JP2004130856A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ制御装置の電流センサで故障が発生したとしても、手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにした冗長系を有する電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】モータ15と、電源11と、モータ15と電源11の間に設けられ、モータ15へ流す電流をPWM制御するモータ駆動回路25と、モータ15に流れる電流を検知する電流センサ29とを備えた電動パワーステアリング装置において、モータ駆動回路25と電源11とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサ29からの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、電流センサ29が故障した際に、抵抗に基づいてモータ15に流れる電流を推定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、モータの動力をステアリング系に作用させて、運転者の操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、ステアリング系にモータを備え、モータから供給する動力を、制御装置を用いて制御することにより、運転者の操舵力を軽減するものである。
【0003】
図7は、電動パワーステアリング装置の模式構造図である。電動パワーステアリング装置100では、ステアリング・ホイール(ハンドル)101に一体的に設けられたステアリング軸102に、自在継手103a,103bを有する連結軸103を介して、ラック・ピニオン機構105のピニオン105aに連結されることによって、手動操舵トルク発生機構106が構成されている。
【0004】
ピニオン105aに噛み合うラック歯107aを有し、これらの噛み合いにより軸方向に変換されて往復動するラック軸107は、その両端にタイロッド108を介して転動軸としての左右の前輪109に連結されている。運転者は、ハンドル101を操作することにより、手動操舵トルク発生機構106と通常のラック・ピニオン式のステアリング装置を介して、前輪を揺動させて車両の向きを変えることができる。
【0005】
この手動操舵トルク発生機構106によって発生する操舵トルクを軽減するために、アシストトルク(操舵補助トルク)を供給するモータ110が例えばラック軸107と同軸的に配設され、ラック軸107にほぼ平行に設けられたボールねじ機構111を介してモータ110からの回転運動により供給されるアシストトルクが直進運動のための力に変換され、ラック軸107に作用する。
【0006】
モータ110のロータには、駆動側ヘリカルギヤ110aが一体的に設けられている。このヘリカルギヤ110aは、ボールねじ機構111のねじ軸111aの軸端に一体的に設けられたヘリカルギヤ111bと噛み合っている。また、ボールねじ機構111のナットは、ラック軸107に連結されている。
【0007】
図8は、電動パワーステアリング装置の制御装置を示す図である。図7において、図示しないステアリングギヤボックス内には、ピニオン105aに作用する手動操舵トルクTを検出する手動操舵トルク検出部112が設けられる。この手動操舵トルク検出部112は、検出した手動操舵トルクTを手動操舵トルク検出信号Tdに変換し、その変換された手動操舵トルク検出信号Tdを制御装置114へ入力する。制御装置114は、手動操舵トルク検出信号Tdを主信号として、モータ110の運転を行って、モータ110が出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0008】
制御装置114は、目標電流決定部115と、制御部116とを備える。目標電流決定部115は、手動操舵トルク検出信号Tdに基づいて目標補助トルクを決定し、目標補助トルクをモータ110から供給するために必要となる目標電流信号ITを出力する。
【0009】
図9は、制御部116のブロック構成図である。制御部116は、偏差演算部117とモータ運転制御部118とモータ駆動部119とモータ電流検出部120を備えている。偏差演算部117は、目標電流決定部115から出力された目標電流信号ITとモータ電流検出部120からのモータ電流信号IMとの偏差を求め、その値を偏差信号117aとして出力する。
【0010】
モータ運転制御部118は、偏差電流制御部121とPWM信号生成部122とを備えている。偏差電流制御部121は、入力された偏差信号117aに対して比例、積分、微分等の処理を施して偏差信号117aの値がゼロに近づくように、モータ110に供給するモータ電流を制御するための駆動電流信号121aを生成・出力する。
【0011】
PWM信号生成部122は、駆動電流信号121aに基づいてモータ110をPWM運転するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成し、生成したPWM信号を駆動制御信号122aとして出力する。
【0012】
モータ駆動部119は、ゲート駆動回路部123と4個の電力用電界効果トランジスタをH型ブリッジ回路の構成で接続したモータ駆動回路124とを備える。ゲート駆動回路部123は、駆動制御信号(PWM信号)122aに基づいて、ハンドル101の操舵方向に応じて2つの電界効果トランジスタを選択し、選択した2つの電界効果トランジスタのゲートを駆動してこれらの電界効果トランジスタをスイッチング動作させる。
