JPH0614101A - ハンズフリー電話機 - Google Patents

ハンズフリー電話機

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JPH0614101A
JPH0614101A JP16898092A JP16898092A JPH0614101A JP H0614101 A JPH0614101 A JP H0614101A JP 16898092 A JP16898092 A JP 16898092A JP 16898092 A JP16898092 A JP 16898092A JP H0614101 A JPH0614101 A JP H0614101A
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JP
Japan
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signal
noise
voice
echo
microphone
Prior art date
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Application number
JP16898092A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Takada
真資 高田
Tatsumasa Yoshida
達正 吉田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近端話者信号および遠端話者信号に対する音
声レベルの検出時期を適正化して話頭・話尾切断現象の
発生を防止するとともに、適応ディジタルフィルタの動
作を安定させて、通話品質を向上させる。 【構成】 音声観測用とは別にノイズ観測用マイク7を
装備するとともに、音声観測用マイク8とノイズキャン
セル用の適応ディジタルフィルタ12との間に装備され
た第1音声検出器13と、遠端話者の音声を出力するス
ピーカ3の前段に設けられて遠端話者による音声信号の
存在を検出する第2音声検出器5とを装備した構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハンズフリースピーカ
とハンズフリーマイクロホンとを備えたハンズフリー電
話機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来のハンズフリー電話機の構
成を示したものである。このハンズフリー電話機は、特
開昭63−43451号公報に開示されたもので、図中
の符号101はハンズフリーマイクロホン(以下、単
に、マイクと呼ぶ)、102はハンズフリースピーカ
(以下、単に、スピーカと呼ぶ)、103はノイズキャ
ンセラ部、104および105はそれぞれ加算器、10
6はエコーキャンセラ部、112は音声スイッチ部、1
13はD/A(ディジタル/アナログ)変換器、114
はA/D(アナログ/ディジタル)変換器である。前記
音声スイッチ部112は、音声レベル検出器107,1
08、挿入損失109,110、送受判定回路111な
どから構成されている。
【0003】この図2に示したハンズフリー電話機で
は、ノイズ発生源Bから発生したノイズは、まず前記マ
イク101に入力すると、A/D変換器114を経た
後、さらに加算器104,105を順次経て音声レベル
検出器107の入力となる。
【0004】前記ノイズキャンセラ部103は、ノイズ
キャンセル用のディジタル信号処理手段で、例えば、有
限インパルス応答型のフィルタ(以下、適応FIRフィ
ルタと呼ぶ)で構成されており、前記音声レベル検出器
107が有音期間と判別するまでの期間では、前記マイ
ク101からの入力信号を参照入力として用いて、適応
FIRフィルタを収束させる。その後、このノイズキャ
ンセラ部103では、適応FIRフィルタで作成される
推定雑音(擬似有色雑音)n1と、有色雑音および近端
話者信号の混合信号であるA/D変換器114の出力信
号との相互相関関数を計算する。そして、その計算結果
から、予め有音期間と判別するまでの期間に入手した有
色雑音の位相に同期させた推定雑音n1を加算器104
に出力する。
【0005】加算器104では、反転した推定雑音n1
と実際に入力された有色雑音および近端話者信号との加
算を行って雑音を低減する。
【0006】前記エコーキャンセラ部106は、前記ノ
イズキャンセラ部103と同等のフィルタ(即ち、適応
FIRフィルタ)を備えたエコーキャンセル用のディジ
タル信号処理手段で、ノイズキャンセラ部103の後段
に接続されている。
【0007】遠端話者信号(音声スイッチ部112の挿
