JP2004114497A - プレス用クッション材 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱プレス時の加熱や加圧に対して優れた寸法安定性を示すプレス用クッション材を提供すること。
【解決手段】プレス用クッション材の構造部材中に、加熱や加圧に対して反りや膨張などの変形を生じにくい、ポリアミドマトリクス中に微小なガラス粒子を分散した有機無機複合体を含有させることにより、該プレス用クッション材は熱プレス時の加熱や加圧に対して反りや膨張などの変形が生じにくくなり、優れた寸法安定性を示す。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱プレス成形に使用するクッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板や、建築用化粧合板などの積層板を製造する際の熱プレス工程においては、積層板に加わる温度や圧力を均一にするためにプレス用クッション材が使用されている。この種のプレス用クッション材としては、有機繊維、無機繊維、ゴム、樹脂などの単一材料からなるもの、これらを混合、混抄して形成した複合材料からなるもの、あるいは、これら単一材料、複合材料からなる構成部材を積層した積層体など多くの種類のものがある。こうしたプレス用クッション材には、クッション性や耐熱性、あるいは寸法安定性などの諸特性を満足することが要求され、これら要求に対して、上記したように各種材料や構成部材を組合わせて、使用時に必要とされる特性を有するクッション材が適宜選択されている。
【0003】
例えば、ゴム層を基材として、その表面に耐熱性の繊維からなる層を積層したプレス用クッション材は、構造部材としてゴム層と耐熱性の繊維からなる層を有するため、クッション性や耐熱性に優れる(例えば、特許文献1参照。)。しかし、熱プレス時にゴム層部分が、ゴム層表面と平行な方向に伸びやすく、成型品に要求される寸法精度が得られないという問題があった。
【0004】
また、有機繊維のなかでも耐熱性や耐久性の高い芳香族ポリアミドのみを構成部材として使用したプレス用クッション材は、高い耐熱性を有し、かつ、同種の有機繊維のみから構成されているため構造部材が異なる場合に生じる積層部のたわみや皺などが生じにくい(例えば、特許文献2参照。)。さらに、芳香族ポリアミドと、機械的強度に優れた無機繊維とを混抄して、耐熱性や耐久性を向上させたプレス用クッション材は、他の材料を構成部材として使用したプレス用クッション材よりも耐熱性が高く、また加熱や加圧に対して寸法安定性のよい無機繊維を含んでいるため膨張や反りなどの変形が生じにくい(例えば、特許文献3参照。)。しかし、これら構造部材に有機繊維を含有するプレス用クッション材は、有機繊維自体の寸法変化を抑制することはできないため、高い寸法精度の求められる熱プレス成形においては十分な寸法安定性を有していなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−125142号公報
【特許文献2】
特開平8−169074号公報
【特許文献3】
特開昭59−192795号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、寸法安定性に優れたプレス用クッション材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のプレス用クッション材は、構造部材として、加熱や加圧に対して反りや膨張などの変形を生じにくい、ポリアミドマトリクス中に微小なガラス粒子を分散した有機無機複合体を含有させることにより、熱プレス時の加熱や加圧に対して優れた寸法安定性を示す。
【0008】
すなわち本発明は、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体を含有する構造部材からなるプレス用クッション材を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のプレス用クッション材は、構造部材が、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体(以下、該有機無機複合体を有機無機複合体(A)と略記する。)を含有する。ここでいう構造部材とは、プレス用クッション材に特定の形状を持たせるための部材を意味し、例えば、ゴムや耐熱性樹脂のシート、あるいは不織布などを指す。
【0010】
本発明に使用する有機無機複合体(A)は、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を水に対して非相溶な有機溶媒に溶解した溶液と、水ガラスとジアミンの水溶液とを混合攪拌する界面重縮合により得られる。
【0011】
