JP2004142280A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ライン型ヘッドでノズル列間距離を短くし、画像品質の低下を防止することが困難である。
【解決手段】インク滴を吐出する複数のノズル孔が略同一平面に形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドユニット1と、ヘッドユニット1に対して上下動可能に配置されることでヘッドユニット1に対して相対的に移行可能とされ、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うことが可能なキャップ手段5とを備え、記録時にはキャップ手段5は用紙搬送路6より下方に退避した位置となる。
【選択図】 図2
【解決手段】インク滴を吐出する複数のノズル孔が略同一平面に形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドユニット1と、ヘッドユニット1に対して上下動可能に配置されることでヘッドユニット1に対して相対的に移行可能とされ、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うことが可能なキャップ手段5とを備え、記録時にはキャップ手段5は用紙搬送路6より下方に退避した位置となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−342632号公報
【特許文献2】特開平11−309871公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置においては、インクを吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する機構が不可欠である。
【0004】
このヘッドの性能維持回復機構の主な機能は、インクの自然蒸発によるノズル孔付近のインクの増粘固着を防止するために密閉性の高いキャップ部材で覆うキャップ機能と、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良をインクを排出することで回復したり、キャップ機能を通じてインクカートリッジからインクを吸引し記録ヘッド内部に充填する吐出回復機能と、ノズル面に付着しインクの飛翔状態を変化させる原因のインク滴を拭き取るためのワイパ機能等で構成される。
【0005】
ここで、吐出回復機能は、一般的に、インクを吐出するノズル列を有するノズル面をキャップ本体で覆い、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動してキャップ本体の空気を吸引し、キャップ本体内を負圧にすることで記録ヘッドに接続されたインクタンクから記録ヘッド内へインクを供給する機能である。
【0006】
一方、このとき、記録ヘッドに供給されたインクは、吸引ポンプの吸引力によりキャップ本体内にも流れ出してキャップ本体内と吸引チューブにも充満する。この状態で記録ヘッドから吸引チューブを外すと、記録ヘッドのノズル面にインクが多く残るため、次工程でワイパ機能によりノズル面に残ったインクをワイパで拭き取るようにしている。
【0007】
したがって、ヘッドの吐出回復機能作動時とワイパ機能作動時には、インクを消費することになるが、この場合、一般には、これらの機能を作動させたときに消費するインクは破棄されている。
【0008】
そして、記録時には、キャップ部材はヘッドのノズル面から相対的に移動して離間し、ヘッドは記録位置となり、続いて用紙がノズル面に近接して搬送されてヘッドからインク滴が吐出されることにより画像が記録される。
【0009】
以上のように、吐出回復機能作動時と記録時ではキャップ部材とヘッドは交互に近接と離間を繰り返す。従来、用紙の走査(副走査)と記録ヘッドの走査(主走査)で記録を行ういわゆるシリアルタイプの記録装置においては、ヘッドによる記録可能領域外にキャップ部材を含む吐出回復システムを配置して、ヘッドの吐出回復機能作動時にはヘッドを記録可能領域外にキャップ部材を含む吐出回復システムの領域に移動させて吐出回復動作を行うようにしている。そのため、このような構成ではヘッドの走査方向に長さとして記録可能領域と吐出回復動作領域とを併せた領域を確保しなければならない。
【0010】
これに対して、記録媒体(用紙)の幅に対応したヘッド長さを有し、記録媒体の走査のみで印字を行う所謂ラインヘッドを備えた記録装置においては、上述したようなシリアルタイプと同様の構成をとると、占有するスペースが大きくなりすぎ(2倍のライン幅を確保しなければならない)、無視できないレベルになる。
【0011】
そこで、
【特許文献1】や
【特許文献2】に記載されているように、上下動が可能なヘッド昇降機構と左右動が可能なキャップ可動機構を組み合わせて、記録時には複数ある記録ヘッドユニット間にキャップ部材が位置し、ヘッドユニットが下降し記録媒体と近接して記録を行い、回復動作時はヘッドユニットが上昇しキャップ部材がヘッド直下に移動して回復動作を行う構成が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した
【特許文献1】、
【特許文献2】に記載の記録装置にあっては、各色のヘッドユニットとこのヘッドユニットに対応したキャップ部材とを交互にライン方向に配置しなければならないため、結果としてヘッドユニット間が広がりすぎて記録装置そのものが大きくなるという課題がある。
【0013】
また、記録時と回復動作時にヘッドユニットを昇降させるための機構とキャップ部材を左右に可動させるための機構という、2つの機械的機能を別々に有する記録装置であるため、構成が複雑で部品点数が多くなるという課題がある。さらに、さらに、ヘッドユニットが昇降するため記録媒体と液滴が吐出されるノズル形成面との距離を回復動作後も常に一定に保つのがむずかしく、記録品質のバラツキを生じることがあるという課題もある。
【0014】
また、搬送手段(上記文献では搬送ベルト)がヘッド直下にも形成されており、記録媒体エッジ付近には記録できない領域が存在している。これは近年ニーズの高いふちなし記録ができないことから大きな課題である。
【0015】
さらに、次に述べるように、各色のヘッドユニット間隔が広がることによって記録品質が低下するという課題もある。すなわち、図22に示すようにノズル孔Nを並べたノズル列NA、NB、NC、NDがある場合、ノズル列NA、NB、NC、NDを図23に示すように白抜き矢印で示す方向に搬送される用紙Pに対して配置し、ノズル列NA、NB、NC、NDの物理的配列順序で各ノズル列を駆動させた後に、再びノズル列NAを駆動するというように、ノズル列NA、NB、NC、NDをその物理的順序に従って循環的に駆動させる。
【0016】
このため、第1列のノズル列NAにより印刷されたドットに隣接してドットを印刷する第4列のノズルNDが駆動されるまでに、用紙Pの幅に対応した長さのフルラインタイプのヘッドの場合、用紙Pがノズル列間距離Lを移動することになる。
【0017】
この結果、記録ヘッドの取り付けに傾きがあったり、用紙Pの搬送にはそれほど高度な精度がなかったりするため、他のノズル列によるドット間距離の変動幅が大きくなり、目立ちやすくなり、結果としてスジが入ったような記録になり易いという印字品質の問題を抱える。
【0018】
特に、カラー記録が可能なヘッドの場合この現象は顕著である。本発明者らの実験によると、用紙搬送方向両端のノズル列NAとノズルND、つまり最初のノズル列と最後のノズル列との距離Lが32mmを超えると印字ズレが大きくなることが確認された。
【0019】
したがって、複数のヘッドを用いた場合でも、用紙搬送方向両端のノズル列間距離Lが32mm以下になるように各ヘッドを配置する必要が存するが、ヘッドユニットとキャップ部材とを副走査方向(用紙搬送方向)に並べて配置する前記
【特許文献1】や
【特許文献2】の構成では複数のヘッドをノズル列間距離Lが32mm以下になるように配置することが困難であり、記録品質が低下することになる。
【0020】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、小スペース化を実現でき、画像品質を向上できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時にキャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成としたものである。なお、本明細書において「用紙」とは画像が記録されるものの意味であり、材質を紙に限定するものではない。
【0022】
ここで、記録ヘッドが上下動することでキャップ手段によるキャッピングが行われる、あるいは、キャップ手段が上下動することでキャップ手段による記録ヘッドのキャッピングが行われる構成とすることができる。
【0023】
また、記録時に用紙の下方への撓みを防止する撓み防止手段を備えていることが好ましく、この場合、撓み防止手段は、記録ヘッドとキャップ手段との相対移動に連動して、用紙の下面を支持する位置と記録ヘッドの下方から退避した位置との間で移動することが好ましい。
【0024】
さらに、記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドから構成され、用紙を搬送する搬送手段が少なくとも記録時にはノズル孔の直下に存在しないことが好ましい。
【0025】
また、キャップ手段はノズル形成面に付着したインクを除去するためのノズル孔の列方向に沿って設けたインク除去部材と、このインク除去部材によって除去されたインクを回収させるための回収口を有し、ノズル形成面を覆うキャップ部材とを備えていることが好ましい。
【0026】
この場合、記録ヘッドは複数列のノズル孔から少なくとも2色以上の異なった色のインクを吐出し、キャップ部材にはインク除去部材によって除去されたインクを排出するための排出口が各色間で独立して形成されていることが好ましい。
【0027】
そして、排出口はキャップ部材に設けられた分離壁で分離されていることがより好ましく、この場合、分離壁はヘッドの維持回復動作時にノズル形成面に当接できることが好ましい。
【0028】
さらに、記録ヘッドはライン型ヘッドであることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図、図2は同じく記録時の要部概略構成図である。
【0030】
このインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する複数のノズル孔が略同一平面に形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドユニット1と、この記録ヘッド1の下方で用紙2を搬送するための搬送ローラ対3、4と、ヘッドユニット1に対して上下動可能に配置されることでヘッドユニット1に対して相対的に移行可能とされ、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うことが可能なキャップ手段5と、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方に退避したときの退避空間7を形成する部材8と、用紙搬送路6に沿って搬送される用紙2の下面を支持して撓みを防止する撓み防止手段である撓み防止部材9等を備えている。
【0031】
ここで、ヘッドユニット1のヘッド11は、ノズル形成面を形成するノズル形成部材(ノズル板)12と、流路を形成する流路形成部材13と、アクチュエータ基板14とを積層接合して、インク滴を吐出するノズル孔15が連通する流路16を形成し、この流路16にアクチュエータ基板14に形成したインク供給路17からインクを供給する。このインク供給路17にはアクチュエータ基板14の背面側に設けた供給部材18に形成したインク供給口19を介して外部のインクタンクあるいはサブタンクからインクを供給する。
【0032】
そして、アクチュエータ基板14の流路16側面には電気熱変換素子20を配置し、流路16内のインクを加熱して膜沸騰現象によりバブルを発生させることで流路16内のインクを加圧してノズル孔15からインクを吐出させるようにしている。
