JP4827232B2 - コンタクトレンズ用ケア用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、消毒効果を有するコンタクトレンズ用ケア用剤に関する。詳しく述べれば、メチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物を添加した洗浄剤、洗浄保存剤、保存剤、消毒剤などのコンタクトレンズ用ケア用剤に関する。
コンタクトレンズは、装用の際に蛋白質や脂質等の汚れが付着すると装用感の悪化、視力の低下等の問題が生じるので、快適かつ適切に装用するためには、定期的な洗浄が必要不可欠である。従来から界面活性剤、緩衝剤、防腐剤などを主成分としたコンタクトレンズ用洗浄保存剤、蛋白質および脂質汚れに対しては酵素を含有したコンタクトレンズ用酵素洗浄保存剤が使用されている。さらに最近では抗菌効果を付与し、より安全かつ衛生的なコンタクトレンズケアを目的とした製品が開発、上市されている。
含水性高分子であるソフトコンタクトレンズは、雑菌が繁殖しやすいため、装用に際して消毒処理が義務付けられている。一方、酸素透過性ハードコンタクトレンズは、非含水性の素材であるため消毒処理は義務付けられてはいない。しかし、より安全かつ衛生的にコンタクトレンズを取り扱うには、消毒処理を行うことが好ましい。
コンタクトレンズ用ケア用剤には、防腐効果を有するソルビン酸およびその塩、チメロサール、消毒効果を有する塩化ベンザルコニウム、クロロヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩酸アルキル(ポリ)アミノエチルグリシン等が用いられていたが、これらの防腐・消毒剤は各々に問題点がある。例えば、ソルビン酸およびその塩は経時的な黄変・変色とともに防腐効果が低下し、チメロサールは、有機水銀化合物であるため既に日本国内での使用が規制されている。また、塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩系消毒剤、クロロヘキシジン等のビグアニド系消毒剤、塩酸アルキル(ポリ)アミノエチルグリシン等の両性界面活性剤系消毒剤は、水溶液中で陽イオン性を示すことから、陰イオン界面活性剤と組合せて用いた場合には、防腐・消毒効果の低下・失活、およびレンズ表面への吸着・蓄積や光学特性の変化など、コンタクトレンズに対して悪影響を及ぼすといった問題がある。
さらに、ラウリル硫酸ナトリウムなど、防腐効果を示す陰イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤では、防腐以上の効果を得るのに必要な配合量が高濃度となるため、コンタクトレンズに対して悪影響を及ぼすなどの問題がある。
このように、コンタクトレンズ用ケア用剤の消毒剤として、従来から公知の防腐剤、水液中で陽イオン性を示す消毒剤や界面活性剤を用いるには課題があった。
ところで、一般的な消毒剤としては次亜塩素酸、次亜塩素酸塩、および次亜塩素酸エステルなどの塩素系消毒剤が挙げられる。これらのハロゲン系消毒剤全般の欠点は、水溶液中での安定性が低く、有効濃度が経時的に減少することである。
そのため、水溶液中における有効塩素の活性を長期間持続させて、塩素処理効果を高める活性持続剤としてヒダントイン化合物の使用が提案されている(特許文献1参照)。
また、コンタクトレンズ用ケア用剤の分野では、尿素過酸化物と塩素系化合物からなる洗浄・消毒剤が開示されている(特許文献2参照)。ここでは、塩素系化合物としてジクロロシアヌル酸塩や1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインなどが挙げられている。
しかしながら、ハロゲン系消毒剤は、活性持続剤を用いた場合であっても、有効濃度の経時的な減少は避けられず、保存寿命の長期化が困難である。さらに、酸化力が非常に強く漂白作用を有するため、コンタクトレンズ用ケア用剤に用いた場合、コンタクトレンズの脱色、皮膚や眼粘膜に対する刺激性といった問題がある。
また、ジメチルヒダントインにホルムアルデヒドを反応させて得られるメチロール化ヒダントインは防腐効果を有し、化粧品の分野ではシャンプーなどの防腐剤として用いられている。例えば、5,5−ジメチルヒダントインとホルムアルデヒドの縮合組成物と水溶性キレート剤との混合物からなる抗微生物組成物が開示されている(特許文献3参照)。
