JP2004071434A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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伊藤 聡
Naoko Furusawa
古澤 直子
Hisahiro Okada
岡田 尚大
Hideki Hoshino
星野 秀樹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】長時間使用しても輝度をほぼ一定に維持することのできる高精細なプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】所定間隔をあけて対向配置された2枚の基板10、20と、基板10,20間の空間を複数に区画する隔壁30と、隔壁30と基板10、20とに囲まれて形成された放電セル31と、放電セル31の内側に設けられた蛍光体層35とを備えたプラズマディスプレイパネル1において、蛍光体層35を構成する蛍光体の平均粒径は0.01〜1.0μmであり、蛍光体層35が前記放電セル31中に占める体積の割合を10〜40体積%とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、テレビ受像機などの画像表示に用いられるプラズマディスプレイパネル表示装置に関し、特に、紫外線により励起されて発光する蛍光体層を有するプラズマディスプレイパネル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略記する)は、電極を備えた2枚のガラス基板と、基板間に設けられた隔壁によって形成される多数の微少放電空間(以下、セルという)とを有している。各セルを囲む隔壁の側面とセルの底面とには、赤(R)、緑(G)、青(B)等に発光する蛍光体が塗布され、Xe、Ne等を主成分とする放電ガスが封入されている。電極間に電圧を印加して選択的に放電させると紫外線が発生し、蛍光体が励起されて発光し、所望の情報を表示することができる。
【0003】
一般的に、PDPに使用される蛍光体の粒径は2〜10μm程度であり、固相合成法により主として製造されている。固相合成法とは蛍光体母体を構成する元素を含む化合物と付活剤元素を含む化合物を所定量混合し、所定の温度で焼成して固相間反応により蛍光体を得る方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、PDPは高精細化の傾向にあり、これに伴って、セルも微細化されている。しかしながら、セルが微細化すると、セル内に塗布可能な蛍光体付量が減少し、発光に関与する蛍光体の量そのものが減少する。さらに、セルの微細化により放電空間も狭められ、蛍光体を励起するために十分な紫外線を発生することができない。このため、輝度が低下する。そこで、プラズマ放電を維持するために印加する電圧を高くして、紫外線の発生量を増加させて輝度を向上することが行われる。
【0005】
ところで、従来の固相合成法では、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら所望の粒径の蛍光体を製造している。しかし、粉砕工程では、蛍光体粒子には応力が加えられ、結晶格子中に格子欠陥が生じる恐れがあった。上記のように、プラズマ放電時の印加電圧を高くすると、放電空間内で生じるイオン濃度が高くなり、蛍光体はイオン衝撃にさらされやすくなる。蛍光体がイオン衝撃を受けると、結晶性が低下し、発光効率が低下する(これを蛍光体の劣化という)。結晶格子中に格子欠陥がある蛍光体は、格子欠陥がないものと比べると、劣化しやい。このため、従来では、プラズマ放電を継続すると、時間とともに蛍光体が劣化していき、それに伴って輝度も低下していくという問題が生じていた。
本発明の課題は、蛍光体の劣化を防止し、それにより、長時間使用しても、輝度をほぼ一定に維持することのできる高精細なプラズマパネルディスプレイを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、所定間隔をあけて対向配置された2枚の基板と、基板間に設けられて基板間の空間を複数に区画する隔壁と、前記隔壁と基板とに囲まれて形成された放電セルと、前記放電セルの内側に設けられた蛍光体層とを備えたプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径は0.01〜1.0μmであり、前記蛍光体層が前記放電セル中に占める体積の割合は10〜40体積%であることを特徴とする。
【0007】
ここで、蛍光体の平均粒径は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所(株)製、S−900等)を用いて、蛍光体層中の蛍光体粒子300個の平均粒径を測定した平均値をいう。また、ここでいう粒径とは、蛍光体粒子が立方体あるいは八面体の所謂正常晶の場合には、蛍光体粒子の稜の長さを言う。正常晶でない場合、例えば蛍光体粒子が球状、棒状あるいは平板状粒子の場合には、蛍光体粒子の体積と同等な球を考えた時の直径をいう。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、放電セル中に占める蛍光体層の割合が10〜40体積%であるので、放電セル中に占める放電空間の割合は90〜60体積%となる。このため、放電セルが微細化しても放電空間が確保されているので、蛍光体を励起するのに十分な紫外線を発生することができる。したがって、輝度を確保するために、放電維持電圧を高くする必要がない。
【0009】
また、従来では平均粒径が2〜10μmの蛍光体を用いて蛍光体層を構成していたのに対して、本発明では平均粒径が0.01〜1.0μmの極めて微粒の蛍光体から蛍光体層を構成している。通常、放電時に放電セル内で発生する紫外線は、蛍光体の表面付近、例えば100nm程度しか進入しない。このため、例えば、2μmの蛍光体の場合、蛍光体粒子の体積に対して、発光に寄与している部分の体積は18%程度に過ぎなかった。したがって、本発明のように、蛍光体を微粒化することによって、蛍光体粒子中の発光に寄与する体積の割合を増加することができる。これにより、従来よりも効率よく紫外線を受光して発光強度を向上することができる。
【0010】
