JP4481219B2 - 浮上シミュレータ及び非接触支持装置の製造方法 - Google Patents

浮上シミュレータ及び非接触支持装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークを、気体を噴出させる噴出部を備えて非接触支持する非接触装置について、これを製造する非接触支持装置の製造方法に関する。また、本発明は、前記非接触支持装置の製造方法に用いて好適な浮上シミュレータに関する。
半導体基板や、液晶パネル等のディスプレイパネルといった精密加工基板は、その性質上、支持装置に直接載置されることが嫌われる。このため、こうした精密加工基板(以下、ワーク)を支持する際には、これを非接触の状態で支持する非接触支持装置が用いられている。
こうした非接触支持装置としては、例えば特許文献1に見られるように、気体を噴出させる噴出部と真空引きを行なうことで周辺の気体を吸引する吸引部とを、ワークの搬送方向に交互に設けたものも提案されている。これら噴出部及び吸引部をワークに対向させることで、ワークの非接触支持をより安定させることができる。
すなわち、噴出部から噴出される気体をワークに吹き付けることで、ワークの支持面側には、ワークを浮上させる浮上力が生じる。一方、吸引部によって吸引部周辺の気体が吸引されることで、当該非接触支持装置の支持面側には、ワークを引き寄せる吸引力が生じる。このように、ワークの支持面側に浮上力と吸引力とが同時に生じることで、ワーク支持にかかる剛性が高められ、ワークが安定した状態で支持される。
ところで、上記非接触支持装置は、噴出部による浮上力と吸引部による吸引力との協働によりワークを非接触支持するために、ワーク支持にかかる剛性が高められるとはいえ、微視的にみればワークは撓んだものとなる。そして、この撓み量が大きいときには、ワークの精密加工を行なう上で支障が生じる等、様々な不都合が生じるおそれがある。したがって、上記非接触支持装置は、撓み量を十分に小さくすることができるように、各噴出部による浮上力や各吸引部による吸引力、更には、これらの配置の態様を適合することが望まれている。
そこで従来は、(イ)各噴出部による浮上力や各吸引部による吸引力、更にはこれらの配置の態様についての条件を固定して非接触支持装置を試作する、(ロ)ワークの撓み量を実際に計測する、(ハ)計測結果に基づき、上記条件の妥当性を評価する、という工程を繰り返す試行錯誤がなされてきた。しかし、この場合、撓み量を計測するワークの計測点を増加させること自体が困難であること等に起因して撓み量からワークに加わる圧力分布を把握することが困難なため、上記計測結果に基づき適切な条件を推測することは不可能に近いものとなっている。このため、適切な条件を見つけるまでに非接触支持装置を何度も試作しなおさなければならず、非接触支持装置の製造に要する時間が非常に長くなるという問題があった。
特開2004−152941号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、非接触支持装置の製造時間を短縮することのできる非接触支持装置の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、上記製造方法に用いて好適な浮上シミュレータを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
手段1は、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークが、気体を噴出させる噴出部を備える非接触支持装置により非接触支持される際の浮上状態をシミュレートする浮上シミュレータにおいて、前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する取得手段と、前記情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出する算出手段と、前記算出結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
上記構成では、ワークのうち上記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力とワークの重力との合力によって生じるワークの撓み量が算出される。このため、噴出部の配置の態様や、噴出部からの気体の噴出の態様が設定された際のワークの撓み量を、非接触支持装置を試作することなく知ることができる。このため、噴出部の配置の態様や、噴出部からの気体の噴出の態様等について、ワークを適切に支持することのできる条件を速やかに取得することができ、ひいては、非接触支持装置の製造時間を短縮することができる。
手段2は、手段1において、前記算出手段は、a.前記非接触支持装置側の面を境界条件とする流体方程式に基づき前記ワークに気体が及ぼす力を算出する処理b.該算出される力と前記重力とを前記ワークに与えたときの前記ワークの撓み量を有限要素法により算出する処理との2つの処理を、前記算出される撓み量に基づき前記境界条件を更新して前記a及び前記bの処理を再度行なったときの今回の撓み量と前回の撓み量との差が所定以下となるまで繰り返し、前記所定以下となったときの前記2つの撓み量の少なくとも一方に基づき前記算出結果を定めることを特徴とする。
上記構成では、算出される撓み量に基づき上記境界条件を更新してaの処理及びbの処理を再度行なったときの今回の撓み量と前回の撓み量との差が所定以下となるまでaの処理及びbの処理が繰り返される。ここで、今回の撓み量と前回の撓み量との差が所定以下となるということは、気体によりワークに及ぼされる力とワークに加わる重力とが略つりあった状態となることを意味する。このため、aの処理においてはワークが変形することを考慮しない計算を行ないつつも、ワークの撓み量を算出することができるため、撓み量を簡易な手法にて算出することができる。
手段3は、手段2において、前記ワークは、前記非接触支持装置の上方において略水平に搬送されるものであり、前記算出手段は、前記ワークの搬送過程を時間的に離散化することで得られる複数のタイミングのそれぞれにおける前記ワークの前記略水平な方向についての変位位置毎に、前記a及び前記bの処理を行なうことを特徴とする。
上記構成では、搬送過程における互いに異なる複数のタイミング毎に、ワークの撓み量が算出されることになるため、ワークの搬送に伴うワークの撓み量の変化を知ることができる。