【0013】
モータ電流検出部120は、モータ110に流れるモータ電流(電機子電流)を検出してモータ電流信号IMを出力する。
【0014】
以上により、制御装置114は、手動操舵トルク検出部112によって検出された手動操舵トルクTに基づいてバッテリ電源126からモータ110へ供給する電流をPWM制御し、モータ110が出力する動力(操舵補助トルク)を制御する。
【0015】
また、図9に示すように、制御装置114は、制御部116においてモータ110に実際に流れるモータ電流をモータ電流信号IMとして検出し、モータ電流信号IMに基づくフィードバック制御を行うことで、モータ110の制御特性を向上させている。
【0016】
以上のようにして、運転者の手動操舵トルクTは、手動操舵トルク発生機構106の手動操舵トルク検出部112により検出されて、制御装置114により、モータ110の出力を駆動制御してステアリングギヤボックスのラック軸107が直進運動するための力をアシストする。
【0017】
このような電動パワーステアリング装置は、いくつかの文献で開示されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0018】
【特許文献1】
特開平07−208224号公報
【特許文献2】
特許第3133896号
【特許文献3】
特開平10−336886号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電動パワーステアリング装置では、電流センサ(モータ電流検出部)に故障が生じた場合、フェールセーフ制御に基づき、運転席表示パネル等で警告灯を点灯させると共に、操舵力アシスト制御が完全に行えないときには通常の手動操作によるステアリング系の構成に戻すようにしていた。
【0020】
近年では、上記のような故障が生じた場合であっても、電動パワーステアリング装置の作動状態が継続して維持され、運転者の手動操舵力のアシストを行えることが望まれている。
【0021】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、モータ制御装置の電流センサで故障が発生したとしても、手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにした冗長系を有する電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0023】
第1の電動パワーステアリング装置(請求項1に対応)は、モータと、電源と、モータと電源の間に設けられ、モータへ流す電流をPWM制御するモータ駆動回路と、モータに流れる電流を検知する電流センサとを備えた電動パワーステアリング装置において、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、抵抗に基づいてモータに流れる電流を推定するモータ電流推定手段を設け、電流センサが故障した際に、モータ電流推定手段により推定した電流により制御を行うことで特徴づけられる。
【0024】
第1の電動パワーステアリング装置によれば、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、抵抗に基づいてモータに流れる電流を推定するモータ電流推定手段を設け、電流センサが故障した際に、モータ電流推定手段により推定した電流により制御を行うため、モータ制御装置の電流センサで故障が発生したとしても、配線の抵抗からモータに流れる電流を推定するので、その電流に基づいて手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにすることができる。
【0025】
第2の電動パワーステアリング装置(請求項2に対応)は、モータと、電源と、モータと電源の間に設けられ、モータへ流す電流をPWM制御するモータ駆動回路と、モータに流れる電流を検知する電流センサとを備えた電動パワーステアリング装置において、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、該抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断する手段を設けたことで特徴づけられる。
【0026】
第2の電動パワーステアリング装置によれば、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断する手段を設けたため、電動パワーステアリング装置の故障を確実に診断することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
電動パワーステアリング装置の構造は、図7に示したものと基本的に同じであり、その構造ならびに動作については前述した通りである。
【0029】
図1は、電動パワーステアリング装置の電源供給システムを示す図である。制御装置10は電源11からハーネスC10とヒューズ12を通して制御装置10の端子13と接続され、ハーネスC11により端子14に接続され、モータ15は制御装置10と端子16,17により接続されている。また、電源11からは、スイッチ18を通して制御装置10内のマイクロコンピュータ用に端子19にハーネスC12により配線されている。ハーネスC10は、図中括弧内に示すように配線抵抗RxHを有し、ハーネスC11は図中括弧内に示すように配線抵抗RxLを有し、ハーネスC12は配線抵抗Rcを有する。図中Vddは、ハーネスC10とハーネスC11に平均電流Ieの電流が流れたときの電圧降下分を電源電圧Veから引いた値である。Ve1はハーネスC12に平均電流Iccが流れたときの電圧降下分を電源電圧Veから引いた値である。Vmはモータ電圧であり、Imはモータ電流である。
