の一部に設けられた大気と連通する気液分離部材と、気液分離部材を介して大気と連通する気体連通口と、気体連通口より前記気液分離部材を吸引することで、メインタンクよりインクの補充を行いまた、吐出ユニット部から液体貯蔵室内を吸引することで記録ヘッドのインク詰まりを解消するインクジェットカートリッジにおいて、前記気液分離部材の上面側と下面側に前記気液分離部材を支持する気液分離部材押圧部材を備えることを特徴とするインクジェットカートリッジ。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種記録分野に利用されるインクジェットカートリッジに関するものであり、さらに詳しくは、ピットインインク供給方式を用いたインクジェットカートリッジに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ピットインインク供給方式を用いたインクジェットカートリッジの代表例として、特開２０００−３３４９８２号公報に記載のインクジェットカートリッジが挙げられる。特開２０００−３３４９８２号公報のインクジェットカートリッジは、吸引口から内部に導入した負圧によって、取入れ口から内部にインクを取入れ可能であって、吸引口にインクは通さずに気体を通す気液分離部材を備えている。この気液分離部材が満タン弁の役目を果たしており、インクの補充を容易に、かつ、確実に行うことができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すように、前記従来のインクジェットカートリッジにおいては、インク供給のために吸引口から液体貯蔵室内を吸引する際、あるいは記録ヘッドにインク詰まりを解消するために液体貯蔵室内を吸引する際に、気液分離部材に圧力が生じる。このため、吸引回数が数百、数千のオーダーになると、気液分離部材が劣化し、気液分離部材からのインク漏れなどが発生するという問題があった。
【０００４】
本発明は上記問題を解決し、気液分離部材の劣化によるインク漏れを防止しインク充填の安定性に優れた信頼性の高いピットインインク供給方式を用いるインクジェットカートリッジを提案することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は液体吐出口を有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給される液体を貯蔵する液体貯蔵室と、液体貯蔵室の一部に設けられたメインタンクと接続される液体供給口と、液体貯蔵室の一部に設けられた大気と連通する気液分離部材と、気液分離部材を介して大気と連通する気体連通口とを有し、気体連通口より前記気液分離部材を吸引することで、メインタンクよりインクの補充を行いまた、吐出ユニット部から液体貯蔵室内を吸引することで記録ヘッドのインク詰まりを解消するインクジェットカートリッジにおいて、吸引による気液分離部材の変形を低減させる気液分離部材押圧部材を有することを特徴とする。
【０００６】
また、気液分離部材は多孔質部材であることを特徴とする。
【０００７】
また、気液分離部材は撥水性を有する処理がなされていることを特徴とする。
【０００８】
また、気液分離部材押圧部材の配置あるいは構造が開放形であって気体が自由に流通する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００１０】
（実施形態１）
図１は、本発明の実施形態１のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００１１】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、記録ヘッドのインク詰まりの際は記録ヘッドの液体吐出口を吸引キャップ＝本体キャップ（不図示）を介し、吸引ポンプと接続して液体を吸引する。２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出する液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、５は気液分離部材であり、６は気液分離部材５を上部から押圧する気液分離部材押圧部材であり、７は気液分離部材５を下部から押圧する気液分離部材押圧部材であり、８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００１２】
図２は、図１をＡ方向から見たときの各部品の図であり、（ａ）は上部の気液分離部材押圧部材６、（ｂ）は下部の気液分離部材押圧部材７、（ｃ）は気液分離部材５、（ｄ）はフタ部材４を示す。
【００１３】
図１、図２に示すように、フタ部材４には液体貯蔵室に通ずるように開口部があり、その開口部を塞ぐように、気液分離部材５が配置されている。また、気液分離部材５の上下には多孔質材料からなる気液分離部材押圧部材６、７が設けられている。本実施形態の多孔質材料からなる気液分離部材押圧部材にはいくつかの開口部を有している。
【００１４】
図３は本実施でのピットインインク供給を説明する図である。
【００１５】
図３に示すように、大気連通口９から吸引ポンプより吸引Ｂを行うことで、液体貯蔵室２内に液体供給口３よりインクが供給される。また、このとき、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材６があるので、気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形はほとんど発生しない。また図３に示すように、インク詰まりを回復するために吐出ユニット部１から吸引ポンプより吸引Ｃを行う。このとき、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材７があるので、気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形はほとんど発生しない。
【００１６】
図４ａ，図４ｂは本実施形態の比較例として気液分離部材押圧部材６を設けていないインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明する図である。
【００１７】
