JP2004127983A - 電力用半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化に対して精度よく過電流検出を可能とした電力用半導体装置を提供する。
【解決手段】電力用半導体装置は、半導体チップ上に形成され、2つの主端子C、Eと、主端子間の導通を制御する制御端子Gと、電流検出のためのセンス端子Sとを有するスイッチング素子11x〜11zと、半導体チップ上に取り付けられ、スイッチング素子11xの温度を検出する温度センサ15と、スイッチング素子11xのセンス端子Sからの出力を一方の入力とし、温度センサ15の出力を他方の入力とし、それらの入力の比較結果を電流検出信号と出力するコンパレータ21とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】電力用半導体装置は、半導体チップ上に形成され、2つの主端子C、Eと、主端子間の導通を制御する制御端子Gと、電流検出のためのセンス端子Sとを有するスイッチング素子11x〜11zと、半導体チップ上に取り付けられ、スイッチング素子11xの温度を検出する温度センサ15と、スイッチング素子11xのセンス端子Sからの出力を一方の入力とし、温度センサ15の出力を他方の入力とし、それらの入力の比較結果を電流検出信号と出力するコンパレータ21とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はモータを駆動する電力用半導体装置に関し、特に、電力用半導体装置における過電流及び過電圧保護に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータを駆動する素子であって、IGBT等の半導体素子からなる複数の電力用スイッチング素子を、それらを駆動するドライブ回路とともに1つのパッケージに封止したパワーモジュールがある。そのようなパワーモジュールにおいては、電流検出用抵抗(シャント抵抗)を用いて過電流、短絡電流を検出して回路保護を行なっている。すなわち、過電流保護のために、パワーモジュール外部にてシャント抵抗を接続し、そのシャント抵抗を流れる電流を検出することで過電流を検出している。
【0003】
図6に従来のパワーモジュールとそれに接続したシャント抵抗を示す。同図に示すように、パワーモジュール5は複数のIGBT11u〜11w、11x〜11zと、上アームのIGBT11u〜11wを駆動するドライブ回路51と、下アームのIGBT11x〜11zを駆動するドライブ回路53と、過電流、過電圧を検出したときにIGBTの駆動を停止させる保護回路55とを含む。
【0004】
パワーモジュール5にはシャント抵抗Rsが接続され、下アームのIGBTIGBT11x〜11zに流れる過電流を検出するようになっている。シャント抵抗Rsで検出された電流値は抵抗R2とコンデンサC1からなるフィルタ回路を通して保護回路55に入力される。保護回路55は過電流、過電圧が検出されると、IGBTを停止させるようにドライブ回路53を制御する。
【0005】
以上のような外部にシャント抵抗を接続して過電流を検出する方法では、装置の規模が大きくなるという問題があった。
【0006】
また、シャント抵抗を用いない過電流検出方法としてIGBTのセンス端子からの出力を用いる方法が考案されている。この場合は、IGBTのセンス端子からの出力は温度依存性が高いため、温度補正する必要があり、例えば、正の温度特性を有する抵抗を用いてIGBTのセンス端子からの出力を温度補正して過電流を検出する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−19164号公報(第4頁〜第7頁、第1図〜第5図)
【0008】
また、電流検出において温度補正を行なう技術としてコンパレータを用いた方法がある(例えば、特許文献2、3参照。)。
【特許文献2】
特開2001−345686号公報(第4頁〜第8頁、第1図〜第3図)
【特許文献3】
特開2002−26707号公報(第4頁〜第5頁、第1図〜第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、IGBTのプロセス技術の進展によるIGBTの出力特性の向上にともないIGBTの出力の温度依存性が増大し、より温度変化の影響を受けやすくなったことから、特許文献1等に見られる従来の正の温度特性を有する抵抗を用いた温度補正では、十分な補正が行なえず、検出精度が悪化するという問題が生じてきた。
【0010】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、温度変化に対して精度よく過電流検出を可能とした電力用半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力用半導体装置は、半導体チップ上に形成され、2つの主端子と、主端子間の導通を制御する制御端子と、電流検出のためのセンス端子とを有するスイッチング素子と、半導体チップ上に取り付けられ、前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、スイッチング素子のセンス端子からの出力を一方の入力とし、前記温度センサの出力を他方の入力とし、それらの入力の比較結果を電流検出信号と出力するコンパレータとを備える。上記構成によれば、スイッチング素子が形成された半導体チップ上に取り付けられた温度センサからの出力を用いてコンパレータの基準電圧を温度補正するため、スイッチング素子の電流検出のためのセンス端子からの出力に対する温度補正を実現している。特に、半導体チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、より精度よく温度補正が実現できる。
