JP2004077902A - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】界面活性剤と炭素数5〜6のポリオールとを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤であって、好ましくは0.01〜3.0(w/v)%のアニオン系界面活性剤と、0.1〜5.0(w/v)%の炭素数5〜6のポリオールと、0.001〜0.1(w/v)%の金属イオン封鎖剤とを含むコンタクトレンズ用液剤。または、コンタクトレンズを洗浄するために有効なタンパク分解酵素に前記特定のポリオールとホウ酸もしくはその塩を配合した酵素含有液剤。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンタクトレンズ用液剤に係り、特に、従来汎用されている殺菌剤を用いることなく、優れた防腐乃至は消毒効果を発揮すると共に、眼に対する安全性をも十分に備えたコンタクトレンズ用液剤に関するものである。また、本発明は、コンタクトレンズの洗浄に有効なタンパク分解酵素を液体状態で長期安定化させたコンタクトレンズ用液剤に関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
コンタクトレンズは人の眼に直接接触して使用されるので、これを安全且つ快適に装用するためには、定期的に洗浄・消毒等の手入れを行うことが必要となる。コンタクトレンズには涙液中の成分や、手指による取扱中に汚れが付着し、これを放置してそのまま使用を継続すれば、角膜や結膜に対し悪影響を及ぼすことが予想される。また、これらの汚れが原因でコンタクトレンズを保存中に細菌などの微生物が増殖するおそれもあり、それらの微生物によっても眼感染症などを引き起こす可能性もある。
【0003】
従来、コンタクトレンズの手入れ方法としては、目的に応じた個別の液剤により処理されていたが、近年は、使用者の利便性を考え、一つの液剤で、洗浄、保存、消毒などの全てを行う多目的タイプの液剤が主流になりつつある。この液剤には、コンタクトレンズから汚れを除去するための界面活性剤や、消毒効果または防腐効果を持たせるための殺菌剤が配合されており、当然この液剤がコンタクトレンズに付着したまま眼の中に入っても安全であるように設計されている。殺菌剤については、ハードコンタクトレンズ用液剤の場合、主としてその液剤の使用期間内の防腐効果を維持するため添加されるのであるが、液剤による洗浄・保存等の後、眼に装用する前に水道水でレンズをすすいでから装用することが推奨されているので、レンズに対する殺菌剤等の吸着・蓄積がないことが処方決定の要件とされていた。一方、ソフトコンタクトレンズ用液剤にあっては、レンズの消毒が義務づけられていることから、従来より液剤に消毒効果が求められ、最近では簡易的な方法である熱によらない化学消毒剤が普及している。ソフトレンズは装用前に水道水にてすすぐことはできない(消毒後に無菌性を保証できない溶液での処理、および浸透圧の関係から水道水すすぎをしたレンズは角膜に吸着する)ので、消毒後の液剤がそのまま眼に持ち込まれても安全であることが必須である。
【0004】
前記殺菌剤は、それ自体安全性の高いものが選択され、処方においても消毒効果や防腐効果と安全性を考慮して必要最小限の使用がなされている。例えば、ソフトコンタクトレンズの化学消毒剤においては、高分子の四級アンモニウムないしビグアニドが一般的に用いられ、高分子量であるがゆえにレンズ素材内部への殺菌剤の侵入が阻止されるよう設計されていると共に、洗浄成分は眼刺激のないノニオン系界面活性剤を使用している。しかし、この化学消毒剤の処方をそのままハードコンタクトレンズの液剤に転用することは以下の理由から困難である。
【0005】
まず第一に、レンズ素材の特性からレンズに付着する汚れとして、眼脂、手指に由来する脂質系の汚れが付着しやすく、これらの汚れを充分に除去するためには、ノニオン系の界面活性剤だけでなくアニオン系界面活性剤の使用が好ましいが、そうすると前記ソフトコンタクトレンズ用液剤に用いられるカチオン系の殺菌剤(塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、四級アンモニウムやビグアニドなど)はアニオン系界面活性剤共存下でその消毒効果を発現できなくなる。従来用いられてきた殺菌剤としては、例えばソルビン酸やホルムアルデヒドドナーなどが挙げられる。これらは、基本的に処理後にレンズを水道水ですすぐことを前提として使用されているものであり、ソルビン酸についてはレンズ素材への吸着が、ホルムアルデヒドについては殺菌剤自信の安全性がそれぞれ問題視されるおそれを内在しているのである。第二に、表面親水化処理のために蛋白質等に由来する汚れも付着しやすく、ソフトコンタクトレンズに比較して長期に渡り使用することが一般的なハードコンタクトレンズにあっては、汚れを完全に除去することがより求められるところから、酵素剤を併用することが好ましいことが挙げられる。酵素剤については、用時混合するタイプや、購入時まで別個に保存されたものを使用開始時に混合した後継続して使用するタイプ、初めから混合されているタイプの3種類がある。近年の傾向としては、用時混合するタイプよりは、利便性の優れる購入時混合タイプまたは、当初より混合されているタイプが好まれるが、これらにあっては、液剤中の酵素活性をある程度長期間維持することが求められる。そして第三に、ハードコンタクトレンズの場合には指先または手のひらによるこすり洗浄をしやすくする為に、液剤中に増粘剤を添加しレンズ表面を保護するとともに傷の発生を抑え、また界面活性剤(特にアニオン系界面活性剤)の添加により洗浄中のレンズのすべり性を向上させるなど、ソフトコンタクトレンズを処理する液剤とは種々の相違を有している。このような違いから、ソフトコンタクトレンズ用液剤とハードコンタクトレンズ用液剤とを兼用することは困難であり、それぞれ個別に目的とする液剤が調製されていた。