JP2004152941A - 非接触支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを一定の浮上量で支持し得る非接触支持装置を得る。
【解決手段】非接触支持装置1の上面には、静圧発生用の多孔質体を設けるとともに、真空引き用の負圧用溝を設ける。多孔質体の上面からは静圧発生用ポート20からの加圧エアが噴き出して被検査基板Wとの間に静圧が発生する。その一方、負圧用溝周辺のエアは真空引き用ポート23を介して吸引されるため被検査基板Wが装置1の上面側へ引き寄せる力(負圧)が発生する。この静圧と負圧とのバランスによって軸受け剛性が高められ、被検査基板Wは一定した浮上量が確保される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを非接触の状態で支持する非接触支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハなどの基板や、液晶ガラスなどのフラットパネルディスプレイといった精密加工基板の製造工程においては、当該基板の表面を検査するための工程がある。精密加工基板はその性質上、支持装置に直接載置することを嫌って、基板を非接触の状態で支持するための非接触支持装置が用いられている。
【0003】
図7に精密加工基板の表面を検査するための表面検査装置51の一例を示す(特許文献1参照。)。この表面検査装置51では従来の非接触支持装置としての非接触式ステージ52が用いられている。この非接触式ステージ52は多数の通気孔53を有し、観察チャンバ54内に取り付けられている。観察チャンバ54にはエア供給源55からの配管56が接続され、非接触ステージ52より下側の下部空間57にエアが供給されるようになっている。また、観察チャンバ54には非接触式ステージ52の上方にステージ52上で支持された被検査基板Wの表面を観察するためのカメラ58が設置されている。
【0004】
従って、エア供給源55から配管56を介して下部空間57にエアが供給されると、通気孔53を介してそのエアが被検査基板Wの下面に吹き付けられる。これにより、被検査基板Wは非接触式ステージ52の上面から浮上し、非接触の状態で支持される。そして、この状態でカメラ58によって被検査基板Wの表面が観察され、その結果に基づいて表面検査がなされる。なお、通気孔53から噴出したエアは観察チャンバ54の上部に設けられたフィルタ59を介して外部に排出される。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−127006号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような非接触式ステージ52では、単にエアを噴出させて静圧を付与することで被検査基板Wを非接触の状態で支持するというものであるため、静圧によって振動が発生するなど被検査基板Wが不安定な状態にあり、一定の浮上量で支持することができないという問題があった。
【0007】
被検査基板Wの表面をカメラ58で観察する場合にはその表面にカメラ58の焦点を合わせる必要がある。にもかかわらず、従来の非接触式ステージ52では上記のように被検査基板Wの浮上量が一定しないという問題があるため、カメラ58の焦点合わせが困難となってしまうのである。
【0008】
また、被検査基板の浮上量が一定しないという問題は、当該基板の表面をカメラによって検査する場合以外でも、精密加工基板を非接触の状態で支持した状態で作業をする場合には同様に不都合が生じる。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題を解消し得る精密加工基板等のワークを非接触の状態で支持する非接触支持装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
以下に、上記課題を解決し得る手段等について項を分けて列挙する。なお、必要に応じてその作用、効果、具体的手段等についても付記する。
【0011】
手段1.本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
前記本体の支持面側には静圧発生部と真空引きを行う吸引部とを設け、静圧発生部から加圧気体を噴出させることによって静圧を生成するとともに、吸引部周辺の気体を吸引するようにした非接触支持装置。
【0012】
手段1によれば、本体のワーク支持面側において、静圧発生部から噴出される加圧気体によってワークとの間に静圧が生成される。その結果、ワークを支持面に対して非接触の状態で支持することができる。そして、この非接触支持装置では単に静圧を生じさせるだけではなく、吸引部より同吸引部周辺の気体を吸引するように構成している。かかる吸引作用によって、本体のワーク支持面側にはワークを引き寄せる力が発生する。従って、静圧と吸引とが同時に支持面側で生じることによって、ワーク支持における静圧軸受け剛性が高められ、ワークが安定した状態で支持される。すなわち、ワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。これにより、従来の装置においてワークが安定せず一定した浮上量が得られなことによる様々な問題点(例えば、撮像装置による表面撮影の際に焦点合わせが困難であった点)が解消される。
【0013】
また、静圧発生部とは独立して吸引部を設けたことから、ベルヌイの原理を用いた負圧発生の場合とは異なり、静圧発生のための加圧度合と吸引部における吸引度合とを個別に調整することができることとなり、静圧と負圧とのバランスを調整して軸受け剛性を一層高めたりワークとの隙間(ワークの浮上量)を調整したりワークの振動を抑制することが可能となる。
