JP3268572B2 - 反響消去装置及び方法 - Google Patents

反響消去装置及び方法

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JP3268572B2
JP3268572B2 JP01674594A JP1674594A JP3268572B2 JP 3268572 B2 JP3268572 B2 JP 3268572B2 JP 01674594 A JP01674594 A JP 01674594A JP 1674594 A JP1674594 A JP 1674594A JP 3268572 B2 JP3268572 B2 JP 3268572B2
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豊 金田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反響消去装置及び方法
に係り、特に2線4線変換系及びスピーカから拡声され
て再生される拡声通話系等において、ハウリングの原因
及び聴感上の障害となる反響信号を消去、或いは抑圧す
反響消去装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、拡声通話のシステム構成を示
す。同図に示すシステムは、送話用マイクロホン1、
3、受話スピーカ2、4、送話信号増幅器5、7、受話
信号増幅器6、8、伝送路9から構成され、送話者10
と受話者11で音声信号の送受を行うものである。
【0003】送話者10が送話用マイクロホン1から発
声した送話音声は、送話信号増幅器5で信号を増幅し、
伝送路9を介して受信側に伝送する。受話信号増幅器8
は受信した信号を増幅し、受話スピーカ4に入力され、
再生される。
【0004】上記の拡声通話系は、従来の電話通話系の
ように送受話器を手に持つ必要がないため、作業をしな
がらの通話が可能であったり、また、自然な対面通話が
実現でき、通信会議やテレビ電話、拡声電話器等に広く
利用されている。
【0005】その一方、この拡声通話系は、送話側から
受話側に伝送された音声が受話側のマイクロホン3から
再度入力され、送話側に反響する点が問題となる。送話
者10にとってこの反響現象は、自分の発声した音声が
スピーカ2から再生されるため、音響エコー等と呼ばれ
ており、通話の障害や不快感等の悪影響を生じる。さら
に、スピーカ2から再生された音声は、マイクロホン1
で受音されて信号の閉ループを形成する。そして、ルー
プゲインが1より大きい場合には、ハウリング現象が発
生して通話が不能となる。
【0006】上記のような拡声通話系の問題点を解決す
るために損失制御装置や、反響消去装置が利用されてい
る。
【0007】[第1の従来例]図11は、従来の損失制
御装置の構成を示す。同図において、図10と同一構成
部分には、同一符号を付す。また、本例は、損失制御装
置を送話側と受話側に設けるが、同図では簡単のため、
受話側のみを図示し、受話側を対象として説明する。ま
た、図11において増幅器は省略する。図11は図10
に示す拡声通話系の受話側に損失制御装置12を適用し
た場合を示す。損失制御装置12は、伝送路9とスピー
カ4及びマイクロホン3の間に設ける。損失制御装置1
2は、損失制御回路13、可変損失器14、15により
構成される。損失制御回路13は、受話信号x(n)、
マイクロホン3からの出力信号z(n)が入力され、そ
れらの信号の大きさに基づいて送受話状態の判定を行
う。マイクロホン3からの出力信号z(n)はスピーカ
4からの反響信号y(n)と受話側でマイクロホン3か
ら入力した音声信号s(n)を合わせた信号(z(n)
=y(n)+s(n))である。
【0008】損失制御回路13は、送受話状態の判定方
法として、例えば、受話信号x(n)と出力信号z
(n)の短時間パワーPx(n)とPz(n)を計算
し、その大きさを比較する。比較の結果、反響信号y
(n)が受話信号x(n)より小さいと仮定すると、送
話信号s(n)が無い場合(z(n)=y(n))に
は、Px(n)>Pz(n)が成立し、この時には、受
話状態と判定する。一方、あるレベル以上の送話信号s
(n)が存在すると、Px(n)<Pz(n)となり、
このときは、送話状態であると判定する。さらに受話状
態でもあると判定されれば、送話側の損失器15に損失
を挿入する。その結果、スピーカ4から回り込んでマイ
クロホン3で受音された反響信号y(n)は、損失器1
5により減衰されて反響影響が軽減される。
【0009】一方、損失制御回路13により送話状態で
あると判定されれば、送話側の損失器15の損失は0dB
として、受話側の損失器14に損失を挿入する。その結
果、マイクロホン3で受音された送話信号s(n)は減
衰することなく伝送される。また、損失を受話側の損失
器14に挿入したことによって、閉ループゲインを1以
下に保ち、ハウリング現象を防止することができる。
【0010】上記のように、損失制御装置13を用いる
ことにより送話側で自分が発声した音声が送信側のスピ
ーカ4から反響する現象を軽減することが可能である
が、構成を簡素化する意味より挿入損失量は固定とし、
定数化された値を損失器14または15に挿入する。一
般的に、あらゆる状況を想定して挿入損失量の値として
は、大きな値(例えば20dB)が与えられている。
【0011】しかし、損失器14または15に挿入され
る損失量が10dBを越えると、送受話判定に遅延が生
じ、音声の語頭や語尾の切断が生じて、通話品質が低下
