JP2004109813A - 累進多焦点レンズ及びその設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】累進屈折面とトーリック面とを合成する新規な合成式を提供することにより、視力補正能力と乱視矯正能力とを同一の屈折面に備える新規な累進多焦点レンズを提供する。
【解決手段】眼球側の屈折面2又は物体側の屈折面3を、合成式(1)又は(2)で示される合成式を用いて、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面14と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面15とが合成された合成屈折面14+15とする。
【選択図】 図2
【解決手段】眼球側の屈折面2又は物体側の屈折面3を、合成式(1)又は(2)で示される合成式を用いて、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面14と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面15とが合成された合成屈折面14+15とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視力補正能力と乱視矯正能力とを有する累進多焦点レンズ及びその設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
累進多焦点レンズは、屈折力の異なる2つの視野部分と、これらの間で屈折力が累進的に変わる視野部分とを備えたレンズであり、これらの視野部分に境目がなく外観的に優れ、さらに、1つのレンズで異なる屈折力の視野を得ることができる。このため、老視などの視力の補正機能を備えた眼鏡レンズとして多く用いられている。
【0003】
図7(a)に、眼鏡レンズとして多く用いられている従来の累進多焦点レンズの一般的な構造を示す。この累進多焦点レンズ100は、遠距離の物を見るための視野部分である遠用部11が上方に設けられ、近距離の物を見るための遠用部11と異なる屈折力を備えた視野部分が近用部12として遠用部11の下方に設けられている。そして、これら遠用部11と近用部12が、遠距離と近距離の中間距離の物を見るために連続的に変化する屈折力を備えた視野部分である累進部13によって滑らかに連絡されている。
【0004】
眼鏡用に用いられる単板のレンズにおいては、図7(b)に示すように、眼球側の屈折面2と、注視する物体側の屈折面3の2つの屈折面によって眼鏡レンズに要求される全ての性能、例えば、ユーザーの度数に合った頂点屈折力、乱視を矯正するための円柱屈折力、老視を補正するための加入屈折力、さらには斜位を矯正するためのプリズム屈折力などを付与する必要がある。このため、図7(b)に示すように、従来の累進多焦点レンズ100aにおいては、これら遠用部11、近用部12及び累進部13を構成するために連続的に変化する屈折力を与える累進屈折面14が物体側の屈折面3に形成され、眼球側の屈折面2は乱視矯正用のトーリック面15などとして用いられている。
【0005】
このような従来構造の累進多焦点レンズ100aに対し、本出願人は、累進多焦点レンズの遠用部11と近用部12の倍率の変動に起因する像の揺れや歪みを改善できる累進多焦点レンズを提供することを目的として、累進多焦点レンズの倍率に与える累進屈折面の配置に着目し、累進屈折面を眼球側の屈折面2に形成したいわゆる内面累進多焦点レンズ100bを開発した。この発明に関しては次の先行技術文献情報に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
WO97/19382
【0007】
この先行技術文献情報に記載されている内面累進多焦点レンズ100bは、遠用部と近用部における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。
【0008】
このような内面累進多焦点レンズ100bにおいては、眼球側の屈折面2に累進屈折面14を設けるので、眼球側の屈折面2に乱視矯正用のトーリック面15を合成することができる。眼球側の屈折面2が視力補正特性と乱視矯正特性を有する累進多焦点レンズ100bは、遠用部と近用部の倍率差を必要最小限に止めることができ、像の歪みや揺れが少なく、しかも、乱視を矯正することが可能であり、乱視を有するユーザーに対してもさらに快適な視野を提供することができる。
【0009】
眼球側の屈折面2に視力補正特性と乱視矯正特性とが付加された累進多焦点レンズ100bは、眼球側の屈折面が所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、眼球側の屈折面が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、累進多焦点レンズの眼球側の屈折面を、オリジナル累進屈折面及びオリジナルトーリック面から求める第3の工程とを有する設計方法を用いることにより設計することができる。
【0010】
上述したWO97/19382では、第3の工程において、オリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを一体化する合成式が提案されている。
【0011】
WO97/19382で提案された合成式を用いて眼球側の屈折面2に累進屈折面14とトーリック面15を合成した累進多焦点レンズ100bにおいては、従来の累進多焦点レンズ100aと同様に、主注視線16のほぼ全域にわたって乱視矯正を目的とした視力補正能力が害されることがなく、しかも非点収差が非常に安定して確保できることが認められる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トーリック面とは、ある子午面内では最大の屈折力を持ち、それに直角な子午面では最小の屈折力を持つ、互いに直交する断面での曲率半径を異にした表面と定義されるが、最大の屈折力を有する子午面及び最小の屈折力を有する子午面のそれぞれの断面形状は円弧であり、これらの間の曲面形状は、特に決められていない。即ち、トーリック面の面形状の種類は無限に存在するといえる。WO97/19382で提案された合成式は、計算が比較的容易であるという利点があるものの、トーリック面の形状をx軸方向の曲率とy軸方向の曲率とがそれぞれ一定であるとみなして合成しているに過ぎない。
【0013】