【0012】
上記の電力用半導体装置において、電流検出信号を電力用半導体装置の外部に出力するための外部端子を備えてもよい。外部端子により電力用半導体装置の外部に電流検出信号が取り出せるため、ユーザはマイコンを用いたるフィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0013】
上記の電力用半導体装置において、スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路を備え、かつ、その増幅回路の出力特性を補正するための補正用端子を外部に設けてもよい。これにより、ユーザは増幅回路の出力特性を外部から補正でき、検出精度の補正が可能となる。
【0014】
上記の電力用半導体装置において、スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路と、その増幅回路の出力特性を調整するトリミング回路とをさらに備えてもよい。コンパレータ、増幅回路及びトリミング回路は同一集積回路内に設けられている。この構成により、フィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電力用半導体装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1に、本発明に係る電力用半導体装置の要部の構成を示す。電力用半導体装置は、U相の電力用スイッチング素子であるIGBT11u、11xと、V相の電力用スイッチング素子であるIGBT11v、11yと、W相の電力用スイッチング素子であるIGBT11w、11zとを有している。各IGBT11u〜11w、11x〜11zはゲート端子G、コレクタ端子C、エミッタ端子Eを有している。また、各相の下アームのIGBT11x〜11zは電流検出用のセンス端子Sを有している。
【0017】
また、電力用半導体装置は温度補正回路23、エラー信号出力回路25、ドライブ回路27を有する。IGBT11u〜11w、11x〜11zは半導体ICチップ上に形成されている。ドライブ回路27、エラー信号出力回路25及び温度補正回路23等も別の半導体ICチップ上に形成されている。これらのICチップが1つのパッケージ内に封止されてパワーモジュールを構成する。
【0018】
U相の下アームのIGBT11xのセンス端子Sはコンパレータ21の一の入力端子に接続される。また、コンパレータ21の他方の入力端子は温度補正回路23を介してIGBTが形成されたICチップ上に取り付けられた温度センサ15に接続される。コンパレータ21他方の入力端子は基準電圧を入力するものであり、温度センサ15からの出力を入力することにより基準電圧の温度補正を実現している。
【0019】
コンパレータ21の出力はエラー信号出力回路25に入力される。エラー信号出力回路25は外部端子43を介して電力用半導体装置外部にエラー信号を出力する。
【0020】
また、IGBT11xは端子41を介して入力されたドライブ信号に基いてドライブ回路27により駆動される。
【0021】
なお、V相、W相の下アームのIGBT11y、11zに対してもU相のIGBT11xと同様にドライブ回路、温度補正回路等が設けられているが、説明の便宜上、図1ではこれらの構成は省略している。
【0022】
図2は、オンチップ温度センサ15の出力温度特性と温度補正回路による補正後の出力特性を示した図である。同図において線Aは温度センサ15の出力電圧の温度依存性を示し、線Bは温度補正回路23の出力電圧の温度依存性を示す。すなわち、温度センサ15はそれが取りつけられたチップの温度に応じた電圧を出力するが、その出力は例えば図2の線Aに示すような温度特性を有する。温度補正回路23は温度センサ15からの出力をコンパレータ21の入力に適した特性に補正する。
【0023】
上記の構成を有する電力用半導体装置の過電流検出について以下に説明する。IGBT11xのセンス端子Sからの出力は抵抗22により電圧に変換されてコンパレータ21の一方の入力端子に入力される。温度センサ15からの出力は温度補正回路23により補正されてコンパレータ21に基準電圧として入力される。コンパレータ21は入力した2つの電圧値を比較して比較結果をエラー信号出力回路25に出力する。
【0024】
コンパレータ21の出力はエラー信号出力回路25に入力され、エラー信号出力回路25はコンパレータ21の出力に基き、外部に対して過電流検出の有無を知らせるエラー信号を出力する。さらに、エラー信号出力回路25は過電流を検出したときは、ドライブ回路27に対してIGBT11u〜11w、11x〜11zの駆動を停止させるための指示を出す。
【0025】
以上のように、IGBTが形成されたICチップ上に取り付けられた温度センサ15からの出力を用いてコンパレータ21の基準電圧を温度補正することにより、IGBTのセンサ端子Sからの出力に対する温度補正を実現している。特に、チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、温度補正の精度を向上できる。
【0026】
実施の形態2.