【0014】
なお、加圧気体としては、一般には加圧エアが想定されるが、非接触支持装置の使用雰囲気によって適宜変化する。以下の各手段において説明されている気体についても同様である。
【0015】
手段2.本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
前記本体の支持面側には静圧発生部と真空引きを行う吸引部を設け、静圧発生部に連通する静圧発生用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を静圧発生部から噴出させることで静圧を生成し、さらに、吸引部に連通する真空引き用ポートを前記加圧ポートとは異なる位置に設け、同真空引き用ポートを介して吸引部周辺の気体を吸引するようにした非接触支持装置。
【0016】
手段2によれば、使用時においては、静圧発生用加圧ポートに圧力ポンプ等の圧力供給源が接続されるとともに真空引き用ポートには吸引ポンプ等が接続される。そして、本体のワーク支持面側において、静圧発生部から噴出される加圧気体によってワークとの間に静圧が生成される。その結果、ワークを支持面に対して非接触の状態で支持することができる。そして、本非接触支持装置では単に静圧を生じさせるだけではなく、吸引部より同吸引部周辺の気体を吸引するように構成している。かかる吸引作用によって、本体のワーク支持面側にはワークを引き寄せる力が発生する。従って、静圧と吸引とが同時にワーク支持面側で生じることによって、ワーク支持における静圧軸受け剛性が高められ、ワークが安定した状態で支持される。すなわち、ワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。これにより、従来の装置においてワークが安定せず一定した浮上量が得られなことによる様々な問題点(例えば、撮像装置による表面撮影の際に焦点合わせが困難であった点)が解消される。
【0017】
また、静圧発生部とは独立して吸引部を設けたことから、ベルヌイの原理を用いた負圧発生の場合とは異なり、静圧発生のための加圧度合と吸引部における吸引度合とを個別に調整することができることとなり、静圧と負圧とのバランスを調整して軸受け剛性を一層高めたりワークとの隙間(ワークの浮上量)を調整したりワークの振動を抑制することが可能となる。
【0018】
手段3.前記静圧発生部は多孔質体によって構成するとともに、前記吸引部は支持面側に開口する凹部によって構成した請求項1又は2に記載の非接触支持装置。
【0019】
手段3によれば、静圧発生部に多孔質体を用いていることから、多孔質体を通過する際に気体が絞られることで好適に静圧を発生させることができ、しかも単なる絞り通路よりも均等に静圧を相手側との間に発生させることができる。その結果、ワークが一層安定した状態となる。また、吸引部として凹部によって構成したことで、ワーク支持面側において気体の吸引力が作用する領域が凹部の形成された領域であることが明確になるとともに、その構成も簡素なものとなる。
【0020】
手段4.前記静圧発生部と吸引部とを隣接して設け、その両者によって静圧軸受け領域を構成し、ワークにおいてこの静圧軸受け領域と対応する箇所が作業領域とされる手段1乃至3のいずれかに記載の非接触支持装置。
【0021】
手段4によれば、静圧発生部と吸引部とが隣接して設けられていることから、静圧と吸引力の同時発生により静圧軸受け剛性を高めるという作用を確実に生じさせることが可能となる。すなわち、非接触支持装置が大型化してワーク支持面の面積が大きくなったとしても、ワークにおいて静圧発生部と吸引部とで構成される静圧軸受け領域と対応する箇所では静圧軸受け剛性が高められ、ワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。従って、この領域でワークに対して作業を行えば、従来装置の問題点が解消される。また、本体のワーク支持面において、一定の浮上量が確保される領域が明確となる。
【0022】
手段5.前記静圧発生部と前記吸引部をそれぞれ長尺状に形成するとともに、前記静圧軸受け領域を、同一形状をなす一対の静圧発生部と一つの吸引部とで構成し、それらを、前記吸引部が両静圧発生部の間に配置されるように並列した手段4に記載の非接触支持装置。
【0023】
手段5によれば、静圧軸受け領域において吸引部が同一形状をなす静圧発生部の間に配置されていることから、静圧軸受け領域の中央部においてワークを引き寄せる力が発生し、その両側で静圧が発生することになる。すなわち、ワーク支持面側でワークとの間に静圧が生成する領域の方が吸引力の作用する領域よりも広くなる。これにより、軸受け剛性を一層高めたり、ワークとの隙間(ワークの浮上量)を調整したり、ワークの振動を抑制するために静圧と負圧とのバランス調整をしたりする際の調整が容易となる。
【0024】
手段6.前記静圧発生部と前記吸引部をそれぞれ長尺状に形成し、それらを並列に配置して前記静圧軸受け領域を構成し、その静圧軸受け領域をワーク支持面側においてワークの移動方向と略直交する方向に延びるように配置した手段4に記載の非接触支持装置。
【0025】
手段6によれば、静圧軸受け領域がワークの移動方向と略直交する方向(以下、縦方向という。)に延びるように配置されていることから、その縦方向の領域ではワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。このため、縦方向において静圧軸受け領域と略同じ幅を有するワークを用いれば、ワークを順に移動させながら縦方向の全体にわたりワークに対して作業を行うことが可能となる。これにより、作業時にワークをその移動方向とは別の方向へさらに移動させる必要がない。