【0033】
なお、ヘッド11としては、ここでは上記のようにサーマル型ヘッドを用いているが、流路16の少なくとも一部に振動板を設けて、この振動板を圧電素子により変形させて流路16内のインクを加圧するピエゾ型ヘッド、或いは、振動板に対向する電極を設けて静電力で振動板を変形させて流路16内のインクを加圧する静電型ヘッド等を用いることもできる。
【0034】
ここで、ヘッド11は、図5に示すように、用紙2と略同じ幅(長さ)、例えばA4サイズの用紙の短手方向幅を有し、用紙搬送方向と略直交する方向に4列のノズル列15A、15B、15C、15Dを有するライン型ヘッドである。
【0035】
そして、各ノズル列15A、15B、15C、15Dの各ノズル孔15のピッチは300dpi相当で配置し、隣り合う列のノズル孔15はピッチの1/4の幅ずれて形成している。したがって、ヘッド11が単色のインク滴を吐出する構成としたとき、記録時には1200dpiの記録が可能となる。また、各ノズル列15A、15B、15C、15D間のピッチは5mmとした。したがって、4列のノズル列のうちの両端のノズル列(用紙搬送方向の最初と最後のノズル列15A,15D)の距離Lは15mmとなり、前述したように画像品質の低下をきたすことなくフルラインでの画像記録が可能になる。
【0036】
一方、キャップ手段5は、ヘッド11のノズル形成部材12の表面(ノズル形成面)に付着したインクを除去するためのノズル孔15の配列方向に沿って設けた各ノズル列15A、15B、15C、15Dに対応する4個のインク除去部材22A、22B、22C、22Dと、ノズル形成面全体を覆う1つのキャップ部材23とを備え、このキャップ部材23にはインク除去部材22A〜22Dによって除去されたインクを回収させるための回収口24を有している。
【0037】
ここで、インク除去部材22A〜22Dは、先端が二又に分かれた一体の櫛状に形成している。このインク除去部材22A〜22Dの形状は、例えば櫛歯状部を形成した2枚をある一定の距離をおいて配置したステンレス鋼からなるものや、複数の針状の突起をノズル孔15に概ね垂直に形成したものなどでもよい。特にインクの流れをよくするために親水性の材料を用いるのが良い。ただし、この実施形態においては、ステンレス鋼で親水性のものを用いている。
【0038】
このインク除去部材22A〜22Dは、図4に示すように、長手方向の両端部でキャップ部材23と連結されている。このとき、インク除去部材22A〜22Dは、先端の二又に分かれた側がノズル列に対して略垂直になるようにキャップ部材23に連結される。
【0039】
また、インク除去部材22A〜22Dはキャップ部材23がノズル形成面をキャッピングした状態で、インク除去部材22A〜22Dの先端がノズル形成面に当接しない状態でキャップ部材23に連結される。これは、インク除去部材22A〜22dの先端がノズル形成面に当接すると、ノズル形成面を損傷するおそれが生じるからである。ただし、ノズル形成面に当接する構成とすることもできる。
【0040】
さらに、インク除去部材22A〜22Dの二又に分かれた先端部に形成されるギャップ26は図4にも示すように連通部27を通じてもキャップ部材23内部に連通している。
【0041】
キャップ部材23は、その周辺部にノズル形成面と当接した際に内部の保湿性を保つために伸縮性のある弾性部材28により構成されている。また、キャップ部材23の回収口24にはインク除去部材22A〜22Dで除去回収したインクを再び図示しないインクタンクへ戻すためにチューブ等が接続される。さらに、キャップ部材23の側面には記録ヘッド1のノズル形成面をワイピングするための弾性ブレード30を取り付けている。
【0042】
このキャップ手段5は一体的に図1及び図3で矢示A方向に、すなわち、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆う(キャッピングする)キャッピング位置と、用紙搬送路6よりも下方に位置する退避位置との間で、上下動可能に配置保持している。
【0043】
このように構成したので、ヘッドユニット1が待機状態にあるとき、図1及び図6に示すように、キャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面全体がキャップ手段5のキャップ部材23にて覆われた状態になる。なお、前述したように、インク除去部材22A〜22Dはノズル形成面とわずかなギャップを置いている。
【0044】
ここで、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動して、キャップ部材23内の空気を吸引してキャップ部材23内を負圧にすることで、ヘッドユニット1に接続された図示しないインクタンクからヘッド11内へインク供給口19を通じてインクが供給される。
【0045】
その際、ノズル形成部材12のノズル孔15からノズル形成面にオーバーフローして付着したインクは、インク除去部材22A〜22Dの先端二又部の毛細管現象により吸収される。インク除去部材22A〜22Dに吸収されたインクは自重及び毛細管現象によりキャップ部材23の底部に達し、インク回収口24に向かう。このときキャップ部材23内がポンプにより負圧状態になっているので回収されるインクは抵抗なく排出されて図示しないインクタンクに回収される。
【0046】
このように、複数のノズル列を有するノズル形成面を覆うキャップ部材と、ノズル形成面に付着したインクを除去するインク除去部材を各ノズル列に沿ってそれぞれ設け、このインク除去部材によって除去されたインクを回収させるための回収口をキャップ部材に形成したキャップ手段を備えたので、近接した複数列のノズル孔が形成された記録ヘッドから効率良くインクを除去することができ、また複数の複雑なキャップ手段を使用することなく構成できるので、構成が簡単でコストの低減が図れる。
【0047】
また、上記のように記録ヘッドのノズル列間距離を近接させる(この例では15mm)ことができるので、印字品質を維持したまま記録できる。
【0048】
そして、記録時には、図2及び図3に示すように、キャップ手段5が下降してヘッド直下に設けた退避空間7内に退避する。このとき、キャップ手段5は用紙搬送路6よりも下方に位置する状態になるまで下降する。その後、用紙2が搬送ローラ対3、4で挟まれてヘッド11の直下まで搬送される。このとき、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方に位置しているため用紙2がスムーズに搬送され、ヘッドユニット1からインク滴を吐出して用紙2への記録が行われる。
【0049】
また、このとき、撓み防止部材9、9が用紙2の下表面に接して用紙2を案内するので、用紙2がキャップ退避空間7方向へ撓むのを防止することができる。これにより、用紙2とヘッド11に形成されたノズル孔間の距離が一定に保たれ、画像の乱れや、ゆがみが発生するのを防止できて、常に安定した記録を行うことができる。なお、この撓み防止部材9は、キャップ手段5の昇降時にキャップ手段5と干渉しない様な位置と形状に構成している。ここでは、プレート状のプラスチック材を用紙供給側と排出側に2枚配置した構成としている。
【0050】
記録が終わると、キャップ手段5は再び待機状態へと移行し、キャップ部材23が所定量ヘッド11のノズル形成面(ノズル形成部材12の表面)に当接するまで上昇する。
【0051】
このように、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時には、キャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成とすることで、ヘッドユニット間にキャップ手段を退避するための空間を設ける必要が無くなり、装置の奥行を小さくできて小スペース化を図れる。それとともに、ヘッドユニット間隔を短くすることができ、コックリングによる画像の乱れや用紙の伸長による画像のゆがみの発生を少なくできて画像品質が向上する。
【0052】
なお、ここでは、キャップ手段5を上下動させる構成としているが、ヘッドユニット1を上下動させることもできるし、キャップ手段5とヘッドユニット1とを上下動させることもできる。ただし、装置をシンプルに構成するためには、キャップ手段5及びヘッドユニット1のいずれかが上下動することが好ましく、更に用紙とヘッドユニットのノズル形成面との距離を一定に保つことを容易にするため、つまり印字品質を一定に保つためにはヘッドユニット1が上下動しない構成とすることが好ましい。
【0053】
なお、上記実施形態では、ヘッドユニット1が複数のノズル列を有する1枚のノズル形成部材を備えた例で説明しているが、図7に示すように、それぞれ、ノズル形成部材12、流路形成部材13、アクチュエータ基板14を有するヘッドHA〜HDを例えば1つの供給部材18に接合することで一体化して略同一平面のノズル形成面を構成したヘッドとすることもできる。
【0054】
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。なお、同図は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図である。
この実施形態では、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色の各インク滴を吐出する4個の独立したヘッドユニット1a〜1dを備え、各ヘッドユニット1a〜1dに対応してキャップ手段5a〜5dを上下動(昇降)可能に配置している。
【0055】
さらに、用紙を搬送するための搬送手段である搬送ベルト31を備え、この搬送ベルト31は、用紙供給側のローラ32と、各キャップ手段5a〜5dに対応してキャップ手段5a〜5dの退避空間7a〜7dを形成するために搬送ベルト31を迂回させるためのガイドローラ33,33…と、各ヘッドユニット1a〜1d間に位置して用紙を搬送させるために搬送ベルト31を用紙に再び接触させるようにガイドするガイドローラ34…と、用紙排出側のローラ35との間に掛け回している。
【0056】
また、用紙供給側のローラ32に対向してローラ36を、各ガイドローラ34、34…に対応してローラ37を、用紙排出側のローラ35に対応してローラ38をそれぞれ配置している。
【0057】
このように、記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドユニット1a〜1dから構成されて、記録時に用紙を搬送する搬送手段である搬送ベルト31を迂回させることで、ノズル孔の直下に搬送手段が存在しない構成としたので、記録時には各キャップ手段5a〜5dをそれぞれ退避空間7a〜7dに下降退避させて用紙搬送路6より下方に位置させることができる。そして、各ヘッドユニット1a〜1d間には搬送ベルト31が用紙に接触するので、用紙をスムーズに搬送することができる。
【0058】
この場合、複数の色のインク滴を別々のヘッドから吐出し記録を行うライン型記録装置とすることで、記録時のノズル直下には用紙と接触する搬送手段が存在しないため、ふちなし記録などによって用紙のエッジからはみ出たインクが搬送手段上に残ることなく記録でき、用紙の裏面への残留インク付着が防ぐこともできる。
【0059】
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照して説明する。なお、同図は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図である。
この実施形態でも、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色の各インク滴を吐出する4個の独立したヘッドユニット1a〜1dを備え、各ヘッドユニット1a〜1dに対応してキャップ手段5a〜5dを上下動(昇降)可能に配置している。
【0060】
さらに、用紙を搬送するため用紙供給側に搬送ローラ対41を、各ヘッドユニット1a〜1d間に搬送ローラ対42…を、用紙排出側に搬送ローラ対43をそれぞれ配置している。