手段4は、手段3において、前記非接触支持装置は、その周囲の気体を吸引する吸引部を更に備え、該吸引部による吸引力と前記噴出部による浮上力との協働により前記ワークを非接触支持するものであり、前記取得手段は、前記吸引部の配置の態様についての情報と、前記吸引部による気体の吸引にかかる情報とを更に取得し、前記算出手段は、前記撓み量の算出に際し、前記吸引部の配置の態様についての情報と前記吸引部による気体の吸引にかかる情報とを加味することを特徴とする。
上記構成では、吸引部の配置の態様についての情報と吸引部による気体の吸引にかかる情報とを撓み量の算出に際して加味することで、吸引部によるワークの撓み量の変化をも正確に算出することができる。
手段5は、手段4において、前記aの処理は、前記流体方程式の解を有限差分法により算出する処理であって且つ、前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記有限差分法のメッシュの大きさが適合されてなることを特徴とする。
上記構成では、上記製造された非接触支持装置について浮上シミュレータのうちのaの処理の精度が、実際に測定された力との比較により評価される。そして、算出された力が計測された力と近似するように、メッシュの大きさが定められることで、有限差分法のメッシュの大きさを要求される精度を維持することのできる適切なものとすることができる。
手段6は、手段4又は5において、前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記流体方程式の粘性係数が適合されてなることを特徴とする。
上記構成において、例えばaの処理が有限差分法にて行なわれるなら、算出された力が測定された力に十分に近似しないときには、有限差分法のメッシュを小さくすることでその精度を向上させ、ひいては算出された力が測定された力に十分に近似するようにすることが可能である。しかし、この場合には、当該浮上シミュレータの演算負荷が増大し、ひいてはシミュレートに要する時間が増大する。この点、上記構成では、流体方程式の粘性係数を適合するという簡易な手法にて、算出された力と測定された力との誤差を低減することができ、実用に耐え得る精度を確保することが可能となる。
手段7は、手段4〜6のいずれかにおいて、前記噴出部は、多孔質体を介して前記気体を噴出させるものであり、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報には、前記多孔質体の圧力抵抗についての情報が含まれ、前記算出手段は、前記ワークの撓み量の算出に際し、前記圧力抵抗についての情報を加味することを特徴とする。
上記構成では、圧力抵抗についての情報を加味して撓み量を算出することで、多孔質体を介して噴出される気体によってワークに及ぼされる力を適切に算出することができ、ひいては、撓み量を精度良く算出することができる。
手段8は、手段7において、前記噴出部は、前記多孔質体を収納する収納溝と該収納溝と接続された連通溝とを備え、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報には、前記多孔質体の寸法についての情報が含まれ、前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記多孔質体の寸法についての情報が、前記多孔質体の実際の寸法と前記連通溝の実際の寸法との間の値に適合されてなることを特徴とする。
上記構成において、収納溝と連通溝との寸法が異なる場合等には、多孔質体の実際の寸法を用いて流体方程式の解を算出することでは精度の良い解が得られないことがある。そしてこのときには、収納溝の寸法と連通溝の寸法との間に、流体方程式の解を高精度とする値が存在することが発明者らによって見出されている。この点、上記構成によれば、多孔質体を備えた吸引部の構造についての複雑なモデルを用いることなく、吸引部から噴出される気体によってワークに及ぼされる力を簡易な手法にて精度良く算出することができる。
手段9は、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークを、気体を噴出させる噴出部を備えて非接触支持する非接触装置について、これを製造する非接触支持装置の製造方法において、前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する工程と、前記取得された情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出手段により算出する工程と、前記撓み量の算出結果に基づき、前記噴出部の配置の態様及び前記噴出部の特性の少なくとも一方を変更する工程とを有することを特徴とする。
上記方法では、ワークのうち上記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力とワークの重力との合力によって生じるワークの撓み量が算出される。このため、噴出部の配置の態様や、噴出部の特性が設定された際のワークの撓み量を、非接触支持装置を試作することなく知ることができる。そして、算出される撓み量に基づき噴出部の配置の態様や噴出部の特性についての条件を変更することで、ワークを適切に支持することのできる条件を速やかに取得することができ、ひいては、非接触支持装置の製造時間を短縮することができる。
手段10は、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークを、気体を噴出させる噴出部及び周囲の気体を吸引する吸引部を備えて非接触支持する非接触装置について、これを製造する非接触支持装置の製造方法において、前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記吸引部の配置の態様についての情報と、前記吸引部による気体の吸引にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する工程と、前記取得された情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出手段により算出する工程と、前記撓み量の算出結果に基づき、前記噴出部の配置の態様、該噴出部の特性、前記吸引部の配置の態様、及び該吸引部の特性の少なくとも1つを変更する工程とを有することを特徴とする。
