JP4102089B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵トルク等に応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のステアリング装置として、ステアリングホイールの操舵時に電動機による補助操舵力をステアリング系に付加して運転者の操舵力を軽減する、いわゆる電動パワーステアリング装置が近年普及している。この種の電動パワーステアリング装置は、基本的には、ステアリングホイールの操舵に伴って発生するステアリング系の操舵トルクを操舵トルクセンサで検出し、その検出トルクの方向や大きさに応じて前記電動機による補助操舵力を制御するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のような構造では、前記操舵トルクセンサが故障してその出力値が急激に変化すると、好適な補助操舵力が得られず運転者の操舵感覚が悪くなる問題があった。
【0004】
そこで、本発明の課題は、操舵トルクセンサが故障した場合であっても、その急激に変化する出力値を制限することで運転者の操舵感覚を良好にすることができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、少なくとも操舵トルクに応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置において、前記操舵トルクを検出するセンサを設け、このセンサからの出力の変化が所定範囲内のときはその出力値をセンサ値とするが、その変化が所定範囲内から外れたときは予め設定された所定の勾配で変化している値をセンサ値とする演算を行い、この演算値を制御に使用したことを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、例えば、センサが故障してその出力値が急激に変化した場合、センサからの出力の変化が所定範囲内から外れたと判断され、所定の勾配で変化している値をセンサ値とする演算が行われる。そして、この演算値に基づいて、補助操舵力が適宜に制御される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記所定の勾配は、前記変化がゼロから遠ざかる場合の方がゼロに近づく変化である場合よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
ここで、「変化がゼロから遠ざかる場合」とは、センサからの出力値の絶対値が急激に大きくなる場合、すなわち補助操舵力が操舵トルクに応じて設定されるべき値よりも(ドライバの意とする補助操舵力よりも)大きくなってしまう場合をいう。また、「ゼロに近づく変化である場合」とは、センサからの出力値の絶対値が急激に小さくなる場合、すなわち補助操舵力が操舵トルクに応じて設定されるべき値よりも(ドライバの意とする補助操舵力よりも)小さくなってしまう場合をいう。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による作用に加え、センサからの出力値の変化がゼロに近づく場合、すなわちセンサからの出力値の絶対値が急激に小さくなる場合には、センサ等の故障とみなして所定の勾配で変化する値がセンサ値として参照される。そして、センサからの出力値の変化がゼロから遠ざかる場合、すなわちセンサからの出力値の絶対値が急激に大きくなる場合には、センサ等の故障とみなしてセンサからの出力値の絶対値が小さくなる場合の勾配よりも小さい勾配で変化する値がセンサ値として参照される。
【0012】
請求項に記載の発明は、少なくとも操舵トルクに応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置において、前記操舵トルクを検出するセンサを2つ設け、このセンサからの出力の変化が所定範囲内から外れたときは所定の勾配で変化している値をその出力値とする演算を各々のセンサに対して行い、この2つのセンサからの出力値が同符号のときは絶対値が小さい方の出力値をセンサ値とし、異符号のときはゼロをセンサ値とする演算を行い、この演算値を制御に使用したことを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明によれば、例えば一方のセンサが故障してその出力値が急激に変化した場合、このセンサからの出力の変化が所定範囲内から外れたと判断され、所定の勾配で変化している値を出力値とする演算が行われる。そして、この所定の勾配で変化する値に置き換えられた出力値と、他方の故障していないセンサの出力値が比較され、同符号である場合は、このうち絶対値が小さい方の出力値がセンサ値とする演算が行われる。また、異符号である場合は、ゼロをセンサ値とする演算が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る電動パワーステアリング装置の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本実施形態の電動パワーステアリング装置が適用されたステアリング系の構成を示す構成図、図2は本実施形態の電動パワーステアリング装置のブロック構成図である。