【0026】
手段7.前記浮上部を一対設け、両浮上部をその両者で前記静圧軸受け領域を挟むようにして配置した手段4乃至6のいずれかに記載の非接触支持装置。
【0027】
手段7によれば、静圧軸受け領域の両側に浮上部が配置されていることから、静圧軸受け領域の両側でもワークが非接触支持されることになる。このように静圧軸受け領域の周辺でもワークの非接触支持が保たれていることで、静圧と負圧とのバランス調整が行いやすくなる。静圧軸受け領域の片側に浮上部が設けられてないとすると、その片側にあるワークは自重によってワーク支持面側にたわむ力が発生するためその力をも静圧と負圧とのバランス調整に考慮しなければならなくなり、調整が難しくなるのである。
【0028】
手段8.前記静圧発生部を有する静圧ユニットと前記吸引部を有する負圧ユニットとを組み付けることで本体のワーク支持面側に静圧軸受け領域を形成し、各ユニットをそれぞれ交換可能に構成した手段4乃至7のいずれかに記載の非接触支持装置。
【0029】
手段8によれば、静圧発生部と吸引部がそれぞれユニット化されていることから、静圧発生部や吸引部を各種の大きさに変更することが可能となり、他の部品の汎用性を高める。しかも、各ユニットはそれぞれ交換可能に構成されていることから、いったん各ユニットを組み付けた装置であっても、さらに各ユニットを別の大きさのものに交換することで静圧軸受け領域の大きさをワークの大きさに合わせたものに変更することが可能となる。
【0030】
なお、吸引部はワークによって覆われていることが必要である。吸引部が露出した状態では、その部分から外部の加圧気体が吸引されて、吸引力を有効に作用させることができなくなるからである。このことからも、ワークの大きさに合わせて静圧軸受け領域の大きさを変更可能とすることの価値は大きいといえる。
【0031】
手段9.本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
前記本体を構成するベースの一面に、本体のワーク支持面側に静圧発生部と真空引きを行う吸引部とが隣接した静圧軸受け領域を有する長尺状の軸受け部材をベースに対して着脱可能に設け、ベースには静圧発生部に連通する静圧発生用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を静圧発生部から噴出させることで静圧を生成し、さらに、ベースには吸引部に連通する真空引き用ポートを前記静圧発生用加圧ポートとは異なる位置に設け、真空引き用ポートを介して吸引部周辺の気体を吸引するようにし、
前記ベースの一面には、前記軸受け部材とは別に、前記浮上部を有する浮上テーブルを設け、その浮上部を、浮上テーブルのベースとの接合面に形成された凹部とベースの一面とで形成された内部空間に連通する通気孔によって構成し、ベースには内部空間に連通する浮上用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を連通孔からワーク支持面側に噴出するようにした非接触支持装置。
【0032】
手段9によれば、使用時においては、静圧発生用加圧ポートに圧力ポンプ等の圧力供給源が接続されるとともに真空引き用ポートには吸引ポンプ等が接続される。そして、本体のワーク支持面側において、静圧発生部から噴出される加圧気体によってワークとの間に静圧が生成される。その結果、ワークを支持面に対して非接触の状態で支持することができる。そして、本非接触支持装置では単に静圧を生じさせるだけではなく、吸引部より同吸引部周辺の気体を吸引するように構成している。かかる吸引作用によって、本体のワーク支持面側にはワークを引き寄せる力が発生する。従って、静圧と吸引とが同時にワーク支持面側で生じることによって、ワーク支持における静圧軸受け剛性が高められ、ワークが安定した状態で支持される。すなわち、ワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。これにより、従来の装置においてワークが安定せず一定した浮上量が得られなことによる様々な問題点(例えば、撮像装置による表面撮影の際に焦点合わせが困難であった点)が解消される。
【0033】
また、静圧発生部とは独立して吸引部を設けたことから、ベルヌイの原理を用いた負圧発生の場合とは異なり、静圧発生のための加圧度合と吸引部における吸引度合とを個別に調整することができることとなり、静圧と負圧とのバランスを調整して軸受け剛性を一層高めたりワークとの隙間(ワークの浮上量)を調整したりワークの振動を抑制することが可能となる。
【0034】
また、軸受け部材において静圧発生部と吸引部とが隣接して設けられていることから、静圧と吸引力の同時発生により静圧軸受け剛性を高めるという作用を確実に生じさせることが可能となる。すなわち、非接触支持装置が大型化してワーク支持面の面積が大きくなったとしても、ワークにおいて軸受け部材と対応する領域では静圧軸受け剛性が高められ、ワークは支持面に対して一定した浮上量で非接触支持される。従って、この領域でワークに対して作業を行えば、従来装置の問題点が解消される。また、本体のワーク支持面において、一定の浮上量が確保される領域が明確となる。
【0035】