上記方法では、ワークのうち上記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力とワークの重力との合力によって生じるワークの撓み量が算出される。このため、噴出部及び吸引部の配置の態様や、噴出部の特性等が設定された際のワークの撓み量を、非接触支持装置を試作することなく知ることができる。そして、算出される撓み量に基づき噴出部及び吸引部の配置の態様や噴出部及び吸引部の特性についての条件を変更することで、ワークを適切に支持することのできる条件を速やかに取得することができ、ひいては、非接触支持装置の製造時間を短縮することができる。
手段11は、手段9又は10において、前記噴出部は、多孔質体を介して前記気体を噴出させるものであり、前記噴出部の特性の変更には、前記多孔質体による圧力抵抗の変更が含まれることを特徴とする。
上記方法では、非接触支持装置の適合パラメータとして多孔質体による圧力抵抗を含めることで、ワークの撓み量を所望の値以下とするための自由度を向上させることができる。
以下、本発明にかかる非接触支持装置の製造方法及び該方法に用いて好適な浮上シミュレータの一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態で製造対象となる非接触支持装置を例示する。図1は、上記非接触支持装置を示す平面図である。図示されるように、非接触支持装置1は、検査ステージ2と、検査ステージ2を挟んだ両側の浮上ステージ4とを備えている。そして、被支持部材としての液晶ディスプレイパネル(以下、ワークW)は、一方の浮上ステージ4の端部側上方から搬入され、検査ステージ2を介して他方の浮上ステージ4側へと搬送される。
上記浮上ステージ4は、複数の浮上部10を備えて構成されている。これら浮上部10は、ワークWの搬送方向及び同搬送方向と直交する方向に沿って配置されている。詳しくは、本実施形態では、浮上部10は、図中縦方向(行方向)に4行、図中横方向(列方向)に4列配置されている。
一方、検査ステージ2は、複数の浮上パッド20及び複数の吸引パッド30を備えて構成されている。図2に、図1のA−A断面を示す。図示されるように、検査ステージ2は、ベースB上に配置されている。ここで、検査ステージ2の備える浮上パッド20は、その上面に収納溝22が開口され、収納溝22には多孔質体24が収納されている。
上記多孔質体24は、例えば焼結三フッ化樹脂、焼結四フッ化樹脂等のフッ化樹脂によって形成されている。ただし、これに代えて、焼結ナイロン樹脂、焼結ポリアセタール樹脂等の合成樹脂や、焼結アルミニウム、焼結銅、焼結ステンレス等の金属材料、焼結カーボン、焼結セラミックス等で形成してもよい。
上記収納溝22の底面には、連通溝26が形成されている。そして、ベースBに設けられた図示しない流路、及び浮上パッド20に設けられたエア通路28を介して連通溝26に圧縮エアが供給される。そして、連通溝26内に供給されるエアは、多孔質体24の微細孔を通過し、多孔質体24の上面から噴出する。
これに対し、吸引パッド30は、吸引パッド30の上面から底面までを貫通する吸引孔32が形成されることで構成されている。
なお、上記浮上パッド20及び吸引パッド30は、本実施形態では、同一形状、同一寸法とされている。更に、浮上パッド20及び吸引パッド30は、上記収納溝22の形状及び口径や多孔質体24の特性、吸引孔32の形状及び口径がそれぞれ同一とされている。
こうした構成を有する非接触支持装置1を用いることで、非接触支持されつつ一方の浮上ステージ4、検査ステージ2、他方の浮上ステージ4へとワークWが略水平に搬送される。以下、これについて図3を用いて更に詳述する。
図3(a)は、ワークWの搬送時の非接触支持装置1の側面図である。図示されるように、検査ステージ2の上方には、ワークWを検査するためのカメラCAが設けられている。ちなみに、実際にはワークWの浮上量は、ワークWとカメラCAとの距離よりも相当に小さいものであるが、図3(a)ではワークWの浮上量を模式的に大きく描いている。一方、図3(b)は、図3(a)のB−B断面を示す。図示されるように、ワークWは、搬送方向と直交する方向における端部が支持部材SMにて支持されつつ、その下面が基本的には非接触の状態で支持される。
ワークWの搬送に際し、浮上ステージ4では、浮上部10の多孔質体の上面からエアが噴出される。これにより、ワークWの下面(非接触支持装置1側の面)にエアが吹き付けられ、ワークWに浮上力が発生し、ワークWの下面は、非接触の状態で支持されることとなる。
一方、検査ステージ2においては、浮上パッド20のエア通路28を介して、連通溝26にエアが供給され、多孔質体24の上面から加圧されたエアが噴出される。これにより、ワークWの下面に浮上力が付与され、ワークWが非接触支持される。更に、検査ステージ2においては、吸引パッド30の吸引孔32内の空間を負圧とすることでここに吸引力が作用し、吸引パッド30の上面周辺のエアが吸引される。これにより、ワークWの下面に吸引力が作用し、ワークWは非接触支持装置1側に引き寄せられる。
これにより、ワークWの浮上量は、浮上ステージ4上よりも検査ステージ2上で小さな値となる。そして、検査ステージ2では、浮上パッド20による浮上力と吸引パッド30による吸引力との協働により、ワークWの浮上にかかる剛性を高めることができる。このため、検査ステージ2では、ワークWの浮上を安定させることが可能となる。そして、ワークWの浮上が安定する検査ステージ2上方において、ワークWの表面がカメラCAにより検査される。
ところで、上記検査ステージ2においては、ワークWの検査が行なわれるために、特にワークWの撓み量を許容範囲内とすることが要求される。このため、こうした要求を満足すべく、各浮上パッド20による浮上力や各吸引パッド30による吸引力、更にはこれら浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様についての条件を、ワークWに応じて都度設定することとなる。ただし、各ワークWに応じて撓み量を許容範囲内とするための条件を見出すに際し、上記条件を適宜設定して非接触支持装置1を試作し、撓み量を計測してこれが許容範囲内となるかを評価するという工程を繰り返す場合には、非接触支持装置1の製造に要する時間が非常に長くなる。
そこで本実施形態では、非接触支持装置1の製造に際し、非接触支持装置1によって非接触支持される際のワークWの浮上状態をシミュレートする浮上シミュレータを用いる。
図4に、浮上シミュレータの構成を示す。ちなみに、図4に示す浮上シミュレータ40は、実際には、コンピュータ(ハードウェア手段)及び同コンピュータによって実行される演算プログラムとして構成されている。そして、図4は、浮上シミュレータ40が組み込まれたコンピュータの機能ブロックを示している。なお、浮上シミュレータ40は、コンピュータ及びプログラムによって構成されてなるとする代わりに、プログラムそのものと解釈してもよい。