入損失110を通ってD/A変換器113に入力する信
号)は、前記エコーキャンセラ部106の入力信号にな
るとともに、一方では、D/A変換器113を通ってス
ピーカ102から出力され、近端エコー信号となってマ
イク101に入力する。
【0008】マイク101に入力したエコー信号は、加
算器104を通った後、その後段に位置した加算器10
5に入力する。加算器105では、エコーキャンセラ部
106で作成された推定エコー(擬似エコー)y1と加
算器104からの入力信号とを加算する。
【0009】前記エコーキャンセラ部106は、近端話
者信号が無い期間の加算器105からの出力パワーが最
小になるように、遠端話者信号を用いてフィルタのタッ
プ係数を制御する。このタップ係数の制御方法として
は、学習同定法,LMS法などの周知の方法が適宜利用
される。前記推定エコーy1は、タップ係数ベクトルと
遠端話者信号入力ベクトルの積和計算で作成される。こ
のエコーキャンセラの動作原理は、ここでは詳述しない
が、次に示す参考文献の記述に準じてなされる。 参考文献:著者 宮本 良一,「DSPのエコー消去技
術への応用」(電学誌111巻,12号,平成3年,p
989) 前述したように、加算器104の出力ではエコー以外の
ノイズが低減されており、加算器105では加算器10
4の出力にエコーキャンセラ部106で生成した推定エ
コーy1を加算することによってエコーを低減する。そ
して、加算器105を経た信号が音声スイッチ部112
の音声レベル検出器107に入力する。音声レベル検出
器107,108は、それぞれ入力信号のレベルを検出
する。そして、これら2つの音声レベル検出器107,
108の検出した音声信号レベルが予め設定された基準
値よりも大きい場合には、送受判定回路111は、これ
をハウリング状態あるいは同時会話状態と判定する。そ
して、送受判定回路111は、挿入損失109,110
の双方の減衰量を前もって決定してある値に設定してハ
ウリング状態を解消する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
のハンズフリー電話機では、例えば、近端話者が複数の
時、音声レベルの小さな話者の音声信号を有色雑音とし
て消去してしまうという問題があった。
【0011】また、近端話者信号の音声レベルを検出す
るための音声レベル検出器107が、ノイズキャンセラ
部103よりも後段(即ち、送信回線側)に装備されて
いて、該音声レベル検出器107が有音期間と判定する
までの期間は入力音声信号が有色雑音として処理されて
しまうことから、通話品質が劣化するという問題もあっ
た。
【0012】また、エコーを有色信号として検出するま
では、ノイズキャンセラ部103では非定常なエコー信
号でトレーニングを行うため、ノイズキャンセラ部10
3のタップ係数が乱れ、それが、エコーキャンセラ部1
06の動作を不安定にさせるという問題もあった。
【0013】さらに、送信,受信部に音声スイッチを用
いているため、送受判定回路111の判定時間が過ぎる
までは会話の一部分が削除されたり著しく小さくなる
等、いわゆる話頭・話尾切断現象が発生して、通話品質
が著しく劣化するという問題もあった。
【0014】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、近端話者信号および遠端話者信号に対する音声レベ
ルの検出時期を適正化して、話頭・話尾切断現象の発生
を防止することができ、さらに、ノイズキャンセラ部の
タップ係数の乱れを防止してエコーキャンセラ部の動作
を安定させることもでき、通話品質の優れたハンズフリ
ー電話機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るハンズフリ
ー電話機は、ノイズを観測するための少なくとも一つの
ノイズ観測用ハンズフリーマイクロホンと、近端話者の
音声を観測するための少なくとも一つの音声観測用ハン
ズフリーマイクロホンと、前記ノイズ観測用ハンズフリ
ーマイクロホンおよび音声観測用ハンズフリーマイクロ
ホンの出力信号に基づいてノイズ打ち消しのための推定
雑音信号を作成するノイズキャンセル用適応ディジタル
フィルタと、近端話者による音声信号の入力を検知する
ために前記音声観測用ハンズフリーマイクロホンと適応
ディジタルフィルタとの間に装備された第1音声検出器
とを備える。また、さらに、遠端話者信号を入力として
近端エコーを除去するための推定エコー信号を生成する
エコーキャンセル用適応ディジタルフィルタと、遠端話
者の音声を出力するスピーカの前段に設けられて遠端話
者による音声信号の存在を検出する第2音声検出器と、
前記第1および第2音声検出器の検出結果に基づいてノ
