JP2004133553A - 設備診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備機器の故障予知や、正確で迅速な故障原因追跡を行い原因個所を指摘し、オペレータの運転や設備管理者の設備保全を支援する。
【解決手段】機器が故障した時、プロセス履歴データベース42内の計測データから、故障に至るまでの履歴データ変化の傾向を解析する履歴データ解析手段43と、その解析結果から同種の機器の計測データの履歴変化を監視することで故障を予知する機器異常進行監視手段44と、故障データベース45を解析することで各ビルの各機器故障データ集団の分布タイプを同定する故障時間分布タイプ同定手段46と、この結果に基づき異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベース45N〜45EXから同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求める分布パラメータ推定手段47と、機器異常進行監視手段44と分布パラメータ推定手段47からの情報に基づいて、各ビルの設備機器の故障予知、異常進行個所発見等を行う設備診断手段48とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】機器が故障した時、プロセス履歴データベース42内の計測データから、故障に至るまでの履歴データ変化の傾向を解析する履歴データ解析手段43と、その解析結果から同種の機器の計測データの履歴変化を監視することで故障を予知する機器異常進行監視手段44と、故障データベース45を解析することで各ビルの各機器故障データ集団の分布タイプを同定する故障時間分布タイプ同定手段46と、この結果に基づき異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベース45N〜45EXから同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求める分布パラメータ推定手段47と、機器異常進行監視手段44と分布パラメータ推定手段47からの情報に基づいて、各ビルの設備機器の故障予知、異常進行個所発見等を行う設備診断手段48とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空調、エレベータ等の各種の設備と、これを監視制御する装置を備えた複数の建物を集中的に管理して、設備機器のフィールドデータを解析して、各ビルの設備機器の故障予知、異常進行個所発見等を行う設備診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビルの設備にはいろいろなものがあるが、今日、暖房や冷房を行う空調システムは建物にとって欠かせないものになっている。空調システムはビルの階毎に数台必要で、大規模ビルでは台数が多くなり、さらにこの空調システムは複数の装置から成り立っているため、しばしば不具合が生じる。不具合が生じると空調システムが正常な動作をしなくなるので、居住者に快適な空調環境を提供できなくなる。さらに省エネ制御が導入されていても設備機器の不具合が発見されずそのまま運転していると、機器効率が大幅に低下しエネルギーが無駄に使われることになる。近年、建物不具合を迅速に見つけるために、多数の建物と通信回線で結んで集中的に監視するセンタが設けられるようになった。そのようなセンタにおいては、蓄積し解析するためのデータ量も膨大になり、人手の監視による不具合の検知には限界があり、解析処理の自動化と検知の支援が求められている。
【0003】
従来から設備の異常診断では、機器の劣化状況を定量的に把握するため、フィールドデータ統計的解析手法である、信頼性工学が重要である。
【0004】
信頼性工学でよく用いられる諸式を以下に示す。
【0005】
【数1】
建築設備のシステムや機器を解析するうえで特に重要な概念であり、故障解析によく使われるのが上記指数分布とワイブル分布である。
【0006】
指数分布は、故障が偶発的に発生する場合を表現するのに適している。したがって、システムのように多くの部品で構成されているものほど指数分布で表現される。指数分布の特徴は、故障率λ(t)が時間の経過にかかわらず常に一定であるという点である。
【0007】
一方、ワイブル分布は、W.Weibullによって提案された分布で、指数分布を拡張したものと考えられる。ワイブル分布はきわめて融通性があり、故障データの解析においてもっとも重要な働きをする。ワイブル分布は尺度パラメータη、形状パラメータβをもち、とくに形状パラメータβによって指数分布(β=1.0)から正規分布(β≒3.2)まで表現可能であるという点がすぐれ、これが融通性を保有する理由になっている。
【0008】
β<1 故障率減少形:初期故障期で、事後保全が有利である。
【0009】
β=1 故障率一定形:偶発故障期で、事後保全が有利である。
【0010】
β>1 故障率増加形:摩耗故障期で、予防保全が有利である。
【0011】
また、上記3つの故障率パターンと、バスタブ曲線による概念図を図20に、さらにワイブル分布の形状を図21に示す。
【0012】
バスタブ曲線と各分布との関係では、偶発故障期で指数分布が、摩耗故障期では正規分布が用いられる。さらにワイブル分布では、上記のように推定される形状パラメータβが1より小さいか、1に等しいか、あるいは1よりも大きいかによって、それぞれ初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期に分けることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、設備異常診断のために信頼性工学の精度の良い、上述したような故障解析を行うためにはフィールドの故障データが多数必要であるが、個々のビル、特に新しいビルにおいてはそのようなデータが少ないのが現状である。
【0014】