従って、トーリック面の面形状を表す他の合成式を提供することにより、より優れた乱視矯正能力を有する累進屈折面とトーリック面との合成屈折面を提供できる可能性がある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、累進屈折面とトーリック面とを合成する新規な合成式を提供することにより、視力補正能力と乱視矯正能力とを同一の屈折面に備える新規な累進多焦点レンズを提供することを目的とする。
また、本発明は、かかる累進多焦点レンズの設計方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の累進多焦点レンズは、輪環面(troidal surface,torus)で表されたトーリック面を採用し、これと累進屈折面とを合成する合成式(1)又は(2)を用いて得られた合成屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有するものである。
【0016】
このような累進多焦点レンズは、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、オリジナル累進屈折面及び輪環面で表されたオリジナルトーリック面とを合成する合成式(1)又は(2)から合成屈折面を求める第3の工程とを有する設計方法を用いることにより設計することができる。
【0017】
従って、請求項1記載の発明は、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズにおいて、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面であり、物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向の曲率Cx、乱視軸に直交する方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpが、次の式(1)又は式(2)で表されることを特徴とする累進多焦点レンズを提供する。
【0018】
【数3】
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の累進多焦点レンズにおいて、前記合成屈折面が設けられた面と反対側の眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、球面又は回転対称非球面であることを特徴とする累進多焦点レンズを提供する。
【0020】
請求項3記載の発明は、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズの設計方法において、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が視力補正特性を発揮することのみを目的とするオリジナル累進屈折面を求める第1の工程と、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的とするオリジナルトーリック面を求める第2の工程と、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面として、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面を求める第3の工程とを有し、前記第3の工程が、物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、x軸方向の曲率Cx、y軸方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpを、次の式(1)又は式(2)から求めることを特徴とする累進多焦点レンズの設計方法を提供する。
【0021】
【数4】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の累進多焦点レンズ及びその設計方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
本発明の累進多焦点レンズは、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する。
【0024】
図1に示すように、本発明の累進多焦点レンズ1は、遠距離の物を見るための視野部分である遠用部11が上方に設けられ、近距離の物をみるために遠用部11と異なる屈折力を備えた視野部分が近用部12として遠用部11の下方に設けられている。そして、これら遠用部11と近用部12が、遠距離と近距離の中間距離の物を見るために連続的に変化する屈折力を備えた視野部分である累進部13によって滑らかに連絡されている。
【0025】
本発明の累進多焦点レンズでは、これらの遠用部11、近用部12及び累進部13を備える累進屈折面14を、図1(b)に示すように、物体側の屈折面3(凸面、外面ともいう)に設けた外面累進多焦点レンズ1aとしてもよい。あるいは、図1(c)に示すように、累進屈折面14を眼球側の屈折面2(凹面、内面ともいう)に設けた内面累進多焦点レンズ1bとしてもよい。
【0026】
内面累進多焦点レンズ1bは、外面に累進屈折面14を有する累進多焦点レンズ1aと比較して、遠用部11と近用部12における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。眼球側の屈折面2に累進屈折面の曲率を付与すると、主注視線16に沿った累進屈折面の曲率(曲率半径の逆数)は、遠用部11と比較し近用部12の方が小さくなる。また、遠用部11においては少なくとも一部の領域で累進屈折面の曲率が主注視線16から離れるに従って小さくなっており、また、近用部11においては少なくとも1部の領域で累進屈折面の曲率が主注視線16から離れるに従って大きくなる。
【0027】
さらに、累進屈折面14としては、主注視線16上において累進屈折面を構成する上での非点収差を最小限とすることが望ましく、そのためには、主注視線16の少なくとも1部の領域で、累進屈折面の曲率は直交する2方向の曲率が等しくなるようにすることが望ましい。
【0028】
本発明の累進多焦点レンズ1においては、物体側の屈折面3と眼球側の屈折面2のいずれか一方の屈折面が視力補正能力と乱視矯正能力の両方の能力を有する合成屈折面14+15で構成されている。図1(b)に示す外面累進多焦点レンズ1aの場合、物体側の屈折面3に設けられている合成屈折面14+15と反対側の眼球側の屈折面2は、球面又は回転対称非球面である。図1(c)に示す内面累進多焦点レンズ1bの場合、眼球側の屈折面2に設けられている合成屈折面14+15と反対側の物体側の屈折面3は、球面又は回転対称非球面である。眼球側の屈折面2に合成屈折面14+15を設けると、上述したように、乱視を矯正することが可能であると共に、遠用部11と近用部12の倍率差を必要最小限に止めることができ、像の歪みや揺れが少ないため、乱視を有するユーザーに対してもさらに快適な視野を提供することができる。
