JP2004100516A - 内燃機関の故障検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気流量制御に拘わらずエアフローセンサの異常を確実に検出可能な内燃機関の故障検出装置を提供する。
【解決手段】新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量と新気量基準値設定手段(S20)により設定された新気流入量の基準値との比較結果に基づき新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常の有無を検出する故障検出手段(S22〜S30)と、排気流量調節装置(排気流量調節手段、目標調節量設定手段、排気流量制御手段)とを備えた内燃機関の故障検出装置であって、上記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf等)のみならず目標調節量設定手段(S12,S14)により設定される排気流量調節手段の目標調節量(目標絞り弁開度)に応じて基準値を設定する(S16)。
【選択図】 図2
【解決手段】新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量と新気量基準値設定手段(S20)により設定された新気流入量の基準値との比較結果に基づき新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常の有無を検出する故障検出手段(S22〜S30)と、排気流量調節装置(排気流量調節手段、目標調節量設定手段、排気流量制御手段)とを備えた内燃機関の故障検出装置であって、上記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf等)のみならず目標調節量設定手段(S12,S14)により設定される排気流量調節手段の目標調節量(目標絞り弁開度)に応じて基準値を設定する(S16)。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の故障検出装置に係り、詳しくは、エアフローセンサの異常を確実に検出する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、車両に搭載されたエンジンから有害な排ガスが排出されるのを防止すべく、種々の制御手段を用いることで排ガス性能の向上が図られている。
このような制御手段では、種々のセンサ類からの情報に基づいて排ガス性能の向上を実現するようにしており、これらセンサ類に故障があると排ガス性能の悪化に繋がるおそれがあることから、センサ類の故障を確実に検出することが要求されている。
【0003】
センサ類の中でも、エアフローセンサ(AFS)からの情報は後処理装置やEGR等の制御に多く使用されており、当該エアフローセンサが故障すると排ガス性能に大きな影響を及ぼすことになるため、当該エアフローセンサの故障診断は特に重要なものとなっている。
そこで、最近では、車載故障診断システム(OBD等)を搭載した車両が開発され実用化されており、また、例えば、エンジン回転速度が所定値以下で且つエアフローセンサで検出される吸入空気量が所定値以上のときに、エアフローセンサが異常であると判定する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−018897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアフローセンサの故障診断においては、通常はエンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度(絞り弁開度)、吸気負圧等の運転状態に応じて予め設定された基準値とエアフローセンサからの出力値とを比較して故障判定を行うようにしており、排ガス浄化促進のために吸気系や排気系に排気流量制御弁を設けて排気流量を調節するような場合やこれに加えて吸気系にEGRを導入するような場合には排気流量制御弁の開度やEGR弁の開度に応じて新気量が変動してしまい、エアフローセンサの故障判定を正確にできないという問題がある。
【0006】
そこで、例えば排気流量制御弁やEGR弁の開度が変動するようなときにはエアフローセンサの故障判定を行わないことも考えられ、上記特許文献1の場合には、バイパスエアが供給されるエンジン冷態時にエアフローセンサの異常判定を禁止するようにしているが、このような制約を加えるとエアフローセンサの故障判定を行える時期が大きく制限されることになり好ましいものではない。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気流量制御に拘わらずエアフローセンサの異常を確実に検出可能な内燃機関の故障検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、内燃機関の吸気系及び排気系の少なくともいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段とを備え、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0009】
従って、新気量基準値設定手段により内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて新気流入量の基準値が設定され、当該設定された基準値と新気流量検出手段により検出された新気流入量との比較結果に基づいて新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常や故障の有無が検出されることになるが、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量を考慮した値とされ、排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上が図られる。
【0010】
また、請求項2の発明では、前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0011】
従って、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は当該目標弁開度、即ち吸気絞り弁及び排気絞り弁による排気流量の調節量を考慮した値とされ、やはり排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。
【0012】
また、請求項3の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記排気流量調節手段の目標調節量を補正し、該補正した目標調節量に応じて前記基準値を設定することを特徴としている。
【0013】
従って、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量を補正し、当該補正した目標調節量に応じて基準値を設定することにより、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量に即して適正に設定されることになり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0014】
また、請求項4の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正することを特徴としている。
【0015】
従って、上述の如く、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量が補正制御されることで、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量に即した適正なものとなり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0016】
また、請求項5の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0017】
従って、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御を停止するので、故障診断の機会が減ずることもなく、新気流入量の基準値が内燃機関の運転状態にのみ応じて設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0018】
また、請求項6の発明では、内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、内燃機関の吸気系及び排気系のいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段と、内燃機関の排気系から排ガスの一部をEGRガスとして前記吸気系に還流させるEGR通路と、該EGR通路に介装され、開度の変更によりEGRガス量を調節するEGR弁と、排気系の空燃比または空気過剰率が前記所定値となるよう前記運転状態に応じて前記EGR弁の目標EGR弁開度を設定する目標開度設定手段と、該目標開度設定手段により設定された目標EGR弁開度に応じて前記EGR弁を制御するEGR弁制御手段とを備え、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0019】
従って、新気量基準値設定手段により内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて新気流入量の基準値が設定され、当該設定された基準値と新気流量検出手段により検出された新気流入量との比較結果に基づいて新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常や故障の有無が検出されることになるが、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値とされ、排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上が図られる。
【0020】
また、請求項7の発明では、前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0021】
従って、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度と目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は当該目標弁開度、即ち吸気絞り弁及び排気絞り弁による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値とされ、やはり排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。
【0022】
また、請求項8の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記目標調節量及び前記目標EGR弁開度の少なくともいずれか一方を補正し、該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて前記基準値を設定することを特徴としている。
【0023】
従って、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量や目標EGR弁開度を補正し、当該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することにより、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即して設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0024】
また、請求項9の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正し、前記EGR弁制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記EGR弁の開度を補正することを特徴としている。
【0025】
従って、上述の如く、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量及びEGR弁開度が補正制御されることで、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即したものとなり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0026】
また、請求項10の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御及び前記EGR弁制御手段による前記EGR弁の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0027】
