JP2002217793A - エコー抑圧装置 - Google Patents

エコー抑圧装置

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JP2002217793A
JP2002217793A JP2001012871A JP2001012871A JP2002217793A JP 2002217793 A JP2002217793 A JP 2002217793A JP 2001012871 A JP2001012871 A JP 2001012871A JP 2001012871 A JP2001012871 A JP 2001012871A JP 2002217793 A JP2002217793 A JP 2002217793A
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泰宏 寺田
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エコーパス変動後に増加してしまう誤差信号
を短時間で抑圧するとともに、近端話者の音声に与える
損失が少ないエコー抑圧装置を提供すること。 【解決手段】 エコー抑圧装置100は、受信した遠端側
音声信号に基づいて、スピーカ43によって出力された遠
端側音声信号が反響路を経由してマイクロホン44に入力
されることにより発生する擬似エコーを推定して誤差信
号を生成するとともに、この擬似エコーに基づいて遠端
側音声信号を抑圧する適応処理するようになっており、
このエコー抑圧装置100は、近端側音声信号のパワーを
算出するマイク入力信号パワー算出部105と、擬似エコ
ーのパワーを算出する擬似エコーパワー算出部106とを
備え、マイク入力信号のパワーおよび擬似エコーのパワ
ーの比に基づいて抑圧係数を算出して、この抑圧係数を
誤差信号に乗算するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声の双方向通信
におけるエコー障害を除去するエコー抑圧装置に関する
ものである。
【従来の技術】遠隔地にいる人間同士が映像、音声など
を共有するために、TV会議システム、電話会議システ
ム、拡声電話、自動車電話など、広範囲の分野において
さまざまな映像音声通信システムが開発されている。こ
れらのシステムでは、音声に関してハンドセットは利用
せず、スピーカとマイクロホンで通話できるようになっ
ている。
【0002】このため、通信回線によって互いに音声信
号を通信している場合、通信先から伝送された音声信号
をスピーカから拡声し、この拡声された拡声音が通信先
に送信する音声信号を入力するマイクロホンに入力され
るとともに、この拡声音が重畳みされた音声信号を通信
先に送信することによって、通信先の話者がマイクロホ
ンに向かって発声した音声が、スピーカから通信先の話
者の耳に遅れて戻ってきてしまうという反響信号(以
下、エコーという)障害が生じていた。
【0003】従来、このようなエコー障害を抑制するた
めに、特開平9−116613号公報に記載された装置
が知られており、同公報に記載されたエコー抑圧装置の
ブロック図を図29に示す。
【0004】図29に示すエコー抑圧装置10は、スピーカ
1と、マイクロホン2と、スピーカ1およびマイクロホ
ン2に接続され、各入力信号を増幅する増幅器4、5
と、挿入損失器6と、損失制御回路7と、エコーキャン
セル装置8とを備え、エコーキャンセル装置は、エコー
パス推定回路8a、擬似エコーパスたたみ込み演算回路
8bおよび減算器8cから構成されている。
【0005】エコーキャンセル装置8は、以下のような
動作を行うようになっている。まず、エコーパス推定回
路8aにおいてエコーパス(反響路)を推定し、その推
定値ha(n)を擬似エコーパスたたみ込み演算回路8
bに転送する。次いで、擬似エコーパスたたみ込み演算
回路8bにおいて、推定値ha(n)と遠端信号x
(n)のたたみ込み演算を実行して擬似エコーyh
(n)を合成する。最後に、減算器8cにおいて、マイ
クロホン2の出力信号(以下、マイク入力信号という)
y(n)から擬似エコーyh(n)を差し引く。
【0006】このように動作することによって、エコー
パスh(n)の推定が良好に行われていれば、エコーd
(n)と擬似エコーyh(n)は、ほぼ等しいものとな
っており、この減算の結果である誤差信号e(n)は
‘0’となり、マイク出力に含まれるエコーd(n)を
消去できるようになっている。
【0007】ここで、擬似エコーパスたたみ込み演算回
路8bは、エコーパスh(n)の経時変動に追従するこ
とが必要とされる。このために、エコーパス推定回路8
aは、適応アルゴリズムを使用してエコーパスの推定を
行うようになっており、この推定動作は、受話状態、す
なわち、近端話者信号s(n)≒0であって、マイク入
力信号y(n)≒d(n)とみなせるときに実行される
ようになっている。この受話状態においては、誤差信号
e(n)は、エコーの消去残差である(d(n)-yh
(n))と見なすことができる。以下、この受話状態を
仮定して説明する。
【0008】適応アルゴリズムとは、遠端信号x(n)
と誤差信号e(n)を使用して、誤差信号e(n)のパ
ワーが最小になるようにエコーパスの推定値ha(n)
を定めるアルゴリズムであり、LMS法、学習同定法な
どのアルゴリズムが知られている。
【0009】一般に、エコーd(n)と擬似エコーyh
(n)の差である誤差信号e(n)は、適応フィルタに
よるエコーパスの推定値ha(n)の多数回の修正の後
に小さくなる。しかしながら、適応フィルタの収束速度
と比較して適応すべきスピーカとマイクロホンとの間の
エコーパスの変動の速度の方が速い場合、誤差信号e
(n)は充分に小さくはならない。
【0010】なお、エコーパスの変動は、室内における
人の移動、その他の状態の変動により発生するようにな
っている。
【0011】損失制御回路7は、例えば、誤差信号e
(n)とマイク入力信号y(n)とから擬似エコーパス
たたみ込み演算回路8bの収束量EC(n)を
【数1】 として計算するようになっている。
【0012】ここで、Mは、予め決められた値であり、
収束量EC(n)が小さい程収束していることを表す。
【0013】収束量EC(n)が予め決められた閾値D
EC以下の場合(EC(n)≦DEC)、適応フィルタ
が収束していると判断することができる。すなわち、誤
差信号e(n)に近端話者信号s(n)が混在していな
いことを示しているので、挿入損失器6に対して損失量
Loss(n)を与えるようになっている。
【0014】なお、閾値DECとしては−6dB乃至−
10dBの間の値が好適であり、所望のエコー消去量と
しては、−20dB乃至−40dB程度が好適である。
【0015】損失制御回路7には、遠端信号x(n)も
入力されるようになっており、例えば、そのレベルを短
時間パワーとすると、
【数2】 として計算できるようになっている。
【0016】なお、短時間パワーPx(n)が予め決め
られた閾値Pth以上である場合(Px(n)≧Pt
h)は、受話信号が存在することを示すので、エコーが
発生している状態であると判断することができるように
なっている。
【0017】挿入損失器6は、誤差信号e(n) に対
して損失量Loss(n)を(式3)によって与えるよ
うになっており、送出信号es(n)は、
【数3】 となる。
【0018】また、短時間パワーPx(n)は、予め決
められた閾値Pth以上であって(Px(n)≧Pt
h)受話信号の存在が示されているが、収束量EC
(n)が予め決められた閾値DEC以下の条件を満足し
ない場合(EC(n)>DEC)においても、(式4)
によって近端話者が発声していないと判断したとき、挿
入損失器6は、誤差信号e(n)に対して同様に損失量
Loss(n)を与えるようになっている。
【数4】 なお、Pe(n)は誤差信号の短時間パワー、Gはスピ
ーカとマイクロホン間の音の結合の大きさを示す音響結
合量であり、予め与えるか或は動作中に測定する。Pe
thは予め決められた閾値である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のエコー抑制装置であっては、収束量EC
(n)が予め決められた閾値DEC以下の条件を満足せ
ず(EC(n)>DEC)、短時間パワーPx(n)が
予め決められた閾値Pth以上である場合(Px(n)
≧Pth)、エコーパスが変動したときに近端話者が発
声していないにも関わらず、(式4)の決定式も満足す
る可能性があり、エコーを相手側に送信してしまう場合
があった。
【0020】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、エコーパス変動後に増加してしまう
誤差信号を短時間で抑圧することができ、かつ近端話者
の音声に与える損失が少ないエコー抑圧装置を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、本発明のエコー抑圧装置は、通信回線から受信した
遠端側の音声信号を出力する出力手段と、前記通信回線
に送信する近端側の音声信号を入力する入力手段と、前
記通信回線から受信した前記遠端側音声信号が拡声さ
れ、前記拡声された遠端側の音声が反響路を経由して前
記入力手段に入力されることによって発生する反響信号
を推定する反響信号推定手段と、前記反響信号推定手段
によって推定された前記擬似反響信号に基づいて前記入
力手段によって入力された前記近端側音声信号から前記
反響信号成分を抑圧する信号処理手段と、前記入力手段
によって入力された前記近端側音声信号のパワーを算出
する近端側音声信号パワー算出手段と、前記反響信号推
定手段によって推定された前記擬似反響信号のパワーを
算出する擬似反響信号パワー算出手段と、前記近端側音
声信号パワー算出手段によって算出された前記近端側音
声信号のパワーと前記擬似反響信号パワー算出手段によ
って算出された前記擬似反響信号のパワーの変化に基づ
いて、前記信号処理手段によって前記反響信号成分が抑
圧された抑圧音声信号の信号レベルを制御する制御手段
とを備え、前記制御手段によって信号レベル制御された
前記抑圧音声信号を前記通信回線に送信する構成を有し
ている。
【0022】この構成により、近端側音声信号のパワー
と擬似反響信号のパワーの変化に基づいて通信回線に送
信する信号処理された抑圧音声信号の信号レベルを制御
することができるので、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、反響路の変動かを判別することができると
ともに、反響路の変動が原因の場合、通信回線に出力さ
れる音声信号の信号レベルを抑圧することができる。
【0023】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記入
力手段によって入力された前記近端側音声信号および前
記反響信号推定手段によって推定された前記擬似反響信
号それぞれに帯域制限を行うとともに、前記近端側音声
信号パワー算出手段および前記擬似反響信号パワー算出
手段に前記帯域制限がなされた各信号をそれぞれ出力す
る帯域制限手段を設けた構成を有している
【0024】この構成により、近端側音声信号のパワー
および擬似反響信号のパワーのそれぞれを帯域制限がな
された信号によって算出することができるので、所望す
る帯域の各信号における各信号パワーを精度良く算出す
ることができる。
【0025】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記近
端側音声信号パワー算出手段および前記擬似反響信号パ
ワー算出手段が、入力された前記各遠端側音声信号およ
び前記各近端側音声信号に基づいてそれぞれ前記近端側
音声信号のパワーおよび前記擬似反響信号のパワーを算
出する構成を有している。
【0026】この構成により、所定の周波数帯域毎に、
擬似反響信号の推定および近端側音声信号の信号処理を
行うことができるとともに、近端側音声信号パワー算出
手段および擬似反響信号パワー算出手段に所定の各周波
数帯域毎の信号が入力されるので、各信号パワーを精度
良く算出することができる。
【0027】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記制
御手段が、前記近端側音声信号のパワーと前記擬似反響
信号のパワーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号
レベルを制御する抑圧係数を算出する抑圧係数算出部を
有し、
【0028】前記係数算出部によって算出された前記抑
圧係数を前記抑圧音声信号に乗算する構成を有してい
る。
【0029】この構成により、制御手段が、抑圧係数を
近端側音声信号のパワーと擬似反響信号のパワーの変化
に基づいて算出することができるとともに、この抑圧係
数を抑圧音声信号に乗算することによって抑圧音声信号
の信号レベルを制御することができる。
【0030】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記近端側音声信号パワー算出手段によって
算出された前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の
周囲における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段
とを有し、前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワ
ー、前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワ
ー算出手段によって算出された前記抑圧音声信号のパワ
ーおよび前記騒音パワー算出手段によって算出された前
記騒音パワーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号
レベルを制御する構成を有している。
【0031】この構成により、近端側音声信号のパワ
ー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声信号パワーおよび
騒音パワーの変化によって抑圧音声信号の信号レベルを
制御することができるので、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、入力手段から入力された音声(近端
話者の音声)か、反響路の変動かを判別することができ
るとともに、反響路の変動が原因の場合、通信回線に出
力される音声信号の信号レベルを抑圧することができ
る。
【0032】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算
出された前記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲
における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段とを
有し、前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、
前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算
出手段によって算出された前記抑圧音声信号のパワーお
よび前記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒
音パワーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベ
ルを制御する構成を有している。
【0033】この構成により、近端側音声信号のパワ
ー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声信号パワーおよび
騒音パワーの変化によって抑圧音声信号の信号レベルを
制御することができるので、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、入力手段から入力された音声(近端
話者の音声)か、反響路の変動かを判別することができ
るとともに、反響路の変動が原因の場合、通信回線に出
力される音声信号の信号レベルを抑圧することができ
る。
【0034】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記入
力手段によって入力された前記近端側音声信号、前記反
響信号推定手段によって推定された前記擬似反響信号お
よび前記信号処理手段によって抑圧された前記抑圧音声
信号それぞれに帯域制限を行うとともに、前記近端側音
声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算出手
段および前記抑圧音声信号パワー算出手段に、前記帯域
制限がなされた信号をそれぞれ出力する帯域制限手段を
設けた構成を有している。
【0035】この構成により、近端側音声信号のパワー
および擬似反響信号のパワーそれぞれを帯域制限がなさ
れた信号によって算出することができるので、所望する
帯域の各信号における各信号パワーを精度良く算出する
ことができる。
【0036】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記通
信回線から受信した前記遠端側音声信号および前記入力
手段によって入力した前記近端側音声信号をそれぞれ所
定の周波数帯域毎に分割する分割手段を有し、前記反響
信号推定手段および前記信号処理手段が、前記所定の周
波数帯域毎に前記反響信号の推定および前記近端側音声
信号の信号処理を行うとともに、前記近端側音声信号パ
ワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算出手段および
前記抑圧音声信号パワー算出手段に前記所定の周波数帯
域毎に分割された前記各遠端側音声信号、前記各近端側
音声信号および前記各抑圧音声信号を入力し、前記近端
側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算
出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段が、入力
された前記各遠端側音声信号、前記各近端側音声信号お
よび前記各抑圧音声信号に基づいてそれぞれ前記近端側
音声信号のパワー、前記擬似反響信号のパワーおよび前
記抑圧音声信号のパワーを算出する構成を有している。
【0037】この構成により、所定の周波数帯域毎に、
擬似反響信号の推定および近端側音声信号の信号処理を
行うことができるとともに、近端側音声信号パワー算出
手段および擬似反響信号パワー算出手段に所定の各周波
数帯域毎の信号が入力されるので、各信号パワーを精度
良く算出することができる。
【0038】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記制
御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬似反響
信号のパワー、前記抑圧音声信号のパワーおよび前記騒
音パワーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベ
ルを制御する抑圧係数を算出する抑圧係数算出部を有
し、前記係数算出部によって算出された前記抑圧係数を
前記抑圧音声信号に乗算する構成を有している。
【0039】この構成により、制御手段が、抑圧係数を
近端側音声信号のパワー、擬似反響信号のパワーおよび
前記抑圧音声信号のパワーの変化に基づいて算出するこ
とができるとともに、この抑圧係数を抑圧音声信号に乗
算することによって抑圧音声信号の信号レベルを制御す
ることができる。
【0040】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記近端側音声信号パワー算出手段によって
算出された前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の
周囲における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段
と、前記遠端側音声信号のパワーを算出する遠端側音声
信号パワー算出手段と、前記遠端側音声信号パワー算出
手段によって算出された前記遠端側音声信号のパワーに
基づいて前記遠端側の音声の有無を検出する遠端側音声
検出手段とを有し、前記制御手段が、前記近端側音声信
号のパワー、前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声
信号パワー算出手段によって算出された前記抑圧音声信
号のパワーおよび前記騒音パワー算出手段によって算出