【0029】
このような一方の屈折面が視力補正能力と乱視矯正能力の両方の能力を有する累進多焦点レンズの設計は、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、眼球側の屈折面2又は物体側の屈折面3が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、オリジナル累進屈折面及びオリジナルトーリック面から合成式を用いて合成屈折面を求める第3の工程とで行うことができる。
【0030】
第1の工程では、ユーザーの老視の程度や眼鏡の使い方などの状況に合わせたパラメータによってオリジナル累進屈折面を求め、その結果を座標あるいは曲率などとして記憶する。
【0031】
第2の工程では、オリジナルトーリック面15として、輪環面で表した曲面を用いる。輪環面とは、比較的曲率半径の大きな円弧を、所定距離離れたその円弧の中心側に存するその円弧の接線と平行な直線を中心軸として、回転させたときのその円弧の軌跡の屈折面をいう。
【0032】
そして、第3の工程では、オリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面を、次の合成式(1)又は合成式(2)で求める。
【0033】
【数5】
【0034】
ここで、図1(b)及び(c)に示すように、眼鏡装用状態において、物体側から眼球側に累進屈折面の中心を通る軸をz軸、オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸(図1(b)、(c)ではz軸とy軸を示している)としたとき、xp及びypは、それぞれ物体側又は眼球側の屈折面のx軸及びy軸の任意の点Pのそれぞれの座標を示し、zpは物体側又は眼球側の屈折面の垂直方向のz座標を示す。物体側の屈折面3に対しては物体側の屈折面3とz軸が交わる点を原点に、眼球側の屈折面2に対しては眼球側の屈折面2とz軸が交わる点を原点とする。
【0035】
曲率Cpは、オリジナル累進屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における近似曲率であり、曲率Cxは乱視矯正用のトーリック面の乱視軸方向の曲率、曲率Cyは乱視軸に直交する方向の曲率である。近似曲率Cpとしては、例えば半径方向の平均曲率を採用することができ、オリジナル累進屈折面上の任意の点P(xp,yp,zp)を含みz軸(レンズ中心または内側頂点(0,0,0)を通る)に垂直なxy平面において、点Pと回転対称にある点P’(−xp,−yp,−zp)及び内側頂点(0,0,0)又は外側頂点(0,0,0)の3点を通る円の半径の逆数を用いる。
【0036】
上記合成式(1)と合成式(2)の算出手順について、図2を参照しながら説明する。まず、xyz空間において、yz平面上に図2のように原点でy軸に接する曲率Ry(曲率半径1/cy)の円弧を考える。図2で、x軸は紙面と垂直方向である。この円弧の式は
【0037】
【数6】
で表される。
【0038】
図2に示すように、この円弧を点(0,0,Rx)を通りy軸に平行な直線Lを軸に回転させてできる輪環面を考える。この輪環面のz座標は、図2に示すように、xz平面上で点(0,Rx)を中心に回転させた円弧のz座標と同じである。
【0039】
zyをxz平面上で点(0,Rx)を中心に回転させた円弧の式は
【数7】
である。式(4)をzについて解くと
【0040】
【数8】
【0041】
ここでCx=1/Rxとおくと
【数9】
【0042】
ここで分子・分母に
【数10】
をかけると、
【0043】
【数11】
となり
【0044】
【数12】
が得られる。
【0045】
式(5)に式(3)を代入すると、
【数13】
が得られる。この式(6)がオリジナルトーリック面を表す式である。この式(6)のcx、cyにそれぞれCpを合成すると、下記式(7)が得られる。
【0046】
【数14】
求める合成屈折面上の任意の点Pの座標を(xp,yp,zp)とすると、上記合成式(1)が得られる。
【0047】
【数15】
【0048】
同様にxyz空間において、xz平面上の原点でx軸に接する円弧を点(0,0,Ry)を通りx軸に平行な直線を軸に回転させてできる輪環面の式は
【数16】
となる。このオリジナルトーリック面を表す式(8)のcx、cyにそれぞれCpを合成すると、下記式(9)が得られる。
【0049】
【数17】
【0050】
求める合成屈折面上の任意の点Pの座標を(xp,yp,zp)とすると、上記合成式(2)が得られる。
【数18】
【0051】
なお、オリジナル累進屈折面と前記オリジナルトーリック面の座標系が乱視軸の角度axだけずれている場合は、オリジナル累進屈折面の座標系において、以下の(px,py,pz)における近似曲率Cpを用いればよい。
【0052】
【数19】
【0053】
上記合成式(1)又は合成式(2)は、WO97/19382で提案された合成式と比較すると複雑で、計算量が多くなるが、輪環面で表すトーリック面は、乱視矯正能力に優れる面形状である。そのため、上記合成式(1)又は(2)で表されるトーリック面と累進屈折面とを合成した合成屈折面は、乱視矯正能力に優れている。また、眼球側の屈折面2をこの合成式(1)又は(2)で表されるトーリック面と累進屈折面とを合成した合成屈折面14+15とした内面累進多焦点レンズ1bは、遠用部と近用部における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。
【0054】
なお、乱視矯正特性を備えたオリジナルトーリック面を構成するためのz座標の値に、視力補正特性を備えたオリジナル累進屈折面を構成するz座標の値を付加して乱視矯正特性を備えた累進屈折面を構成すると、従来の乱視矯正用の累進多焦点レンズと全く同等の視力の補正と乱視矯正能力は得にくい。
【0055】
また、物体側の屈折面又は眼球側の屈折面に累進屈折面を設けた累進多焦点レンズにおいても、基底270度方向のプリズムを付加することにより、薄型化することが可能である。
【0056】
このように、累進屈折面とトーリック面とを一体化させた累進多焦点レンズの合成屈折面の座標値を求めた後、この座標値に基づいて、数値制御研磨装置を用い、物体側の屈折面又は眼球側の屈折面のいずれかを球面又は回転対称非球面としたレンズ成形品の反対側の面を切削、研削、鏡面研磨等で合成屈折面を創成することにより、本発明の累進多焦点レンズを製造することができる。