【0015】
本実施形態の電動パワーステアリング装置を説明するに当たり、まず、この電動パワーステアリング装置が適用されたステアリング系の構造を図1により説明する。このステアリング系は、いわゆるラック・ピニオン式のステアリング系であり、ステアリングホイール1に一体に連結されたステアリングシャフト2の下端部は、連結軸3を介して相互に連結された一対のユニバーサルジョイント4,4を介してギヤボックス5の入力軸5Aに連結されている。このギヤボックス5内には、2つの操舵トルクセンサ51,52が配設されている。そして、このギヤボックス5の出力軸には、ラック・ピニオン機構6のピニオン6Aが一体に形成されている。
【0016】
ラック・ピニオン機構6は、ピニオン6Aに噛み合うラック歯6Bが形成されたラック軸6Cを備え、このラック軸6Cの両端部には、車両の左右の前輪7,7に付設されたナックルアーム(図示省略)がタイロッド8,8を介してそれぞれ連結されている。そして、ラック軸6Cには、これと同軸にボールネジ機構9のボールネジ部9Aが形成されている。このボールネジ部9Aに噛み合うボールナット9Bは、電動機10のロータ10Aに固定されており、この電動機10は、ラック軸6Cが貫通する状態でその周囲に配置されている。
【0017】
図1および図2に示すように、少なくとも操舵トルクに応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置Pは、電動機10に流す駆動電流を目標値にフィードバック制御する手段として、2つの操舵トルクセンサ51,52および後述する車速センサ11の検出信号を入力して電動機10の制御信号を出力する電動機制御装置12と、この電動機制御装置12から出力される制御信号に応じて電動機10を所定の駆動電流により駆動する電動機駆動回路13とを備えている。また、この電動機駆動回路13から電動機10に供給される駆動電流を検出してその検出信号を電動機制御装置12に出力する電流センサ14を備えている。
【0018】
車速センサ11は、車速を単位時間当たりのパルス数として検出し、検出したパルス数に対応したアナログ電気信号を車速信号VPとして電動機制御装置12に送信する。なお、車速センサ11は、電動パワーステアリング装置Pの専用センサであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用してもよい。
【0019】
操舵トルクセンサ51,52は、運転者による手動の操舵トルクの大きさおよび方向を検出する。そして、操舵トルクセンサ51,52は、検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号を操舵トルク信号(出力値)T1,T2として電動機制御装置12に送信する。なお、操舵トルク信号T1,T2は、大きさを示す操舵トルクとトルクの向きを示すトルク方向の情報を含み、トルク方向は操舵トルクのプラス値/マイナス値で表され、プラス値は操舵トルク方向が右方向であり、マイナス値は操舵トルク方向が左方向である。なお、この操舵トルクのプラス値/マイナス値と操舵トルク方向の関係は、逆であってもよい。
【0020】
電流センサ14は、電動機10に対して直列に接続された抵抗またはホール素子等を備え、電動機10に実際に流れる電動機電流IMの大きさおよび方向を検出する。そして、電流センサ14は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOを電動機制御装置12にフィードバック(負帰還)する。なお、電動機電流信号IMOは、大きさを示す電動機電流値と電動機電流の向き(補助アシストの方向)を示す電流方向の情報を含み、電流方向は電動機電流値のプラス値/マイナス値で表され、プラス値は補助アシスト方向が右方向であり、マイナス値は補助アシスト方向が左方向である。なお、この電動機電流値のプラス値/マイナス値と補助アシスト方向の関係は、逆であってもよい。
【0021】