機器あるいは制御システムに何らかの異常が発生すると、連続計測している設備の運転状態値は正常時の値から外れた値が計測される。すなわち突発的に起こる異常の発生は、計測値が域値を越える回数で診断することができる。しかし域値の幅をどのように設定するかは、診断予知の精度を決める重要な要因である。従来は、機器設計値等を参考に初期設定して、運転実績に基づいて試行錯誤で調整して行く方式であったため、実際に故障するよりだいぶ前に重故障警報を出すか、あるいは故障を予知できない場合が多々あった。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、リアルタイムで各ビルの設備機器が不具合に至るまでの過程で発生する異常を検知して故障を予知し、また異常が進行している個所を指摘して、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援する設備診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、監視対象側から入力されたプロセス値データや機器故障データを定期的にかつ、各監視対象別に分類・編集してプロセス履歴データベース及び故障データベースに蓄積するデータ収集・分類・記憶手段と、監視対象となる機器が故障した時、前記プロセス履歴データベースに蓄積されたその機器に関連する計測データに基づき、故障に至るまでの履歴データ変化の傾向を解析する履歴データ解析手段と、この履歴データ解析手段の解析結果を用いて各監視対象における同種の機器の計測データの履歴変化を監視することにより、当該監視対象となる機器の故障を予測する機器異常進行監視手段と、前記故障データベースを解析することにより、各監視対象における各機器故障データ集団の分布タイプを同定する故障時間分布タイプ同定手段と、この故障時間分布タイプ同定手段の同定結果に基づいて、異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベースから、同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求める分布パラメータ推定手段と、前記機器異常進行監視手段と分布パラメータ推定手段からの情報に基づいて、各監視対象における設備機器の故障予知、異常進行個所発見を行う設備診断手段とを具備することを特徴としている。
【0017】
本発明は以上のような手段を講じたことにより、例えば、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生した場合、正確で迅速な故障原因追跡を行い原因個所を指摘し、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明によるの設備診断装置の一実施形態である建物設備診断装置を示す全体構成図である。
【0019】
多数のビル(図では5つのみ表示)を通信回線を結んで集中的に監視・診断するセンタとして(遠隔)建物設備診断装置1が設けられている。
【0020】
各ビルに設けられた制御システムが設備の省エネルギー制御を含む各種制御を行っており、かつ監視・診断対象となっている各建物、例えば事務所ビルA1やA2、デパートビルB1やB2、病院ビルC1等にはそれぞれ計測監視制御手段21〜25が設けられている。計測監視制御手段21〜25は、それぞれの建物に設置されている空調装置を含む各種設備機器関連のプロセス値を検出し、その検出データ及び、各機器の故障データをネットワーク30を介して、本発明に係る建物設備診断装置1に送出する。ここでプロセス値には、例えば外気温や、室温、室内湿度等も含まれる。各建物の図示していない制御システムは空調制御やエレベータ制御など、各設備の制御を行っている。
【0021】
建物設備診断装置1は、プロセス履歴データベース42と故障データベース(故障に関するデータベース)45を有するデータ収集・分類・記憶手段41、履歴データ解析手段43、機器異常進行監視手段44、故障時間分布(タイプ)同定手段46、分布パラメータ同定手段47および設備診断手段48を備えるとともに、マンマシンインターフェースのための端末50を備えている。
【0022】
データ収集・分類・記憶手段41は、各建物の計測監視制御手段21〜25から定期的に、例えば1回/日にその日のプロセスデータをまとめて収集し、各建物及び機器別毎に編集処理を行って光磁気記録媒体などの記憶装置にプロセス履歴データベース42として記憶する。また、各建物で機器故障が発生した場合、その機器が故障するまでの時間等の機器故障データを計測監視制御手段21〜25から随時送信してもらい、各建物及び機器別毎に編集処理を行って光磁気記録媒体などの記憶装置に故障データベース45として記憶する。
【0023】
次に履歴データ解析手段43について詳述する。
【0024】
履歴データ解析手段43は、あるビルの機器が故障した時、その機器に関連する計測データの故障に至るまでの履歴データの変化を、度数分布にして、正常時の値から外れるまでの傾向を解析する。その解析結果から、上記の域値、異常と判定するための域値を計測値が越える回数等のパラメータを機器異常進行監視手段44に渡す。
【0025】
具体的な例を用いて以下に説明する。
【0026】
例えば、あるビルの空調用ターボ冷凍機に不具合が発生したことを想定すると、履歴データ解析手段43は、不具合の発生時点で、プロセス履歴データベース42の中から、この機器関連の計測項目(電力量・冷水入口及び出口温度・蒸発器圧力及び温度・凝縮器圧力及び温度・その他)データの過去1ヶ月分以上の空調機運転中のデータを抽出する。なお、このプロセス履歴データベース43には計測監視制御手段21〜25が1分間隔で連続に計測したデータを設備診断用として、データ収集・分類・記憶手段41が30分間隔で間引きして収集したものが記憶されている。
【0027】
図2は、上記で抽出したデータを用いて、ターボ冷凍機の不具合発生から過去1ヶ月分の蒸発器圧力を度数分布グラフにしたものである。蒸発器圧力の設定値は−0.525(kg/cm2)であり、−0.650から−0.400(kg/cm2)が正常範囲である。図3は不具合発生から2日分前のデータを削除したものである。図4は不具合発生から3日分前のデータを削除したものである。さらに過去のデータを解析した結果、月別頻度分布では−0.375(kg/cm2)の級のところに15回以下で現れることは何回かあったが、−0.325(kg/cm2)の級のところは1回も出現していないことが判明した。この結果から−0.375(kg/cm2)の級のところの頻度が15回以上になると、数日後に故障すると予想され、−0.325(kg/cm2)の級のところに数回でも現れると、その日の内に故障することが予想される。
【0028】
この解析結果を機器異常進行監視手段44に渡す。機器異常進行監視手段44では、同じビルあるいは他のビルの、同種でほぼ同仕様機器の同じ計測データから履歴データ解析手段43で作られた度数分布を上記のパラメータを用いて監視することにより、異常が進行している場合、事前に故障を予知する。上記の具体的な例では、空調用ターボ冷凍機の過去1ヶ月の蒸発器圧力計測値の度数分布が、圧力設定値より+0.125(kg/cm2)から+0.175(kg/cm2)の級に15回以上現れたら、数日後にターボ冷凍機系統に不具合が生じる故障警報を設備診断手段48に送る。
【0029】
故障時間分布(タイプ)同定手段46では、各ビルの各機器の故障データ集団がどの分布に従うかを同定する。実施形態では確率紙法を用いてワイブル分布、正規分布、対数正規分布、指数分布の4つの中から、どの分布に一番良く従うかを判定し、故障データベース(各ビルの各機器別)45を図1に示すように上記4つの分布ごとの故障データベース45W,45N,45LN,45EXの4つに細分する。図中ではWはワイブル分布、Nは正規分布、LNは対数正規分布、EXは指数分布を示す。