従って、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御及びEGR弁の制御を停止するので、故障診断の機会が減ずることもなく、新気流入量の基準値が内燃機関の運転状態にのみ応じて設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る内燃機関の故障検出装置の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき本発明に係る内燃機関の故障検出装置の構成を説明する。
【0029】
図1に示すように、内燃機関であるエンジン1は例えばコモンレール式直列4気筒のディーゼルエンジンである。コモンレール式のエンジン1では、燃焼室2に臨んで電磁式の燃料噴射ノズル4が各気筒毎に設けられており、各燃料噴射ノズル4は高圧パイプ5によりコモンレール6に接続されている。そして、コモンレール6は、高圧パイプ7aを介して高圧ポンプ8に接続され、該高圧ポンプ8から低圧パイプ7bを介して燃料タンク9に接続されている。なお、エンジン1がディーゼルエンジンであるため、燃料としては軽油が使用される。
【0030】
エンジン1の吸気通路10には電磁式の吸気絞り弁(排気流量調節手段)12が設けられており、吸気絞り弁12よりも上流側には、出力信号Safsに基づき新気流入量Qaを検出するエアフローセンサ(AFS、新気流量検出手段)14が設けられている。吸気絞り弁12は例えばバタフライバルブからなり、エアフローセンサ14は、ここでは例えばカルマン渦式エアフローセンサが採用されるが、熱線式エアフローセンサ等であってもよい。
【0031】
一方、排気通路20には、後処理装置24が介装されている。後処理装置24は、例えばディーゼル・パティキュレートフィルタ(DPF)24bの上流に酸化触媒24aが設けられて連続再生式DPFとして構成されている。
連続再生式DPFは、酸化触媒24aにおいて酸化剤(NO2)を生成し、該生成された酸化剤によって下流のDPF24bに堆積したパティキュレートマター(PM)を排ガスが比較的高い温度の下で連続的に酸化除去してDPF24bを再生可能に構成されている。
【0032】
また、排気通路20の後処理装置24よりも上流位置には、排気中の酸素濃度を検出することにより排気系の空気過剰率λを検出するλセンサ(O2センサ等、排気濃度検出手段)26が設けられている。なお、ここでは空気過剰率λを検出するようにしたが空燃比を検出するようにしてもよく、λセンサ26に代えて空燃比センサ(LAFS等)を用いるようにしてもよい。
【0033】
また、排気通路20には電磁式の排気絞り弁(排気流量調節手段)22が設けられている。排気絞り弁22は、上記吸気絞り弁12と同様に例えばバタフライバルブからなり、吸気絞り弁12と共に或いは単独で作動させられることにより、排気流量、即ち排気流速を調節して排ガスの排気通路20内での温度を制御し、例えばエンジン1の冷態始動時等において排ガス浄化の促進を図ることが可能に構成されている。なお、排気絞り弁22は排気ブレーキとしても機能する。
【0034】
さらに、排気通路20のエンジン1の近傍位置からは排ガスの一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR通路30が延びており、該EGR通路30の終端は吸気通路10の吸気絞り弁12よりも下流部分に接続されている。そして、EGR通路30には、任意の開度に開度調節可能な電磁式のEGR弁32が介装されている。
【0035】
電子コントロールユニット(ECU)40の入力側には、上述したエアフローセンサ14、λセンサ26の他、アクセルペダル42の踏込量、即ちアクセル開度θaccを検出するアクセル開度センサ(APS)44やクランク角を検出することによりエンジン回転速度Neを検出可能なクランク角センサ46等の各種センサ類が接続されている。
【0036】
一方、ECU40の出力側には、上記燃料噴射ノズル4、吸気絞り弁12、排気絞り弁22、EGR弁32の他、各種故障状況を点灯表示する故障ランプ50等の各種デバイス類が接続されている。
これにより、各種センサ類からの入力情報に基づき各種デバイス類が作動制御され、エンジン1が適正に運転制御される。例えば、アクセル開度センサ44、エアフローセンサ14、λセンサ26からの情報に基づき燃料噴射量Qfや吸気絞り弁12の開度が調節されてエンジン1の運転制御が行われ、通常の運転のみならず後処理装置24の再生制御、排ガス浄化促進のための吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度制御(排気流量制御手段)、EGR弁32の開度制御(EGR弁制御手段)等が実施される。
【0037】
以下、上記のように構成された内燃機関の故障検出装置の作用について説明する。
先ず、第1実施例を説明する。
図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。
【0038】
先ず、ステップS10では、排気流量制御有か否か、即ち吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を共に、或いは吸気絞り弁12または排気絞り弁22を単独で閉弁制御し、排気流量を調節しているか否かを判別する。つまり、エンジン1が例えば冷態始動状態にあって排ガス浄化性能が低いような状況下において、排気流量制御を実施して排ガス浄化の促進を図っているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で排気流量制御有と判定された場合には、ステップS12に進む。
【0039】
ステップS12では、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の全体としての目標絞り弁開度を設定する。ここでは、例えばエンジン1の温度(冷却水温等)に応じて目標絞り弁開度(目標調節量、目標弁開度)を設定する(目標調節量設定手段)。なお、この場合、通常はエンジン1の運転状態に応じて空気過剰率λの目標値(所定値)λ1が設定されるが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度が変化すると排圧上昇によって排ガスの燃焼室2内へのEGRが生じ、当該EGR量に応じて空気過剰率λは変化するため、ここでは、さらに目標絞り弁開度に応じて空気過剰率λが目標値λ1を保持するように燃料噴射量Qfを制御する。換言すれば、空気過剰率λが目標値λ1となるようにしながら目標絞り弁開度を設定する。実際には、予め例えばエンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf及び目標値λ1と目標絞り弁開度との関係を示すマップが実験等に基づいて設定されており、目標絞り弁開度が設定されると適正な燃料噴射量Qfが当該マップから読み出される。 ステップS14では、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λに応じて上記設定した目標絞り弁開度を補正する。つまり、目標絞り弁開度はあくまでもECU40からの指令値であって実際値ではないため、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度を目標値λ1の下で目標絞り弁開度となるように制御したとしても、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間に開度差が生じる場合があり、このように開度差が生じると空気量が増減して目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差を生じることから、当該目標値λ1と実際の空気過剰率λとを比較し、当該比較結果に応じて目標絞り弁開度を実際の開度となるように補正する。
【0040】
具体的には、目標値λ1とλセンサ26により検出される実際の空気過剰率λの値との差(絶対値)|λ−λ1|を求め、当該差に相当する分だけ目標絞り弁開度を補正する。なお、このように求めた目標絞り弁開度の補正値を学習値として記憶するようにしてもよい。
これにより、目標絞り弁開度が吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなる。
【0041】
ステップS16では、上記のように求めた適正な目標絞り弁開度に基づいて新気流入量Qaの基準値、即ち新気量基準値を設定する(新気量基準値設定手段)。つまり、新気流入量Qaの基準値である新気量基準値は、基本的にはエンジン1の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf、エンジントルク、絞り弁開度(スロットル開度)、吸気負圧等)に応じて設定されるが、ここでは、当該新気量基準値を上記のように求めた目標絞り弁開度で補正するようにする。実際には、排気流量制御を実施した場合の新気流入量Qa’と目標絞り弁開度との関係が予めマップとして設定されており、ここでは当該マップから読み出された新気流入量Qa’を新気量基準値として設定する。
【0042】
このとき、目標絞り弁開度は上述したように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっているので、新気量基準値は、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を調節せず排気流量を調節しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
一方、上記ステップS10の判別結果が偽(No)で排気流量制御を実施していないと判定された場合には、ステップS20に進む。
【0043】
この場合には、目標絞り弁開度を考慮することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定する。
ステップS22では、エアフローセンサ14の出力信号Safsと上記のように求めた新気量基準値との差(絶対値)|Safs−基準値|をXとして算出する(|Safs−基準値|=X)。つまり、エアフローセンサ14が正常に機能していれば出力信号Safsは新気量基準値と一致するはずであるが、ここでは出力信号Safsと新気量基準値とが一致していない場合に、当該一致していないことを差Xとして検出する。
【0044】
そして、ステップS24において、当該差Xが所定値X1(微小値)以上(X≧X1)であるか否かを判別する。
ステップS24の判別結果が真(Yes)で差Xが所定値X1以上と判定された場合には、エアフローセンサ14が正常に機能しておらず異常であり、エアフローセンサ14に故障が発生していると判断できる(故障検出手段)。従って、この場合には、ステップS26において差Xが所定値X1以上である状態が所定時間t1継続したことを確認し、ステップS28において、エアフローセンサ14が故障であることを故障ランプ50を点灯させて運転者等に知らせる。また、ステップS30において、エアフローセンサ14が故障に対応した故障コードをECU40内のメモリに記録する。
【0045】
特に、ここでは、新気量基準値は適正な目標絞り弁開度に基づいて吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を作動させない場合と同様に極めて正確に設定されているので、排気流量の調節に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
これにより、例えば、エアフローセンサ14の出力情報を後処理装置24の再生制御に使用する場合において、当該制御を適正に実施して排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0046】
ステップS24の判別結果が偽(No)で差Xが所定値X1(微小値)よりも小さいと判定された場合には、エアフローセンサ14は故障なく正常に機能していると判断でき、そのまま当該ルーチンを抜ける。
次に、第2実施例を説明する。
図3を参照すると、第2実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。なお、当該第2実施例では、上記第1実施例と異なる部分について説明する。
【0047】
第2実施例では、ステップS12において目標絞り弁開度を設定したら、上記第1実施例のような補正をすることなく、次のステップS16において、そのまま当該目標絞り弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。換言すれば、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間に開度差が生じ、目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差が生じていないかどうかを判別する。
【0048】