イズキャンセル用およびエコーキャンセル用の各適応デ
ィジタルフィルタのタップ係数の更新を制御するタップ
係数更新制御部とを具備している。
【0016】
【作用】本発明に係るハンズフリー電話機では、ノイズ
キャンセル用適応ディジタルフィルタよりも前段に設け
られた近端話者信号検出用の第1音声検出器と遠端話者
信号再生用のスピーカの前段に設けられた遠端話者信号
検出用の第2音声検出器とによって、近端話者信号や遠
端話者信号の存在を適切なタイミングで検出することが
できるため、タップ係数更新制御部によるノイズキャン
セル用適応ディジタルフィルタおよびエコーキャンセル
用適応ディジタルフィルタのタップ係数の更新制御が近
端話者信号や遠端話者信号の検出タイミングの遅れによ
って乱れることがなくなり、話頭・話尾切断現象等の不
都合の発生を防止することができる。
【0017】しかも、ノイズ観測専用にノイズ観測用ハ
ンズフリーマイクロホンを装備しているため、推定雑音
を生成するためのノイズキャンセル用適応ディジタルフ
ィルタのトレーニングの信頼性が向上し、ノイズキャン
セル用適応ディジタルフィルタによるノイズ低減効果を
向上させることができると同時に、ノイズキャンセル用
適応ディジタルフィルタにおけるタップ係数の乱れを防
止してエコーキャンセル用適応ディジタルフィルタの動
作を安定させることもでき、通話品質を大きく向上させ
ることが可能になる。
【0018】
【実施例】図1は、本発明に係るハンズフリー電話機の
一実施例の構成を示したものである。この一実施例のハ
ンズフリー電話機は、ノイズのキャンセル処理を行うノ
イズキャンセル処理部1と、エコーのキャンセル処理を
行うエコーキャンセル処理部2と、遠端話者の音声を出
力するためのスピーカ3と、該スピーカ3の前段に装備
されてスピーカ3へ送出される遠端話者信号(遠端話者
による音声信号)D2をディジタル信号からアナログ信
号に変換するD/A変換器4と、このD/A変換器4の
前段に装備されて遠端話者信号D2の存在を検出する第
2音声検出器5とを備えた構成となっている。
【0019】また、前記ノイズキャンセル処理部1は、
ノイズを観測するための少なくとも一つのノイズ観測用
ハンズフリーマイクロホン(以下、ノイズ観測用マイク
と略記する)7と、近端話者の音声を観測するための少
なくとも一つの音声観測用ハンズフリーマイクロホン
(以下、通話用マイクと略記する)8と、前記ノイズ観
測用マイク7の出力するアナログ信号をディジタル信号
に変換するA/D変換器9と、前記通話用マイク8の出
力するアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D
変換器10と、前記ノイズ観測用マイク7および通話用
マイク8の出力信号に基づいてノイズ打ち消しのための
推定雑音信号を作成するノイズキャンセル用適応ディジ
タルフィルタ(以下、ノイズキャンセル用ADFと略記
する。ADFは、Adaptive Digital Filter の略であ
る)12と、近端話者による音声信号の入力を検知する
ために前記A/D変換器10とノイズキャンセル用AD
F12との間に装備された第1音声検出器13と、この
第1音声検出器13および前記第2音声検出器5の検出
結果に基づいて前記ノイズキャンセル用ADF12のタ
ップ係数の更新を制御するタップ係数更新制御部14
と、前記ノイズキャンセル用ADF12の生成した推定
雑音n1と第1音声検出器13の出力信号とを加算する
加算器15とを備えた構成とされている。
【0020】前記エコーキャンセル処理部2は、遠端話
者信号D2を入力として近端エコーを除去するための推
定エコー信号y1を生成するエコーキャンセル用適応デ
ィジタルフィルタ(以下、エコーキャンセル用ADFと
略記する)17と、このエコーキャンセル用ADF17
の出力する推定エコー信号y1と前記加算器15の出力
信号とを加算して遠端話者へ送出する信号D1を作る加
算器18とを備えた構成とされている。
【0021】なお、前述のエコーキャンセル処理部2に
装備されたタップ係数更新制御部14は、エコーキャン
セル用ADF17のタップ係数の更新も制御している。
また、図1において、点Aは信号源、点Bはノイズ源を
表している。
【0022】以下、前記一実施例の動作を説明する。ま
ず、遠端話者信号D2が生じていない場合における動作
を、図3を使って説明する。この図3は、図1における
ノイズキャンセル処理部1を拡大して示したものであ
る。
【0023】最初に近端話者信号Sが生じていないとき
の動作について説明する。ノイズ源Bから発生したノイ
ズは、ノイズ観測用マイク7に入力され、A/D変換器
9でディジタル信号に変換された後、ノイズキャンセル