図示されるように、入力部42は、浮上シミュレータ40が必要とするデータを外部から入力する部分であり、例えばキーボードやマウス等によって構成される。
流体解析用データ44は、非接触支持装置1及びワークW間の気体の動きを流体方程式によって算出する際に要求される情報を表現するデータを記憶する部分である。詳しくは、この情報には、多孔質体24の口径及び圧力抵抗、連通溝26の口径等よりなる浮上パッド20の特性、浮上パッド20の配置の態様、吸引孔32の口径等の吸引パッド30の特性、吸引パッド30の配置の態様、各浮上パッド20に供給されるエア流量及び圧力、各吸引パッド30に吸引されるエア流量の情報が含まれる。ちなみに、多孔質体24の圧力抵抗は、多孔質体24の性質を定量化するためのパラメータであり、連通溝26側から浮上パッド20の表面側に流体を噴出させる際に圧力損失を生じさせる抵抗成分を定量化したものである。具体的には、例えば図5に示すように、浮上パッド20の表面側を大気に解放しておき、エア通路28側から流量Q、圧力Pで気体を供給する。これにより、多孔質体24の表面側からは、圧力が大気圧P0と等しく、流量Qの気体が噴出される。このとき、流量Qと大気圧P0と、圧力Pとの関係は、多孔質体24の圧力抵抗によって定まる。このため、これらのパラメータの関係を定量化することで、圧力抵抗を定義する。なお、これら流体解析用データ44に記憶されるデータは、主に入力部42を通じて取得される。
FEM用データ46は、有限要素法(FEM)による解析対象となるワークWの特性についての情報等が表現されたデータを記憶する部分である。このワークWの特性についての情報は、ワークWの剛性に関する物性値(ポアソン比、ヤング率)、密度、寸法に関する情報等よりなる。更に、FEM用データ46は、非接触支持装置1(詳しくは検査ステージ2)の寸法についての情報を表現するデータを含む。なお、これらFEM用データ46に記憶されるデータは、主に入力部42を通じて取得される。
FEM用メッシュ作成部48は、上記FEM用データ46によって表現されるワークWについての形状データを所定の大きさのメッシュ(有限要素)に分割する処理を行なう。そして、分割された有限要素の節点座標やそれらの節点と要素との結合関係、更にはそれら要素の物性値等の情報を表現するデータを作成する。このFEM用メッシュ作成部48により作成されるデータが、被解析データDa1〜Danと、FEMデータDb1〜Dbnとに出力される。
被解析データDa1〜Danは、有限要素法による解析対象となるデータを記憶する部分である。被解析データDa1〜Danは、ワークWの搬送過程を時間的に離散化することで得られる複数のタイミングのそれぞれにおけるワークWの略水平な方向についての変位位置毎に設定されるデータを記憶する。これは、本実施形態では、図6(a)及び図6(b)に例示するように、ワークWのうち検査ステージ2を覆っている部分のみを解析対象とすることによる。図6(a)では、ワークWが検査ステージ2の上方を覆い初めて間もない段階(Stepα:1≦α≦n−1)におけるデータであり、図6(b)は、ワークWが検査ステージ2の上方の全面を覆った段階(Stepβ:2≦β≦n)におけるデータである。図6(a)及び図6(b)に示されるように、ワークWのうち検査ステージ2を覆っている部分のみが有限要素に分割された解析対象となり、この領域が上記データを構成する。
FEMデータDb1〜Dbnは、有限要素の節点座標やそれらの節点と要素との結合関係等についての情報を表現するデータを記憶する部分である。FEMデータDb1〜Dbnも、被解析データDa1〜Danと同様、n段階のデータを記憶する。
流体構造解析部50は、検査ステージ2とワークWとの間のエアの運動の流体方程式による解析結果に基づきワークWに加わる力をワークWに付与するマッピング処理と、このワークWに付与される力と重力とによるワークWの撓み量を有限要素法を用いて解析する処理とを行なう。特に、本実施形態では、ワークWの撓み量の算出に際し、図7に示すように、釣り合い反復処理を行なう。
図7に示す処理は、被解析データDa1〜Danに対応する1〜nの各段階毎にそれぞれ行なわれるものである。この一連の処理においては、まずステップS10において、検査ステージ2及びワークW間のクリアランスを設定する。この設定は、任意でよいが、ワークWの撓み量の算出にかかる時間を極力短縮するためには、ワークWの重力と検査ステージ2による浮上力との合力が略釣り合う値に設定することが望ましい。
続くステップS12においては、ワークWのうち検査ステージ2側の面(被解析データDa1〜Dan内のデータでは、ワークWを簡易的に1次元としているためにワークWそのもの)と検査ステージ2とを境界条件とする流体方程式によりワークWに加わる圧力を算出する。詳しくは、図8に示されるように、基本的には検査ステージ2の表面を境界条件としつつも、多孔質体24については、これを境界条件に含める。そして、多孔質体24の上流から流量Q1、圧力Pで流体が供給され、多孔質体24においては、先の図5を用いて説明した態様にて設定された圧力抵抗の影響を受けた後、検査ステージ2からエアが噴出されるものとする。更に、検査ステージ2及びワークWにて挟まれた空間以外の領域は、大気開放されており圧力が大気圧P0であることを境界条件とする。更に、境界条件として、吸引孔32のそれぞれから流量Q2でエアが吸引されるとの条件が設定される。ちなみに、図8では、ワークW及び検査ステージ2間のクリアランスをCにて示している。
上記流体方程式は、上記境界条件の下、エアの粘性係数μ、エアの密度ρ、エアのx軸の速度u,エアのy軸の速度v,エアのz軸の速度wとしてこれらの間の関係を定めるものであり、下式にて一般化される。
F1(u,v,w,ρ,μ)=0,F2(u,v,w,ρ,μ)=0,…,Fm(u,v,w,ρ,μ)=0
これらの方程式は、例えばナビエ=ストークス方程式と連続の式(div(V)=0:V=(u,v,w))とによって構成すればよい。
こうした流体方程式を用いることで、ワークWにエアが及ぼす圧力を算出することができる。なお、本実施形態では、流体方程式の解を算出するに際し、有限差分法を用いることとする。
