JP2004116541A - シェル形ころ軸受およびこれを用いたカムフォロア - Google Patents

シェル形ころ軸受およびこれを用いたカムフォロア Download PDF

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Abstract

【課題】油量不足による外輪の損傷を防止して、外輪回転の軸受として支障なく使用できるようにする。
【解決手段】シェル形の外輪2を回転輪とするシェル形ころ軸受であって、シェル形の外輪2の外周面に、軸方向と平行の方向もしくは軸方向と鋭角に交差する方向に沿って油保持用の溝4が複数本形成されている。外輪2の外周面では、溝4により潤滑油との接触面積が拡大して、油の保持量が増える。外輪2は、絞り加工を含む加工工程により製作され、油保持用の溝4は、絞り加工用の雌金型の内周面に設けられた筋状の凸部の転写により形成されることが望ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェル形ころ軸受およびこれを用いたカムフォロアに関する。
【0002】
【従来の技術】
シェル形針状ころ軸受は、シェル形の外輪と、複数の針状ころとを備えたもので、保持器を用いない総ころ形と、保持器付きとの二つのタイプがある。
【0003】
前記シェル形の外輪は、一枚の薄鋼板を素材としてこれに曲げ加工、絞り加工を行って、一旦、有底の筒体を形成した上で、この筒体に鍔部を形成する等の加工を施して仕上げられる。
【0004】
このシェル形針状ころ軸受は、通常、ハウジングの孔の内径部に所定のしめしろで圧入することで取り付けられるもので、したがって、外輪固定、もしくは外輪非回転の軸受として使用されるのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のシェル形針状ころ軸受については、小さなスペースで大きい定格荷重を有することから、外輪回転の軸受として使用することが一部で考えられている。
【0006】
しかしながら、従来のシェル形針状ころ軸受は、外輪回転の軸受として使用することが予定されておらず、また、外輪が絞り加工等により成形されるため、外輪の外周面は凹凸のない平滑面となっている。
【0007】
このような外輪の外周面は、潤滑油との接触面積が小さくて、保持される油量が極めて少なく、この外周面に他の回転部材が転接するようになると、油量不足から焼き付き、摩耗等の損傷が生じやすい。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、油量不足による外輪の損傷の発生を防止して、外輪回転の軸受として支障なく使用できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を達成するために、シェル形の外輪を回転輪とするシェル形ころ軸受であって、前記外輪の外周面に、軸方向と平行の方向もしくは軸方向と鋭角に交差する方向に沿って油保持用の溝が複数本形成されているシェル形ころ軸受を構成している。
【0010】
この構成によれば、外輪の外周面に溝があることで、外輪外周面と潤滑油との接触面積が広くなって、保持される潤滑油の量が増え、外輪の外周面には、前記の溝を中心に広い範囲にわたって油膜が形成される。この油膜の存在で、外輪の外周面にカムのような他の回転部材が頻繁に転接しても、過度の摩擦を生じることがなく、焼き付きや摩耗等の損傷の発生が防止される。
【0011】
この場合、油保持用の溝の方向は、外輪の周方向に対して交差しているので、該溝に保持されている潤滑油が、外輪に転接する回転部材により掻き出されたり押し出されたりすることがなく、溝には潤滑油が長く残存し、油膜形成効果が長期間維持される。
【0012】
なお、油保持用の溝は、必ずしも外輪の軸方向全幅にわたって形成する必要はなく、外輪の軸方向幅より短くてもよく、また、全体が曲線状であったり、中途部で湾曲したり屈曲していてもよい。シェル形の外輪の内周に配置されるころは、針状ころのほか、円筒ころであってもよい。
【0013】
上記のシェル形ころ軸受において、外輪は、絞り加工を含む加工工程により製作されるものであり、油保持用の溝は、絞り加工で用いる雌金型の内周面に設けられた筋状の凸部からの転写により形成されるものであることが望ましい。