ステップS17の判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS18おいて、実際の空気過剰率λが目標値λ1に一致するように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の絞り弁開度を補正する。
【0049】
つまり、上記第1実施例では吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に対して目標絞り弁開度を補正するようにしたが、当該第2実施例では目標絞り弁開度に対して吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度を補正するようにする。
従って、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度が目標絞り弁開度に即した適正なものとなり、やはり、新気量基準値は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を作動させない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
【0050】
これにより、排気流量の調節に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができ、例えば、エアフローセンサ14の情報を後処理装置24の再生制御に使用する場合において、当該制御を適正に実施して排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0051】
次に、第3実施例を説明する。
図4を参照すると、第3実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。なお、当該第3実施例では、上記第1実施例、第2実施例と異なる部分について説明する。
【0052】
第3実施例では、ステップS12において目標絞り弁開度を設定したら、上記第2実施例と同様に、次のステップS16において、そのまま当該目標絞り弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、上記第2実施例と同様に、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。
【0053】
ステップS17の判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS19おいて排気流量制御を停止し、ステップS20において通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定した後、ステップS22に進む。
【0054】
つまり、当該第3実施例では、実際の空気過剰率λと目標値λ1とに差がある場合には、新気量基準値を正確に設定できないと判断して排気流量制御自体を停止するようにし、排気流量を調節することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaを新気量基準値としてエアフローセンサ14の故障判定を行うようにする。
【0055】
なお、この際、エアフローセンサ14の故障判定を中止するのではなく、排気流量制御を停止している間においてもエアフローセンサ14の故障判定は継続的に実施されるので、故障診断の機会が減少してしまうようなこともない。
これにより、排気流量の調節度合いを一切気にすることなく新気量基準値が常に正確な値に設定され、やはり、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
【0056】
以下、第4実施例乃至第6実施例について説明する。
第4実施例乃至第6実施例は、排気流量制御を考慮した上記第1実施例乃至第3実施例の故障判定にさらにEGR制御を加味して故障判定を行う場合を示しており、第4実施例が第1実施例に対応し、第5実施例が第2実施例に対応し、第6実施例が第3実施例に対応している。
【0057】
図5を参照すると、本発明の第4実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第1実施例と異なる部分について説明する。
先ず、ステップS10では、上記同様に、排気流量制御有か否か、即ち吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を共に、或いは吸気絞り弁12または排気絞り弁22を単独で閉弁制御し、排気流量を調節しているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で排気流量制御有と判定された場合には、ステップS11に進む。
【0058】
ステップS11では、EGR有か否か、即ち排気流量制御とともにEGR弁32を開弁作動させてEGRガスを吸気系に導入しているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)でEGR有と判定された場合には、ステップS12’に進む。
ステップS12’では、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の全体としての目標絞り弁開度とともにEGR弁32の目標EGR弁開度を設定する。ここでは、目標絞り弁開度(目標調節量)については、上述したように例えばエンジン1の温度(冷却水温等)に応じて設定し(目標調節量設定手段)、目標EGR弁開度については、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qfに応じて設定する(目標開度設定手段)。
【0059】
なお、この場合、通常はエンジン1の運転状態に応じて空気過剰率λの目標値(所定値)λ1が設定されるが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度が変化すると上述の如く排ガスの燃焼室2内へのEGRが生じ、当該EGR量に応じて空気過剰率λは変化するため、ここでは、さらに目標絞り弁開度に応じて空気過剰率λが目標値λ1を保持するように燃料噴射量Qfを制御する。換言すれば、空気過剰率λが目標値λ1となるようにしながら目標絞り弁開度を設定する。実際には、上述したように、燃料噴射量Qfは予め設定されたマップから読み出される。
【0060】
また、目標値λ1が変化すると吸気絞り弁12の開度及び燃料噴射量Qfとの関係においてEGRガス導入量、即ち目標EGR弁開度も変化するため、ここでは、さらに空気過剰率λの目標値λ1に応じて目標EGR弁開度を設定する。実際には、予めエンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf及び目標値λ1と目標EGR弁開度との関係を示すマップが実験等に基づいて設定されており、目標EGR弁開度は当該マップから読み出される。
【0061】
ステップS14’では、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λに応じて上記設定した目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を補正する。つまり、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度はあくまでもECU40からの指令値であって実際値ではないため、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度を目標値λ1の下で目標絞り弁開度となるように制御し、またEGR弁32の開度を目標値λ1に応じた目標EGR弁開度となるように制御したとしても、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間、或いはEGR弁32の実際の開度と目標EGR弁開度との間に開度差が生じる場合があり、このように開度差が生じると目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差を生じることから、当該目標値λ1と実際の空気過剰率λとを比較し、当該比較結果に応じて目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を実際の開度となるように補正する。
【0062】
具体的には、上記同様に、目標値λ1とλセンサ26により検出される実際の空気過剰率λの値との差(絶対値)|λ−λ1|を求め、当該差に相当する分だけ目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を補正する。なお、この場合、差|λ−λ1|に応じて目標絞り弁開度と目標EGR弁開度とを全体として補正すればよい。
【0063】
ステップS16’では、上記のように求めた目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気流入量Qaの基準値、即ち新気量基準値を設定する(新気量基準値設定手段)。つまり、新気流入量Qaの基準値である新気量基準値は、基本的にはエンジン1の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて設定されるが、ここでは、当該新気量基準値を上記のように求めた目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度で補正するようにする。実際には、排気流量制御を実施した場合の新気流入量Qa’と目標絞り弁開度との関係が予めマップとして設定されており、ここでは当該マップから読み出された新気流入量Qa’と目標EGR弁開度に応じたEGRガス量Qegrとの差(Qa’−Qegr)を求め、当該差(Qa’−Qegr)に応じた基準値を新気量基準値として求める。或いは、EGRガスを含まない新気流入量Qa’の新気量基準値を目標EGR弁開度に応じた値で補正するようにしてもよい。
【0064】
このとき、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は上述したように全体として吸気絞り弁12及び排気絞り弁22やEGR弁32の実際の開度に即したものとなっているので、新気量基準値は、排気流量を調節しない場合やEGRガスを導入しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
一方、上記ステップS10の判別結果が偽(No)で排気流量制御を実施していないと判定された場合、ステップS11の判別結果が偽(No)でEGRガスを吸気系に導入していないと判定された場合には、ステップS20に進む。
【0065】
この場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を考慮することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定する。
そして、上記同様、ステップS22では、エアフローセンサ14の出力信号Safsと上記のように求めた新気量基準値との差(絶対値)|Safs−基準値|をXとして算出し(|Safs−基準値|=X)、ステップS24において、当該差Xが所定値X1(微小値)以上(X≧X1)であるか否かを判別し、判別結果が真(Yes)で差Xが所定値X1以上と判定された場合には、エアフローセンサ14に故障が発生していると判断し(故障検出手段)、ステップS28において、エアフローセンサ14が故障であることを故障ランプ50の点灯により運転者等に知らせる。また、ステップS30において、エアフローセンサ14が故障に対応した故障コードをECU40内のメモリに記録する。
【0066】
これにより、排気流量制御を行い、さらにEGRガスを吸気系に導入する場合であっても、上記第1実施例乃至第3実施例の場合と同様に、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
図6を参照すると、本発明の第5実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第4実施例と異なる部分について説明する。
【0067】
第5実施例では、ステップS12’において目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を設定したら、上記第4実施例のような補正をすることなく、次のステップS16’において、そのまま当該目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、上記同様、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は実際の開度に即したものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
【0068】
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS18’において、実際の空気過剰率λが目標値λ1に一致するように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の絞り弁開度やEGR弁32の開度を補正する。