【0057】
【実施例】
<実施例1>
本例の累進多焦点レンズは、物体側が球面であり、ベースカーブは4.00Dで一定である。トーリック面を合成する前のオリジナル累進屈折面は、眼球側へ設けられ、遠用部の平均面屈折力が4.00D、近用部の平均面屈折力が2.00D、加入度数が2.00Dに設定されている。オリジナルトーリック面は、乱視軸が90度で、球面屈折力Sが−2.00D、円柱屈折力Cが−2.00Dである。これらのオリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成屈折面を求めた。また、レンズ中心厚さtが3.0mm、レンズ径dが70.0mmとなっている。
【0058】
図3に、実施例1の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す。また、図4(a)に、従来の外面側に累進面を設け、内面側へトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。また、図4(b)に、同じ累進面とトーリック面を合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を内面側に設けた累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。
【0059】
図4から、内面に累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を有する実施例1の累進多焦点レンズは、物体側に累進面を設け、眼球側にトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズと同等の性能を有することが認められる。
【0060】
<実施例2>
本例の累進多焦点レンズは、物体側が球面であり、ベースカーブは4.00Dで一定である。トーリック面を合成する前のオリジナル累進屈折面は、眼球側へ設けられ、遠用部の平均面屈折力が4.00D、近用部の平均面屈折力が2.00D、加入度数が2.00Dに設定されている。オリジナルトーリック面は、乱視軸が45度で、球面屈折力Sが0.00D、円柱屈折力Cが−6.00Dである。これらのオリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成屈折面を求めた。また、レンズ中心厚さtが3.0mm、レンズ径dが70.0mmとなっている。
【0061】
図5に、実施例2の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す。また、図6(a)に、従来の物体側に累進面を設け、眼球側へトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。また、図6(b)に、同じ累進面とトーリック面を合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を眼球側に設けた累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。
【0062】
図6から、眼球側に累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を有する実施例2の累進多焦点レンズは、物体側に累進面を設け、眼球側にトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズと同等の性能を有することが認められる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の累進多焦点レンズは、累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成した合成屈折面を有し、物体側又は眼球側のいずれか一方の屈折面に視力補正能力と乱視矯正能力を付与することができる。
【0064】
また、本発明の累進多焦点レンズの設計方法は、物体側又は眼球側のいずれか一方の屈折面に累進屈折面とトーリック面とを合成した合成屈折面を付与した累進多焦点レンズを設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の累進多焦点レンズの概略構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は物体側の屈折面に合成屈折面を付与した例の断面図、(c)は眼球側の屈折面に合成屈折面を付与した例の断面図を示す。
【図2】輪環面を説明する概念図である。
【図3】実施例1の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す座標の分布図である。
【図4】(a)は、物体側に累進面、眼球側にトーリック面を設けた多焦点レンズの非点収差図、(b)は、眼球側に累進面とトーリック面を合成した実施例1の累進多焦点レンズの非点収差図である。
【図5】実施例2の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す座標の分布図である。
【図6】(a)は、物体側に累進面、眼球側にトーリック面を設けた多焦点レンズの非点収差図、(b)は、眼球側に累進面とトーリック面を合成した実施例2の累進多焦点レンズの非点収差図である。
【図7】従来の累進多焦点レンズの概略構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は物体側の屈折面に累進屈折面を付与した例の断面図、(c)は眼球側の屈折面に累進屈折面を付与した例の断面図を示す。
【符号の説明】
1 累進多焦点レンズ
2 眼球側の屈折面
3 物体側の屈折面
11 遠用部
12 近用部
13 累進部
14 累進屈折面
15 トーリック面
16 主注視線
【発明の属する技術分野】
本発明は、視力補正能力と乱視矯正能力とを有する累進多焦点レンズ及びその設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
累進多焦点レンズは、屈折力の異なる2つの視野部分と、これらの間で屈折力が累進的に変わる視野部分とを備えたレンズであり、これらの視野部分に境目がなく外観的に優れ、さらに、1つのレンズで異なる屈折力の視野を得ることができる。このため、老視などの視力の補正機能を備えた眼鏡レンズとして多く用いられている。
【0003】