【0061】
したがって、この場合も記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドユニット1a〜1dから構成されて、記録時に用紙を搬送する搬送手段がノズル孔の直下に存在しない構成となる。したがって、記録時にはキャップ手段5a〜5dをそれぞれ退避空間に下降退避させて用紙搬送路6より下方に位置させることができる。
【0062】
また、この場合も、複数の色のインク滴を別々のヘッドから吐出し記録を行うライン型記録装置とすることで、記録時のノズル直下には用紙と接触する搬送手段が存在しないため、ふちなし記録などによって用紙のエッジからはみ出たインクが搬送手段上に残ることなく記録でき、用紙の裏面への残留インク付着が防ぐこともできる。
【0063】
次に、本発明の第4実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。なお、図10は同実施形態の記録時の要部概略断面説明図、図11は同実施形態のヘッドユニットの平面説明図、図12は同実施形態のキャッピング時の要部概略断面説明図である。
【0064】
この実施形態では、ヘッドユニット1にブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクを供給するようにしている。したがって、ヘッドユニット1は、図11に示すように、ブラックインクを吐出するノズル15のノズル列55B、シアンインクを吐出するノズル15のノズル列55C、マゼンタインクを吐出するノズル15のノズル列55M、イエローインクを吐出するノズル15のノズル列55Yとなる。
【0065】
このとき、各ノズル列55B、55C、55M、55Y(以下「55B〜55Y」とも表記する。)の各ノズル15のピッチは600dpiで構成され、記録時には600dpiのフルカラー記録が可能となる。また、ノズル列間のピッチは第1実施形態と同様に、5mmとしたので、最初の列(ノズル列55Y)と最後の列(ノズル列55B)のノズル列間距離Lは15mmとなっており、前述したように、印字品質を損なうことなく記録できる。
【0066】
なお、色構成は一例であり、薄いマゼンダ、薄いシアン、濃いイエロー、グレーインクなど加えた更に多色構成や2色や3色の構成でも良い。ただし、前述したように、これらの場合でも最初と最後のノズル列間距離Lが32mm以下になるように形成又は配置する。
【0067】
一方、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うキャップ手段5のキャップ部材23には、各ノズル列55B、55C、55M、55Yに対応してそれぞれインク除去部材62B、62C、62M、62Y(以下「62B〜62Y」とも表記する。)を設けている。また、キャップ部材23に各ノズル列毎に空間を仕切る分離壁66を設けて、この分離壁66で仕切られた各ノズル列に対応した空間65内にインク除去部材62B、62C、62M、62Yを配置して、互いの色が干渉しない構成になっている。
【0068】
そして、キャップ部材23には、各色に対応した個別の空間65に対応してインク除去部材62B、62C、62M、62Yにて除去されたインクを回収させるためのインク回収口64B、64C、64M、64Y(以下「64B〜64Y」とも表記する。)を形成している。
【0069】
このように構成したので、第1実施形態と同様にして、ヘッドユニット1が待機状態にあるとき、吐出回復機能動作を行ない、図12に示すように、キャップ手段5を上昇させて、ヘッドユニット1のノズル形成面全体がキャップ手段5のキャップ部材23にて覆われた状態にして、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動して、キャップ部材23内の空気を吸引してキャップ部材23内を負圧にすることで、ヘッドユニット1に接続された図示しないインクタンクからヘッドユニット1内へインク供給口19を通じてインクが供給される。
【0070】
その際、ノズル形成部材12のノズル孔15からノズル形成面にオーバーフローして付着した各色のインクは、インク除去部材62B〜62Yの先端二又部の毛細管現象により吸収され、自重及び毛細管現象によりキャップ部材23の底部に達し、各色のインク回収口64B〜64Yに向かう。このときキャップ部材23内がポンプにより負圧状態になっているので回収される各色のインクは抵抗なく排出されて図示しないインクタンクに回収される。
【0071】
ここで、キャップ部材23内は分離壁66で各色のインクのノズル列55B〜55Yに対応した空間65に仕切られ、各色のインク回収口64B〜64Yを設けているので、混色を起こすことなく、各色のインク毎に回収され再利用することができる。
【0072】
この場合、この実施形態では、分離壁66がヘッドユニット1のノズル形成面に当接する構成となっているので、確実に各色のインクの混色を防止することができる。なお、キャップ部材5内の空間を仕切らない構成とすることもできるが、インク除去部材62B〜62Yによって除去されたインクが各色間で混色しないようにするには本実施形態の構成のように各色毎に仕切られた空間65を形成する分離壁66を設ける方が良い。
【0073】
また、本実施形態においてはキャップ部材5がノズル形成面が当接した際に、同じように分離壁66がノズル形成面と当接するような構成としているが、必ずしも分離壁はノズル形成面と当接する必要がなく、ノズル形成面に当接しない分離壁を設ける構成としても良い。ただし、混色をより確実に防止するためには、本実施形態の構成のように分離壁66をノズル形成面に当接するように構成したほうが良い。
【0074】
なお、ノズル列間距離が非常に短い場合には、ノズル形成面に当接する分離壁66を設けることが困難になったり、ノズル形成面を損傷するおそれが生じるので、そのような場合は、分離壁を当接させずに、キャップ部材内で各インクを分離させる方法が有効である。
【0075】
このように、各ノズル孔列に沿って形成されたインク除去部材からインクを除去するための排出手段が各色間で独立して形成されているキャップ部材を具備しているので、除去されたインクが混色することなく排出され、インクをリサイクル使用することができ、インク消費量を減らすことができる。
【0076】
さらに、分離壁はキャップ部材のヘッドを覆う周辺部とノズル形成面が当接した際に、同じようにノズル形成面と当接するように構成しているので、維持回復動作中に飛散するインクなどによって各色間で混色することも防止され、効率よく回収インクをリサイクルに供することができる。
【0077】
そして、記録時には、キャップ手段5がノズル形成面との当接状態から相対的に移動する。この場合は、前述したようにキャップ手段5が下降しても良いし、ヘッドユニット1が上昇してもよいし、またその両方でも良いが、印字品質を一定に保つためにはヘッドユニット1が昇降しない構成がよいので、前述したようにここではキャップ手段5が矢示A方向に昇降可能としている。
【0078】
したがって、キャップ手段5はヘッドユニット1との当接状態から下降をはじめたキャップ手段5はヘッド直下に設けられたキャップ退避空間へと収容される。このとき、キャップ手段5のヘッドユニット1と当接していた面が用紙搬送路6よりも下になる位置(図10の位置)まで下降するようにする。
【0079】
この状態で用紙がヘッドの直下まで搬送されるとき、キャップが搬送面より下に位置しているため用紙がスムーズに搬送されて記録が行われる。記録が終わると再び待機状態へと移行して、キャップ手段5が所定量ヘッドユニット1のノズル形成面に当接するまで上昇する。
【0080】
次に、本発明の第5実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図14は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方の退避空間まで下降したか否かを検出する検出手段であるセンサ71を設けている。また、記録位置で用紙下面を支持する撓み防止手段である撓み防止部材9はヘッドユニット1の両側方に配置した保持部材72に用紙搬送方向と平行な方向にスライド可能に保持して、図13に示す退避位置と図14に示す支持位置との間で進退可能とし、図示しないソレノイド等のアクチュエータ手段で進退されるようにしている。そして、前記センサ71の検出出力で撓み防止部材9のアクチュエータ手段を駆動制御する図示しない制御手段を設けている。
【0081】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には図13に示すように、撓み防止部材9はヘッドユニット1の下方から退避した退避位置にあり、このときキャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0082】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、図14に示すように、キャップ退避空間内に設けたセンサ71によりキャップ手段5が所定量下降したことを検出すると、図示しない制御手段は撓み防止部材9のアクチュエータ手段を駆動して撓み防止部材9を同図に示すようにヘッドユニット1の下方の支持位置までスライドさせて進出させ、キャップ退避空間へ通じる開口部を一部遮蔽する。
【0083】
これにより、用紙2は撓み防止部材9で下面を支持されながら搬送され、用紙のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0084】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇をはじめると、センサ71に検出信号に基づいてキャップ手段5が上昇を始めたことが検出され、図示しない制御手段はアクチュエータ手段を駆動制御して再び撓み防止部材9を退避位置まで退避させる。これにより、キャップ手段5は撓み防止部材9に阻害されることなく上昇できるようになる。
【0085】
次に、本発明の第6実施形態について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図16は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、キャップ手段5の側壁面に接触してキャップ手段5の昇降に応じて回転する歯車78と、この歯車71の回転によって図15に示す退避位置と図16に示す支持位置との間で進退する撓み防止部材79とを備えている。
【0086】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には図15に示すように、撓み防止部材79はヘッドユニット1の下方から退避した退避位置にあり、このときキャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0087】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降すると、このキャップ手段5の下降に連動して歯車78が回転するので、図16に示すように、撓み防止部材79がヘッドユニット1の下方の支持位置まで進出し、キャップ退避空間へ通じる開口部を一部遮蔽する。
【0088】
これにより、用紙2は撓み防止部材79で下面を支持されながら搬送され、用紙2のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0089】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇を始めると、キャップ手段5の上昇に連動して歯車78が上記と逆方向に回転して再び撓み防止部材79が退避位置まで退避する。これにより、キャップ手段5は撓み防止部材79に阻害されることなく上昇できるようになる。
【0090】
次に、本発明の第7実施形態について図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図18は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