された前記騒音パワーの変化並びに前記遠端側音声検出
手段の検出結果に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベ
ルを制御する構成を有している。
【0041】この構成により、遠端側音声信号によって
遠端側の音声の有無を検出することができるので、近端
側音声信号のパワー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声
信号パワーおよび騒音パワーの変化並びに遠端側音声の
検出結果に基づいて抑圧音声信号の信号レベルを制御す
ることができる。この結果、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、近端側音声信号のパワーと擬似反響
信号のパワーの変化によって、入力手段から入力された
音声(近端話者の音声)か、反響路の変動かを判別する
ことができるとともに、反響路の変動が原因の場合、通
信回線に出力される音声信号の信号レベルを抑圧するこ
とができる。
【0042】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算
出された前記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲
における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、
前記遠端側音声信号のパワーを算出する遠端側音声信号
パワー算出手段と、前記遠端側音声信号パワー算出手段
によって算出された前記遠端側音声信号のパワーに基づ
いて、前記遠端側の音声の有無を検出する遠端側音声検
出手段とを有し、前記制御手段が、前記近端側音声信号
のパワー、前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信
号パワー算出手段によって算出された前記抑圧音声信号
のパワーおよび前記騒音パワー算出手段によって算出さ
れた前記騒音パワーの変化並びに前記遠端側音声検出手
段の検出結果に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベル
を制御する構成を有している。
【0043】この構成により、遠端側音声信号によって
遠端側の音声の有無を検出することができるので、近端
側音声信号のパワー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声
信号パワーおよび騒音パワーの変化並びに遠端側音声の
検出結果に基づいて抑圧音声信号の信号レベルを制御す
ることができる。この結果、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、近端側音声信号のパワーと擬似反響
信号のパワーの変化によって、入力手段から入力された
音声(近端話者の音声)か、反響路の変動かを判別する
ことができるとともに、反響路の変動が原因の場合、通
信回線に出力される音声信号の信号レベルを抑圧するこ
とができる。
【0044】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記近端側音声信号パワー算出手段によって
算出された前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の
周囲における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段
と、前記擬似反響信号のパワー算出手段によって算出さ
れた前記擬似反響信号のパワーに基づいて前記遠端側音
声信号のパワーを算出する遠端側音声信号パワー算出手
段と、前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出
された前記遠端側音声信号のパワーに基づいて、前記遠
端側の音声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有
し、前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前
記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出
手段によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよ
び前記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音
パワーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果
に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御する構
成を有している。
【0045】この構成により、遠端側音声信号によって
遠端側の音声の有無を検出することができるので、近端
側音声信号のパワー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声
信号パワーおよび騒音パワーの変化並びに遠端側音声の
検出結果に基づいて抑圧音声信号の信号レベルを制御す
ることができる。この結果、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、近端側音声信号のパワーと擬似反響
信号のパワーの変化によって、入力手段から入力された
音声(近端話者の音声)か、反響路の変動かを判別する
ことができるとともに、反響路の変動が原因の場合、通
信回線に出力される音声信号の信号レベルを抑圧するこ
とができる。
【0046】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記信
号処理手段によって前記反響信号成分が抑圧された前記
抑圧音声信号のパワーを算出する抑圧音声信号パワー算
出手段と、前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算
出された前記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲
における騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、
前記擬似反響信号パワー算出手段によって算出された前
記擬似反響信号のパワーに基づいて前記遠端側音声信号
のパワーを算出する遠端側音声信号パワー算出手段と、
前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出された
前記遠端側音声信号のパワーに基づいて、前記遠端側の
音声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有し、前
記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬似
反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段に
よって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前記
騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワー
の変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果に基づ
いて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御する構成を有
している。
【0047】この構成により、遠端側音声信号によって
遠端側の音声の有無を検出することができるので、近端
側音声信号のパワー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声
信号パワーおよび騒音パワーの変化並びに遠端側音声の
検出結果に基づいて抑圧音声信号の信号レベルを制御す
ることができる。この結果、抑圧音声信号の信号レベル
が増加した原因が、近端側音声信号のパワーと擬似反響
信号のパワーの変化によって、入力手段から入力された
音声(近端話者の音声)か、反響路の変動かを判別する
ことができるとともに、反響路の変動が原因の場合、通
信回線に出力される音声信号の信号レベルを抑圧するこ
とができる。
【0048】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記入
力手段によって入力された前記近端側音声信号、前記反
響信号推定手段によって推定された前記擬似反響信号お
よび前記信号処理手段によって抑圧された前記抑圧音声
信号それぞれに帯域制限を行うとともに、前記近端側音
声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算出手
段および前記抑圧音声信号パワー算出手段に、前記帯域
制限がなされた信号をそれぞれ出力する帯域制限手段を
設けた構成を有している。
【0049】この構成により、各近端側音声信号のパワ
ーおよび擬似反響信号のパワーそれぞれを帯域制限がな
された信号によって算出することができるので、所望す
る帯域の各信号における各信号パワーを精度良く算出す
ることができる。
【0050】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記通
信回線から受信した前記遠端側音声信号および前記入力
手段によって入力した前記近端側音声信号をそれぞれ所
定の周波数帯域毎に分割する分割手段を有し、前記反響
信号推定手段および前記信号処理手段が、前記所定の周
波数帯域毎に前記反響信号の推定および前記近端側音声
信号の信号処理を行うとともに、前記近端側音声信号パ
ワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算出手段および
前記抑圧音声信号パワー算出手段に前記所定の周波数帯
域毎に分割された前記各遠端側音声信号、前記各近端側
音声信号および前記各抑圧音声信号を入力し、前記近端
側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号パワー算
出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段が、入力
された前記各遠端側音声信号、前記各近端側音声信号お
よび前記各抑圧音声信号に基づいてそれぞれ前記近端側
音声信号のパワー、前記擬似反響信号のパワーおよび前
記抑圧音声信号のパワーを算出する構成を有している。
【0051】この構成により、所定の周波数帯域毎に、
擬似反響信号の推定および近端側音声信号の信号処理を
行うことができるとともに、近端側音声信号パワー算出
手段および擬似反響信号パワー算出手段に所定の各周波
数帯域毎の信号が入力されるので、各信号パワーを精度
良く算出することができる。
【0052】また、本発明のエコー抑圧装置は、前記制
御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬似反響
信号のパワー、前記抑圧音声信号のパワーおよび前記騒
音パワーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結
果およびに基づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制
御する抑圧係数を算出する抑圧係数算出部を有し、前記
係数算出部によって算出された前記抑圧係数を前記抑圧
音声信号に乗算する構成を有している。
【0053】この構成により、制御手段が、近端側音声
信号のパワー、擬似反響信号のパワー、抑圧音声信号パ
ワーおよび騒音パワーの変化並びに遠端側音声の検出結
果に基づいて抑圧係数を算出することができるととも
に、この抑圧係数を抑圧音声信号に乗算することによっ
て抑圧音声信号の信号レベルを制御することができる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。
【0055】〔第1実施形態〕図1〜図5は、本発明に
係るエコー抑圧装置の第1実施形態を示す図であり、こ
のエコー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他
のエコー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によ
って接続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置
のハンズフリーホン装置などの音声通信を行う通信シス
テムに適用される。
【0056】まず、構成を説明する。
【0057】図1に示すエコー抑圧装置100は、通信回
線に接続され、他のエコー抑圧装置から送信された遠端
側音声信号(以下、遠端信号という)が入力される入力
端子41と、この遠端信号の信号レベルを増幅する第1増
幅器42と、第1増幅器42において増幅された信号を拡声
するスピーカ43と、受話者の音声(近端側音声)を入力
し、近端側音声信号(以下、マイク入力信号という)を
出力するマイクロホン44と、マイクロホン44によって入
力されたマイク入力信号の信号レベルを増幅する第2増
幅器45と、マイク入力信号を音声信号として送信する出
力端子46とを備え、遠端者の音声をスピーカ43から出力
するとともに、近端者(受話者)の音声を出力端子46か
ら音声信号として送信するようになっている。
【0058】また、このエコー抑制装置100は、遠端者
の音声がスピーカ43によって拡声された音声が反響路
(以下、エコーパスという)を経由してマイクロホン44
に入力されることにより発生する反響信号(以下、擬似
エコーという)を減算するために、適応フィルタ部101
a、係数更新部101bおよび減算部(以下、第1減算部
という)101cから構成され、エコーパスを推定すると
ともにフィルタ係数を算出する適応処理部101と、適応
処理部101よって算出されたフィルタ係数に基づいて遠
端側に戻るエコーを消去するための擬似エコーを算出す
る主フィルタ部102と、マイク入力信号から主フィルタ
部102によって算出された擬似エコーを減算する減算部
(以下、第2減算部という)103と、適応処理部101から
主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御する係数
転送制御部104とを備えている。
【0059】この構成より、エコー抑制装置100は、マ
イクロホン44から出力された音声信号(マイク入力信
号)から擬似信号を除去した信号(以下、誤差信号とい
う)を算出することができるようになっているととも
に、この信号に後述する抑圧係数を乗算した信号を遠端
側に送信できるようになっている。
【0060】また、このエコー抑制装置100は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーパワ
ーの比(以下、パワー比という)を計算するパワー比算
出部109と、パワー比のピーク値を更新するピーク値更
新部110と、パワー比のピーク値に基づき、瞬時抑圧係
数を1にするか、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推
定値の比から算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部
111と、瞬時抑圧係数算出部111によって算出された瞬時
抑圧係数と1サンプル前の抑圧係数とから現サンプルの
抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を
誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部11
3とを備えている。
【0061】この構成により、エコー抑圧装置100は、
マイク入力信号のパワーとエコーパスを推定することに
よって算出された擬似エコーのパワーを算出することが
できるとともに、このマイク入力信号のパワーと擬似エ
コーのパワー比を用いて、誤差信号の信号レベルが増加
した場合の原因が、近端話者の音声か、エコーパス変動
かを判別することができ、エコーパス変動が原因の場
合、増加した誤差信号を抑圧することができるようにな
っている。
【0062】以下に、各部の構成および動作について説
明する。
【0063】なお、遠端信号x(n)、マイク入力信号
y(n)および送信信号e(n)とする。
【0064】適応処理部101には、遠端信号x(n)と
マイク入力信号y(n)が入力されるようになってお
り、適応処理部101は、この入力された遠端信号x
(n)とマイク入力信号y(n)を用いてエコーパスの
推定を行うようになっている。
【0065】この適応処理部101は、適応フィルタを有
するとともに擬似エコー(以下、第1擬似エコーとい
う)yha(n)を算出する適応フィルタ部101aと、
適応フィルタ部101aのフィルタ係数を更新する係数更
新部101bと、この係数更新部101bにおけるフィルタ係
数を算出するための誤差信号(以下、第1誤差信号とい
う)ea(n)を算出する第1減算部101cとから構成
されている。
【0066】適応フィルタ部101aには、遠端信号x
(n)が入力されるようになっており、この適応フィル
タ部101aは、この入力された遠端信号x(n)と係数
更新部101bによって算出されたフィルタ係数ha
(n)の畳み込み演算を行って第1擬似エコーha
(n)を算出するようになっている。また、適応フィル
タ部101aは、この算出された第1擬似エコーyha
(n)を第1減算部101cに出力するとともに、係数転
送制御部104にフィルタ係数ha(n)を出力するよう
になっている。
【0067】係数更新部101bには、遠端信号x(n)
が入力されるようになっており、この係数更新部101b
は、LMS法または学習同定法などの適応アルゴリズム
により、入力された遠端信号x(n)と第1誤差信号e
a(n)に基づいて適応フィルタ部101aの係数の更新
を行うようになっている。
【0068】第1減算部101cには、適応フィルタ部101
aから出力された第1擬似エコーyha(n)とマイク
入力信号y(n)が入力されるようになっており、この
第1減算部101cは、入力されたマイク入力信号y
(n)から第1擬似エコーyha(n)を減算して第1誤
差信号ea(n)を算出するようになっている。
【0069】このように、適応処理部101は、エコーパ
スを推定するとともに、フィルタ係数を算出するように
なっており(以下、適応処理工程という)、この算出さ
れたフィルタ係数を係数転送制御部104に出力するよう
になっている。
【0070】主フィルタ部102には、遠端信号x(n)
と係数転送制御部104から転送されたフィルタ係数hm
(n)が入力されるようになっており(hm(n)=h
a(n))、この主フィルタ部102は、入力された遠端
信号x(n)とフィルタ係数hm(n)の畳み込み演算
を行い、擬似エコー(以下、第2擬似エコーという)y
hm(n)を算出するようになっている(以下、主フィ
ルタ処理工程という)。また、主フィルタ部102は、こ
の算出した第2擬似エコーyhm(n)を第2減算部10
3および擬似エコーパワー算出部106に出力するようにな
っている。
【0071】第2減算部103には、主フィルタ部102によ
って算出された第2擬似エコーyhm(n)とマイクロ
ホン44から出力されたマイク入力信号y(n)が入力さ
れるようになっており、この第2の減算処理部103は、
マイク入力信号y(n)から第2擬似エコーyhm
(n)を減算して誤差信号(以下、第2誤差信号とい
う)em(n)を算出するようになっている(以下、減
算処理工程という)。
【0072】また、この第2減算処理部103は、この算
出した第2誤差信号em(n)を誤差信号パワー算出部
107および誤差信号抑圧部113に出力するようになってい
る。
【0073】係数転送制御部104には、適応フィルタ部1
01aから出力されたフィルタ係数ha(n)が入力され
るようになっている。
【0074】この係数転送制御部104は、入力されたフ
ィルタ係数ha(n)の各サンプル毎、或いは数〜数千
サンプルに一回の割合で、この係数ha(n)を主フィ
ルタ部102に転送するか否かの判定を行うとともに、判
定結果が真の場合のみ、適応フィルタ部101aの係数h
a(n)を主フィルタ部102に転送するようになってい
る(hm(n)=ha(n))。
【0075】なお、係数転送判定は、例えば、王、松
井、寺田、中山、”デュアルフィルタ構成エコーキャン
セラにおける係数転送方法について”、音講論集3−P
−10、9月〜10月、1999記載の方法、第1誤差