さらに、静圧発生部と吸引部とを有する軸受け部材がベースに対して着脱可能に設けられていることから、静圧発生部や吸引部を各種の大きさに変更した軸受け部材をベースに設けることが可能となり、他の部品の汎用性を高める。しかも、いったん軸受け部材を設けた後でも、さらに別の軸受け部材に交換することで静圧発生部や吸引部の大きさをワークの大きさに合わせたものに変更することが可能となる。なお、吸引部はワークによって覆われていることが必要である。吸引部が露出した状態では、その部分から外部の加圧気体が吸引されて、吸引力を有効に作用させることができなくなるからである。このことからも、ワークの大きさに合わせて軸受け部材の大きさを変更可能とすることの価値は大きいといえる。
【0036】
加えて、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を、浮上テーブルに形成された凹部とベースの一面とで形成された内部空間に連通する通気孔によって構成している。このため、ベースの一面に対し浮上テーブルをその凹部の開口が閉塞されるようにして組み付け、ネジ等の固定具で固定するだけでワークを非接触支持するための構成とすることができる。これにより、非接触支持のためのステージを従来のように溶接等でチャンバ内に取り付けるといった面倒な組み付け作業は必要なくなる。
【0037】
手段10.前記軸受け部材と浮上テーブルの側面同士が常に当接するように、ベースの一面における浮上テーブルの位置を変更可能とした手段9に記載の非接触支持装置。
【0038】
手段10によれば、軸受け部材と浮上テーブルの側面同士が常に当接するように浮上テーブルの位置が変更可能とされていることから、軸受け部材の大きさを変更しても、軸受け部材と浮上テーブルの側面同士は常に当接されることになる。このため、軸受け部材の大きさを変更しても、軸受け部材と浮上テーブルとの間に隙間、すなわち無意味な領域が生じることを防止できる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、発明の実施形態について図1乃至図3を参照しつつ説明する。なお、図1は非接触支持装置の平面図であり、図2(a)は図1のA−A´断面図であり、図2(b)は図1のB−B´断面図であり、図3は非接触支持装置を利用した表面検査装置の概略断面図である。なお、以下の説明において単に縦・横という場合は、図1における縦と横を表すことにする。
【0040】
図1及び図2(a)(b)に示すように、非接触支持装置1は平面視において四角形状をなす平板状のベース2を有している。ベース2の底面には図示しない複数本の脚が設けられており、この脚によって非接触支持装置1は設置面に対して所定の距離を隔てて設置される。
【0041】
ベース2の上面には互いに同一形状をなす一対の浮上テーブル3と、上面が静圧軸受け領域となっている軸受け部材4とが設けられている。このベース2、浮上テーブル3及び軸受け部材4とで本体が構成され、浮上テーブル3と軸受け部材の上面でワーク支持面が形成されている。各浮上テーブル3と軸受け部材4はいずれも平面視において四角形状をなすとともに上下の断面も四角形状をなし、それぞれベース2と同一の縦幅を有している。また、両浮上テーブル3と軸受け部材4の横幅の合計はベース2の横幅と同一となっている。このため、平面視において一対の浮上テーブル3と軸受け部材4とを並列させるとベース2と同一形状をなしている。なお、ベース2、浮上テーブル3及び軸受け部材4の形状は四角形状以外の形状とすることも可能である。
【0042】
一対の浮上テーブル3と軸受け部材4は、ベース2の上面上で軸受け部材4が両浮上テーブル3に挟まれるようにして配置され、その状態でベース2に対し固定されている。一対の浮上テーブル3はそれぞれ横幅が同一であるため、軸受け部材4はベース2上面の横方向の中央部に配置されることになる。浮上テーブル3の固定は、図1に示すように浮上テーブル3の上面側からネジ等の固定具5により行われ、軸受け部材4はベース2の底面側から図示しないネジ等の固定具により行われる。
【0043】
各浮上テーブル3の下面(ベース2との接合面)には、ほぼ全域にわたり平面視において四角形状をなす凹部6がそれぞれ設けられている。このため、各浮上テーブル3の凹部6とベース2の上面とにより一対の内部空間Rが形成されている。ベース2の上面と各浮上テーブル3の下面は高精度に加工されているため、内部空間Rの周囲においてベース2と各浮上テーブル3との間はメタルシールとなっている。なお、シール部材を設けてシールすることも可能である。この点は、本明細書で以降説明するメタルシールについても同様である。
【0044】
各浮上テーブル3にはその凹部6の周囲に、前記固定具5を挿入するための固定用孔7が形成されている。この固定用孔7は固定具5の頭を収容すべく浮上テーブル3の上面に形成された収容凹部8の底部に設けられている。従って、各浮上テーブル3の上方からこの固定用孔7に前記固定具5が挿入され、ベース2の上面側で同ベース2に対して各浮上テーブル3が固定されるようになっている。このとき、固定具5の頭は収容凹部8に収容されて浮上テーブル3の上面から突出することはない。
【0045】
各浮上テーブル3には前記内部空間Rとテーブル3上側の外部とを連通する通気孔9が形成されている。この通気孔9は、図2(a)では拡大して記載したものの実際は細孔として形成されており、格子状をなすように凹部6が形成された領域全体にわたって多数形成されている。そして、通気孔9を介して内部空間Rと外部とが連通されている。この通気孔9が形成された領域が浮上部となっている。
【0046】