【0014】
この構成によれば、外輪の製作時に絞り加工に使用する雌金型の内周面に、油保持用の溝に対応する筋状の凸部を予め形成しておけばよく、これで絞り加工と同時に、外輪の外周面に油保持用の溝が形成される。したがって、従来の外輪の製作工程の一部をそのまま利用することができ、新たな工程を付加する必要がなく、コスト面で有利である。
【0015】
上記構成のシェル形ころ軸受を、カムに当接する回転体としてカムフォロアに使用した場合は、カムフォロアの小型化、軽量化に役立つ。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1ないし図3は、本発明の第1実施形態に係り、図1は、第1実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の半部を断面した側面図、図2は、図1の軸受の外輪の一部を拡大して示した断面図、図3は、図1の軸受の外輪の製作過程を示す説明図である。これらの図には、総ころ形で開放形のシェル形針状ころ軸受を例示している。
【0017】
図1において、符号1はシェル形針状ころ軸受の全体を示し、2はシェル形の外輪、3は針状ころである。シェル形の外輪2は、内周に軌道面を有する円筒部2aと、この円筒部2aの軸方向両端にそれぞれ内径側に向けて延出形成された鍔部2b,2cとを有する。両鍔部2b,2cのうち、軸方向一端(図において、左端)の比較的厚肉のものが先曲げ側の鍔部2bであり、軸方向他端の薄肉のものが後曲げ側の鍔部2cである。針状ころ3は、多数のものが外輪2の内径側に保持器なしで配置されている。
【0018】
外輪2の円筒部2aの外周面には、軸方向と平行の方向に沿って油保持用の溝4が多数本形成されている。図示の例では、これらの溝4,…は、それぞれ外輪円筒部2aの軸方向のほぼ全幅にわたる長さを有し、互いに円筒部2aの周方向に沿ってほぼ等間隔に設けられている。溝4の本数や間隔は、外輪2の外周面にカムを転接させて使用する場合において、いずれかの溝4がカムに接するように設定すればよいが、具体的には、円周方向等間隔に10本以上、好ましくは30本程度設けられる。
【0019】
油保持用の溝4の長さは、外輪円筒部2aの軸方向幅より大幅に短く設定したり、円筒部2aの周方向に沿った溝4相互間の間隔を不均一にすることも可能で、要するに、外輪円筒部2aの外周面の全体に油保持用の溝4がほぼ均等に分散して設けられていればよい。
【0020】
油保持用の溝4の断面形状は、図2に示す半円弧状のほか、U字形や、V字形、上向きコ字形等、どのような断面形状でもよいが、外輪2の強度に与える影響や、後に説明するように転写により形成することを考慮すると、半円弧状のように、底部が丸い断面形状が好適である。
【0021】
また、この油保持用の溝4の断面形状の大きさ、すなわち開口幅Aと深さBとの関係は、A≧Bとされる。具体的には、例えば、上記関係を維持した上で、開口幅Aを0.05〜5mm、深さBを0.05〜1mmの範囲で設定することができる。溝4の深さBは、円筒部の板厚の10%以内に収めることが望ましい。
【0022】
上記の構成によれば、外輪2の外周面に多数の溝4があることで、外輪2の外周面と潤滑油との接触面積が広くなって、保持される潤滑油の量が増え、外輪2の外周面には、前記の溝4を中心に広い範囲にわたって油膜が形成される。この油膜の存在で、外輪2の外周面に転接する他の回転部材との間で過度の摩擦を生じることがなく、焼き付きや摩耗等の損傷が発生しなくなる。
【0023】
この場合、油保持用の溝4の方向は、外輪2の周方向に対して直交しているので、該溝4に保持されている潤滑油が、外輪2に転接する回転部材により掻き出されたり押し出されたりすることがなく、溝4には潤滑油が長く残存し、油膜形成効果が長期間維持される。
【0024】
次に、前記したシェル形の外輪2の製作過程を図3の(A)〜(E)に基づいて説明する。この製作過程は、従来のこの種のシェル形の外輪の製作過程と大きく異なるものではないが、この製作過程の一部を利用して、外輪2の外周面に油保持用の溝4を形成する点に特徴がある。
【0025】
(A)第1の工程では、所要の径の薄鋼板を素材として、これに曲げ加工を施して、図3の(A)に示すように、底の浅い椀形の素体2を成形する。