【0030】
図2は、制御装置10の内部の主要機能を示す。制御装置10は、基本的には、図8,9で示した従来の制御装置の機能を有しており、それ以外に後述するハーネス抵抗算出部とモータ電流推定部(モータ電流推定手段)と故障検出部を有し、マイクロコンピュータ20と4つのFET21,22,23,24からなるブリッジ回路(モータ駆動回路)25と電流検出部(電流センサ)26とモータ端子内電圧出力アンプ27とマイクロコンピュータ用電源28と差電圧検出部29を備えている。マイクロコンピュータ20は端子30からVddを入力し、端子31からVe1を入力し、端子32から差電圧検出部29からの差電圧(Ve1−Vdd)を入力する。そして、それらをA/D変換する。また、端子33からは、モータ電圧を入力しA/D変換する。端子34は、H型ブリッジを構成するFET21,22,23,24にPWM信号を出力する端子であり、端子35はモータ15の回転方向に関する信号をH型ブリッジを構成するFET21,22,23,24に出力する端子である。
【0031】
この構成により、モータの電流が流れるパワー系のハーネス系C10,C11の抵抗RxH,RxLを電流検出のシャント抵抗に見立てて、電流制御を行う装置を提供する。差電圧検出部29は、ハーネス系C10,C11の抵抗(RxH+RxL)による電圧降下分を電源電圧Veから引いた値VddとハーネスC11,C12の抵抗(RxL+Rc)による電圧降下分を電源電圧Veから引いた値Ve1を制御装置に入力し、VddとVe1との差電圧をマイクロコンピュータ20に取り込む。また、マイクロコンピュータ20には、後述する差電圧(Ve1−Vdd)から、モータの制御状態に応じたモータ電流とPWM信号のデューティ比より、バッテリ持ち出し電流(平均電流)Ieを算出し、その算出した持ち出し電流により、ハーネス系C10,C11の抵抗(RxL+RxH)を算出するハーネス抵抗算出部をモータ電流推定部に有する。
【0032】
次にモータ電流推定部のハーネス抵抗算出部で行われる算出方法について説明する。
【0033】
まず、モータ電流Imから持ち出し電流(平均電流)Ieは、次のようにして求めることができる。図1において、制御装置10の電力損失がない(効率100%)と考えると、電源から供給する電力は、モータでの電力と等しいことから、モータ電圧をVm、モータ電流をIm、平均電流をIeとすると(1)式が成り立つ。
【0034】
【数1】
Vdd×Ie=Im×Vm     (1)
【0035】
(1)式において、PWM信号のデューティ比をDUTYとするとモータ電圧Vmは、VddとDUTYにより、次の(2)式のように表される。
【0036】
【数2】
Vm=Vdd×DUTY         (2)
【0037】
それゆえ、(1)式と(2)式から持ち出し電流(平均電流)Ieはモータ電流Imとデューティ比DUTYにより(3)式のように表される。
【0038】
【数3】
Ie=Im×DUTY         (3)
【0039】
ハーネス抵抗算出部では、次のようにしてハーネス抵抗を演算する。すなわち、端子31に入力されるVe1に着目し、電流Iccが電流Ieに比べて小さいと仮定すると、ハーネスC10による電圧降下は、RxH×Ieであるから、次の式(4)が成り立つ。
【0040】
【数4】
Ve1=Vdd+RxH×Ie      (4)
【0041】
(4)式に、(3)式を代入すると、次の(5)式が得られる。
【0042】
【数5】
Ve1=Vdd+RxH×(Im×DUTY)   (5)
【0043】
(5)式よりハーネス抵抗RxHは、次の(6)式で求めることができる。
【0044】
【数6】
RxH=(Ve1−Vdd)/(Im×DUTY)   (6)
【0045】
この(6)式より、モータ電流ImとDUTYから、ハーネス抵抗RxHを求めることができ、また(4)式から持ち出し電流の平均値Ieを求めることができる。それゆえ、電流センサが正常に動作しているときに、抵抗RxHを求めておき、その抵抗RxHと差電圧(Ve1−Vdd)から、平均電流Ieを求めることができる。
【0046】
ハーネス抵抗算出部では、電流センサが正常に動作しているときに差電圧検出部29からの値(Ve1−Vdd)とモータ電流検出部26からの値Imとデューティ比DUTYを入力とし、(6)式に従った演算を行い、メモリにハーネス抵抗RxHを記憶しておく。
【0047】
なお、ハーネス抵抗は、学習値または設計値を用いることも可能である。
【0048】
モータ電流推定部では、メモリに記憶してあるハーネス抵抗RxHと差電圧(Ve1−Vdd)を入力し、CPUにおいて、(4)式に従って持ち出し電流Ieを演算する。電流センサ故障時、センサが使用できない場合、このRxHを用いて代替制御をすることが可能となる。モータ電流Im’は、持ち出し電流Ieから次の(7)式から推定することができる。
【0049】
【数7】
Im’=(Ve1−Vdd)/DUTY)/RxH     (7)
【0050】
このように、ハーネス抵抗RxHを得ることにより、今まで制御に使用してきた電流センサ(電流検出部)26に故障が生じても式(7)より、代替値を得ることができ、代替制御ができることを可能にした。
【0051】
なお、ハーネス系の抵抗を最大にし、電流による電圧降下分が最大になるように、ハーネス・ヒューズ・コネクタ等の抵抗分を含む両端電圧を検出する表記とした。また、今回は、ハーネス抵抗を最大にするためにハーネス長を長くとりバッテリの直近とユニットの内部で記述したが、ハーネス中間点で意図したハーネス分岐を行い、両端を電圧モニタする手段でも同様の効果をあげることができる。