続くステップS14では、ステップS12によって算出された圧力と、ワークWに及ぶ重力とに基づき、有限要素法によりワークWの撓み量を算出する。ここでは、まず図9に節点aについて例示するように、ステップS8で算出された圧力に応じた力(図中、節点aに付与する力f1を例示)と重力(図中、節点aに付与する重力f2を例示)とを付与する。ここで、ステップS8で算出された圧力に応じた力とは、例えばナビエ=ストークスの方程式等に基づき得られる圧力と、各有限要素の各節点に分配される面積を乗算することで算出される各節点に相当する力を意味する。更に、上記重力は、各有限要素の各節点に分配される面積当たりのワークWの質量に重力加速度gを乗算することで算出される。そして、ステップS14によって算出された力と重力とに基づき、ワークWの各節点の変位を有限要素法によって算出する(撓み量の算出)。
ちなみに、検査ステージ2としては、先の図1に示す列方向において例えば浮上パッド20の各エア通路28が一旦集合バッファにて合流し、ここに加圧エアを供給することで浮上パッド20にエアが供給される構成であることがある。この場合には、ワークWによってその上方が覆われる浮上パッド20から噴出されるエア流量と、覆われていない浮上パッド20から噴出されるエア流量とが異なる傾向にある。また、先の図1に示す列方向において例えば吸引パッド30の各吸引孔32が一旦集合バッファにて合流し、ここを負圧とすることで吸引パッド30からエアを吸引する構成であることがある。この場合には、ワークWによってその上方が覆われる吸引パッド30から吸引されるエア流量と、覆われていない吸引パッド30から吸引されるエア流量とが異なる傾向にある。このため、検査ステージ2がこうした構成である場合には、ワークWに覆われている浮上パッド20や吸引パッド30の数が変化するのに伴い、噴出されるエア流量や吸引されるエア流量が変化することを考慮することが望ましい。
こうしてワークWの撓み量が算出されると(ステップS16:NO)、今度は、この撓んだワークWを境界条件として再度ステップS12〜ステップS14の処理を繰り返す。そして、ステップS18において、前回の撓み量と今回の撓み量との差の絶対値が所定値γ以下であるか否かを判断する。ここで所定値γは、ワークWにエアが及ぼす力とワークWに加わる重力とが釣り合ったか否かを判断するための判定値である。
ここで、前回の撓み量と今回の撓み量との差の絶対値が所定値γより大きいときには、ワークWにエアが及ぼす力とワークWに加わる重力とが未だ釣り合っていないものと考えられる。このため、このときには(ステップS18:NO)、再度ステップS12〜ステップS16の処理を繰り返す。一方、上記絶対値が所定値γ以下であるときには、ワークWにエアが及ぼす力とワークWに加わる重力とが釣り合ったと判断して、ステップS20に移行する。
このステップS20においては、最後に算出された撓み量(今回の撓み量)を、最終的な撓み量としてこれに関するデータ(算出結果)を出力する。詳しくは、この図7に示す一連の処理は、搬送過程の上記n個の段階のそれぞれについて行なわれ、これら各段階の解析結果が、先の図4に示す解析データDc1〜Dcnに出力される。
一方、先の図4に示す断面解析部52では、解析データDc1〜Dcn内のデータを用いて、ワークWについての予め指定された断面内における変位、圧力の表やグラフのデータを作成する。ここで、ワークWの変位は、先の図7に示した処理において最終的なワークWの撓み量に対応するものである。一方、ワークWに加わる圧力は、上記最終的なワークWの撓み量の算出に用いられる流体方程式の解析結果から得られる情報である。
また、分布特性解析部54では、解析データDc1〜Dcn内のデータと、FEMデータDb1〜Dbn内のデータとを用いて、ワークWの変位や圧力の分布についての2次元のグラフィックスデータを作成する。
これら断面解析部52や分布特性解析部54では、作成したデータを表示部56に出力する。そして表示部56では、上記データを視覚情報として表示する。
このように、先の図7に示した処理によれば、流体方程式によるエアの運動についての解析とFEMによる解析とによってワークWの撓み量を算出することができる。ただし、これらによるワークWの撓み量の算出結果を所望の精度とするためには、有限差分法のメッシュの大きさをある程度微小化することが望まれる。これは、有限差分法のメッシュの大きさを微小化すればするほど、エアの運動についての解析精度が向上する傾向にあることによる。反面、メッシュを小さくすればするほど、演算負荷が大きくなることに起因して、演算時間が長くなる。
そこで本実施形態では、演算負荷の増大を抑制しつつも解析精度を高く保つべく、図10に示す処理にて浮上シミュレータ40の適合を行なう。
図10に示す処理では、まずステップS30において、浮上パッド20及び吸引パッド30を任意のパターンに配置して検査ステージ2を試作し、このときにワークWに及ぼされる力を実測する。この検査ステージ2は、浮上パッド20及び吸引パッド30のそれぞれの個数を、各1個以上、任意のパターンに配置することで構成される(この配置パターンは、先の図1に示したものとは異なり得るが、ここでは便宜上、検査ステージに同一の符号を付している)。なお、ワークWに加わる力の計測は、図11に例示されるように、検査ステージ2の上方をワークWよりも厚い高剛性部材60で覆うことで行なわれる。この高剛性部材60は、撓み量が無視できる部材である。高剛性部材60には、その底面から表面までを貫通する圧力検出孔62が複数設けられており、この圧力検出孔62内に設けられた圧力センサ64により高剛性部材60に加えられる力(圧力)が測定される。
一方、ステップS32では、ステップS30における条件と同一の条件を、ワークWに及ぼされる力をシミュレートするための条件として設定する。すなわち、ここでは、以下の条件を、ステップS30の処理を行なうに際して用いた条件と同一として設定する。
・浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様(より正確には、多孔質体24の配置の態様及び吸引孔32の配置の態様)
・有限差分法のメッシュの大きさ
・多孔質体24の口径及び多孔質体24の高さ、連通溝26の口径
・各浮上パッド20に供給されるエアの流量及び圧力
・各吸引パッド30に吸引されるエアの流量
・ワークWと検査ステージ2との間のクリアランス
なおこの際、エアの粘性係数μについては、例えば一般に知られている値に設定する。
続くステップS34では、上記設定された条件の下、ワークWに加わる力(圧力)をシミュレートする。この処理は、先の図7に示したステップS12に相当する。
