JP2004080647A - エコーキャンセラー及び通話音声処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より聴覚上高品質なエコーキャンセルを行う。
【解決手段】エコーを推定し第1疑似エコー信号s1として出力する適応フィルタ11と、適応フィルタ11から転送された係数に従ってエコーを推定し第2疑似エコー信号s2を出力する固定フィルタ12を備えたエコーキャンセラにおいて、切替制御部15は、適応フィルタ11の収束状態が安定しているとき、または、適応フィルタ11の出力する第2疑似エコー信号s2によってエコーキャンセルした信号のエコー抑圧量ERLEが向上している場合には、固定フィルタ12の出力する第2疑似エコー信号s2によってエコーキャンセルした信号に代えて、適応フィルタ11の出力する第1疑似エコー信号s1によってエコーキャンセルした信号を出力するように、セレクタ14を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】エコーを推定し第1疑似エコー信号s1として出力する適応フィルタ11と、適応フィルタ11から転送された係数に従ってエコーを推定し第2疑似エコー信号s2を出力する固定フィルタ12を備えたエコーキャンセラにおいて、切替制御部15は、適応フィルタ11の収束状態が安定しているとき、または、適応フィルタ11の出力する第2疑似エコー信号s2によってエコーキャンセルした信号のエコー抑圧量ERLEが向上している場合には、固定フィルタ12の出力する第2疑似エコー信号s2によってエコーキャンセルした信号に代えて、適応フィルタ11の出力する第1疑似エコー信号s1によってエコーキャンセルした信号を出力するように、セレクタ14を制御する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音環境下での使用に適したエコーキャンセラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エコーキャンセラは、たとえば、音声通信を行う通信装置などに適用されている。そして、このような通信装置において、エコーキャンセラは、スピーカから出力した受信音声の、マイクへの回り込み成分(エコー)を、送信音声からキャンセルする動作を行うものである。
【0003】
ここで、図6に従来のエコーキャンセラの構成を示す。
図示したエコーキャンセラは、ダブルフィルタアルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムを適用したエコーキャンセラであり、適応フィルタ61(「バックグランドフィルタ」と呼ばれることもある)、固定フィルタ62(「フォアグランドフィルタ」と呼ばれることもある)、ダブルトーク検出部63、ダブルフィルタ制御部66、第1加算器64、第2加算器65を備えている。
【0004】
音声通信を行う通信装置に適用する場合を例にとり、本エコーキャンセラの動作を説明すると、適応フィルタ61は、回線受話信号oからエコー信号を推定して第1疑似エコー信号s1として出力するフィルタと、第1加算器64で求めた入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1との誤差信号e1から、回線受話信号oの入力送話信号i中への音響エコーのエコー伝達系のインパルス応答の同定を行ない、逐次、フィルタの係数を、同定したインパルス応答を実現する係数に更新する係数更新部とを有する。
【0005】
固定フィルタ62は、適応フィルタ61の係数が転送されるフィルタであり、回線受話信号oからエコー信号を推定して第2疑似エコー信号s2として出力する。そして、第2加算器65は、入力送話信号iから第2疑似エコー信号s2を減算し回線送話信号e2とする。
【0006】
ここで、適応フィルタ61から固定フィルタ62への係数の転送は、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断される場合に行われる。そして、この判断は、従来は、入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号(残留エコー)e1のパワーが、入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2(残留エコー)のパワーより所定レベル以上小さい場合に、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断したり、入力送話信号iの第1疑似エコー信号s1による誤差信号e1に対するエコー抑圧量(ERLE;Echo Return Loss Enhancement)のレベルが、入力送話信号iの第2疑似エコー信号s2による誤差信号e2に対するエコー抑圧量ERLEのレベルより所定レベル以上大きい場合に、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断することにより行われている。
【0007】
さて、ダブルトーク検出部63は、回線受話信号oと回線送話信号e2とのレベル差などより、ダブルトーク、すなわち、近端のユーザが発話を行っている状態を検出し、ダブルトークが検出されている期間適応フィルタ61の係数の固定フィルタ62への転送動作を停止する。これは、近端のユーザが発話を行っている場合、入力送話信号iにエコー成分以外のユーザの発話による成分が多く含まれているために、適応フィルタ61において適正に係数を算出することができなくなるためである。
【0008】
さて、音声通信の代表例である電話を用いたユーザの通話形態としてハンズフリー通話と呼ばれる形態がある。
ハンズフリー通話とは、電話を用いた通話を、送話音声の入力と受話音声の出力に電話外部のマイクとスピーカを用いて行うものである。ここで、車内空間に受話音声を放射するスピーカと車内空間の音声をピックアップするマイクを備え、以上のようなハンズフリー通話の機能を携帯電話機に付加する装置はハンズフリー通話装置などと呼ばれている。そして、このようなハンズフリー通話装置は、主として、自動車内に設置され、運転中のユーザが、携帯電話を用いたハンズフリー通話を行うことを可能とするために用いられている。
【0009】
ここで、このようなハンズフリー通話においては、スピーカから出力された受話音声のマイクへの回り込み(エコー)が比較的大きなレベルで発生するため、エコーキャンセラによってエコーを適切にキャンセルすることが極めて重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
さて、たとえば、以上のような自動車内におけるハンズフリー通話に、図6に示したエコーキャンセラを適用した場合には、次のような問題が生じる。
すなわち、自動車内においては、エコーと共に、走行音その他のカーノイズが比較的大きなレベルで入力送話信号iに混入する。そして、このカーノイズの影響が、入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号e1や入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2に現れてしまうために、前述した従来のエコーキャンセラの技術によれば、適応フィルタ61の方がエコーキャンセルにより適した疑似エコー信号を生成している場合であっても、その係数がすみやかに固定フィルタ62に転送されず、結果としてエコーが充分にキャンセルされるまでに比較的長時間を要することがある。また、さらには、カーノイズが存在する環境化においては、適応フィルタ61の係数は逐次更新され入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号e1に含まれるエコー成分は聴覚上音声として聞き取れないものとなるのに対し、係数の更新が間欠的に行われる固定フィルタ62の動作によっては入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2に含まれるエコー成分は聴覚上音声として聞き取れるものとなってしまうという状況もある。