次に、電動機制御装置12および電動機駆動回路13について順次説明する。まず、電動機制御装置12は、操舵トルクセンサ51,52、車速センサ11、電流センサ14等との間の入出力インターフェースI/O、および、これらのセンサ類から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータの他、各種のデータやプログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)、各種のデータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、各種の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えている。また、電動機制御装置12は、電動機10の制御信号を出力する基本的なソフトウェア構成として、図2に示すように、トルク演算手段12A、目標電流設定部12B、偏差演算部12Cおよび駆動制御部12Dを備えている。
【0022】
トルク演算手段12Aには、操舵トルクセンサ51,52から出力される操舵トルク信号T1,T2がデジタル信号に変換されて入力される。そして、このトルク演算手段12Aは、操舵トルクセンサ51,52からの出力の変化が所定範囲内のときはその出力値をそのまま利用するが、その変化が所定範囲内から外れたときは所定の勾配で変化している値を出力値とする演算を各々のセンサ51,52に対して行っている。また、このトルク演算手段12Aは、2つの操舵トルクセンサ51,52からの出力値が同符号のときは絶対値が小さい方の出力値をセンサ値とし、異符号のときはゼロをセンサ値とする演算を行っている。なお、操舵トルクセンサ51,52からの出力の変化が所定範囲内から外れたときに設定される所定の勾配は、その変化がゼロから遠ざかる場合の方がゼロに近づく変化である場合よりも小さくなるようになっている。
【0023】
目標電流設定部12Bには、トルク演算手段12Aから出力される演算トルク信号TCと共に、車速センサ11から出力される車速信号VPが入力される。この目標電流設定部12Bは、ステアリング系の操舵トルクの増大に伴ない増大し、かつ、車速の増大に伴ない減少する基本特性の補助操舵力を電動機10に発生させるための目標電流信号IMSを、演算トルク信号TCおよび車速信号VPをアドレスとするデータエリアから瞬時に検索し、検索した目標電流信号IMSを偏差演算部12Cに出力する。
【0024】
偏差演算部12Cは、目標電流設定部12Bからの目標電流信号IMSと電流センサ14からの電動機電流信号IMOが入力され、駆動制御部12Dに偏差信号ΔIMを出力する。偏差演算部12Cは、目標電流信号IMSから電動機電流信号IMOを減算し、偏差信号ΔIM(=IMS−IMO)を算出する。
【0025】
駆動制御部12Dは、偏差演算部12Cからの偏差信号ΔIMが入力され、この偏差信号ΔIMに基づいて算出される電動機制御信号VOを電動機駆動回路13に出力する。そのために、駆動制御部12Dは、PIDコントローラ、PWM信号発生部および論理回路等を備える。
【0026】
電動機駆動回路13は、電動機制御信号VOに基づいて電動機電圧VMを電動機10に印加し、電動機10を駆動する。電動機駆動回路13は、例えば、図3に示すように4個のパワーFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)13a,13b,13c,13dのスイッチング素子からなるブリッジ回路および電源電圧(12v)13eで構成される。パワーFET13a,13b,13c,13dの各ゲートG1,G2,G3,G4に電動機制御信号VOが入力されると、電動機制御信号VOに基づいて電動機10に電動機電圧VMが印加される。すると、電動機10には所定方向に所定の大きさの電動機電流IMが流れ、この電動機電流IMの方向や大きさに対応した補助操舵力が電動機10から発生する。
【0027】
次に、この電動パワーステアリング装置Pにおけるトルク演算手段12Aのトルク選定手法について、図4〜図7を参照して説明する。
トルク演算手段12Aでは、まず、図4に示すルーチン作業を行うことにより、操舵トルクセンサ51,52からの出力値T1,T2が異常な値かどうかを判断するとともに、異常な値である場合にはその値を適宜所定値に書き換えている。このルーチン作業は、各々の操舵トルクセンサ51,52に対して同様に行われるので、以下の説明では一方の操舵トルクセンサ51に対するルーチン作業のみを説明し、他方の操舵トルクセンサ52に対するルーチン作業については説明を省略する。
【0028】
操舵トルクセンサ51から現在の操舵トルク信号(以下、「実測今回値」という。)T1がトルク演算手段12Aに出力されると(図2参照)、図4に示すように、この実測今回値T1から前回の出力値(以下、「前回値」という。)LT1を引いた値が差分値ΔT1として算出される(ステップS1)。次に、実測今回値T1が0より大きいか否かが判断される(ステップS2)。
【0029】