するという問題が発生する。そこで、実際に使用される
状況での音響結合量に応じて適応的に損失量を制御する
適応型損失制御装置が提案されている。ここで、音響結
合とは、スピーカ4とマイクロホン3を同一の装置に接
続する装置では、スピーカ4から出力された音声信号
は、マイクロホン3で受音されるため、当該装置からの
観点では、スピーカ4から出力された音は、空間的に結
合されてマイクロホン3に受音されることになる。即
ち、信号は電気的な結線で結合されているわけではな
く、空間的に音として結合されている。従って、音響結
合量は、スピーカ4への入力信号x(n)とマイクロホ
ン3での受音信号y(n)とが、パワーてきにどのよう
に結合されているかを示すものである。
【0012】なお、上記図11では、増幅器が省略され
ているが、受音信号y(n)は、 y(n)=(増幅器8)*(音響伝達特性)*(増幅器
7)*x(n) である。
【0013】[第2の従来例]図12は、従来の適応型
損失制御装置の構成を示す。同図において図11と同一
構成部分には、同一符号を付与する。同図に示す適応型
損失制御装置12は、図11の構成に挿入損失量決定回
路41を付加した構成である。挿入損失用決定回路41
は、可変損失器14を通過した後の受話信号LR
(n)、及びマイクロホン3からの出力信号z(n)が
入力され、これらの信号のレベルに基づいてスピーカ4
からマイクロホン3までの間の音響結合量Gを推定し、
挿入損失量を決定する。
【0014】例えば、音響結合量の予測値G^は、可変
損失器14の出力信号LR x(n)とマイクロホン3の
出力信号z(n)の短時間パワーPLR x(n),Pz
(n)を用いて以下のように計算できる。
【0015】G^=Pz(n)/PLR x(n) このとき、音響結合量の予測値G^が1(0dB) よりも
大きければ、受話信号x(n)と可変損失器15を通過
した後の送信信号LT x(n)との間の利得が1以下に
なるような損失量を挿入損失量決定回路41で計算す
る。
【0016】例えば、予測値G^が4(6dB) である場
合には、入力信号(受話信号)x(n)と送信信号LT
x(n)との間の開ループ利得を1(0dB)以下に保つ
ために、挿入損失量は0.5(パワーで6dB) 以下にす
る。また、音響結合量が変化し、予測値G^が2(3d
B) になった場合には、挿入損失量は、損失制御装置1
3に転送される。損失制御回路13は、上記の予測によ
り、損失器14、15に挿入損失量a,bを与える。
【0017】しかし、上記の適応型損失制御装置12
は、音響結合量の推定を行う場合には、マイクロホン3
からの出力信号z(n)に送話信号s(n)が含まれて
いないことが望まれる。但し、出力信号z(n)に送話
信号s(n)が含まれるかどうかの判断は困難であるた
め、予測値G^の推定は、初期学習することが多い。
【0018】上記のように、適応型損失制御装置12を
用いれば、送信側10での反響現象を軽減することがで
きるが、出力信号z(n)に反響信号y(n)、送話信
号s(n)等が含まれ音響結合量の大きい条件下では、
依然として、通話品質が低下するという問題が残され
る。
【0019】次に、このような問題を解決するために反
響消去装置が提案されている。
【0020】[第3の従来例]図13は、従来の反響消
去装置の構成を示す。同図に示す反響消去装置21は、
疑似反響路22、反響路推定回路23、減算器24より
構成される。スピーカ4は、受話信号x(n)が入力さ
れ、マイクロホン3は、スピーカ4から反響信号y
(n)が入力され、スピーカ4からマイクロホン3間に
反響路伝達特性(インパルス応答)としてh(n)があ
る。
【0021】反響消去装置21は、反響路推定回路23
が反響路(スピーカ4とマイクロホン3の間)のインパ
ルス応答を推定し、その推定値h^(n)を疑似反響路
22に転送する。次に、疑似反響路22は、反響路推定
回路23から出力された推定値h^(n)と受話信号x
(n)との畳み込み演算を実行して疑似反響信号y^
(n)を減算器24に出力する。減算器24は、マイク
ロホン3の出力信号z(n)からy^(n)を差し引
く。反響路推定回路23において、反響路インパルス応
答の推定が良好に行われていれば、反響信号y(n)と
疑似反響信号y^(n)が略等しいものとなっている。
この減算の結果、誤差信号e(n)が0であれば、マイ
クロホン3の出力z(n)に含まれる反響信号y(n)
は消去される。 ここで、疑似反響路22は、反響路特
性h(n)の経時変動に追従する必要がある。そのた
め、反響路推定回路23は、適応アルゴリズムを用い
て、反響路インパルス応答の推定を行う。適応アルゴリ
ズムとは、受話信号x(n)と誤差信号e(n)を用い
て誤差信号e(n)のパワーが最小になるように、イン
パルス応答の推定値h^(n)を定めるアルゴリズムで
あり、LMS法、学習同定法、ES法等が知られてい
る。
【0022】しかし、上記の反響路を推定するアルゴリ
ズムは、近端話者の送話信号が存在する場合には、それ
を誤差と見なしてしまい、誤った方向に疑似反響路を推
定してしまう。そこで、受話信号x(n)と近端話者の
送話信号s(n)の混在(ダブルトーク)の有無を検出
し、ダブルトークがある場合には、推定を停止する必要
がある。
【0023】タブルトーク時の適応推定を停止するよう
な状況を解決する方法として、陽にダブルトークを検出
することなく、良好に反響路の推定を行うFG/BG
(フォアグラウンド/バックグラウンド)方式が提案さ
れている。