ところで、ソフトコンタクトレンズ用液剤にあっては、前記のような多目的に使用可能な液剤が市場に導入されているが、同様な思想の下でハードコンタクトレンズにも多目的に使用可能な液剤を開発するためには、前記種々の組成物(例えば、アニオン系界面活性剤や、酵素、増粘剤など)を配合した場合にあっても、防腐効果ないしは消毒効果を発揮するような殺菌剤が求められているのである。同時に当該溶液に酵素が配合された場合には、その保存安定性を維持することができるような液剤にする必要もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここにおいて、本発明は、上述した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、種々の組成物の共存下でも、充分な防腐効果ないし消毒効果を発現することができ、眼に対して安全性の高い殺菌剤を含む、コンタクトレンズ用液剤を提供することにある。また、本発明の第二の目的は、タンパク分解酵素を含有する液剤における酵素活性の長期維持を可能ならしめる液剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、界面活性剤と特定のポリオールとを組み合わせることにより、従来の殺菌剤を用いることなく、高い防腐効果、消毒効果を発現しうること、また、タンパク分解酵素と特定のポリオールとを組み合わせることで酵素活性を維持しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の第一は、界面活性剤と炭素数5〜6のポリオールとを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤であって、特に界面活性剤としてアニオン系界面活性剤を用いることにより、その優れた洗浄効果と、これに前記ポリオールを組合わせたことによるコンタクトレンズの消毒効果を有する多目的タイプの液剤をその要旨とするものである。
【0009】
なお、かかる第一の発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、有利には、0.01〜3.0(w/v)%のアニオン系界面活性剤と、0.1〜5.0(w/v)%の炭素数5〜6のポリオールと、さらに0.001〜0.1(w/v)%の金属封鎖剤とを含む。これらの濃度範囲で用いることにより、コンタクトレンズに付着する脂質汚れなどに対する優れた洗浄力を有しつつ、従来の殺菌剤を使用しなくても消毒効果を有するコンタクトレンズ用液剤が得られるのである。また、この液剤には、蛋白質汚れを効果的に除去するためにタンパク分解酵素を添加することができ、当該タンパク分解酵素の配合にあたっては、生産時より添加しまたは用時調製であっても良く、使用期間中における酵素活性を維持する効果をも有するのである。
【0010】
次に、本発明の第二は、コンタクトレンズを洗浄するために有効なタンパク分解酵素に、炭素数5〜6のポリオールとホウ酸またはその塩を配合して、該タンパク分解酵素が液体状態で安定化されたコンタクトレンズ用液剤をその要旨とする。酵素液剤を他のコンタクトレンズ用液剤と混合して使用する場合(2液混合タイプ)には、当該ポリオール濃度は、20〜90(w/v)%の範囲で配合するのが好ましく、またホウ酸もしくはその塩は0.001〜10(w/v)%の範囲が好ましく使用される。一方、出荷当初よりタンパク分解酵素を配合して、そのまま使用される場合(一液タイプ)には、さらにポリオールを低濃度で使用することも可能である。その場合のポリオール濃度は0.1〜15(w/v)%の範囲、またホウ酸もしくはその塩は0.001〜10(w/v)%の範囲で使用される。
【0011】
さらに、第三の発明として、1,2−ヘキサンジオールを消毒ないし防腐またはタンパク分解酵素の安定化に寄与するために有効量配合したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤をその要旨とする。前記特定のポリオールのなかでも、ヘキサンの1および2位に水酸基を有する1,2−ヘキサンジオールは、最も、本発明の目的を達成するに好ましい成分である。この物質は、消毒効果、タンパク分解酵素の安定化効果に優れた効果を発揮し、しかも安全性の高い成分として、コンタクトレンズ用液剤に好適に使用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
第一の発明に従うコンタクトレンズ用液剤に用いられる界面活性剤は、眼に対する安全性の高いものであれば特に制限はないが、洗浄効果を重視すると、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。アニオン系界面活性剤としては、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を有するカルボキシ化エーテル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を有するアルキルエーテルリン酸塩/硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エーテル、N−アシルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などが挙げられる。これらは単独でも、また二種以上を組み合わせて用いることもできる。アニオン系界面活性剤は脂質汚れに対して非常に優れた洗浄力を示し、コンタクトレンズの装用中に生じた眼脂由来の汚れはもとより、レンズのはめはずしに際して手指からの汚れに対しても洗浄効果が高いので、通常のレンズの処理に際しては擦り洗いを必要とせず、浸漬するのみで充分な洗浄効果が得られる。この使用濃度は、0.01〜3.0(w/v)%の範囲が好ましく、0.02〜1.0(w/v)%がより好ましい。アニオン系界面活性剤濃度が0.01(w/v)%より低いと、所望の洗浄効果を発揮しえず、また3.0(w/v)%よりも高くなると、洗浄効果として充分な上に必要以上の界面活性剤による眼刺激が生じるおそれがあるからである。これらのアニオン系界面活性剤のなかでも、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン鎖を有するアルキルエーテルリン酸塩/硫酸塩、アルキル硫酸塩、が特に好ましく用いられ、それぞれ具体的には、日光ケミカルズ(株)製「OS−14」、日光ケミカルズ(株)製「SBL−4N」、日本油脂(株)製「ニッサン