信号ea(n)と第2誤差信号em(n)の比若しくは
差、または、第1擬似エコーyha(n)とマイク入力
信号y(n)のエコー成分の相関値を基準とする方法に
よって行うようになっている。
【0076】マイク入力信号パワー算出部105には、マ
イク入力信号y(n)が入力されるようになっており、
このマイク入力信号パワー算出部105は、入力されたマ
イク入力信号y(n)を1フレーム(フレーム長:10
[ms]〜100[ms]程度)分のサンプルだけバッファ
リングするとともに、1フレームに1回の割合で(式
5)にしたがって、マイク入力信号パワーy_pow
(n)を算出するようになっている(以下、マイク入力
信号パワー算出工程という)。
【数5】 ここで、Lは、1フレーム分のサンプル数であり、サン
プリング周波数を16[kHz]、分析フレーム長を20
[ms]の場合、(式6)となる。
【数6】 また、マイク入力信号パワー算出部105は、算出したマ
イク入力信号パワーy_pow(n)を近端側騒音パワ
ー推定部108およびパワー比算出部109に出力するように
なっている。
【0077】擬似エコーパワー算出部106には、第2擬
似エコーyhm(n)が入力されるようになっており、
この擬似エコーパワー算出部106は、第2擬似エコーy
hm(n)を1フレーム(フレーム長を10[ms]〜1
00[ms]程度)分のサンプルだけバッファリングする
とともに、1フレームに1回の割合で(式7)にしたが
って、擬似エコーパワーyhm_pow(n)を算出す
るようになっている。(以下、擬似エコーパワー算出工
程という)
【数7】 また、擬似エコーパワー算出部106は、算出した擬似エ
コーパワーyhm_pow(n)をパワー比算出部109
に出力するようになっている。
【0078】誤差信号パワー算出部107には、第2減算
部103によって算出された第2誤差信号em(n)が入
力されるようになっており、この誤差信号パワー算出部
107は、入力された第2誤差信号em(n)を1フレー
ム(フレーム長を10[ms]〜100[ms]程度)分の
サンプルだけバッファリングするとともに、1フレーム
に1回の割合で(式8)にしたがって、誤差信号パワー
em_pow(n)を算出するようになっている(以
下、誤差信号パワー算出工程という)。
【数8】 近端側騒音パワー推定部108には、マイク入力信号パワ
ー算出部105によって算出されたマイク入力信号パワー
y_pow(n)が入力されるようになっており、この
近端側騒音パワー推定部108は、各フレーム毎に入力さ
れたマイク入力信号パワーy_pow(n)に基づいて
各フレームの騒音パワーny_pow(n)を設定する
ようになっている(以下、騒音パワー推定工程とい
う)。
【0079】ここで、近端側騒音パワー推定部108にお
ける騒音パワーny_pow(n)の設定動作を図2の
フローチャートを用いて説明する。近端側騒音パワー推
定部108に任意のフレームにおけるマイク入力信号パワ
ーy_pow(n)が入力されると、近端側騒音パワー
推定部108は、マイク入力信号パワーy_pow(n)
と1フレーム前の騒音パワー推定値ny_pow(n−
1)とを比較する(ステップ21)。マイク入力信号パワ
ーy_pow(n)が1フレーム前の騒音パワー推定値
ny_pow(n−1)未満のとき、マイク入力信号パ
ワーを現フレームの騒音パワー推定値ny_pow
(n)に設定し(ステップ22)、マイク入力信号パワー
y_pow(n)が1フレーム前の騒音パワー推定値n
y_pow(n−1)以上のとき、1フレーム前の騒音
パワーny_pow(n−1)に、更新量Lup(>
1)を乗算した値を現フレームの騒音パワーny_po
w(n)に設定する(ステップ23)。
【0080】このように、近端側騒音パワー推定部108
は、各フレーム毎の騒音パワーny_pow(n)を設
定するようになっており、この設定された各フレーム毎
の騒音パワーny_pow(n)を瞬時抑圧係数算出部
111に出力するようになっている。
【0081】パワー比算出部109には、マイク入力信号
パワー算出部105によって算出されたマイク入力信号パ
ワーy_pow(n)と擬似エコーパワー算出部106に
よって算出された擬似エコーパワーyhm_pow
(n)が入力されるようになっており、このパワー比算
出部109は、各フレーム毎に、マイク入力信号パワーy
_pow(n)を擬似エコーパワーyhm_pow
(n)で除算するとともに、マイク入力信号パワーy_
pow(n)と擬似エコーパワーyhm_pow(n)
の比pow_ratio(n)を算出するようになって
いる(以下、パワー比算出工程という)。
【0082】また、パワー比算出部109は、この算出さ
れたマイク入力信号パワーy_pow(n)と擬似エコ
ーパワーyhm_pow(n)の比pow_ratio
(n)をピーク値更新部110に出力するようになってい
る。
【0083】ピーク値更新部110には、パワー比算出部1
09によって算出されたマイク入力信号パワーy_pow
(n)と擬似エコーパワーyhm_pow(n)の比p
ow_ratio(n)が入力されるようになってお
り、このピーク値更新部110は、入力されたマイク入力
信号パワーy_pow(n)と擬似エコーパワーyhm
_pow(n)の比pow_ratio(n)に基づい
て各フレームのパワー比pow_ratio(n)をピ
ーク値Peak_ratio(n)に設定するようにな
っている(以下、ピーク値更新工程という)。
【0084】ここで、ピーク値更新部110におけるピー
ク値Peak_ratio(n)の設定動作を図3のフ
ローチャートを用いて説明する。ピーク値更新部110に
任意のフレームにおけるパワー比pow_ratio
(n)が入力されると、ピーク値更新部110は、各フレ
ーム毎に、現フレームのパワー比pow_ratio
(n)と1フレーム前のピーク値Peak_ratio
(n−1)とを比較する(ステップ31)。現フレームの
パワー比pow_ratio(n)が1フレーム前のピ
ーク値Peak_ratio(n−1)以上のとき、現
フレームのパワー比pow_ratio(n)をピーク
値Peak_ratio(n)に設定し(ステップ3
2)、また、現フレームのパワー比pow_ratio
(n)が1フレーム前のピーク値Peak_ratio
(n−1)未満の時、1フレーム前のピーク値Peak
_ratio(n−1)に、更新量Ldn(<1)を乗
算した値を現フレームのピーク値Peak_ratio
(n)に設定する(ステップ33)。
【0085】このように、ピーク値更新部110は、各フ
レームのピーク値Peak_ratio(n)を設定す
るようになっており、この設定された各フレーム毎のピ
ーク値Peak_ratio(n)を瞬時抑圧係数算出
部111に出力するようになっている。
【0086】瞬時抑圧係数算出部111には、算出された
誤差信号パワーem_pow(n)と、近端側騒音パワ
ー推定部108によって設定された各フレーム毎の騒音パ
ワーny_pow(n)と、ピーク値更新部110によっ
て設定された各フレーム毎のピーク値Peak_rat
io(n)とが入力されるようになっており、この瞬時
抑圧係数算出部111は、この誤差信号パワーem_po
w(n)、騒音パワーny_pow(n)およびピーク
値Peak_ratio(n)に基づいて瞬時抑圧係数
を算出するようになっている(以下、瞬時抑圧係数算出
工程という)。
【0087】ここで、瞬時抑圧係数算出部111における
瞬時抑圧係数の設定動作を図4のフローチャートを用い
て説明する。
【0088】なお、本動作は、各フレーム毎に行うよう
になっている。まず、ピーク値Peak_ratio
(n)と予め設定された閾値α(>1)とを比較する
(ステップ41)。次いで、ピーク値Peak_rati
o(n)が閾値α以上のとき、瞬時抑圧係数Attiを
1に設定し(ステップ42)、ピーク値Peak_rat
io(n)が閾値α未満のとき、(式9)にしたがっ
て、誤差信号パワーem_pow(n)と騒音パワー推
定値ny_pow(n)とを用いて瞬時抑圧係数を算出
する(ステップ43)。
【数9】 このように、瞬時抑圧係数算出部111は、各フレーム毎
の瞬時抑圧係数を設定するようになっており、この設定
された各フレーム毎の瞬時抑圧係数を抑圧係数更新部11
2に出力するようになっている。
【0089】抑圧係数更新部112には、瞬時抑圧係数算
出部111によって設定された各フレーム毎の瞬時抑圧係
数が入力されるようになっており、抑圧係数更新部112
は、1サンプル前の抑圧係数Att(n−1)を(式1
0)にしたがって徐々に瞬時抑圧係数Attiに変化さ
せるようになっている(以下、抑圧係数更新工程とい
う)。
【数10】 なお、tsは、Att(n−1)を徐々にAttiにす
るための定数であり、0<ts<1の値をとるものとす
る。また、近端話者音声の語頭・語尾切れと、エコー抑
圧のどちらかを優先するかにより、抑圧を増加する場合
(Atti<Att(n−1))と抑圧を減少(Att
i>Att(n−1))で定数tsに異なった値を用い
る場合もある。
【0090】また、抑圧係数更新部112は、算出した抑
圧係数Att(n)を誤差信号抑圧部113に出力するよ
うになっている。
【0091】誤差信号抑圧部113には、第2減算部103に
よって算出された第2誤差信号em(n)および抑圧係
数更新部112によって算出された抑圧係数Att(n)
が入力されるようになっており、この誤差信号抑圧部11
3は、抑圧係数Att(n)を第2誤差信号em(n)
に乗算するようになっている。また、誤差信号抑圧部11
3は、乗算した信号を送信信号e(n)として遠端側に
送信するようになっている。
【0092】次に、図5を用いて本実施形態の動作原理
を説明する。
【0093】まず、適応処理部101において、遠端信号
とマイク入力信号とを用いてエコーパスを推定する(ス
テップS51)。
【0094】次いで、係数転送制御部104において、適
応処理部101によって得られた適応フィルタのフィルタ
係数を主フィルタ部102に転送するか否かの判定を行う
(ステップS52)。
【0095】次いで、主フィルタ部102において、遠端
信号とフィルタ係数の畳み込み演算を行い、第2擬似エ
コーを算出する(ステップS53)。
【0096】次いで、第2減算部103において、マイク
入力信号から主フィルタ処理工程より出力された第2擬
似エコーを減算して第2誤差信号を得る(ステップS5
4)。
【0097】次いで、マイク入力信号パワー算出部105
において、マイク入力信号のパワーを算出する(マイク
入力信号パワー算出工程(ステップS55))。
【0098】次いで、擬似エコーパワー算出部106にお
いて、主フィルタ処理工程より出力された擬似エコーの
パワーを算出する(擬似エコーパワー算出工程(ステッ
プS56))。
【0099】次いで、誤差信号パワー算出部107におい
て、減算処理工程より出力された誤差信号のパワーを算
出する(誤差信号パワー算出工程(ステップS57))。
【0100】次いで、近端側騒音パワー推定部108にお
いて、マイク入力信号パワー算出工程によって算出され
たマイク入力信号パワーを用いて近端側の騒音パワーを
推定する(騒音パワー推定工程(ステップS58))。
【0101】次いで、パワー比算出部109において、マ
イク入力信号パワー算出工程によって算出されたマイク
入力信号パワーと擬似エコーパワー算出工程によって算
出された擬似エコーパワーを用いてパワー比を算出する
(パワー比算出工程(ステップS59))。
【0102】次いで、ピーク値更新部110において、パ
ワー比算出工程によって算出されたパワー比に基づいて
ピーク値を算出する(ピーク値更新工程(ステップS6
0))。
【0103】次いで、瞬時抑圧係数算出部111におい
て、ピーク値更新工程によって算出されたピーク値と閾
値とを比較することによって、マイク入力信号に近端話
者の音声が含まれているかを判定し、判定結果に基づ
き、誤差信号パワー算出工程によって算出された誤差信
号パワーと騒音パワー推定工程によって算出された騒音
パワー推定値とを用いて瞬時抑圧係数を算出する(瞬時
抑圧係数算出工程(ステップS61))。
【0104】次いで、抑圧係数更新部112において、瞬
時抑圧係数算出工程によって、算出された瞬時抑圧係数
と時定数に基づいて、抑圧係数を更新する(抑圧係数更
新工程(ステップS62))。
【0105】最後に、誤差信号抑圧部113において、抑
圧係数更新工程によって算出された抑圧係数を第2減算
工程より出力された第2誤差信号に乗じて第2誤差信号
の信号レベルを抑圧するとともに、この信号を遠端側に
送信する(ステップS63)。
【0106】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比
が閾値より大きい場合は、抑圧係数を1.0に設定し、
マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比が閾
値より小さい場合は、騒音パワーと誤差信号の比を抑圧
係数に設定することができるので、マイク入力信号のパ
ワー、擬似エコーのパワーおよび騒音パワーの変化に基
づいて、抑圧音声信号の信号レベルが増加した原因が、
入力手段から入力された音声(近端話者の音声)か、エ
コーパスの変動かを判別することができるとともに、エ
コーパスの変動が原因の場合、通信回線に出力される送
信信号の信号レベルを抑圧することができる。
【0107】〔第2実施形態〕図6は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第2実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0108】なお、本実施形態では、第1実施形態のエ
コー抑圧装置において、マイク入力信号パワー算出部、
擬似エコーパワー算出部、及び誤差信号パワー算出部、
それぞれの前段に帯域制限を行うフィルタ処理部を設け
た点に特徴があり、この他の構成は、第1実施形態と同
様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省
略する。
【0109】図6に示すエコー抑圧装置120は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0110】また、このエコー抑制装置120は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとの
パワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比の
ピーク値を更新するピーク値更新部110と、パワー比の
ピーク値に基づき、瞬時抑圧係数を1にするか、誤差信
号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から算出するか
を選択する瞬時抑圧係数算出部111と、1サンプル前の
抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑圧係数を
更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤差信号に
掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113とを備
え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコーパワ
ー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前段に、
それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有してい
る。
【0111】以下に、フィルタ処理部121、122、123の
構成および動作について説明する。
【0112】なお、遠端信号x(n)、マイク入力信号
y(n)および送信信号e(n)とする。
【0113】フィルタ処理部121は、マイク入力信号パ
ワー算出部105の前段に配設されており、このフィルタ
処理部(以下、第1フィルタ処理部という)121は、マ
イク入力信号y(n)を入力するようになっている。ま
た、第1フィルタ処理部121は、入力されたマイク入力
信号y(n)に対して帯域制限を行うようになってお
り、この帯域制限されたマイク入力信号y’(n)をマ
イク入力信号パワー算出部105に出力するようになって
いる。
【0114】このため、マイク入力信号パワー算出部10
5には、帯域制限されたマイク入力信号y’(n)が入
力されるようになり、このマイク入力信号パワー算出部
105は、入力されたマイク入力信号y’(n)を1フレ
ーム(フレーム長を10[ms]〜100[ms]程度)分
のサンプルだけバッファリングするとともに、1フレー
ムに1回の割合で(式11)にしたがって、マイク入力信
号パワーy_pow(n)を算出するになっている。
【数11】 フィルタ処理部122は、第1フィルタ処理部121と同等の
特性を有し、擬似エコーパワー算出部106の前段に配設
されている。また、このフィルタ処理部(以下、第2フ
ィルタ処理部という)122には、第2擬似エコーyhm
(n)が入力されるようになっており、この第2フィル
タ処理部122は、第2擬似エコーyhm(n)に対して
帯域制限を行うとともに、帯域制限された擬似エコーy
hm’(n)を擬似エコーパワー算出部106に出力する
ようになっている。
【0115】このため、擬似エコーパワー算出部106に
は、帯域制限された擬似エコーyhm’(n)が入力さ
れるようになり、この擬似エコーパワー算出部106で
は、入力された擬似エコーyhm’(n)を1フレーム
(フレーム長を10[ms]〜100[ms]程度)分のサ
ンプルだけバッファリングするとともに、1フレームに
1回の割合で(式12)にしたがって、擬似エコーパワー
yhm_pow(n)を算出するようになっている。
【数12】 フィルタ処理部123は、第1フィルタ処理部121と同等の
特性を有し、誤差信号パワー算出部107の前段に配設さ
れている。また、このフィルタ処理部(以下、第3フィ
ルタ処理部という)123には、誤差信号em(n)が入
力されるようになっており、この第3フィルタ処理部12
3では、入力された誤差信号em(n)に対して帯域制
限を行うとともに、帯域制限された誤差信号em’
(n)を誤差信号パワー算出部107に出力するようにな
っている。
【0116】このため、誤差信号パワー算出部107は、
帯域制限された誤差信号em’(n)を1フレームフレ
ーム長を10[ms]〜100[ms]程度)分のサンプル
だけバッファリングするとともに、1フレームに1回の
割合で(式13)にしたがって、誤差信号パワーem_p
ow(n)を算出するようになっている。
【数13】 以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形
態の効果に加え、マイク入力信号のパワー、擬似エコー
のパワーおよび誤差信号パワーのそれぞれを帯域制限が
なされた信号によって算出することができるので、所望
する帯域の各信号における各信号パワーを精度良く算出
することができる。
【0117】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0118】〔第3実施形態〕図7は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第3実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0119】なお、本実施形態では、第1実施形態のエ
コー抑圧装置において、遠端信号を複数の周波数帯域毎
に分割する第1帯域分割部と、マイク入力信号を複数の
周波数帯域毎に分割する第2帯域分割部とを設け、各周
波数帯域毎に誤差信号を抑圧するとともに、帯域分割さ
れている誤差信号を帯域合成する点に特徴があり、この
他の構成は、帯域分割された各バンド毎の処理を除い
て、第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一
番号を付して説明を省略する。ただし、本実施形態は、
帯域分割数を4とした例であるが、特に帯域分割数は限
定されるものではない。
【0120】図7に示すエコー抑圧装置130は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を設け、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出する適応処理部(以下、
サブバンド適応処理部という)101と、遠端側に戻るエ
コーを消去するための擬似エコーを算出する主フィルタ
部(以下、サブバンド主フィルタ部という)102と、マ