用ADF12の参照入力となる。また、ノイズ源Bから
のノイズは、点Bから空間を伝搬して通話用マイク8で
観測される。今、ノイズ源Bと通話用マイク8との間の
伝達関数(周波周特性)をF、ノイズの周波数特性を
N、近端話者信号の周波数特性をSとする。このとき、
通話用マイク8にはFNなる信号が入力されることにな
る。ノイズキャンセル用ADF12は、近端話者信号の
無い期間でトレーニングを行い、タップ係数更新制御部
14は加算器15の出力eのパワーが最小になるように
ノイズキャンセル用ADF12のタップ係数を制御す
る。ノイズキャンセル用ADF12のタップ係数の更新
には、学習同定法やLMS法などの周知の方法が利用さ
れる。以上のようなトレーニングを行った後であれば、
ノイズキャンセル用ADF12の出力する推定雑音n1
に対しては、次の式(1)が成立する。
【0024】
【数1】 次に、近端話者信号Sが発生した時の動作を説明する。
信号源Aからの信号は、通話用マイク8に入力すると同
時に、伝達特性G(周波数特性)を有する伝搬路を通っ
てノイズ観測用マイク7にも入力する。この場合、通話
用マイク8への入力信号は、FN+Sである。また、ノ
イズ観測用マイク7の入力信号は、SG+Nである。通
話用マイク8に入力した信号は、A/D変換器10によ
ってディジタル信号に変換され、第1音声検出器13を
経て加算器15の入力となる。一方、前記ノイズ観測用
マイク7に入力した信号は、A/D変換器9によってデ
ィジタル信号に変換され、ノイズキャンセル用ADF1
2の参照入力となる。
【0025】ノイズキャンセル用ADF12のタップ係
数は、近端話者信号Sが無い状態時におけるトレーニン
グで、ノイズ源Bと通話用マイク8との間の伝達関数F
を推定しているので、加算器15の出力はeは、次の式
(2)となる。
【0026】
【数2】 従って、|FN|>|FSG| ……(3) であれば、雑音は低減される。
【0027】この場合、ノイズ源Bから発生されたノイ
ズは近端話者信号である音声よりも時間的に前に発生し
ているものとする。ノイズをキャンセルするためのトレ
ーニング方法としては、通話用マイク8の入力がノイズ
のみの時期を見つけてノイズキャンセル用ADF12内
に装備されている係数更新部がトレーニングを行う。ト
レーニング期間の決定法としては、後述する第1音声検
出器13で音声の無い期間の検出を行って、この期間を
ノイズキャンセル用ADF12のトレーニング期間とす
る。ノイズキャンセル用ADF12のタップ係数を制御
する方法は、加算器15の出力が最小になる方法であれ
ば、前述した学習同定法やLMS法等に限らず、周知の
種々の方法が利用可能である。トレーニングの期間が終
了したら、タップ係数更新制御部14がノイズキャンセ
ル用ADF12の係数更新を停止させる。
【0028】このとき、通話用マイク8の入力はNF、
そして、ノイズ観測用マイク7の入力はNであるから、
トレーニングが終了していれば、ノイズキャンセル用A
DF12の出力n1は、NFとほぼ等しくなり、遠端話
者には雑音が低減された信号が送出されることになる。
【0029】近端話者の音声を第1音声検出器13が検
出した場合には、トレーニング期間内であっても、タッ
プ係数更新制御部14がノイズキャンセル用ADF12
内のタップ係数更新部に通知を出すことによってノイズ
キャンセル用ADF12内でのタップ係数の更新を停止
させ、系が不安定になるのを防ぐ。また、ノイズキャン
セル用ADF12のトレーニング期間が終了するまで、
タップ係数更新制御部14は図1に示したエコーキャン
セル用ADF17内のタップ係数更新部に係数更新の停
止を指示して、系の安定を確保する。
【0030】次に、図1に基づいて、遠端話者信号D2
が存在する場合における動作について説明する。
【0031】遠端話者信号D2が当該ハンズフリー電話
機に入力した場合、その遠端話者信号D2は、前記エコ
ーキャンセル処理部2のエコーキャンセル用ADF17
の入力となるとともに、第2音声検出器5に入力し、第
2音声検出器5によってその存在が検出される。この第
2音声検出器5における遠端話者信号D2の検出方法と
しては、信号の統計的性質(例えば、一定周期のパワー
平均値など)を利用する方法、あるいは信号の自己相関
を用いる方法など、周知の種々を方法を適宜利用するこ
とができる。
【0032】前記第2音声検出器5は、タップ係数更新
制御部14に遠端話者信号D2を検出したことを通知す
る。すると、タップ係数更新制御部14が、その通知を
さらにノイズキャンセル用ADF12内のタップ係数更
新部に通知して、ノイズキャンセル用ADF12におけ
る係数更新を停止させる。
【0033】一方、第2音声検出器5を経た遠端話者信