【0011】
すなわち、従来のエコーキャンセラの技術によれば、必ずしも、固定フィルタ62の生成する疑似エコー信号が、適応フィルタ61の生成する疑似エコー信号よりも、回線送話信号を聴覚上の品質の良いものとするエコーキャンセルに適したものとなるとは限らず、このために、聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができない場合があった。
【0012】
そこで、本発明は、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるエコーキャンセラを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラを、前記第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と、前記第1送話信号と第2送話信号とのうちの一方を選択し出力する選択手段とより構成したものである。なお、ここで、前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から生成する第1疑似エコー信号を決定する係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成するものである。
【0014】
このようなエコーキャンセラによれば、適宜、固定フィルタによってエコーキャンセルした第2送話信号と、適応フィルタによってエコーキャンセルした第1送話信号を切り替えて出力することができるようになる。
したがって、上述したダブルフィルタアルゴリズムによっては聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができない場合であっても、適応フィルタによって聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるときには、この適応フィルタによってエコーキャンセルした第1送話信号を出力するようにすることにより、聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるようになる。
【0015】
より具体的には、このようなエコーキャンセラによれば、適応フィルタの収束状態が安定している場合や、前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量の時間変動が所定レベルより小さい場合や、前記適応フィルタの係数の時間変動が所定レベルより小さい場合や、前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量が増加している場合や、前記第2入力信号に含まれる環境ノイズ音の大きさが所定レベル以上大きい場合などには、適応フィルタによった方がより聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができると推定できる。したがって、これらの場合に、前記選択手段に前記第1送話信号を選択させることにより、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを実現できることが期待できる。
【0016】
ここで、このようなエコーキャンセラは、たとえば、音声通信端末の通話音声を処理する通話音声処理装置に適用することができる。すなわち、通話音声処理装置を、たとえば、以上のエコーキャンセラと、前記音声通信端末が受信した受話音声を出力するスピーカと、音声を入力するマイクロフォンとより構成し、前記エコーキャンセラにおいて、前記受話音声を前記第1入力信号、前記マイクロフォンから入力する音声を前記第2入力信号として動作し、前記選択手段の出力を前記音声通信端末が送信する送話音声とするようにすればよい。
【0017】
また、このような通話音声処理装置に本エコーキャンセラを適用する場合には、前記音声通信端末による通話に用いる通話回線の接続状態を検知する回線状態検知手段を設けて、前記制御部において、前記回線状態検知手段が前記通話回線の接続を検知した場合に、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタに転送させるようにしてもよい。発着信開始時から回線接続までの間は、近端のユーザの発話は行われず非ダブルトーク状態となり、したがって、回線接続時には適応フィルタに適切な係数が設定されているであろうことが期待できるので、このようにすることにより、回線接続時したがって通話開始時に固定フィルタに適切な係数を設定できるようになる。
【0018】
または、当該通話音声処理装置のユーザの発話中状態を検知するダブルトーク検知手段を設けて、前記制御部において、前記ダブルトーク検知手段が前記ユーザの発話中状態を検知したときに、前記第1送話信号と前記第2送話信号が所定レベル以上異なる場合には、前記固定フィルタの係数を前記適応フィルタに転送させるようにしてもよい。このようにすることにより、ダブルトークのために適応フィルタの係数が適切な値から大きくはずれた場合に、適応フィルタの係数の適当な係数への到達をより速やかに行わせることができるようになる。
【0019】
また、本発明は、前記課題達成のために、第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラであって、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と前記適応フィルタの係数の時間変動に応じて、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタへの転送を制御する制御部とを有し、前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成するための係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成することを特徴とするエコーキャンセラも提供する。
【0020】
このようなエコーキャンセラによれば、より適応フィルタの安定度をも加味して、より適切に、真に現在の適応フィルタの係数が、固定フィルタの係数よりもエコーキャンセルに適したものであるかどうかを判定して、係数の転送を行うことができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエコーキャンセラを、車載用のハンズフリー通話装置への適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るハンズフリー通話装置の構成を示す。
図示するように、本ハンズフリー通話装置は、音声処理装置1、スピーカ2、マイクロフォン3、電話インタフェース部4を備えている。また、電話インタフェース部4には、携帯電話機5が接続される。