【0024】[第4の従来例]図14は、FG/BG方
式を用いた反響消去装置の構成を示す。図13と同一構
成部分には、同一符号を付す。図14に示す反響消去装
置50は、FG側疑似反響路51、推定回路54、BG
側疑似***路55、減算器60、61、転送判断回路6
2より構成される。
【0025】FG/BG方式反響消去装置50は、反響
路の推定回路54において、減算器60からの誤差信号
eb(n)と受話信号x(n)により、反響路のインパ
ルス応答を推定し、その推定値h^b(n)をBG側の
疑似反響路55に転送する。次に、BG側の疑似反響路
55は、推定値h^b(n)と受話信号x(n)との畳
み込み演算を実行して疑似反響信号y^b(n)を合成
して、減算器60に入力する。減算器60は、マイクロ
ホン3からの出力信号z(n)から疑似反響信号y^b
(n)を差し引き、誤差eb(n)を出力する。反響路
インパルス応答の推定が良好に行われていれば、反響信
号y(n)と疑似反響信号y^(n)は略等しいものと
なる。
【0026】次に、転送判断回路62は、マクロホン3
の出力信号z(n)と減算器60から出力される疑似反
響信号y^b(n)の誤差eb(n)の大きさを、例え
ば、短時間パワーPz(n)とPeb(n)を用いて比
較する。ここで、 受話信号x(n)が予め設定された閾値Thより大き
い: 誤差eb(n)の短時間パワーPeb(n)がマイク
ロホン3の出力信号z(n)の短時間パワーPz(n)
より小さい: BG側の誤差eb(n)のパワーPeb(n)のパワ
ーPef(n)よりも小さい: という3つの条件が満たされる時には、推定回路54で
推定されたBG側の疑似反響係数h^b(n)は、FG
側疑似反響路係数h^f(n)と比較して、実際の反響
路をより良く模擬していると考えられる。従って、BG
側疑似反響路55は、FG疑似反響路51にBG側の疑
似反響路係数h^b(n)を転送する。FG側疑似反響
路51の係数h^f(n)は、上記の条件が満たされた
時のみ更新される。従って、タブルトーク時に推定回路
54が誤推定を行った場合には、上記の条件が満たされ
ないため、BG側係数h^b(n)は、FG側疑似反響
路51に転送されない。これにより、BG側で明らかに
反響消去が得られているときのみの係数を保持するFG
側は、ダブルトークによる係数の乱れがない。
【0027】しかし、FG/BG方式反響消去装置は、
初期の段階でBG側の係数が収束し、それが、FG側へ
転送されるまで、FG側の係数が零であり、反響信号は
全く消去されない。さらに、使用中に反響路が変化した
場合にも、BG側にて正しく反響路の推定が行われ、F
G側の疑似反響路51に転送されるまでの期間は、反響
消去量が低下する。
【0028】上記の初期段階や使用中での反響路の変化
に対して、反響消去量が低下してしまう問題は、前述の
通常の反響消去装置でも同様である。この問題を解決す
る方法としては、初期学習を行うか、あるいは、反響消
去装置が収束していない場合には、ハウリングが起こら
ない程度の損失を損失制御装置により挿入しておくこと
等が考えられる。
【0029】以下に、反響消去装置と適応型損失制御装
置を組み合わせた場合について説明する。
【0030】[第5の従来例]図15は、従来の反響消
去部と適応型損失制御部とを組み合わせた反響消去装置
の構成を示す。図16は、従来のFG/BG方式を用い
た反響消去部と、適応型損失制御部を組み合わせた反響
消去装置の構成を示す。図15、図16の両図において
図12、図13、図14と同一構成部分には、同一符号
を付す。
【0031】図15において、反響消去部21と適応型
損失制御部12との間には接続点71、72を設ける。
同様に図16において反響消去部50と、適応型損失制
御部12との間にも接続点71、72を設ける。
【0032】反響消去部21と適応型損失制御部12、
反響消去部50と適応型損失制御部12を組み合わせた
装置において、適応型損失制御部12は、反響消去部2
1、50を含めて接続点71、72の間で音響結合量を
推定する。これにより、初期の段階において、反響消去
部21、50の反響消去量が少ない場合には、適応型損
失制御装置12の挿入損失量を大きくして反響を抑圧
し、反響消去部21、50により、ある程度反響信号が
取り除かれた場合には、適応型損失制御装置12の挿入
損失量を小さくすることができる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】上記の第5の従来の例
では、第1〜第4までの従来の例の反響消去部で問題と
なっていた反響消去量が少ない場合のハウリング抑圧を
反響消去部と適応型損失制御部を組み合わせることによ
り解決できるが、音響結合量の変化に対して適応的に挿
入損失量を決定する損失制御装置12の挿入損失量決定
回路41において、正しい音響結合量の予測を行うため
には、マイクロホン3からの出力信号z(n)に送話信
号s(n)が含まれているか否かの判断が必要である
が、これは、上記の従来の構成では困難であり、適切な
挿入損失量の決定ができないという問題がある。
【0034】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、上記従来の問題点を解決し、適応型損失制御部を反
響消去部と組み合わせて使用する場合に、挿入する損失
量を決定する際に、必要な音響結合量を正しく推定し、
反響信号を消去することが可能な反響消去装置及び方法
を提供することを目的とする。
【0035】本発明の更なる目的は、反響消去部の収束