【0091】
この実施形態においては、撓み防止部材89はそのアーム部89a端部を支軸88で回動自在に支持して配置し、撓み防止部材89はキャップ手段5の上昇で跳ね上げられたヘッドユニット1の下方から退避する位置と、キャップ手段5の下降によって自重で可動してヘッドユニット1の下方に進入する位置との間で回動するようにしている。なお、ヘッドユニット1の下方に進入する位置では図示しない位置決め部材で撓み防止部材89の所定量以上の回動を規制して用紙2を案内できる位置で止まるようにしている。
【0092】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には、図17に示すように、キャップ手段5が上昇することで撓み防止部材89が跳ね上げられてヘッドユニット1の下方から退避した退避位置に回動し、キャップ手段5でヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0093】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、このとき撓み防止部材89は自重でそれぞれ内方側に回動して、図18に示すように、撓み防止部材89がヘッドユニット1の下方の支持位置で位置決めされて停止する。
【0094】
これにより、用紙2は撓み防止部材89で下面を支持されながら搬送され、用紙2のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0095】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇を始めると、前述したようにキャップ手段5は撓み防止部材89を跳ね上げながら上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングする。
【0096】
次に、本発明の第8実施形態について図19及び図20を参照して説明する。なお、図19は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図20は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、用紙搬送手段に撓み防止機能を持たせている。すなわち、ローラ91、92間に搬送ベルト93を張装した用紙を搬送するための搬送手段90を用紙搬送方向と平行な方向に移動可能に配置している。
【0097】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には、図19に示すように、搬送手段90はヘッドユニット1の側方に退避した退避位置にあり、キャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0098】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、図20に示すように、このとき搬送手段90がヘッドユニット1とキャップ手段5との間に移動して、用紙搬送を行うとともに撓みを防止する。
【0099】
なお、上記いずれの各実施形態においても、ヘッドユニットとキャップ手段とはいずれか一方又は双方が相対的に移動する構成とできる。
【0100】
また、いずれの撓み防止手段においても、ノズル直下には用紙と接触する領域が無いことが好ましい。すなわち、用紙のエッジまで記録するいわゆるふちなし記録を行う場合、その記録方式の性質上用紙のエッジから幾らかのインクが外れることがある。このとき、ノズル直下にも用紙と接触する領域があった場合、外れたインクがその領域に残り、搬送されてくる用紙の裏面に再付着して用紙を汚すといった不都合が生じる。したがって、ノズル直下には用紙と接触する領域を持たせないことで、このような汚れの発生を防止できる。
【0101】
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の機構部全体の概略について図21を参照して説明する。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体101の内部に画像形成部102等を有し、装置本体1の下方部には前方側から多数枚の用紙103を積載可能な給紙カセット104を抜き差し自在に装着することができ、給紙カセット104から給送される用紙103を取り込み、画像形成部102によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
【0102】
画像形成部102は、用紙103の搬送方向と直交する方向で記録領域の全幅にわたって複数の吐出口であるノズル孔を配列したノズル列を複数列が有するフルライン型ヘッドで構成した記録ヘッド111をヘッドホルダ112に取り付けている。この記録ヘッド111は、用紙103の搬送方向上流側からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色のインクを吐出させるノズル列が所定間隔で配置されている。
【0103】
なお、ヘッドホルダ112は、一端が軸113によって回動可能に固定され、他端に形成された突出部112aとレール114とが係合し、記録ヘッド111のノズル形成面と用紙103との距離(紙間)が規定されるようになっている。
【0104】
そして、記録ヘッド111の下方には、キャップ手段121を上下動(昇降)可能に配置している。そして、前述した実施形態で説明したように、吐出回復機能作動時にはキャップ手段121は上昇して記録ヘッド111のノズル形成面に当接してキャッピングし、記録ヘッド111の乾燥を防止する。
【0105】
また、当接した状態で、吸引ポンプを動作させ、キャップ手段121のキャップ部材内を吸引することにより、インク充填あるいはノズルの目詰まり、気泡の除去などの吐出回復を行う。記録ヘッド111をわずかに上昇させ、キャップ手段121を横方向に移動させることにより、キャップ手段121に設けたブレード130によって、記録ヘッド111のノズル形成面に付着したインクを拭き取る。
【0106】
一方、記録ヘッド111の下方側には、記録ヘッド111による印写位置に対して用紙103を副走査方向に搬送するために、搬送ローラ131と搬送従動ローラ132との間に用紙103を静電吸着して搬送する搬送ベルト133を張装して配設し、この搬送ベルト133には中間ローラ134によってテンションを付与している。
【0107】
さらに、キャップ手段121を用紙搬送路より下方に位置させるための退避空間122を形成するため、4個のローラ123によって搬送ベルト133を迂回させている。これにより、記録時にキャップ手段121は退避空間122内に下降して用紙搬送路より下方に位置し、搬送ベルト133は記録ヘッド111の直下に存在せず、用紙103を安定して搬送することができるとともに、ふちなし記録を行った場合でも搬送ベルト133の汚れによる記録品質の低下を防止することができる。
【0108】
なお、搬送ローラ131と搬送ベルト133を挟んで対向する位置に搬送ベルト133を帯電させるためのバイアスローラ135を配設している。さらに、搬送ベルト133の平面起点部付近には用紙103を搬送ベルト133側に押し付ける押さえ部材である押さえローラ136を配設している。
【0109】
また、給紙カセット104から用紙103を搬送ベルト133上に給紙するため、用紙103を1枚ずつ分離して給送する半月コロ137及びフリクションパッド137と、給送される用紙103を搬送ローラ131に案内するガイド部材139を設けている。
【0110】
さらに、搬送ベルト133の従動ローラ132の下流側には排紙ローラ141と、これに対向する拍車142とを配置し、記録が終了した用紙103を排紙トレイ106に送り出すようにしている。
【0111】
以上のように構成したインクジェット記録装置においては、給紙カセット104から用紙103を搬送ベルト133に給送し、この搬送ベルト133によって用紙103を静電吸着して記録ヘッド111による記録領域に搬送して、記録ヘッド111から印写画像に応じてインク滴を吐出させることによって用紙103上に画像を記録し、記録後の用紙103を排紙トレイ6に排出する。
【0112】
なお、このインクジェット記録装置では前記第2実施形態の構成(図示の都合上ヘッドユニットを1つとした。)を用いたが、これに限るものではない。また、インクジェットプリンタを例としたが、本発明のインクジェット記録装置は、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などにも適用可能である。また、インク以外の液体、例えばレジスト、医療分野におけるDNA試料を吐出記録する装置にも応用可能である。さらに、フルライン型ヘッドを用いたフルライン型インクジェット記録装置で説明したが、用紙搬送路の下方にキャップ手段が位置する構成はシリアル型記録装置でも可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録装置よれば、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時にキャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成としたので、小スペース化を実現でき、さらに画像品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図
【図2】同じく記録時の要部概略構成図
【図3】ヘッドユニット及びキャップ手段の具体的説明図
【図4】同キャップ手段の側断面説明図
【図5】ヘッドユニットのノズル形成面の平面説明図
【図6】同実施形態の作用説明に供する断面説明図
【図7】ヘッドユニットの他の例を説明する断面説明図
【図8】本発明の第2実施形態の説明に供する要部概略構成図
【図9】本発明の第3実施形態の説明に供する要部概略構成図
【図10】本発明の第4実施形態の記録時の要部概略構成図
【図11】同実施形態のヘッドの平面説明図
【図12】同じくキャッピング時の要部概略構成図
【図13】本発明の第5実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図14】同じく記録時の要部概略構成図
【図15】本発明の第6実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図16】同じく記録時の要部概略構成図
【図17】本発明の第7実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図18】同じく記録時の要部概略構成図
【図19】本発明の第5実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図20】同じく記録時の要部概略構成図
【図21】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の一例を説明する説明図
【図22】ノズル列間距離の説明に供する平面説明図
【図23】同じく斜視説明図
【符号の説明】
1…ヘッドユニット(記録ヘッド)、2…用紙、3…ローラ対、4…ローラ対、5…キャップ手段、6…用紙搬送路、7…退避空間、9…撓み防止部材、11…ヘッド、12…ノズル形成部材、13…流路形成部材、14…アクチュエータ基板、15…ノズル孔、16…流路、17…インク供給路、18…供給部材、20…発熱抵抗素子。
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−342632号公報
【特許文献2】特開平11−309871公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置においては、インクを吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する機構が不可欠である。
【0004】