コンタクトレンズ用ケア用剤の分野では、メチロール化ヒダントイン、水溶性キレート化剤、界面活性剤、および粘調剤としてイソブチレン−無水マレイン酸共重合体を共存させた洗浄・保存剤が開示されている(特許文献4参照)。これらに使用されるメチロール化ヒダントインとしては、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチロール−5,5−ジメチルヒダントイン、および3−メチロール−5,5−ジメチルヒダントインが挙げられている。これらの化合物は、ホルムアルデヒドとヒダントインとの縮合によって生成されるホルムアルデヒド供与体であり、メチロール化ヒダントイン含有量が低濃度であっても、ホルムアルデヒドを長期間に亘って放出するため、十分な防腐効果を発揮する。
ホルムアルデヒドは、工業製品だけでなく化粧品などのパーソナルケア製品の保存寿命を延長するためにも広く用いられる抗微生物剤(アルデヒド系消毒剤)として知られる。
しかしながらホルムアルデヒドは、特に高濃度において不快な臭気、皮膚や眼粘膜に対する刺激性、高い揮発性により保存寿命の長期化が困難といった多くの欠点があるばかりでなく、健康を害する恐れがあるため医療社会や規制官庁による監視が増々厳しくなってきている。
特公昭56−50638号公報 特開昭59−206816号公報 特開昭55−154906号公報 特許第2851405号公報(特開平4−1343173)
コンタクトレンズ用ケア用剤の分野での消毒成分としては、第4級アンモニウム塩系消毒剤、ビグアニド系消毒剤、両性界面活性剤系消毒剤が一般的に用いられている。
しかし、洗浄成分として洗浄力に優れる陰イオン界面活性剤を共存させた水溶液中では、イオンコプレックスの形成により白濁・沈殿を生じて消毒効果、洗浄効果ともに低下・失活するので消毒と洗浄を両立した効果は得られない。
洗浄成分として非イオン界面活性剤を用いた場合は、消毒効果の低下は少ないが、陰イオン界面活性剤と比べて洗浄力自体が著しく劣るため、消毒効果と洗浄効果の両立には至らない。
陽イオン性と陰イオン性の両方の性質を有する両性界面活性剤を用いた場合は、水溶液のpHによってイオン性が変化するため、発現する効果は消毒あるいは洗浄のどちらか一方となる。例え、水溶液のpHを制御しても陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤を単独で用いた場合と同等の効果を同時に得ることは困難であり、消毒効果と洗浄効果の両立は十分ではない。
特許文献3と特許文献4に記載のメチロール化ヒダントインは、水溶液中でイオン性を示さないため、陰イオン界面活性剤との共存下でも洗浄力を低下させることはない。
しかし、コンタクトレンズ用ケア用剤に用いる場合、例え低濃度であってもホルムアルデヒド供与体であり、依然として安全性への危惧が残る。また、メチロール化ヒダントインからのホルムアルデヒド放出量が経時的に減少することによって効果が低下するので、消毒効果の長期間維持することには課題が残る。
以上述べたように、コンタクトレンズ用ケア用剤として、良好な洗浄効果を有する陰イオン界面活性剤と共存させた場合にも消毒効果を発揮して洗浄効果と両立でき、かつ安全性の高い消毒成分が望まれていた。
本発明の目的は、良好な消毒効果と洗浄効果を発揮するコンタクトレンズ用ケア用剤を提供することにある。詳しく述べれば、界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤の共存下においても、優れた消毒効果と洗浄効果を両立させたコンタクトレンズ用ケア用剤を提供することにある。
本発明は、水溶液中でホルムアルデヒドや次亜塩素酸などを発生しない消毒成分を用いたコンタクトレンズ用ケア用剤である。
具体的には、メチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物を含有するコンタクトレンズ用ケア用剤である。
また、本発明はメチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物、界面活性剤を含有するコンタクトレンズ用ケア用剤である。
さらに、本発明はメチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物、界面活性剤、蛋白分解酵素を含有するコンタクトレンズ用ケア用剤である。