図2(a)に示すように、前記ベース2の底面には、一対の浮上用加圧ポート10がそれぞれ異なる位置に設けられている。各浮上用加圧ポート10はそれぞれ一対の前記内部空間Rに対応している。非接触支持装置1の使用時において浮上用加圧ポート10には図示しない圧力供給源からの配管が接続される。なお、浮上用加圧ポート10は、例えば配管が接続されるための雌ネジが形成された雌ネジ孔として形成したり、ワンタッチ継手を設けたりする等、各種形態が考えられる。本明細書で以降説明する各ポートについても同様である。
【0047】
各浮上用加圧ポート10はそれぞれベース2と浮上テーブル3に形成された通路11を介して内部空間Rに連通している。このため、図示しない圧力供給源から各浮上用加圧ポート10に加圧気体としての加圧エアが供給されると、そのポート10と通路11を介して各内部空間Rに加圧エアが供給される。そして、この加圧エアは通気孔9を介して各浮上テーブル3の上面側から噴出する。
【0048】
次に、前記軸受け部材4について説明する。軸受け部材4は一対の静圧ユニット15と、その両静圧ユニット15で挟まれて設けられた一つの負圧ユニット16とを有している。各ユニット15,16はそれぞれ平面視において長尺状の四角形状をなし、かつ上下の断面も四角形状をなす。また、各ユニット15,16はそれぞれがベース2と同一の縦幅を有している。一対の静圧ユニット15はいずれも同一の形状で、かつ同一の構成となっていることから、両静圧ユニット15で挟まれた負圧ユニット16は軸受け部材4の横方向中央部、すなわちベース2上面の横方向中央部に設置されている。
【0049】
図2(b)に示すように、前記静圧ユニット15は、具体的には、ユニットベース17と、同ユニットベース17の上面に固定された静圧発生部としての多孔質体18とを有している。ユニットベース17は、ベース2に形成された図示しない固定用孔に図示しないネジ等の固定具を底面側から挿入することでベース2の上面に対して着脱可能に固定されている。多孔質体18はユニットベース17と同一の縦幅と横幅を備え、その固定は、例えば接着剤によってユニットベース17の上面に接着されるようになっている。また、各静圧ユニット15の高さ方向の厚さは浮上テーブル3と同一となっている。このため、浮上テーブル3の上面と一対の静圧ユニット15の上面とは同一平面を形成している。
【0050】
なお、多孔質体18は、例えば焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料によって構成することができるが、それ以外にも、焼結三ふっ化樹脂、焼結四ふっ化樹脂、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料や、焼結カーボン、焼結セラミックスなどによって構成することもできる。
【0051】
ユニットベース17の上面(多孔質体18の接合面)には同ベース2の長手方向に沿って流通溝19が形成されている。一方、前記ベース2の底面には前記浮上用加圧ポートとは異なる位置に、複数個の静圧用加圧ポート20がユニットベース17の長手方向に沿って所定間隔を隔てて設けられている。この静圧用加圧ポート20は各静圧ユニット15ごとに複数個設けられている。非接触支持装置1の使用時において各静圧用加圧ポート20には図示しない圧力供給源からの配管が接続される。この静圧用加圧ポート20と流通溝19の底部とはベース2とユニットベース17に形成された通路21によって連通されている。なお、ベース2の上面とユニットベース17の底面との間はメタルシールとなっている。そして、図示しない圧力供給源から加圧気体としての加圧エアが供給されると、かかる加圧エアがポート20、通路21、流通溝19を介して多孔質体18の表面、即ち上面全体から噴出する。
【0052】
前記負圧ユニット16は、その高さ方向の厚さが静圧ユニット15や浮上テーブル3の厚さよりも若干薄くなるように形成されている。負圧ユニット16は、ベース2に形成された図示しない固定用孔に図示しないネジ等の固定具を底面側から挿入することで、ベース2の上面に対し着脱可能に固定されている。このため、負圧ユニット16をベース2の上面に固定した際には、負圧ユニット16の上面は静圧ユニット15や浮上テーブル3の上面よりも若干低くなっている。
【0053】
図1及び図2(a)に示すように、負圧ユニット16には、その上面に長手方向に延びる吸引部又は凹部としての負圧用溝22が形成されている。一方、前記ベース2の底面には複数個(本実施形態では3個)の真空引き用ポート23が、前記浮上用加圧ポート10及び静圧用加圧ポート20とは異なる位置にユニットベース17の長手方向に沿って所定間隔を隔てて設けられている。非接触支持装置1の使用時において各真空引き用ポート23には図示しない真空圧発生装置からの配管が接続される。この真空引き用ポート23と負圧用溝22の底部とはベース2に形成された平断面円形状の第1通路24と、負圧ユニット16に形成され負圧用溝22に沿った平断面長円形状をなす第2通路25によって連通されている。なお、ベース2の上面と負圧ユニット16の底面との間はメタルシールとなっている。そして、図示しない真空圧発生装置の吸引作用により、ポート23、第1通路24、第2通路25、負圧用溝22を介して加圧エアが吸引され、負圧用溝22に沿って負圧ユニット16の上面側にエア吸引力が作用する。
【0054】
以上のように構成された軸受け部材4では、前記静圧ユニット15の多孔質体18と前記負圧ユニット16の負圧用溝22により、軸受け部材4の上面において静圧軸受け領域を構成している。
【0055】
ここで、図1に示すように、浮上テーブル3をベース2に対して固定する際に固定具が挿入される固定用孔7は、横方向に延びる長孔として形成されている。このため、固定具5を緩めれば、各浮上テーブル3は横方向へスライド可能となる。これにより、長孔の形成された範囲で浮上テーブル3をベース2上の所望の位置で固定することが可能となる。