ステップS36では、ステップS34の処理によって得られたシミュレーション結果を、ステップS30によって得られた測定結果に基づき評価する。ここでは、これら2つの結果が互いに十分に一致するか否かの判断に加えて、シミュレーションに要する時間が過度に長くないか否かの判断をも行なう。
そして、上記2つの結果が一致するとはいえないときや、シミュレーションに要する時間が過度に長いときには(ステップS38:NO)、ステップS40に移行する。このステップ40では、ステップS32において設定された条件を補正する。すなわち、有限差分法のメッシュの大きさの補正や、エアの粘性係数μの補正、更には多孔質体24の口径の補正等を行なう。
ここで、エアの粘性係数μは、始めは予め知られている値に設定されている。しかし、エアの粘性係数μの適宜の補正により、シミュレーション結果と計測結果とを近似させることができることが発明者らによって見出されている。このため、シミュレーション結果と計測結果とが十分に一致しないにもかかわらず、有限差分法のメッシュを微細化したくないときには、この粘性係数μの調整を通じてこれらシミュレーション結果と計測結果とを近似させることができる。そして、この補正の後に、浮上パッド20と吸引パッド30との配置の態様等を異なったものとしても、ワークWの浮上状態が実際のものに近似した高精度のシミュレーションを行なうことができる。
一方、多孔質体24の口径は、始めはステップS30の処理において用いられる実際の口径とされている。ただし、先の図2に示したように、多孔質体24の口径と連通溝26の口径とが異なる(多孔質体24の口径の方が連通溝26の口径よりも大きい)こと等に起因して、先の図8に例示する態様にて簡易的に境界条件を設定する場合には、多孔質体24の口径についての情報を、実際の口径とすることが必ずしも適切な情報とならないことがある。そこで、多孔質体24の口径についての情報(シミュレートに供される口径)を、多孔質体24の実際の口径と連通溝26の実際の口径との間の値内において調整する。これによっても、シミュレーション結果と計測結果とを近似させることができる。そして、この補正の後に、浮上パッド20と吸引パッド30との配置の態様等を異なったものとしても、浮上パッド20の構成を変えない限り、ワークWの浮上状態が実際のものに近似した高精度のシミュレーションを行なうことができる。
ステップS40の処理が完了すると、ステップS34〜ステップS38の処理を再度繰り返す。そして、ステップS38において、シミュレーション結果と計測結果とが十分に一致すると判断されて且つシミュレーションに要する時間が過度に長くないと判断されると、この一連の処理を終了する。
なお、先の図4の流体解析用データ44内に記憶されているエアの粘性係数μや、多孔質体24の口径についての情報、更には流体構造解析部50により用いられる有限差分法のメッシュの大きさは、図10に示した処理による適合のなされたものとなっている。
次に、上記処理にて適合された浮上シミュレータ40を用いた非接触支持装置1の製造手順について説明する。図12に、この製造手順を示す。
この一連の処理においては、まずステップS50において、検査ステージ2の下記条件として適切と思われる条件を設定する。
・浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様
・多孔質体24の口径、高さ、及び圧力抵抗
・連通溝26の口径
・各浮上パッド20に供給されるエア流量
・吸引孔32の口径
・各吸引パッド30に吸引されるエア流量
続くステップS52においては、製造対象とする非接触支持装置1が支持対象とするワークWの特性(物性値、寸法、形状等)と、上記設定された条件とに基づき、浮上シミュレータ40によりワークWの撓み量を算出する。
続くステップS54では、先の図4の表示部56に表示されるシミュレート結果に基づき、上記ステップS50において設定した条件の妥当性を評価する。ここでは、ワークWの撓み量が許容範囲内であるか否かや、ワークWの浮上量が許容範囲内であるか否か等を評価する。図13に、表示部56によるシミュレーション結果の表示例を示す。この図13は、分布特性解析部54によって作成された2次元のグラフィックスデータの表示例である。ここでは、ワークWに加わる圧力が等しい部分を線で結んで表示している。
そして、ステップS54において、撓み量やワークWの浮上量が許容範囲内でないと判断されるときには(ステップS56:NO)、ステップS58において上記ステップS50で設定した条件を変更し、ステップS52〜ステップS56の処理を再度繰り返す。なお、この条件の変更は、例えば図13に例示される圧力分布等、シミュレーション結果に基づいて行なわれる。すなわち、圧力分布等に関する情報により、上記許容範囲とならない原因が推定できることから、その原因を排除するような変更を行なう。
一方、ステップS56において、撓み量やワークWの浮上量が許容範囲内にあると判断されると、ステップS60において、上記ステップS50において設定された条件で検査ステージ2を製造する。
このように、本実施形態では、浮上シミュレータ40を用いることで、浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様や、浮上パッド20や吸引パッド30の特性等が設定された際のワークWの撓み量を、検査ステージ2を試作することなく知ることができる。そして、算出される撓み量に基づき浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様や浮上パッド20や吸引パッド30の特性についての条件を変更することで、ワークWを適切に支持することのできる条件を速やかに(例えば1日以内に)取得することができ、ひいては、検査ステージ2の製造時間を短縮することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)浮上シミュレータ40を用いることで、浮上パッド20及び吸引パッド30の配置の態様や、浮上パッド20や吸引パッド30の特性等が設定された際のワークWの撓み量を、検査ステージ2を試作することなく知ることができる。
(2)釣り合い反復処理(図7の処理)を行なうことで、ワークWが変形することを考慮しないで流体方程式の解を求めつつも、ワークWの撓み量を算出することができるため、撓み量を簡易な手法にて算出することができる。
(3)ワークWの搬送過程を時間的に離散化することで得られる複数のタイミングのそれぞれにおけるワークWの略水平な方向についての変位位置毎に、釣り合い反復処理による撓み量の算出を行なった。これにより、ワークWの搬送に伴うワークWの撓み量の変化を知ることができる。