図3に本発明に係る別の電力用半導体装置の構成を示す。本実施形態の電力用半導体装置は、実施の形態1の電力用半導体装置の構成に加えて、コンパレータ21とセンス端子Sとの間に増幅回路31を挿入し、その増幅回路31の出力(すなわち、検出電流値に対応する電圧)を外部に出力するための端子45を設けたものである。
【0027】
センス端子Sからの信号電圧は微弱であるため、増幅回路31により増幅することにより、端子45を介して電力用半導体装置外部への検出電流値の出力が可能となり、外部マイコンへのフィードバックが可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0028】
なお、図3では、増幅回路31の出力を端子45に接続しているが、コンパレータ21の出力を端子45に接続してもよい。これにより、温度補正された過電流検出情報を外部に出力できる。
【0029】
実施の形態3.
本実施形態では、実施の形態2における電力用半導体装置において増幅回路31の利得を電力用半導体装置外部で調整可能にした構成を示す。このため、図4に示すように、外部端子47a、47bを設け、これらの外部端子47a、47bを介して増幅回路31に対して帰還抵抗R1を外部接続可能な構成としている。ユーザは、所望の抵抗を外部端子47a、47bを介して外付けするにより増幅回路の出力を任意に電力用半導体装置外部から調整可能でき、所望のレベルの電流検出信号を得ることができる。
【0030】
実施の形態4.
図5に本実施の形態における電力用半導体装置の構成を示す。本実施の形態では、図3に示す回路構成においてさらにトリミング回路33を設けている。トリミング回路33は増幅回路31の出力特性を調整する回路であり、コンパレータ21及び増幅回路31が設けられたICと同じIC内に設けられている。トリミング回路33は、例えば増幅回路31のフィードバック抵抗値等を変更することにより増幅回路31の利得を調整する。トリミング回路33は例えばD/Aコンバータからなる。トリミング回路33には制御信号により外部から制御可能となっている。このように外部から制御可能なトリミング回路33により増幅回路31の出力特性を調整できるため、増幅回路31の出力を用いたフィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング素子が形成された半導体チップ上に取り付けられた温度センサからの出力を用いてコンパレータの基準電圧を温度補正するため、スイッチング素子の電流検出のためのセンス端子からの出力に対する温度補正を実現できる。特に、半導体チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、より精度よく温度補正が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電力用半導体装置の要部の構成図
【図2】オンチップ温度センサの出力の温度特性と温度補正回路による補正後の温度特性を示した図
【図3】本発明の実施の形態2の電力用半導体装置の要部の構成図
【図4】本発明の実施の形態3の電力用半導体装置の要部の構成図
【図5】本発明の実施の形態4の電力用半導体装置の要部の構成図
【図6】従来の電力用半導体装置の要部の構成図
【符号の説明】
11u〜11w,11x〜11z IGBT(スイッチング素子)、 15 オンチップ温度センサ、 21 コンパレータ、 23 温度補正回路、 27ドライブ回路、 25 エラー信号出力回路、 31 増幅回路、 45 電流検出信号用端子、 47a,47b 増幅回路の出力特性制御用の外部端子、C IGBTのコレクタ端子、 E IGBTのエミッタ端子、 S IGBTの電流検出用センス端子。
【発明の属する技術分野】
本発明はモータを駆動する電力用半導体装置に関し、特に、電力用半導体装置における過電流及び過電圧保護に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータを駆動する素子であって、IGBT等の半導体素子からなる複数の電力用スイッチング素子を、それらを駆動するドライブ回路とともに1つのパッケージに封止したパワーモジュールがある。そのようなパワーモジュールにおいては、電流検出用抵抗(シャント抵抗)を用いて過電流、短絡電流を検出して回路保護を行なっている。すなわち、過電流保護のために、パワーモジュール外部にてシャント抵抗を接続し、そのシャント抵抗を流れる電流を検出することで過電流を検出している。