【0056】
また、一対の静圧ユニット15をベース2に対して固定する固定具が挿入される図示しない固定用孔も、横方向に延びる長孔として形成されている。そこで、一対の静圧ユニット15及び負圧ユニット16という3つのユニットをそれぞれ適宜横幅の異なるものと交換することで、負圧ユニット16をベース2の横方向中央部に配置した状態で静圧ユニット15及び負圧ユニット16の横幅が異なる各種の軸受け部材4を構成することが可能となる。そして、この軸受け部材4と横側面同士が当接するように固定具5を緩めて一対の浮上テーブル3をスライドさせれば、ベース2上において浮上テーブル3と軸受け部材4を一体的に設けることが可能となる。すなわち、浮上テーブル3と軸受け部材4との間に隙間が生じることを防止できる。
【0057】
以上のように構成された非接触支持装置1を精密加工基板などのワークとしての被検査基板Wの表面検査をするための表面検査装置31に利用した場合には、図3に示すように、軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方にカメラなどの撮像装置32が設置される。そして、静圧軸受け領域又は静圧軸受け領域とその周辺領域が撮像装置32による撮像領域とされる。なお、図3では説明の便宜上各ポート10,20,23を全て示している。
【0058】
次に、上記非接触支持装置1を利用した表面検査装置31により被検査基板Wの表面を検査する工程について、図3に従って説明する。
【0059】
まず、図示しない圧力供給源の作動によって、加圧エアが一対の浮上用加圧ポート10のそれぞれに供給されると、加圧エアはポート10、通路11を介して一対の内部空間Rのそれぞれに供給される。そして、この加圧エアは通気孔9を介して各浮上テーブル3の上面側から噴出する。この状態で、図示しない搬送手段が駆動されることで、被検査基板Wが非接触支持装置1の横から同支持装置1の上面上を横方向に流れてくる。このとき、浮上テーブル3の上面側、すなわち非接触支持装置1の上面側から加圧エアが噴出しているため、被検査基板Wは非接触支持装置1の上面に対し浮上した状態(非接触状態)で同支持装置1上を移動することになる。なお、加圧エアが通気孔9から噴出した状態で、非接触支持装置1の上面に被検査基板Wを載置する工程とすることも可能である。
【0060】
また、静圧軸受け領域においては、図示しない圧力供給源の作動によって、加圧エアが一対の静圧発生用加圧ポート20のそれぞれに供給され、加圧エアはポート20、通路21、流通溝19を介して多孔質体18の表面、即ち上面全体から噴出される。すると、一対の静圧ユニット15それぞれにおける多孔質体18の上面である2列の長尺状領域と被検査基板Wの底面との間に、2列の長尺状の圧力エア層が形成され、静圧がもたらされる。これによって、非接触支持装置1の上面に対し被検査基板Wが浮上した状態となる。
【0061】
それと同時に、真空引き用ポート23から第1通路24及び第2通路25を介してエアが吸引される。このとき、第2通路25が負圧用溝22に沿って長円形状に形成されているため、長尺状の負圧用溝22に対して均一にエア吸引力を作用させることが可能となる。すると、負圧用溝22内は負圧になる。これによって、負圧用溝22の上部開口側の長尺状領域と被検査基板Wの底面との間に吸引力が作用し、被検査基板Wは非接触支持装置1の上面側へ引き寄せられる。
【0062】
なお、被検査基板Wはその縦幅が負圧用溝22の縦幅よりも大きく、被検査基板Wの底面によって負圧用溝22の上部開口側を覆うものであることが必要である。これは、被検査基板Wの縦幅が負圧用溝22の縦幅よりも小さく、平面視において被検査基板Wから負圧用溝22の開口部が露出した状態では、その部分からエアが無限に吸引されて、吸引力を有効に作用させることができなくなるからである。もっとも、表面検査装置31には図示しないガイドが設けられ、被検査基板Wの移動中に位置ずれして負圧用溝22の開口部が露出することが防止されている。
【0063】
このように、2列の長尺状の多孔質体18を介して生じる静圧によって被検査基板Wが非接触支持装置1の上面から離れようとする力と、多孔質体18の間に配置された負圧用溝22を介して生じる負圧によって被検査基板Wを非接触支持装置1の上面に引き寄せようとする力との調和により、被検査基板Wに対する静圧軸受け剛性が高められる。そして、被検査基板Wの軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方にある箇所、特に負圧ユニット16の上方にある箇所では、安定した状態で非接触支持装置1の上面との間にミクロン単位の一定した隙間、すなわち非接触支持装置1の上面に対する一定した浮上量を確保することとなる。
【0064】
ここで、被検査基板Wの状態をより詳細に説明する。被検査基板Wの浮上テーブル3の上方にある箇所では、浮上テーブル3の上面側から噴出する加圧エアによって、浮上テーブル3の上面から浮上した状態にある。これは、単に加圧エアを噴出させて静圧を付与することで被検査基板Wを非接触の状態で支持するというものであり、その点では従来技術と特に違いはない。説明の便宜上、図3では被検査基板Wの浮上テーブル3上面からの浮上量を大きくしているが、実際には数十ミクロン単位の浮上量である。
【0065】