【0030】
図5〜図8は、表1に示すAビルの機器Xの故障データ(データ個数26個)を分布タイプ同定手段46により上記4つの分布確率紙にプロットした結果である。図5は正規分布、図6は指数分布、図7は対数正規分布、図8はワイブル分布を示す。ここでは従来技術で述べたように、きわめて融通性があり、故障データの解析において最も重要な働きをするワイブル分布の確率紙について説明するが、他の確率紙も同様である。
【0031】
ワイブル確率紙は故障データがワイブル分布に従う場合は、データをこの上に打点した時に直線になることを利用して作られた確率紙である。左側の縦軸が不信頼度F(t)=1−R(t)の%目盛り、下側の横軸に時間が目盛られている。具体的には、y座標がln(−ln(1−F)で、x座標はln(時間)で目盛られている。したがって、故障時間tに対して不信頼度F(t)をペアにして打点する。なお、パラメータ推定は通常Fが30〜80%の点が直線にのることを重視して推定する。
【0032】
【表1】
【表2】
以下にAビルのX機器故障データ(表1)を用いて説明する。まず表1のデータを故障までの時間の小さい順に並べ直し、さらにi番目のデータti(故障までの時間)に対して(表2参照)、次式で計算される累積確率Fiを対応させる。前者が横軸、後者が縦軸の値となる。
【0033】
【数2】
ここで、nはデータ個数である。
【0034】
他の確率紙も、同様にデータをこの上にプロットした時に、その分布にデータが従うなら直線になるようにx座標、y座標が目盛られている。因みに指数分布確率紙はy座標が−ln(1−F)で、x座標は時間で目盛られている。
【0035】
図5〜図8を比較すると判るように、4つのグラフの中で図8に示すワイブル確率紙がいちばん良く直線にフィットしているので、このAビルの機器Xの故障データはワイブル分布に従うものとして同定する。
【0036】
次にデータ統合による分布パラメータ同定手段47について述べる。
【0037】
分布パラメータ同定手段47は、W分布パラメータ推定手段47Wと、N分布パラメータ推定手段47Nと、LN分布パラメータ推定手段47LNと、EX分布パラメータ推定手段47EXとを備え、個別の故障データベース45W,45N,45LN,45EXに保存されたデータ中のビル群の中から類似ビルの、同種機器の故障データ群をN組持ってきてデータを統合し(ワイブルの)確率紙の推定法により、精度の良い尺度パラメータηと形状パラメータβの推定を行う。
【0038】
まず、単独で尺度パラメータηと形状パラメータβの値を算出し、どちらの値も近い組(α%以内)のみデータを統合して、推定を行う。どの単独の誤差よりも統合したデータ群の誤差が小さい時精度の良いパラメータが推定できたとする。
【0039】
以下、具体的な実施形態を示す。故障データ群 4組(機器名 X:空調システム関連の機器)
それぞれの解析結果をワイブル確率紙の上に示したのが図9〜図12である。プロットの傾きから尺度(Scale)パラメータηと形状(Shape)パラメータβの値を算出する。
【0040】
図9〜図12に示す4つのグラフを一つのグラフにプロットしたのが、図13である。また、パラメータ推定結果と誤差を表3に示した。
【0041】
【表3】
この結果から、ビルDの機器Xの故障データの集団のみ、パラメータが異なるものとして除外する。残りのビルA,B,Cの同種の機器Xのデータ70個は、パラメータが同じ集団と見なして、データを統合して表1,表2と同様な手法でワイブル確率紙にプロット(この場合nは70)し、尺度パラメータηと形状パラメータβを推定する。
【0042】
結果を図14と表4に示した。
【0043】
【表4】
表4より、尺度パラメータ、形状パラメータどちらもビルA,B,Cの機器X単独に求めたパラメータ誤差(表3)よりも小さい。よって、表4のパラメータをビルA,B,Cの機器Xのパラメータとする。
【0044】
ビルA,B,Cの同種の機器Xのデータ70個の集団を確認のため、分布タイプ同定手段46に入力した結果が図15〜図18である。図15は正規分布、図16は指数分布、図17は対数正規分布、図18はワイブル分布をそれぞれ示す。形状パラメータβが1に近いので図15に示す指数分布確率紙が、図18に示すワイブル分布確率紙の次に直線にフィットしている。なお、この確認は省略しても良い。
【0045】
この実施形態では、簡単のためデータ群として4組だけを取り上げたので、ビルDの機器Xと同じパラメータ値を持つ集団はないが、データ群の組を増やせばDの機器Xと同じパラメータ値を持つ集団が見つかる確率は増す。
【0046】
上記のようにして推定されたパラメータは、設備診断手段48に渡される。
【0047】
設備診断手段48は、従来のエキスパートシステムや信頼性工学のFTA(フォールツリーアナリシス)手法等を用いて、分布パラメータ同定手段47と機器異常進行監視手段44からの情報を元に、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生している個所を指摘する。
【0048】
FTAは、トップ事象である故障原因に対して、測定値などの異状現象として現れる基本事象を複数あらかじめ列挙し、結果として現れた基本事象から故障原因個所を推論しようとする手法である。このFTAを応用すれば、設備診断において、結果として現れた基本事象に関連するトップ事象の中で故障確率(これは実データに基づいて実証的に導ける客観的確率である)の大きい順に原因追跡を行うことができる。
【0049】
故障原因となるトップ事象はビルの空調衛生設備だけでも下記のように数多くある。
【0050】
空調熱源機器:ボイラ、ターボ冷凍機、冷温水発生機、ヒートポンプチラーなど
空調熱源補機:冷却塔、循環ポンプ、オイルタンク、熱交換器など
空調2次側機器:空調機、パッケージ型空調機、ファンコイル、ヒートポンプエアコンなど
空調配管設備:冷水、温水、冷却水、蒸気、還水、ドレン配管など
換気設備:送風機、全熱交換器、厨房排気設備、天井扇、圧力扇など
風道設備:給気ダクト、排気ダクト、換気ダクト、ダンパー類など
衛生機器設備:受水槽、高架水槽、揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、給湯設備、ボイラ
衛生配管設備:給水、給湯、雑排水、汚水排水、通気配管など
上記のトップ事象に対して、測定値などの異状現象として現れる基本事象は相互に絡みあっている。図19はトップ事象の1つであるターボ冷凍機を、さらにその構成要素(蒸発器、凝縮器、圧縮機、電動機等)に基づいてトップ事象を分解(図の右側)した、実際のFTA例の一部分を示したものである。測定値の状態として、図19の左にある冷水出口温度HOTの基本事象が生じた場合、ここには図示しない全体のFTAから、トップ事象である故障原因はターボ冷凍機、冷却塔、送水ポンプ、蓄熱槽(効率低下)、空調機内冷却コイル低下、その他が挙げられる。