【0026】
(B)第2工程では、絞り加工により、前記の椀形の素体2から、図3の(B)に示すような底の深い有底の筒体2を作る。
【0027】
この際、有底の筒体2を受ける雌金型(図示省略)の内周面には、油保持用の溝4に対応する筋状凸部が予め放電加工等により形成されており、この筋状凸部を有する内周面には有底の筒体2の外周面が圧接する。この圧接により、図3の(B)の右側に示すように、有底の筒体2の外周面には凸部が転写されて、油保持用の溝4ができる。したがって、従来通りに絞り加工を行うだけで、これと同時に、油保持用の溝4が形成されることになる。
【0028】
(C)第3の工程では、後曲げ側の鍔部2cが形成される部分、すなわち、有底の筒体2の開口部分がトリミングされ、図3の(C)に示すような、開口部が薄肉になった筒体2が得られる。
【0029】
(D)第4の工程では、開口部が薄肉になった筒体2の底部に孔明け加工を施す。これで図3の(D)に示すような、底部に孔がある筒体2が得られる。孔が明いた底部が先曲げ側の鍔部2bになる。
【0030】
(E)第5の工程では、第4の工程で得られた筒体2の薄肉の開口部に曲げ加工が施されて、図3の(E)に示すように、後曲げ側の鍔部2cが形成され、ほぼ外輪2の完成形2となり、こののち、これに熱処理がなされて、図1に示した外輪2が完成する。
【0031】
上記の製作過程では、絞り加工用の雌金型の内周面に、油保持用の溝4に対応する筋状の凸部を設けておけば、絞り加工と同時に、外輪2に油保持用の溝4が形成されるから、従来の外輪の製作過程の一部をそのまま利用でき、新たに工程を付加する必要がない。
【0032】
なお、油保持用の溝4は、前記のような転写によらずに、切削等、他の手段で形成することが可能である。
【0033】
〔第2実施形態〕
図4は、本発明の第2実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の半部を断面した側面図で、ここでは総ころ形で開放形のシェル形針状ころ軸受を例示している。
【0034】
この実施形態のシェル形針状ころ軸受12が、シェル形の外輪2と、複数の針状ころ3からなり、シェル形の外輪2が、内周に軌道面を有する円筒部2aと、この円筒部2aの軸方向両端にそれぞれ形成された鍔部2b,2cとを有する点は、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1と同じであり、したがって、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1と共通する部分には、図1と同じ符号を付している。
【0035】
この実施形態のシェル形針状ころ軸受12が、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1と異なるのは、外輪2の円筒部2aの外周面に、軸方向と鋭角に交差する方向に沿って油保持用の溝41,42が形成されていることである。
【0036】
これらの溝41,42は、曲線状のものであってもよいが、図示例では、油保持用の溝41,42は側面視で直線状で、これには傾斜方向が異なる2種類のものがある。一方の種類の溝41は、軸方向に対して傾斜角度α(図4において、右下がりの傾斜角度)で交差しており、他方の種類の溝42は、一方の種類の溝41とは逆方向に傾斜していて、軸方向に対して傾斜角度β(図4において、左下がりの傾斜角度)で交差している。
【0037】
これら油保持用の溝41,42の長さについては、図示例のように、円筒部2aの軸方向のほぼ全幅にわたる長さとするほか、それより大幅に短い長さとしてもよく、また、形状については、直線状のものに限らず、長手方向中途部で湾曲したり屈曲した形状のものであってもよい。さらに、溝41,42の軸方向に対する傾斜角度は、鋭角の範囲内で設定することができ、要するに、外輪2の周方向と交差する角度であればよい。各溝41,42の傾斜角度を種々の角度に設定して、傾斜方向が異なる3種類以上の溝を形成することもできる。もちろん、長手方向が同一の1種類の溝のみを形成することも可能である。
【0038】