この被検査基板Wが、軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方にある箇所では静圧と負圧との調和により、浮上テーブル3上面の上方にある浮上位置から軸受け部材4の上面側、特に負圧ユニット4の上面側へ引き寄せられ、詳細にみればたわんだ状態となっている(図6参照)。これにより、軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方では被検査基板Wに対する静圧軸受け剛性が高められる。そして、被検査基板Wの軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方にある箇所、特に負圧ユニット16の上方にある箇所では、非接触支持装置1の上面に対し例えば10ミクロンの一定した浮上量が得られる。
【0066】
この状態で、撮像装置32により、静圧軸受け領域又は静圧軸受け領域とその周辺領域の撮像領域にある被検査基板Wの表面が観察され、その結果に基づいて被検査基板Wの表面が検査される。前述したように、被検査基板Wの軸受け部材4(静圧軸受け領域)の上方にある箇所では非接触支持装置1の上面に対する一定した浮上量が確保されているため、撮像領域にある被検査基板Wは非接触支持装置1の上面に対する一定した浮上量が確保されていることになる。このため、撮像装置32は容易に被検査基板の表面に焦点を合わせることができる。
【0067】
また、この非接触支持装置1では、静圧発生用加圧ポート20及び静圧ユニット15とからなる静圧発生機構と、真空引き用ポート23及び負圧ユニット16からなる真空引き機構とがそれぞれ独立して構成されていることから、静圧の調整と、真空引きの調整とを個々独立して行うことができる。これにより、充分な流量の静圧を発生させておきながら真空引きの度合を高めて軸受け剛性を高めることができる。
【0068】
また、静圧発生用の加圧エアは多孔質体18より噴出されるように構成されていることから、加圧エアが均一に被検査基板Wの底面に噴出されることとなって静圧が均一に行き亘る。なお、多孔質体18にしたことで加圧エアの絞り機能を有する。
【0069】
また、被検査基板Wの軸受け部材4の上方にある箇所では、非接触支持装置1の上面に対して一定した浮上量が確保されるため、被検査基板Wの反りを矯正することができる。
【0070】
なお、本実施の形態において、ベース2を設置面上に直接載置することも可能である。この場合、ベース2の底面に設けられた各ポート10,20,23はベース2の側面に設けることになる。
【0071】
また、軸受け部材4では一対の負圧ユニット16と、一つの静圧ユニット15を設けて、両負圧ユニット16で静圧ユニット15を挟むように配置することも可能である。もっとも、より精度の高い被検査基板Wの浮上量を確保するためには、本実施の形態のように負圧ユニット16の両側に静圧ユニット15を設ける構成する方が好ましい。
【0072】
また、軸受け部材4(静圧軸受け領域)は非接触支持装置1を平面視した場合において、斜め方向に延びるように設けることも可能である。また、浮上テーブル3をなくして静圧軸受け領域をベース2の上面全域に設けることも可能である。この場合の構成としては、図4に示すように、静圧ユニット15と負圧ユニット16を交互にベース2上面の全域にわたって設ける構成するのが好ましい。かかる構成にすれば、非接触支持装置1の上面の限られた領域だけで被検査基板Wの一定した浮上量を確保するのではなく、非接触支持装置1上面の全域にわたって被検査基板Wの一定した浮上量を確保することができる。
【0073】
また、図5に示すように、縦に3層の領域に分けた多孔質体35を用い、各層ごとにポート36a〜36c、通路37a〜37cを設けて軸受け部材4を構成することも可能である。ポート36bと真空圧発生装置とを接続して真中の層を負圧領域とし、ポート36a,36cとエア供給源と接続して両側の層を静圧領域とすることで本実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。この場合、多孔質体35の表面(上面)は高精度に加工されているため、負圧領域部分の上面を静圧領域部分の上面よりも若干低くするといったことが必要ない。さらに、この構成において多孔質体35は3層に分かれていないものを利用することも可能である。
【0074】
また、非接触支持装置1は撮像装置32により被検査基板Wの表面を検査する表面検査装置31以外の装置にも利用することが可能である。例えば、図6に示すような被検査基板Wの板厚検査装置41がある。この装置41では、負圧ユニット16の上下にレーザー測定装置42,43を配置し、レーザーを透過するガラス等の材料で負圧ユニット16とベース2の一部を構成している。なお、負圧ユニット16とベース2とに空間部を設けて、同空間部をレーザーが透過するように構成してもよい。そして、被検査基板Wの上下から同基板Wの表面と底面に対し照射部44からレーザーを照射し、基板Wに反射して戻ってきたレーザーを受光部45で受光することで、被検査基板Wの表面と上側レーザー測定装置42との距離、裏面と下側レーザー測定装置43との距離を測定する。被検査基板Wは負圧ユニット4の上方で一定した浮上量が確保されていることから、その測定結果や上下のレーザー測定装置42,43間の距離をもとに被検査基板Wの板厚を非接触の状態で測定することができる。かかる装置によれば、支持装置との接触により生じる傷を嫌う被検査基板Wに対して非接触の状態で高精度な板厚測定をすることができる。なお、図6では真空引き用ポートは省略してある。また、図6では被検査基板Wが負圧ユニット16の上面側へ引き寄せられることでたわんだ状態にあることを模式的に示している。板厚検査装置41だけでなく、本実施の形態の非接触支持装置1によれば、より詳細にみると軸受け部材4の上方にある箇所において被検査基板Wはこの図6のようにたわんだ状態にある。