ジカルボン酸の酸ハロゲン化物としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸など脂肪族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、およびイソフタル酸、テレフタル酸など芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物、あるいはこれら芳香環の1個以上の水素をハロゲン、ニトロ基、アルキル基などで置換した芳香族ジカルボン酸の酸ハロゲン化物などが例として挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
ジアミンとしては、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物と反応するものであれば特に制限なく用いることができ、1,2−アミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサンなどの脂肪族ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミン、あるいはこれら芳香環の1個以上の水素をハロゲン、ニトロ基、またはアルキル基などで置換した芳香族ジアミンなどが例として挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を溶解する、水に対して非相溶な有機溶媒としては、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物やジアミンと反応しないものであればよく、例えばトルエン、キシレン、クロロホルム、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0014】
水に非相溶な有機溶媒溶液中におけるジカルボン酸の酸ハロゲン化物の濃度は0.01〜3mol/lの範囲、水溶液中におけるジアミンの濃度は、0.01〜3mol/lの範囲であることが好ましい。上記濃度の有機溶媒溶液と水溶液を、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物とジアミンとがほぼ等モルになる割合で混合撹拌して、界面重縮合させることにより、ポリアミドマトリクスを形成できる。
【0015】
本発明に使用する有機無機複合体(A)に含まれるガラス粒子は、水ガラスの還元反応により得られる。使用する水ガラスとしては、JIS K 1408−1950に記載された水ガラス1号、2号、3号、4号などのMO・nSiOの組成式で表され、Mがアルカリ金属、nの平均値が1.2〜4のものが挙げられる。該水ガラスをジカルボン酸の酸ハロゲン化物とジアミンとの界面重縮合反応場に共存させることで、重縮合反応により生じるハロゲン化水素により水ガラスが還元されてガラス粒子となる。該反応がジカルボン酸の酸ハロゲン化物とジアミンとの界面重縮合反応と並行して進行することにより、ガラスの微粒子がポリアミドマトリクス中に均一に分散し、得られる有機無機複合体(A)は低い線熱膨張係数を有している。
【0016】
ポリアミドマトリクス中に分散させるガラス粒子の平均粒子径は3〜300nmの範囲であることが好ましい。ガラス粒子の平均粒子径が300nmを超えて大きすぎると、ガラス粒子の単位質量あたりの表面積が減少するため有機無機複合体(A)の比表面積が減少し、ポリアミドマトリクスとガラス粒子との接触面積の減少によりガラス粒子の脱落が生じることがある。また、ガラス粒子の平均粒子径が3nmよりも小さすぎると、加熱や加圧に対する寸法安定性が低下する。
【0017】
水溶液中の水ガラスの濃度は、4〜100g/lの濃度範囲であれば、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物とジアミンとの重縮合反応、および水ガラスの還元反応が共に良好に進行し、ポリアミドマトリクス中に平均粒子径が3〜300nmのガラス粒子が分散した有機無機複合体が得られる。水ガラスの濃度が、4g/l未満であると有機無機複合体(A)中のガラス粒子が不足する。100g/lを越えて多すぎると水溶液の粘度が高くなり、重縮合反応や還元反応が良好に進行しない。
【0018】
重縮合反応場に共存させる水ガラスは、重縮合反応時に生じるハロゲン化水素を中和して重縮合反応を促進させる作用も有するが、ジアミンや水ガラスが少なく、ハロゲン化水素が重縮合反応の進行を阻害する場合には水酸化ナトリウムなどの酸受容体を添加してもよい。
【0019】
有機無機複合体(A)中のガラス粒子の含有率は水ガラス濃度を調整することで制御できる。本発明の有機無機複合体(A)に含まれるガラス粒子の含有率は有機無機複合体(A)の全質量に対して30〜80質量%の範囲が好ましく、50〜70質量%の範囲であればより好ましい。ガラス粒子の含有率が30質量%未満であると、ガラス粒子が有機無機複合体(A)に与える補強効果が小さくなるため、加熱や加圧に対する寸法安定性が低下する。80質量%を越えて多すぎると、結合成分であるポリアミドが不足する。