【0051】
ここで、この原因探索を設備診断手段48が行う場合、分布パラメータ同定手段47で求めた、精度の良い機器の故障確率を用いて、その大きい順に原因追跡を行うことができる。例えばターボ冷凍機の故障確率が一番大きかった場合は、まず、この機器の構成要素から原因追及を行う。この時、機器異常進行監視手段44で作られている蒸発器、凝縮器、圧縮機、電動機等のプロセス計測値履歴データ度数分布の傾向に変化が現れているか否かの情報を元に、エキスパートシステムを用いることにより正確で迅速な故障原因追跡ができる。得られた結果は該当するビルの計測監視制御手段21〜25にネットワークを通じて送信される。
【0052】
以上説明したような構成とアルゴリズムにより、本発明の目的を達成することができる。
【0053】
[他の実施形態]
なお、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるものである。
【0054】
以上では、本発明の実施形態を建物群を例に取って説明したが、他のシステムでも同様に適用できることは自明である。
【0055】
故障解析のパラメータ推定法として確率紙法を用いたが、最尤法、ベイズ法などを用いても良い。
【0056】
また、本発明の実施形態の故障解析では、故障した機器のデータのみ用いる手法を用いたが、動作中の機器のデータも含めて信頼度解析を行うハザード解析の手法を同様に用いることもできる。
【0057】
建物設備診断手段の中で設備の故障個所と原因を自動的に推定できるようにするため、エキスパートシステムを用いたが、他のAI(人工知能Artificial Intelligence)技術を用いても良い。
【0058】
各実施形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組合せによる効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生した場合、正確で迅速な故障原因追跡を行い原因個所を指摘し、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援することができる設備診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建物設備診断装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図3】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図4】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図5】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図6】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち指数分布確率紙にプロットした説明図である。
【図7】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち対数正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図8】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうちワイブル分布確率紙にプロットした説明図である。
【図9】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図10】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図11】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図12】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図13】上記4組の故障データを1つのワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図14】上記4組の故障データの内、3組のデータを同じ集団として統合しワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図15】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図16】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち指数分布確率紙にプロットした説明図である。
【図17】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち対数正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図18】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうちワイブル分布確率紙にプロットした説明図である。
【図19】ターボ冷凍機のFTA例の一部分を示した説明図である。
【図20】バスタブ曲線による故障率パターンの概念説明図である。
【図21】形状パラメータβの値を変化させた場合のワイブル分布の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1 建物設備診断装置
21〜25 計測監視制御手段
30 ネットワーク
41 データ収集・分類・記憶手段
42 プロセス履歴データベース
43 履歴データ解析手段
44 機器異常進行監視手段
45 故障データベース
46 故障時間分布同定手段
47 分布パラメータ同定手段
48 設備診断手段
50 端末
【発明の属する技術分野】
本発明は空調、エレベータ等の各種の設備と、これを監視制御する装置を備えた複数の建物を集中的に管理して、設備機器のフィールドデータを解析して、各ビルの設備機器の故障予知、異常進行個所発見等を行う設備診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビルの設備にはいろいろなものがあるが、今日、暖房や冷房を行う空調システムは建物にとって欠かせないものになっている。空調システムはビルの階毎に数台必要で、大規模ビルでは台数が多くなり、さらにこの空調システムは複数の装置から成り立っているため、しばしば不具合が生じる。不具合が生じると空調システムが正常な動作をしなくなるので、居住者に快適な空調環境を提供できなくなる。さらに省エネ制御が導入されていても設備機器の不具合が発見されずそのまま運転していると、機器効率が大幅に低下しエネルギーが無駄に使われることになる。近年、建物不具合を迅速に見つけるために、多数の建物と通信回線で結んで集中的に監視するセンタが設けられるようになった。そのようなセンタにおいては、蓄積し解析するためのデータ量も膨大になり、人手の監視による不具合の検知には限界があり、解析処理の自動化と検知の支援が求められている。