イク入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103
と、適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数
の転送を制御する係数転送制御部(以下、サブバンド係
数転送制御部という)104を備えている。
【0121】このエコー抑制装置130は、マイク入力信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯域分割
部132を設け、各周波数帯域毎のマイク入力信号に基づ
いてのマイク入力信号パワーを算出するマイク入力信号
パワー算出部105と、各周波数帯域毎の擬似エコーに基
づいて擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパワー
算出部106と、各周波数帯域毎の誤差信号に基づいて誤
差信号パワーを算出する誤差信号パワー算出部107と、
各マイク入力信号パワーに基づいて近端側の周囲騒音パ
ワーを推定する近端側騒音パワー推定部108と、マイク
入力信号パワーと擬似エコーとのパワー比を計算するパ
ワー比算出部109と、パワー比のピーク値を更新するピ
ーク値更新部110と、パワー比のピーク値に基づき、瞬
時抑圧係数を1にするか、誤差信号パワーと近端側騒音
パワー推定値の比から算出するかを選択する瞬時抑圧係
数算出部111と、1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係
数とから現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係数更新
部112と、抑圧係数を各周波数帯域毎に誤差信号に掛け
て誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113と、誤差信号
抑圧部113から出力された各周波数帯域毎の誤算信号の
帯域合成を行う帯域合成部133とを備えている。
【0122】以下に、第1帯域分割部131および第2帯
域分割部132の構成および動作について説明する。
【0123】なお、遠端信号x(n)、マイク入力信号
y(n)および送信信号e(n)とする。
【0124】第1帯域分割部131には、遠端信号x
(n)が入力されるようになっており、この第1帯域分
割部131は、例えば、DFTフィルタバンクを用いて入
力された遠端信号x(n)を4つの帯域に分割してサブ
バンド遠端信号xK(n)を取得するようになってい
る。また、第1帯域分割部131は、この分割されたサブ
バンド遠端信号xK(n)を各サブバンド適応処理部遠
端側の音声および各サブバンド主フィルタ部102に出力
するようになっている。
【0125】第2帯域分割部132には、マイクロホン44
から出力されたマイク入力信号y(n)が入力されるよ
うになっており、この第2帯域分割部132は、第1帯域
分割部131と同様の方法によって、入力されたマイク入
力信号y(n)を4つの帯域に分割してサブバンドマイ
ク入力信号yk(n)を取得するようになっている。ま
た、第2帯域分割部132は、この分割された各サブバン
ドマイク入力信号yk(n)を各サブバンド適応処理部1
01、各第2減算処理部103およびマイク入力信号パワー
算出部105に出力するようになっている。
【0126】マイク入力信号パワー算出部105には、第
2帯域分割部132によって帯域分割されたマイク入力信
号yK(n)の一部または4つ全てが入力されるように
なっており、このマイク入力信号パワー算出部105は、
入力された一部または4つ全てマイク入力信号y
K(n)を1フレーム分バッファリングするとともに、
1フレームに1回の割合で(式14)にしたがって、マイ
ク入力信号パワーy_pow(n)を算出するようにな
っている。
【数14】 ここで、K0、K1は、パワー算出に用いる帯域のバン
ド番号、LKは1バンドあたりのサンプル数である。
【0127】また、マイク入力信号パワー算出部105
は、第1実施形態と同様に、マイク入力信号パワーy_
pow(n)を近端側騒音パワー推定部108およびパワ
ー比算出部109に出力するようになっている。
【0128】擬似エコーパワー算出部106には、マイク
入力信号パワーの算出に用いた一部または4つのが入力
されるようになっており、この擬似エコーパワー算出部
106は、入力されたマイク入力信号と同様の帯域の擬似
エコーyhmK(n)を1フレーム分バッファリングす
るとともに、1フレームに1回の割合で(式15)にした
がって、擬似エコーパワーyhm_pow(n)を算出
するようになっている。
【数15】 また、擬似エコーパワー算出部106は、第1実施形態と
同様に、この算出された擬似エコーパワーyhm_po
w(n)をパワー比算出部109に出力するようになって
いる。
【0129】誤差信号パワー算出部107には、各第2減
算処理部103によって算出された各帯域分割された誤差
信号emK(n)の一部或いは4つが入力されるように
なっており、誤差信号パワー算出部107は、入力された
各誤差信号emK(n)を1フレーム分バッファリング
するとともに、1フレームに1回の割合で(式16)にし
たがって、誤差信号パワーem_pow(n)を算出す
るようになっている。
【数16】 また、誤差信号パワー算出部107は、第1実施形態と同
様に、この算出された誤差信号パワーem_pow
(n)を瞬時抑圧係数算出部111に出力するようになっ
ている。
【0130】帯域合成部133には、各誤差信号抑圧部113
によって抑圧された各周波数帯域毎の誤差信号が入力さ
れるようになっており、この帯域合成部133は、入力さ
れた誤差信号を合成するとともに、帯域合成信号を算出
するようになっている。また、帯域合成部133は、この
算出された帯域合成信号を送信信号e(n)として遠端
側に送信するようになっている。
【0131】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1実施形態の効果に加え、所定の周波数帯域毎
に、擬似エコーの推定およびマイク入力信号の信号処理
を行うことができるとともに、マイク入力信号パワー算
出部105、擬似エコーパワー算出部106および誤差信号パ
ワー算出部107に所定の各周波数帯域毎の信号が入力す
ることができ、各信号パワーを精度良く算出することが
できる。
【0132】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0133】なお、本実施形態では、図7の構成におい
て、帯域合成前に誤差信号を抑圧するようになっている
が、帯域合成後に誤差信号を抑圧してもよい。
【0134】この場合、帯域合成部は、誤差信号抑圧部
の前段に配設されるとともに、この帯域合成部には、各
第2減算処理部によって算出された各周波数帯域毎の第
2誤差信号が入力され、また、帯域合成部は、帯域合成
した第2誤差信号を誤差信号抑圧部113に出力するよう
に構成される。
【0135】〔第4実施形態〕図8は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第4実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0136】なお、本実施形態では、第1実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴があり、この他の構成は、第1の実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。
【0137】図8に示すエコー抑圧装置140は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0138】また、このエコー抑制装置140は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、パワー比を計算するパワー比算出部1
09と、パワー比のピーク値を更新するピーク値更新部11
0と、誤差信号のパワーを算出する誤差信号パワー算出
部107と、誤差信号のパワーに基づいて近端側の周囲騒
音パワーを推定する近端側騒音パワー推定部141と、パ
ワー比のピーク値に基づき、瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部111と、1サ
ンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの
抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を
誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部11
3とを備えている。
【0139】近端側騒音パワー推定部141には、誤差信
号パワー算出部107によって算出された誤差信号パワー
em_pow(n)が入力されるようになっており、こ
の近端側騒音パワー推定部141は、各フレーム毎に入力
された誤差信号パワーem_pow(n)に基づいて各
フレームの騒音パワーny_pow(n)を設定するよ
うになっている(騒音パワー推定工程)。
【0140】この近端者騒音パワー推定部141は、第1
実施形態の近端者パワー騒音パワー推定部と同様に各フ
レーム毎の騒音パワーny_pow(n)を設定するよ
うになっている。
【0141】したがって、この近端側騒音パワー推定部
141は、各フレーム毎に、入力された誤差信号パワーe
m_pow(n)と1フレーム前の騒音パワー推定値n
y_pow(n−1)とを比較し、誤差信号パワーem
_pow(n)が1フレーム前の騒音パワー推定値ny
_pow(n−1)より小さければ、誤差信号パワーを
現フレームの騒音パワー推定値ny_pow(n)に設
定し、誤差信号パワーem_pow(n)が1フレーム
前の騒音パワー推定値ny_pow(n−1)より大き
ければ、1フレーム前の騒音パワーny_pow(n−
1)に、更新量Lup(>1)を乗算した値を現フレー
ムの騒音パワーny_pow(n)に設定するようにな
っている
【0142】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第1実施形態と同様に、マイク入力信号のパワーと
擬似エコーのパワーの比が閾値より大きい場合は、抑圧
係数を1.0に設定し、マイク入力信号のパワーと擬似
エコーのパワーの比が閾値より小さい場合は、騒音パワ
ーと誤差信号の比を抑圧係数に設定することができるの
で、マイク入力信号のパワー、擬似エコーのパワーおよ
び騒音パワーの変化に基づいて、抑圧音声信号の信号レ
ベルが増加した原因が、入力手段から入力された音声
(近端話者の音声)か、エコーパスの変動かを判別する
ことができるとともに、エコーパスの変動が原因の場
合、通信回線に出力される送信信号の信号レベルを抑圧
することができる。
【0143】〔第5実施形態〕図9は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第5実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0144】なお、本実施形態では、第2実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴があり、近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様である。また、この他の構成は、第2実施形態
と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明
を省略する。
【0145】図9に示すエコー抑圧装置150は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0146】また、このエコー抑制装置150は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づいて近
端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー推定
部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとのパワ
ー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比のピー
ク値を更新するピーク値更新部110と、ピーク値に基づ
き、瞬時抑圧係数を1にするか、誤差信号パワーと近端
側騒音パワー推定値の比から算出するかを選択する瞬時
抑圧係数算出部111と、1サンプル前の抑圧係数と瞬時
抑圧係数とから現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係
数更新部112と、抑圧係数を誤差信号に掛けて誤差信号
を抑圧する誤差信号抑圧部113とを備え、マイク入力信
号パワー算出部105、擬似エコーパワー算出部106および
誤差信号パワー算出部107の前段に、それぞれ、フィル
タ処理部121、122、123を有している。
【0147】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第2実施形態と同様に、マイク入力信号のパワー、
擬似エコーのパワーおよび誤差信号パワーのそれぞれを
帯域制限がなされた信号によって算出することができる
ので、所望する帯域の各信号における各信号パワーを精
度良く算出することができる。
【0148】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0149】〔第6実施形態〕図10は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第6実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0150】なお、本実施形態では、第3実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴があり、近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様である。また、この他の構成は、第3実施形態
と同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明
を省略する。また、図10は、帯域分割数を4とした例で
ある。
【0151】図10に示すエコー抑圧装置160は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を設け、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出するサブバンド適応処理
部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似エ
コーを算出するサブバンド主フィルタ部102と、マイク
入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103と、
適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転
送を制御するサブバンド係数転送制御部104を備えてい
る。
【0152】また、このエコー抑制装置160は、マイク
入力信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯
域分割部132を設け、各周波数帯域毎のマイク入力信号
に基づいてマイク入力信号のパワーを算出するマイク入
力信号パワー算出部105と、各周波数帯域毎の擬似エコ
ーに基づいて擬似エコーのパワーを算出する擬似エコー
パワー算出部106と、各周波数帯域毎の誤差信号に基づ
いてのパワーを算出する誤差信号パワー算出部107と、
誤差信号のパワーに基づいて近端側の周囲騒音パワーを
推定する近端側騒音パワー推定部141と、マイク入力信
号パワーと擬似エコーとのパワーの比を計算するパワー
比算出部109と、パワー比のピーク値を更新するピーク
値更新部110と、パワー比のピーク値に基づき、瞬時抑
圧係数を1にするか、誤差信号パワーと近端側騒音パワ
ー推定値の比から算出するかを選択する瞬時抑圧係数算
出部111と、1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数と
から現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係数更新部11
2と、抑圧係数を各周波数帯域毎に誤差信号に掛けて誤
差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113と、誤差信号抑圧
部113から出力された各周波数帯域毎の誤算信号の帯域
合成を行う帯域合成部133とを備えている。
【0153】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第3実施形態と同様に、所定の周波数帯域毎に、擬
似エコーの推定およびマイク入力信号の信号処理を行う
ことができるとともに、マイク入力信号パワー算出部お
よび擬似エコーパワー算出部に所定の各周波数帯域毎の
信号が入力することができ、各信号パワーを精度良く算
出することができる。
【0154】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0155】〔第7実施形態〕図11〜15は、本発明に係
るエコー抑圧装置の第7実施形態を示す図であり、この
エコー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他の
エコー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によっ
て接続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置の
ハンズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システ
ムに適用される。
【0156】なお、本実施形態では、第1実施形態のエ
コー抑圧装置において、遠端信号のパワーを算出する遠
端信号パワー算出部と、遠端側の騒音レベルを推定する
遠端側騒音パワー推定部と、遠端音声を検出する遠端音
声検出部とを設けた点に特徴があり、この他の構成は、
第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号
を付して説明を省略する。
【0157】図11に示すエコー抑圧装置170は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0158】また、このエコー抑制装置170は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーパワ
ーとのパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワ
ー比のピーク値を更新するピーク値更新部110と、遠端
信号をのパワーを算出する遠端信号パワー算出部171
と、遠端信号パワーに基づいて遠端側の騒音パワーを算
出する遠端側騒音パワー推定部172と、遠端信号パワー
算出部171によって算出された遠端信号パワーと遠端側
騒音パワー推定部172によって算出された遠端側の騒音
パワーとに基づいて遠端側の音声(以下、遠端音声とい
う)の有無を検出する遠端音声検出部173と、遠端音声
検出部173によって検出された遠端音声の有無およびピ
ーク値更新部110によって算出されたパワー比のピーク
値に基づいて瞬時抑圧係数を1にするか、誤差信号パワ
ーと近端側騒音パワー推定値の比から算出するかを選択
する瞬時抑圧係数算出部174と、瞬時抑圧係数算出部174
によって算出された1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧
係数とから現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係数更
新部112と、抑圧係数を誤差信号に掛けて誤差信号を抑
圧する誤差信号抑圧部113とを備えている。
【0159】以下に、遠端信号パワー算出部171、遠端
側騒音パワー推定部172および遠端音声検出部173の構成
および動作について説明する。
【0160】なお、遠端信号x(n)、マイク入力信号
y(n)および送信信号e(n)とする。
【0161】遠端信号パワー算出部171には、遠端信号
x(n)が入力されるようになっており、この遠端信号
パワー算出部171は、入力された遠端信号x(n)を1