パーソフトSP」などがある。
【0013】
上記界面活性剤以外にも、洗浄効果のさらなる向上、洗浄液の刺激性緩和のためにノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を添加することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンラノリンアルコール類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類等を挙げることが出来るのであり、中でも、好ましくはポリオキシエチレン鎖構造を含有しているものが採用される。また、両性界面活性剤としては、アルキルポリアミノエチルグリシン等のグリシン型、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、等の酢酸ベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルアミノプロピオン酸塩等の両性界面活性剤等が挙げられる。これらの使用濃度は、0.01〜3.0(w/v)%の範囲が好ましく、0.02〜1.5(w/v)%がより好ましい。界面活性剤濃度が0.01(w/v)%より低いと、洗浄効果を発揮しえず、また3.0(w/v)%よりも高くなると、洗浄効果として充分な上に必要以上の界面活性剤を使用することになるからである。
【0014】
本発明では、アニオン系界面活性剤を使用しても、所望の防腐、消毒効果を発現できるように炭素数5〜6のポリオールを用いることを特徴とする。一般的に使用されるカチオン系の殺菌剤は前記したように、アニオン系界面活性剤との併用により、カチオン基が中和されて微生物などへの作用が減殺されて消毒効果を発現することができないが、本発明のポリオールは、そのような影響を受けることがない。殺菌剤としてはコンタクトレンズ用に使用できるものとして他に両性の殺菌剤、ホルムアルデヒドドナー等もある。しかし、両性の殺菌剤においても後に例示するように、アニオン系界面活性剤が存在することによりその消毒効果が阻害され、また、ホルムアルデヒドドナーについてもアレルギー等の問題が生じるおそれがあることから、本発明においては前記ポリオールを選択した。ポリオールの消毒効果に関しては以前よりよく知られており、プロピレングリコールが殺菌剤として使用されているものもある。しかし、プロピレングリコールは、分子量が低いために皮膚浸透性が高く、使用者によっては刺激として感じられる場合もあるために、必ずしも適当ではない。本発明のポリオールは5〜6の炭素原子に少なくとも2以上の水酸基が結合した物であって、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロペンタン1,2−ジオールまたは1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、メチルシクロヘキサン−1,2,4−トリオール、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトロールなどが挙げられる。ポリオールの使用濃度は、0.1〜5.0(w/v)%の範囲が好ましく、1.0〜4.0(w/v)%がより好ましい。ポリオールの濃度が0.1(w/v)%より低いと、防腐効果が不十分となり、5.0(w/v)%より多くなると液剤の浸透圧が高くなって、レンズの規格や表面状態に悪影響を及ぼす可能性があるからである。これらのポリオールのなかでは、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが安全性、原料コストの面で特に好ましい。なお、これらのポリオールは、従来のイオン性殺菌剤を使用した場合のようにレンズ素材への吸着の心配がないために、より一層安全性にすぐれた液剤を提供することができる。
【0015】
本発明には、上記アニオン性界面活性剤、ポリオールに加えて金属イオン封鎖剤を添加することが好ましい。特にコンタクトレンズは涙液成分であるカルシウムイオンなどの多価金属イオンが不溶性塩として沈着しやすいので、このような汚れを除去することを目的とする。沈着した多価金属イオンは、本発明の液剤に含有される金属イオン封鎖剤により取り除かれて、コンタクトレンズが清浄に保たれる。金属イオン封鎖剤としては、眼科的に許容される化合物であれば特に制限はなく、例えばエチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩等の塩などを挙げることができる。中でも、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。金属イオン封鎖剤の使用濃度は、0.001〜0.1(w/v)%の範囲が好ましく、0.01〜0.05(w/v)%がより好ましい。金属イオン封鎖剤濃度が0.001(w/v)%より少ないと、多価金属イオンを除去する効果が不十分となり、0.1(w/v)%より多くても必要充分以上であるからである。
【0016】