このヘッドの性能維持回復機構の主な機能は、インクの自然蒸発によるノズル孔付近のインクの増粘固着を防止するために密閉性の高いキャップ部材で覆うキャップ機能と、ノズル孔内に発生した気泡などによる吐出不良をインクを排出することで回復したり、キャップ機能を通じてインクカートリッジからインクを吸引し記録ヘッド内部に充填する吐出回復機能と、ノズル面に付着しインクの飛翔状態を変化させる原因のインク滴を拭き取るためのワイパ機能等で構成される。
【0005】
ここで、吐出回復機能は、一般的に、インクを吐出するノズル列を有するノズル面をキャップ本体で覆い、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動してキャップ本体の空気を吸引し、キャップ本体内を負圧にすることで記録ヘッドに接続されたインクタンクから記録ヘッド内へインクを供給する機能である。
【0006】
一方、このとき、記録ヘッドに供給されたインクは、吸引ポンプの吸引力によりキャップ本体内にも流れ出してキャップ本体内と吸引チューブにも充満する。この状態で記録ヘッドから吸引チューブを外すと、記録ヘッドのノズル面にインクが多く残るため、次工程でワイパ機能によりノズル面に残ったインクをワイパで拭き取るようにしている。
【0007】
したがって、ヘッドの吐出回復機能作動時とワイパ機能作動時には、インクを消費することになるが、この場合、一般には、これらの機能を作動させたときに消費するインクは破棄されている。
【0008】
そして、記録時には、キャップ部材はヘッドのノズル面から相対的に移動して離間し、ヘッドは記録位置となり、続いて用紙がノズル面に近接して搬送されてヘッドからインク滴が吐出されることにより画像が記録される。
【0009】
以上のように、吐出回復機能作動時と記録時ではキャップ部材とヘッドは交互に近接と離間を繰り返す。従来、用紙の走査(副走査)と記録ヘッドの走査(主走査)で記録を行ういわゆるシリアルタイプの記録装置においては、ヘッドによる記録可能領域外にキャップ部材を含む吐出回復システムを配置して、ヘッドの吐出回復機能作動時にはヘッドを記録可能領域外にキャップ部材を含む吐出回復システムの領域に移動させて吐出回復動作を行うようにしている。そのため、このような構成ではヘッドの走査方向に長さとして記録可能領域と吐出回復動作領域とを併せた領域を確保しなければならない。
【0010】
これに対して、記録媒体(用紙)の幅に対応したヘッド長さを有し、記録媒体の走査のみで印字を行う所謂ラインヘッドを備えた記録装置においては、上述したようなシリアルタイプと同様の構成をとると、占有するスペースが大きくなりすぎ(2倍のライン幅を確保しなければならない)、無視できないレベルになる。
【0011】
そこで、
【特許文献1】や
【特許文献2】に記載されているように、上下動が可能なヘッド昇降機構と左右動が可能なキャップ可動機構を組み合わせて、記録時には複数ある記録ヘッドユニット間にキャップ部材が位置し、ヘッドユニットが下降し記録媒体と近接して記録を行い、回復動作時はヘッドユニットが上昇しキャップ部材がヘッド直下に移動して回復動作を行う構成が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した
【特許文献1】、
【特許文献2】に記載の記録装置にあっては、各色のヘッドユニットとこのヘッドユニットに対応したキャップ部材とを交互にライン方向に配置しなければならないため、結果としてヘッドユニット間が広がりすぎて記録装置そのものが大きくなるという課題がある。
【0013】
また、記録時と回復動作時にヘッドユニットを昇降させるための機構とキャップ部材を左右に可動させるための機構という、2つの機械的機能を別々に有する記録装置であるため、構成が複雑で部品点数が多くなるという課題がある。さらに、さらに、ヘッドユニットが昇降するため記録媒体と液滴が吐出されるノズル形成面との距離を回復動作後も常に一定に保つのがむずかしく、記録品質のバラツキを生じることがあるという課題もある。
【0014】
また、搬送手段(上記文献では搬送ベルト)がヘッド直下にも形成されており、記録媒体エッジ付近には記録できない領域が存在している。これは近年ニーズの高いふちなし記録ができないことから大きな課題である。
【0015】
さらに、次に述べるように、各色のヘッドユニット間隔が広がることによって記録品質が低下するという課題もある。すなわち、図22に示すようにノズル孔Nを並べたノズル列NA、NB、NC、NDがある場合、ノズル列NA、NB、NC、NDを図23に示すように白抜き矢印で示す方向に搬送される用紙Pに対して配置し、ノズル列NA、NB、NC、NDの物理的配列順序で各ノズル列を駆動させた後に、再びノズル列NAを駆動するというように、ノズル列NA、NB、NC、NDをその物理的順序に従って循環的に駆動させる。
【0016】
このため、第1列のノズル列NAにより印刷されたドットに隣接してドットを印刷する第4列のノズルNDが駆動されるまでに、用紙Pの幅に対応した長さのフルラインタイプのヘッドの場合、用紙Pがノズル列間距離Lを移動することになる。
【0017】
この結果、記録ヘッドの取り付けに傾きがあったり、用紙Pの搬送にはそれほど高度な精度がなかったりするため、他のノズル列によるドット間距離の変動幅が大きくなり、目立ちやすくなり、結果としてスジが入ったような記録になり易いという印字品質の問題を抱える。
【0018】
特に、カラー記録が可能なヘッドの場合この現象は顕著である。本発明者らの実験によると、用紙搬送方向両端のノズル列NAとノズルND、つまり最初のノズル列と最後のノズル列との距離Lが32mmを超えると印字ズレが大きくなることが確認された。
【0019】
したがって、複数のヘッドを用いた場合でも、用紙搬送方向両端のノズル列間距離Lが32mm以下になるように各ヘッドを配置する必要が存するが、ヘッドユニットとキャップ部材とを副走査方向(用紙搬送方向)に並べて配置する前記
【特許文献1】や
【特許文献2】の構成では複数のヘッドをノズル列間距離Lが32mm以下になるように配置することが困難であり、記録品質が低下することになる。
【0020】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、小スペース化を実現でき、画像品質を向上できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時にキャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成としたものである。なお、本明細書において「用紙」とは画像が記録されるものの意味であり、材質を紙に限定するものではない。
【0022】
ここで、記録ヘッドが上下動することでキャップ手段によるキャッピングが行われる、あるいは、キャップ手段が上下動することでキャップ手段による記録ヘッドのキャッピングが行われる構成とすることができる。
【0023】
また、記録時に用紙の下方への撓みを防止する撓み防止手段を備えていることが好ましく、この場合、撓み防止手段は、記録ヘッドとキャップ手段との相対移動に連動して、用紙の下面を支持する位置と記録ヘッドの下方から退避した位置との間で移動することが好ましい。
【0024】
さらに、記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドから構成され、用紙を搬送する搬送手段が少なくとも記録時にはノズル孔の直下に存在しないことが好ましい。
【0025】
また、キャップ手段はノズル形成面に付着したインクを除去するためのノズル孔の列方向に沿って設けたインク除去部材と、このインク除去部材によって除去されたインクを回収させるための回収口を有し、ノズル形成面を覆うキャップ部材とを備えていることが好ましい。
【0026】
この場合、記録ヘッドは複数列のノズル孔から少なくとも2色以上の異なった色のインクを吐出し、キャップ部材にはインク除去部材によって除去されたインクを排出するための排出口が各色間で独立して形成されていることが好ましい。
【0027】
そして、排出口はキャップ部材に設けられた分離壁で分離されていることがより好ましく、この場合、分離壁はヘッドの維持回復動作時にノズル形成面に当接できることが好ましい。
【0028】
さらに、記録ヘッドはライン型ヘッドであることが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図、図2は同じく記録時の要部概略構成図である。
【0030】
このインクジェット記録装置は、インク滴を吐出する複数のノズル孔が略同一平面に形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドユニット1と、この記録ヘッド1の下方で用紙2を搬送するための搬送ローラ対3、4と、ヘッドユニット1に対して上下動可能に配置されることでヘッドユニット1に対して相対的に移行可能とされ、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うことが可能なキャップ手段5と、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方に退避したときの退避空間7を形成する部材8と、用紙搬送路6に沿って搬送される用紙2の下面を支持して撓みを防止する撓み防止手段である撓み防止部材9等を備えている。
【0031】
ここで、ヘッドユニット1のヘッド11は、ノズル形成面を形成するノズル形成部材(ノズル板)12と、流路を形成する流路形成部材13と、アクチュエータ基板14とを積層接合して、インク滴を吐出するノズル孔15が連通する流路16を形成し、この流路16にアクチュエータ基板14に形成したインク供給路17からインクを供給する。このインク供給路17にはアクチュエータ基板14の背面側に設けた供給部材18に形成したインク供給口19を介して外部のインクタンクあるいはサブタンクからインクを供給する。
【0032】
そして、アクチュエータ基板14の流路16側面には電気熱変換素子20を配置し、流路16内のインクを加熱して膜沸騰現象によりバブルを発生させることで流路16内のインクを加圧してノズル孔15からインクを吐出させるようにしている。
【0033】
なお、ヘッド11としては、ここでは上記のようにサーマル型ヘッドを用いているが、流路16の少なくとも一部に振動板を設けて、この振動板を圧電素子により変形させて流路16内のインクを加圧するピエゾ型ヘッド、或いは、振動板に対向する電極を設けて静電力で振動板を変形させて流路16内のインクを加圧する静電型ヘッド等を用いることもできる。
【0034】
ここで、ヘッド11は、図5に示すように、用紙2と略同じ幅(長さ)、例えばA4サイズの用紙の短手方向幅を有し、用紙搬送方向と略直交する方向に4列のノズル列15A、15B、15C、15Dを有するライン型ヘッドである。
【0035】
そして、各ノズル列15A、15B、15C、15Dの各ノズル孔15のピッチは300dpi相当で配置し、隣り合う列のノズル孔15はピッチの1/4の幅ずれて形成している。したがって、ヘッド11が単色のインク滴を吐出する構成としたとき、記録時には1200dpiの記録が可能となる。また、各ノズル列15A、15B、15C、15D間のピッチは5mmとした。したがって、4列のノズル列のうちの両端のノズル列(用紙搬送方向の最初と最後のノズル列15A,15D)の距離Lは15mmとなり、前述したように画像品質の低下をきたすことなくフルラインでの画像記録が可能になる。
【0036】
一方、キャップ手段5は、ヘッド11のノズル形成部材12の表面(ノズル形成面)に付着したインクを除去するためのノズル孔15の配列方向に沿って設けた各ノズル列15A、15B、15C、15Dに対応する4個のインク除去部材22A、22B、22C、22Dと、ノズル形成面全体を覆う1つのキャップ部材23とを備え、このキャップ部材23にはインク除去部材22A〜22Dによって除去されたインクを回収させるための回収口24を有している。
【0037】
ここで、インク除去部材22A〜22Dは、先端が二又に分かれた一体の櫛状に形成している。このインク除去部材22A〜22Dの形状は、例えば櫛歯状部を形成した2枚をある一定の距離をおいて配置したステンレス鋼からなるものや、複数の針状の突起をノズル孔15に概ね垂直に形成したものなどでもよい。特にインクの流れをよくするために親水性の材料を用いるのが良い。ただし、この実施形態においては、ステンレス鋼で親水性のものを用いている。