の状態からダブルトークの状態を判断し、判断結果に基
づいて音響結合量の推定法を変化させることにより、挿
入する損失量を最小に抑える損失制御部を備えた反響消
去装置を提供することである。
【0036】本発明の他の目的は、スピーカからマイク
ロホンに対して反響する信号を除去し、相手からクリア
な音声のみを受信することができる反響消去方法を提供
することである。
【0037】
【0038】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理構
成図である。
【0039】本発明は、通信路を介して受信された受話
信号が反響路を介して反響する場合に、該反響路への受
話信号x(n)と該受話信号が反響路を経由した後の反
響信号y(n)から疑似反響路210を形成し、該受話
信号x(n)及び該反響路のインパルス応答の推定値を
推定手段220より該疑似反響路に入力し、該疑似反響
路から得られる疑似反響信号y^(n)を該反響信号y
(n)から差し引くことにより、該反響信号y(n)を
消去し、差し引いた誤差信号e(n)、該反響信号y
(n)と送話信号s(n)が混合された入力信号z
(n)を出力する消去手段を有する反響消去部200
と、 反響消去部200から入力された誤差信号e
(n)、入力信号z(n)と該疑似反響信号y^(n)
との誤差e(n)と受話信号x(n)の短時間パワーP
x(n),Pz(n),Pe(n)を計算し、受話信号
x(n)の短時間パワーPx(n)が所定の閾値xth
を超え、1以下に設定された閾値Thとの間でPe
(n)<Th*Pz(n)の関係が成り立てば、ダブル
トーク状態でないと判定し、Px(n)>xthでか
つ、Pe(n)>Th*Pz(n)の関係が成り立つ時
はダブルトーク状態かまたは、反響路が変化しているも
のと判定するダブルトーク状態判定手段と、 判定された
ダブルトーク状態に基づいて、受話信号x(n)と反響
信号y(n)とを結ぶ反響路の音響結合量を求め、これ
により損失量を決定する損失量決定手段310と、 損失
決定手段310により決定された損失量を受信信号側ま
たは、送信信号側の少なくともどちらか一方の通信路に
挿入し、通信路の1巡ループ利得が1を超えることを抑
圧する適応型の損失制御手段330を有する損失制御部
300とを組み合わせる。
【0040】また、本発明の損失量決定手段310は、
ダブルトーク状態判定手段によりダブルトーク状態では
ないと判定された場合に、Px(n)/Pz(n)によ
り損失量を求め、ダブルトーク状態または、反響路が変
化している場合には、ダブルトーク状態が続くと予想さ
れる時間間隔より長い時間を用いて損失量を求め、損失
制御手段に入力する。
【0041】
【0042】
【0043】また、本発明の損失量決定手段320は、
ダブルトーク状態または、反響路が変化している場合に
は、積分時間を長くした受話信号x(n)のパワーPP
x(n)と入力信号z(n)のパワーPPz(n)を用
いてPPx(n)/PPz(n)により損失量を求め、
損失制御手段330に入力する。
【0044】また損失量決定手段320において、ダ
ブルトーク状態または、反響路が変化している場合に
は、短時間で推定したPx(n)/Pz(n)により求
められる値を所定の時間区間より長時間にわたって平均
した値により損失量を求め、損失制御手段に入力する。
【0045】図2は、本発明の原理を説明するためのフ
ローチャートである。
【0046】本発明は、通信路を介して受信された受話
信号が反響路を介して反響する場合に、該反響路への受
話信号x(n)と該受話信号が反響路を経由した後の反
響信号y(n)から疑似反響路を形成し、該受話信号x
(n)及び該反響路のインパルス応答の推定値を推定手
段より該疑似反響路に入力し、該疑似反響路から得られ
る疑似反響信号y^(n)を該反響信号y(n)から差
し引くことにより、該反響信号y(n)を消去し、差し
引いた誤差信号e(n)、反響信号y(n)と送話信号
s(n)が混合された入力信号z(n)を出力するステ
ップと、 誤差信号e(n)、入力信号z(n)と該疑似
反響信号y^(n)との誤差e(n)と受話信号x
(n)の短時間パワーPx(n),Pz(n),Pe
(n)を計算し、受話信号x(n)の短時間パワーPx
(n)が所定の閾値xthを超え、1以下に設定された
閾値Thとの間でPe(n)<Th*Pz(n)の関係
が成り立てば、ダブルトーク状態でないと判定し、Px
(n)>xthでかつ、Pe(n)>Th*Pz(n)
の関係が成り立つ時はダブルトーク状態かまたは、反響
路が変化しているものと判定するステップと、 判定され
たダブルトーク状態に基づいて受話信号x(n)と反響
信号y(n)とを結ぶ反響路の音響結合量を求め、これ
により損失量を決定するステップと、 決定された損失量
を受信信号側または、送信信号側の少なくともどちらか
一方の通信路に挿入し、通信路の1巡ループ利得が1を
超えることを抑圧するステップよりなる。
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【作用】本発明は、適応型損失制御部において、マイク
ロホンからの音声信号s(n)にスピーカとマイクロホ
ン間の反響路から発生する反響信号が存在する状態(ダ
ブルトーク状態)かそうでないかを、反響消去部の収束
(反響信号を消去)の状態に応じて判断する。即ち、反
響消去部において反響消去がある程度行われている状態
と、反響消去が行われていない状況、或いはダブルトー
ク状態とを区別してそれぞれに応じた音響結合量の推定