本発明の前記液剤には、コンタクトレンズに付着する蛋白質汚れを効果的に除去するために、タンパク分解酵素を配合し、あるいは酵素剤の希釈・混合液として使用することができる。本発明に使用されるタンパク分解酵素としては、パパイン、ブロメライン、グラヂン、フィシン等の植物由来のプロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン等の動物由来のプロテアーゼ、バチルス属等の細菌が生産する細菌プロテアーゼ等の微生物由来のプロテアーゼ等の何れも使用することができる。具体的には、「ビオプラーゼ」(ナガセケムテックス(株)製)、「アルカラーゼ」,「エスペラーゼ」,「サビナーゼ」,「デュラザイム」,「ズブチリシンA」(ノボザイムズ・ジャパン(株)製)、「プロテアーゼN『アマノ』」,「プロテアーゼS『アマノ』」(天野製薬(株)製)、「ビオソーク」(大和化成(株)製)等を挙げることができる。液剤として初めから配合する場合のタンパク分解酵素濃度は、得ようとする洗浄効果や 使用時間等に応じて適宜決定されるが、少なすぎると、洗浄効果が充分でなくなり、本発明液剤により安定化されているとはいえ、長期間の保存ののちはある程度の酵素活性の低下がおきる。また、多すぎても汚れに作用する酵素量が限られているので、前記液剤中に、0.01〜5(w/v)%が適当である。そして、配合されたタンパク分解酵素の安定化は、前記炭素数5〜6のポリオールの存在によって有利に図られるのである。上記のようにタンパク分解酵素および他の配合成分を精製水等の溶媒に溶解して、一液タイプとして提供する以外にも、タンパク分解酵素がより一層安定な状態に維持されるように、多価アルコールを多量に含む液体酵素との二液タイプ、さらにはタンパク分解酵素を錠剤、顆粒、粉末等の固形にして供給することも可能である。
【0017】
次に、第二の発明につき説明する。第二発明はコンタクトレンズを洗浄するために有効なタンパク分解酵素に、炭素数5〜6のポリオールおよびホウ酸もしくはその塩を配合して、該タンパク分解酵素が液体状態で安定化されたコンタクトレンズ洗浄用液剤に関するものである。第一の発明にあっては、界面活性剤との併用における消毒効果を発揮させることを主目的として、当該ポリオールを配合して用いたのであるが、同じポリオールが、タンパク分解酵素との併用においては、酵素活性を維持する成分として用いることができる。従来より、多価アルコールがタンパク分解酵素の安定化に寄与することは公知であるが、炭素数5〜6のポリオールが特に好ましいことを示唆する文献はなく、もっぱらグリセリンや、プロピレングリコールを主に用い、前記特定のポリオールは例示されているにとどまっている。本発明では、これら特定のポリオールが酵素安定性のみならず、安全性、消毒効果の点で優れていることを見出したものであり、特に1,2ヘキサンジオールが好ましい。かかる第二の発明にあっては、前記特定のポリオールを酵素安定化として用いているだけでなく、第一の発明に記載したように液剤の防腐効果、消毒効果をも発現する。
【0018】
本願第二発明のうち、タンパク分解酵素含有液剤を他の適当なコンタクトレンズ用液剤に希釈して用時調製する(2液混合タイプ)場合には、タンパク分解酵素濃度が高い濃縮液として流通するので、全容量が少なくて済み、小さな容器に収納することにより搬送、保管、携帯などの面で都合がよい。この場合の、特定のポリオールの使用濃度は、20〜90(w/v)%の範囲で配合するのが好ましく、40〜80(w/v)%の範囲がより好ましい。20(w/v)%より低い濃度の場合には、相対的に酵素濃度が高いために酵素同士の分解が進行し保存により酵素活性の低下をきたし、用時の希釈によって所望の洗浄効果を得られなくなる傾向にあり、90(w/v)%より高くしても酵素の安定化に寄与することはなく、用時の希釈により調製されたコンタクトレンズ用液の浸透圧が高くなりすぎて、処理後のレンズの装用時に沁みたりするおそれがある。ここで、特定のポリオール以外にも、前記濃度範囲内で一般的な他の多価アルコールを組み合わせて使用することも可能であり、その場合の特定のポリオール濃度は全量に対して0.1〜15(w/v)%の範囲とすることができる。 ホウ酸もしくはその塩は0.001〜10(w/v)%の範囲が好ましく、0.1〜10(w/v)%の範囲がより好ましい。これらホウ酸類は酵素の安定化に寄与する効果が大きいものの、細胞毒性が高く生体に吸収された場合に過敏症状や炎症などの副作用を生じるおそれがあり(日局14改正解説書)、添加量を多く必要とすることは好ましくないため、このような濃度範囲での使用が望ましい。
【0019】
一方、初めからタンパク分解酵素を配合して流通させ、そのまま使用される場合(一液タイプ)には、前記特定のポリオールは低濃度で使用される。その場合のポリオール濃度は0.1〜15(w/v)%の範囲、好ましくは0.5〜5(w/v)%の範囲である。一液タイプの場合、酵素含有液剤を希釈しないで使用するので、ポリオール濃度が高くなると、浸透圧が高くなりすぎてコンタクトレンズ素材に対する影響や、眼刺激が高く、眼に障害が発生するおそれもあるため、前記濃度範囲での使用が望まれる。また、ホウ酸もしくはその塩は前記同様の理由から、0.001〜10(w/v)%の範囲、好ましくは0.1〜10(w/v)%の範囲で使用する。
【0020】
本願の第二発明については、前記二通りの液剤があるがそれぞれに以下の特徴を有しており、使用の目的に応じて使い分けていくことができる。すなわち、2液混合タイプの場合には、酵素液が濃縮されたものであるから、汚れの程度に応じて、汚れがつきやすい患者の場合は毎日使用し、汚れのつきにくい患者は一回/周に使用するなど使用頻度を個別に調整することができ、酵素液を他種類のコンタクトレンズ用液剤(本願第一発明の液剤をはじめ、一般に使用されるコンタクトレンズ用保存液、洗浄液など)と混合して使用できるという利点があり、1液タイプの場合は、使用するたびに酵素液を10〜200倍に希釈しなければならないという手間が省け、酵素による処理を忘れて長期の使用によりレンズに汚れが固着してしまうことがなく、常に一定のレンズ洗浄ができるという利点がある。
【0021】