コンタクトレンズ用ケア用剤として有用なヒダントイン化合物を含有させることで、優れた消毒効果と洗浄力の両立が可能で、かつ安全性に優れた洗浄剤、保存剤、洗浄・保存剤、溶解水、コンデショニングソリューション、リンスソリューション、マルチパーパスソリューション(消毒剤)等のコンタクトレンズ用ケア用剤を提供できる。
上記の課題を解決すべく界面活性剤、特に良好な洗浄力を発揮する陰イオン界面活性剤の共存下でも有効な消毒成分について鋭意検討を重ねた結果、意外にも有害物質を発生しないヒダントイン化合物で消毒効果と洗浄効果の両立が可能であることを見出した。
具体的には、ホルムアルデヒドなどの有害物質を放出するメチロール化ヒダントイン、ハロゲン化ヒダントインを除いたヒダントイン化合物がコンタクトレンズ用ケア用剤として好ましい効果を発揮するという知見を得て本発明を完成するに至った。
ヒダントイン化合物、例えば、5,5−ジメチルヒダントインは、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントインなどのメチロール化ヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインなどのハロゲン化ヒダントインの原料、水溶性高分子などの有機合成原料、エポキシ樹脂などの各種中間体、医薬品原料として用いられている。
しかし、コンタクトレンズ用ケア用剤の消毒成分として用いた場合、イオン性消毒剤とは異なり、陰イオン界面活性剤との共存下でもその洗浄力を阻害せず洗浄効果を維持し、消毒効果を発揮することは知られていない。
本発明に使用できるヒダントイン化合物は、例えば、ヒダントイン、5−メチルヒダントイン、5−エチルヒダントイン、5−プロピルヒダントイン、5−イソプロピルヒダントイン、1−ブチルヒダントイン、3−ブチルヒダントイン、5−シクロヘキシルヒダントイン、5−フェニルヒダントイン、5−ベンジルヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジエチルヒダントイン、5,5−ジブチルヒダントイン、5,5−ジシクロヘキシルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン、1,3−ジベンジルヒダントイン、3−エチル−5−フェニルヒダントイン、5−(p−メトキシフェニル)ヒダントイン、5−(p−ヒドロキシフェニル)ヒダントイン、1−アミノヒダントイン、3−アミノヒダントイン、5−(3−アミノプロピル)ヒダントイン、1,3−ジ(アミノプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、1,5−トリメチレンヒダントインなど、および、これらのナトリウム塩、カリウム塩、などを挙げることができる。これらのヒダントイン化合物は、1種を単独、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、5,5−ジメチルヒダントインを特に好適に使用することができる。
ヒダントイン化合物であっても、メチロール化ヒダントイン、ハロゲン化ヒダントインのように有害物質を発生する種類の化合物は、安全性の面から用いることができない。
5,5−ジメチルヒダントインは、各種のコンタクトレンズ用ケア用剤に添加することができるが、その配合量は0.5〜13.5(W/V)%、好ましくは1.0〜6.5(W/V)%の範囲である。0.5%未満では消毒効果が十分ではなく、また13.5%を越えても消毒効果の顕著な向上は認められないからである。
本発明は、メチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物、界面活性剤を含有するコンタクトレンズ用ケア用剤であることが好ましい。本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤の場合には、5,5−ジメチルヒダントインを含有する溶液に陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤の中から選択した界面活性剤を添加することができる。