図7(a)に、眼鏡レンズとして多く用いられている従来の累進多焦点レンズの一般的な構造を示す。この累進多焦点レンズ100は、遠距離の物を見るための視野部分である遠用部11が上方に設けられ、近距離の物を見るための遠用部11と異なる屈折力を備えた視野部分が近用部12として遠用部11の下方に設けられている。そして、これら遠用部11と近用部12が、遠距離と近距離の中間距離の物を見るために連続的に変化する屈折力を備えた視野部分である累進部13によって滑らかに連絡されている。
【0004】
眼鏡用に用いられる単板のレンズにおいては、図7(b)に示すように、眼球側の屈折面2と、注視する物体側の屈折面3の2つの屈折面によって眼鏡レンズに要求される全ての性能、例えば、ユーザーの度数に合った頂点屈折力、乱視を矯正するための円柱屈折力、老視を補正するための加入屈折力、さらには斜位を矯正するためのプリズム屈折力などを付与する必要がある。このため、図7(b)に示すように、従来の累進多焦点レンズ100aにおいては、これら遠用部11、近用部12及び累進部13を構成するために連続的に変化する屈折力を与える累進屈折面14が物体側の屈折面3に形成され、眼球側の屈折面2は乱視矯正用のトーリック面15などとして用いられている。
【0005】
このような従来構造の累進多焦点レンズ100aに対し、本出願人は、累進多焦点レンズの遠用部11と近用部12の倍率の変動に起因する像の揺れや歪みを改善できる累進多焦点レンズを提供することを目的として、累進多焦点レンズの倍率に与える累進屈折面の配置に着目し、累進屈折面を眼球側の屈折面2に形成したいわゆる内面累進多焦点レンズ100bを開発した。この発明に関しては次の先行技術文献情報に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
WO97/19382
【0007】
この先行技術文献情報に記載されている内面累進多焦点レンズ100bは、遠用部と近用部における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。
【0008】
このような内面累進多焦点レンズ100bにおいては、眼球側の屈折面2に累進屈折面14を設けるので、眼球側の屈折面2に乱視矯正用のトーリック面15を合成することができる。眼球側の屈折面2が視力補正特性と乱視矯正特性を有する累進多焦点レンズ100bは、遠用部と近用部の倍率差を必要最小限に止めることができ、像の歪みや揺れが少なく、しかも、乱視を矯正することが可能であり、乱視を有するユーザーに対してもさらに快適な視野を提供することができる。
【0009】
眼球側の屈折面2に視力補正特性と乱視矯正特性とが付加された累進多焦点レンズ100bは、眼球側の屈折面が所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、眼球側の屈折面が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、累進多焦点レンズの眼球側の屈折面を、オリジナル累進屈折面及びオリジナルトーリック面から求める第3の工程とを有する設計方法を用いることにより設計することができる。
【0010】
上述したWO97/19382では、第3の工程において、オリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを一体化する合成式が提案されている。
【0011】
WO97/19382で提案された合成式を用いて眼球側の屈折面2に累進屈折面14とトーリック面15を合成した累進多焦点レンズ100bにおいては、従来の累進多焦点レンズ100aと同様に、主注視線16のほぼ全域にわたって乱視矯正を目的とした視力補正能力が害されることがなく、しかも非点収差が非常に安定して確保できることが認められる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トーリック面とは、ある子午面内では最大の屈折力を持ち、それに直角な子午面では最小の屈折力を持つ、互いに直交する断面での曲率半径を異にした表面と定義されるが、最大の屈折力を有する子午面及び最小の屈折力を有する子午面のそれぞれの断面形状は円弧であり、これらの間の曲面形状は、特に決められていない。即ち、トーリック面の面形状の種類は無限に存在するといえる。WO97/19382で提案された合成式は、計算が比較的容易であるという利点があるものの、トーリック面の形状をx軸方向の曲率とy軸方向の曲率とがそれぞれ一定であるとみなして合成しているに過ぎない。
【0013】
従って、トーリック面の面形状を表す他の合成式を提供することにより、より優れた乱視矯正能力を有する累進屈折面とトーリック面との合成屈折面を提供できる可能性がある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、累進屈折面とトーリック面とを合成する新規な合成式を提供することにより、視力補正能力と乱視矯正能力とを同一の屈折面に備える新規な累進多焦点レンズを提供することを目的とする。
また、本発明は、かかる累進多焦点レンズの設計方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の累進多焦点レンズは、輪環面(troidal surface,torus)で表されたトーリック面を採用し、これと累進屈折面とを合成する合成式(1)又は(2)を用いて得られた合成屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有するものである。
【0016】
このような累進多焦点レンズは、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、オリジナル累進屈折面及び輪環面で表されたオリジナルトーリック面とを合成する合成式(1)又は(2)から合成屈折面を求める第3の工程とを有する設計方法を用いることにより設計することができる。
【0017】
従って、請求項1記載の発明は、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズにおいて、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面であり、物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向の曲率Cx、乱視軸に直交する方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpが、次の式(1)又は式(2)で表されることを特徴とする累進多焦点レンズを提供する。