図４ａに示すように、大気連通口８から吸引ポンプより吸引Ｄを行うことで、液体貯蔵室２内に液体供給口３よりインクが供給されるが、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材６がないので、気液分離部材５には吸引ポンプの圧力が直接加わり、気液分離部材５が変形している。この状態で、ピットインインク供給を繰り返すと、気液分離部材５が劣化し、気液分離部材５からのインクの漏れなどが発生する可能性がある。
【００１８】
また図４ｂに示すように、吐出ユニット部１から吸引ポンプより吸引Ｅを行うことで、インク詰まりを回復する。このとき、気液分離部材下に気液分離部材押圧部材７がないので、気液分離部材５には吸引ポンプの圧力が直接加わり、気液分離部材５が変形している。この状態を繰り返すと、気液分離部材５が劣化し、気液分離部材５からのインクの漏れなどが発生する可能性がある。
【００１９】
（実施形態２）
本発明の実施形態２のインクジェットカートリッジの断面図は図１に準じ、気液分離部材押圧部材６、７以外の形態は実施形態１に準ずる。図５は気液分離部材押圧部材６あるいは７を図１におけるＡ方向あるいはＡ’方向から見たときの構造を示す。
【００２０】
図５（ａ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を有していないが、気液分離部材押圧部材６は多孔質部材であるため、気体は容易に通すことができる。
【００２１】
図５（ｂ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を横方向に設けている。
【００２２】
図５（ｃ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を縦、横方向が交差するように設けている。
【００２３】
図５（ｄ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部をジグザグに設けている。
【００２４】
また図６には気液分離部材押圧部材６あるいは７の別の構造を示す。
【００２５】
図６（ａ１）は気液分離部材押圧部材６、７を図１ＡあるいはＡ’方向から見た構造を示し、（ａ２）はこれを断面方向から見た断面構造を示し、縦方向のストライプと横方向のストライプが上下に重なる構造を備えている。
【００２６】
図６（ｂ）は気液分離部材押圧部材６、７を図１ＡあるいはＡ’方向から見た構造を示し、縦方向のストライプと横方向のストライプが交叉する網目状構造を備えている。
【００２７】
気液分離部材押圧部材６、７として本実施形態の図５、図６に示したいずれの構成を使用しても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時あるいはインク詰まり回復動作時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００２８】
（実施形態３）
図７は実施形態３におけるインクジェットカートリッジの断面図である。
【００２９】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６および７は気液分離部材５を押圧する気液分離部材押圧部材であり８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００３０】
図８は、図７におけるＤおよびＤ’方向から見たときの各部品の図であり、（ａ−１）、（ａ−２）は気液分離部材押圧部材６、７、（ｂ）は気液分離部材５、（ｃ）はフタ部材４を示す。
【００３１】
図７、図８に示すように、フタ部材４には３室の液体貯蔵室（不図示）に通ずるように３つの開口部があり、その開口部を塞ぐように、３つの気液分離部材５が配置されている。また、３つの気液分離部材５の上面と下面には気液分離部材押圧部材６、７が設けられている。本実施形態の気液分離部材にはいくつかの開口部を有している。
【００３２】
本実施形態においては、複数の気液分離部材５に対して、２つの気液分離部材押圧部材６、７を設けたが、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００３３】
（実施形態４）
図９は、本発明の実施形態４のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００３４】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６、７は気液分離部材５を押圧する気液分離部材押圧部材であり８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００３５】
図９に示すように気液分離部材押圧部材６、７には、断面方向にいくつかのスリットが設けてある。また、本実施形態の気液分離部材押圧部材６、７は多孔質部材で形成されている。本実施形態の形態においても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００３６】
（実施形態５）
本発明の実施形態６のインクジェットカートリッジの断面図は図９に準じ、図１０は図９における気液分離部材押圧部材６、７の形状のみを示す。気液分離部材押圧部材６、７以外の形態は実施形態１に準ずる。
【００３７】
図１０（ａ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、上面と下面の双方にスリットを有している。
【００３８】
図１０（ｂ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、半円上のスリットを有する。
【００３９】
図１０（ｃ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、気液分離部材押圧部材６、７自体がうねった構成となっている。
【００４０】
本実施形態の図９（ａ）〜（ｃ）の気液分離部材押圧部材６、７を使用しても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００４１】
（実施形態６）
図１１は、本発明の実施形態６のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００４２】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６は気液分離部材５の下部に設けられた気液分離部材押圧部材である。７はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。８は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００４３】