方法に応じて挿入損失量の推定を正しく行うことが可能
である。
【0051】
【実施例】以下、図面と共に本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0052】[第1の実施例] 図3は、本発明の第1の実施例のシステム構成を示す。
同図中、図10と同一構成部分について同一符号を付
す。なお、図10における増幅器は、簡単のため省略す
る。図3に示すシステムは、図10の構成に加えて、損
失制御部120と反響消去部21が設けられる。図3に
おいて、反響消去部21は、疑似反響路より疑似反響信
号を出力し、反響路100(スピーカ4とマイクロホン
3との間)より反響信号を含むマイクロホン3の入力
号z(n)から疑似反響信号(y^(n)を差し引いて
適応型損失制御部120に入力する。
【0053】反響消去部120は、反響消去部21から
反響信号を含むマイクロホン3からの出力信号と、疑似
反響路からの出力信号との誤差信号が入力され、反響消
去が行われているか否かの状況により挿入する損失量を
決定する。
【0054】図4は、本発明の第1の実施例の損失制御
部と反響消去部を組み合わせた構成を示す。同図中、図
11と同一構成部分には同一符号を付す。図4に示す適
応型損失制御部120は、図11の適応型損失制御部1
2にダブルトーク状態判定手段としての反響消去収束状
態判定回路80を付加した構成である。
【0055】受話側からの受話信号x(n)(L
(n))がスピーカ4に入力されることにより、スピー
カ4とマイクロホン3との間に反響路100が形成さ
れ、スピーカ4からの反響信号y(n)がマイクロホン
3に入力される。但し、図5に示すように、受話信号x
(n)しか存在しない場合には、マイクロホン3での受
音信号は、音響伝達特性h(n)の影響を受けた受話
号x(n)のみを受音する。
【0056】一方、図6に示すように、受話信号x
(n)と送話信号s(n)が混在する場合には、送話信
号s(n)は、送信すべき信号であり、消去することが
できない信号である。ここで、反響消去部21で消去し
きれなかった信号が存在する場合に、現在送話信号s
(n)があるために、信号が混在しているのか、単に、
反響信号が消去できないためであるかを区別するのは、
困難であるため、音響消去部21から損失制御部120
に対してマイクロホン3からの入力信号z(n)と疑似
反響路22を介した疑似反響信号y^(n)と反響信号
y(n)の差e(n)を送出する(但し、y(n)=h
(n)*x(n))。
【0057】マイクロホン3は、入力信号z(n)とし
て、反響信号y(n)とマイクロホン3に入力される音
声信号s(n)を合成した信号(z(n)=y(n)+
s(n))を減算器24に出力する。これは、音声信号
s(n)は受話者の発声によるものや近端者からの音声
等であり、反響信号y(n)を取り除いて本来の音声信
号s(n)のみ相手に伝送しようとするものである。
【0058】反響消去部21の推定手段としての推定回
路23において、反響路のインパルス応答h(n)を推
定し、推定値h^(n)を疑似反響路22に転送する。
この時、推定回路23が推定値h^(n)を求める場合
には、第3の従来例と同様に適応アルゴリズムを用いて
行うものとする。疑似反響路22は、受話信号L
(n)と推定値h^(n)との畳み込み演算を行い、疑
似反響信号y^(n)を減算器24に出力する。減算器
24は、マイクロホン3からの入力信号z(n)と疑似
反響信号y^(n)減算し、誤差信号e(n)を求め
る。
【0059】e(n)=z(n)−y^(n) 減算器24からの誤差信号e(n)は、推定回路23に
入力され、推定回路23は、適応アルゴリズムにより反
響路インパルス応答h^(n)の推定を行い、誤差信号
e(n)の短時間パワーが最小になるようにh^(n)
を決定する。このようにして最小化された減算器24か
らの誤差信号e(n)は、損失制御部21にも出力され
る。
【0060】損失制御部21の反響消去収束判定回路8
0は、損失器15を経由して受話信号Lx(n)とマ
イクロホン3からの入力信号z(n)及び誤差信号e
(n)が入力される。反響消去収束判定回路80は、例
えば、以下のように音響結合量Gを推定し、損失量決定
手段としての挿入損失量決定回路41に出力する。
【0061】入力信号LR x(n)とマイクロホン入力
信号z(n)と誤差信号e(n)のそれぞれの短時間パ
ワーPx(n),Pz(n),Pe(n)を計算する。
ここで、Px(n)が設定された閾値xthを越え、1
以下に設定された閾値Thとの間で、 Pe(n)<Th*Pz(n) であれば、反響消去が達成されていると判断する。この
場合には、マイクロホン3の入力信号z(n)には、s
(n)が含まれていないと考えてよいので、挿入損失量
決定回路41は、音響結合量Gを G^=Px(n)/Pz(n) として推定する。また、 Px(n)>xthでかつPe(n)>Th*Pz
(n) である時は、z(n)にs(n)が含まれているダフル
トーク状態にあるか、または、反響路が変化して疑似反
響路22が正しく推定していない状態である。ダブルト
ーク状態では、正しい音響結合量の推定は行うことがで
きるが、反響路が変化している可能性もあるので、音響
結合量を推定する必要がある。
【0062】このような場合には、ダブルトーク状態が
続くと予想される時間区間(概ね3秒程度)より長い時
間を用いて挿入損失量決定回路41において音響結合量
を推定する。これは、ダブルトーク状態では、必要な反
響消去量が短時間では、計算不可能であるので、長時間