(4)浮上パッド20及び吸引パッド30が任意に配置されることで製造された検査ステージ2について、その上方に配置される高剛性部材60に加わる圧力が測定された後、浮上シミュレータ40による算出結果が測定された圧力に近似するように有限差分法のメッシュの大きさを設定した。これにより、有限差分法のメッシュの大きさを要求される精度を維持することのできる適切なものとすることができる。
(5)浮上パッド20及び吸引パッド30が任意に配置されることで製造された検査ステージ2について、その上方に配置される高剛性部材60に加わる圧力が測定された後、浮上シミュレータ40による算出結果が測定された圧力に近似するように粘性係数μを補正した。これにより、算出された圧力と測定された圧力との誤差を低減することができ、実用に耐え得る精度を確保することが可能となる。
(6)浮上パッド20及び吸引パッド30が任意に配置されることで製造された検査ステージ2について、その上方に配置される高剛性部材60に加わる圧力が測定された後、浮上シミュレータ40による算出結果が測定された圧力に近似するように多孔質体24の口径についての情報を、多孔質体24の実際の口径と連通溝26の実際の口径との間で補正した。これにより、多孔質体24の構造についての複雑なモデルを用いることなく、多孔質体24から噴出される気体によってワークWに及ぼされる圧力を簡易な手法にて精度良く算出することができる。
(7)浮上パッド20の特性の変更として、多孔質体24による圧力抵抗の変更を含めた。これにより、ワークWの撓み量を所望の値以下とするための自由度を向上させることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・流体方程式を用いたエアの運動の解析に際して用いる境界条件としては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば多孔質体24についての詳細な物理モデルを設定してもよい。また、この物理モデルをいくつかの定数を含むモデルとし、その定数を先の図10に示したステップS30の処理のような実測処理によって適合するようにしてもよい。こうした態様にて適合を行なう場合には、複数の検査ステージ2を試作し、それらの各々において先の図10のステップS30の処理と同様にしてワークWに加わる圧力を実測し、これに合うように定数を例えば多変量解析等によって定めればよい。なお、この際には、複数の検査ステージ2のそれぞれにおける浮上パッド20及び吸引パッド30の配置パターンは、実験計画法によって定めることが望ましい。
・流体構造解析部50によって算出される最終的な撓み量は、先の図7のステップS18において所定値γ以下であると判断されたときの今回の撓み量に限らず、前回の撓み量であってもよい。更に、例えば、これらの平均値であってもよい。
・ワークWのうち検査ステージ側の面にエアが及ぼす力とワークWに加わる重力との合力によって生じるワークWの撓み量を算出する算出手段としては、先の図7に例示する釣り合い反復処理を行なうものに限らない。例えば、エアの運動を流体方程式にて解析するに際して、ワークWによって定まる境界条件がワークWにエアの圧力が加わることによって変化するものとしてもよい。
・浮上シミュレータの適合に際し先の図10のステップS30において用いる検査ステージ2は、この処理のために特に試作したものである必要はない。例えば既にある検査ステージ2を用いてもよい。
・浮上パッド20から噴出される気体や、非接触支持装置1の雰囲気としては、エア(空気)に限らず、窒素ガス等の任意の気体でよい。
・気体を噴出させる噴出部としては、先の図2に例示したように収納溝22に収納された多孔質体24と連通溝26とを備えて構成されるものに限らない。例えば多孔質体24を備えなくてもよい。また、例えば多孔質体24の形状を矩形としてもよい。
・その周囲の気体を吸引する吸引部としては、吸引孔32を備えて構成されるものに限らない。例えば多孔質体を介して気体を吸引するものであってもよい。
・上記実施形態では、検査ステージ2によるワークWの浮上状態をシミュレートしたが、非接触支持装置1の全てによるワークWの浮上状態をシミュレートしてもよい。
・非接触支持装置1としては、浮上ステージ4を備えるものに限らず、例えば、全ての領域において検査ステージ2と同様の構成としてもよい。最も、検査ステージ2は、浮上ステージ4よりもその構成が複雑であることに鑑みれば、実際にワークWの検査が行なわれる領域以外には、浮上ステージ4等を備える簡易な構成とすることが望ましい。
・上記実施形態では、液晶ディスプレイの検査工程において、同ディスプレイを非接触にて支持する非接触支持装置に本発明を適用したが、これに限らない。例えば上記特許文献1に例示された用途に適用される非接触支持装置に本発明を適用してもよい。換言すれば、被支持部材であるワークは、検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であればよい。
一実施形態における非接触支持装置の平面構造を例示する平面図。 上記非接触支持装置の断面構造を示す断面図。 非接触支持装置上をワークが搬送される態様を例示する側面図及び断面図。 上記実施形態にかかる浮上シミュレータの構成を示すブロック図。 同実施形態における多孔質体の圧力抵抗の定量化手法を説明するための断面図。 浮上シミュレータが扱うワークの搬送段階を例示する平面図。 浮上シミュレータによる釣り合い反復処理の手順を示すフローチャート。 上記釣り合い反復処理における境界条件の設定態様を例示する図。 有限要素法によるワークの撓み量の解析手法を説明するための図。 浮上シミュレータの適合にかかる処理の手順を示すフローチャート。 上記適合に際して行なわれるワークに加えられる力の測定手法を示す断面図。 本実施形態における非接触支持装置の製造手順を示すフローチャート。 浮上シミュレータによるシミュレーション結果の表示例を示す図。
符号の説明
W…ワーク、1…非接触支持装置、2…検査ステージ、20…浮上パッド、24…多孔質体(噴出部の一実施形態)、26…連通溝(噴出部の一実施形態)、30…吸引パッド、32…吸引孔(吸引部の一実施形態)、40…浮上シミュレータ、44…流体解析用データ(取得手段の一実施形態)、46…FEM用データ(取得手段の一実施形態)、50…流体構造解析部(算出手段の一実施形態)、52…断面解析部(出力手段の一実施形態)、54…分布特性解析部(出力手段の一実施形態)。