このような構成において、電話インタフェース部4は、携帯電話機5と脱着可能に接続し、携帯電話機5から入力する受話信号Rを音声処理装置1に出力し、音声処理装置1から入力する送信送話信号Tを携帯電話機5に出力する。また、電話インタフェース部4は、スイッチなどの入力装置を供え、入力装置のユーザ操作に応じてオンフック/オフフック命令を、携帯電話機5に中継し、携帯電話機5にオンフック/オフフック動作を行わせる処理や、携帯電話機5の発着信状態や回線接続状態を音声処理装置1に通知する処理などを行う。
【0022】
次に、音声処理装置1は、適応フィルタ11、固定フィルタ12、ダブルトーク検出部13、セレクタ14、切替制御部15、第1加算器16、第2加算器17、アンプ部18とを有する。
このような構成において、アンプ部18は、電話インタフェース部4から入力した受話信号Rを増幅した出力信号oでスピーカ2を駆動し、音声を車内空間に出力する。
一方、マイクロフォン3は、車内空間の音声をピックアップし送話信号iとして第1加算器16、第2加算器17、切替制御部15に送る。第1加算器16は、入力する送話信号iを、当該送話信号iから適応フィルタ11で算出された第1疑似エコー信号s1を減算した上でセレクタ14に第1送話信号e1として出力し、第2加算器17は入力する送話信号iを、当該送話信号から固定フィルタ12で算出された第2疑似エコー信号s2を減算した上で、セレクタ14に第2送話信号e2として出力する。そして、セレクタ14は、第1加算器16から入力する第1送話信号e1と、第2加算器17から入力する第2送話信号e2の一方をセレクトし、電話インタフェース部4に送信送話信号Tとして出力する。
【0023】
適応フィルタ11は、係数更新部111とフィルタ部112とよりなる。そして、係数更新部111は、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムやNLMS(Normalized Least Mean Square)アルゴリズムなどの学習同定法により、第1加算器出力e1のパワーが最小となるように適応フィルタ11のフィルタ係数を算出し、フィルタ部112に設定する処理を繰り返す。また、フィルタ部112は、たとえば、係数更新部111によって設定された係数により定まるインパルス応答を有するFIRフィルタなどであり、受話信号Rから第1疑似エコー信号s1を生成する。
【0024】
次に、固定フィルタ12は、適応フィルタ11の係数が転送されるフィルタであり、フィルタ部112と同様の構成を有し、転送された係数に従って受話信号Rから第2疑似エコー信号s2を生成する。また、ダブルトーク検出部13は、受話信号Rと第2送話信号e2とのレベル差などに応じてダブルトーク状態を検出し、検出したダブルトーク状態を切替制御部15に通知する。
【0025】
ここで、このような音声処理部において、適応フィルタ11から固定フィルタ12への係数の転送や、セレクタ14のセレクト動作を制御するのが切替制御部15である。
以下、この切替制御部15の制御動作について説明する。
まず、図2に、切替制御部15が行うセレクタ14の切替制御の処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、適応フィルタ11の係数を取得し(ステップ202)、適応フィルタ11の係数誤差CEを、ω(i)を現在のフィルタ部112のi番目のタップ係数、ωn(i)を現在から所定時間前のフィルタ部112のi番目のタップ係数として、式1または式1を近似する式2によって算出する処理と(ステップ204)、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLE (Echo Return Loss Enhancement:単位db)を送話信号iと第1送話信号e1を用い、e1=eとして式3によって算出する処理と(ステップ206)、固定フィルタ12による抑圧量ERLEを、送話信号iと第2送話信号e2を用い、e2=eとして式3によって算出する処理(ステップ208)を繰り返す。
【0026】
【数1】
そして、適当なフィルタを用いて送話信号iからカーノイズ成分を抽出し、カーノイズのレベルが所定のレベル以上かどうかを調べ(ステップ210)、所定のレベル以上であれば、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ214)。これは、カーノイズのレベルがあるレベル以上大きい場合、前述のように固定フィルタ12による第2送話信号e2よりも、適応フィルタ11の生成する第1送話信号e1を選択した方が聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができる可能性が高いからである。ここで、このように第1送話信号e1に選択を切り替えるしきい値となるカーノイズの所定のレベルは、たとえば、予め実験的に求めて設定しておく。
【0027】
一方、もし、カーノイズのレベルが所定のレベル以上でなければ、その時点で、適応フィルタ11の収束状態が安定しているかどうかを、係数誤差CEが所定レベル以下であるかどうかや、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLE の時間変動が所定レベルより小さいかどうかより判定し(ステップ212)、適応フィルタ11の収束状態が安定していれば、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ214)。これは適応フィルタ11の収束状態が安定していれば、第1送話信号e1において適応フィルタ11により聴覚上高品質なエコーキャンセルが実現されていると考えることができるからである。
【0028】
ここで、係数誤差CEは、第1送話信号e1のレベルが大きいほど大きくなる特性を有し、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEと、たとえば図3に示すような一定の相関を有する。
次に、もしカーノイズのレベルが所定のレベル以上でなく、かつ、適応フィルタ11の収束状態が安定してなければ、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEが、時間的に増加傾向にあるかどうかを調べ(ステップ216)、増加傾向にある場合には、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御し(ステップ214)、増加傾向にない場合には第2送話信号e2を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ218)。これは適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEが増加していれば、適応フィルタ11の過去の係数が適用される固定フィルタ12による第2送話信号e2よりも、第1送話信号e1の方が現在においてまたは極めて近い将来において、より聴覚上高品質なエコーキャンセルが実現されると考えることができるからである。
【0029】
次に、図4に、切替制御部15が行う係数転送の制御の処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、電話インタフェース部4から通知される回線接続状態から、回線接続状態が回線が接続した状態に変化したかどうかを調べ(ステップ402)、回線が接続した状態に変化したならば、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送する(ステップ410)。これは、発着信開始時から回線接続までの間は、近端のユーザの発話は行われず非ダブルトーク状態となり、したがって、回線接続時には適応フィルタ11に適切な係数が設定されているであろうことが期待できるからである。