号D2は、D/A変換器4でアナログ信号に変換されて
スピーカ3に入力し、該スピーカ3より音声として出力
される。そして、スピーカ3から出力された音声は、近
端エコー信号yとなって、ノイズ観測用マイク7,通話
用マイク8に入力する。通話用マイク8に入力した近端
エコー信号yは、A/D変換器10でディジタル信号に
変換されて第1音声検出器13に入力するが、第1音声
検出器13自体では、この信号が近端話者の音声信号で
あるのか近端エコーであるのかを区別することができな
い。従って、通話用マイク8の入力信号が近端話者信号
であるのか近端エコー信号であるのかの区別には、前記
第2音声検出器5の検出結果を利用する。即ち、第2音
声検出器5が音声を検出していれば、タップ係数更新制
御部14はノイズキャンセル用ADF12のタップ係数
更新を停止させるように、ノイズキャンセル用ADF1
2内のタップ係数更新部に指示を出す。
【0034】また、第1音声検出器13が音声を検出
し、第2音声検出器5が音声を検出していない場合に
は、タップ係数更新制御部14はエコーキャンセル用A
DF17のタップ係数更新を停止させるように、エコー
キャンセル用ADF17内のタップ係数更新部に指示を
出す。また、第2音声検出器5および第1音声検出器1
3の双方が音声を検出している時には、タップ係数更新
制御部14は、ノイズキャンセル用ADF12およびエ
コーキャンセル用ADF17の両方に対して、タップ係
数の更新を停止させる。
【0035】以上の説明から明らかなように、一実施例
のハンズフリー電話機では、近端話者信号が無く、しか
も近端エコーも無い場合は、第2音声検出器5および第
1音声検出器13のいずれも音声の存在を検出しないた
め、タップ係数更新制御部14はノイズキャンセル用A
DF12およびエコーキャンセル用ADF17における
係数更新を停止し、かつノイズキャンセル用ADF12
の出力n1=0、エコーキャンセル用ADF17の出力
y1=0とする。したがって、系は安定に動作する。
【0036】また、近端話者の音声信号は無いが近端エ
コーが存在する場合には、近端エコー信号yが通話用マ
イク8から入力してA/D変換器10および第1音声検
出器13を順に経て加算器15に入力することになる
が、それ以前に前記第2音声検出器5によって近端エコ
ー信号yの存在が検出されており、第2音声検出器5か
らの通知によってタップ係数更新制御部14がノイズキ
ャンセル用ADF12のタップ係数の更新を停止させて
いるため、ノイズキャンセル用ADF12のタップ係数
は近端エコー信号yの侵入によって乱れることがなく、
ノイズキャンセル用ADF12の安定動作が確保され
る。
【0037】また、近端話者の音声信号がなく、近端エ
コーもない場合(即ち、通常のノイズが通話用マイク8
に入る場合)には、タップ係数更新制御部14はノイズ
キャンセル用ADF12に通常のトレーニングをするよ
うに指示し、ノイズ観測用マイク7から入ったノイズ信
号によって推定雑音n1を生成するため、ノイズキャン
セル用ADF12のタップ係数が乱れることがなく、し
かも、ノイズの低減がなされる。
【0038】また、近端話者信号はあるが近端エコーが
無い場合には、第1音声検出器13が近端話者信号の存
在を検出してタップ係数更新制御部14に通知し、タッ
プ係数更新制御部14がエコーキャンセル用ADF17
にタップ係数更新の停止を指示するので、エコーキャン
セル用ADF17のタップ係数が乱されることがなく、
安定した動作が確保される。
【0039】また、近端話者信号および近端エコーの双
方がある場合には、第2音声検出器5および第1音声検
出器13によってそのことが検出されて、タップ係数更
新制御部14に通知される。そして、タップ係数更新制
御部14が、ノイズキャンセル用ADF12およびエコ
ーキャンセル用ADF17のそれぞれにタップ係数の更
新停止を指示するため、この場合にも、タップ係数の乱
れが防止されて、ノイズキャンセル用ADF12および
エコーキャンセル用ADF17における安定した動作が
確保される。
【0040】以上に説明したように、一実施例のハンズ
フリー電話機では、ノイズキャンセル用ADF12より
も前段に設けられた近端話者信号検出用の第1音声検出
器13とスピーカ3の前段に設けられた遠端話者信号検
出用の第2音声検出器5とによって、近端話者信号や遠
端話者信号の存在を適切なタイミングで検出することが
できるため、タップ係数更新制御部14によるノイズキ
ャンセル用ADF12およびエコーキャンセル用ADF
17のタップ係数の更新制御が近端話者信号や遠端話者
信号の検出タイミングの遅れによって乱れることがなく
なり、話頭・話尾切断現象等の不都合の発生を防止する
ことができる。しかも、ノイズ観測専用にノイズ観測用