フレーム(フレーム長:10[ms]〜100[ms]程
度)分のサンプルだけバッファリングするとともに、1
フレームに1回の割合で(式17)にしたがって、遠端信
号パワーx_pow(n)を算出するようになっている
(以下、遠端信号パワー算出工程という)。
【数17】 また、遠端信号パワー算出部171は、この算出された遠
端信号パワーx_pow(n)を遠端側騒音パワー推定
部172および遠端音声検出部173に出力するようになって
いる。
【0162】遠端側騒音パワー推定部172には、遠端信
号パワー算出部171によって算出された遠端信号パワー
x_pow(n)が入力されるようになっており、この
遠端側騒音パワー推定部172は、各フレーム毎に入力さ
れた遠端信号パワーx_pow(n)に基づいて各フレ
ームの騒音パワーnx_pow(n)を設定するように
なっている(以下、遠端側騒音パワー算出工程とい
う)。
【0163】ここで、遠端側騒音パワー推定部172にお
ける騒音パワーnx_pow(n)の設定動作を図12の
フローチャートを用いて説明する。
【0164】なお、遠端側騒音パワー推定部172は、各
フレーム毎に騒音パワーnx_pow(n)を設定する
ようになっている。
【0165】まず、遠端側騒音パワー推定部172に任意
のフレームにおける遠端信号パワーx_pow(n)が
入力されると、遠端側騒音パワー推定部172は、遠端信
号パワーx_pow(n)と1フレーム前の騒音パワー
推定値nx_pow(n−1)とを比較する(ステップ
S71)。次いで、遠端信号パワーx_pow(n)が1
フレーム前の騒音パワー推定値nx_pow(n−1)
未満のとき、遠端信号パワーx_pow(n)を現フレ
ームの騒音パワー推定値nx_pow(n)に設定し
(ステップS72)、遠端信号パワーx_pow(n)が
1フレーム前の騒音パワー推定値nx_pow(n−
1)以上のとき、1フレーム前の騒音パワーnx_po
w(n−1)に、更新量Lup(>1)を乗算した値を
現フレームの騒音パワーnx_pow(n)に設定する
(ステップS73)。
【0166】このように、遠端側騒音パワー推定部172
は、各フレームの騒音パワーnx_pow(n)を設定
するようになっており、この設定された各フレーム毎の
騒音パワーnx_pow(n)を遠端音声検出部173に
出力するようになっている。
【0167】遠端音声検出部173には、遠端信号パワー
算出部171によって算出された遠端信号パワーx_po
w(n)および遠端側騒音パワー推定部172によって算
出された各フレーム毎の騒音パワーnx_pow(n)
が入力されるようになっており、遠端音声検出部173
は、この入力された遠端信号パワーx_pow(n)お
よび騒音パワーnx_pow(n)に基づいて遠端音声
の有無を検出するようになっている(以下、遠端側音声
検出工程という)。
【0168】ここで、遠端音声検出部173における遠端
音声の検出動作を図13のフローチャートを用いて説明す
る。
【0169】なお、遠端音声検出部173は、各フレーム
毎に遠端音声の有無を検出するようになっている。
【0170】まず、遠端音声検出部173に任意のフレー
ムの遠端信号パワーx_pow(n)および騒音パワー
nx_pow(n)が入力されると、遠端音声検出部17
3は、遠端音声パワーx_pow(n)と遠端側騒音パ
ワー推定値nx_pow(n)とを比較する(ステップ
S81)。次いで、遠端音声パワーx_pow(n)が遠
端側騒音パワー推定値nx_pow(n)より閾値β
(>1)以上のとき、音声有りと判定し(ステップS8
2)、遠端音声パワーx_pow(n)が遠端側騒音パ
ワー推定値nx_pow(n)より閾値β未満のとき、
音声無しと判定する(ステップS83)。
【0171】このように、遠端音声検出部173は、各フ
レームの遠端音声の有無を判定するようになっており、
この判定結果を瞬時抑圧係数算出部174に出力するよう
になっている。
【0172】瞬時抑圧係数算出部174には、誤差信号パ
ワー算出部107によって算出された誤差信号パワーem
_pow(n)と、近端側騒音パワー推定部108によっ
て推定された近端側の周囲騒音パワーと、ピーク値更新
部110によって設定されたマイク入力信号パワーと擬似
エコーパワーとのパワー比のピーク値と、遠端音声検出
部173によって判定された遠端音声の有無の結果とが入
力されるようになっており、この瞬時抑圧係数算出部17
4は、この入力された誤差信号パワーem_pow
(n)、近端側の周囲騒音パワー、パワー比および遠端
音声の有無の判定結果に基づいて各フレーム毎の瞬時抑
圧係数を算出するようになっている(瞬時抑圧係数算出
工程)。
【0173】ここで、瞬時抑圧係数算出部174における
瞬時抑圧係数の設定動作を図14のフローチャートを用い
て説明する。
【0174】なお、瞬時抑圧係数算出部174は、各フレ
ーム毎に瞬時抑圧係数を算出するようになっている。
【0175】まず、任意のフレームの近端側の周囲騒音
パワー、パワー比および遠端音声の有無の判定結果が入
力されると、瞬時抑圧係数算出部111は、ピーク値Pe
ak_ratio(n)と閾値α(>1)とを比較する
(ステップ91)。次いで、ピーク値Peak_rati
o(n)が、閾値α以上のとき、瞬時抑圧係数Atti
を1に設定し(ステップ92)、動作を終了させる。ま
た、ピーク値Peak_ratio(n)が、閾値α未
満のとき、遠端音声検出部173の判定の結果を判断する
(ステップ93)。遠端話者の音声が無いと判断したと
き、ステップS91のときと同様に、瞬時抑圧係数Att
iを1に設定し(ステップ92)、動作を終了させる。ま
た、遠端話者の音声が有るとき、上述の(式1)にした
がって、誤差信号パワーem_pow(n)と騒音パワ
ー推定値ny_pow(n)とを用いて瞬時抑圧係数を
算出する(ステップ94)。
【0176】このように、瞬時抑圧係数算出部174は、
各フレームの瞬時抑圧係数を算出するようになってお
り、この算出された瞬時抑圧係数を抑圧係数更新部112
に出力するようになっている。
【0177】次に、図15を用いて本実施形態の動作原理
を説明する。
【0178】まず、適応処理部101において、遠端信号
とマイク入力信号とを用いてエコーパスを推定する(ス
テップS51)。
【0179】次いで、係数転送制御部104において、適
応処理部101によって得られた適応フィルタのフィルタ
係数を主フィルタ部102に転送するか否かの判定を行う
(ステップS52)。
【0180】次いで、主フィルタ部102において、遠端
信号とフィルタ係数の畳み込み演算を行い、第2擬似エ
コーを算出する(ステップS53)。
【0181】次いで、第2減算部103において、マイク
入力信号から主フィルタ処理工程より出力された第2擬
似エコーを減算して第2誤差信号を得る(ステップS5
4)。
【0182】次いで、マイク入力信号パワー算出部105
において、マイク入力信号のパワーを算出する(マイク
入力信号パワー算出工程(ステップS55))。
【0183】次いで、擬似エコーパワー算出部106にお
いて、主フィルタ処理工程より出力された擬似エコーの
パワーを算出する(擬似エコーパワー算出工程(ステッ
プS56))。
【0184】次いで、誤差信号パワー算出部107におい
て、減算処理工程より出力された誤差信号のパワーを算
出する(誤差信号パワー算出工程(ステップS57))。
【0185】次いで、近端側騒音パワー推定部108にお
いて、マイク入力信号パワー算出工程によって算出され
たマイク入力信号パワーを用いて近端側の騒音パワーを
推定する(騒音パワー推定工程(ステップS58))。
【0186】次いで、パワー比算出部109において、マ
イク入力信号パワー算出工程によって算出されたマイク
入力信号パワーと擬似エコーパワー算出工程によって算
出された擬似エコーパワーを用いてパワー比を算出する
(パワー比算出工程(ステップS59))。
【0187】次いで、ピーク値更新部110において、パ
ワー比算出工程によって算出されたパワー比に基づいて
ピーク値を算出する(ピーク値更新工程(ステップS6
0))。
【0188】一方、遠端信号パワー算出部171におい
て、入力された遠端信号x(n)に基づいて遠端信号パ
ワーを算出する(遠端信号パワー算出工程(ステップS
101))。
【0189】次いで、遠端側騒音パワー推定部172にお
いて、遠端信号パワー算出工程により得られた遠端信号
パワーに基づいて騒音パワー算出する(遠端側騒音パワ
ー算出工程(ステップS102))。
【0190】次いで、遠端音声検出部173において、遠
端信号パワー算出工程および遠端側騒音パワー算出工程
より得られた遠端信号パワーおよびに騒音パワーに基づ
いて遠端音声の有無を判定する(遠端信号有無検出工程
(ステップS103))。
【0191】次いで、瞬時抑圧係数算出部174におい
て、ピーク値更新工程によって算出されたピーク値と閾
値とを比較および遠端信号有無検出工程によって判定結
果によって、マイク入力信号に近端話者の音声が含まれ
ているかを判定し、この判定結果に基づいて誤差信号パ
ワー算出工程によって算出された誤差信号パワーと騒音
パワー推定工程によって算出された騒音パワー推定値と
を用いて瞬時抑圧係数を算出する(瞬時抑圧係数算出工
程(ステップS104))。
【0192】次いで、抑圧係数更新部112において、瞬
時抑圧係数算出工程によって、算出された瞬時抑圧係数
と時定数に基づいて、抑圧係数を更新する(抑圧係数更
新工程(ステップS62))。
【0193】最後に、誤差信号抑圧部113において、抑
圧係数更新工程によって算出された抑圧係数を第2の減
算工程より出力された第2誤差信号に乗じ、遠端側に送
信する信号を得るとともに、この信号を遠端側に送信す
る(ステップS63)。
【0194】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比
が閾値より大きい場合、および、マイク入力信号のパワ
ーと擬似エコーのパワーの比が閾値より小さい場合であ
って遠端音声が有りと判定されたときは、抑圧係数を
1.0に設定し、マイク入力信号のパワーと擬似エコー
のパワーの比が閾値より小さい場合であって遠端音声が
無しと判定されたときは、騒音パワーと誤差信号の比を
抑圧係数に設定することができるので、マイク入力信号
のパワー、擬似エコーのパワーおよび騒音パワーの変化
並びに遠端音声の有無に基づいて、抑圧音声信号の信号
レベルが増加した原因が、入力手段から入力された音声
(近端話者の音声)か、エコーパスの変動かを判別する
ことができるとともに、エコーパスの変動が原因の場
合、通信回線に出力される送信信号の信号レベルを抑圧
することができる。
【0195】〔第8実施形態〕図16は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第8実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0196】なお、本実施形態では、第7実施形態のエ
コー抑圧装置において、マイク入力信号パワー算出部、
擬似エコーパワー算出部、および誤差信号パワー算出
部、それぞれの前段に帯域制限を行うフィルタ処理部を
設けた点に特徴がある。各フィルタ処理部、マイク入力
信号パワー算出部、擬似エコーパワー算出部、および誤
差信号パワー算出部は、第2実施形態と同様であり、こ
の他の構成は、第7の実施形態と同様であるため、同一
部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0197】図16に示すエコー抑圧装置180は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0198】また、このエコー抑制装置180は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーパワ
ーとのパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワ
ー比のピーク値を更新するピーク値更新部110と、遠端
信号をのパワーを算出する遠端信号パワー算出部171
と、遠端信号パワーに基づいて遠端側の騒音パワーを算
出する遠端側騒音パワー推定部172と、遠端信号パワー
算出部171によって算出された遠端信号パワーと遠端側
騒音パワー推定部172によって算出された遠端側の騒音
パワーとに基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端
音声検出部173と、遠端音声検出部173によって検出され
た遠端音声の有無およびピーク値更新部110によって算
出されたパワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を
1にするか、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値
の比から算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部174
と、瞬時抑圧係数算出部174によって算出された1サン
プル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑
圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤
差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113
とを備え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコ
ーパワー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前
段に、それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有し
ている。
【0199】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第7実施形態の効果に加え、マイク入力信号のパワ
ー、擬似エコーのパワーおよび誤差信号パワーのそれぞ
れを帯域制限がなされた信号によって算出することがで
きるので、所望する帯域の各信号における各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0200】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0201】〔第9実施形態〕図17は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第9実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0202】なお、本実施形態では、第7実施形態のエ
コー抑圧装置において、遠端信号を複数の周波数帯域毎
に分割する第1帯域分割部と、マイク入力信号を複数の
周波数帯域毎に分割する第2の帯域分割部とを設け、各
周波数帯域毎に誤差信号を抑圧するとともに、帯域分割
されている誤差信号を帯域合成する点に特徴がある。各
帯域分割部、帯域合成部、マイク入力信号パワー算出
部、擬似エコーパワー算出部、および誤差信号パワー算
出部は、第3実施形態と同様であり、この他の構成は、
第7実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号
を付して説明を省略する。ただし、本実施形態は、帯域
分割数を4とした例であるが、特に帯域分割数は限定さ
れるものではない。
【0203】図17に示すエコー抑圧装置190は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を設け、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出するサブバンド適応処理
部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似エ
コーを算出するサブバンド主フィルタ部102と、マイク
入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103と、
適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転
送を制御するサブバンド係数転送制御部104とを備えて
いる。
【0204】また、このエコー抑制装置190は、マイク
入力信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯
域分割部132を設け、各周波数帯域毎のマイク入力信号
に基づいてマイク入力信号のパワーを算出するマイク入
力信号パワー算出部105と、各周波数帯域毎の擬似エコ
ーに基づいて擬似エコーのパワーを算出する擬似エコー
パワー算出部106と、各周波数帯域毎の誤差信号に基づ
いてのパワーを算出する誤差信号パワー算出部107と、
マイク入力信号パワーに基づいて近端側の周囲騒音パワ
ーを推定する近端側騒音パワー推定部108と、マイク入
力信号パワーと擬似エコーパワーとのパワー比を計算す
るパワー比算出部109と、パワー比のピーク値を更新す
るピーク値更新部110と、遠端信号をのパワーを算出す
る遠端信号パワー算出部171と、遠端信号パワーに基づ
いて遠端側の騒音パワーを算出する遠端側騒音パワー推
定部172と、遠端信号パワー算出部171によって算出され
た遠端信号パワーと遠端側騒音パワー推定部172によっ
て算出された遠端側の騒音パワーとに基づいて遠端側の
音声の有無を検出する遠端音声検出部173と、遠端音声
検出部173によって検出された遠端音声の有無およびピ
ーク値更新部110によって算出されたパワー比のピーク
値に基づいて瞬時抑圧係数を1にするか、誤差信号パワ
ーと近端側騒音パワー推定値の比から算出するかを選択
する瞬時抑圧係数算出部174と、瞬時抑圧係数算出部174
によって算出された1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧
係数とから現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係数更
新部112と、抑圧係数を誤差信号に掛けて誤差信号を抑
圧する誤差信号抑圧部113と、誤差信号抑圧部113から出
力された各周波数帯域毎の誤算信号の帯域合成を行う帯
域合成部133とを備えている。
【0205】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第7実施形態の効果に加え、同様に、所定の周波数
帯域毎に、擬似エコーの推定およびマイク入力信号の信
号処理を行うことができるとともに、マイク入力信号パ
ワー算出部および擬似エコーパワー算出部に所定の各周
波数帯域毎の信号が入力することができ、各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0206】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0207】なお、本実施形態では、図7の構成におい
て、帯域合成前に誤差信号を抑圧するようになっている
が、帯域合成後に誤差信号を抑圧してもよい。
【0208】この場合、帯域合成部は、誤差信号抑圧部
の前段に配設されるとともに、この帯域合成部には、各
第2減算処理部によって算出された各周波数帯域毎の第
2誤差信号が入力され、また、帯域合成部は、帯域合成
した第2誤差信号を誤差信号抑圧部113に出力するよう
に構成される。
【0209】〔第10実施形態〕図18は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第10実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0210】なお、本実施形態では、第7実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第7実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。
【0211】図18に示すエコー抑圧装置200は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0212】また、このエコー抑制装置200は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づいて近
端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー推定
部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーパワーと
のパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比
のピーク値を更新するピーク値更新部110と、遠端信号
をのパワーを算出する遠端信号パワー算出部171と、遠
端信号パワーに基づいて遠端側の騒音パワーを算出する
遠端側騒音パワー推定部172と、遠端信号パワー算出部1
71によって算出された遠端信号パワーと遠端側騒音パワ
ー推定部172によって算出された遠端側の騒音パワーと
に基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出
部173と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音
声の有無およびピーク値更新部110によって算出された
パワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部174と、瞬時
抑圧係数算出部174によって算出された1サンプル前の
抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑圧係数を
更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤差信号に
掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113とを備え
ている。
【0213】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第7実施形態と同様に、マイク入力信号のパワーと
擬似エコーのパワーの比が閾値より大きい場合、およ
び、マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比
が閾値より小さい場合であって遠端音声が有りと判定さ
れたときは、抑圧係数を1.0に設定し、マイク入力信
号のパワーと擬似エコーのパワーの比が閾値より小さい
場合であって遠端音声が無しと判定されたときは、騒音
パワーと誤差信号の比を抑圧係数に設定することができ
るので、マイク入力信号のパワー、擬似エコーのパワー
および騒音パワーの変化並びに遠端音声の有無に基づい
て、抑圧音声信号の信号レベルが増加した原因が、入力
手段から入力された音声(近端話者の音声)か、エコー
パスの変動かを判別することができるとともに、エコー
パスの変動が原因の場合、通信回線に出力される送信信
号の信号レベルを抑圧することができる。
【0214】〔第11実施形態〕図19は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第11実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0215】なお、本実施形態では、第8実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第8実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。
【0216】図19に示すエコー抑圧装置210は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0217】また、このエコー抑制装置210は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づいて近
端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー推定
部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーパワーと
のパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比
のピーク値を更新するピーク値更新部110と、遠端信号
をのパワーを算出する遠端信号パワー算出部171と、遠
端信号パワーに基づいて遠端側の騒音パワーを算出する
遠端側騒音パワー推定部172と、遠端信号パワー算出部1
71によって算出された遠端信号パワーと遠端側騒音パワ
ー推定部172によって算出された遠端側の騒音パワーと
に基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出
部173と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音
声の有無およびピーク値更新部110によって算出された
パワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部174と、瞬時
抑圧係数算出部174によって算出された1サンプル前の
抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑圧係数を
更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤差信号に
掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113とを備
え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコーパワ
ー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前段に、
それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有してい
る。
【0218】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第8実施形態と同様に、第7実施形態の効果に加
え、マイク入力信号のパワー、擬似エコーのパワーおよ
び誤差信号パワーのそれぞれを帯域制限がなされた信号
によって算出することができるので、所望する帯域の各
信号における各信号パワーを精度良く算出することがで
きる。
【0219】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0220】〔第12実施形態〕図20は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第12実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0221】なお、本実施形態では、第9実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第9実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。ただし、本実施形態は、帯域分割数を4とした例
であるが、特に帯域分割数は限定されるものではない。
【0222】図20に示すエコー抑圧装置220は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を備え、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出するサブバンド適応処理
部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似エ
コーを算出するサブバンド主フィルタ部102と、マイク
入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103と、
適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転
送を制御するサブバンド係数転送制御部104とを備えて
いる。
【0223】また、このエコー抑制装置220は、マイク
入力信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯
域分割部132を備え、各周波数帯域毎のマイク入力信号
に基づいてマイク入力信号のパワーを算出するマイク入
力信号パワー算出部105と、各周波数帯域毎の擬似エコ
ーに基づいて擬似エコーのパワーを算出する擬似エコー
パワー算出部106と、各周波数帯域毎の誤差信号に基づ
いてのパワーを算出する誤差信号パワー算出部107と、
誤差信号のパワーに基づいて近端側の周囲騒音パワーを
推定する近端側騒音パワー推定部141と、マイク入力信
号パワーと擬似エコーパワーとのパワー比を計算するパ
ワー比算出部109と、パワー比のピーク値を更新するピ
ーク値更新部110と、遠端信号をのパワーを算出する遠
端信号パワー算出部171と、遠端信号パワーに基づいて
遠端側の騒音パワーを算出する遠端側騒音パワー推定部
172と、遠端信号パワー算出部171によって算出された遠
端信号パワーと遠端側騒音パワー推定部172によって算
出された遠端側の騒音パワーとに基づいて遠端側の音声
の有無を検出する遠端音声検出部173と、遠端音声検出
部173によって検出された遠端音声の有無およびピーク
値更新部110によって算出されたパワー比のピーク値に
基づいて瞬時抑圧係数を1にするか、誤差信号パワーと
近端側騒音パワー推定値の比から算出するかを選択する
瞬時抑圧係数算出部174と、瞬時抑圧係数算出部174によ
って算出された1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数
とから現サンプルの抑圧係数を更新する抑圧係数更新部
112と、抑圧係数を誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧す
る誤差信号抑圧部113と、誤差信号抑圧部113から出力さ
れた各周波数帯域毎の誤算信号の帯域合成を行う帯域合
成部133とを備えている。
【0224】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第9実施形態と同様に、第7実施形態の効果に加
え、同様に、所定の周波数帯域毎に、擬似エコーの推定
およびマイク入力信号の信号処理を行うことができると
ともに、マイク入力信号パワー算出部および擬似エコー
パワー算出部に所定の各周波数帯域毎の信号が入力する
ことができ、各信号パワーを精度良く算出することがで
きる。
【0225】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0226】なお、本実施形態では、図20の構成におい
て、帯域合成前に誤差信号を抑圧するようになっている
が、帯域合成後に誤差信号を抑圧してもよい。
【0227】この場合、帯域合成部は、誤差信号抑圧部
の前段に配設されるとともに、この帯域合成部には、各
第2減算処理部によって算出された各周波数帯域毎の第
2誤差信号が入力され、また、帯域合成部は、帯域合成
した第2誤差信号を誤差信号抑圧部103に出力するよう
に構成される。
【0228】〔第13実施形態〕図21〜図23は、本発明に
係るエコー抑圧装置の第13実施形態を示す図であり、こ
のエコー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他
のエコー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によ
って接続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置
のハンズフリーホン装置などの音声通信を行う通信シス
テムに適用される。
【0229】なお、本実施形態では、第7実施形態のエ
コー抑圧装置における遠端音声の検出を遠端信号に代え
て擬似エコーパワーに基づいて検出するようにした点に
特徴があり、この他の構成は、第7実施形態と同様であ
るため、同一部材には同一番号を付して説明を省略す
る。
【0230】図21に示すエコー抑圧装置230は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0231】また、このエコー抑制装置230は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとの
パワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比の
ピーク値を更新するピーク値更新部110と、擬似エコー
パワー算出部106によって算出された擬似エコーパワー
に基づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端側騒音
パワー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106によっ
て算出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音パワー
推定部231によって算出された遠端者側の騒音パワーに
基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出部
232と、遠端音声検出部232によって検出された遠端音声
の有無およびピーク値更新部110によって算出されたパ
ワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、1サ
ンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの
抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を
誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部11
3とを備えている。
【0232】以下に、遠端側騒音パワー推定部231、遠
端音声検出部232および瞬時抑圧係数算出部233の構成お
よび動作について説明する。
【0233】なお、遠端信号x(n)、マイク入力信号
y(n)および送信信号e(n)とする。
【0234】遠端側騒音パワー推定部231には、擬似エ
コーパワーyhm_pow(n)が入力されるようにな
っており、遠端側騒音パワー推定部231は、各フレーム
毎に入力された入力された擬似エコーパワーyhm_p
ow(n)に基づいて各フレームの騒音パワーnx_p
ow(n)を設定するようになっている(遠端側騒音パ
ワー算出工程)。
【0235】ここで、遠端側騒音パワー推定部231にお
ける騒音パワーnx_pow(n)の設定動作を図22の
フローチャートを用いて説明する。
【0236】なお、遠端側騒音パワー推定部231は、各
フレーム毎に騒音パワーnx_pow(n)を設定する
ようになっている。
【0237】まず、遠端側騒音パワー推定部231に任意
のフレームにおける擬似エコーパワーyhm_pow
(n)が入力されると、遠端側騒音パワー推定部231
は、擬似エコーパワーyhm_pow(n)と1フレー
ム前の騒音パワー推定値nx_pow(n−1)とを比
較する(ステップS111)。次いで、擬似エコーパワー
yhm_pow(n)が1フレーム前の騒音パワー推定
値nx_pow(n−1)未満のとき、擬似エコーパワ
ーyhm_pow(n)を現フレームの騒音パワー推定
値nx_pow(n)に設定し(ステップS112)、擬
似エコーパワーyhm_pow(n)が1フレーム前の
騒音パワー推定値nx_pow(n−1)以上のとき、
1フレーム前の騒音パワーnx_pow(n−1)に、
更新量Lup(>1)を乗算した値を現フレームの騒音
パワーnx_pow(n)に設定する(ステップS11
3)。
【0238】このように、遠端側騒音パワー推定部231
は、各フレームの騒音パワーnx_pow(n)を設定
するようになっており、この設定された各フレーム毎の
騒音パワーnx_pow(n)を遠端音声検出部232に
出力するようになっている。
【0239】なお、適応フィルタの係数が主フィルタに
転送されておらず、主フィルタの係数が初期値'0'であ
る場合、擬似エコーパワーyhm_pow(n)=0と
なるため、擬似エコーパワーに下限値を設ける場合もあ
る。
【0240】遠端音声検出部232には、擬似エコーパワ
ー算出部106によって算出された擬似エコーパワーyh
m_pow(n)および遠端側騒音パワー推定部231に
よって算出された各フレーム毎の騒音パワーnx_po
w(n)が入力されるようになっており、遠端音声検出
部232は、この入力された擬似エコーパワーyhm_p
ow(n)および騒音パワーnx_pow(n)に基づ
いて遠端音声の有無を検出するようになっている(遠端
側音声検出工程)。
【0241】ここで、遠端音声検出部232における遠端
音声の検出動作を図23のフローチャートを用いて説明す
る。
【0242】なお、遠端音声検出部232は、各フレーム
毎に遠端音声の有無を検出するようになっている。
【0243】まず、遠端音声検出部173に任意のフレー
ムの擬似エコーパワーyhm_pow(n)および騒音
パワーnx_pow(n)が入力されると、遠端音声検
出部232は、擬似エコーパワーyhm_pow(n)と
遠端側騒音パワー推定値nx_pow(n)とを比較す
る(ステップS121)。次いで、擬似エコーパワーyh
m_pow(n)が遠端側騒音パワー推定値nx_po
w(n)より閾値β(>1)以上のとき、音声有りと判
定し(ステップS122)、擬似エコーパワーyhm_p
ow(n)が遠端側騒音パワー推定値nx_pow
(n)より閾値β未満のとき、音声無しと判定する(ス
テップS123)。
【0244】このように、遠端音声検出部232は、各フ
レームの遠端音声の有無を判定するようになっており、
この判定結果を瞬時抑圧係数算出部233に出力するよう
になっている。
【0245】瞬時抑圧係数算出部233には、誤差信号パ
ワー算出部107によって算出された誤差信号パワーem
_pow(n)と、近端側騒音パワー推定部108によっ
て推定された近端側の周囲騒音パワーと、ピーク値更新
部110によって設定されたマイク入力信号パワーと擬似
エコーパワーとのパワー比のピーク値と、遠端音声検出
部232によって判定された遠端音声の有無の結果とが入
力されるようになっており、この瞬時抑圧係数算出部23
3は、この入力された誤差信号パワーem_pow
(n)、近端側の周囲騒音パワー、パワー比および遠端
音声の有無の判定結果に基づいて各フレーム毎の瞬時抑
圧係数を算出するようになっている(瞬時抑圧係数算出
工程)。
【0246】なお、瞬時抑圧係数算出部233の瞬時抑圧
係数の設定動作は、第7実施形態と同様であるため、説
明を省略する。
【0247】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第7実施形態と同様に、マイク入力信号のパワーと
擬似エコーのパワーの比が閾値より大きい場合、およ
び、マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比
が閾値より小さい場合であって遠端音声が有りと判定さ
れたときは、抑圧係数を1.0に設定し、マイク入力信
号のパワーと擬似エコーのパワーの比が閾値より小さい
場合であって遠端音声が無しと判定されたときは、騒音
パワーと誤差信号の比を抑圧係数に設定することができ
るので、マイク入力信号のパワー、擬似エコーのパワー
および騒音パワーの変化並びに遠端音声の有無に基づい
て、抑圧音声信号の信号レベルが増加した原因が、入力
手段から入力された音声(近端話者の音声)か、エコー
パスの変動かを判別することができるとともに、エコー
パスの変動が原因の場合、通信回線に出力される送信信
号の信号レベルを抑圧することができる。
【0248】〔第14実施形態〕図24は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第14実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0249】なお、本実施形態では、第13実施形態のエ
コー抑圧装置において、マイク入力信号パワー算出部、
擬似エコーパワー算出部および誤差信号パワー算出部、
それぞれの前段に帯域制限を行うフィルタ処理部を設け
た点に特徴がある。各フィルタ処理部およびマイク入力
信号パワー算出部、擬似エコーパワー算出部および誤差
信号パワー算出部は、第13実施形態と同様であり、この
他の構成は、第8実施形態と同様であるため、同一部材
には同一番号を付して説明を省略する。
【0250】図24に示すエコー抑圧装置240は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0251】また、このエコー抑制装置240は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに基づい
て近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー
推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとの
パワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比の
ピーク値を更新するピーク値更新部110と、擬似エコー
パワー算出部106によって算出された擬似エコーパワー
に基づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端側騒音
パワー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106によっ
て算出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音パワー
推定部231によって算出された遠端者側の騒音パワーに
基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出部
232と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音声
の有無およびピーク値更新部110によって算出されたパ
ワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、1サ
ンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの
抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を
誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部11
3とを備え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコ
ーパワー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前
段に、それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有し
ている。
【0252】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第13実施形態の効果に加え、マイク入力信号のパワ
ー、擬似エコーのパワーおよび誤差信号パワーのそれぞ
れを帯域制限がなされた信号によって算出することがで
きるので、所望する帯域の各信号における各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0253】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0254】〔第15実施形態〕図25は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第15実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0255】なお、本実施形態では、第13実施形態のエ
コー抑圧装置において、遠端信号を複数の周波数帯域毎
に分割する第1帯域分割部と、マイク入力信号を複数の
周波数帯域毎に分割する第2帯域分割部とを設け、各周
波数帯域毎に誤差信号を抑圧するとともに、帯域分割さ
れている誤差信号を帯域合成する点に特徴がある。各帯
域分割部、帯域合成部、マイク入力信号パワー算出部、
擬似エコーパワー算出部および誤差信号パワー算出部
は、第3実施形態と同様であり、この他の構成は、帯域
分割された各バンド毎の処理を除いて、第13実施形態と
同様であるため、同一部材には同一番号を付して説明を
省略する。ただし、本実施形態は、帯域分割数を4とし
た例であるが、特に帯域分割数は限定されるものではな
い。
【0256】図25に示すエコー抑圧装置250は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を設け、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出するサブバンド適応処理
部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似エ
コーを算出するサブバンド主フィルタ部102と、マイク
入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103と、
適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転
送を制御するサブバンド係数転送制御部104とを備えて
いる。
【0257】また、このエコー抑制装置250は、マイク
入力信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯
域分割部103を設け、マイク入力信号を所定の周波数帯
域毎に複数に分割する第2帯域分割部132を備え、各周
波数帯域毎のマイク入力信号に基づいてマイク入力信号
のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出部105
と、各周波数帯域毎の擬似エコーに基づいて擬似エコー
のパワーを算出する擬似エコーパワー算出部106と、各
周波数帯域毎の誤差信号に基づいてのパワーを算出する
誤差信号パワー算出部107と、マイク入力信号パワーに
基づいて近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音
パワー推定部108と、マイク入力信号パワーと擬似エコ
ーとのパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワ
ー比のピーク値を更新するピーク値更新部110と、擬似
エコーパワー算出部106によって算出された擬似エコー
パワーに基づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端
側騒音パワー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106
によって算出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音
パワー推定部231によって算出された遠端者側の騒音パ
ワーに基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声
検出部232と、遠端音声検出部173によって検出された遠
端音声の有無およびピーク値更新部110によって算出さ
れたパワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1に
するか、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比
から算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、
1サンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプ
ルの抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係
数を誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧
部113と、誤差信号抑圧部113から出力された各周波数帯
域毎の誤算信号の帯域合成を行う帯域合成部133とを備
えている。
【0258】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第13実施形態の効果に加え、同様に、所定の周波数
帯域毎に、擬似エコーの推定およびマイク入力信号の信
号処理を行うことができるとともに、マイク入力信号パ
ワー算出部および擬似エコーパワー算出部に所定の各周
波数帯域毎の信号が入力することができ、各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0259】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0260】〔第16実施形態〕図26は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第16実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0261】なお、本実施形態では、第13実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーに代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第13実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。
【0262】図26に示すエコー抑圧装置260は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0263】また、このエコー抑制装置260は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づいて近
端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー推定
部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとのパワ
ー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比のピー
ク値を更新するピーク値更新部110と、擬似エコーパワ
ー算出部106によって算出された擬似エコーパワーに基
づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端側騒音パワ
ー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106によって算
出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音パワー推定
部231によって算出された遠端者側の騒音パワーに基づ
いて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出部232
と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音声の
有無およびピーク値更新部110によって算出されたパワ
ー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にするか、
誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から算出
するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、1サンプ
ル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑圧
係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤差
信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113と
を備え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコー
パワー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前段
に、それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有して
いる。
【0264】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第13実施形態と同様に、マイク入力信号のパワーと
擬似エコーのパワーの比が閾値より大きい場合、およ
び、マイク入力信号のパワーと擬似エコーのパワーの比
が閾値より小さい場合であって遠端音声が有りと判定さ
れたときは、抑圧係数を1.0に設定し、マイク入力信
号のパワーと擬似エコーのパワーの比が閾値より小さい
場合であって遠端音声が無しと判定されたときは、騒音
パワーと誤差信号の比を抑圧係数に設定することができ
るので、抑圧音声信号の信号レベルが増加した原因が、
入力手段から入力された音声(近端話者の音声)か、エ
コーパスの変動かを判別することができるとともに、エ
コーパスの変動が原因の場合、通信回線に出力される送
信信号の信号レベルを抑圧することができる。
【0265】〔第17実施形態〕図27は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第17実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0266】なお、本実施形態では、第14実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーの代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第14実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。
【0267】図27に示すエコー抑圧装置270は、エコー
パスを推定するとともにフィルタ係数を算出する適応処
理部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似
エコーを算出する主フィルタ部102と、マイク入力信号
から擬似エコーを減算する第2減算部103と、適応処理
部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転送を制御
する係数転送制御部104とを備えている。
【0268】また、このエコー抑制装置270は、マイク
入力信号のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出
部105と、擬似エコーのパワーを算出する擬似エコーパ
ワー算出部106と、誤差信号のパワーを算出する誤差信
号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づいて近
端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワー推定
部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーとのパワ
ー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比のピー
ク値を更新するピーク値更新部110と、擬似エコーパワ
ー算出部106によって算出された擬似エコーパワーに基
づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端側騒音パワ
ー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106によって算
出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音パワー推定
部231によって算出された遠端者側の騒音パワーに基づ
いて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出部232
と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音声の
有無およびピーク値更新部110によって算出されたパワ
ー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にするか、
誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から算出
するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、1サンプ
ル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの抑圧
係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を誤差
信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部113と
を備え、マイク入力信号パワー算出部105、擬似エコー
パワー算出部106および誤差信号パワー算出部107の前段
に、それぞれ、フィルタ処理部121、122、123を有して
いる。
【0269】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第16実施形態の効果に加え、マイク入力信号のパワ
ー、擬似エコーのパワーおよび誤差信号パワーのそれぞ
れを帯域制限がなされた信号によって算出することがで
きるので、所望する帯域の各信号における各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0270】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0271】〔第18実施形態〕図28は、本発明に係るエ
コー抑圧装置の第18実施形態を示す図であり、このエコ
ー抑圧装置は、複数の遠隔地に設置されている他のエコ
ー抑圧装置と電話公衆網回線などの通信回線によって接
続され、テレビ会議システム、携帯通信端末装置のハン
ズフリーホン装置などの音声通信を行う通信システムに
適用される。
【0272】なお、本実施形態では、第15実施形態のエ
コー抑圧装置における近端側騒音パワーの算出をマイク
入力信号パワーの代えて誤差信号パワーを用いて行う点
に特徴がある。近端側騒音パワー推定部は、第4実施形
態と同様であり、この他の構成は、第15実施形態と同様
であるため、同一部材には同一番号を付して説明を省略
する。図28は、帯域分割数を4とした例である。
【0273】図28に示すエコー抑圧装置280は、遠端信
号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第1帯域分割
部131を設け、各周波数帯域毎に、エコーパスを推定す
るとともにフィルタ係数を算出するサブバンド適応処理
部101と、遠端側に戻るエコーを消去するための擬似エ
コーを算出するサブバンド主フィルタ部102と、マイク
入力信号から擬似エコーを減算する第2減算部103と、
適応処理部101から主フィルタ部102にフィルタ係数の転
送を制御するサブバンド係数転送制御部104とを備えて
いる。
【0274】また、このエコー抑制装置280は、マイク
入力信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割する第2帯
域分割部103を設け、マイク入力信号を所定の周波数帯
域毎に複数に分割する第2帯域分割部132を備え、各周
波数帯域毎のマイク入力信号に基づいてマイク入力信号
のパワーを算出するマイク入力信号パワー算出部105
と、各周波数帯域毎の擬似エコーに基づいて擬似エコー
のパワーを算出する擬似エコーパワー算出部106と、各
周波数帯域毎の誤差信号に基づいてのパワーを算出する
誤差信号パワー算出部107と、誤差信号のパワーに基づ
いて近端側の周囲騒音パワーを推定する近端側騒音パワ
ー推定部141と、マイク入力信号パワーと擬似エコーと
のパワー比を計算するパワー比算出部109と、パワー比
のピーク値を更新するピーク値更新部110と、擬似エコ
ーパワー算出部106によって算出された擬似エコーパワ
ーに基づいて遠端者側の騒音パワーを算出する遠端側騒
音パワー推定部231と、擬似エコーパワー算出部106によ
って算出された擬似エコーパワーおよび遠端側騒音パワ
ー推定部231によって算出された遠端者側の騒音パワー
に基づいて遠端側の音声の有無を検出する遠端音声検出
部232と、遠端音声検出部173によって検出された遠端音
声の有無およびピーク値更新部110によって算出された
パワー比のピーク値に基づいて瞬時抑圧係数を1にする
か、誤差信号パワーと近端側騒音パワー推定値の比から
算出するかを選択する瞬時抑圧係数算出部233と、1サ
ンプル前の抑圧係数と瞬時抑圧係数とから現サンプルの
抑圧係数を更新する抑圧係数更新部112と、抑圧係数を
誤差信号に掛けて誤差信号を抑圧する誤差信号抑圧部11
3と、誤差信号抑圧部113から出力された各周波数帯域毎
の誤算信号の帯域合成を行う帯域合成部133とを備えて
いる。