【0030】
また、この処理では、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中であるかどうかを調べ(ステップ404)、ダブルトーク状態を検出中でなく、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好であれば(ステップ406)、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送する(ステップ410)。
【0031】
ただし、以上のステップ406では、ERLEと共に係数誤差CEを考慮して、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するかどうかを判定するようにしてもよい。すなわち、たとえば、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好であって、係数誤差CEが所定レベルより小さい場合にのみ適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するなどしたり、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好である程度と係数誤差CEの小ささの程度を乗じた値が所定レベル以上であるときに、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するなどするようにしてもよい。このようにERLEと共に係数誤差CEを考慮することにより、適応フィルタ11の安定度をも加味して、より適切に、真に現在の適応フィルタ11の係数が、現在の固定フィルタ12の係数よりもエコーキャンセルに適したものであるかどうかを判定することができるようになる。なお、このような係数誤差CEを考慮した係数の転送制御は、図6に示した従来のダブルフィルタアルゴリズムのエコーキャンセラにおける適応フィルタ11から固定フィルタ12への係数の転送制御に同様に適用可能である。
【0032】
一方、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中の場合には、第1送話信号e1と第2送話信号e2のレベルが所定レベル以上(たとえば、2倍以上)異なるかどうかを調べ(ステップ412)、異なる場合には、逆に固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。また、固定フィルタ12のERLEが適応フィルタ11のERLEがより数倍(たとえば、4〜8倍)以上良好である場合にも(ステップ408)、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。
【0033】
また、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中でない場合であっても、固定フィルタ12のERLEが適応フィルタ11のERLEがより数倍(たとえば、4〜8倍)以上良好であれば(ステップ408)、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。このような場合には、適応フィルタ11の係数は比較的大きく誤っており、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に戻して、その係数から係数更新動作を行わせた方が、適当な係数への到達をより速やかに行うことができると考えられるからである。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上では、車載用のハンズフリー通話装置への適用を例にとり本実施形態を説明したが、本実施形態に係るエコーキャンセラは、任意の音声通信装置に適用可能である。また、音声通信装置以外の任意の音声処理装置1におけるエコーキャンセルに、本実施形態に係るエコーキャンセラは適用可能である。たとえば、図5aに示すようなマイクロフォン3からの音声認識装置51への音声入力への、車載オーディオ装置やナビゲーション装置52のスピーカ2からの出力音声の回り込みのキャンセルや、カラオケ装置53における、マイクロフォン3からの音声入力への、スピーカ2から出力されるカラオケ演奏音楽の回り込みなどにも同様に適用可能である。ただし、車載以外の環境で使用される音声処理装置1へ適用する場合には、図2ステップ210ではカーノイズに代えて当該環境下で生じるノイズを、セレクタ14の出力の切替に用いるようにする。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるエコーキャンセラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハンズフリー通話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセレクタの出力切替制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態で用いる係数誤差とERLEの相関を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る係数転送制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るエコーキャンセラの他の応用を示す図である。
【図6】従来のエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:音声処理装置、2:スピーカ、3:マイクロフォン、4:電話機インタフェース装置、5:携帯電話機、11、61:適応フィルタ、12、62:固定フィルタ、13、63:ダブルトーク検出部、14:セレクタ、15:切替制御部、16、64:第1加算器、17、65:第2加算器、18:アンプ部、66:ダブルフィルタ制御部、112:フィルタ部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音環境下での使用に適したエコーキャンセラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エコーキャンセラは、たとえば、音声通信を行う通信装置などに適用されている。そして、このような通信装置において、エコーキャンセラは、スピーカから出力した受信音声の、マイクへの回り込み成分(エコー)を、送信音声からキャンセルする動作を行うものである。
【0003】
ここで、図6に従来のエコーキャンセラの構成を示す。
図示したエコーキャンセラは、ダブルフィルタアルゴリズムと呼ばれるアルゴリズムを適用したエコーキャンセラであり、適応フィルタ61(「バックグランドフィルタ」と呼ばれることもある)、固定フィルタ62(「フォアグランドフィルタ」と呼ばれることもある)、ダブルトーク検出部63、ダブルフィルタ制御部66、第1加算器64、第2加算器65を備えている。
【0004】