【0018】
【数3】
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の累進多焦点レンズにおいて、前記合成屈折面が設けられた面と反対側の眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、球面又は回転対称非球面であることを特徴とする累進多焦点レンズを提供する。
【0020】
請求項3記載の発明は、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズの設計方法において、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が視力補正特性を発揮することのみを目的とするオリジナル累進屈折面を求める第1の工程と、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的とするオリジナルトーリック面を求める第2の工程と、前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面として、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面を求める第3の工程とを有し、前記第3の工程が、物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、x軸方向の曲率Cx、y軸方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpを、次の式(1)又は式(2)から求めることを特徴とする累進多焦点レンズの設計方法を提供する。
【0021】
【数4】
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の累進多焦点レンズ及びその設計方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
本発明の累進多焦点レンズは、異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する。
【0024】
図1に示すように、本発明の累進多焦点レンズ1は、遠距離の物を見るための視野部分である遠用部11が上方に設けられ、近距離の物をみるために遠用部11と異なる屈折力を備えた視野部分が近用部12として遠用部11の下方に設けられている。そして、これら遠用部11と近用部12が、遠距離と近距離の中間距離の物を見るために連続的に変化する屈折力を備えた視野部分である累進部13によって滑らかに連絡されている。
【0025】
本発明の累進多焦点レンズでは、これらの遠用部11、近用部12及び累進部13を備える累進屈折面14を、図1(b)に示すように、物体側の屈折面3(凸面、外面ともいう)に設けた外面累進多焦点レンズ1aとしてもよい。あるいは、図1(c)に示すように、累進屈折面14を眼球側の屈折面2(凹面、内面ともいう)に設けた内面累進多焦点レンズ1bとしてもよい。
【0026】
内面累進多焦点レンズ1bは、外面に累進屈折面14を有する累進多焦点レンズ1aと比較して、遠用部11と近用部12における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。眼球側の屈折面2に累進屈折面の曲率を付与すると、主注視線16に沿った累進屈折面の曲率(曲率半径の逆数)は、遠用部11と比較し近用部12の方が小さくなる。また、遠用部11においては少なくとも一部の領域で累進屈折面の曲率が主注視線16から離れるに従って小さくなっており、また、近用部11においては少なくとも1部の領域で累進屈折面の曲率が主注視線16から離れるに従って大きくなる。
【0027】
さらに、累進屈折面14としては、主注視線16上において累進屈折面を構成する上での非点収差を最小限とすることが望ましく、そのためには、主注視線16の少なくとも1部の領域で、累進屈折面の曲率は直交する2方向の曲率が等しくなるようにすることが望ましい。
【0028】
本発明の累進多焦点レンズ1においては、物体側の屈折面3と眼球側の屈折面2のいずれか一方の屈折面が視力補正能力と乱視矯正能力の両方の能力を有する合成屈折面14+15で構成されている。図1(b)に示す外面累進多焦点レンズ1aの場合、物体側の屈折面3に設けられている合成屈折面14+15と反対側の眼球側の屈折面2は、球面又は回転対称非球面である。図1(c)に示す内面累進多焦点レンズ1bの場合、眼球側の屈折面2に設けられている合成屈折面14+15と反対側の物体側の屈折面3は、球面又は回転対称非球面である。眼球側の屈折面2に合成屈折面14+15を設けると、上述したように、乱視を矯正することが可能であると共に、遠用部11と近用部12の倍率差を必要最小限に止めることができ、像の歪みや揺れが少ないため、乱視を有するユーザーに対してもさらに快適な視野を提供することができる。
【0029】
このような一方の屈折面が視力補正能力と乱視矯正能力の両方の能力を有する累進多焦点レンズの設計は、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として累進屈折面(以降においてはオリジナル累進屈折面)を求める第1の工程と、眼球側の屈折面2又は物体側の屈折面3が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的としてトーリック面(以降においてはオリジナルトーリック面)を求める第2の工程と、オリジナル累進屈折面及びオリジナルトーリック面から合成式を用いて合成屈折面を求める第3の工程とで行うことができる。
【0030】
第1の工程では、ユーザーの老視の程度や眼鏡の使い方などの状況に合わせたパラメータによってオリジナル累進屈折面を求め、その結果を座標あるいは曲率などとして記憶する。
【0031】
第2の工程では、オリジナルトーリック面15として、輪環面で表した曲面を用いる。輪環面とは、比較的曲率半径の大きな円弧を、所定距離離れたその円弧の中心側に存するその円弧の接線と平行な直線を中心軸として、回転させたときのその円弧の軌跡の屈折面をいう。
【0032】
そして、第3の工程では、オリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面を、次の合成式(1)又は合成式(2)で求める。
【0033】
【数5】
【0034】