洗浄効果向上を所望の場合には陰イオン界面活性剤、または陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤を組合せて添加するのが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド等のアルキロールアマイド等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン型、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型、N−[3−アルキル(12,14)オキシ−2−ヒドロキシプロピル]−L−アルギニン塩酸塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤の配合量は、コンタクトレンズ、ヒダントイン化合物の消毒効果、および蛋白分解酵素の安定性などに悪影響を与えることなく、且つ眼に対する刺激のない濃度であれば特に制限はないが、好ましくは0.05〜20(W/V)%、より好ましくは0.1〜5(W/V)%の範囲である。
本発明は、メチロール化ヒダントインおよびハロゲン化ヒダントインを除くヒダントイン化合物、界面活性剤、蛋白分解酵素を含有するコンタクトレンズ用ケア用剤であることが好ましい。特に、蛋白質汚れの洗浄効果向上を所望の場合には、5,5−ジメチルヒダントインと界面活性剤を含有する溶液に蛋白分解酵素を添加することができる。蛋白分解酵素としては、パパイン、ブロメライン、グラヂン、フィシン等の植物由来のプロテアーゼ、トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン等の動物由来のプロテアーゼ、バチルス属等の細菌が生産する細菌プロテアーゼ等の微生物由来のプロテアーゼ等の何れも使用することができる。
上記の蛋白分解酵素の中でも、界面活性剤、特に陰イオン界面活性剤を含有する水溶液中における酵素の安定性から、バチルス属由来の細菌プロテアーゼが好ましい。このような蛋白分解酵素としては、「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業株式会社製)、「サブチリシンA」、「アルカラーゼ」、「エスペラーゼ」、「サビナーゼ」(ノボザイムズ株式会社製)、「プロテアーゼNアマノ」(天野製薬株式会社製)等が挙げられる。また、蛋白分解酵素の配合量は、洗浄効果に応じた有効量に基づいて適宜決定されるものであるが、好ましくは0.01〜10(W/V)%、より好ましくは0.05〜5(W/V)%の範囲である。
界面活性剤共存下での蛋白分解酵素の安定性を向上させる場合には、水溶性多価アルコール、トリメチルグリシンを添加することもできる。
水溶性多価アルコールとしては、その種類に特に制限はなく、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられるが、好ましくは、微生物の増殖を抑制する静菌作用を有するプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールである。
その配合量は、コンタクトレンズ用洗浄保存剤として、洗浄力およびコンタクトレンズに悪影響を与えることのない濃度であれば特に制限はないが、蛋白分解酵素の安定性、並びに、性状および触感を考慮すると、好ましくは5〜50(W/V)%、より好ましくは10〜35(W/V)%の範囲である。5%未満では蛋白分解酵素の安定性が十分ではなく、また50%を越えても安定性の顕著な向上は認められない。
また、トリメチルグリシンの配合量は、好ましくは3〜15(W/V)%、より好ましくは5〜15(W/V)%の範囲であり、水溶性多価アルコールとトリメチルグリシンの配合量の合計は、好ましくは8〜65(W/V)%、より好ましくは10〜45(W/V)%の範囲である。8%未満では蛋白分解酵素の安定性が十分ではなく、また、65%を越えても安定性の顕著な向上は認められないばかりか、洗浄力が発現しなくなることに加え、性状および触感がコンタクトレンズ用ケア用剤として不適なものとなる。
本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤は、眼に対する刺激や、コンタクトレンズに対して悪影響を与えないために、好ましくはpH5〜9程度に、より好ましくはpH6〜8程度の範囲に調製される。そのため、本発明では必要に応じて緩衝剤を添加する。