【0052】
次に、上記のモータ電流を推定することにより、電流センサの故障時に対応できる電動パワーステアリング装置の制御装置について説明する。
【0053】
図3は、前述の制御装置10のブロック構成図である。制御装置10は、モータ制御部40とハーネス抵抗算出部41とモータ電流推定部42と故障検出部43を備えている。また、故障検知部43には、故障表示部44が接続されている。モータ制御部40は、基本的には、図8において説明したものと同様である。そして、故障検知部43は、電流センサの故障を判断したときは”1”を、故障を判断しないときは”ゼロ”を信号として出力するが、モータ制御部40は、その故障検知部43からの信号がゼロのときには、そのままの状態を保ち、故障検知部43からの入力が1のときには、電流センサ26の信号を遮断し、代わりにモータ電流推定部からの入力信号によりフィードバック制御がなされるように切り換えられる入力信号切換部45を備えている。
【0054】
図3において、モータ電流推定部42は、差電圧検出部29によって得られる差電圧をDUTYとメモリに記憶されたハーネス抵抗RxHで割ることによりモータ電流推定値Im’を演算し、そのモータ電流推定値を故障検知部43に入力する。
【0055】
図4は、故障検知部を示すブロック構成図である。故障検知部43は、入力部46、出力部47、CPU48、記憶部49を備えている。この故障検知部43は、モータ電流推定部42の入力と、電流センサ26からの入力を比較し、例えば、差をとり、その差が所定値より小さければ、正常であることを判断し、正常値信号、例えばゼロをモータ制御部40と故障表示部44に出力し、その差が所定値より大きければ、故障と判断し、故障信号、例えば1をモータ制御部40と故障表示部44に出力する。ここでの所定値は、予め記憶部49の記憶領域50に記憶させてある。
【0056】
次に本実施形態の作用について図5のフローチャートを用いて説明する。差電圧検出部29からの差電圧(Ve1−Vdd)をモータ電流推定部42に出力される(ステップST10)。モータ電流推定部42においては、差電圧とDUTYとメモリに記憶されるハーネス抵抗RxHに基づきモータ電流推定値Im’が演算される(ステップST11)。
【0057】
その演算されたモータ電流推定値Im’は、故障検知部43の記憶部の記憶領域Aに一時記憶され(ステップST12)、電流センサ26からの出力が記憶部の記憶領域Bに一時記憶される(ステップST13)。記憶領域Aと記憶領域Bの値からCPUにより差が計算され(ステップST14)、差が記憶領域Cに記憶される(ステップST15)。その差と記憶部の記憶領域50に記憶された所定値とCPUにより比較する(ステップST16)。その結果、差が所定値より小さいときは、ゼロをモータ制御部40に出力する(ステップST17)。そのとき、モータ制御部40はその状態を保つ。そして、再び、ステップST10に戻り、処理を行う。
【0058】
また、CPUにより比較した結果、差が所定値以上のときには、信号1をモータ制御部40に出力する(ステップST18)。そのとき、モータ制御部40は入力信号切換部45が作動し、電流センサ26からの信号を遮断し、それと同時に、モータ電流推定部42からの値Im’によるフィードバック制御に切り替わる(ステップST19)。
【0059】
これにより、電流センサ26が故障したときも正常な制御を行うことができ、また、電流センサ26の故障を判断することができる。
【0060】
本実施形態では、電流センサの故障を判断することを説明したが、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断する故障判断部を設けることもできる。そのときの、電動パワーステアリング装置の故障を判断する故障判断部での処理フローチャートを図6により説明する。 まず、ハーネス抵抗算出部では、電流センサが正常に動作しているときに差電圧検出部29からの値(Ve1−Vdd)とモータ電流検出部26からの値Imとデューティ比DUTYを入力とし、(6)式に従った演算を行い、メモリにハーネス抵抗RxHを記憶しておく。この動作を何回か行い、メモリには、その都度得られた抵抗値をTe2,Te3,・・とする(ステップST30)。次に、再び電流センサが正常に動作しているときに差電圧検出部29からの値(Ve1−Vdd)とモータ電流検出部26からの値Imとデューティ比DUTYを入力する(ステップST31)。それらの値に基づいて(6)式に従った演算を行い、抵抗Te1を算出する(ステップST32)。測定回数Tを1繰り上げる(ステップST33)。測定回数Tがn回になったかどうかを判断する(ステップST34)。もし、測定回数Tがn回に達していないときは、ステップST30に戻る。測定回数Tがn回に達したならば、n−1回分の抵抗値Te2〜Tenまでの値の平均値Teaを算出する(ステップST35)。抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きいかどうかを判断する(ステップST36)。もし、抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きくないときには、ステップST30に戻る。もし、抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きいときには、抵抗Te2の記憶値をTe1に変更し、Te3の記憶値をTe2に変更し、また、一般にTenの記憶値もTen−1と変更する(ステップST37)。