音声通信を行う通信装置に適用する場合を例にとり、本エコーキャンセラの動作を説明すると、適応フィルタ61は、回線受話信号oからエコー信号を推定して第1疑似エコー信号s1として出力するフィルタと、第1加算器64で求めた入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1との誤差信号e1から、回線受話信号oの入力送話信号i中への音響エコーのエコー伝達系のインパルス応答の同定を行ない、逐次、フィルタの係数を、同定したインパルス応答を実現する係数に更新する係数更新部とを有する。
【0005】
固定フィルタ62は、適応フィルタ61の係数が転送されるフィルタであり、回線受話信号oからエコー信号を推定して第2疑似エコー信号s2として出力する。そして、第2加算器65は、入力送話信号iから第2疑似エコー信号s2を減算し回線送話信号e2とする。
【0006】
ここで、適応フィルタ61から固定フィルタ62への係数の転送は、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断される場合に行われる。そして、この判断は、従来は、入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号(残留エコー)e1のパワーが、入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2(残留エコー)のパワーより所定レベル以上小さい場合に、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断したり、入力送話信号iの第1疑似エコー信号s1による誤差信号e1に対するエコー抑圧量(ERLE;Echo Return Loss Enhancement)のレベルが、入力送話信号iの第2疑似エコー信号s2による誤差信号e2に対するエコー抑圧量ERLEのレベルより所定レベル以上大きい場合に、適応フィルタ61のインパルス応答の方が固定フィルタ62のインパルス応答よりも実際のエコー伝達系に整合していると判断することにより行われている。
【0007】
さて、ダブルトーク検出部63は、回線受話信号oと回線送話信号e2とのレベル差などより、ダブルトーク、すなわち、近端のユーザが発話を行っている状態を検出し、ダブルトークが検出されている期間適応フィルタ61の係数の固定フィルタ62への転送動作を停止する。これは、近端のユーザが発話を行っている場合、入力送話信号iにエコー成分以外のユーザの発話による成分が多く含まれているために、適応フィルタ61において適正に係数を算出することができなくなるためである。
【0008】
さて、音声通信の代表例である電話を用いたユーザの通話形態としてハンズフリー通話と呼ばれる形態がある。
ハンズフリー通話とは、電話を用いた通話を、送話音声の入力と受話音声の出力に電話外部のマイクとスピーカを用いて行うものである。ここで、車内空間に受話音声を放射するスピーカと車内空間の音声をピックアップするマイクを備え、以上のようなハンズフリー通話の機能を携帯電話機に付加する装置はハンズフリー通話装置などと呼ばれている。そして、このようなハンズフリー通話装置は、主として、自動車内に設置され、運転中のユーザが、携帯電話を用いたハンズフリー通話を行うことを可能とするために用いられている。
【0009】
ここで、このようなハンズフリー通話においては、スピーカから出力された受話音声のマイクへの回り込み(エコー)が比較的大きなレベルで発生するため、エコーキャンセラによってエコーを適切にキャンセルすることが極めて重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
さて、たとえば、以上のような自動車内におけるハンズフリー通話に、図6に示したエコーキャンセラを適用した場合には、次のような問題が生じる。
すなわち、自動車内においては、エコーと共に、走行音その他のカーノイズが比較的大きなレベルで入力送話信号iに混入する。そして、このカーノイズの影響が、入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号e1や入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2に現れてしまうために、前述した従来のエコーキャンセラの技術によれば、適応フィルタ61の方がエコーキャンセルにより適した疑似エコー信号を生成している場合であっても、その係数がすみやかに固定フィルタ62に転送されず、結果としてエコーが充分にキャンセルされるまでに比較的長時間を要することがある。また、さらには、カーノイズが存在する環境化においては、適応フィルタ61の係数は逐次更新され入力送話信号iと第1疑似エコー信号s1の誤差信号e1に含まれるエコー成分は聴覚上音声として聞き取れないものとなるのに対し、係数の更新が間欠的に行われる固定フィルタ62の動作によっては入力送話信号iと第2疑似エコー信号s2の誤差信号e2に含まれるエコー成分は聴覚上音声として聞き取れるものとなってしまうという状況もある。
【0011】
すなわち、従来のエコーキャンセラの技術によれば、必ずしも、固定フィルタ62の生成する疑似エコー信号が、適応フィルタ61の生成する疑似エコー信号よりも、回線送話信号を聴覚上の品質の良いものとするエコーキャンセルに適したものとなるとは限らず、このために、聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができない場合があった。
【0012】
そこで、本発明は、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるエコーキャンセラを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラを、前記第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と、前記第1送話信号と第2送話信号とのうちの一方を選択し出力する選択手段とより構成したものである。なお、ここで、前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から生成する第1疑似エコー信号を決定する係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成するものである。
【0014】
このようなエコーキャンセラによれば、適宜、固定フィルタによってエコーキャンセルした第2送話信号と、適応フィルタによってエコーキャンセルした第1送話信号を切り替えて出力することができるようになる。
したがって、上述したダブルフィルタアルゴリズムによっては聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができない場合であっても、適応フィルタによって聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるときには、この適応フィルタによってエコーキャンセルした第1送話信号を出力するようにすることにより、聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるようになる。
【0015】