で推定する必要がある。
【0063】挿入損失量決定回路41は、具体的には、
以下のような方法で音響結合量を推定する。 (1)積分時間を長くしたパワーPPx(n)とPPz
(n)とを用いて、 G^=PPx(n)/PPz(n) とする方法: (2)短時間で推定したG^Px(n)/Pz(n)
を長時間にわたって平均する方法: 等がある。
【0064】挿入損失量決定回路41で推定された音響
結合量Gは、損失制御手段としての損失制御回路13に
入力される。損失制御回路13は、推定された音響結合
量G^、受話信号x(n)、減衰器24からの誤差信号
e(n)に基づいて送受話状態の判定を行う。受話状態
と判定された場合には、送話側の損失器15に損失を挿
入する。これにより、損失器15によって減衰されて反
響現象が低減される。一方、損失制御回路13により、
送話状態と判定された場合は、受話側の損失器14に損
失を挿入する。その結果、マイクロホン3から入力され
た送話信号s(n)が減衰することなく伝送される。
【0065】[第2の実施例]図7は、本発明の第2の
実施例のシステム構成を示す。図7は、本発明の第2の
実施例のシステム構成を示す。同図中、図3と同一構成
部分について同一符号を付す。図3に示す構成は、第1
の実施例において反響消去部21の推定回路により適応
アルゴリズムを用いて反響路のインパルス応答の推定を
行っていたが、本実施例では、FG/BG方式の反響消
去部50において、マイクロホン3からの出力信号と疑
似反響信号の差を求め、適応型損失制御部120におい
て、入力された信号の短時間パワーを用いてそれらの大
きさを比較して推定回路で推定された推定値が実際の反
響路を模擬している度合によりダブルトーク状態を判定
する。適応型損失制御部120は、ダブルトーク状態か
否かにより損失量を決定し、損失量の制御を行う。
【0066】図8は、本発明の第2の実施例の損失制御
部とFG/BG方式の反響消去部を組み合わせた構成を
示す。同図において、図16と同一構成部分には、同一
符号を付す。本実施例の構成は、損失制御部120内に
反響消去収束状態判定回路80が付加された点が図16
の構成と異なる。
【0067】本実施例の反響消去収束判定回路80は、
第1の実施例において、減算器24から入力された誤差
信号e(n)の代わりに、減算器60から誤差信号eb
(n)が入力される。反響消去収束判定回路80は、例
えば、入力信号Lx(n)とマイクロホン3からの入
信号z(n)と誤差信号eb(n)のそれぞれの端時
間パワーPx(n),Pz(n),Peb(n)を計算
する。
【0068】短時間パワーは、以下のようにして求め
る。ここでは、受話信号x(n)について求める例を示
すが、他の信号についても代入により同様に求めること
ができる。
【0069】信号か全て離散化されているとすれば、離
散化された時刻n−Nから現在の時刻nまでの短時間パ
ワーは、
【0070】
【数1】
【0071】また、αを α=N−1/N とすれば、 Px(n)=x(n)+αPx(n−1) で求めてもよい。また、1時刻前のパワーに2乗値を足
し、N時刻過去の2乗値データを−ことでも求められ
る。 Px(n)=Px(n−1)+x(n)−x(n−N) ここで、Px(n)が設定された閾値xthを越え、1
以下に設定された閾値Thとの間で、 Pe(n)<Th*Pzb(n) (1) であれば、反響消去が達成されていると判断する。この
場合には、マイクロホン3からの入力信号z(n)に
は、音声信号s(n)が含まれていないと考えてよいの
で、挿入損失量決定回路41において、音響結合量を G^=Px(n)/Pz(n) (2) として推定する。また、 Px(n)>xthでかつ、Pe(n)>Th*Pzb(n) (3) であるときは、マイクロホン3からの入力信号z(n)
には、音声信号s(n)が含まれているダブルトーク状
態か、或いは、反響路が変化して疑似反響路55が正し
く推定されていない状態である。だぶるトーク状態で
は、正しい音響結合量の推定は行えないが、反響路が変
化している可能性もあるので、音響結合量を推定する必
要がある。このような場合には、ダブルトーク状態が続
くと予測される時間区間より長い時間を用いて、挿入損
失量決定回路41において、音響結合量を推定する。具
体的な推定方法は、前述の第1の実施例と同様である。
【0072】上記により図8に示すシステムの動作は、
以下のようになる。
【0073】スピーカ4に受話信号Lx(n)が入力
されると、マイクロホン3との間に形成される反響路を
経由して、反響信号y(n)がマクロホン3に入力さ
れる。推定回路54は、スピーカ4とマイクロホン3と
の間の反響路のインパルス応答を推定し、その推定値h
^(n)をBG側の疑似反響路55に転送する。次に、
疑似反響路55は、h^(n)とLx(n)によりB
G側の疑似反響信号y^b(n)を減算器60に出力す
る。減算器60は、マイクロホン3からの入力信号z
(n)からy^b(n)を差し引き、誤差信号eb
(n)を求め、転送判断回路62に送出する。
【0074】次に、転送判断回路62は、マイクロホン
からの入力信号z(n)とy^(n)の誤差信号eb
(n)の大きさを比較する。比較する方法は、第5の従
来例と同様の方法であるので、説明は省略する。
【0075】比較の結果条件が満たされていれば、BG
側の疑似反響路55の係数が収束しているものとして、
BG側疑似反響路55は、FG側疑似反響路51に係数
を転送する。
【0076】減算器61は、マイクロホン3からの入力
信号z(n)とFG側疑似反響路51からの係数h^f