また、本願の第三の発明にあっては、1,2−ヘキサンジオールを消毒ないし防腐またはタンパク分解酵素の安定化に寄与するために有効量配合したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤に関する。炭素数5〜6のポリオールの中でも、ヘキサンの末端炭素およびその隣の炭素にそれぞれ一つの水酸基を有する1,2−ヘキサンジオールは、従来のコンタクトレンズ液剤に一般的に使用されるグリセリンやプロピレングリコールに比較して、グリセリンよりも消毒効果が優れ、プロピレングリコールよりも安全性の高い物質として、またタンパク分解酵素に対する安定化効果に優れた物質としてコンタクトレンズ用液剤に好適に使用できる。この使用濃度は、前記した濃度範囲で使用される。
【0022】
ところで、一般にコンタクトレンズ用液剤には、安定したpHを維持するために従来より各種の緩衝剤を用いられる。本発明においても、製造されてから使用されるまで、または使用期間内に外気との接触で、pH変化の起こらないようにする目的で緩衝剤が使用される。具体的には、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、クエン酸緩衝剤などが挙げられ、中でも、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤との組み合わせで用いられることにより、有効な消毒効果が得られることから、特に好ましい。このような緩衝剤の濃度は、一般に0.05〜3.0(w/v)%とされ、好ましくは0.1〜1.5(w/v)%、特に好ましくは0.3〜1.0(w/v)%とされる。緩衝剤の濃度が、0.05(w/v)%より低い場合には、コンタクトレンズ用液剤のpHを一定に保つことが難しくなるからであり、また3.0(w/v)%より高くても、pHの安定性がより向上せしめられるというわけではないからである。なお、液剤のpHは、涙液に近い方が好ましく、従って5〜9の範囲が好ましい。このpHは、前記緩衝剤により容易に維持されることとなり、保存、使用期間を通じて品質の安定した状態を保つことができるのである。
【0023】
更に、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、他の添加成分として、増粘剤、等張化剤等も添加することができる。液剤の粘度を調整するために用いられる増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド及びその加水分解物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、前記各共重合体の開環生成物およびその塩、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビアガム、ガールガム等の粘性基剤が挙げられる。また、眼に対する刺激を和らげるために、等張化剤を用いることが望ましく、その場合には、一般に150〜650mOsm程度、ソフトコンタクトレンズ用液剤に用いる場合には好ましくは200〜350mOsm程度の浸透圧に調整される。そのような等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム等を用いることができる。
【0024】
本発明に従うコンタクトレンズ用液剤を調製するにあたっては、通常の水溶液を調製する場合と同様に、所定量の滅菌精製水ないし脱イオン化された水中に各成分を添加後、均一に溶解させることにより容易に得られるものである。そのようにして得られるコンタクトレンズ用液剤は澄明であり、必要に応じてオートクレーブによる滅菌・無菌濾過等を行うこともできる。また、前記所定の成分を錠剤もしくは粉末・顆粒剤として供給し、使用者によって定量容器内で精製水等を混合溶解して調製してもよい。
【0025】
こうして得られた本発明に従うコンタクトレンズ用液剤を用いた、コンタクトレンズの手入れ方法は、以下のようにして行われることとなる。先ず、眼から外したコンタクトレンズに対して、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤を数滴滴下し、かかるコンタクトレンズを親指と人差し指の間で、あるいは手の平の上に保持しながら、数秒から数十秒こすり洗いする。次いで、かかるコンタクトレンズ用液剤で濯いだのち、該液剤を充たしたケース中に10分から24時間、好ましくは30分から8時間浸漬することにより、保存・消毒を行う。ただし、これはあくまでも例示であって、本発明の液剤を用いた手入れ方法は前記に限定されるものではない。例えば、タンパク分解酵素を併用するに際しては、保存後のコンタクトレンズを水道水等ですすいでから再び装用する場合や、汚れのひどいコンタクトレンズに対しては、特殊な酸化剤等を含む洗浄剤で処理した後に、本発明の液剤に保存するなど、必要に応じた使用方法が採用される。
【0026】
上記一連の処理により、コンタクトレンズを効果的、かつ簡便に洗浄消毒することができ、従来の殺菌剤を使用しなくても消毒効果を有するので、コンタクトレンズへの殺菌剤の吸着・蓄積といった問題が有利に解決されることとなる。
【0027】
【実施例】
以下本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係るコンタクトレンズ用液剤について、幾つかの実施例を示す。なお、表に示す各成分は(w/v)%で示す。
【0028】(実施例1 及び比較例1)
−消毒効果試験−
供試菌としてセラチア・マルセセンス(S.m.:Serratia marcescens ATCC 13880)、シュードモナス・エルギノーサ(P.a.:Pseudomonas aeruginosa ATCC9027)、スタフィロコッカス・アウレウス(S.a.:Staphylococcus aureus ATCC6538)、を用い、SCD寒天培地で33℃×24時間培養したものを用いて、それぞれ滅菌済ダルベコリン酸緩衝剤(以後、DPBSTという)に懸濁し、107〜108cfu/mlの供試菌液となるように調製した。
【0029】