ステップS2において実測今回値T1が0より大きいと判断された場合(YES)は、前記差分値ΔT1が所定値αより大きいか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3において差分値ΔT1が所定値αより大きいと判断された場合(YES)は、この差分値ΔT1がゼロから遠ざかる方向に所定の勾配で変化している値(以下、「発散勾配値」という。)βに書き換えられる(ステップS4)。そして、前記前回値LT1に差分値ΔT1が加えられる演算が行われることで、演算された今回値(以下、「演算今回値」という。)CT1が算出される(ステップS5)。なお、このステップS5で算出された演算今回値CT1は、次回のルーチン作業におけるステップS1の前回値LT1となる。
【0030】
前記ステップS3において差分値ΔT1が所定値α以下であると判断された場合(NO)は、次に所定値−αより小さいか否かが判断される(ステップS6)。このステップS6において差分値ΔT1が所定値−αより小さいと判断された場合(YES)は、この差分値ΔT1がゼロに近づく方向に所定の勾配で変化している値(以下、「収束勾配値」という。)−αに書き換えられる(ステップS7)。その後、この収束勾配値−αに書き換えられた差分値ΔT1が、前記ステップS5の演算に利用される。なお、この収束勾配値−αの絶対値よりも前記発散勾配値βの絶対値の方が小さい値となっている。また、ステップS6において差分値ΔT1が所定値−α以上であると判断された場合(NO)は、この差分値ΔT1が前記ステップS1で算出された値のまま前記ステップS5の演算に利用される。
【0031】
ここで、前記ステップS3〜S7までの動作を言い換えると、差分値ΔT1が所定範囲内(−α≦ΔT1≦α)のときは、差分値ΔT1はステップS1で算出された値のままステップS5の演算に利用される。そして、この差分値ΔT1は、所定範囲内(−α≦ΔT1≦α)よりプラス方向に外れると発散勾配値βに書き換えられ、マイナス方向に外れると収束勾配値−αに書き換えられる。
【0032】
前記ステップS2において実測今回値T1が0以下であると判断された場合(NO)は、差分値ΔT1が所定値−αより小さいか否かが判断される(ステップS8)。このステップS8において差分値ΔT1が所定値−αより小さいと判断された場合(YES)は、変化量が大きいのでこの差分値ΔT1が発散勾配値−βに書き換えられた後(ステップS9)、前記ステップS5の演算に利用される。また、ステップS8において差分値ΔT1が所定値−α以上であると判断された場合(NO)は、この差分値ΔT1が所定値αより大きいか否かが判断される(ステップS10)。このステップS10において差分値ΔT1が所定値αより大きいと判断された場合(YES)は、変化量が大きいのでこの差分値ΔT1が収束勾配値αに書き換えられた後(ステップS11)、前記ステップS5の演算に利用される。また、ステップS10において差分値ΔT1が収束勾配値α以下であると判断された場合(NO)は、変化量が少ないのでこの差分値ΔT1が前記ステップS1で算出された値のまま前記ステップS5の演算に利用される。
【0033】
ここで、前記ステップS8〜S11までの動作を言い換えると、差分値ΔT1が所定範囲内(−α≦ΔT1≦α)のときは、差分値ΔT1はステップS1で算出された値のままステップS5の演算に利用される。そして、この差分値ΔT1は、所定範囲内(−α≦ΔT1≦α)よりプラス方向に外れると収束勾配値αに書き換えられ、マイナス方向に外れると発散勾配値−βに書き換えられる。
【0034】
次に、このトルク演算手段12Aでは、各々の操舵トルクセンサ51,52に対する前記ルーチン作業をそれぞれサブルーチンA,Bとして利用するルーチン作業が行われる(図5参照)。そして、このルーチン作業が行われることにより、このトルク演算手段12Aにおいて、前記目標電流設定部12B(図2参照)に出力するための演算トルク信号(センサ値)TCが選定される。
【0035】
図5に示すように、トルク演算手段12Aでは、まず、サブルーチンA,Bにより、2つの操舵トルクセンサ51,52に対するそれぞれの演算今回値CT1,CT2が算出される。そして、これらの演算今回値CT1,CT2が共に0以上であるか否かが判断される(ステップS12)。
【0036】
ステップS12において演算今回値CT1,CT2が共に0以上、すなわち共に正の符号であると判断された場合(YES)は、次に演算今回値CT1が演算今回値CT2よりも大きいか否かが判断される(ステップS13)。このステップS13において演算今回値CT1が演算今回値CT2よりも大きいと判断された場合(YES)は、これらの演算今回値CT1,CT2のうち小さい方の演算今回値CT2がセンサ値TCとして選定される(ステップS14)。また、ステップS13において演算今回値CT1が演算今回値CT2以下であると判断された場合(NO)は、これらの演算今回値CT1,CT2のうち小さい方の演算今回値CT1がセンサ値TCとして選定される(ステップS15)。