【0003】
図6に従来のパワーモジュールとそれに接続したシャント抵抗を示す。同図に示すように、パワーモジュール5は複数のIGBT11u〜11w、11x〜11zと、上アームのIGBT11u〜11wを駆動するドライブ回路51と、下アームのIGBT11x〜11zを駆動するドライブ回路53と、過電流、過電圧を検出したときにIGBTの駆動を停止させる保護回路55とを含む。
【0004】
パワーモジュール5にはシャント抵抗Rsが接続され、下アームのIGBTIGBT11x〜11zに流れる過電流を検出するようになっている。シャント抵抗Rsで検出された電流値は抵抗R2とコンデンサC1からなるフィルタ回路を通して保護回路55に入力される。保護回路55は過電流、過電圧が検出されると、IGBTを停止させるようにドライブ回路53を制御する。
【0005】
以上のような外部にシャント抵抗を接続して過電流を検出する方法では、装置の規模が大きくなるという問題があった。
【0006】
また、シャント抵抗を用いない過電流検出方法としてIGBTのセンス端子からの出力を用いる方法が考案されている。この場合は、IGBTのセンス端子からの出力は温度依存性が高いため、温度補正する必要があり、例えば、正の温度特性を有する抵抗を用いてIGBTのセンス端子からの出力を温度補正して過電流を検出する(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−19164号公報(第4頁〜第7頁、第1図〜第5図)
【0008】
また、電流検出において温度補正を行なう技術としてコンパレータを用いた方法がある(例えば、特許文献2、3参照。)。
【特許文献2】
特開2001−345686号公報(第4頁〜第8頁、第1図〜第3図)
【特許文献3】
特開2002−26707号公報(第4頁〜第5頁、第1図〜第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近年、IGBTのプロセス技術の進展によるIGBTの出力特性の向上にともないIGBTの出力の温度依存性が増大し、より温度変化の影響を受けやすくなったことから、特許文献1等に見られる従来の正の温度特性を有する抵抗を用いた温度補正では、十分な補正が行なえず、検出精度が悪化するという問題が生じてきた。
【0010】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、温度変化に対して精度よく過電流検出を可能とした電力用半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力用半導体装置は、半導体チップ上に形成され、2つの主端子と、主端子間の導通を制御する制御端子と、電流検出のためのセンス端子とを有するスイッチング素子と、半導体チップ上に取り付けられ、前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、スイッチング素子のセンス端子からの出力を一方の入力とし、前記温度センサの出力を他方の入力とし、それらの入力の比較結果を電流検出信号と出力するコンパレータとを備える。上記構成によれば、スイッチング素子が形成された半導体チップ上に取り付けられた温度センサからの出力を用いてコンパレータの基準電圧を温度補正するため、スイッチング素子の電流検出のためのセンス端子からの出力に対する温度補正を実現している。特に、半導体チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、より精度よく温度補正が実現できる。
【0012】
上記の電力用半導体装置において、電流検出信号を電力用半導体装置の外部に出力するための外部端子を備えてもよい。外部端子により電力用半導体装置の外部に電流検出信号が取り出せるため、ユーザはマイコンを用いたるフィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0013】
上記の電力用半導体装置において、スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路を備え、かつ、その増幅回路の出力特性を補正するための補正用端子を外部に設けてもよい。これにより、ユーザは増幅回路の出力特性を外部から補正でき、検出精度の補正が可能となる。