一方、本発明例液剤No.1〜6 及び比較例液剤No.1〜2の各種のコンタクトレンズ用液剤を、下記表1に示される成分組成において調製するとともに、そのpHを調製した。なお、アニオン系界面活性剤としてαオレフィンスルホン酸ナトリウム(商品名「OS−14」:日光ケミカルズ(株)製)を、ポリオールとして1,2−ペンタンジオール(商品名「ハイドロライト−5」:(株)感光社製)、1,2−ヘキサンジオール(商品名「KMO−6」:(株)感光社製)を用いた。また他に金属イオン封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(商品名「クレワットN」:ナガセケムテックス(株)製)、ホウ酸緩衝剤、等張化剤(NaCl)、ノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンセチルエーテル(40)(商品名「BC40TX」:日光ケミカルズ(株)製)および両性界面活性剤としてラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム(商品名「デリファット151C」:コグニスジャパン(株)製)をそれぞれ添加した。この調製された各種コンタクトレンズ用液剤の10mlを、それぞれ、別の滅菌済試験管に取り、そこへ各種の供試菌液の0.05mlを加えた。その後、それら各種の供試菌液配合液を、23℃の恒温槽中にて保管し、そして該配合液の調製から4時間後に各配合液の一定量を取り出し、それぞれの配合液について、滅菌済DPBSTを用いて希釈し、寒天平板混釈法によって生菌数を調べた。この寒天平板混釈法における培養には、SCDLP寒天培地を用いて33℃×5日間の条件で培養した。
【0030】
上記の方法により、接種直後の生菌数と、配合液の調製から4時間後の生菌数を求め、そして、かかる測定にて得られた生菌数から、下記の計算式に従って、対数に換算した菌減少量を求めた。
菌減少量〔対数換算〕=LOG(調製直後の菌懸濁1ml中の生菌数)−LOG(処理後の菌懸濁液1ml中の生菌数)
その結果を合わせて表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
表1の結果より本発明に係る液剤No.1〜6に係るコンタクトレンズ用液剤を用いた場合には、比較液剤No.1で示されるポリオールを用いない場合と比較して高い消毒効果があることが分かる。また比較液剤No.2で示されるグリセリンを用いた場合には、ほとんど消毒効果が認められなかった。
【0033】(実施例2 及び比較例2)
−防腐効果試験−
供試菌としてアスペルギルス・ニガー(A.n.:Aspergillus niger)を用いて、SGA培地(サブロー・ブドウ糖寒天培地)で23℃×7日間培養したものを用いて、0.05%ポリソルベート添加滅菌生理食塩水に懸濁し、107〜108cfu/mlの供試菌液となるように調製した。他に、S.a.およびP.a.は、懸濁を滅菌済生理食塩水(以後、生食水という)とした以外は、実施例1と同様の操作により準備した。実施例1に記載の消毒効果試験において、配合液からのサンプル採取時間(4時間)を2週間後または4週間後とし、希釈を生食水とした以外は、前記同様の操作を行い、液剤No.4および比較液剤No.2を用いて、防腐効力について評価した。なお、A.n.についての寒天平板混釈法における培養条件は、GPLP寒天培地を用いて23℃×7日間の条件である。その結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】
表2の結果より本発明に係るコンタクトレンズ用液剤を用いた場合には、比較液剤No.2で示されるポリオールを用いない場合と比較して高い防腐効果があることが分かる。
【0036】(実施例3、比較例3及び比較参考例)
−消毒効果:他の殺菌剤との比較−
表3に示される成分組成においてコンタクトレンズ用液剤を調製(液剤No.7)し、他の殺菌剤をアニオン系界面活性剤と併用した場合について試験した。なお、ノニオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名「ノニオンHS−220」:日本油脂(株)製)殺菌剤は、コンタクトレンズ(特にソフトコンタクトレンズ)の消毒に一般的に使用されるカチオン系殺菌剤としてポリヘキサメチレンビグアニド(商品名:コスモシルCQ、アビシア(株)製)を、両性の殺菌剤としてジオクチルアミノグリシン塩酸塩(商品名:サラボン、竹本油脂(株)製)を用いた。前記実施例1と同様の消毒効果試験を行った結果を表2に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
表3の結果より比較液剤No.3〜4で使用される一般的殺菌剤は、アニオン系界面活性剤が存在しない液中で優れた消毒効果を示す(比較参考例1〜2)が、アニオン系界面活性剤の存在により著しく効果が削減されることがわかる。なお、本発明例におけるポリオール濃度が比較例の一般的殺菌剤に比して高く用いられているかの様に思われるが、殺菌剤の濃度は効果と安全性とから導き出されるものであって、例えば、アニオン系界面活性剤の存在下において前記一般的殺菌剤を、本発明例のポリオールのごとき使用量で用いたとすれば、多少消毒効果があるようになるかもしれないが、そのような高濃度で使用されると安全性に問題が生じるため、上記濃度設定としたものである。
【0039】(実施例4)
−洗浄効果試験−
表1に示す本発明例液剤No.1〜6のコンタクトレンズ用液剤について、以下のようにして、洗浄効果試験を行った。先ず、かかる洗浄効果試験に用いるために、ソルビタンモノオレイン酸エステル:6w/v%、ヒマシ油:16w/v%、ラノリン:35w/v%、オレイン酸:5w/v%、ソルビタントリオレイン酸エステル:4w/v%、セチルアルコール:2w/v%、コレステロール:2w/v%、及び酢酸コレステロール:30w/v%を溶解し、攪拌によって均一化された人工脂質液2.5部と、生理食塩水97.5部とを混合して人工脂質溶液を調製した。