【0020】
上記したように、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物の水に対して非相溶な有機溶媒溶液と、水ガラスとジアミンの水溶液とを混合攪拌する方法により、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物とジアミンとが重縮合してポリアミドを生成するとともに、水ガラス中のアルカリ金属が酸受容体として働き、水ガラスが固体のガラス粒子となり、該ガラス粒子がポリアミドマトリクス中に分散し、有機無機複合体(A)が得られる。
【0021】
該有機無機複合体(A)は、低い線熱膨張係数を有することから、構造部材に該有機無機複合体(A)を含有するプレス用クッション材は寸法安定性が高い。特に構造部材中の有機無機複合体(A)の含有量が、構造部材の全質量に対して70%以上であると、本発明の効果が顕著に表れる。
【0022】
本発明に使用する有機無機複合体(A)の形状としては、幅4〜80μm、長さ100μm以上の繊維形状であることが好ましい。該形状の有機無機複合体(A)は、該形状の有機無機複合体(A)同士、あるいは、他の繊維形状材料との交絡性に優れるため、構造部材中に該形状の有機無機複合体(A)を含有するプレス用クッション材は、熱プレス時に構成材料の欠落が生じにくい。なかでも、長さが100〜1000μmのものは特に交絡性に優れる。
【0023】
ここで、繊維形状とは幅に対して長さの比が大きい、細長い形状のことを意味する。有機無機複合体(A)の長さとは、有機無機複合体(A)の投影輪郭形状の外周上の最大二点間距離をいい、幅とは長さの方向に直角な線が投影輪郭を横切る距離のことをいう。
【0024】
繊維形状の有機無機複合体(A)は、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物を水に対して非相溶な有機溶媒に溶解した溶液と、水ガラスとジアミンの水溶液とを混合攪拌して界面重縮合させる際に、該混合物にせん断応力を与えることによって得られる。
【0025】
繊維形状の有機無機複合体(A)の製造方法としては、ジカルボン酸の酸ハロゲン化物の水に対して非相溶な有機溶媒溶液と水ガラスとジアミンの水溶液とを効率よく接触させることができ、生じた反応物にせん断応力を与えられる方法であればよく、連続式の製造方法としては、例えば、反応装置壁面と撹拌翼とにせん断能力を有する突子を持つ連続反応装置内に両溶液を流通させ、重合する固形分に連続的にせん断応力を与える方法が挙げられる。具体的な装置としては大平洋機工株式会社製「ファインフローミルFM−15型」、同社製「スパイラルピンミキサSPM−15型」、あるいは、INDAG Machinenbau Gmb社製「ダイナミックミキサDLM/S215型」などが挙げられる。
【0026】
バッチ式の製造方法としては、例えば、高いせん断力を持つ高速攪拌翼と反応槽の内容物全体を混合し得る攪拌翼とを有する多軸攪拌装置により、攪拌翼のみの攪拌下で予備重合した後、高速攪拌翼を攪拌し重合、せん断する方法が挙げられる。具体的な装置としては井上製作所株式会社製2軸ミキサー「BDM−V−270V」、浅田鉄工株式会社製「コーネルデスパーMHK−10型」、あるいは特殊機化株式会社製「コンビミックスCBS−100」などが挙げられる。また、生成物を手動で解砕できる場合には、強いせん断力を持つ単軸のミキサーも用いることができる。例としてはOsterizer製ブレンダーなどが挙げられる。
【0027】
ジカルボン酸の酸ハロゲン化物と、ジアミンとを重縮合反応させる温度は、例えば−5〜70℃の温度範囲で十分に反応が進行する。
【0028】
上記方法により製造した有機無機複合体(A)は繊維形状を有し、せん断能力を有する撹拌翼の周速を調整することにより、長軸方向の平均長さを30μm〜30cm程度に調整できる。撹拌翼の周速は使用する原料の種類や量、あるいは使用する装置により適宜調整する必要があるが、析出した有機無機複合体(A)を分級すれば、本発明において好適に使用できる、幅が4〜80μm、長さが100μm以上の繊維形状を有する有機無機複合体(A)が得られる。
【0029】
繊維形状の有機無機複合体(A)は、該形状の有機無機複合体(A)同士、あるいは他の繊維材料との交絡性に優れるため、結合剤を使用しなくても公知慣用の抄造方法により抄造して簡便に不織布を得ることができる。不織布を製造する方法としては、例えば、該形状の有機無機複合体(A)を、含水率が80〜90質量%のウェットケーキとし、該ウェットケーキを水浴に分散させた後、分散液を濾材に通じて抄造し、抄造物を熱プレスする方法が挙げられる。該方法により得られた不織布は、プレス用クッション材の構造部材として、あるいは、積層して1〜7mm程度の厚さのプレス用クッション材として好適に使用できる。