つまり、上記第4実施例では実際値に対し目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を補正するようにしたが、当該第5実施例では目標値に対し吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の絞り開度及びEGR弁32の開度を補正するようにする。
【0069】
従って、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度やEGR弁32の実際の開度が目標絞り弁開度や目標EGR弁開度に即したものとなり、やはり、新気量基準値は、排気流量を調節しない場合やEGRガスを導入しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
これにより、排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
【0070】
図7を参照すると、本発明の第6実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第4及び第5実施例と異なる部分について説明する。
第6実施例では、ステップS12’において目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を設定したら、上記第5実施例と同様に、次のステップS16’において、そのまま当該目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
【0071】
そして、ステップS17において、上記同様、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は実際の開度に即したものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
【0072】
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS19’おいて排気流量制御及びEGR制御を停止し、ステップS20において通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定した後、ステップS22に進む。
つまり、当該第6実施例では、実際の空気過剰率λと目標値λ1とに差がある場合には、新気量基準値を正確に設定できないと判断して排気流量制御及びEGR制御自体を停止するようにし、排気流量を調節することなく、またEGRガスを導入することなくエンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaを新気量基準値としてエアフローセンサ14の故障判定を行うようにする。
【0073】
これにより、故障診断の機会が減少してしまうようなこともなく、排気流量の調節度合いやEGRガスの導入度合いを一切気にすることなく新気量基準値が常に正確な値に設定され、やはり、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明の実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
【0074】
例えば、上記実施形態では、排気濃度検出手段としてλセンサ(O2センサ等)26を備え、当該λセンサ26により排気系の空気過剰率λまたは空燃比を検出して目標値(所定値)λ1と比較するような構成にしたが、これに限られず、燃焼室2に流入するガスの濃度を検出する手段を備え、該流入ガス濃度と所定値とを比較するような構成にしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、排気流量調節手段として吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を設けるようにしたが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22のいずれか一方だけで構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態ではエンジン1としてディーゼルエンジンを採用したが、エンジン1はガソリンエンジンであってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量に応じて新気流入量の基準値を設定するので、新気流入量の基準値を目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量を考慮した値にでき、当該基準値と新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量との比較結果に基づき、排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段(エアフローセンサ)の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0077】
また、請求項2の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定するので、やはり吸気絞り弁及び排気絞り弁による排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。
【0078】
また、請求項3の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量を補正し、当該補正した目標調節量に応じて基準値を設定するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量に即して適正に設定できることになり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0079】
また、請求項4の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量を補正制御するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量に即した適正なものにでき、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0080】
また、請求項5の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御を停止し、新気流入量の基準値を内燃機関の運転状態にのみ応じて設定するので、故障診断の機会を減ずることなく、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0081】
また、請求項6の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて新気流入量の基準値を設定するので、新気流入量の基準値を目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値にでき、当該基準値と新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量との比較結果に基づき、排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段(エアフローセンサ)の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0082】
また、請求項7の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定するので、やはり吸気絞り弁及び排気絞り弁による排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、請求項8の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量や目標EGR弁開度を補正し、当該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて基準値を設定するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即して設定できることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0084】
また、請求項9の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量及びEGR弁開度を補正制御するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即したものにでき、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0085】
また、請求項10の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御及びEGR弁の制御を停止し、新気流入量の基準値を内燃機関の運転状態にのみ応じて設定するので、故障診断の機会を減ずることなく、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の故障検出装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第5実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第6実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
10 吸気通路
12 吸気絞り弁(排気流量調節手段)
14 エアフローセンサ(AFS)
20 排気通路
22 排気絞り弁(排気流量調節手段)
24 後処理装置
26 λセンサ(排気濃度検出手段)
30 EGR通路
32 EGR弁
40 電子コントロールユニット(ECU)
46 クランク角センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の故障検出装置に係り、詳しくは、エアフローセンサの異常を確実に検出する技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、車両に搭載されたエンジンから有害な排ガスが排出されるのを防止すべく、種々の制御手段を用いることで排ガス性能の向上が図られている。
このような制御手段では、種々のセンサ類からの情報に基づいて排ガス性能の向上を実現するようにしており、これらセンサ類に故障があると排ガス性能の悪化に繋がるおそれがあることから、センサ類の故障を確実に検出することが要求されている。
【0003】
センサ類の中でも、エアフローセンサ(AFS)からの情報は後処理装置やEGR等の制御に多く使用されており、当該エアフローセンサが故障すると排ガス性能に大きな影響を及ぼすことになるため、当該エアフローセンサの故障診断は特に重要なものとなっている。
そこで、最近では、車載故障診断システム(OBD等)を搭載した車両が開発され実用化されており、また、例えば、エンジン回転速度が所定値以下で且つエアフローセンサで検出される吸入空気量が所定値以上のときに、エアフローセンサが異常であると判定する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−018897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エアフローセンサの故障診断においては、通常はエンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度(絞り弁開度)、吸気負圧等の運転状態に応じて予め設定された基準値とエアフローセンサからの出力値とを比較して故障判定を行うようにしており、排ガス浄化促進のために吸気系や排気系に排気流量制御弁を設けて排気流量を調節するような場合やこれに加えて吸気系にEGRを導入するような場合には排気流量制御弁の開度やEGR弁の開度に応じて新気量が変動してしまい、エアフローセンサの故障判定を正確にできないという問題がある。
【0006】
そこで、例えば排気流量制御弁やEGR弁の開度が変動するようなときにはエアフローセンサの故障判定を行わないことも考えられ、上記特許文献1の場合には、バイパスエアが供給されるエンジン冷態時にエアフローセンサの異常判定を禁止するようにしているが、このような制約を加えるとエアフローセンサの故障判定を行える時期が大きく制限されることになり好ましいものではない。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排気流量制御に拘わらずエアフローセンサの異常を確実に検出可能な内燃機関の故障検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、内燃機関の吸気系及び排気系の少なくともいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段とを備え、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0009】