ここで、図1(b)及び(c)に示すように、眼鏡装用状態において、物体側から眼球側に累進屈折面の中心を通る軸をz軸、オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸(図1(b)、(c)ではz軸とy軸を示している)としたとき、xp及びypは、それぞれ物体側又は眼球側の屈折面のx軸及びy軸の任意の点Pのそれぞれの座標を示し、zpは物体側又は眼球側の屈折面の垂直方向のz座標を示す。物体側の屈折面3に対しては物体側の屈折面3とz軸が交わる点を原点に、眼球側の屈折面2に対しては眼球側の屈折面2とz軸が交わる点を原点とする。
【0035】
曲率Cpは、オリジナル累進屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における近似曲率であり、曲率Cxは乱視矯正用のトーリック面の乱視軸方向の曲率、曲率Cyは乱視軸に直交する方向の曲率である。近似曲率Cpとしては、例えば半径方向の平均曲率を採用することができ、オリジナル累進屈折面上の任意の点P(xp,yp,zp)を含みz軸(レンズ中心または内側頂点(0,0,0)を通る)に垂直なxy平面において、点Pと回転対称にある点P’(−xp,−yp,−zp)及び内側頂点(0,0,0)又は外側頂点(0,0,0)の3点を通る円の半径の逆数を用いる。
【0036】
上記合成式(1)と合成式(2)の算出手順について、図2を参照しながら説明する。まず、xyz空間において、yz平面上に図2のように原点でy軸に接する曲率Ry(曲率半径1/cy)の円弧を考える。図2で、x軸は紙面と垂直方向である。この円弧の式は
【0037】
【数6】
で表される。
【0038】
図2に示すように、この円弧を点(0,0,Rx)を通りy軸に平行な直線Lを軸に回転させてできる輪環面を考える。この輪環面のz座標は、図2に示すように、xz平面上で点(0,Rx)を中心に回転させた円弧のz座標と同じである。
【0039】
zyをxz平面上で点(0,Rx)を中心に回転させた円弧の式は
【数7】
である。式(4)をzについて解くと
【0040】
【数8】
【0041】
ここでCx=1/Rxとおくと
【数9】
【0042】
ここで分子・分母に
【数10】
をかけると、
【0043】
【数11】
となり
【0044】
【数12】
が得られる。
【0045】
式(5)に式(3)を代入すると、
【数13】
が得られる。この式(6)がオリジナルトーリック面を表す式である。この式(6)のcx、cyにそれぞれCpを合成すると、下記式(7)が得られる。
【0046】
【数14】
求める合成屈折面上の任意の点Pの座標を(xp,yp,zp)とすると、上記合成式(1)が得られる。
【0047】
【数15】
【0048】
同様にxyz空間において、xz平面上の原点でx軸に接する円弧を点(0,0,Ry)を通りx軸に平行な直線を軸に回転させてできる輪環面の式は
【数16】
となる。このオリジナルトーリック面を表す式(8)のcx、cyにそれぞれCpを合成すると、下記式(9)が得られる。
【0049】
【数17】
【0050】
求める合成屈折面上の任意の点Pの座標を(xp,yp,zp)とすると、上記合成式(2)が得られる。
【数18】
【0051】
なお、オリジナル累進屈折面と前記オリジナルトーリック面の座標系が乱視軸の角度axだけずれている場合は、オリジナル累進屈折面の座標系において、以下の(px,py,pz)における近似曲率Cpを用いればよい。
【0052】
【数19】
【0053】
上記合成式(1)又は合成式(2)は、WO97/19382で提案された合成式と比較すると複雑で、計算量が多くなるが、輪環面で表すトーリック面は、乱視矯正能力に優れる面形状である。そのため、上記合成式(1)又は(2)で表されるトーリック面と累進屈折面とを合成した合成屈折面は、乱視矯正能力に優れている。また、眼球側の屈折面2をこの合成式(1)又は(2)で表されるトーリック面と累進屈折面とを合成した合成屈折面14+15とした内面累進多焦点レンズ1bは、遠用部と近用部における倍率の差を縮小でき、これに起因する像の揺れや歪みを大幅に低減できる。
【0054】
なお、乱視矯正特性を備えたオリジナルトーリック面を構成するためのz座標の値に、視力補正特性を備えたオリジナル累進屈折面を構成するz座標の値を付加して乱視矯正特性を備えた累進屈折面を構成すると、従来の乱視矯正用の累進多焦点レンズと全く同等の視力の補正と乱視矯正能力は得にくい。
【0055】
また、物体側の屈折面又は眼球側の屈折面に累進屈折面を設けた累進多焦点レンズにおいても、基底270度方向のプリズムを付加することにより、薄型化することが可能である。
【0056】
このように、累進屈折面とトーリック面とを一体化させた累進多焦点レンズの合成屈折面の座標値を求めた後、この座標値に基づいて、数値制御研磨装置を用い、物体側の屈折面又は眼球側の屈折面のいずれかを球面又は回転対称非球面としたレンズ成形品の反対側の面を切削、研削、鏡面研磨等で合成屈折面を創成することにより、本発明の累進多焦点レンズを製造することができる。
【0057】
【実施例】
<実施例1>
本例の累進多焦点レンズは、物体側が球面であり、ベースカーブは4.00Dで一定である。トーリック面を合成する前のオリジナル累進屈折面は、眼球側へ設けられ、遠用部の平均面屈折力が4.00D、近用部の平均面屈折力が2.00D、加入度数が2.00Dに設定されている。オリジナルトーリック面は、乱視軸が90度で、球面屈折力Sが−2.00D、円柱屈折力Cが−2.00Dである。これらのオリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成屈折面を求めた。また、レンズ中心厚さtが3.0mm、レンズ径dが70.0mmとなっている。
【0058】
図3に、実施例1の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す。また、図4(a)に、従来の外面側に累進面を設け、内面側へトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。また、図4(b)に、同じ累進面とトーリック面を合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を内面側に設けた累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。
【0059】
図4から、内面に累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を有する実施例1の累進多焦点レンズは、物体側に累進面を設け、眼球側にトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズと同等の性能を有することが認められる。