【0003】
従来から設備の異常診断では、機器の劣化状況を定量的に把握するため、フィールドデータ統計的解析手法である、信頼性工学が重要である。
【0004】
信頼性工学でよく用いられる諸式を以下に示す。
【0005】
【数1】
建築設備のシステムや機器を解析するうえで特に重要な概念であり、故障解析によく使われるのが上記指数分布とワイブル分布である。
【0006】
指数分布は、故障が偶発的に発生する場合を表現するのに適している。したがって、システムのように多くの部品で構成されているものほど指数分布で表現される。指数分布の特徴は、故障率λ(t)が時間の経過にかかわらず常に一定であるという点である。
【0007】
一方、ワイブル分布は、W.Weibullによって提案された分布で、指数分布を拡張したものと考えられる。ワイブル分布はきわめて融通性があり、故障データの解析においてもっとも重要な働きをする。ワイブル分布は尺度パラメータη、形状パラメータβをもち、とくに形状パラメータβによって指数分布(β=1.0)から正規分布(β≒3.2)まで表現可能であるという点がすぐれ、これが融通性を保有する理由になっている。
【0008】
β<1 故障率減少形:初期故障期で、事後保全が有利である。
【0009】
β=1 故障率一定形:偶発故障期で、事後保全が有利である。
【0010】
β>1 故障率増加形:摩耗故障期で、予防保全が有利である。
【0011】
また、上記3つの故障率パターンと、バスタブ曲線による概念図を図20に、さらにワイブル分布の形状を図21に示す。
【0012】
バスタブ曲線と各分布との関係では、偶発故障期で指数分布が、摩耗故障期では正規分布が用いられる。さらにワイブル分布では、上記のように推定される形状パラメータβが1より小さいか、1に等しいか、あるいは1よりも大きいかによって、それぞれ初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期に分けることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、設備異常診断のために信頼性工学の精度の良い、上述したような故障解析を行うためにはフィールドの故障データが多数必要であるが、個々のビル、特に新しいビルにおいてはそのようなデータが少ないのが現状である。
【0014】
機器あるいは制御システムに何らかの異常が発生すると、連続計測している設備の運転状態値は正常時の値から外れた値が計測される。すなわち突発的に起こる異常の発生は、計測値が域値を越える回数で診断することができる。しかし域値の幅をどのように設定するかは、診断予知の精度を決める重要な要因である。従来は、機器設計値等を参考に初期設定して、運転実績に基づいて試行錯誤で調整して行く方式であったため、実際に故障するよりだいぶ前に重故障警報を出すか、あるいは故障を予知できない場合が多々あった。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、リアルタイムで各ビルの設備機器が不具合に至るまでの過程で発生する異常を検知して故障を予知し、また異常が進行している個所を指摘して、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援する設備診断装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、監視対象側から入力されたプロセス値データや機器故障データを定期的にかつ、各監視対象別に分類・編集してプロセス履歴データベース及び故障データベースに蓄積するデータ収集・分類・記憶手段と、監視対象となる機器が故障した時、前記プロセス履歴データベースに蓄積されたその機器に関連する計測データに基づき、故障に至るまでの履歴データ変化の傾向を解析する履歴データ解析手段と、この履歴データ解析手段の解析結果を用いて各監視対象における同種の機器の計測データの履歴変化を監視することにより、当該監視対象となる機器の故障を予測する機器異常進行監視手段と、前記故障データベースを解析することにより、各監視対象における各機器故障データ集団の分布タイプを同定する故障時間分布タイプ同定手段と、この故障時間分布タイプ同定手段の同定結果に基づいて、異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベースから、同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求める分布パラメータ推定手段と、前記機器異常進行監視手段と分布パラメータ推定手段からの情報に基づいて、各監視対象における設備機器の故障予知、異常進行個所発見を行う設備診断手段とを具備することを特徴としている。
【0017】
本発明は以上のような手段を講じたことにより、例えば、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生した場合、正確で迅速な故障原因追跡を行い原因個所を指摘し、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明によるの設備診断装置の一実施形態である建物設備診断装置を示す全体構成図である。
【0019】
多数のビル(図では5つのみ表示)を通信回線を結んで集中的に監視・診断するセンタとして(遠隔)建物設備診断装置1が設けられている。
【0020】
各ビルに設けられた制御システムが設備の省エネルギー制御を含む各種制御を行っており、かつ監視・診断対象となっている各建物、例えば事務所ビルA1やA2、デパートビルB1やB2、病院ビルC1等にはそれぞれ計測監視制御手段21〜25が設けられている。計測監視制御手段21〜25は、それぞれの建物に設置されている空調装置を含む各種設備機器関連のプロセス値を検出し、その検出データ及び、各機器の故障データをネットワーク30を介して、本発明に係る建物設備診断装置1に送出する。ここでプロセス値には、例えば外気温や、室温、室内湿度等も含まれる。各建物の図示していない制御システムは空調制御やエレベータ制御など、各設備の制御を行っている。
【0021】
建物設備診断装置1は、プロセス履歴データベース42と故障データベース(故障に関するデータベース)45を有するデータ収集・分類・記憶手段41、履歴データ解析手段43、機器異常進行監視手段44、故障時間分布(タイプ)同定手段46、分布パラメータ同定手段47および設備診断手段48を備えるとともに、マンマシンインターフェースのための端末50を備えている。