【0014】
上記の電力用半導体装置において、スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路と、その増幅回路の出力特性を調整するトリミング回路とをさらに備えてもよい。コンパレータ、増幅回路及びトリミング回路は同一集積回路内に設けられている。この構成により、フィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電力用半導体装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1に、本発明に係る電力用半導体装置の要部の構成を示す。電力用半導体装置は、U相の電力用スイッチング素子であるIGBT11u、11xと、V相の電力用スイッチング素子であるIGBT11v、11yと、W相の電力用スイッチング素子であるIGBT11w、11zとを有している。各IGBT11u〜11w、11x〜11zはゲート端子G、コレクタ端子C、エミッタ端子Eを有している。また、各相の下アームのIGBT11x〜11zは電流検出用のセンス端子Sを有している。
【0017】
また、電力用半導体装置は温度補正回路23、エラー信号出力回路25、ドライブ回路27を有する。IGBT11u〜11w、11x〜11zは半導体ICチップ上に形成されている。ドライブ回路27、エラー信号出力回路25及び温度補正回路23等も別の半導体ICチップ上に形成されている。これらのICチップが1つのパッケージ内に封止されてパワーモジュールを構成する。
【0018】
U相の下アームのIGBT11xのセンス端子Sはコンパレータ21の一の入力端子に接続される。また、コンパレータ21の他方の入力端子は温度補正回路23を介してIGBTが形成されたICチップ上に取り付けられた温度センサ15に接続される。コンパレータ21他方の入力端子は基準電圧を入力するものであり、温度センサ15からの出力を入力することにより基準電圧の温度補正を実現している。
【0019】
コンパレータ21の出力はエラー信号出力回路25に入力される。エラー信号出力回路25は外部端子43を介して電力用半導体装置外部にエラー信号を出力する。
【0020】
また、IGBT11xは端子41を介して入力されたドライブ信号に基いてドライブ回路27により駆動される。
【0021】
なお、V相、W相の下アームのIGBT11y、11zに対してもU相のIGBT11xと同様にドライブ回路、温度補正回路等が設けられているが、説明の便宜上、図1ではこれらの構成は省略している。
【0022】
図2は、オンチップ温度センサ15の出力温度特性と温度補正回路による補正後の出力特性を示した図である。同図において線Aは温度センサ15の出力電圧の温度依存性を示し、線Bは温度補正回路23の出力電圧の温度依存性を示す。すなわち、温度センサ15はそれが取りつけられたチップの温度に応じた電圧を出力するが、その出力は例えば図2の線Aに示すような温度特性を有する。温度補正回路23は温度センサ15からの出力をコンパレータ21の入力に適した特性に補正する。
【0023】
上記の構成を有する電力用半導体装置の過電流検出について以下に説明する。IGBT11xのセンス端子Sからの出力は抵抗22により電圧に変換されてコンパレータ21の一方の入力端子に入力される。温度センサ15からの出力は温度補正回路23により補正されてコンパレータ21に基準電圧として入力される。コンパレータ21は入力した2つの電圧値を比較して比較結果をエラー信号出力回路25に出力する。
【0024】
コンパレータ21の出力はエラー信号出力回路25に入力され、エラー信号出力回路25はコンパレータ21の出力に基き、外部に対して過電流検出の有無を知らせるエラー信号を出力する。さらに、エラー信号出力回路25は過電流を検出したときは、ドライブ回路27に対してIGBT11u〜11w、11x〜11zの駆動を停止させるための指示を出す。
【0025】
以上のように、IGBTが形成されたICチップ上に取り付けられた温度センサ15からの出力を用いてコンパレータ21の基準電圧を温度補正することにより、IGBTのセンサ端子Sからの出力に対する温度補正を実現している。特に、チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、温度補正の精度を向上できる。
【0026】
実施の形態2.