の誤差ef(n)を求め、転送判断回路62に転送する
と共に、反響消去部120に入力する。反響消去部12
0の反響消去収束判定回路80は、減算器60からの誤
差信号eb(n)とマイクロホン3からの入力信号z
(n)と受話信号Lx(n)が入力され、それらの信
号の短時間パワーを計算する。ここで、受話信号L
(n)のパッワーPLx(n)が1を越えていなけれ
ば、ダブルトーク状態ではないと判断し、判定結果を挿
入損失量決定回路41に入力する。挿入損失量決定回路
41は、反響消去収束判定回路80からの判断結果に基
づいて損失制御回路13に入力する挿入損失量を決定す
る。
【0077】ダブルトーク状態でない場合(1)には、
上記(2)を用いて音響結合量G^を推定する。また、
(3)のようにダブルトーク状態か反響路が変化してい
ることが想定される場合には、ダブルトーク状態が続く
と予想される時間区間より長い時間を第1の実施例と同
様の方法により音響結合量G^を推定する。
【0078】挿入損失量決定回路41は、推定された音
響結合量G^を損失制御回路13に入力する。損失制御
回路13は、第1の従来の例と同様に送受話状態を判定
し、損失器14または15に損失を挿入する。
【0079】なお、上記の実施例において、推定回路2
3において、推定値h^(n)を求める際に適応アルゴ
リズムを用いているが、この例に限定されることなく、
インパルス応答の推定値を求めるための方法を適応すれ
ばよい。また、第2の実施例においてFG/BG方式に
より条件を設定して反響路のインパルス応答の推定を行
っているが、この例に限定されることなく、反響路のイ
ンパルス応答の推定値が実際の反響路のインパルス応答
値との誤差がなくなり、疑似反響信号y^(n)と反響
信号y(n)の値が同じ値に限りなく近似する方法また
は、同値となる方法であればよい。
【0080】なお、上記の第1の実施例では、反響消去
部21の構成に、推定回路23及び疑似反響路22及び
減算器24を用い、第2の実施例では、反響消去部50
にFG/BG方式の反響消去回路を用いているが、上記
の2つの実施例に限定されることなく、図9に示すよう
に、他の種々の反響消去部70を用いて、反響消去部7
0で反響信号が消去されているかどうかを示す情報を損
失制御部120に入力する。これにより、損失制御部1
20でダブルトーク状態を判断し、その判断に基づいて
損失制御装置で1巡の利得が1を越えない損失量を決定
して、損失器に14、15に挿入する。
【0081】また、上記の実施例では、拡声機能を有す
る電話機に適応する場合について述べているが、双方向
通話可能なトランシーバ等で反響が悪影響を与えるよう
な場合にも適用できる。
【0082】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、反響消
去部の収束の状況からダブルトーク状態で判断し、反響
消去部において、反響消去がある程度行われている状態
では、短時間で音響結合量を推定し、反響消去が行われ
ていない場合(ダブルトーク状態)には、長時間で音響
結合を推定する。これにより、適応型損失制御部におけ
る音響結合量の推定の精度が向上し、挿入損失量を最小
に抑えることができ、通話品質が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の原理を説明するためのフローチャート
である。
【図3】本発明の第1の実施例のシステム構成図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施例の損失制御部と反響消去
部を組み合わせた構成図である。
【図5】本発明の第1の実施例を説明するための図(そ
の1)である。
【図6】本発明の第1の実施例を説明するための図(そ
の2)である。
【図7】本発明の第2の実施例のシステム構成図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施例の損失制御部とFG/B
G方式の反響消去部を組み合わせた構成図である。
【図9】本発明の他の実施例の構成図である。
【図10】従来の拡声通話システム構成図である。
【図11】従来の損失制御装置の構成図である。
【図12】従来の適応型損失制御装置の構成図である。
【図13】従来の反響消去装置の構成図である。
【図14】従来のFG/BG方式の反響消去装置の構成
図である。
【図15】従来の反響消去部と適応型損失制御部を組み
合わせた構成図である。
【図16】従来のFG/BG方式を用いた反響消去部と
適応型損失制御部を組み合わせた構成図である。
【符号の説明】
1、3 マイクロホン 2、4 スピーカ 5、6、7、8 増幅器 9 伝送路 10 発話者 11 受話者 12 損失制御部 13 損失制御回路 14、15 可変損失器 21 反響消去部 22 疑似反響路 23 推定回路 24 減衰器 41 挿入損失量決定回路 50 FG/BG方式の反響消去部 51 FG側疑似反響路 54 推定回路 55 BG側疑似反響路 60 減算器 62 転送判断回路 70 反響消去部 80 反響消去収束判定回路 100 反響路 120 損失制御回路 200 反響消去部 210 疑似反響路 220 推定手段 230 減算器 300 適応的損失制御部 310 損失量決定手段 330 損失制御手段 410 受話手段 420 送話手段 500 反響消去装置