【0037】
前記ステップS12において2つの演算今回値CT1,CT2のうち少なくとも一方が0より小さいと判断された場合(NO)は、次にこれらの演算今回値CT1,CT2が共に0より小さいか否かが判断される(ステップS16)。このステップS16において2つの演算今回値CT1,CT2が共に0より小さい、すなわち共に負の符号であると判断された場合(YES)は、演算今回値CT1が演算今回値CT2よりも大きいか否かが判断される(ステップS17)。
【0038】
このステップS17において演算今回値CT1が演算今回値CT2よりも大きいと判断された場合(YES)は、これらの演算今回値CT1,CT2のうち大きい方(絶対値が小さい方)の演算今回値CT1がセンサ値TCとして選定される(ステップS18)。また、ステップS17において演算今回値CT1が演算今回値CT2以下であると判断された場合(NO)は、これらの演算今回値CT1,CT2のうち大きい方の演算今回値CT2がセンサ値TCとして選定される(ステップS19)。そして、前記ステップS16において2つの演算今回値CT1,CT2のうち一方が0以上であり他方が0より小さい、すなわち2つの演算今回値CT1,CT2が異符号であると判断された場合(NO)は、0の値がセンサ値TCとして選定される(ステップS20)。
【0039】
次に、センサの経年変化等により2つの操舵トルクセンサ51,52からの出力値に差が生じた場合におけるトルク演算手段12Aの具体的な作用について図6および図7を参照して説明する。
図6に示すように、操舵トルクセンサ51,52の出力値が共に同符号である場合は、これらの操舵トルクセンサ51,52のうち絶対値が小さい方の出力値がセンサ値TCとして参照される。また、これらの操舵トルクセンサ51,52の出力値が互いに異符号である場合は、ゼロの値がセンサ値TCとして参照される。
【0040】
そして、操舵トルクセンサ52が故障して(図6のP1)その出力値が急激にプラスの方向へ変化した場合は、前記サブルーチンBにおけるステップS3でその差分値ΔT2が所定値αよりも大きいと判断され、ステップS4で発散勾配値βに書き換えられる(図4参照)。このように差分値ΔT2が発散勾配値βに書き換えられて算出された演算今回値CT2は、操舵トルクセンサ52の出力値として図6に細線で示す勾配に沿って変化することになる。その後、この演算今回値CT2と操舵トルクセンサ51の演算今回値CT1とが比較され、これらの値が互いに同符号の場合はその絶対値が小さい方の値がセンサ値TCとして参照され、互いに異符号の場合はゼロの値がセンサ値TCとして参照される。ここで、図6に示すP2は操舵トルクセンサ51の出力値が操舵トルクセンサ52の仮想の出力値(発散勾配値β)より小さくなる分岐点を示し、P3は操舵トルクセンサ51,52の出力値が互いに異符号となる分岐点を示している。
【0041】
また、図7に示すように、操舵トルクセンサ52の出力値が急激にマイナスの方向に変化した場合(P11)は、まず前記サブルーチンBにおけるステップS2で差分値ΔT2が負であると判断され、ステップS8でその差分値ΔT2が所定値−αより小さいと判断され、ステップS9で発散勾配値−βに書き換えられる。そして、前記と同様に、差分値ΔT2が発散勾配値−βに書き換えられて算出された演算今回値CT2は、操舵トルクセンサ52の出力値として図7に細線で示す勾配に沿って変化することになる。その後、この演算今回値CT2と操舵トルクセンサ51の演算今回値CT1とが比較され、これらの値が互いに同符号の場合はその絶対値が小さい方の値がセンサ値TCとして参照され、互いに異符号の場合はゼロの値がセンサ値TCとして参照される。ここで、図7に示すP12は操舵トルクセンサ51の出力値が操舵トルクセンサ52の仮想の出力値(発散勾配値−β)より小さくなる分岐点を示し、P3は操舵トルクセンサ51,52の出力値が互いに異符号となる分岐点を示している。
【0042】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
(1)操舵トルクセンサ52が故障して急激に変化する出力値を出力する場合には、所定の勾配で変化している値(前回値LT2+差分値としてのβや前回値LT2+差分値としての−β等)を演算今回値CT2とする演算が行われるので、その急激に変化する出力値を制限することができ、運転者の操舵感覚を良好にすることができる
(2)発散勾配値βの絶対値が収束勾配値−αの絶対値よりも小さいので、操舵トルクセンサ52が故障してその出力値の絶対値が急激に大きくなる場合でも、その補助操舵力が急激に高くならずに小さい勾配に沿って緩やかに高くなる。そのため、運転者の操舵感覚を良好にすることができる。