その他、油保持用の溝41,42の断面形状や、その大きさについての許容条件、好適条件は、第1実施形態における油保持用の溝4と特に変わらない。
【0039】
シェル形の外輪2の製作方法や、油保持用の溝41,42の形成方法については、第1実施形態の場合と同様に、外輪2は、曲げ加工や絞り加工を含む加工工程により製作される。また、油保持用の溝41,42は、外輪2の素材を絞り加工する際に、絞り加工用の雌金型の内周面に設けられた筋状の凸部の転写により形成される。
【0040】
前記の絞り加工は、通常、粗絞りおよび仕上げ絞りのように、複数段にわたって行われるから、この複数段の絞りを利用して、傾斜方向が異なる2種類の溝41,42が形成される。すなわち、粗絞りの段階で、傾斜方向が同一の一方の種類の溝41(42)が転写により形成され、次の絞りの段階で、傾斜方向が異なる他方の溝42(41)が転写により形成される。
【0041】
上記構成のシェル形針状ころ軸受12では、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1と同様に、油保持用の溝41,42に潤滑油が保持されるので、外輪2の外周面には、溝41,42を中心に油膜が形成され、この油膜の存在で、焼き付きや摩耗等の損傷の発生が防止される。しかも、溝41,42の方向が、外輪2の周方向に対して交差しているので、該溝41,42に保持されている潤滑油が、外輪2に転接する部材により掻き出されたり押し出されたりすることが少なく、油膜形成効果が長期間維持される。
【0042】
さらに、この第2実施形態のシェル形針状ころ軸受12では、軸方向に対して傾斜した状態で設けられた油保持用の溝41,42のそれぞれが、外輪2の外周面を広い角度範囲でカバーするので、これらの溝41,42を中心に、外輪2の外周面には全周にわたって油膜が形成されることになり、軸方向と平行に溝4が形成されている場合に比べ、油膜が外輪の外周面の全周に及び、油膜が周方向各所で途切れることが少ない。
【0043】
〔第3実施形態〕
図5は、本発明の第3実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の側面図である。この実施形態のシェル形針状ころ軸受13では、外輪2の円筒部2aの外周面に、スパイラル状の油保持用の溝43が形成されている。この溝43は、例えば、外輪2の外径に一致する内径の孔の内周面に、溝43の断面形状に対応した凸部を有する金型を用い、この金型の孔内に外輪2となる素材を、ねじりながら通すことで形成される。
【0044】
この溝43は、外輪2の外周面を広い角度範囲でカバーするので、軸方向と平行に溝4が形成されている場合に比べ、油膜が外輪の外周面の全周に及び、油膜が周方向各所で途切れることが少ない点は、第2実施形態の場合と同じである。
【0045】
〔第4実施形態〕
第4実施形態は、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1の使用形態を例示するもので、図6は、前記シェル形針状ころ軸受1を含むカムフォロアとしてのロッカアームの縦断側面図、図7は、図6のロッカアームの平面図である。
【0046】
これらの図において、符号30はロッカアームの全体を示し、31はカム、32は、傾動支持部となるラッシュアジャスタ、33はバルブである。
【0047】
ロッカアーム30は、エンドピボットタイプで、互いに対向する一対の側壁34,35を備えている。一対の側壁34,35の長手方向一端部間には、ラッシュアジャスタ32の上端部に嵌合するピボット部36が設けられ、長手方向他端部間には、バルブ33に当接されるバルブ係合部37が設けられている。
【0048】
ロッカアーム30の側壁34,35の長手方向中間部間に支軸38が架設され、この支軸38には、これの外周に回転自在に支持されてカム31に当接される回転体として、第1実施形態のシェル形針状ころ軸受1が設けられている。したがって、シェル形針状ころ軸受1は、支軸38を内輪とする外輪回転型の軸受となっており、そのシェル形の外輪2の外周面にカム31が転接する。
【0049】
シェル形の外輪2の外周面には油保持用の溝4が形成されているので、外輪2の外周面と潤滑油との接触面積が広くなっており、外輪2の外周面には油膜が形成される。この油膜の存在で、焼き付きや摩耗等の損傷の発生が防止される。