より具体的には、このようなエコーキャンセラによれば、適応フィルタの収束状態が安定している場合や、前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量の時間変動が所定レベルより小さい場合や、前記適応フィルタの係数の時間変動が所定レベルより小さい場合や、前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量が増加している場合や、前記第2入力信号に含まれる環境ノイズ音の大きさが所定レベル以上大きい場合などには、適応フィルタによった方がより聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができると推定できる。したがって、これらの場合に、前記選択手段に前記第1送話信号を選択させることにより、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを実現できることが期待できる。
【0016】
ここで、このようなエコーキャンセラは、たとえば、音声通信端末の通話音声を処理する通話音声処理装置に適用することができる。すなわち、通話音声処理装置を、たとえば、以上のエコーキャンセラと、前記音声通信端末が受信した受話音声を出力するスピーカと、音声を入力するマイクロフォンとより構成し、前記エコーキャンセラにおいて、前記受話音声を前記第1入力信号、前記マイクロフォンから入力する音声を前記第2入力信号として動作し、前記選択手段の出力を前記音声通信端末が送信する送話音声とするようにすればよい。
【0017】
また、このような通話音声処理装置に本エコーキャンセラを適用する場合には、前記音声通信端末による通話に用いる通話回線の接続状態を検知する回線状態検知手段を設けて、前記制御部において、前記回線状態検知手段が前記通話回線の接続を検知した場合に、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタに転送させるようにしてもよい。発着信開始時から回線接続までの間は、近端のユーザの発話は行われず非ダブルトーク状態となり、したがって、回線接続時には適応フィルタに適切な係数が設定されているであろうことが期待できるので、このようにすることにより、回線接続時したがって通話開始時に固定フィルタに適切な係数を設定できるようになる。
【0018】
または、当該通話音声処理装置のユーザの発話中状態を検知するダブルトーク検知手段を設けて、前記制御部において、前記ダブルトーク検知手段が前記ユーザの発話中状態を検知したときに、前記第1送話信号と前記第2送話信号が所定レベル以上異なる場合には、前記固定フィルタの係数を前記適応フィルタに転送させるようにしてもよい。このようにすることにより、ダブルトークのために適応フィルタの係数が適切な値から大きくはずれた場合に、適応フィルタの係数の適当な係数への到達をより速やかに行わせることができるようになる。
【0019】
また、本発明は、前記課題達成のために、第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラであって、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と前記適応フィルタの係数の時間変動に応じて、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタへの転送を制御する制御部とを有し、前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成するための係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成することを特徴とするエコーキャンセラも提供する。
【0020】
このようなエコーキャンセラによれば、より適応フィルタの安定度をも加味して、より適切に、真に現在の適応フィルタの係数が、固定フィルタの係数よりもエコーキャンセルに適したものであるかどうかを判定して、係数の転送を行うことができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエコーキャンセラを、車載用のハンズフリー通話装置への適用を例にとり説明する。
図1に、本実施形態に係るハンズフリー通話装置の構成を示す。
図示するように、本ハンズフリー通話装置は、音声処理装置1、スピーカ2、マイクロフォン3、電話インタフェース部4を備えている。また、電話インタフェース部4には、携帯電話機5が接続される。
このような構成において、電話インタフェース部4は、携帯電話機5と脱着可能に接続し、携帯電話機5から入力する受話信号Rを音声処理装置1に出力し、音声処理装置1から入力する送信送話信号Tを携帯電話機5に出力する。また、電話インタフェース部4は、スイッチなどの入力装置を供え、入力装置のユーザ操作に応じてオンフック/オフフック命令を、携帯電話機5に中継し、携帯電話機5にオンフック/オフフック動作を行わせる処理や、携帯電話機5の発着信状態や回線接続状態を音声処理装置1に通知する処理などを行う。
【0022】
次に、音声処理装置1は、適応フィルタ11、固定フィルタ12、ダブルトーク検出部13、セレクタ14、切替制御部15、第1加算器16、第2加算器17、アンプ部18とを有する。
このような構成において、アンプ部18は、電話インタフェース部4から入力した受話信号Rを増幅した出力信号oでスピーカ2を駆動し、音声を車内空間に出力する。
一方、マイクロフォン3は、車内空間の音声をピックアップし送話信号iとして第1加算器16、第2加算器17、切替制御部15に送る。第1加算器16は、入力する送話信号iを、当該送話信号iから適応フィルタ11で算出された第1疑似エコー信号s1を減算した上でセレクタ14に第1送話信号e1として出力し、第2加算器17は入力する送話信号iを、当該送話信号から固定フィルタ12で算出された第2疑似エコー信号s2を減算した上で、セレクタ14に第2送話信号e2として出力する。そして、セレクタ14は、第1加算器16から入力する第1送話信号e1と、第2加算器17から入力する第2送話信号e2の一方をセレクトし、電話インタフェース部4に送信送話信号Tとして出力する。
【0023】
適応フィルタ11は、係数更新部111とフィルタ部112とよりなる。そして、係数更新部111は、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムやNLMS(Normalized Least Mean Square)アルゴリズムなどの学習同定法により、第1加算器出力e1のパワーが最小となるように適応フィルタ11のフィルタ係数を算出し、フィルタ部112に設定する処理を繰り返す。また、フィルタ部112は、たとえば、係数更新部111によって設定された係数により定まるインパルス応答を有するFIRフィルタなどであり、受話信号Rから第1疑似エコー信号s1を生成する。
【0024】
次に、固定フィルタ12は、適応フィルタ11の係数が転送されるフィルタであり、フィルタ部112と同様の構成を有し、転送された係数に従って受話信号Rから第2疑似エコー信号s2を生成する。また、ダブルトーク検出部13は、受話信号Rと第2送話信号e2とのレベル差などに応じてダブルトーク状態を検出し、検出したダブルトーク状態を切替制御部15に通知する。
【0025】
ここで、このような音声処理部において、適応フィルタ11から固定フィルタ12への係数の転送や、セレクタ14のセレクト動作を制御するのが切替制御部15である。
以下、この切替制御部15の制御動作について説明する。