Claims (11)

  1. 検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークが、気体を噴出させる噴出部を備える非接触支持装置により非接触支持される際の浮上状態をシミュレートする浮上シミュレータにおいて、
    前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する取得手段と、
    前記情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出する算出手段と、
    前記算出結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする浮上シミュレータ。
  2. 前記算出手段は、
    a.前記非接触支持装置側の面を境界条件とする流体方程式に基づき前記ワークに気体が及ぼす力を算出する処理
    b.該算出される力と前記重力とを前記ワークに与えたときの前記ワークの撓み量を有限要素法により算出する処理
    との2つの処理を、前記算出される撓み量に基づき前記境界条件を更新して前記a及び前記bの処理を再度行なったときの今回の撓み量と前回の撓み量との差が所定以下となるまで繰り返し、前記所定以下となったときの前記2つの撓み量の少なくとも一方に基づき前記算出結果を定めることを特徴とする請求項1記載の浮上シミュレータ。
  3. 前記ワークは、前記非接触支持装置の上方において略水平に搬送されるものであり、
    前記算出手段は、前記ワークの搬送過程を時間的に離散化することで得られる複数のタイミングのそれぞれにおける前記ワークの前記略水平な方向についての変位位置毎に、前記a及び前記bの処理を行なうことを特徴とする請求項2記載の浮上シミュレータ。
  4. 前記非接触支持装置は、その周囲の気体を吸引する吸引部を更に備え、該吸引部による吸引力と前記噴出部による浮上力との協働により前記ワークを非接触支持するものであり、
    前記取得手段は、前記吸引部の配置の態様についての情報と、前記吸引部による気体の吸引にかかる情報とを更に取得し、
    前記算出手段は、前記撓み量の算出に際し、前記吸引部の配置の態様についての情報と前記吸引部による気体の吸引にかかる情報とを加味することを特徴とする請求項2又は3記載の浮上シミュレータ。
  5. 前記aの処理は、前記流体方程式の解を有限差分法により算出する処理であって且つ、
    前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記有限差分法のメッシュの大きさが適合されてなることを特徴とする請求項4記載の浮上シミュレータ。
  6. 前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記流体方程式の粘性係数が適合されてなることを特徴とする請求項4又は5記載の浮上シミュレータ。
  7. 前記噴出部は、多孔質体を介して前記気体を噴出させるものであり、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報には、前記多孔質体の圧力抵抗についての情報が含まれ、前記算出手段は、前記ワークの撓み量の算出に際し、前記圧力抵抗についての情報を加味することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の浮上シミュレータ。
  8. 前記噴出部は、前記多孔質体を収納する収納溝と該収納溝と接続された連通溝とを備え、
    前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報には、前記多孔質体の寸法についての情報が含まれ、
    前記噴出部及び前記吸引部が任意に配置されることで製造された非接触支持装置について、その上方に前記ワークよりも剛性の高い高剛性部材が配置されて該高剛性部材に加わる力が測定された後、前記製造された非接触支持装置について前記aの処理によって算出された力が前記測定された力に近似するように前記多孔質体の寸法についての情報が、前記多孔質体の実際の寸法と前記連通溝の実際の寸法との間の値に適合されてなることを特徴とする請求項7記載の浮上シミュレータ。
  9. 検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークを、気体を噴出させる噴出部を備えて非接触支持する非接触装置について、これを製造する非接触支持装置の製造方法において、
    前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する工程と、
    前記取得された情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出手段により算出する工程と、
    前記撓み量の算出結果に基づき、前記噴出部の配置の態様及び前記噴出部の特性の少なくとも一方を変更する工程とを有することを特徴とする非接触支持装置の製造方法。
  10. 検査及び加工の少なくとも一方の対象となる薄板状部材であるワークを、気体を噴出させる噴出部及び周囲の気体を吸引する吸引部を備えて非接触支持する非接触装置について、これを製造する非接触支持装置の製造方法において、
    前記非接触支持装置及び前記ワーク間のクリアランスについての情報と、前記噴出部の配置の態様についての情報と、前記噴出部からの気体の噴出にかかる情報と、前記吸引部の配置の態様についての情報と、前記吸引部による気体の吸引にかかる情報と、前記ワークの特性についての情報とを取得する工程と、
    前記取得された情報に基づき、前記ワークのうち前記非接触支持装置側の面に気体が及ぼす力と前記ワークに加わる重力との合力によって生じる前記ワークの撓み量を算出手段により算出する工程と、
    前記撓み量の算出結果に基づき、前記噴出部の配置の態様、該噴出部の特性、前記吸引部の配置の態様、及び該吸引部の特性の少なくとも1つを変更する工程とを有することを特徴とする非接触支持装置の製造方法。
  11. 前記噴出部は、多孔質体を介して前記気体を噴出させるものであり、
    前記噴出部の特性の変更には、前記多孔質体による圧力抵抗の変更が含まれることを特徴とする請求項9又は10記載の非接触支持装置の製造方法。
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