マイク7を装備しているため、推定雑音n1を生成する
ためのノイズキャンセル用ADF12のトレーニングの
信頼性が向上し、ノイズキャンセル用ADF12による
ノイズ低減効果を向上させることができると同時に、ノ
イズキャンセル用ADF12におけるタップ係数の乱れ
を防止してエコーキャンセル用ADF17の動作を安定
させることもでき、通話品質を大きく向上させることが
可能になる。
【0041】なお、前述の一実施例では、ノイズ観測用
マイク7および通話用マイク8は、いずれも1本ずつ設
けた構成としたが、例えば、複数の近端話者で使用する
場合等であれば、近端話者の一人毎に1本の通話用マイ
ク8を割り当てておくことによって、小さな音声の近端
話者の信号がノイズと混同されることを防止することが
できる。したがって、ノイズ観測用マイク7および通話
用マイク8は、当該ハンズフリー電話機の設置環境ある
いは使用条件等に合わせて、それぞれの適宜本数に増や
すことも考えられる。
【0042】また、以上の一実施例では、使用環境等に
ついての説明を省いているが、本発明に係るハンズフリ
ー電話機は、携帯用あるいは車載用のものにも適用でき
ることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るハンズフリー電話機では、ノイズキャンセル用適
応ディジタルフィルタよりも前段に設けられた近端話者
信号検出用の第1音声検出器と遠端話者信号再生用のス
ピーカの前段に設けられた遠端話者信号検出用の第2音
声検出器とによって、近端話者信号や遠端話者信号の存
在を適切なタイミングで検出することができるため、タ
ップ係数更新制御部によるノイズキャンセル用適応ディ
ジタルフィルタおよびエコーキャンセル用適応ディジタ
ルフィルタのタップ係数の更新制御が近端話者信号や遠
端話者信号の検出タイミングの遅れによって乱れること
がなくなり、話頭・話尾切断現象等の不都合の発生を防
止することができる。
【0044】しかも、ノイズ観測専用にノイズ観測用ハ
ンズフリーマイクロホンを装備しているため、推定雑音
を生成するためのノイズキャンセル用適応ディジタルフ
ィルタのトレーニングの信頼性が向上し、ノイズキャン
セル用適応ディジタルフィルタによるノイズ低減効果を
向上させることができると同時に、ノイズキャンセル用
適応ディジタルフィルタにおけるタップ係数の乱れを防
止してエコーキャンセル用適応ディジタルフィルタの動
作を安定させることもでき、通話品質を大きく向上させ
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のハンズフリー電話機の構成
図である。
【図2】従来のハンズフリー電話機の構成図である。
【図3】本発明の一実施例の要部の拡大図である。
【符号の説明】
1 ノイズキャンセル処理部 2 エコーキャンセル処理部 3 スピーカ 4 D/A変換器 5 第2音声検出器 7 ノイズ観測用ハンズフリーマイクロホン 8 音声観測用ハンズフリーマイクロホン 9 A/D変換器 10 A/D変換器 12 ノイズキャンセル用適応ディジタルフィルタ 13 第1音声検出器 14 タップ係数更新制御部 15,18 加算器 17 エコーキャンセル用適応ディジタルフィルタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノイズを観測するための少なくとも一つ
    のノイズ観測用ハンズフリーマイクロホンと、 近端話者の音声を観測するための少なくとも一つの音声
    観測用ハンズフリーマイクロホンと、 前記ノイズ観測用ハンズフリーマイクロホンおよび音声
    観測用ハンズフリーマイクロホンの出力信号に基づいて
    ノイズ打ち消しのための推定雑音信号を作成するノイズ
    キャンセル用適応ディジタルフィルタと、 近端話者による音声信号の入力を検知するために前記音
    声観測用ハンズフリーマイクロホンと適応ディジタルフ
    ィルタとの間に装備された第1音声検出器と、 遠端話者信号を入力として近端エコーを除去するための
    推定エコー信号を生成するエコーキャンセル用適応ディ
    ジタルフィルタと、 遠端話者の音声を出力するスピーカの前段に設けられて
    遠端話者による音声信号の存在を検出する第2音声検出
    器と、 前記第1および第2音声検出器の検出結果に基づいて、
    ノイズキャンセル用およびエコーキャンセル用の各適応
    ディジタルフィルタのタップ係数の更新を制御するタッ
    プ係数更新制御部とを具備したことを特徴とするハンズ
    フリー電話機。
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