本実施形態において、カバープレート７にはいくつかの気液分離部材５を押圧するような突起部を有している。すなわち気液分離部材押圧部材６の役割を果たすカバープレート７なのである。
【００４４】
本実施形態の形態においても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００４５】
また、本実施形態では、カバープレート７が気液分離部材５を押圧するように設けられているが、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力を緩和するような位置に配されてあれば、カバープレート７と気液分離部材５に隙間があったとしても本発明の形態に含まれる。
【００４６】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明によれば、ピットインインク供給時に気液分離部材にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形を低減することができる。すなわち、ピットイン回数に対する耐久性及びインク充填の安定性に優れた信頼性の高いピットインインク供給方式を用いるインクジェットカートリッジを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態１であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図２】図１におけるＡ方向から見た各部品図。
【図３】本発明の実施形態１であるインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明するための図。
【図４】本発明の実施形態１と比較するインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明するための図。
【図５】本発明の実施形態２であるインクジェットカートリッジの気液分離部材押圧部材６、７の上面図。
【図６】気液分離部材押圧部材６あるいは７の別の構造を示す図。
【図７】本発明の実施形態３であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図８】図６におけるＤ方向から見た各部品図。
【図９】本発明の実施形態４であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図１０】本発明の実施形態５であるインクジェットカートリッジの気液分離部材押圧部材の断面図。
【図１１】本発明の実施形態６であるインクジェットカートリッジの断面図。
【符号の説明】
１ 吐出ユニット部
２ 液体貯蔵室
３ 液体供給口
４ フタ部材
５ 気液分離部材
６ 気液分離部材上面側の気液分離部材押圧部材
７ 気液分離部材下面側の気液分離部材押圧部材
８ カバープレート部材
９ 大気連通口
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種記録分野に利用されるインクジェットカートリッジに関するものであり、さらに詳しくは、ピットインインク供給方式を用いたインクジェットカートリッジに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ピットインインク供給方式を用いたインクジェットカートリッジの代表例として、特開２０００−３３４９８２号公報に記載のインクジェットカートリッジが挙げられる。特開２０００−３３４９８２号公報のインクジェットカートリッジは、吸引口から内部に導入した負圧によって、取入れ口から内部にインクを取入れ可能であって、吸引口にインクは通さずに気体を通す気液分離部材を備えている。この気液分離部材が満タン弁の役目を果たしており、インクの補充を容易に、かつ、確実に行うことができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記に示すように、前記従来のインクジェットカートリッジにおいては、インク供給のために吸引口から液体貯蔵室内を吸引する際、あるいは記録ヘッドにインク詰まりを解消するために液体貯蔵室内を吸引する際に、気液分離部材に圧力が生じる。このため、吸引回数が数百、数千のオーダーになると、気液分離部材が劣化し、気液分離部材からのインク漏れなどが発生するという問題があった。
【０００４】
本発明は上記問題を解決し、気液分離部材の劣化によるインク漏れを防止しインク充填の安定性に優れた信頼性の高いピットインインク供給方式を用いるインクジェットカートリッジを提案することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は液体吐出口を有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給される液体を貯蔵する液体貯蔵室と、液体貯蔵室の一部に設けられたメインタンクと接続される液体供給口と、液体貯蔵室の一部に設けられた大気と連通する気液分離部材と、気液分離部材を介して大気と連通する気体連通口とを有し、気体連通口より前記気液分離部材を吸引することで、メインタンクよりインクの補充を行いまた、吐出ユニット部から液体貯蔵室内を吸引することで記録ヘッドのインク詰まりを解消するインクジェットカートリッジにおいて、吸引による気液分離部材の変形を低減させる気液分離部材押圧部材を有することを特徴とする。
【０００６】
また、気液分離部材は多孔質部材であることを特徴とする。
【０００７】
また、気液分離部材は撥水性を有する処理がなされていることを特徴とする。
【０００８】
また、気液分離部材押圧部材の配置あるいは構造が開放形であって気体が自由に流通する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００１０】
（実施形態１）
図１は、本発明の実施形態１のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００１１】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、記録ヘッドのインク詰まりの際は記録ヘッドの液体吐出口を吸引キャップ＝本体キャップ（不図示）を介し、吸引ポンプと接続して液体を吸引する。２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出する液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、５は気液分離部材であり、６は気液分離部材５を上部から押圧する気液分離部材押圧部材であり、７は気液分離部材５を下部から押圧する気液分離部材押圧部材であり、８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００１２】