【0075】
さらに、精密加工基板の表面に対して塗布剤を均一にコーティングすることも可能である。すなわち、精密加工基板の一定した浮上量が確保されることにより、基板の上方の所定位置にスクレーパを設置して基板又はスクレーパを移動させることで、精密加工基板上の塗布剤を基板表面に均一にコーティングすることが可能となる。
【0076】
このように、本実施の形態の非接触支持装置1によれば、精密加工基板の一定した浮上量が確保されるため、従来、載置面に基板を直接載置して行っていた作業を非接触の状態で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の非接触支持装置を示す平面図。
【図2】(a)図1のA−A´断面図の底面図。
(b)図1のB−B´断面図。
【図3】非接触支持装置を利用した表面検査装置の概略断面図
【図4】非接触支持装置の別例を示す平面図。
【図5】非接触支持装置の別例を示す断面図。
【図6】非接触支持装置を利用した板厚検査装置の概略断面図。
【図7】従来の非接触支持装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…非接触支持装置、2…ベース、3…浮上テーブル、4…軸受け部材、9…浮上部を構成する通気孔、15…静圧ユニット、16…負圧ユニット、18…静圧発生部としての多孔質体、20…静圧発生用加圧ポート、22…吸引部又は凹部として負圧用溝、23…真空引き用ポート、R…内部空間、W…ワークとしての被検査基板。

Claims (10)

  1. 本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
    前記本体の支持面側には静圧発生部と真空引きを行う吸引部とを設け、静圧発生部から加圧気体を噴出させることによって静圧を生成するとともに、吸引部周辺の気体を吸引するようにした非接触支持装置。
  2. 本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
    前記本体の支持面側には静圧発生部と真空引きを行う吸引部を設け、静圧発生部に連通する静圧発生用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を静圧発生部から噴出させることで静圧を生成し、さらに、吸引部に連通する真空引き用ポートを前記加圧ポートとは異なる位置に設け、同真空引き用ポートを介して吸引部周辺の気体を吸引するようにした非接触支持装置。
  3. 前記静圧発生部は多孔質体によって構成するとともに、前記吸引部は支持面側に開口する凹部によって構成した請求項1又は2に記載の非接触支持装置。
  4. 前記静圧発生部と吸引部とを隣接して設け、その両者によって静圧軸受け領域を構成し、ワークにおいてこの静圧軸受け領域と対応する箇所が作業領域とされる請求項1乃至3のいずれかに記載の非接触支持装置。
  5. 前記静圧発生部と前記吸引部をそれぞれ長尺状に形成するとともに、前記静圧軸受け領域を、同一形状をなす一対の静圧発生部と一つの吸引部とで構成し、それらを、前記吸引部が両静圧発生部の間に配置されるように並列した請求項4に記載の非接触支持装置。
  6. 前記静圧発生部と前記吸引部をそれぞれ長尺状に形成し、それらを並列に配置して前記静圧軸受け領域を構成し、その静圧軸受け領域をワーク支持面側においてワークの移動方向と略直交する方向に延びるように配置した請求項4に記載の非接触支持装置。
  7. 前記浮上部を一対設け、両浮上部をその両者で前記静圧軸受け領域を挟むようにして配置した請求項4乃至6のいずれかに記載の非接触支持装置。
  8. 前記静圧発生部を有する静圧ユニットと前記吸引部を有する負圧ユニットとを組み付けることで本体のワーク支持面側に静圧軸受け領域を形成し、各ユニットをそれぞれ交換可能に構成した請求項4乃至7のいずれかに記載の非接触支持装置。
  9. 本体のワーク支持面側に、加圧気体を噴出させてワークを非接触支持する浮上部を設け、その非接触支持された状態のワークに対して所定の作業が行われるようにした非接触支持装置において、
    前記本体を構成するベースの一面に、本体のワーク支持面側に静圧発生部と真空引きを行う吸引部とが隣接した静圧軸受け領域を有する長尺状の軸受け部材をベースに対して着脱可能に設け、ベースには静圧発生部に連通する静圧発生用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を静圧発生部から噴出させることで静圧を生成し、さらに、ベースには吸引部に連通する真空引き用ポートを前記静圧発生用加圧ポートとは異なる位置に設け、真空引き用ポートを介して吸引部周辺の気体を吸引するようにし、
    前記ベースの一面には、前記軸受け部材とは別に、前記浮上部を有する浮上テーブルを設け、その浮上部を、浮上テーブルのベースとの接合面に形成された凹部とベースの一面とで形成された内部空間に連通する通気孔によって構成し、ベースには内部空間に連通する浮上用加圧ポートを設け、同加圧ポートを介して供給される加圧気体を連通孔からワーク支持面側に噴出するようにした非接触支持装置。
  10. 前記軸受け部材と浮上テーブルの側面同士が常に当接するように、ベースの一面における浮上テーブルの位置を変更可能とした請求項9に記載の非接触支持装置。
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