【0050】
上記構成のロッカアーム30は、カム31に当接する回転体としてシェル形針状ころ軸受1を用いることで、小型化、軽量化が可能になる。このロッカアーム30に、第2実施形態のシェル形針状ころ軸受12を使用しうることは言うまでもない。
【0051】
〔他の実施形態〕
第1および第2実施形態では、総ころ形で開放形のシェル形針状ころ軸受を示したが、本発明は、保持器付きのシェル形針状ころ軸受にも適用可能である。また、本発明は、一端密閉形のシェル形針状ころ軸受に適用して、そのシェル形針状ころ軸受を、スタッド形のカムフォロアのように、回転体を片持ちの軸で支持するカムフォロアに、カムに当接する回転体として組み込んでもよい。
【0052】
シェル形の外輪の内周に配置されるころは、針状ころに限らず、円筒ころであってもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、外輪の外周面に溝が形成されることで、潤滑油との接触面積が拡大し、外輪の外周面には油膜が形成される。そのため、外輪の外周面にカムのような他の回転部材が頻繁に転接しても、過度の摩擦を生じることがなく、焼き付きや摩耗等の損傷の発生が防止され、外輪回転型の軸受として支障なく使用できる。
【0054】
また、油保持用の溝は、外輪の周方向に対して交差しているので、該溝に保持されている潤滑油が、外輪に転接する回転部材により掻き出されたり押し出されたりすることがなく、油膜形成効果が長期間維持される。
【0055】
油保持用の溝が、絞り加工用の雌金型からの転写により形成されるようにすると、外輪の素材の絞り加工と同時に、外輪の外周面に油保持用の溝が形成されることになり、従来の外輪の製作工程の一部をそのまま利用することができ、新たな工程を付加する必要がなく、コスト面で有利である。
【0056】
本発明のシェル形ころ軸受を、カムに当接する回転体としてカムフォロアに使用した場合は、カムフォロアの小型化、軽量化に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の半部を断面した側面図である。
【図2】図1の軸受の外輪の一部を拡大して示した断面図である。
【図3】図1の軸受の外輪の製作過程を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の半部を断面した側面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るシェル形針状ころ軸受の側面図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示すもので、シェル形針状ころ軸受を含むロッカアームの縦断側面図である。
【図7】図6のロッカアームの平面図である。
【符号の説明】
1  シェル形針状ころ軸受
2  シェル形の外輪
3  針状ころ
4  油保持用の溝
30 ロッカアーム

Claims (3)

  1. シェル形の外輪を回転輪とするシェル形ころ軸受であって、前記外輪の外周面に、軸方向と平行の方向もしくは軸方向と鋭角に交差する方向に沿って油保持用の溝が複数本形成されているシェル形ころ軸受。
  2. 請求項1に記載のシェル形ころ軸受において、
    前記外輪は、絞り加工を含む加工工程により製作されるものであり、前記油保持用の溝は、絞り加工で用いる雌金型の内周面に設けられた筋状の凸部からの転写により形成されるものであるシェル形ころ軸受。
  3. 一対の側壁を有する胴体と、前記一対の側壁間には架設される支軸と、この支軸の外周に回転自在に支持され、かつ外周面にカムが当接される回転体とを含み、
    前記回転体が、請求項1または請求項2に記載のシェル形ころ軸受とされているカムフォロア。
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DE102007027772A1 (de) 2007-06-16 2008-12-24 Ab Skf Anodnung zur Lagerung eines Maschinenteils

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