【0022】
データ収集・分類・記憶手段41は、各建物の計測監視制御手段21〜25から定期的に、例えば1回/日にその日のプロセスデータをまとめて収集し、各建物及び機器別毎に編集処理を行って光磁気記録媒体などの記憶装置にプロセス履歴データベース42として記憶する。また、各建物で機器故障が発生した場合、その機器が故障するまでの時間等の機器故障データを計測監視制御手段21〜25から随時送信してもらい、各建物及び機器別毎に編集処理を行って光磁気記録媒体などの記憶装置に故障データベース45として記憶する。
【0023】
次に履歴データ解析手段43について詳述する。
【0024】
履歴データ解析手段43は、あるビルの機器が故障した時、その機器に関連する計測データの故障に至るまでの履歴データの変化を、度数分布にして、正常時の値から外れるまでの傾向を解析する。その解析結果から、上記の域値、異常と判定するための域値を計測値が越える回数等のパラメータを機器異常進行監視手段44に渡す。
【0025】
具体的な例を用いて以下に説明する。
【0026】
例えば、あるビルの空調用ターボ冷凍機に不具合が発生したことを想定すると、履歴データ解析手段43は、不具合の発生時点で、プロセス履歴データベース42の中から、この機器関連の計測項目(電力量・冷水入口及び出口温度・蒸発器圧力及び温度・凝縮器圧力及び温度・その他)データの過去1ヶ月分以上の空調機運転中のデータを抽出する。なお、このプロセス履歴データベース43には計測監視制御手段21〜25が1分間隔で連続に計測したデータを設備診断用として、データ収集・分類・記憶手段41が30分間隔で間引きして収集したものが記憶されている。
【0027】
図2は、上記で抽出したデータを用いて、ターボ冷凍機の不具合発生から過去1ヶ月分の蒸発器圧力を度数分布グラフにしたものである。蒸発器圧力の設定値は−0.525(kg/cm2)であり、−0.650から−0.400(kg/cm2)が正常範囲である。図3は不具合発生から2日分前のデータを削除したものである。図4は不具合発生から3日分前のデータを削除したものである。さらに過去のデータを解析した結果、月別頻度分布では−0.375(kg/cm2)の級のところに15回以下で現れることは何回かあったが、−0.325(kg/cm2)の級のところは1回も出現していないことが判明した。この結果から−0.375(kg/cm2)の級のところの頻度が15回以上になると、数日後に故障すると予想され、−0.325(kg/cm2)の級のところに数回でも現れると、その日の内に故障することが予想される。
【0028】
この解析結果を機器異常進行監視手段44に渡す。機器異常進行監視手段44では、同じビルあるいは他のビルの、同種でほぼ同仕様機器の同じ計測データから履歴データ解析手段43で作られた度数分布を上記のパラメータを用いて監視することにより、異常が進行している場合、事前に故障を予知する。上記の具体的な例では、空調用ターボ冷凍機の過去1ヶ月の蒸発器圧力計測値の度数分布が、圧力設定値より+0.125(kg/cm2)から+0.175(kg/cm2)の級に15回以上現れたら、数日後にターボ冷凍機系統に不具合が生じる故障警報を設備診断手段48に送る。
【0029】
故障時間分布(タイプ)同定手段46では、各ビルの各機器の故障データ集団がどの分布に従うかを同定する。実施形態では確率紙法を用いてワイブル分布、正規分布、対数正規分布、指数分布の4つの中から、どの分布に一番良く従うかを判定し、故障データベース(各ビルの各機器別)45を図1に示すように上記4つの分布ごとの故障データベース45W,45N,45LN,45EXの4つに細分する。図中ではWはワイブル分布、Nは正規分布、LNは対数正規分布、EXは指数分布を示す。
【0030】
図5〜図8は、表1に示すAビルの機器Xの故障データ(データ個数26個)を分布タイプ同定手段46により上記4つの分布確率紙にプロットした結果である。図5は正規分布、図6は指数分布、図7は対数正規分布、図8はワイブル分布を示す。ここでは従来技術で述べたように、きわめて融通性があり、故障データの解析において最も重要な働きをするワイブル分布の確率紙について説明するが、他の確率紙も同様である。
【0031】
ワイブル確率紙は故障データがワイブル分布に従う場合は、データをこの上に打点した時に直線になることを利用して作られた確率紙である。左側の縦軸が不信頼度F(t)=1−R(t)の%目盛り、下側の横軸に時間が目盛られている。具体的には、y座標がln(−ln(1−F)で、x座標はln(時間)で目盛られている。したがって、故障時間tに対して不信頼度F(t)をペアにして打点する。なお、パラメータ推定は通常Fが30〜80%の点が直線にのることを重視して推定する。
【0032】
【表1】
【表2】
以下にAビルのX機器故障データ(表1)を用いて説明する。まず表1のデータを故障までの時間の小さい順に並べ直し、さらにi番目のデータti(故障までの時間)に対して(表2参照)、次式で計算される累積確率Fiを対応させる。前者が横軸、後者が縦軸の値となる。
【0033】
【数2】
ここで、nはデータ個数である。
【0034】
他の確率紙も、同様にデータをこの上にプロットした時に、その分布にデータが従うなら直線になるようにx座標、y座標が目盛られている。因みに指数分布確率紙はy座標が−ln(1−F)で、x座標は時間で目盛られている。
【0035】
図5〜図8を比較すると判るように、4つのグラフの中で図8に示すワイブル確率紙がいちばん良く直線にフィットしているので、このAビルの機器Xの故障データはワイブル分布に従うものとして同定する。
【0036】
次にデータ統合による分布パラメータ同定手段47について述べる。
【0037】
分布パラメータ同定手段47は、W分布パラメータ推定手段47Wと、N分布パラメータ推定手段47Nと、LN分布パラメータ推定手段47LNと、EX分布パラメータ推定手段47EXとを備え、個別の故障データベース45W,45N,45LN,45EXに保存されたデータ中のビル群の中から類似ビルの、同種機器の故障データ群をN組持ってきてデータを統合し(ワイブルの)確率紙の推定法により、精度の良い尺度パラメータηと形状パラメータβの推定を行う。
【0038】
まず、単独で尺度パラメータηと形状パラメータβの値を算出し、どちらの値も近い組(α%以内)のみデータを統合して、推定を行う。どの単独の誤差よりも統合したデータ群の誤差が小さい時精度の良いパラメータが推定できたとする。
【0039】
以下、具体的な実施形態を示す。故障データ群 4組(機器名 X:空調システム関連の機器)
それぞれの解析結果をワイブル確率紙の上に示したのが図9〜図12である。プロットの傾きから尺度(Scale)パラメータηと形状(Shape)パラメータβの値を算出する。
【0040】
図9〜図12に示す4つのグラフを一つのグラフにプロットしたのが、図13である。また、パラメータ推定結果と誤差を表3に示した。