従って、新気量基準値設定手段により内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて新気流入量の基準値が設定され、当該設定された基準値と新気流量検出手段により検出された新気流入量との比較結果に基づいて新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常や故障の有無が検出されることになるが、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量を考慮した値とされ、排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上が図られる。
【0010】
また、請求項2の発明では、前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0011】
従って、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は当該目標弁開度、即ち吸気絞り弁及び排気絞り弁による排気流量の調節量を考慮した値とされ、やはり排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。
【0012】
また、請求項3の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記排気流量調節手段の目標調節量を補正し、該補正した目標調節量に応じて前記基準値を設定することを特徴としている。
【0013】
従って、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量を補正し、当該補正した目標調節量に応じて基準値を設定することにより、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量に即して適正に設定されることになり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0014】
また、請求項4の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正することを特徴としている。
【0015】
従って、上述の如く、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量が補正制御されることで、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量に即した適正なものとなり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0016】
また、請求項5の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0017】
従って、排気流量調節手段の目標調節量は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御を停止するので、故障診断の機会が減ずることもなく、新気流入量の基準値が内燃機関の運転状態にのみ応じて設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0018】
また、請求項6の発明では、内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、内燃機関の吸気系及び排気系のいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段と、内燃機関の排気系から排ガスの一部をEGRガスとして前記吸気系に還流させるEGR通路と、該EGR通路に介装され、開度の変更によりEGRガス量を調節するEGR弁と、排気系の空燃比または空気過剰率が前記所定値となるよう前記運転状態に応じて前記EGR弁の目標EGR弁開度を設定する目標開度設定手段と、該目標開度設定手段により設定された目標EGR弁開度に応じて前記EGR弁を制御するEGR弁制御手段とを備え、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0019】
従って、新気量基準値設定手段により内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて新気流入量の基準値が設定され、当該設定された基準値と新気流量検出手段により検出された新気流入量との比較結果に基づいて新気流量検出手段(エアフローセンサ)の異常や故障の有無が検出されることになるが、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値とされ、排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上が図られる。
【0020】
また、請求項7の発明では、前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0021】
従って、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度と目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することになるため、新気流入量の基準値は当該目標弁開度、即ち吸気絞り弁及び排気絞り弁による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値とされ、やはり排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断が適正にして確実に実施されて新気流量検出手段の信頼性が向上する。
【0022】
また、請求項8の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記目標調節量及び前記目標EGR弁開度の少なくともいずれか一方を補正し、該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて前記基準値を設定することを特徴としている。
【0023】
従って、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量や目標EGR弁開度を補正し、当該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することにより、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即して設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0024】
また、請求項9の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正し、前記EGR弁制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記EGR弁の開度を補正することを特徴としている。
【0025】
従って、上述の如く、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量及びEGR弁開度が補正制御されることで、新気流入量の基準値が排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即したものとなり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0026】
また、請求項10の発明では、排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御及び前記EGR弁制御手段による前記EGR弁の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴としている。
【0027】
従って、排気流量調節手段の目標調節量やEGR弁の目標EGR弁開度は、排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量等)に応じて設定される指令値であり、実際の調節量やEGR弁開度と異なっている可能性があるが、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と上記所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御及びEGR弁の制御を停止するので、故障診断の機会が減ずることもなく、新気流入量の基準値が内燃機関の運転状態にのみ応じて設定されることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度が高まり、新気流量検出手段の信頼性がさらに向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係る内燃機関の故障検出装置の概略構成図が示されており、以下、同図に基づき本発明に係る内燃機関の故障検出装置の構成を説明する。
【0029】
図1に示すように、内燃機関であるエンジン1は例えばコモンレール式直列4気筒のディーゼルエンジンである。コモンレール式のエンジン1では、燃焼室2に臨んで電磁式の燃料噴射ノズル4が各気筒毎に設けられており、各燃料噴射ノズル4は高圧パイプ5によりコモンレール6に接続されている。そして、コモンレール6は、高圧パイプ7aを介して高圧ポンプ8に接続され、該高圧ポンプ8から低圧パイプ7bを介して燃料タンク9に接続されている。なお、エンジン1がディーゼルエンジンであるため、燃料としては軽油が使用される。
【0030】
エンジン1の吸気通路10には電磁式の吸気絞り弁(排気流量調節手段)12が設けられており、吸気絞り弁12よりも上流側には、出力信号Safsに基づき新気流入量Qaを検出するエアフローセンサ(AFS、新気流量検出手段)14が設けられている。吸気絞り弁12は例えばバタフライバルブからなり、エアフローセンサ14は、ここでは例えばカルマン渦式エアフローセンサが採用されるが、熱線式エアフローセンサ等であってもよい。
【0031】
一方、排気通路20には、後処理装置24が介装されている。後処理装置24は、例えばディーゼル・パティキュレートフィルタ(DPF)24bの上流に酸化触媒24aが設けられて連続再生式DPFとして構成されている。
連続再生式DPFは、酸化触媒24aにおいて酸化剤(NO2)を生成し、該生成された酸化剤によって下流のDPF24bに堆積したパティキュレートマター(PM)を排ガスが比較的高い温度の下で連続的に酸化除去してDPF24bを再生可能に構成されている。
【0032】
また、排気通路20の後処理装置24よりも上流位置には、排気中の酸素濃度を検出することにより排気系の空気過剰率λを検出するλセンサ(O2センサ等、排気濃度検出手段)26が設けられている。なお、ここでは空気過剰率λを検出するようにしたが空燃比を検出するようにしてもよく、λセンサ26に代えて空燃比センサ(LAFS等)を用いるようにしてもよい。
【0033】
また、排気通路20には電磁式の排気絞り弁(排気流量調節手段)22が設けられている。排気絞り弁22は、上記吸気絞り弁12と同様に例えばバタフライバルブからなり、吸気絞り弁12と共に或いは単独で作動させられることにより、排気流量、即ち排気流速を調節して排ガスの排気通路20内での温度を制御し、例えばエンジン1の冷態始動時等において排ガス浄化の促進を図ることが可能に構成されている。なお、排気絞り弁22は排気ブレーキとしても機能する。
【0034】
さらに、排気通路20のエンジン1の近傍位置からは排ガスの一部をEGRガスとして吸気系に還流させるEGR通路30が延びており、該EGR通路30の終端は吸気通路10の吸気絞り弁12よりも下流部分に接続されている。そして、EGR通路30には、任意の開度に開度調節可能な電磁式のEGR弁32が介装されている。
【0035】
電子コントロールユニット(ECU)40の入力側には、上述したエアフローセンサ14、λセンサ26の他、アクセルペダル42の踏込量、即ちアクセル開度θaccを検出するアクセル開度センサ(APS)44やクランク角を検出することによりエンジン回転速度Neを検出可能なクランク角センサ46等の各種センサ類が接続されている。
【0036】
一方、ECU40の出力側には、上記燃料噴射ノズル4、吸気絞り弁12、排気絞り弁22、EGR弁32の他、各種故障状況を点灯表示する故障ランプ50等の各種デバイス類が接続されている。