【0038】
このインク除去部材22A〜22Dは、図4に示すように、長手方向の両端部でキャップ部材23と連結されている。このとき、インク除去部材22A〜22Dは、先端の二又に分かれた側がノズル列に対して略垂直になるようにキャップ部材23に連結される。
【0039】
また、インク除去部材22A〜22Dはキャップ部材23がノズル形成面をキャッピングした状態で、インク除去部材22A〜22Dの先端がノズル形成面に当接しない状態でキャップ部材23に連結される。これは、インク除去部材22A〜22dの先端がノズル形成面に当接すると、ノズル形成面を損傷するおそれが生じるからである。ただし、ノズル形成面に当接する構成とすることもできる。
【0040】
さらに、インク除去部材22A〜22Dの二又に分かれた先端部に形成されるギャップ26は図4にも示すように連通部27を通じてもキャップ部材23内部に連通している。
【0041】
キャップ部材23は、その周辺部にノズル形成面と当接した際に内部の保湿性を保つために伸縮性のある弾性部材28により構成されている。また、キャップ部材23の回収口24にはインク除去部材22A〜22Dで除去回収したインクを再び図示しないインクタンクへ戻すためにチューブ等が接続される。さらに、キャップ部材23の側面には記録ヘッド1のノズル形成面をワイピングするための弾性ブレード30を取り付けている。
【0042】
このキャップ手段5は一体的に図1及び図3で矢示A方向に、すなわち、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆う(キャッピングする)キャッピング位置と、用紙搬送路6よりも下方に位置する退避位置との間で、上下動可能に配置保持している。
【0043】
このように構成したので、ヘッドユニット1が待機状態にあるとき、図1及び図6に示すように、キャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面全体がキャップ手段5のキャップ部材23にて覆われた状態になる。なお、前述したように、インク除去部材22A〜22Dはノズル形成面とわずかなギャップを置いている。
【0044】
ここで、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動して、キャップ部材23内の空気を吸引してキャップ部材23内を負圧にすることで、ヘッドユニット1に接続された図示しないインクタンクからヘッド11内へインク供給口19を通じてインクが供給される。
【0045】
その際、ノズル形成部材12のノズル孔15からノズル形成面にオーバーフローして付着したインクは、インク除去部材22A〜22Dの先端二又部の毛細管現象により吸収される。インク除去部材22A〜22Dに吸収されたインクは自重及び毛細管現象によりキャップ部材23の底部に達し、インク回収口24に向かう。このときキャップ部材23内がポンプにより負圧状態になっているので回収されるインクは抵抗なく排出されて図示しないインクタンクに回収される。
【0046】
このように、複数のノズル列を有するノズル形成面を覆うキャップ部材と、ノズル形成面に付着したインクを除去するインク除去部材を各ノズル列に沿ってそれぞれ設け、このインク除去部材によって除去されたインクを回収させるための回収口をキャップ部材に形成したキャップ手段を備えたので、近接した複数列のノズル孔が形成された記録ヘッドから効率良くインクを除去することができ、また複数の複雑なキャップ手段を使用することなく構成できるので、構成が簡単でコストの低減が図れる。
【0047】
また、上記のように記録ヘッドのノズル列間距離を近接させる(この例では15mm)ことができるので、印字品質を維持したまま記録できる。
【0048】
そして、記録時には、図2及び図3に示すように、キャップ手段5が下降してヘッド直下に設けた退避空間7内に退避する。このとき、キャップ手段5は用紙搬送路6よりも下方に位置する状態になるまで下降する。その後、用紙2が搬送ローラ対3、4で挟まれてヘッド11の直下まで搬送される。このとき、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方に位置しているため用紙2がスムーズに搬送され、ヘッドユニット1からインク滴を吐出して用紙2への記録が行われる。
【0049】
また、このとき、撓み防止部材9、9が用紙2の下表面に接して用紙2を案内するので、用紙2がキャップ退避空間7方向へ撓むのを防止することができる。これにより、用紙2とヘッド11に形成されたノズル孔間の距離が一定に保たれ、画像の乱れや、ゆがみが発生するのを防止できて、常に安定した記録を行うことができる。なお、この撓み防止部材9は、キャップ手段5の昇降時にキャップ手段5と干渉しない様な位置と形状に構成している。ここでは、プレート状のプラスチック材を用紙供給側と排出側に2枚配置した構成としている。
【0050】
記録が終わると、キャップ手段5は再び待機状態へと移行し、キャップ部材23が所定量ヘッド11のノズル形成面(ノズル形成部材12の表面)に当接するまで上昇する。
【0051】
このように、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時には、キャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成とすることで、ヘッドユニット間にキャップ手段を退避するための空間を設ける必要が無くなり、装置の奥行を小さくできて小スペース化を図れる。それとともに、ヘッドユニット間隔を短くすることができ、コックリングによる画像の乱れや用紙の伸長による画像のゆがみの発生を少なくできて画像品質が向上する。
【0052】
なお、ここでは、キャップ手段5を上下動させる構成としているが、ヘッドユニット1を上下動させることもできるし、キャップ手段5とヘッドユニット1とを上下動させることもできる。ただし、装置をシンプルに構成するためには、キャップ手段5及びヘッドユニット1のいずれかが上下動することが好ましく、更に用紙とヘッドユニットのノズル形成面との距離を一定に保つことを容易にするため、つまり印字品質を一定に保つためにはヘッドユニット1が上下動しない構成とすることが好ましい。
【0053】
なお、上記実施形態では、ヘッドユニット1が複数のノズル列を有する1枚のノズル形成部材を備えた例で説明しているが、図7に示すように、それぞれ、ノズル形成部材12、流路形成部材13、アクチュエータ基板14を有するヘッドHA〜HDを例えば1つの供給部材18に接合することで一体化して略同一平面のノズル形成面を構成したヘッドとすることもできる。
【0054】
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。なお、同図は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図である。
この実施形態では、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色の各インク滴を吐出する4個の独立したヘッドユニット1a〜1dを備え、各ヘッドユニット1a〜1dに対応してキャップ手段5a〜5dを上下動(昇降)可能に配置している。
【0055】
さらに、用紙を搬送するための搬送手段である搬送ベルト31を備え、この搬送ベルト31は、用紙供給側のローラ32と、各キャップ手段5a〜5dに対応してキャップ手段5a〜5dの退避空間7a〜7dを形成するために搬送ベルト31を迂回させるためのガイドローラ33,33…と、各ヘッドユニット1a〜1d間に位置して用紙を搬送させるために搬送ベルト31を用紙に再び接触させるようにガイドするガイドローラ34…と、用紙排出側のローラ35との間に掛け回している。
【0056】
また、用紙供給側のローラ32に対向してローラ36を、各ガイドローラ34、34…に対応してローラ37を、用紙排出側のローラ35に対応してローラ38をそれぞれ配置している。
【0057】
このように、記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドユニット1a〜1dから構成されて、記録時に用紙を搬送する搬送手段である搬送ベルト31を迂回させることで、ノズル孔の直下に搬送手段が存在しない構成としたので、記録時には各キャップ手段5a〜5dをそれぞれ退避空間7a〜7dに下降退避させて用紙搬送路6より下方に位置させることができる。そして、各ヘッドユニット1a〜1d間には搬送ベルト31が用紙に接触するので、用紙をスムーズに搬送することができる。
【0058】
この場合、複数の色のインク滴を別々のヘッドから吐出し記録を行うライン型記録装置とすることで、記録時のノズル直下には用紙と接触する搬送手段が存在しないため、ふちなし記録などによって用紙のエッジからはみ出たインクが搬送手段上に残ることなく記録でき、用紙の裏面への残留インク付着が防ぐこともできる。
【0059】
次に、本発明の第3実施形態について図9を参照して説明する。なお、同図は同実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図である。
この実施形態でも、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色の各インク滴を吐出する4個の独立したヘッドユニット1a〜1dを備え、各ヘッドユニット1a〜1dに対応してキャップ手段5a〜5dを上下動(昇降)可能に配置している。
【0060】
さらに、用紙を搬送するため用紙供給側に搬送ローラ対41を、各ヘッドユニット1a〜1d間に搬送ローラ対42…を、用紙排出側に搬送ローラ対43をそれぞれ配置している。
【0061】
したがって、この場合も記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドユニット1a〜1dから構成されて、記録時に用紙を搬送する搬送手段がノズル孔の直下に存在しない構成となる。したがって、記録時にはキャップ手段5a〜5dをそれぞれ退避空間に下降退避させて用紙搬送路6より下方に位置させることができる。
【0062】
また、この場合も、複数の色のインク滴を別々のヘッドから吐出し記録を行うライン型記録装置とすることで、記録時のノズル直下には用紙と接触する搬送手段が存在しないため、ふちなし記録などによって用紙のエッジからはみ出たインクが搬送手段上に残ることなく記録でき、用紙の裏面への残留インク付着が防ぐこともできる。
【0063】
次に、本発明の第4実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。なお、図10は同実施形態の記録時の要部概略断面説明図、図11は同実施形態のヘッドユニットの平面説明図、図12は同実施形態のキャッピング時の要部概略断面説明図である。
【0064】
この実施形態では、ヘッドユニット1にブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクを供給するようにしている。したがって、ヘッドユニット1は、図11に示すように、ブラックインクを吐出するノズル15のノズル列55B、シアンインクを吐出するノズル15のノズル列55C、マゼンタインクを吐出するノズル15のノズル列55M、イエローインクを吐出するノズル15のノズル列55Yとなる。
【0065】
このとき、各ノズル列55B、55C、55M、55Y(以下「55B〜55Y」とも表記する。)の各ノズル15のピッチは600dpiで構成され、記録時には600dpiのフルカラー記録が可能となる。また、ノズル列間のピッチは第1実施形態と同様に、5mmとしたので、最初の列(ノズル列55Y)と最後の列(ノズル列55B)のノズル列間距離Lは15mmとなっており、前述したように、印字品質を損なうことなく記録できる。
【0066】
なお、色構成は一例であり、薄いマゼンダ、薄いシアン、濃いイエロー、グレーインクなど加えた更に多色構成や2色や3色の構成でも良い。ただし、前述したように、これらの場合でも最初と最後のノズル列間距離Lが32mm以下になるように形成又は配置する。