まず、図2に、切替制御部15が行うセレクタ14の切替制御の処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、適応フィルタ11の係数を取得し(ステップ202)、適応フィルタ11の係数誤差CEを、ω(i)を現在のフィルタ部112のi番目のタップ係数、ωn(i)を現在から所定時間前のフィルタ部112のi番目のタップ係数として、式1または式1を近似する式2によって算出する処理と(ステップ204)、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLE (Echo Return Loss Enhancement:単位db)を送話信号iと第1送話信号e1を用い、e1=eとして式3によって算出する処理と(ステップ206)、固定フィルタ12による抑圧量ERLEを、送話信号iと第2送話信号e2を用い、e2=eとして式3によって算出する処理(ステップ208)を繰り返す。
【0026】
【数1】
そして、適当なフィルタを用いて送話信号iからカーノイズ成分を抽出し、カーノイズのレベルが所定のレベル以上かどうかを調べ(ステップ210)、所定のレベル以上であれば、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ214)。これは、カーノイズのレベルがあるレベル以上大きい場合、前述のように固定フィルタ12による第2送話信号e2よりも、適応フィルタ11の生成する第1送話信号e1を選択した方が聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができる可能性が高いからである。ここで、このように第1送話信号e1に選択を切り替えるしきい値となるカーノイズの所定のレベルは、たとえば、予め実験的に求めて設定しておく。
【0027】
一方、もし、カーノイズのレベルが所定のレベル以上でなければ、その時点で、適応フィルタ11の収束状態が安定しているかどうかを、係数誤差CEが所定レベル以下であるかどうかや、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLE の時間変動が所定レベルより小さいかどうかより判定し(ステップ212)、適応フィルタ11の収束状態が安定していれば、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ214)。これは適応フィルタ11の収束状態が安定していれば、第1送話信号e1において適応フィルタ11により聴覚上高品質なエコーキャンセルが実現されていると考えることができるからである。
【0028】
ここで、係数誤差CEは、第1送話信号e1のレベルが大きいほど大きくなる特性を有し、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEと、たとえば図3に示すような一定の相関を有する。
次に、もしカーノイズのレベルが所定のレベル以上でなく、かつ、適応フィルタ11の収束状態が安定してなければ、適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEが、時間的に増加傾向にあるかどうかを調べ(ステップ216)、増加傾向にある場合には、第1送話信号e1を出力するようにセレクタ14を制御し(ステップ214)、増加傾向にない場合には第2送話信号e2を出力するようにセレクタ14を制御する(ステップ218)。これは適応フィルタ11によるエコー抑圧量ERLEが増加していれば、適応フィルタ11の過去の係数が適用される固定フィルタ12による第2送話信号e2よりも、第1送話信号e1の方が現在においてまたは極めて近い将来において、より聴覚上高品質なエコーキャンセルが実現されると考えることができるからである。
【0029】
次に、図4に、切替制御部15が行う係数転送の制御の処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、電話インタフェース部4から通知される回線接続状態から、回線接続状態が回線が接続した状態に変化したかどうかを調べ(ステップ402)、回線が接続した状態に変化したならば、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送する(ステップ410)。これは、発着信開始時から回線接続までの間は、近端のユーザの発話は行われず非ダブルトーク状態となり、したがって、回線接続時には適応フィルタ11に適切な係数が設定されているであろうことが期待できるからである。
【0030】
また、この処理では、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中であるかどうかを調べ(ステップ404)、ダブルトーク状態を検出中でなく、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好であれば(ステップ406)、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送する(ステップ410)。
【0031】
ただし、以上のステップ406では、ERLEと共に係数誤差CEを考慮して、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するかどうかを判定するようにしてもよい。すなわち、たとえば、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好であって、係数誤差CEが所定レベルより小さい場合にのみ適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するなどしたり、適応フィルタ11のERLEが固定フィルタ12のERLEより良好である程度と係数誤差CEの小ささの程度を乗じた値が所定レベル以上であるときに、適応フィルタ11の係数を固定フィルタ12に転送するなどするようにしてもよい。このようにERLEと共に係数誤差CEを考慮することにより、適応フィルタ11の安定度をも加味して、より適切に、真に現在の適応フィルタ11の係数が、現在の固定フィルタ12の係数よりもエコーキャンセルに適したものであるかどうかを判定することができるようになる。なお、このような係数誤差CEを考慮した係数の転送制御は、図6に示した従来のダブルフィルタアルゴリズムのエコーキャンセラにおける適応フィルタ11から固定フィルタ12への係数の転送制御に同様に適用可能である。
【0032】
一方、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中の場合には、第1送話信号e1と第2送話信号e2のレベルが所定レベル以上(たとえば、2倍以上)異なるかどうかを調べ(ステップ412)、異なる場合には、逆に固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。また、固定フィルタ12のERLEが適応フィルタ11のERLEがより数倍(たとえば、4〜8倍)以上良好である場合にも(ステップ408)、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。
【0033】