これにより、各種センサ類からの入力情報に基づき各種デバイス類が作動制御され、エンジン1が適正に運転制御される。例えば、アクセル開度センサ44、エアフローセンサ14、λセンサ26からの情報に基づき燃料噴射量Qfや吸気絞り弁12の開度が調節されてエンジン1の運転制御が行われ、通常の運転のみならず後処理装置24の再生制御、排ガス浄化促進のための吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度制御(排気流量制御手段)、EGR弁32の開度制御(EGR弁制御手段)等が実施される。
【0037】
以下、上記のように構成された内燃機関の故障検出装置の作用について説明する。
先ず、第1実施例を説明する。
図2を参照すると、本発明の第1実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。
【0038】
先ず、ステップS10では、排気流量制御有か否か、即ち吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を共に、或いは吸気絞り弁12または排気絞り弁22を単独で閉弁制御し、排気流量を調節しているか否かを判別する。つまり、エンジン1が例えば冷態始動状態にあって排ガス浄化性能が低いような状況下において、排気流量制御を実施して排ガス浄化の促進を図っているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で排気流量制御有と判定された場合には、ステップS12に進む。
【0039】
ステップS12では、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の全体としての目標絞り弁開度を設定する。ここでは、例えばエンジン1の温度(冷却水温等)に応じて目標絞り弁開度(目標調節量、目標弁開度)を設定する(目標調節量設定手段)。なお、この場合、通常はエンジン1の運転状態に応じて空気過剰率λの目標値(所定値)λ1が設定されるが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度が変化すると排圧上昇によって排ガスの燃焼室2内へのEGRが生じ、当該EGR量に応じて空気過剰率λは変化するため、ここでは、さらに目標絞り弁開度に応じて空気過剰率λが目標値λ1を保持するように燃料噴射量Qfを制御する。換言すれば、空気過剰率λが目標値λ1となるようにしながら目標絞り弁開度を設定する。実際には、予め例えばエンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf及び目標値λ1と目標絞り弁開度との関係を示すマップが実験等に基づいて設定されており、目標絞り弁開度が設定されると適正な燃料噴射量Qfが当該マップから読み出される。 ステップS14では、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λに応じて上記設定した目標絞り弁開度を補正する。つまり、目標絞り弁開度はあくまでもECU40からの指令値であって実際値ではないため、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度を目標値λ1の下で目標絞り弁開度となるように制御したとしても、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間に開度差が生じる場合があり、このように開度差が生じると空気量が増減して目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差を生じることから、当該目標値λ1と実際の空気過剰率λとを比較し、当該比較結果に応じて目標絞り弁開度を実際の開度となるように補正する。
【0040】
具体的には、目標値λ1とλセンサ26により検出される実際の空気過剰率λの値との差(絶対値)|λ−λ1|を求め、当該差に相当する分だけ目標絞り弁開度を補正する。なお、このように求めた目標絞り弁開度の補正値を学習値として記憶するようにしてもよい。
これにより、目標絞り弁開度が吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなる。
【0041】
ステップS16では、上記のように求めた適正な目標絞り弁開度に基づいて新気流入量Qaの基準値、即ち新気量基準値を設定する(新気量基準値設定手段)。つまり、新気流入量Qaの基準値である新気量基準値は、基本的にはエンジン1の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf、エンジントルク、絞り弁開度(スロットル開度)、吸気負圧等)に応じて設定されるが、ここでは、当該新気量基準値を上記のように求めた目標絞り弁開度で補正するようにする。実際には、排気流量制御を実施した場合の新気流入量Qa’と目標絞り弁開度との関係が予めマップとして設定されており、ここでは当該マップから読み出された新気流入量Qa’を新気量基準値として設定する。
【0042】
このとき、目標絞り弁開度は上述したように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっているので、新気量基準値は、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を調節せず排気流量を調節しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
一方、上記ステップS10の判別結果が偽(No)で排気流量制御を実施していないと判定された場合には、ステップS20に進む。
【0043】
この場合には、目標絞り弁開度を考慮することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定する。
ステップS22では、エアフローセンサ14の出力信号Safsと上記のように求めた新気量基準値との差(絶対値)|Safs−基準値|をXとして算出する(|Safs−基準値|=X)。つまり、エアフローセンサ14が正常に機能していれば出力信号Safsは新気量基準値と一致するはずであるが、ここでは出力信号Safsと新気量基準値とが一致していない場合に、当該一致していないことを差Xとして検出する。
【0044】
そして、ステップS24において、当該差Xが所定値X1(微小値)以上(X≧X1)であるか否かを判別する。
ステップS24の判別結果が真(Yes)で差Xが所定値X1以上と判定された場合には、エアフローセンサ14が正常に機能しておらず異常であり、エアフローセンサ14に故障が発生していると判断できる(故障検出手段)。従って、この場合には、ステップS26において差Xが所定値X1以上である状態が所定時間t1継続したことを確認し、ステップS28において、エアフローセンサ14が故障であることを故障ランプ50を点灯させて運転者等に知らせる。また、ステップS30において、エアフローセンサ14が故障に対応した故障コードをECU40内のメモリに記録する。
【0045】
特に、ここでは、新気量基準値は適正な目標絞り弁開度に基づいて吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を作動させない場合と同様に極めて正確に設定されているので、排気流量の調節に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
これにより、例えば、エアフローセンサ14の出力情報を後処理装置24の再生制御に使用する場合において、当該制御を適正に実施して排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0046】
ステップS24の判別結果が偽(No)で差Xが所定値X1(微小値)よりも小さいと判定された場合には、エアフローセンサ14は故障なく正常に機能していると判断でき、そのまま当該ルーチンを抜ける。
次に、第2実施例を説明する。
図3を参照すると、第2実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。なお、当該第2実施例では、上記第1実施例と異なる部分について説明する。
【0047】
第2実施例では、ステップS12において目標絞り弁開度を設定したら、上記第1実施例のような補正をすることなく、次のステップS16において、そのまま当該目標絞り弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。換言すれば、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間に開度差が生じ、目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差が生じていないかどうかを判別する。
【0048】
ステップS17の判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS18おいて、実際の空気過剰率λが目標値λ1に一致するように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の絞り弁開度を補正する。
【0049】
つまり、上記第1実施例では吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に対して目標絞り弁開度を補正するようにしたが、当該第2実施例では目標絞り弁開度に対して吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度を補正するようにする。
従って、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度が目標絞り弁開度に即した適正なものとなり、やはり、新気量基準値は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を作動させない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
【0050】
これにより、排気流量の調節に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができ、例えば、エアフローセンサ14の情報を後処理装置24の再生制御に使用する場合において、当該制御を適正に実施して排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0051】
次に、第3実施例を説明する。
図4を参照すると、第3実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い説明する。なお、当該第3実施例では、上記第1実施例、第2実施例と異なる部分について説明する。
【0052】
第3実施例では、ステップS12において目標絞り弁開度を設定したら、上記第2実施例と同様に、次のステップS16において、そのまま当該目標絞り弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、上記第2実施例と同様に、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。
【0053】
ステップS17の判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度は吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度に即した適正なものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS19おいて排気流量制御を停止し、ステップS20において通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定した後、ステップS22に進む。
【0054】
つまり、当該第3実施例では、実際の空気過剰率λと目標値λ1とに差がある場合には、新気量基準値を正確に設定できないと判断して排気流量制御自体を停止するようにし、排気流量を調節することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaを新気量基準値としてエアフローセンサ14の故障判定を行うようにする。
【0055】
なお、この際、エアフローセンサ14の故障判定を中止するのではなく、排気流量制御を停止している間においてもエアフローセンサ14の故障判定は継続的に実施されるので、故障診断の機会が減少してしまうようなこともない。
これにより、排気流量の調節度合いを一切気にすることなく新気量基準値が常に正確な値に設定され、やはり、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
【0056】
以下、第4実施例乃至第6実施例について説明する。
第4実施例乃至第6実施例は、排気流量制御を考慮した上記第1実施例乃至第3実施例の故障判定にさらにEGR制御を加味して故障判定を行う場合を示しており、第4実施例が第1実施例に対応し、第5実施例が第2実施例に対応し、第6実施例が第3実施例に対応している。