図3に本発明に係る別の電力用半導体装置の構成を示す。本実施形態の電力用半導体装置は、実施の形態1の電力用半導体装置の構成に加えて、コンパレータ21とセンス端子Sとの間に増幅回路31を挿入し、その増幅回路31の出力(すなわち、検出電流値に対応する電圧)を外部に出力するための端子45を設けたものである。
【0027】
センス端子Sからの信号電圧は微弱であるため、増幅回路31により増幅することにより、端子45を介して電力用半導体装置外部への検出電流値の出力が可能となり、外部マイコンへのフィードバックが可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0028】
なお、図3では、増幅回路31の出力を端子45に接続しているが、コンパレータ21の出力を端子45に接続してもよい。これにより、温度補正された過電流検出情報を外部に出力できる。
【0029】
実施の形態3.
本実施形態では、実施の形態2における電力用半導体装置において増幅回路31の利得を電力用半導体装置外部で調整可能にした構成を示す。このため、図4に示すように、外部端子47a、47bを設け、これらの外部端子47a、47bを介して増幅回路31に対して帰還抵抗R1を外部接続可能な構成としている。ユーザは、所望の抵抗を外部端子47a、47bを介して外付けするにより増幅回路の出力を任意に電力用半導体装置外部から調整可能でき、所望のレベルの電流検出信号を得ることができる。
【0030】
実施の形態4.
図5に本実施の形態における電力用半導体装置の構成を示す。本実施の形態では、図3に示す回路構成においてさらにトリミング回路33を設けている。トリミング回路33は増幅回路31の出力特性を調整する回路であり、コンパレータ21及び増幅回路31が設けられたICと同じIC内に設けられている。トリミング回路33は、例えば増幅回路31のフィードバック抵抗値等を変更することにより増幅回路31の利得を調整する。トリミング回路33は例えばD/Aコンバータからなる。トリミング回路33には制御信号により外部から制御可能となっている。このように外部から制御可能なトリミング回路33により増幅回路31の出力特性を調整できるため、増幅回路31の出力を用いたフィードバック制御が可能となる。このようなフィードバックにより1シャントのベクトル制御と同等の制御が可能となり、外部の回路構成を容易化でき、製造コストを低減できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング素子が形成された半導体チップ上に取り付けられた温度センサからの出力を用いてコンパレータの基準電圧を温度補正するため、スイッチング素子の電流検出のためのセンス端子からの出力に対する温度補正を実現できる。特に、半導体チップ上の温度を補正のための温度情報として用いていることから、より精度よく温度補正が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電力用半導体装置の要部の構成図
【図2】オンチップ温度センサの出力の温度特性と温度補正回路による補正後の温度特性を示した図
【図3】本発明の実施の形態2の電力用半導体装置の要部の構成図
【図4】本発明の実施の形態3の電力用半導体装置の要部の構成図
【図5】本発明の実施の形態4の電力用半導体装置の要部の構成図
【図6】従来の電力用半導体装置の要部の構成図
【符号の説明】
11u〜11w,11x〜11z IGBT(スイッチング素子)、 15 オンチップ温度センサ、 21 コンパレータ、 23 温度補正回路、 27ドライブ回路、 25 エラー信号出力回路、 31 増幅回路、 45 電流検出信号用端子、 47a,47b 増幅回路の出力特性制御用の外部端子、C IGBTのコレクタ端子、 E IGBTのエミッタ端子、 S IGBTの電流検出用センス端子。
Claims (4)
- 半導体チップ上に形成され、2つの主端子と、主端子間の導通を制御する制御端子と、電流検出のためのセンス端子とを有するスイッチング素子と、
前記半導体チップ上に取り付けられ、前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、
前記スイッチング素子のセンス端子からの出力を一方の入力とし、前記温度センサの出力を他方の入力とし、それらの入力の比較結果を電流検出信号と出力するコンパレータと
を備えたことを特徴とする電力用半導体装置。 - 前記電流検出信号を電力用半導体装置の外部に出力するための外部端子を備えたことを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置。
- 前記スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路をさらに備え、その増幅回路の出力特性を補正するための補正用端子を外部に設けたことを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置。
- 前記スイッチング素子のセンス端子からの出力を増幅する増幅回路と、その増幅回路の出力特性を調整するトリミング回路とをさらに備え、前記コンパレータ、前記増幅回路及び前記トリミング回路は同一集積回路に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電力用半導体装置。
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