【0067】
一方、ヘッドユニット1のノズル形成面を覆うキャップ手段5のキャップ部材23には、各ノズル列55B、55C、55M、55Yに対応してそれぞれインク除去部材62B、62C、62M、62Y(以下「62B〜62Y」とも表記する。)を設けている。また、キャップ部材23に各ノズル列毎に空間を仕切る分離壁66を設けて、この分離壁66で仕切られた各ノズル列に対応した空間65内にインク除去部材62B、62C、62M、62Yを配置して、互いの色が干渉しない構成になっている。
【0068】
そして、キャップ部材23には、各色に対応した個別の空間65に対応してインク除去部材62B、62C、62M、62Yにて除去されたインクを回収させるためのインク回収口64B、64C、64M、64Y(以下「64B〜64Y」とも表記する。)を形成している。
【0069】
このように構成したので、第1実施形態と同様にして、ヘッドユニット1が待機状態にあるとき、吐出回復機能動作を行ない、図12に示すように、キャップ手段5を上昇させて、ヘッドユニット1のノズル形成面全体がキャップ手段5のキャップ部材23にて覆われた状態にして、大気開放弁を閉じた状態で、吸引ポンプを駆動して、キャップ部材23内の空気を吸引してキャップ部材23内を負圧にすることで、ヘッドユニット1に接続された図示しないインクタンクからヘッドユニット1内へインク供給口19を通じてインクが供給される。
【0070】
その際、ノズル形成部材12のノズル孔15からノズル形成面にオーバーフローして付着した各色のインクは、インク除去部材62B〜62Yの先端二又部の毛細管現象により吸収され、自重及び毛細管現象によりキャップ部材23の底部に達し、各色のインク回収口64B〜64Yに向かう。このときキャップ部材23内がポンプにより負圧状態になっているので回収される各色のインクは抵抗なく排出されて図示しないインクタンクに回収される。
【0071】
ここで、キャップ部材23内は分離壁66で各色のインクのノズル列55B〜55Yに対応した空間65に仕切られ、各色のインク回収口64B〜64Yを設けているので、混色を起こすことなく、各色のインク毎に回収され再利用することができる。
【0072】
この場合、この実施形態では、分離壁66がヘッドユニット1のノズル形成面に当接する構成となっているので、確実に各色のインクの混色を防止することができる。なお、キャップ部材5内の空間を仕切らない構成とすることもできるが、インク除去部材62B〜62Yによって除去されたインクが各色間で混色しないようにするには本実施形態の構成のように各色毎に仕切られた空間65を形成する分離壁66を設ける方が良い。
【0073】
また、本実施形態においてはキャップ部材5がノズル形成面が当接した際に、同じように分離壁66がノズル形成面と当接するような構成としているが、必ずしも分離壁はノズル形成面と当接する必要がなく、ノズル形成面に当接しない分離壁を設ける構成としても良い。ただし、混色をより確実に防止するためには、本実施形態の構成のように分離壁66をノズル形成面に当接するように構成したほうが良い。
【0074】
なお、ノズル列間距離が非常に短い場合には、ノズル形成面に当接する分離壁66を設けることが困難になったり、ノズル形成面を損傷するおそれが生じるので、そのような場合は、分離壁を当接させずに、キャップ部材内で各インクを分離させる方法が有効である。
【0075】
このように、各ノズル孔列に沿って形成されたインク除去部材からインクを除去するための排出手段が各色間で独立して形成されているキャップ部材を具備しているので、除去されたインクが混色することなく排出され、インクをリサイクル使用することができ、インク消費量を減らすことができる。
【0076】
さらに、分離壁はキャップ部材のヘッドを覆う周辺部とノズル形成面が当接した際に、同じようにノズル形成面と当接するように構成しているので、維持回復動作中に飛散するインクなどによって各色間で混色することも防止され、効率よく回収インクをリサイクルに供することができる。
【0077】
そして、記録時には、キャップ手段5がノズル形成面との当接状態から相対的に移動する。この場合は、前述したようにキャップ手段5が下降しても良いし、ヘッドユニット1が上昇してもよいし、またその両方でも良いが、印字品質を一定に保つためにはヘッドユニット1が昇降しない構成がよいので、前述したようにここではキャップ手段5が矢示A方向に昇降可能としている。
【0078】
したがって、キャップ手段5はヘッドユニット1との当接状態から下降をはじめたキャップ手段5はヘッド直下に設けられたキャップ退避空間へと収容される。このとき、キャップ手段5のヘッドユニット1と当接していた面が用紙搬送路6よりも下になる位置(図10の位置)まで下降するようにする。
【0079】
この状態で用紙がヘッドの直下まで搬送されるとき、キャップが搬送面より下に位置しているため用紙がスムーズに搬送されて記録が行われる。記録が終わると再び待機状態へと移行して、キャップ手段5が所定量ヘッドユニット1のノズル形成面に当接するまで上昇する。
【0080】
次に、本発明の第5実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、図13は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図14は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、キャップ手段5が用紙搬送路6より下方の退避空間まで下降したか否かを検出する検出手段であるセンサ71を設けている。また、記録位置で用紙下面を支持する撓み防止手段である撓み防止部材9はヘッドユニット1の両側方に配置した保持部材72に用紙搬送方向と平行な方向にスライド可能に保持して、図13に示す退避位置と図14に示す支持位置との間で進退可能とし、図示しないソレノイド等のアクチュエータ手段で進退されるようにしている。そして、前記センサ71の検出出力で撓み防止部材9のアクチュエータ手段を駆動制御する図示しない制御手段を設けている。
【0081】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には図13に示すように、撓み防止部材9はヘッドユニット1の下方から退避した退避位置にあり、このときキャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0082】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、図14に示すように、キャップ退避空間内に設けたセンサ71によりキャップ手段5が所定量下降したことを検出すると、図示しない制御手段は撓み防止部材9のアクチュエータ手段を駆動して撓み防止部材9を同図に示すようにヘッドユニット1の下方の支持位置までスライドさせて進出させ、キャップ退避空間へ通じる開口部を一部遮蔽する。
【0083】
これにより、用紙2は撓み防止部材9で下面を支持されながら搬送され、用紙のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0084】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇をはじめると、センサ71に検出信号に基づいてキャップ手段5が上昇を始めたことが検出され、図示しない制御手段はアクチュエータ手段を駆動制御して再び撓み防止部材9を退避位置まで退避させる。これにより、キャップ手段5は撓み防止部材9に阻害されることなく上昇できるようになる。
【0085】
次に、本発明の第6実施形態について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図16は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、キャップ手段5の側壁面に接触してキャップ手段5の昇降に応じて回転する歯車78と、この歯車71の回転によって図15に示す退避位置と図16に示す支持位置との間で進退する撓み防止部材79とを備えている。
【0086】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には図15に示すように、撓み防止部材79はヘッドユニット1の下方から退避した退避位置にあり、このときキャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0087】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降すると、このキャップ手段5の下降に連動して歯車78が回転するので、図16に示すように、撓み防止部材79がヘッドユニット1の下方の支持位置まで進出し、キャップ退避空間へ通じる開口部を一部遮蔽する。
【0088】
これにより、用紙2は撓み防止部材79で下面を支持されながら搬送され、用紙2のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0089】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇を始めると、キャップ手段5の上昇に連動して歯車78が上記と逆方向に回転して再び撓み防止部材79が退避位置まで退避する。これにより、キャップ手段5は撓み防止部材79に阻害されることなく上昇できるようになる。
【0090】
次に、本発明の第7実施形態について図17及び図18を参照して説明する。なお、図17は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図18は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
【0091】
この実施形態においては、撓み防止部材89はそのアーム部89a端部を支軸88で回動自在に支持して配置し、撓み防止部材89はキャップ手段5の上昇で跳ね上げられたヘッドユニット1の下方から退避する位置と、キャップ手段5の下降によって自重で可動してヘッドユニット1の下方に進入する位置との間で回動するようにしている。なお、ヘッドユニット1の下方に進入する位置では図示しない位置決め部材で撓み防止部材89の所定量以上の回動を規制して用紙2を案内できる位置で止まるようにしている。
【0092】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には、図17に示すように、キャップ手段5が上昇することで撓み防止部材89が跳ね上げられてヘッドユニット1の下方から退避した退避位置に回動し、キャップ手段5でヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0093】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、このとき撓み防止部材89は自重でそれぞれ内方側に回動して、図18に示すように、撓み防止部材89がヘッドユニット1の下方の支持位置で位置決めされて停止する。
【0094】
これにより、用紙2は撓み防止部材89で下面を支持されながら搬送され、用紙2のキャップ手段5側への撓みが防止された状態でヘッドユニット1からのインク滴を吐出して画像を記録する。
【0095】
その後、所定の記録が終了し、キャップ手段5が回復動作位置に向かって上昇を始めると、前述したようにキャップ手段5は撓み防止部材89を跳ね上げながら上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングする。
【0096】
次に、本発明の第8実施形態について図19及び図20を参照して説明する。なお、図19は同実施形態のキャッピング時の要部概略説明図、図20は同実施形態の記録時の要部概略説明図である。
この実施形態においては、用紙搬送手段に撓み防止機能を持たせている。すなわち、ローラ91、92間に搬送ベルト93を張装した用紙を搬送するための搬送手段90を用紙搬送方向と平行な方向に移動可能に配置している。