【0057】
図5を参照すると、本発明の第4実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第1実施例と異なる部分について説明する。
先ず、ステップS10では、上記同様に、排気流量制御有か否か、即ち吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を共に、或いは吸気絞り弁12または排気絞り弁22を単独で閉弁制御し、排気流量を調節しているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)で排気流量制御有と判定された場合には、ステップS11に進む。
【0058】
ステップS11では、EGR有か否か、即ち排気流量制御とともにEGR弁32を開弁作動させてEGRガスを吸気系に導入しているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)でEGR有と判定された場合には、ステップS12’に進む。
ステップS12’では、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の全体としての目標絞り弁開度とともにEGR弁32の目標EGR弁開度を設定する。ここでは、目標絞り弁開度(目標調節量)については、上述したように例えばエンジン1の温度(冷却水温等)に応じて設定し(目標調節量設定手段)、目標EGR弁開度については、エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qfに応じて設定する(目標開度設定手段)。
【0059】
なお、この場合、通常はエンジン1の運転状態に応じて空気過剰率λの目標値(所定値)λ1が設定されるが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度が変化すると上述の如く排ガスの燃焼室2内へのEGRが生じ、当該EGR量に応じて空気過剰率λは変化するため、ここでは、さらに目標絞り弁開度に応じて空気過剰率λが目標値λ1を保持するように燃料噴射量Qfを制御する。換言すれば、空気過剰率λが目標値λ1となるようにしながら目標絞り弁開度を設定する。実際には、上述したように、燃料噴射量Qfは予め設定されたマップから読み出される。
【0060】
また、目標値λ1が変化すると吸気絞り弁12の開度及び燃料噴射量Qfとの関係においてEGRガス導入量、即ち目標EGR弁開度も変化するため、ここでは、さらに空気過剰率λの目標値λ1に応じて目標EGR弁開度を設定する。実際には、予めエンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf及び目標値λ1と目標EGR弁開度との関係を示すマップが実験等に基づいて設定されており、目標EGR弁開度は当該マップから読み出される。
【0061】
ステップS14’では、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λに応じて上記設定した目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を補正する。つまり、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度はあくまでもECU40からの指令値であって実際値ではないため、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の開度を目標値λ1の下で目標絞り弁開度となるように制御し、またEGR弁32の開度を目標値λ1に応じた目標EGR弁開度となるように制御したとしても、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度と目標絞り弁開度との間、或いはEGR弁32の実際の開度と目標EGR弁開度との間に開度差が生じる場合があり、このように開度差が生じると目標値λ1と実際の空気過剰率λとの間にも同様の差を生じることから、当該目標値λ1と実際の空気過剰率λとを比較し、当該比較結果に応じて目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を実際の開度となるように補正する。
【0062】
具体的には、上記同様に、目標値λ1とλセンサ26により検出される実際の空気過剰率λの値との差(絶対値)|λ−λ1|を求め、当該差に相当する分だけ目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を補正する。なお、この場合、差|λ−λ1|に応じて目標絞り弁開度と目標EGR弁開度とを全体として補正すればよい。
【0063】
ステップS16’では、上記のように求めた目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気流入量Qaの基準値、即ち新気量基準値を設定する(新気量基準値設定手段)。つまり、新気流入量Qaの基準値である新気量基準値は、基本的にはエンジン1の運転状態(エンジン回転速度Ne、燃料噴射量Qf、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)に応じて設定されるが、ここでは、当該新気量基準値を上記のように求めた目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度で補正するようにする。実際には、排気流量制御を実施した場合の新気流入量Qa’と目標絞り弁開度との関係が予めマップとして設定されており、ここでは当該マップから読み出された新気流入量Qa’と目標EGR弁開度に応じたEGRガス量Qegrとの差(Qa’−Qegr)を求め、当該差(Qa’−Qegr)に応じた基準値を新気量基準値として求める。或いは、EGRガスを含まない新気流入量Qa’の新気量基準値を目標EGR弁開度に応じた値で補正するようにしてもよい。
【0064】
このとき、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は上述したように全体として吸気絞り弁12及び排気絞り弁22やEGR弁32の実際の開度に即したものとなっているので、新気量基準値は、排気流量を調節しない場合やEGRガスを導入しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
一方、上記ステップS10の判別結果が偽(No)で排気流量制御を実施していないと判定された場合、ステップS11の判別結果が偽(No)でEGRガスを吸気系に導入していないと判定された場合には、ステップS20に進む。
【0065】
この場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度を考慮することなく、エンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定する。
そして、上記同様、ステップS22では、エアフローセンサ14の出力信号Safsと上記のように求めた新気量基準値との差(絶対値)|Safs−基準値|をXとして算出し(|Safs−基準値|=X)、ステップS24において、当該差Xが所定値X1(微小値)以上(X≧X1)であるか否かを判別し、判別結果が真(Yes)で差Xが所定値X1以上と判定された場合には、エアフローセンサ14に故障が発生していると判断し(故障検出手段)、ステップS28において、エアフローセンサ14が故障であることを故障ランプ50の点灯により運転者等に知らせる。また、ステップS30において、エアフローセンサ14が故障に対応した故障コードをECU40内のメモリに記録する。
【0066】
これにより、排気流量制御を行い、さらにEGRガスを吸気系に導入する場合であっても、上記第1実施例乃至第3実施例の場合と同様に、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
図6を参照すると、本発明の第5実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第4実施例と異なる部分について説明する。
【0067】
第5実施例では、ステップS12’において目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を設定したら、上記第4実施例のような補正をすることなく、次のステップS16’において、そのまま当該目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
そして、ステップS17において、上記同様、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は実際の開度に即したものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
【0068】
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS18’において、実際の空気過剰率λが目標値λ1に一致するように吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の絞り弁開度やEGR弁32の開度を補正する。
つまり、上記第4実施例では実際値に対し目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を補正するようにしたが、当該第5実施例では目標値に対し吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の絞り開度及びEGR弁32の開度を補正するようにする。
【0069】
従って、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22の実際の開度やEGR弁32の実際の開度が目標絞り弁開度や目標EGR弁開度に即したものとなり、やはり、新気量基準値は、排気流量を調節しない場合やEGRガスを導入しない場合と同様に極めて正確な値に設定される。
これにより、排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
【0070】
図7を参照すると、本発明の第6実施例に係る内燃機関の故障検出装置におけるエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンがフローチャートで示されており、以下同フローチャートに沿い、上記第4及び第5実施例と異なる部分について説明する。
第6実施例では、ステップS12’において目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度を設定したら、上記第5実施例と同様に、次のステップS16’において、そのまま当該目標絞り弁開度及び目標EGR弁開度に基づいて新気量基準値を設定する。
【0071】
そして、ステップS17において、上記同様、λセンサ26により検出される実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しい(λ=λ1)か否かを判別する。判別結果が真(Yes)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが等しいと判定された場合には、目標絞り弁開度や目標EGR弁開度は実際の開度に即したものとなっていると判断でき、ステップS22に進む。
【0072】
一方、ステップS17の判別結果が偽(No)で実際の空気過剰率λと目標値λ1とが異なっていると判定された場合には、ステップS19’おいて排気流量制御及びEGR制御を停止し、ステップS20において通常の新気流入量Qaをそのまま新気量基準値として設定した後、ステップS22に進む。
つまり、当該第6実施例では、実際の空気過剰率λと目標値λ1とに差がある場合には、新気量基準値を正確に設定できないと判断して排気流量制御及びEGR制御自体を停止するようにし、排気流量を調節することなく、またEGRガスを導入することなくエンジン1の運転状態に応じた通常の新気流入量Qaを新気量基準値としてエアフローセンサ14の故障判定を行うようにする。
【0073】
これにより、故障診断の機会が減少してしまうようなこともなく、排気流量の調節度合いやEGRガスの導入度合いを一切気にすることなく新気量基準値が常に正確な値に設定され、やはり、エアフローセンサ14の故障を精度よく検出することができ、エアフローセンサ14の信頼性を向上させることができる。
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明の実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
【0074】