フロントページの続き (72)発明者 田中 雅史 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−5233(JP,A) 特開 平5−75500(JP,A) 特開 平5−75501(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 3/00 - 3/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信路を介して受信された受話信号が反
    響路を介して反響する場合に、該反響路への受話信号x
    (n)と該受話信号が反響路を経由した後の反響信号y
    (n)から疑似反響路を形成し、該受話信号x(n)及
    び該反響路のインパルス応答の推定値を推定手段より該
    疑似反響路に入力し、該疑似反響路から得られる疑似反
    響信号y^(n)を該反響信号y(n)から差し引くこ
    とにより、該反響信号y(n)を消去し、差し引いた誤
    差信号e(n)、該反響信号y(n)と送話信号s
    (n)が混合された信号である入力信号z(n)を出力
    する消去手段を有する反響消去部と、 前記反響消去部から入力された前記誤差信号e(n)、
    前記入力信号z(n)と該疑似反響信号y^(n)との
    誤差e(n)と受話信号x(n)の短時間パワーPx
    (n),Pz(n),Pe(n)を計算し、受話信号x
    (n)の短時間パワーPx(n)が所定の閾値xthを
    超え、1以下に設定された閾値Thとの間でPe(n)
    <Th*Pz(n)の関係が成り立てば、ダブルトーク
    状態でないと判定し、Px(n)>xthでかつ、Pe
    (n)>Th*Pz(n)の関係が成り立つ時はダブル
    トーク状態かまたは、前記反響路が変化しているものと
    判定するダブルトーク状態判定手段と、 判定されたダブルトーク状態に基づいて前記受話信号x
    (n)と前記反響信号y(n)とを結ぶ前記反響路の音
    響結合量を求め、これにより損失量を決定する損失量決
    定手段と、 前記損失決定手段により決定された前記損失量を受信信
    号側または、送信信号側の少なくともどちらか一方の通
    信路に挿入し、前記通信路の1巡ループ利得が1を超え
    ることを抑圧する適応型の損失制御手段を有する損失制
    御部とを組み合わせたことを特徴とする反響消去装置。
  2. 【請求項2】 前記損失量決定手段は、 前記ダブルトーク状態判定手段によりダブルトーク状態
    ではないと判定された場合に、Px(n)/Pz(n)
    により損失量を求め、ダブルトーク状態または、前記反
    響路が変化している場合には、ダブルトーク状態が続く
    と予想される時間間隔より長い時間を用いて損失量を求
    め、前記損失制御手段に入力する請求項記載の反響消
    去装置。
  3. 【請求項3】 前記損失量決定手段において、ダブルト
    ーク状態または、前記反響路が変化している場合には、
    積分時間を長くした前記受話信号x(n)のパワーPP
    x(n)と前記入力信号z(n)のパワーPPz(n)
    を用いてPPx(n)/PPz(n)により損失量を求
    め、前記損失制御手段に入力する請求項2記載の反響消
    去装置。
  4. 【請求項4】 前記損失量決定手段において、ダブルト
    ーク状態または、前記反響路が変化している場合には、
    短時間で推定したPx(n)/Pz(n)により求めら
    れる値を所定の時間区間より長時間にわたって平均した
    値により損失量を求め、前記損失制御手段に入力する請
    求項2記載の反響消去装置。
  5. 【請求項5】 通信路を介して受信された受話信号が反
    響路を介して反響する場合に、該反響路への受話信号x
    (n)と該受話信号が反響路を経由した後の反響信号y
    (n)から疑似反響路を形成し、該受話信号x(n)及
    び該反響路のインパルス応答の推定値を推定手段より該
    疑似反響路に入力し、該疑似反響路から得られる疑似反
    響信号y^(n)を該反響信号y(n)から差し引くこ
    とにより、該反響信号y(n)を消去し、差し引いた誤
    差信号e(n)、該反響信号y(n)と送話信号s
    (n)が混合された入力信号z(n)を出力するステッ
    プと、 前記誤差信号e(n)、前記入力信号z(n)と該疑似
    反響信号y^(n)との誤差e(n)と受話信号x
    (n)の短時間パワーPx(n),Pz(n),Pe
    (n)を計算し、受話信号x(n)の短時間パワーPx
    (n)が所定の閾値xthを超え、1以下に設定された
    閾値Thとの間でPe(n)<Th*Pz(n)の関係
    が成り立てば、ダブルトーク状態でないと判定し、Px
    (n)>xthでかつ、Pe(n)>Th*Pz(n)
    の関係が成り立つ時はダブルトーク状態かまたは、前記
    反響路が変化しているものと判定するステップと、 判定されたダブルトーク状態に基づいて前記入力信号z
    (n)に対する受話信号x(n)への音響結合量を損失
    量と決定するステップと、 決定された前記損失量を受信信号側または、送信信号側
    の少なくともどちらか一方の通信路に挿入し、前記通信
    路の1巡ループ利得が1を超えることを抑圧するステッ
    プよりなることを特徴とする反響消去方法。
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