緩衝剤としては、従来から用いられているものの中から、消毒効果と洗浄効果、および蛋白分解酵素の安定性を損なうことのないものを適宜選択して用いる。具体的には、トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸あるいはクエン酸とを組み合わせた緩衝剤や、ホウ酸および/またはホウ砂を組み合わせた緩衝剤等が挙げられ、好ましくは、微生物の増殖を抑制する静菌作用を有し、蛋白分解酵素の安定化に寄与するホウ酸および/またはホウ砂を組み合わせた緩衝剤である。
緩衝剤の配合量は、好ましくは0.1〜10(W/V)%の範囲である。0.1(W/V)%未満では十分なpH安定性が得られず、また、10(W/V)%を越えてもpHの顕著な安定性が認められないばかりか、低温下で保存する場合に緩衝剤が析出する等の問題を生じる可能性がある。
本発明では、本発明の目的・効果・作用を阻害するものでなければ、上記成分の他に増粘剤、pH調整剤、キレート剤、およびその他酵素剤等も添加することができる。例えば増粘作用を有する天然系および合成系水溶性高分子として、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、リン脂質類似重合体のポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられ、これらの中から単独あるいは適宜組合せて使用することができる。
上記成分のうち増粘作用に加えてレンズ表面の親水性向上も期待できる成分としてポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましく用いられる。特に、ポリ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンは商業的に容易に入手でき、本発明のコンタクトレンズ用ケア用剤には好適であり、通常0.01〜10(W/V)%の範囲で用いられる。
pH調整剤としては、塩酸、リン酸、水酸化ナトリウム等を、キレート剤としては、エデト酸2ナトリウムなどのエデト酸塩を、酵素剤としては脂質分解酵素等を適宜、適量加えることもできる。
本発明は、目的に応じて用時調製用の顆粒、粉末、タブレット、ゲル等の剤形として用いることができる。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。なお、実施例における単位は、特に断らない限りW/V%である。
(実施例1〜5、比較例1〜4)
表1に記載した各配合成分を精製水中に混合,溶解して、実施例、および比較例のコンタクトレンズ用ケア用剤の各処方を調製して次の評価試験を行った。
[1.除菌・消毒効果]
実施例1と比較例1のコンタクトレンズ用保存剤、実施例2〜4と比較例2〜4のコンタクトレンズ用洗浄保存剤、実施例5のコンタクトレンズ用消毒剤についての除菌・消毒効果を下記の手順で評価した。
試験菌株として、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa:ATCC 9027)、黄色ブドウ球菌 (Staphylococcus aureus:ATCC6538)、霊菌(Serratia marcescens:ATCC13880)、の細菌3種類、およびカンジダ(Candida albicans:ATCC 10231)の真菌1種類を用いた。細菌類については、ソイビーンカゼイン寒天培地の斜面培地上で35℃×24時間培養した菌原体に、滅菌済みダルベッコリン酸緩衝生理食塩水を加えて回収した懸濁液(108〜109cfu/mL)を試験菌原液とした。真菌類については、ブドウ糖ペプトン寒天培地の斜面培地上で35℃×24時間培養した菌原体に、滅菌済みダルベッコリン酸緩衝生理食塩水を加えて回収した懸濁液(108〜109cfu/mL)を試験菌原液とした。
あらかじめ無菌化したコンタクトレンズ用溶液10mlに、終末濃度105〜106cfu/mLになるように上記各試験菌原液0.1mLを接種した後、25℃のインキュベーター中で保管した。所定の消毒時間経過後に、微生物接種後の各試験液1mLを採取し、滅菌済みの不活化剤入り液体培地(Letheen Broth)9mLに添加(10倍希釈)した後、さらに滅菌済みダルベッコリン酸緩衝生理食塩水を用いて連続した10倍希釈系列を調製し、適当な希釈倍率の3濃度で希釈された試験液1mLを滅菌済みディスポシャーレに採り、寒天培地を加えて混釈し生菌数を測定した。