例えば、上記実施形態では、排気濃度検出手段としてλセンサ(O2センサ等)26を備え、当該λセンサ26により排気系の空気過剰率λまたは空燃比を検出して目標値(所定値)λ1と比較するような構成にしたが、これに限られず、燃焼室2に流入するガスの濃度を検出する手段を備え、該流入ガス濃度と所定値とを比較するような構成にしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、排気流量調節手段として吸気絞り弁12及び排気絞り弁22を設けるようにしたが、吸気絞り弁12及び排気絞り弁22のいずれか一方だけで構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態ではエンジン1としてディーゼルエンジンを採用したが、エンジン1はガソリンエンジンであってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量に応じて新気流入量の基準値を設定するので、新気流入量の基準値を目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量を考慮した値にでき、当該基準値と新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量との比較結果に基づき、排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段(エアフローセンサ)の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0077】
また、請求項2の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定するので、やはり吸気絞り弁及び排気絞り弁による排ガス浄化促進のための排気流量の調節に拘わらず新気流量検出手段の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。
【0078】
また、請求項3の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量を補正し、当該補正した目標調節量に応じて基準値を設定するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量に即して適正に設定できることになり、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0079】
また、請求項4の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量を補正制御するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量に即した適正なものにでき、排気流量の調節時における新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0080】
また、請求項5の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御を停止し、新気流入量の基準値を内燃機関の運転状態にのみ応じて設定するので、故障診断の機会を減ずることなく、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0081】
また、請求項6の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態(エンジン回転速度、燃料噴射量、エンジントルク、スロットル開度、吸気負圧等)とともに目標調節量設定手段により設定される排気流量調節手段の目標調節量及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて新気流入量の基準値を設定するので、新気流入量の基準値を目標調節量、即ち排気流量調節手段による排気流量の調節量及び目標EGR弁開度、即ちEGRガス量を考慮した値にでき、当該基準値と新気流量検出手段(エアフローセンサ)により検出された新気流入量との比較結果に基づき、排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段(エアフローセンサ)の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。これにより、例えば排ガス性能のより一層の向上を図ることができる。
【0082】
また、請求項7の内燃機関の故障検出装置によれば、新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに目標調節量設定手段により設定される吸気絞り弁及び排気絞り弁の目標弁開度及び目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定するので、やはり吸気絞り弁及び排気絞り弁による排ガス浄化促進のための排気流量の調節やEGRガスの導入に拘わらず新気流量検出手段の故障診断を適正且つ確実に実施して新気流量検出手段の信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、請求項8の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値との差に基づいて排気流量調節手段の目標調節量や目標EGR弁開度を補正し、当該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて基準値を設定するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即して設定できることになり、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0084】
また、請求項9の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが一致するように排気流量調節手段の調節量及びEGR弁開度を補正制御するので、新気流入量の基準値を排気流量調節手段の実際の調節量やEGR弁開度に即したものにでき、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【0085】
また、請求項10の内燃機関の故障検出装置によれば、排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と内燃機関の運転状態に応じた所定値とが相違するときには排気流量調節手段の制御及びEGR弁の制御を停止し、新気流入量の基準値を内燃機関の運転状態にのみ応じて設定するので、故障診断の機会を減ずることなく、新気流量検出手段の故障診断の精度を高め、新気流量検出手段の信頼性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の故障検出装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るエアフローセンサ(AFS)故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第5実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第6実施例に係るAFS故障判定制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
10 吸気通路
12 吸気絞り弁(排気流量調節手段)
14 エアフローセンサ(AFS)
20 排気通路
22 排気絞り弁(排気流量調節手段)
24 後処理装置
26 λセンサ(排気濃度検出手段)
30 EGR通路
32 EGR弁
40 電子コントロールユニット(ECU)
46 クランク角センサ
Claims (10)
- 内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、
内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、
前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、
内燃機関の吸気系及び排気系の少なくともいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、
排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、
該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段とを備え、
前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量に応じて基準値を設定することを特徴とする内燃機関の故障検出装置。 - 前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、
前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度に応じて基準値を設定することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記排気流量調節手段の目標調節量を補正し、該補正した目標調節量に応じて前記基準値を設定することを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正することを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴とする、請求項1または2記載の内燃機関の故障検出装置。 - 内燃機関の吸気系に設けられ、内燃機関の燃焼室内に導入される新気流入量を検出する新気流量検出手段と、
内燃機関の運転状態に応じて新気流入量の基準値を設定する新気量基準値設定手段と、
前記新気流量検出手段により検出された新気流入量と前記新気量基準値設定手段により設定された基準値との比較結果に基づき前記新気流量検出手段の異常の有無を検出する故障検出手段と、
内燃機関の吸気系及び排気系のいずれか一方に設けられ、排気流量を調節する排気流量調節手段と、
排気系の空燃比または空気過剰率が内燃機関の運転状態に応じた所定値となるよう該運転状態に応じて前記排気流量調節手段の目標調節量を設定する目標調節量設定手段と、
該目標調節量設定手段により設定された目標調節量に応じて前記排気流量調節手段を制御する排気流量制御手段と、
内燃機関の排気系から排ガスの一部をEGRガスとして前記吸気系に還流させるEGR通路と、
該EGR通路に介装され、開度の変更によりEGRガス量を調節するEGR弁と、
排気系の空燃比または空気過剰率が前記所定値となるよう前記運転状態に応じて前記EGR弁の目標EGR弁開度を設定する目標開度設定手段と、
該目標開度設定手段により設定された目標EGR弁開度に応じて前記EGR弁を制御するEGR弁制御手段とを備え、
前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記排気流量調節手段の目標調節量及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴とする内燃機関の故障検出装置。 - 前記排気流量調節手段は、吸気系に設けられて新気流入量を調節する吸気絞り弁及び排気系に設けられて排気流量を直接調節する排気絞り弁の少なくともいずれか一つを含み、
前記新気量基準値設定手段は、内燃機関の運転状態とともに前記目標調節量設定手段により設定される前記吸気絞り弁及び前記排気絞り弁の目標弁開度及び前記目標開度設定手段により設定される目標EGR弁開度に応じて基準値を設定することを特徴とする、請求項6記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値との差に基づき前記目標調節量及び前記目標EGR弁開度の少なくともいずれか一方を補正し、該補正した目標調節量及び目標EGR弁開度に応じて前記基準値を設定することを特徴とする、請求項6または7記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記排気流量制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記排気流量調節手段の調節量を補正し、
前記EGR弁制御手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが一致するよう前記EGR弁の開度を補正することを特徴とする、請求項6または7記載の内燃機関の故障検出装置。 - 排気濃度を検出することにより排気系の空燃比または空気過剰率を検出する排気濃度検出手段を備え、
前記新気量基準値設定手段は、前記排気濃度検出手段により検出された排気系の空燃比または空気過剰率と前記所定値とが相違するときには、前記排気流量制御手段による前記排気流量調節手段の制御及び前記EGR弁制御手段による前記EGR弁の制御を停止し、内燃機関の運転状態にのみ応じて基準値を設定することを特徴とする、請求項6または7記載の内燃機関の故障検出装置。
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