再び電流センサが正常に動作しているときに差電圧検出部29からの値(Ve1−Vdd)とモータ電流検出部26からの値Imとデューティ比DUTYを入力する(ステップST38)。それらの値に基づいて(6)式に従った演算を行い、抵抗Te1を算出する(ステップST39)。抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きいかどうかを判断する(ステップST40)。もし、抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きくないときには、カウンタKを0とし、ステップST30に戻る。もし、抵抗値Te1と平均値Teaの差の絶対値が所定値aより大きいときには、カウンタKに1を加算し(ステップST41)、カウンタKが所定値bより大きいかどうか判断する(ステップST42)。もし、カウンタKが所定値bより大きくなければ、ステップST37に戻る。カウンタKが所定値bよりも大きければ、故障と判断し(ステップST43)その故障をLEDなどの表示装置により知らせる。
【0061】
このようにして、抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0063】
モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、電流センサが故障した際に、抵抗に基づいてモータに流れる電流を推定するため、モータ制御装置の電流センサで故障が発生したとしても、配線の抵抗からモータに流れる電流を推定するので、その電流に基づいて手動操舵力のアシストを中断せず、継続できるようにすることができる。また、モータ電源供給系のハーネス等の両端の電圧をモニタする手段により、モータ制御に通常使用している電流センサが故障しても代替制御を可能とするもので、より運転手においては信頼性の高いシステムを供給できる。さらに、この手段により、モータの電流・バッテリからの持ち出し電流を比較することで電流センサの故障検出も容易にすることができる。また、モータ駆動回路と電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と電流センサからの電流値とPWM制御のデューティ比に基づいて配線の抵抗を判定し、抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断するため、電動パワーステアリング装置の故障を確実に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の電源供給システムを示す図である。
【図2】制御装置の内部の主要機能を示す図である。
【図3】制御装置のブロック構成図である。
【図4】故障検知部を示すブロック構成図である。
【図5】本実施形態の作用を説明するフローチャートである。
【図6】抵抗により電動パワーステアリング装置の故障を診断するためのフローチャートである。
【図7】電動パワーステアリング装置の模式構造図である。
【図8】電動パワーステアリング装置の制御装置を示す図である。
【図9】制御部のブロック構成図である。
【符号の説明】
10     制御装置
11     電源
12     ヒューズ
13,14  端子
15     モータ
16,17  端子
18     スイッチ
19     端子
20     マイクロコンピュータ
21,22,23,24  FET
25     ブリッジ回路
26     電流検出部
27     モータ端子間電圧出力アンプ
28     マイクロコンピュータ用電源
29     差電圧検出部
30,31,32,33,34,35 端子
101    ハーネス抵抗算出部
102    モータ電流推定部
C10,C11,C12 ハーネス

Claims (2)

  1. モータと、電源と、前記モータと電源の間に設けられ、モータへ流す電流をPWM制御するモータ駆動回路と、前記モータに流れる電流を検知する電流センサとを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記モータ駆動回路と前記電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と前記電流センサからの電流値と前記PWM制御のデューティ比に基づいて前記配線の抵抗を判定し、前記抵抗に基づいて前記モータに流れる電流を推定するモータ電流推定手段を設け、
    前記電流センサが故障した際に、前記モータ電流推定手段により推定した電流により制御を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. モータと、電源と、前記モータと電源の間に設けられ、モータへ流す電流をPWM制御するモータ駆動回路と、前記モータに流れる電流を検知する電流センサとを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記モータ駆動回路と前記電源とを接続する配線の電圧を検知し、該電圧と前記電流センサからの電流値と前記PWM制御のデューティ比に基づいて前記配線の抵抗を判定し、
    該抵抗の変化により電動パワーステアリング装置の故障を判断する手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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