一方、コンタクトレンズ用溶液に接種した初発菌数(初期の接種菌数)は、すべての希釈に滅菌済みダルベッコリン酸生理食塩水を用いて、前述と同様の操作により生菌数を測定した。寒天培地は、細菌類についてはソイビーンカゼイン寒天培地、真菌類についてはブドウ糖ペプトン寒天培地を用いた。この寒天混釈平板法における培養条件は、細菌、真菌共に35℃×48時間とした。消毒時間経過後の対数差(生菌数減少量の対数値)は、初発菌数、および接種後試験液の生菌数(対数値)をそれぞれ算出した後、次式により初発菌数の対数値と接種後試験液の生菌数の対数値との差から求めた。
対数差(生菌数減少量の対数値)=
初発菌数(対数値)−接種後試験液の生菌数(対数値)
消毒効果の判定基準は、ISOスタンドアロン試験の一次実施基準に準拠し、所定の消毒時間における対数差が、細菌類は対数差が3.0以上、真菌類は対数差が1.0以上を合格とした。なお、消毒時間は6時間にて試験を実施した。
[2.洗浄効果]
実施例2〜4および比較例2〜4のコンタクトレンズ用洗浄保存剤について洗浄効果を次の手順で評価した。
(人工汚垢レンズの作製)
公知の人工涙液成分(蛋白質、脂質、および無機塩)に、試験用レンズとして、酸素透過性ハードコンタクトレンズ(株式会社シード製、シードA−1)を浸漬し、55℃で5時間加温する。さらにそのレンズを純水中で70℃16時間浸漬後、50℃で6時間乾燥させることにより人工汚垢レンズを作製した。
(洗浄力試験)
あらかじめ洗浄前のヘーズ値を測定しておいた人工汚垢レンズを、実施例および比較例の各洗浄剤に6時間浸漬して洗浄、6時間後に純水で軽くすすいだ後、自然乾燥させた。洗浄後のレンズのヘーズ値を測定し、汚れ除去率を算出した。
(評価方法)
人工汚垢レンズの洗浄前、洗浄後のヘーズ値(濁度)を測定することにより、洗浄効果を評価した。ヘーズ値の測定には、スガ試験機株式会社製、全自動ヘーズコンピューター HGM−2DPを使用し、下記の計算式に従い、汚れ除去率を算出した。
(洗浄前のヘーズ値 − 洗浄後のヘーズ値)
汚れ除去率(%)=――――――――――――――――――――――― ×100
(洗浄前のヘーズ値)
算出した汚れ除去率(%)から、以下に示すように5段階で洗浄力を評価した。その結果を表3に示す。
◎;90%以上 ○;80〜90%未満 △;60〜80%未満 ▲;40〜60%未満 ×;40%未満
Figure 0004827232
*界面活性剤の配合量は、純分換算後の配合量である。
界面活性剤1:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(東邦化学工業(株):オバゾリンBC)
界面活性剤2:α-オレフィンスルホン酸ナトリウム((株)ライオン:リポランPJ-400)
界面活性剤3:POE-POPブロックポリマー(BASFジャパン(株):ルトロールF-127)
*蛋白分解酵素:ノボザイムズ(株):CL-Pro2.5MG
Figure 0004827232
実施例1〜5は、消毒時間6時間で細菌類、真菌類に対してISOスタンドアロン試験の一次実施基準を満たす消毒効果を有するが、比較例1〜4では著しく消毒効果が劣っていることが確認できる。
Figure 0004827232
コンタクトレンズ用洗浄・保存剤としては、実施例2〜4、および比較例2は高い洗浄力を示すが、比較例3,4では著しく洗浄効果が劣ることが確認できる。
以上の評価結果から、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤、
コンタクトレンズ用消毒剤等、コンタクトレンズ用ケア用剤としての有用性を確認できる。特に、実施例2〜4のコンタクトレンズ用洗浄保存剤では、良好な洗浄効果を有する陰イオン界面活性剤を用いた場合でも消毒効果との両立ができることが分かる。

Claims (2)

  1. 5,5−ジメチルヒダントインおよび界面活性剤を含有することを特徴とするコンタクトレンズ用ケア用剤。
  2. 前記ケア用剤が、保存剤、洗浄剤、洗浄保存剤、消毒剤であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ用ケア用剤。
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