【0040】
酸素透過性ハードコンタクトレンズ(商品名「メニコンスーパーEX」:(株)メニコン製)を供試レンズとして用意し、その表面に前記人工脂質溶液を5μLずつ、レンズ両面に均一に付着させて、人工脂質汚れ付着レンズを得た。そして、この得られた人工脂質汚れ付着レンズを手の平にとり、これに本発明例液剤No.1〜6のコンタクトレンズ用液を2〜3滴滴下し、指先で5秒間こすることにより、コンタクトレンズの洗浄処理を行った。
【0041】
かかる洗浄処理の後、コンタクトレンズの外観を観察したところ、いずれの本発明例の液剤を使用したものであっても、コンタクトレンズに付着した人工汚れは完全に除去されていた。この結果から明らかなように、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、その優れた消毒効果に加えて、優れた洗浄効果も有しているのである。
【0042】(実施例5)
−蛋白除去効果試験−
表1に示す本発明例液剤No.1〜6のコンタクトレンズ用液剤について、これに液体酵素を混合して得られる溶液の蛋白除去効果試験を以下のようにして行った。まず、かかる蛋白除去効果試験に用いるために、牛製アルブミン:0.388(w/v)%、牛製γ−グロブリン:0.161(w/v)%、卵白リゾチーム:0.12(w/v)%、塩化ナトリウム:0.9(w/v)%、塩化カルシウム二水和物:0.015(w/v)%、リン酸二水素ナトリウム二水和物:0.104(w/v)%を水に溶解して調製し、1N水酸化ナトリウムを用いてpH7.0にした人工涙液を準備した。
【0043】
試験用の前記ハードコンタクトレンズを用意し、このコンタクトレンズを前記人工涙液10ml中に浸漬したまま、80℃×30分の熱処理を施し、その後、水道水で擦り洗いした。この操作を5回繰り返した後、レンズ表面が完全に白濁しているのを確認して、これらの人工白濁レンズを試験レンズとし、以下の実験に用いた。なお、作成した人工白濁レンズに対し、後述の方法にて画像解析を施して、白濁汚れの度合いを求めたところ、得られた白濁度はすべて255であった。
【0044】
−画像解析方法−
CCDカメラ・XC−77(ソニー(株)製)により、処理レンズをモノクロで画像として入力した後、IMAGE・ANALYZER・V2(東洋紡績(株)製)によりA/D変換を行い、画像を縦横512画素に分解する。それぞれの濃淡について256階調の輝度に分割したデジタル画像への変換を行い、それら全ての濃度値について、ヒストグラムの高さが同じになるように濃度値を変換する。
【0045】
酵素を含む液剤は、タンパク分解酵素(商品名:ビオプラーゼ:ナガセケムテクス(株)製)を2.0(w/w)%、ホウ砂を10.0(w/w)%、グリセリンを60.0(w/w)%、水を38.0(w/w)%混合調製したもので、前記コンタクトレンズ用液剤10mLに対して0.3mL添加した。この混合溶液に、前記人工白濁レンズを浸漬し、室温で4時間保存したのち、レンズを取り出し、水道水で擦り洗いをし、乾燥させ、レンズに残存した白濁汚れの度合いを、前記の方法にて画像解析にて求めた。その結果、得られた白濁度は10〜22であり洗浄効果が極めて良好であることを示した。なお、汚れ付着前の未処理レンズの白濁度は、2〜8であった。
【0046】(実施例6)
−酵素の安定性試験1−
本発明例液剤No.4及び比較液剤No.1のコンタクトレンズ用液剤に、前記酵素を0.12%になるように混合し、当該液剤の酵素活性を、下記の手法に従って測定する一方、25℃で6ヶ月保存した後、又は35℃で6ヶ月保存した後にも、同様にしてそれぞれの酵素活性を測定し、下式に従って、残存酵素活性を算出した。
【0047】
−タンパク分解酵素の活性測定(TNBS法)−
各液剤(サンプル)0.6mlに1%亜硫酸ナトリウム溶液0.9mlを添加し、50℃で約2分放置する。そののち0.4%DMC基質溶液(20mlの精製水をバイアルビンに入れ、ホットプレートで80〜100℃に加温し、ジメチルカゼイン(ノボザイムズ・ジャパン(株)製)を0.20g加え20分程スターラーで撹拌して完全に溶かす。溶解後、ホウ酸緩衝液(ホウ砂4.28gとリン酸2水素ナトリウム・2水和物4.15gを精製水100mlに溶解したもの)20mlを加え、さらに精製水で全容50mlとした溶液)0.6ml添加し50℃で1分後、0.1%2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(TNBS)溶液を0.15ml加えてさらに50℃で25分置く。反応後、1.5mlの冷水を加えて、室温で25分置き、波長425nmにて吸光度(対照としてはサンプルの代わりに1%亜硫酸ナトリウム溶液0.6mlを使用したものをおいて)を測定する。酵素濃度既知の溶液を予め前記同様の方法により測定して検量線を作成しておき前記測定結果の吸光度からサンプルの酵素濃度を決定する。
残存酵素活性(%)=(保存後のタンパク分解酵素活性/調製時のタンパク分解酵素活性)×100
【0048】
本発明例液剤No.4の液剤については25℃で6ヶ月保存した酵素の残存活性は、100%、35℃で6ヶ月保存した酵素の残存活性は85%であったのに対し、比較液剤No.1の液剤については、25℃で6ヶ月保存した酵素の残存活性は、40%、35℃で6ヶ月保存した酵素の残存活性は0%であった。この結果より、本発明の液剤により酵素活性を高く維持した状態で長期間の保存・使用が可能であることがわかる。
【0049】(実施例7)
−酵素の安定性試験2−
表4に示すように本発明例液剤No.8〜9および比較液剤No.5〜6を調製し、実施例5と同様の方法により安定性試験を実施した。その結果を併せて表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
表に示す結果より、本発明の特定ポリオールにおいては、他のポリオールに比較して、低濃度下であってもタンパク分解酵素安定性に優れることが判る。
【0052】(実施例8)