【0043】
(3)一方の操舵トルクセンサ52の出力値が急激に変化した場合でも、この出力値が所定の勾配で変化する値に置き換えられた後、その値と他方の操舵トルクセンサ51の出力値が比較され、それらが同符号の場合には絶対値が小さい方の出力値、異符号の場合にはゼロがセンサ値TCとして参照されるので、急激に大きくなった出力値をセンサ値として参照することなく、良好な操舵感覚を運転者に与えることができる。
【0044】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、2つの操舵トルクセンサ51,52を設ける構造としたが、本発明はこれに限定されず、例えば1つであってもいい。この場合であっても、センサが急激に変化する出力値を出力するときに、所定の勾配で変化している値をセンサ値とする演算が行われるので、その急激に変化する出力値を制限することができ、運転者の操舵感覚を良好にすることができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、例えばセンサが故障して急激に変化する出力値を出力する場合には、予め設定された所定の勾配で変化している値をセンサ値とする演算が行われるので、その急激に変化する出力値を制限することができ、運転者の操舵感覚を良好にすることができる。
【0046】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、例えばセンサが故障してその出力値の絶対値が急激に大きくなる場合でも、その補助操舵力が急激に高くならずに小さい勾配に沿って緩やかに高くなるので、運転者の操舵感覚を良好にすることができる。
【0048】
請求項に記載の発明によれば、例えば一方のセンサの出力値が急激に変化した場合でも、この出力値が所定の勾配で変化する値に置き換えられた後、その値と他方のセンサの出力値が比較され、それらが同符号の場合には絶対値が小さい方の出力値、異符号の場合にはゼロがセンサ値として参照される。そのため、急激に大きくなった出力値をセンサ値として参照することなく、良好な操舵感覚を運転者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の電動パワーステアリング装置が適用されたステアリング系の構成を示す構成図である。
【図2】本実施形態の電動パワーステアリング装置のブロック構成図である。
【図3】図2の電動機駆動回路の要部を示す回路図である。
【図4】トルク選定手法の一部を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すトルク選定手法の一部を含むトルク選定手法の全体を示すフローチャートである。
【図6】2つの操舵トルクセンサのうち一方が故障してその出力値がゼロから遠ざかる方向に変化した場合に選定されるセンサ値を示すグラフである。
【図7】2つの操舵トルクセンサのうち一方が故障してその出力値がゼロに近づく方向に変化した場合に選定されるセンサ値を示すグラフである。
【符号の説明】
P 電動パワーステアリング装置
51,52 操舵トルクセンサ
T1,T2 操舵トルク信号(出力値)
12 電動機制御装置
12A トルク演算手段

Claims (3)

  1. 少なくとも操舵トルクに応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルクを検出するセンサを設け、
    このセンサからの出力の変化が所定範囲内のときはその出力値をセンサ値とするが、その変化が所定範囲内から外れたときは予め設定された所定の勾配で変化している値をセンサ値とする演算を行い、この演算値を制御に使用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記所定の勾配は、前記変化がゼロから遠ざかる場合の方がゼロに近づく変化である場合よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 少なくとも操舵トルクに応じて補助操舵力を制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルクを検出するセンサを2つ設け、
    このセンサからの出力の変化が所定範囲内から外れたときは所定の勾配で変化している値をその出力値とする演算を各々のセンサに対して行い、
    この2つのセンサからの出力値が同符号のときは絶対値が小さい方の出力値をセンサ値とし、異符号のときはゼロをセンサ値とする演算を行い、この演算値を制御に使用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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