【0041】
【表3】
この結果から、ビルDの機器Xの故障データの集団のみ、パラメータが異なるものとして除外する。残りのビルA,B,Cの同種の機器Xのデータ70個は、パラメータが同じ集団と見なして、データを統合して表1,表2と同様な手法でワイブル確率紙にプロット(この場合nは70)し、尺度パラメータηと形状パラメータβを推定する。
【0042】
結果を図14と表4に示した。
【0043】
【表4】
表4より、尺度パラメータ、形状パラメータどちらもビルA,B,Cの機器X単独に求めたパラメータ誤差(表3)よりも小さい。よって、表4のパラメータをビルA,B,Cの機器Xのパラメータとする。
【0044】
ビルA,B,Cの同種の機器Xのデータ70個の集団を確認のため、分布タイプ同定手段46に入力した結果が図15〜図18である。図15は正規分布、図16は指数分布、図17は対数正規分布、図18はワイブル分布をそれぞれ示す。形状パラメータβが1に近いので図15に示す指数分布確率紙が、図18に示すワイブル分布確率紙の次に直線にフィットしている。なお、この確認は省略しても良い。
【0045】
この実施形態では、簡単のためデータ群として4組だけを取り上げたので、ビルDの機器Xと同じパラメータ値を持つ集団はないが、データ群の組を増やせばDの機器Xと同じパラメータ値を持つ集団が見つかる確率は増す。
【0046】
上記のようにして推定されたパラメータは、設備診断手段48に渡される。
【0047】
設備診断手段48は、従来のエキスパートシステムや信頼性工学のFTA(フォールツリーアナリシス)手法等を用いて、分布パラメータ同定手段47と機器異常進行監視手段44からの情報を元に、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生している個所を指摘する。
【0048】
FTAは、トップ事象である故障原因に対して、測定値などの異状現象として現れる基本事象を複数あらかじめ列挙し、結果として現れた基本事象から故障原因個所を推論しようとする手法である。このFTAを応用すれば、設備診断において、結果として現れた基本事象に関連するトップ事象の中で故障確率(これは実データに基づいて実証的に導ける客観的確率である)の大きい順に原因追跡を行うことができる。
【0049】
故障原因となるトップ事象はビルの空調衛生設備だけでも下記のように数多くある。
【0050】
空調熱源機器:ボイラ、ターボ冷凍機、冷温水発生機、ヒートポンプチラーなど
空調熱源補機:冷却塔、循環ポンプ、オイルタンク、熱交換器など
空調2次側機器:空調機、パッケージ型空調機、ファンコイル、ヒートポンプエアコンなど
空調配管設備:冷水、温水、冷却水、蒸気、還水、ドレン配管など
換気設備:送風機、全熱交換器、厨房排気設備、天井扇、圧力扇など
風道設備:給気ダクト、排気ダクト、換気ダクト、ダンパー類など
衛生機器設備:受水槽、高架水槽、揚水ポンプ、加圧給水ポンプ、給湯設備、ボイラ
衛生配管設備:給水、給湯、雑排水、汚水排水、通気配管など
上記のトップ事象に対して、測定値などの異状現象として現れる基本事象は相互に絡みあっている。図19はトップ事象の1つであるターボ冷凍機を、さらにその構成要素(蒸発器、凝縮器、圧縮機、電動機等)に基づいてトップ事象を分解(図の右側)した、実際のFTA例の一部分を示したものである。測定値の状態として、図19の左にある冷水出口温度HOTの基本事象が生じた場合、ここには図示しない全体のFTAから、トップ事象である故障原因はターボ冷凍機、冷却塔、送水ポンプ、蓄熱槽(効率低下)、空調機内冷却コイル低下、その他が挙げられる。
【0051】
ここで、この原因探索を設備診断手段48が行う場合、分布パラメータ同定手段47で求めた、精度の良い機器の故障確率を用いて、その大きい順に原因追跡を行うことができる。例えばターボ冷凍機の故障確率が一番大きかった場合は、まず、この機器の構成要素から原因追及を行う。この時、機器異常進行監視手段44で作られている蒸発器、凝縮器、圧縮機、電動機等のプロセス計測値履歴データ度数分布の傾向に変化が現れているか否かの情報を元に、エキスパートシステムを用いることにより正確で迅速な故障原因追跡ができる。得られた結果は該当するビルの計測監視制御手段21〜25にネットワークを通じて送信される。
【0052】
以上説明したような構成とアルゴリズムにより、本発明の目的を達成することができる。
【0053】
[他の実施形態]
なお、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できるものである。
【0054】
以上では、本発明の実施形態を建物群を例に取って説明したが、他のシステムでも同様に適用できることは自明である。
【0055】
故障解析のパラメータ推定法として確率紙法を用いたが、最尤法、ベイズ法などを用いても良い。
【0056】
また、本発明の実施形態の故障解析では、故障した機器のデータのみ用いる手法を用いたが、動作中の機器のデータも含めて信頼度解析を行うハザード解析の手法を同様に用いることもできる。
【0057】
建物設備診断手段の中で設備の故障個所と原因を自動的に推定できるようにするため、エキスパートシステムを用いたが、他のAI(人工知能Artificial Intelligence)技術を用いても良い。
【0058】
各実施形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組合せによる効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、複数の建物の設備を集中的に常時監視を行い、各ビルの各設備機器が故障に至るまでの過程で発生する異常を予知したり、異常が発生した場合、正確で迅速な故障原因追跡を行い原因個所を指摘し、オペレータの運転やビル管理者の設備保全を支援することができる設備診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による建物設備診断装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図3】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図4】ターボ冷凍機の蒸発器圧力値の度数分布例を示す説明図である。
【図5】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図6】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち指数分布確率紙にプロットした説明図である。