【0060】
<実施例2>
本例の累進多焦点レンズは、物体側が球面であり、ベースカーブは4.00Dで一定である。トーリック面を合成する前のオリジナル累進屈折面は、眼球側へ設けられ、遠用部の平均面屈折力が4.00D、近用部の平均面屈折力が2.00D、加入度数が2.00Dに設定されている。オリジナルトーリック面は、乱視軸が45度で、球面屈折力Sが0.00D、円柱屈折力Cが−6.00Dである。これらのオリジナル累進屈折面とオリジナルトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成屈折面を求めた。また、レンズ中心厚さtが3.0mm、レンズ径dが70.0mmとなっている。
【0061】
図5に、実施例2の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す。また、図6(a)に、従来の物体側に累進面を設け、眼球側へトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。また、図6(b)に、同じ累進面とトーリック面を合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を眼球側に設けた累進多焦点レンズの非点収差分布を示す。
【0062】
図6から、眼球側に累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成式(1)又は(2)を用いて合成した合成屈折面を有する実施例2の累進多焦点レンズは、物体側に累進面を設け、眼球側にトーリック面を設けた外面累進多焦点レンズと同等の性能を有することが認められる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の累進多焦点レンズは、累進屈折面と輪環面で表したトーリック面とを合成した合成屈折面を有し、物体側又は眼球側のいずれか一方の屈折面に視力補正能力と乱視矯正能力を付与することができる。
【0064】
また、本発明の累進多焦点レンズの設計方法は、物体側又は眼球側のいずれか一方の屈折面に累進屈折面とトーリック面とを合成した合成屈折面を付与した累進多焦点レンズを設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の累進多焦点レンズの概略構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は物体側の屈折面に合成屈折面を付与した例の断面図、(c)は眼球側の屈折面に合成屈折面を付与した例の断面図を示す。
【図2】輪環面を説明する概念図である。
【図3】実施例1の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す座標の分布図である。
【図4】(a)は、物体側に累進面、眼球側にトーリック面を設けた多焦点レンズの非点収差図、(b)は、眼球側に累進面とトーリック面を合成した実施例1の累進多焦点レンズの非点収差図である。
【図5】実施例2の累進多焦点レンズの眼球側のz座標値を示す座標の分布図である。
【図6】(a)は、物体側に累進面、眼球側にトーリック面を設けた多焦点レンズの非点収差図、(b)は、眼球側に累進面とトーリック面を合成した実施例2の累進多焦点レンズの非点収差図である。
【図7】従来の累進多焦点レンズの概略構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は物体側の屈折面に累進屈折面を付与した例の断面図、(c)は眼球側の屈折面に累進屈折面を付与した例の断面図を示す。
【符号の説明】
1 累進多焦点レンズ
2 眼球側の屈折面
3 物体側の屈折面
11 遠用部
12 近用部
13 累進部
14 累進屈折面
15 トーリック面
16 主注視線
Claims (3)
- 異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズにおいて、
前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面であり、
物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向の曲率Cx、乱視軸に直交する方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpが、次の式(1)又は式(2)で表されることを特徴とする累進多焦点レンズ。
- 請求項1記載の累進多焦点レンズにおいて、
前記合成屈折面が設けられた面と反対側の眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が、球面又は回転対称非球面であることを特徴とする累進多焦点レンズ。 - 異なる屈折力を備えた遠用部及び近用部と、これらの間で屈折力が累進的に変化する累進部とを備えた累進屈折面を眼球側の屈折面又は物体側の屈折面に有する視力補正用の累進多焦点レンズの設計方法において、
前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が視力補正特性を発揮することのみを目的とするオリジナル累進屈折面を求める第1の工程と、
前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面が所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的とするオリジナルトーリック面を求める第2の工程と、
前記眼球側の屈折面又は物体側の屈折面として、所望の視力補正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナル累進屈折面と、所望の乱視矯正特性を発揮することのみを目的として設定されたオリジナルトーリック面とが合成された合成屈折面を求める第3の工程と
を有し、
前記第3の工程が、物体側から眼球側に前記累進屈折面の中心を通る軸をz軸、前記オリジナルトーリック面の乱視軸方向をx軸、z軸とx軸とに直交する軸をy軸としたとき、前記オリジナル累進屈折面の近似曲率Cp、x軸方向の曲率Cx、y軸方向の曲率Cyを用い、前記合成屈折面の任意の点P(xp,yp,zp)における前記値zpを、次の式(1)又は式(2)から求めることを特徴とする累進多焦点レンズの設計方法。
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