【0275】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第16実施形態の効果に加え、同様に、所定の周波数
帯域毎に、擬似エコーの推定およびマイク入力信号の信
号処理を行うことができるとともに、マイク入力信号パ
ワー算出部および擬似エコーパワー算出部に所定の各周
波数帯域毎の信号が入力することができ、各信号パワー
を精度良く算出することができる。
【0276】この結果、抑圧音声信号の信号レベルが増
加した原因が、入力手段から入力された音声(近端話者
の音声)か、エコーパスの変動かの判別精度を高めるこ
とができる。
【0277】なお、以上の各実施形態1〜18において、
各信号のパワーを用いて抑圧係数を算出するようになっ
ていたが、振幅を用いてもよい。
【0278】この場合、瞬時抑圧係数Attiは、誤差
信号振幅値と騒音振幅推定値を用いて(式18)にしたが
って算出するようになる。
【数18】
【発明の効果】本発明のエコー抑圧装置は、近端側音声
信号のパワーと擬似反響信号のパワーとの比、すなわ
ち、この近端側音声信号のパワーおよび擬似反響信号の
パワーの変化に基づいて通信回線に送信する信号処理さ
れた抑圧音声信号の信号レベルを制御することができる
ので、抑圧音声信号の信号レベルが増加した原因が、入
力手段から入力された音声(近端話者の音声)か、反響
路の変動かを判別することができるとともに、反響路の
変動が原因の場合、増加した抑圧音声信号の信号レベル
を抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエコー抑圧装置の第1実施形態の
構成を示すブロック図
【図2】第1実施形態における近端側騒音パワー推定部
の動作を示すフローチャート
【図3】第1実施形態におけるピーク値更新部の動作を
示すフローチャート
【図4】第1実施形態における抑圧係数算出部の動作を
示すフローチャート
【図5】第1実施形態のエコー抑圧装置の動作を示すフ
ローチャート
【図6】本発明に係るエコー抑圧装置の第2実施形態の
構成を示すブロック図
【図7】本発明に係るエコー抑圧装置の第3実施形態の
構成を示すブロック図
【図8】本発明に係るエコー抑圧装置の第4実施形態の
構成を示すブロック図
【図9】本発明に係るエコー抑圧装置の第5実施形態の
構成を示すブロック図
【図10】本発明に係るエコー抑圧装置の第6実施形態の
構成を示すブロック図
【図11】本発明に係るエコー抑圧装置の第7実施形態の
構成を示すブロック図
【図12】第7実施形態における遠端側騒音パワー推定部
の動作を示すフローチャート
【図13】第7実施形態における遠端音声検出部の動作を
示すフローチャート
【図14】第7実施形態における抑圧係数算出部の動作を
示すフローチャート
【図15】第7実施形態のエコー抑圧装置の動作を示すフ
ローチャート
【図16】本発明に係るエコー抑圧装置の第8実施形態の
構成を示すブロック図
【図17】本発明に係るエコー抑圧装置の第9実施形態の
構成を示すブロック図
【図18】本発明に係るエコー抑圧装置の第10実施形態の
構成を示すブロック図
【図19】本発明に係るエコー抑圧装置の第11実施形態の
構成を示すブロック図
【図20】本発明に係るエコー抑圧装置の第12実施形態の
構成を示すブロック図
【図21】本発明に係るエコー抑圧装置の第13実施形態の
構成を示すブロック図
【図22】第13実施形態における遠端側騒音パワー推定部
の動作を示すフローチャート
【図23】第13実施形態における遠端音声検出部の動作を
示すフローチャート
【図24】本発明に係るエコー抑圧装置の第14実施形態の
構成を示すブロック図
【図25】本発明に係るエコー抑圧装置の第15実施形態の
構成を示すブロック図
【図26】本発明に係るエコー抑圧装置の第16実施形態の
構成を示すブロック図
【図27】本発明に係るエコー抑圧装置の第17実施形態の
構成を示すブロック図
【図28】本発明に係るエコー抑圧装置の第18実施形態の
構成を示すブロック図
【図29】従来のエコー抑圧装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
43 スピーカ(出力手段) 44 マイクロホン(入力手段) 100、120、130、140、150、160、170、180、190、200、
210、220、230、240、250、260、270、280 エコー抑
制装置 101 適応処理部(反響信号推定手段) 101a 適応フィルタ(反響信号推定手段) 101b 係数更新部(反響信号推定手段) 101c 第1減算部(反響信号推定手段) 102 主フィルタ部(反響信号推定手段) 101 第2減算部(信号処理手段) 105 マイク入力信号パワー算出部(近端側音声信号
パワー算出手段) 106 擬似エコーパワー算出部(擬似反響信号パワー
算出手段) 107 誤差信号パワー算出部(抑圧音声信号パワー算
出手段) 108、141 近端側騒音パワー推定部(騒音パワー算出
手段) 109 パワー比算出部(制御手段) 110 ピーク値更新部(制御手段) 111 瞬時抑圧係数算出部(抑圧係数算出部) 112、233 抑圧係数更新部(制御手段) 113 誤差信号抑圧部(制御手段) 121、122、123 フィルタ処理部(帯域制限手段) 131、132 帯域分割部(分割手段) 171 遠端信号パワー算出部(遠端側音声信号パワー
算出手段) 173 遠端音声検出部(遠端側音声検出手段) 231 遠端信号パワー推定部(遠端側音声信号パワー
算出手段) 232 遠端音声検出部(遠端側音声検出手段)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信回線から受信した遠端側の音声信号
    を出力する出力手段と、 前記通信回線に送信する近端側の音声信号を入力する入
    力手段と、 前記通信回線から受信した前記遠端側音声信号が拡声さ
    れ、前記拡声された遠端側の音声が反響路を経由して前
    記入力手段に入力されることによって発生する反響信号
    を推定する反響信号推定手段と、 前記反響信号推定手段によって推定された前記擬似反響
    信号に基づいて前記入力手段によって入力された前記近
    端側音声信号から前記反響信号成分を抑圧する信号処理
    手段と、 前記入力手段によって入力された前記近端側音声信号の
    パワーを算出する近端側音声信号パワー算出手段と、 前記反響信号推定手段によって推定された前記擬似反響
    信号のパワーを算出する擬似反響信号パワー算出手段
    と、 前記近端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記近端側音声信号のパワーと前記擬似反響信号パワー
    算出手段によって算出された前記擬似反響信号のパワー
    の変化に基づいて、前記信号処理手段によって前記反響
    信号成分が抑圧された抑圧音声信号の信号レベルを制御
    する制御手段とを備え、 前記制御手段によって信号レベル制御された前記抑圧音
    声信号を前記通信回線に送信することを特徴とするエコ
    ー抑圧装置。
  2. 【請求項2】 前記入力手段によって入力された前記近
    端側音声信号および前記反響信号推定手段によって推定
    された前記擬似反響信号それぞれに帯域制限を行うとと
    もに、前記近端側音声信号パワー算出手段および前記擬
    似反響信号パワー算出手段に前記帯域制限がなされた各
    信号をそれぞれ出力する帯域制限手段を設けたことを特
    徴とする請求項1記載のエコー抑圧装置。
  3. 【請求項3】 前記通信回線から受信した前記遠端側音
    声信号および前記入力手段によって入力した前記近端側
    音声信号をそれぞれ所定の周波数帯域毎に分割する分割
    手段を有し、 前記反響信号推定手段および前記信号処理手段が、前記
    所定の周波数帯域毎に前記反響信号の推定および前記近
    端側音声信号の信号処理を行うとともに、 前記近端側音声信号パワー算出手段および前記擬似反響
    信号パワー算出手段に前記所定の周波数帯域毎に分割さ
    れた前記各遠端側音声信号および前記各近端側音声信号
    を入力し、 前記近端側音声信号パワー算出手段および前記擬似反響
    信号パワー算出手段が、入力された前記各遠端側音声信
    号および前記各近端側音声信号に基づいてそれぞれ前記
    近端側音声信号のパワーおよび前記擬似反響信号のパワ
    ーを算出することを特徴とする請求項1または2記載の
    エコー抑圧装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記近端側音声信号の
    パワーと前記擬似反響信号のパワーの変化に基づいて前
    記抑圧音声信号の信号レベルを制御する抑圧係数を算出
    する抑圧係数算出部を有し、 前記係数算出部によって算出された前記抑圧係数を前記
    抑圧音声信号に乗算することを特徴とする請求項1また
    は2記載のエコー抑圧装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記近端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の周囲におけ
    る騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制
    御することを特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装
    置。
  6. 【請求項6】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算出された前
    記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲における騒
    音パワーを算出する騒音パワー算出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化に基づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制
    御することを特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装
    置。
  7. 【請求項7】 前記入力手段によって入力された前記近
    端側音声信号、前記反響信号推定手段によって推定され
    た前記擬似反響信号および前記信号処理手段によって抑
    圧された前記抑圧音声信号それぞれに帯域制限を行うと
    ともに、前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似
    反響信号パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー
    算出手段に、前記帯域制限がなされた信号をそれぞれ出
    力する帯域制限手段を設けたことを特徴とする請求項5
    または6記載のエコー抑圧装置。
  8. 【請求項8】 前記通信回線から受信した前記遠端側音
    声信号および前記入力手段によって入力した前記近端側
    音声信号をそれぞれ所定の周波数帯域毎に分割する分割
    手段を有し、 前記反響信号推定手段および前記信号処理手段が、前記
    所定の周波数帯域毎に前記反響信号の推定および前記近
    端側音声信号の信号処理を行うとともに、 前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号
    パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段
    に前記所定の周波数帯域毎に分割された前記各遠端側音
    声信号、前記各近端側音声信号および前記各抑圧音声信
    号を入力し、 前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号
    パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段
    が、入力された前記各遠端側音声信号、前記各近端側音
    声信号および前記各抑圧音声信号に基づいてそれぞれ前
    記近端側音声信号のパワー、前記擬似反響信号のパワー
    および前記抑圧音声信号のパワーを算出することを特徴
    とする請求項5または6記載のエコー抑圧装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段が、前記近端側音声信号の
    パワー、前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号
    のパワーおよび前記騒音パワーの変化に基づいて前記抑
    圧音声信号の信号レベルを制御する抑圧係数を算出する
    抑圧係数算出部を有し、 前記係数算出部によって算出された前記抑圧係数を前記
    抑圧音声信号に乗算することを特徴とする請求項5乃至
    8の何れかに記載のエコー抑圧装置。
  10. 【請求項10】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記近端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の周囲におけ
    る騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、 前記遠端側音声信号のパワーを算出する遠端側音声信号
    パワー算出手段と、 前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記遠端側音声信号のパワーに基づいて前記遠端側の音
    声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果に基
    づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御することを
    特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装置。
  11. 【請求項11】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算出された前
    記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲における騒
    音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、 前記遠端側音声信号のパワーを算出する遠端側音声信号
    パワー算出手段と、 前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記遠端側音声信号のパワーに基づいて、前記遠端側の
    音声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果に基
    づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御することを
    特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装置。
  12. 【請求項12】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記近端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記近端側音声信号に基づいて前記近端側の周囲におけ
    る騒音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、 前記擬似反響信号のパワー算出手段によって算出された
    前記擬似反響信号のパワーに基づいて前記遠端側音声信
    号のパワーを算出する遠端側音声信号パワー算出手段
    と、 前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記遠端側音声信号のパワーに基づいて、前記遠端側の
    音声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果に基
    づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御することを
    特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装置。
  13. 【請求項13】 前記信号処理手段によって前記反響信号
    成分が抑圧された前記抑圧音声信号のパワーを算出する
    抑圧音声信号パワー算出手段と、 前記抑圧音声信号パワー算出手段によって算出された前
    記抑圧音声信号に基づいて前記近端側の周囲における騒
    音パワーを算出する騒音パワー算出手段と、 前記擬似反響信号パワー算出手段によって算出された前
    記擬似反響信号のパワーに基づいて前記遠端側音声信号
    のパワーを算出する遠端側音声信号パワー算出手段と、 前記遠端側音声信号パワー算出手段によって算出された
    前記遠端側音声信号のパワーに基づいて、前記遠端側の
    音声の有無を検出する遠端側音声検出手段とを有し、 前記制御手段が、前記近端側音声信号のパワー、前記擬
    似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号パワー算出手段
    によって算出された前記抑圧音声信号のパワーおよび前
    記騒音パワー算出手段によって算出された前記騒音パワ
    ーの変化並びに前記遠端側音声検出手段の検出結果に基
    づいて前記抑圧音声信号の信号レベルを制御することを
    特徴とする請求項1記載のエコー抑圧装置。
  14. 【請求項14】 前記入力手段によって入力された前記近
    端側音声信号、前記反響信号推定手段によって推定され
    た前記擬似反響信号および前記信号処理手段によって抑
    圧された前記抑圧音声信号それぞれに帯域制限を行うと
    ともに、前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似
    反響信号パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー
    算出手段に、前記帯域制限がなされた信号をそれぞれ出
    力する帯域制限手段を設けたことを特徴とする請求項10
    乃至13の何れかに記載のエコー抑圧装置。
  15. 【請求項15】 前記通信回線から受信した前記遠端側音
    声信号および前記入力手段によって入力した前記近端側
    音声信号をそれぞれ所定の周波数帯域毎に分割する分割
    手段を有し、 前記反響信号推定手段および前記信号処理手段が、前記
    所定の周波数帯域毎に前記反響信号の推定および前記近
    端側音声信号の信号処理を行うとともに、 前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号
    パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段
    に前記所定の周波数帯域毎に分割された前記各遠端側音
    声信号、前記各近端側音声信号および前記各抑圧音声信
    号を入力し、 前記近端側音声信号パワー算出手段、前記擬似反響信号
    パワー算出手段および前記抑圧音声信号パワー算出手段
    が、入力された前記各遠端側音声信号、前記各近端側音
    声信号および前記各抑圧音声信号に基づいてそれぞれ前
    記近端側音声信号のパワー、前記擬似反響信号のパワー
    および前記抑圧音声信号のパワーを算出することを特徴
    とする請求項10乃至13の何れかに記載のエコー抑圧装
    置。
  16. 【請求項16】 前記制御手段が、前記近端側音声信号の
    パワー、前記擬似反響信号のパワー、前記抑圧音声信号
    のパワーおよび前記騒音パワーの変化並びに前記遠端側
    音声検出手段の検出結果およびに基づいて前記抑圧音声
    信号の信号レベルを制御する抑圧係数を算出する抑圧係
    数算出部を有し、 前記係数算出部によって算出された前記抑圧係数を前記
    抑圧音声信号に乗算することを特徴とする請求項10乃至
    15の何れかに記載のエコー抑圧装置。
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