本発明例液剤No.4のコンタクトレンズ用液剤に関し、コンタクトレンズに対する影響について以下の試験により確認した。
−レンズ適合性試験−
本発明例液剤No.4に実施例5と同様に酵素を0.12%になるように混合し、混合液2mlに酸素透過性ハードコンタクトレンズ(商品名「メニコンZ」:(株)メニコン製)を1枚浸漬し、25℃で1ヶ月保存(但し、毎日液を交換した)後、当該レンズ(n=3)の外観、規格(ベースカーブ、パワー、サイズ)、光線透過率、表面の水濡れ性、接触角を測定し、試験前のレンズと比較した。なお、対照として現在市販されているコンタクトレンズ用洗浄保存液(商品名「オーツーケアミルファ」:(株)メニコン製)を使用した。その結果、本発明例、対照ともに外観、規格、光線透過率に関し、試験前のレンズのそれとの間に差が無かった。水濡れ性については、本発明例、対照ともに試験前に比較して若干向上が認められ、接触角による評価については試験前47°のものが、本発明例では39°、対照では50°であり、対照に比して同等以上の有効性を有すると判断できた。従って、本発明例の液剤はレンズに対し、悪影響を与える物ではなく、良好な適合性を有していることが判る。
【0053】(実施例9)
本発明例液剤No.4のコンタクトレンズ用液剤に関する安全性に関して以下の試験により確認した。
−処理レンズの抽出物家兎眼点眼試験−
(試験溶液の調製) 本発明例液剤No.4の液剤2mlに、酸素透過性ハードコンタクトレンズ(商品名「メニコンEX」:(株)メニコン製)1枚を8〜12時間浸漬した後取り出して、同液剤を2〜3滴レンズに滴下し、指先にて5秒間こすり洗浄後、水道水にて5秒間すすぎ、再び新しい液剤2ml中に浸漬するサイクルを30回繰り返した。同じ処理をしたレンズを20枚準備し、10ml容バイアル瓶に10枚づつ入れ、一方には生理食塩液2mlを、もう一方にはゴマ油2mlを加える。37±1℃で72時間レンズからの抽出処理を行い、外液を取り出して24時間以内に点眼試験に用いる。対照として、現在市販されているコンタクトレンズ用洗浄保存液(商品名「オーツーケア」:(株)メニコン製)で同様に処理し、抽出した液を用いた。
(点眼試験) 兎の片眼に生理食塩水抽出試験液0.1ml、他方の眼に生理食塩水抽出対照液0.1mlを点眼し、30秒間閉眼させたのち、即時刺激性を観察した。この点眼を全部で3匹の兎に対して行い、点眼後1、24、48、72時間後に前眼部の状態を肉眼及びスリットランプを用いて観察し、Draizeの評価方法に従い、前眼部所見を記録した。ゴマ油抽出物についても3匹の兎に同様の試験を行った。
【0054】
前記試験の結果、本発明例と対照の間に差はなく、生理食塩水またはゴマ油により抽出されたものに、即時刺激性は認められず、Draize法による評価でも「無刺激物」であると判断された。よって、本液剤の安全性が高いことが証明された。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のコンタクトレンズ用液剤は、アニオン系界面活性剤を使用した場合であっても炭素数5〜6のポリオールを組み合わせて使用することにより優れた消毒効果を示し、コンタクトレンズの洗浄効果が高く、さらに成分のコンタクトレンズへの吸着・蓄積といった問題を起こすこともない安全性の高い液剤を提供することができるので、コンタクトレンズ使用者にとって安心してかつ簡便にコンタクトレンズをケアすることができる。
Claims (9)
- 界面活性剤と炭素数5〜6のポリオールとを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
- 界面活性剤がアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ用液剤。
- 0.01〜3.0(w/v)%のアニオン系界面活性剤と、0.1〜5.0(w/v)%の炭素数5〜6のポリオールと、0.001〜0.1(w/v)%の金属イオン封鎖剤とを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
- コンタクトレンズを洗浄するための有効量のタンパク分解酵素をさらに含み、当該タンパク分解酵素に対して安定化するように機能することを特徴とする請求項1〜3記載のコンタクトレンズ用液剤。
- コンタクトレンズを洗浄するために有効なタンパク分解酵素に、炭素数5〜6のポリオールおよびホウ酸もしくはその塩を配合して、該タンパク分解酵素が液体状態で安定化されたコンタクトレンズ洗浄用液剤。
- コンタクトレンズを洗浄するために有効なタンパク分解酵素に、0.1〜15(w/v)%の炭素数5〜6のポリオールおよび0.001〜10(w/v)%のホウ酸もしくはその塩を配合して、該タンパク分解酵素が液体状態で安定化されたコンタクトレンズ洗浄用液剤。
- ポリオールが1,2−ペンタンジオールまたは1,2−ヘキサンジオールから選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜6記載のコンタクトレンズ用液剤。
- コンタクトレンズを洗浄するための有効量のタンパク分解酵素と、20〜90(w/v)%の多価アルコールとを含む液体酵素剤を、0.01〜3.0(w/v)%のアニオン系界面活性剤と、0.1〜5.0(w/v)%の炭素数5〜6のポリオールと、0.001〜0.1(w/v)%の金属イオン封鎖剤とを含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤に対して、10〜200倍に希釈することにより調製される、コンタクトレンズ洗浄用液剤。
- 1,2−ヘキサンジオールを防腐ないし消毒、またはタンパク分解酵素の安定化に寄与するために有効量配合したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
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