また、ダブルトーク検出部13がダブルトーク状態を検出中でない場合であっても、固定フィルタ12のERLEが適応フィルタ11のERLEがより数倍(たとえば、4〜8倍)以上良好であれば(ステップ408)、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に転送し(ステップ414)、フィルタ部112に設定する。このような場合には、適応フィルタ11の係数は比較的大きく誤っており、固定フィルタ12の係数を適応フィルタ11に戻して、その係数から係数更新動作を行わせた方が、適当な係数への到達をより速やかに行うことができると考えられるからである。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明した。
ところで、以上では、車載用のハンズフリー通話装置への適用を例にとり本実施形態を説明したが、本実施形態に係るエコーキャンセラは、任意の音声通信装置に適用可能である。また、音声通信装置以外の任意の音声処理装置1におけるエコーキャンセルに、本実施形態に係るエコーキャンセラは適用可能である。たとえば、図5aに示すようなマイクロフォン3からの音声認識装置51への音声入力への、車載オーディオ装置やナビゲーション装置52のスピーカ2からの出力音声の回り込みのキャンセルや、カラオケ装置53における、マイクロフォン3からの音声入力への、スピーカ2から出力されるカラオケ演奏音楽の回り込みなどにも同様に適用可能である。ただし、車載以外の環境で使用される音声処理装置1へ適用する場合には、図2ステップ210ではカーノイズに代えて当該環境下で生じるノイズを、セレクタ14の出力の切替に用いるようにする。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、より聴覚上高品質なエコーキャンセルを行うことができるエコーキャンセラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るハンズフリー通話装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るセレクタの出力切替制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態で用いる係数誤差とERLEの相関を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る係数転送制御の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るエコーキャンセラの他の応用を示す図である。
【図6】従来のエコーキャンセラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:音声処理装置、2:スピーカ、3:マイクロフォン、4:電話機インタフェース装置、5:携帯電話機、11、61:適応フィルタ、12、62:固定フィルタ、13、63:ダブルトーク検出部、14:セレクタ、15:切替制御部、16、64:第1加算器、17、65:第2加算器、18:アンプ部、66:ダブルフィルタ制御部、112:フィルタ部。
Claims (11)
- 第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラであって、
前記第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と、前記第1送話信号と第2送話信号とのうちの一方を選択し出力する選択手段とを備え、
前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成するための係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成することを特徴とするエコーキャンセラ。 - 請求項1記載のエコーキャンセラであって、適応フィルタの収束状態が安定している場合に、前記選択手段に、前記第1送話信号を選択させる制御部を有することを特徴とするエコーキャンセラ。
- 請求項2記載のエコーキャンセラであって、
前記制御部は、前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量の時間変動が所定レベルより小さい場合に、前記選択手段に、前記第1送話信号を選択させることを特徴とするエコーキャンセラ。 - 請求項2記載のエコーキャンセラであって、
前記制御部は、前記適応フィルタの係数の時間変動が所定レベルより小さい場合に、前記選択手段に、前記第1送話信号を選択させることを特徴とするエコーキャンセラ。 - 請求項1記載のエコーキャンセラであって、
前記適応フィルタによる第1送話信号におけるエコー抑圧量が増加している場合に、前記選択手段に、前記第1送話信号を選択させる制御部を有することを特徴とするエコーキャンセラ。 - 請求項1記載のエコーキャンセラであって、
前記第2入力信号に含まれる環境ノイズ音の大きさが所定レベル以上大きい場合に、前記選択手段に、前記第1送話信号を選択させる制御部を有することを特徴とするエコーキャンセラ。 - 音声通信端末の通話音声を処理する通話音声処理装置であって、
請求項2、3、4、5または6記載のエコーキャンセラと、
前記音声通信端末が受信した受話音声を出力するスピーカと、
音声を入力するマイクロフォンとを有し、
前記エコーキャンセラは、前記受話音声を前記第1入力信号、前記マイクロフォンから入力する音声を前記第2入力信号として動作し、前記選択手段の出力は、前記音声通信端末が送信する送話音声として使用されることを特徴とする通話音声処理装置。 - 請求項7記載の通話音声処理装置であって、
前記音声通信端末による通話に用いる通話回線の接続状態を検知する回線状態検知手段を有し、
前記制御部は、前記回線状態検知手段が前記通話回線の接続を検知した場合に、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタに転送させることを特徴とする通話音声処理装置。 - 請求項7または8記載の通話音声処理装置であって、
当該通話音声処理装置のユーザの発話中状態を検知するダブルトーク検知手段を有し、
前記制御部は、前記ダブルトーク検知手段が前記ユーザの発話中状態を検知したときに、前記第1送話信号と前記第2送話信号が所定レベル以上異なる場合には、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタの係数に更新させることを特徴とする通話音声処理装置。 - 請求項7、8または9記載の通話音声処理装置であって、
前記音声通信端末として移動電話機を収容する移動電話機インタフェースを備えたことを特徴とする通話音声処理装置。 - 第1入力信号のエコーを第2入力信号からキャンセルするエコーキャンセラであって、
第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成して出力する適応フィルタと、第2入力信号から第1疑似エコー信号を減算し第1送話信号を生成する第1加算器と、第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成して出力する固定フィルタと、第2入力信号から第2疑似エコー信号を減算し第2送話信号を生成する第2加算器と前記適応フィルタの係数の時間変動に応じて、前記適応フィルタの係数を前記固定フィルタへの転送を制御する制御部とを有し、
前記適応フィルタは、前記第1送話信号に応じて、第1入力信号から第1疑似エコー信号を生成するための係数を更新し、前記固定フィルタは適応フィルタから転送された係数に従って第1入力信号から第2疑似エコー信号を生成することを特徴とするエコーキャンセラ。
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