【0030】
抄造の際には、ポバールなどの繊維結合剤やアラミド、アクリル、ポリエステルなどの他の繊維を共存させ、混抄しても良い。なかでも、ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)や、ポリ(m−フェニレンイソフタラミド)などのアラミド繊維は、繊維形状の有機無機複合体(A)と良好な混抄性を示し、かつ高い強度を有するため、繊維形状の有機無機複合体(A)とアラミド繊維を混抄して得られる不織布を構造部材とするプレス用クッション材は、構成材料の欠落がほとんどなく、優れた強度と寸法安定性を示す。
【0031】
不織布に含まれるアラミド繊維の含有率は、プレス用クッション材の全質量に対して5〜30質量%の範囲であることが好ましい。プレス用クッション材に含まれるアラミド繊維の含有率が5%未満であると強度に及ぼす効果が不十分となり、30質量%を超えると、有機無機複合体(A)の有する優れた寸法安定性の向上効果が十分に得られない。
【0032】
本発明のプレス用クッション材は、熱プレス時の加熱や加圧に対して優れた寸法安定性を示すことから、プリント配線用基板や、建築用化粧合板などの積層板を製造する際の熱プレス工程に好適に使用することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
キシダ化学株式会社製「ケイ酸ナトリウム(3号)水溶液」(NaO・3.1SiO、水分量60質量%)30gと、1,6−ジアミノヘキサン4.64gとを水に溶解した全量300mlの水溶液を、30℃に保ったOsterizer社製ブレンダー瓶に仕込み、付属の撹拌翼を毎分5000回転で撹拌しながら、アジポイルクロライド7.32gをトルエンに溶解した全量180mlの有機溶媒溶液を一度に加えた。2分間撹拌した後、析出物をろ過し、アセトンおよび水で洗浄して、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体のウェットケーキ(含水率90質量%)を得た。
【0034】
得られたウェットケーキ130gを1000mlの水に分散させ、該分散液を100μm目開きのろ過器でろ過し、ろ過物を50℃で乾燥して、厚さが40μmの不織布(含水率50質量%)を得た。該不織布を100枚重ね、熱プレス機により140℃、3MPaの条件で加熱、加圧して厚さが2mmのプレス用クッション材を得た。
【0035】
(実施例2)
実施例1において得られた、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体のウェットケーキ100gと、デュポン社製ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)繊維「Kevlar」(繊維長さ3000μm、繊維幅12μm)3gとを1000mlの水に分散させ、該分散液を100μm目開きのろ過器でろ過し、ろ過物を50℃で乾燥して、厚さが40μmの不織布(含水率50質量%)を得た。該不織布を100枚重ね、熱プレス機により140℃、3MPaの条件で加熱、加圧して厚さが2mmのプレス用クッション材を得た。
【0036】
(実施例3)
実施例1におけるキシダ化学株式会社製「ケイ酸ナトリウム(3号)水溶液」(NaO・3.1SiO、水分量60質量%)30gの代わりに、キシダ化学株式会社製「ケイ酸ナトリウム(3号)水溶液」(NaO・3.1SiO、水分量60質量%)11gを使用した以外は実施例1に記載した方法と同様にしてポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体のウェットケーキ(含水率90質量%)を得た。
【0037】
得られたウェットケーキ100gと、デュポン社製ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)繊維「Kevlar」(繊維長さ3000μm、繊維幅12μm)3gとを1000mlの水に分散させ、該分散液を100μm目開きのろ過器でろ過し、ろ過物を50℃で乾燥して、厚さが20μmの不織布(含水率50質量%)を得た。該不織布を200枚重ね、熱プレス機により140℃、3MPaの条件で加熱、加圧して厚さが2mmのプレス用クッション材を得た。
【0038】
(比較例1)
1,6−ジアミノヘキサン4.64gを水に溶解した全量300mlの水溶液を、30℃に保ったOsterizer社製ブレンダー瓶に仕込み、付属の撹拌翼を毎分5000回転で撹拌しながら、アジポイルクロライド7.32gをトルエンに溶解した全量180mlの有機溶媒溶液を一度に加えた。2分間撹拌した後、析出物をろ過し、アセトンおよび水で洗浄して、ウェットケーキ(含水率90質量%)を得た。
【0039】
得られたウェットケーキ130gを1000mlの水に分散させ、該分散液を100μm目開きのろ過器でろ過し、ろ過物を50℃で乾燥して、厚さが40μmの不織布(含水率50質量%)を得た。該不織布を100枚重ね、熱プレス機により140℃、3MPaの条件で加熱、加圧して厚さが2mmのプレス用クッション材を得た。