【0097】
このように構成したので、吐出回復機能動作時には、図19に示すように、搬送手段90はヘッドユニット1の側方に退避した退避位置にあり、キャップ手段5が上昇してヘッドユニット1のノズル形成面をキャッピングし、前述したのと同様にして吐出回復動作が行われる。
【0098】
そして、記録状態になると、キャップ手段5が用紙搬送路6よりも下方に下降し、図20に示すように、このとき搬送手段90がヘッドユニット1とキャップ手段5との間に移動して、用紙搬送を行うとともに撓みを防止する。
【0099】
なお、上記いずれの各実施形態においても、ヘッドユニットとキャップ手段とはいずれか一方又は双方が相対的に移動する構成とできる。
【0100】
また、いずれの撓み防止手段においても、ノズル直下には用紙と接触する領域が無いことが好ましい。すなわち、用紙のエッジまで記録するいわゆるふちなし記録を行う場合、その記録方式の性質上用紙のエッジから幾らかのインクが外れることがある。このとき、ノズル直下にも用紙と接触する領域があった場合、外れたインクがその領域に残り、搬送されてくる用紙の裏面に再付着して用紙を汚すといった不都合が生じる。したがって、ノズル直下には用紙と接触する領域を持たせないことで、このような汚れの発生を防止できる。
【0101】
次に、本発明に係るインクジェット記録装置の機構部全体の概略について図21を参照して説明する。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体101の内部に画像形成部102等を有し、装置本体1の下方部には前方側から多数枚の用紙103を積載可能な給紙カセット104を抜き差し自在に装着することができ、給紙カセット104から給送される用紙103を取り込み、画像形成部102によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
【0102】
画像形成部102は、用紙103の搬送方向と直交する方向で記録領域の全幅にわたって複数の吐出口であるノズル孔を配列したノズル列を複数列が有するフルライン型ヘッドで構成した記録ヘッド111をヘッドホルダ112に取り付けている。この記録ヘッド111は、用紙103の搬送方向上流側からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色のインクを吐出させるノズル列が所定間隔で配置されている。
【0103】
なお、ヘッドホルダ112は、一端が軸113によって回動可能に固定され、他端に形成された突出部112aとレール114とが係合し、記録ヘッド111のノズル形成面と用紙103との距離(紙間)が規定されるようになっている。
【0104】
そして、記録ヘッド111の下方には、キャップ手段121を上下動(昇降)可能に配置している。そして、前述した実施形態で説明したように、吐出回復機能作動時にはキャップ手段121は上昇して記録ヘッド111のノズル形成面に当接してキャッピングし、記録ヘッド111の乾燥を防止する。
【0105】
また、当接した状態で、吸引ポンプを動作させ、キャップ手段121のキャップ部材内を吸引することにより、インク充填あるいはノズルの目詰まり、気泡の除去などの吐出回復を行う。記録ヘッド111をわずかに上昇させ、キャップ手段121を横方向に移動させることにより、キャップ手段121に設けたブレード130によって、記録ヘッド111のノズル形成面に付着したインクを拭き取る。
【0106】
一方、記録ヘッド111の下方側には、記録ヘッド111による印写位置に対して用紙103を副走査方向に搬送するために、搬送ローラ131と搬送従動ローラ132との間に用紙103を静電吸着して搬送する搬送ベルト133を張装して配設し、この搬送ベルト133には中間ローラ134によってテンションを付与している。
【0107】
さらに、キャップ手段121を用紙搬送路より下方に位置させるための退避空間122を形成するため、4個のローラ123によって搬送ベルト133を迂回させている。これにより、記録時にキャップ手段121は退避空間122内に下降して用紙搬送路より下方に位置し、搬送ベルト133は記録ヘッド111の直下に存在せず、用紙103を安定して搬送することができるとともに、ふちなし記録を行った場合でも搬送ベルト133の汚れによる記録品質の低下を防止することができる。
【0108】
なお、搬送ローラ131と搬送ベルト133を挟んで対向する位置に搬送ベルト133を帯電させるためのバイアスローラ135を配設している。さらに、搬送ベルト133の平面起点部付近には用紙103を搬送ベルト133側に押し付ける押さえ部材である押さえローラ136を配設している。
【0109】
また、給紙カセット104から用紙103を搬送ベルト133上に給紙するため、用紙103を1枚ずつ分離して給送する半月コロ137及びフリクションパッド137と、給送される用紙103を搬送ローラ131に案内するガイド部材139を設けている。
【0110】
さらに、搬送ベルト133の従動ローラ132の下流側には排紙ローラ141と、これに対向する拍車142とを配置し、記録が終了した用紙103を排紙トレイ106に送り出すようにしている。
【0111】
以上のように構成したインクジェット記録装置においては、給紙カセット104から用紙103を搬送ベルト133に給送し、この搬送ベルト133によって用紙103を静電吸着して記録ヘッド111による記録領域に搬送して、記録ヘッド111から印写画像に応じてインク滴を吐出させることによって用紙103上に画像を記録し、記録後の用紙103を排紙トレイ6に排出する。
【0112】
なお、このインクジェット記録装置では前記第2実施形態の構成(図示の都合上ヘッドユニットを1つとした。)を用いたが、これに限るものではない。また、インクジェットプリンタを例としたが、本発明のインクジェット記録装置は、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などにも適用可能である。また、インク以外の液体、例えばレジスト、医療分野におけるDNA試料を吐出記録する装置にも応用可能である。さらに、フルライン型ヘッドを用いたフルライン型インクジェット記録装置で説明したが、用紙搬送路の下方にキャップ手段が位置する構成はシリアル型記録装置でも可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るインクジェット記録装置よれば、記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時にキャップ手段は用紙搬送路の下方に位置する構成としたので、小スペース化を実現でき、さらに画像品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のキャッピング状態の要部概略構成図
【図2】同じく記録時の要部概略構成図
【図3】ヘッドユニット及びキャップ手段の具体的説明図
【図4】同キャップ手段の側断面説明図
【図5】ヘッドユニットのノズル形成面の平面説明図
【図6】同実施形態の作用説明に供する断面説明図
【図7】ヘッドユニットの他の例を説明する断面説明図
【図8】本発明の第2実施形態の説明に供する要部概略構成図
【図9】本発明の第3実施形態の説明に供する要部概略構成図
【図10】本発明の第4実施形態の記録時の要部概略構成図
【図11】同実施形態のヘッドの平面説明図
【図12】同じくキャッピング時の要部概略構成図
【図13】本発明の第5実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図14】同じく記録時の要部概略構成図
【図15】本発明の第6実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図16】同じく記録時の要部概略構成図
【図17】本発明の第7実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図18】同じく記録時の要部概略構成図
【図19】本発明の第5実施形態のキャッピング時の要部概略構成図
【図20】同じく記録時の要部概略構成図
【図21】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の一例を説明する説明図
【図22】ノズル列間距離の説明に供する平面説明図
【図23】同じく斜視説明図
【符号の説明】
1…ヘッドユニット(記録ヘッド)、2…用紙、3…ローラ対、4…ローラ対、5…キャップ手段、6…用紙搬送路、7…退避空間、9…撓み防止部材、11…ヘッド、12…ノズル形成部材、13…流路形成部材、14…アクチュエータ基板、15…ノズル孔、16…流路、17…インク供給路、18…供給部材、20…発熱抵抗素子。
Claims (11)
- インク滴を吐出する複数のノズル孔が略同一平面に形成されたノズル形成面を有する記録ヘッドを備え、この記録ヘッドからインク滴を吐出して搬送される用紙に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドに対して相対的に移行可能で、前記ノズル形成面を覆うキャップ手段を有し、記録時には、前記キャップ手段は前記用紙搬送路の下方に位置することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドが上下動することで前記キャップ手段によるキャッピングが行われることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記キャップ手段が上下動することで前記キャップ手段による前記記録ヘッドのキャッピングが行われることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、記録時に前記用紙の下方への撓みを防止する撓み防止手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項4に記載のインクジェット記録装置において、前記撓み防止手段は、前記記録ヘッドと前記キャップ手段との相対移動に連動して、前記用紙の下面を支持する位置と前記記録ヘッドの下方から退避した位置との間で移動することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは複数の色のインク滴を吐出する複数の独立したヘッドから構成され、前記用紙を搬送する搬送手段は少なくとも記録時に前記ノズル孔の直下に存在しないことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記キャップ手段は前記ノズル形成面に付着したインクを除去するための前記ノズル孔の列方向に沿って設けたインク除去部材と、このインク除去部材によって除去されたインクを回収させるための回収口を有し、前記ノズル形成面を覆うキャップ部材とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項7に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは複数列のノズル孔から少なくとも2色以上の異なった色のインクを吐出し、前記キャップ部材には前記インク除去部材によって除去されたインクを排出するための排出口が各色間で独立して形成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項8に記載のインクジェット記録装置において、前記排出口は前記キャップ部材に設けられた分離壁で分離されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項9に記載のインクジェット記録装置において、前記分離壁はヘッドの維持回復動作時に前記ノズル形成面に当接できることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドはライン型ヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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