図２は、図１をＡ方向から見たときの各部品の図であり、（ａ）は上部の気液分離部材押圧部材６、（ｂ）は下部の気液分離部材押圧部材７、（ｃ）は気液分離部材５、（ｄ）はフタ部材４を示す。
【００１３】
図１、図２に示すように、フタ部材４には液体貯蔵室に通ずるように開口部があり、その開口部を塞ぐように、気液分離部材５が配置されている。また、気液分離部材５の上下には多孔質材料からなる気液分離部材押圧部材６、７が設けられている。本実施形態の多孔質材料からなる気液分離部材押圧部材にはいくつかの開口部を有している。
【００１４】
図３は本実施でのピットインインク供給を説明する図である。
【００１５】
図３に示すように、大気連通口９から吸引ポンプより吸引Ｂを行うことで、液体貯蔵室２内に液体供給口３よりインクが供給される。また、このとき、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材６があるので、気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形はほとんど発生しない。また図３に示すように、インク詰まりを回復するために吐出ユニット部１から吸引ポンプより吸引Ｃを行う。このとき、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材７があるので、気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形はほとんど発生しない。
【００１６】
図４ａ，図４ｂは本実施形態の比較例として気液分離部材押圧部材６を設けていないインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明する図である。
【００１７】
図４ａに示すように、大気連通口８から吸引ポンプより吸引Ｄを行うことで、液体貯蔵室２内に液体供給口３よりインクが供給されるが、気液分離部材５上に気液分離部材押圧部材６がないので、気液分離部材５には吸引ポンプの圧力が直接加わり、気液分離部材５が変形している。この状態で、ピットインインク供給を繰り返すと、気液分離部材５が劣化し、気液分離部材５からのインクの漏れなどが発生する可能性がある。
【００１８】
また図４ｂに示すように、吐出ユニット部１から吸引ポンプより吸引Ｅを行うことで、インク詰まりを回復する。このとき、気液分離部材下に気液分離部材押圧部材７がないので、気液分離部材５には吸引ポンプの圧力が直接加わり、気液分離部材５が変形している。この状態を繰り返すと、気液分離部材５が劣化し、気液分離部材５からのインクの漏れなどが発生する可能性がある。
【００１９】
（実施形態２）
本発明の実施形態２のインクジェットカートリッジの断面図は図１に準じ、気液分離部材押圧部材６、７以外の形態は実施形態１に準ずる。図５は気液分離部材押圧部材６あるいは７を図１におけるＡ方向あるいはＡ’方向から見たときの構造を示す。
【００２０】
図５（ａ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を有していないが、気液分離部材押圧部材６は多孔質部材であるため、気体は容易に通すことができる。
【００２１】
図５（ｂ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を横方向に設けている。
【００２２】
図５（ｃ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部を縦、横方向が交差するように設けている。
【００２３】
図５（ｄ）に示した気液分離部材押圧部材６は、開口部をジグザグに設けている。
【００２４】
また図６には気液分離部材押圧部材６あるいは７の別の構造を示す。
【００２５】
図６（ａ１）は気液分離部材押圧部材６、７を図１ＡあるいはＡ’方向から見た構造を示し、（ａ２）はこれを断面方向から見た断面構造を示し、縦方向のストライプと横方向のストライプが上下に重なる構造を備えている。
【００２６】
図６（ｂ）は気液分離部材押圧部材６、７を図１ＡあるいはＡ’方向から見た構造を示し、縦方向のストライプと横方向のストライプが交叉する網目状構造を備えている。
【００２７】
気液分離部材押圧部材６、７として本実施形態の図５、図６に示したいずれの構成を使用しても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時あるいはインク詰まり回復動作時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００２８】
（実施形態３）
図７は実施形態３におけるインクジェットカートリッジの断面図である。
【００２９】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６および７は気液分離部材５を押圧する気液分離部材押圧部材であり８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００３０】
図８は、図７におけるＤおよびＤ’方向から見たときの各部品の図であり、（ａ−１）、（ａ−２）は気液分離部材押圧部材６、７、（ｂ）は気液分離部材５、（ｃ）はフタ部材４を示す。
【００３１】
図７、図８に示すように、フタ部材４には３室の液体貯蔵室（不図示）に通ずるように３つの開口部があり、その開口部を塞ぐように、３つの気液分離部材５が配置されている。また、３つの気液分離部材５の上面と下面には気液分離部材押圧部材６、７が設けられている。本実施形態の気液分離部材にはいくつかの開口部を有している。
【００３２】
本実施形態においては、複数の気液分離部材５に対して、２つの気液分離部材押圧部材６、７を設けたが、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００３３】
（実施形態４）