【0040】
(比較例2)
ロックウール繊維8gとデュポン社製ポリ(p−フェニレンテレフタラミド)繊維「Kevlar」(繊維長さ3000μm、繊維幅12μm)2gとを1000mlの水に分散させ、該分散液を100μm目開きのろ過器でろ過し、ろ過物を50℃で乾燥して、厚さが40μmの不織布(含水率が50%)を得た。該不織布を100枚重ね、熱プレスにより140℃、3MPaの条件で加熱、加圧して厚さが2mmのプレス用クッション材を得た。
【0041】
上記実施例1〜3、および比較例1〜2で得られたプレス用クッション材について以下の項目の測定を行い、得られた結果を表1に示した。
【0042】
(1)有機無機複合体の形状測定
プレス用クッション材の製造過程で得られた、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体を乾燥させ、株式会社ニコン製光学顕微鏡「OPTI−POL」を用いて100本の有機無機複合体を200倍の倍率で観察して、有機無機複合体の長さと幅を測定し、その平均値を算出した。
【0043】
(2)ガラス粒子の粒子径測定
プレス用クッション材より厚み50nmの試料を作成し、得られた試料を日本電子株式会社製透過型電子顕微鏡「JEM−200CX」により100000倍の倍率で観察して、100個のガラス粒子の粒子径を測定し、その平均粒子径を算出した。
【0044】
(3)ガラス粒子の含有率の測定
プレス用クッション材の製造過程で得られた、ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体の乾燥物約1gの質量を精秤し、これを空気中、750℃で3時間焼成してポリアミドを完全に焼失させた。焼成後の質量を測定して、これをガラス質量とした。これらの値より、ガラス含有率(質量%)を(式1)により算出した。
ガラス含有率=(ガラス質量/有機無機複合体質量)×100 (式1)
【0045】
(4)線熱膨張係数の測定
セイコー電子工業株式会社製熱機械特性測定機「TMA−SS120C」により、プレス用クッション材を空気中、2℃/分の昇温速度で20℃から250℃まで昇温して線熱膨張係数を測定した。
【0046】
(5)反り量の測定
30cm×30cmのクッション材を熱プレス機により、200℃、40MPaの条件で2時間熱プレス後、30℃、0MPaまで冷却、減圧する操作を50回繰り返し、クッション材の凸面を上向きにして無荷重の状態で水平な定盤上に置き、定盤とクッション材の凸部との隔たりL(cm)を測定し、反り量を(式2)により算出した。
反り量=L/30×100               (式2)
【0047】
(5)構成成分の欠落量の測定法
上記(4)の反り量の測定において欠落した構成成分を秤量し、プレス前の初期質量に対する構成成分の欠落量を質量%で求めた。
【0048】
【表1】
Figure 2004114497
【0049】
表1から明らかなように、本発明のプレス用クッション材は、比較例1に示したガラス粒子を含有しないポリアミドからなるプレス用クッション材や、有機繊維と無機繊維とを混抄して得られたプレス用クッション材に比べて、低い線熱膨張係数を示し、かつ熱プレスを繰り返し行っても反り量が少ないことがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のプレス用クッション材は、構造部材中に、低い線熱膨張係数を有する、ポリアミドマトリクスに微細なガラス粒子が分散した有機無機複合体を含むことにより、熱プレス時の加熱や加圧に対して優れた寸法安定性を示し、熱プレスを繰り返し行っても膨張や反りなどの変形が生じない。
【0051】
前記構造部材中に含有される有機無機複合体が、平均幅4〜80μm、平均長さ100μm以上の繊維形状を有するプレス用クッション材は、該形状の有機無機複合体が優れた交絡性を示すため、繰り返し使用しても構成材料の欠落がほとんどない。さらに、該有機無機複合体とアラミド繊維とを混抄することにより、プレス用クッション材の強度が向上する。

Claims (4)

  1. ポリアミドマトリクス中にガラス粒子が分散した有機無機複合体を含有する構造部材からなることを特徴とするプレス用クッション材。
  2. 前記ガラス粒子の平均粒子径が3〜300nmの範囲にある請求項1に記載のプレス用クッション材。
  3. 前記構造部材中に含有される有機無機複合体が、平均幅4〜80μm、平均長さ100μm以上の繊維形状を有する請求項1に記載のプレス用クッション材。
  4. 前記構造部材が、前記繊維形状を有する有機無機複合体とアラミド繊維とからなる不織布である請求項2に記載の有機無機複合体。
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