【図7】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち対数正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図8】機器故障データを4つのタイプの分布確率紙のうちワイブル分布確率紙にプロットした説明図である。
【図9】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図10】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図11】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図12】4組の故障データをそれぞれワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図13】上記4組の故障データを1つのワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図14】上記4組の故障データの内、3組のデータを同じ集団として統合しワイブル確率紙にプロットした説明図である。
【図15】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図16】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち指数分布確率紙にプロットした説明図である。
【図17】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうち対数正規分布確率紙にプロットした説明図である。
【図18】上記3組の統合した故障データを4つのタイプの分布確率紙のうちワイブル分布確率紙にプロットした説明図である。
【図19】ターボ冷凍機のFTA例の一部分を示した説明図である。
【図20】バスタブ曲線による故障率パターンの概念説明図である。
【図21】形状パラメータβの値を変化させた場合のワイブル分布の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1 建物設備診断装置
21〜25 計測監視制御手段
30 ネットワーク
41 データ収集・分類・記憶手段
42 プロセス履歴データベース
43 履歴データ解析手段
44 機器異常進行監視手段
45 故障データベース
46 故障時間分布同定手段
47 分布パラメータ同定手段
48 設備診断手段
50 端末
Claims (8)
- 監視対象側から入力されたプロセス値データや機器故障データを定期的にかつ、各監視対象別に分類・編集してプロセス履歴データベース及び故障データベースに蓄積するデータ収集・分類・記憶手段と、
監視対象となる機器が故障した時、前記プロセス履歴データベースに蓄積されたその機器に関連する計測データに基づき、故障に至るまでの履歴データ変化の傾向を解析する履歴データ解析手段と、
この履歴データ解析手段の解析結果を用いて各監視対象における同種の機器の計測データの履歴変化を監視することにより、当該監視対象となる機器の故障を予測する機器異常進行監視手段と、
前記故障データベースを解析することにより、各監視対象における各機器故障データ集団の分布タイプを同定する故障時間分布タイプ同定手段と、
この故障時間分布タイプ同定手段の同定結果に基づいて、異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベースから、同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求める分布パラメータ推定手段と、
前記機器異常進行監視手段と分布パラメータ推定手段からの情報に基づいて、各監視対象における設備機器の故障予知、異常進行個所発見を行う設備診断手段と、
を具備したことを特徴とする設備診断装置。 - 前記履歴データ解析手段は、前記プロセス履歴データベースに蓄積された計測データから随時度数分布を作成し、機器が故障した時その機器に関連する計測データの度数分布から故障に至るまでの履歴データの変化として、正常時の値から外れるまでの傾向を解析し、域値及び異常と判定するための域値を計測値が越える回数を求めることを特徴とする請求項1記載の設備診断装置。
- 前記機器異常進行監視手段は、前記域値及び異常と判定するための域値を計測値が越える回数を求めた、故障した機器と同仕様機器の同じ計測データの前記履歴データ解析手段で作られた度数分布を監視し、その計測値が前記域値を越える回数が異常と判定するための回数になった時、その機器の異状が進行していると判断することを特徴とする請求項1または2記載の設備診断装置。
- 前記故障時間分布タイプ同定手段は、前記故障データベースに蓄積された、各監視対象の各機器の故障データ集団がどのタイプの分布に従うかを確率紙法により同定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設備診断装置。
- 前記故障時間分布タイプ同定手段は、前記故障データベースに蓄積された、各監視対象の各機器の故障データ集団がワイブル分布、正規分布、対数正規分布、指数分布の4つの中から、どの分布に一番良く従うかを確率紙法により判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の設備診断装置。
- 前記分布パラメータ同定手段は、前記故障時間分布タイプ同定手段により、異なる分布タイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベースから同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の各タイプの分布パラメータを求めるために確率紙法を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の設備診断装置。
- 前記分布パラメータ同定手段は、前記故障時間分布タイプ同定手段により、ワイブル分布、正規分布、対数正規分布、指数分布の4つのタイプ毎に分けて蓄えられたタイプ毎故障データベースから同種の機器の故障データを組み合わせて故障データ集団の前記4タイプの各分布パラメータを求めるために、確率紙法を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の設備診断装置。
- 前記設備診断手段は、前記機器異常進行監視手段からの情報を元にエキスパートシステムなどの手法を用いて機器故障予知を行い、FTA(フォールツリーアナリシス)手法を用いて前記分布パラメータ同定手段で求められた故障時間パラメータから、機器故障確率の大きい順に異常進行個所発見や異状発生原因追求を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の設備診断装置。
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