図９は、本発明の実施形態４のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００３４】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６、７は気液分離部材５を押圧する気液分離部材押圧部材であり８はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。９は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００３５】
図９に示すように気液分離部材押圧部材６、７には、断面方向にいくつかのスリットが設けてある。また、本実施形態の気液分離部材押圧部材６、７は多孔質部材で形成されている。本実施形態の形態においても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００３６】
（実施形態５）
本発明の実施形態６のインクジェットカートリッジの断面図は図９に準じ、図１０は図９における気液分離部材押圧部材６、７の形状のみを示す。気液分離部材押圧部材６、７以外の形態は実施形態１に準ずる。
【００３７】
図１０（ａ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、上面と下面の双方にスリットを有している。
【００３８】
図１０（ｂ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、半円上のスリットを有する。
【００３９】
図１０（ｃ）に示した気液分離部材押圧部材６、７は、気液分離部材押圧部材６、７自体がうねった構成となっている。
【００４０】
本実施形態の図９（ａ）〜（ｃ）の気液分離部材押圧部材６、７を使用しても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００４１】
（実施形態６）
図１１は、本発明の実施形態６のインクジェットカートリッジの断面図である。
【００４２】
１は液体を吐出するための吐出ユニット部であり、２は吐出ユニット部へ供給する液体を貯蔵する液体貯蔵室である。（本実施形態では特に吐出ための液体を以下インクと称する）液体貯蔵室２内にはインクを吸収保持する吸収体（不図示）が充填されている。３はメインタンク（不図示）と接続される液体供給口である。４は液体貯蔵室２を閉空間にするためのフタ部材であり、フタ部材４の液体貯蔵室２側の内面には、気液分離部材５が設けられている。６は気液分離部材５の下部に設けられた気液分離部材押圧部材である。７はフタ部材に接合されるカバープレート部材である。８は吸引ポンプと接続される大気連通口である。本実施形態の気液分離部材５は多孔質部材を使用している。
【００４３】
本実施形態において、カバープレート７にはいくつかの気液分離部材５を押圧するような突起部を有している。すなわち気液分離部材押圧部材６の役割を果たすカバープレート７なのである。
【００４４】
本実施形態の形態においても、実施形態１と同様に、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力は緩和され、気液分離部材５の変形はほとんど発生しない。
【００４５】
また、本実施形態では、カバープレート７が気液分離部材５を押圧するように設けられているが、ピットインインク供給時に気液分離部材５にかかる圧力を緩和するような位置に配されてあれば、カバープレート７と気液分離部材５に隙間があったとしても本発明の形態に含まれる。
【００４６】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明によれば、ピットインインク供給時に気液分離部材にかかる圧力は緩和され、気液分離部材の変形を低減することができる。すなわち、ピットイン回数に対する耐久性及びインク充填の安定性に優れた信頼性の高いピットインインク供給方式を用いるインクジェットカートリッジを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態１であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図２】図１におけるＡ方向から見た各部品図。
【図３】本発明の実施形態１であるインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明するための図。
【図４】本発明の実施形態１と比較するインクジェットカートリッジのピットインインク供給を説明するための図。
【図５】本発明の実施形態２であるインクジェットカートリッジの気液分離部材押圧部材６、７の上面図。
【図６】気液分離部材押圧部材６あるいは７の別の構造を示す図。
【図７】本発明の実施形態３であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図８】図６におけるＤ方向から見た各部品図。
【図９】本発明の実施形態４であるインクジェットカートリッジの断面図。
【図１０】本発明の実施形態５であるインクジェットカートリッジの気液分離部材押圧部材の断面図。
【図１１】本発明の実施形態６であるインクジェットカートリッジの断面図。
【符号の説明】
１ 吐出ユニット部
２ 液体貯蔵室
３ 液体供給口
４ フタ部材
５ 気液分離部材
６ 気液分離部材上面側の気液分離部材押圧部材
７ 気液分離部材下面側の気液分離部材押圧部材
８ カバープレート部材
９ 大気連通口
Claims (3)
- 液体吐出口を有する記録ヘッドと、
記録ヘッドに供給される液体を貯蔵する液体貯蔵室と、
液体貯蔵室の一部に設けられたメインタンクと接続される液体供給口と、
液体貯蔵室の一部に設けられた大気と連通する気液分離部材と、
気液分離部材を介して大気と連通する気体連通口と、
気体連通口より前記気液分離部材を吸引することで、メインタンクよりインクの補充を行いまた、吐出ユニット部から液体貯蔵室内を吸引することで記録ヘッドのインク詰まりを解消するインクジェットカートリッジにおいて、前記気液分離部材の上面側と下面側に前記気液分離部材を支持する気液分離部材押圧部材を備えることを特徴とするインクジェットカートリッジ。 - 気液分離部材は多孔質材料によって構成されていることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットカートリッジ。
- 気液分離部材は撥水性を有する処理がなされていることを特徴とする請求項１乃至請求項２に記載のインクジェットカートリッジ。
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