以上より、放電セルが微細化した高精細なPDPにおいても、従来に比べると輝度を向上することができる。逆に言えば、従来と同程度の輝度を達成するためには、プラズマ放電を維持するために印加する電圧を低減することができる。よって、プラズマ放電時に放電セル中で生じるイオンの濃度を減少することができ、蛍光体がイオン衝撃にさらされて劣化するのを防ぐことができる。その結果、PDPを長時間継続して使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体層が放電セル中に占める体積の割合は10〜30体積%であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、蛍光体層が放電セル中に占める体積の割合が10〜30%であるので、プラズマ放電時の放電空間の割合を90〜70%も確保することができ、蛍光体を励起するための紫外線をより十分に発生することができ、輝度をさらに向上することができる。それにより、従来と同程度の輝度を達成するために必要な電圧をより低減することができる。よって、蛍光体の劣化を防止して、PDPを長時間使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記放電セルの内側に面する隔壁表面と一方の基板表面とを蛍光体層で被覆可能な蛍光体層被覆可能面とするとき、前記蛍光体層を構成する蛍光体の量が、前記蛍光体層被覆可能面の単位面積あたりにつき20g/m以上、100g/m以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、平均粒径が0.01〜1.0μmの微粒子の蛍光体を蛍光体被覆可能面の単位面積あたりにつき、20g/m以上、100g/m以下の範囲で用いることにより、蛍光体層が放電セル中に占める体積の割合を10〜40体積%にすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、所定間隔をあけて対向配置された2枚の基板と、基板間に設けられて基板間の空間を複数に区画する隔壁と、前記隔壁と基板とに囲まれて形成された放電セルと、前記放電セルの内側に設けられた蛍光体層とを備えたプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径は0.01〜1.0μmであり、前記前記蛍光体層中に前記蛍光体が占める体積の割合は30〜80体積%であることを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、平均粒径が0.01〜1.0μmの蛍光体を用いて蛍光体層を構成しているので、蛍光体層中に蛍光体を効率よく充填することができる。一方、従来は、平均粒径が2〜10μmの蛍光体を用いていたので、蛍光体層中に蛍光体を充填する際に、大きな間隙が生じたり、粒径にバラツキがあると不定形状の隙間が生じるおそれがあった。このため、蛍光体層中に蛍光体が占める体積の割合を30〜80体積%とするのは困難であり、必要な蛍光体量を確保するためには、放電セル中の蛍光体層が占める体積の割合を大きくする必要があった。しかしながら、本発明では、微粒子の蛍光体を用いて、効率よく蛍光体層中に充填できるので、放電セル中に占める蛍光体層の体積の割合を減少することができ、放電空間を従来に比べて広くすることができる。よって、輝度を向上することができる。
【0017】
また、本発明では平均粒径が0.01〜1.0μmの極めて微粒子の蛍光体から蛍光体層を構成している。放電セル内で発生する紫外線は、上記したように、通常、蛍光体粒子の表面付近までしか進入しないため、蛍光体を微粒化することにより、紫外線を効率よく受光して発光量を向上することができる。
【0018】
以上より、高精細なPDPであっても従来と同程度の輝度を達成するために必要な印加電圧を低減することができるので、プラズマ放電時に放電セル中で生じるイオンの濃度を低減し、蛍光体がイオン衝撃を受けにくくなる。よって、PDPを長時間継続して使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体層中に前記蛍光体が占める体積の割合は40〜80体積%であることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、蛍光体層中に蛍光体が占める体積の割合は40〜80体積%であるので、蛍光体層にさらに効率的に蛍光体が充填されている。このため、より放電空間を広く保つことができ、輝度を向上することができる。その結果、放電維持に要する電圧を低くすることができ、蛍光体をイオン衝撃にさらされにくくし、PDPの長時間の使用による輝度劣化を防ぐことができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光体は、蛍光体原料を液相中で反応させる液相合成法により製造されたことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、従来の固相間反応を行う固相合成法とは異なり、蛍光体原料を液相中で反応させる液相合成法により蛍光体を製造するので、反応は蛍光体を構成する元素イオン間で行われる。このため、化学量論的に高純度な蛍光体が得やすく、発光効率と収率を高めることができる。
【0023】
また、従来の固相合成法では、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体を製造していたため、得られた蛍光体の粒径は比較的大きく2〜10μm程度であった。一方、液相合成法では、上記のように液相中で反応を行うため、蛍光体の平均粒径や粒子形状、粒子径分布、発光特性等をより精密に制御することができ、本発明の平均粒径0.01〜1.0μmの粒子を狭い粒径分布で得ることができる。このため、蛍光体粒子中の発光に寄与する体積の割合を増加して、紫外線を効率よく受光して、蛍光体の発光効率を高めることができる。
【0024】
さらに、液相合成法では、粒径が小さく、粒径分布が狭い蛍光体を得ることができるので、蛍光体層中に蛍光体を効率よく充填することができる。一方、固相合成法により得られた蛍光体では、上記のように粉砕工程により粉砕されるので多面体となる可能性が高く、粒径分布も広くなっていた。このため、蛍光体層を形成しても層内に不定形状の隙間が生じる恐れがあり、効率的に蛍光体を充填することができなかった。このため、同じ量(質量)の蛍光体を使用しても、液相合成法により製造した蛍光体を使用することにより、放電セル中に蛍光体層が占める体積の割合を減少することができる。これにより、放電空間を拡大し、輝度が向上できる。
【0025】
さらに、固相合成法では、粉砕工程により蛍光体に応力が加わると、蛍光体の結晶格子中に格子欠陥が生じる恐れがあった。蛍光体中の格子欠陥は、プラズマ放電によりセル内で発生する紫外線の波長(147nm)を吸収し、発光中心の励起を阻害する。このため、輝度低下につながる恐れがあった。しかし、上述の通り、液相合成法では、粉砕工程等がなく、格子欠陥が生じる恐れがないので、発光効率の高い蛍光体を得ることができる。
【0026】
さらに、上記のように、蛍光体の結晶格子中に格子欠陥があると、イオン衝撃を受けると格子欠陥を起点として結晶性が低下しやすく、格子欠陥のない蛍光体に比べると劣化しやすくなる。つまり、同じ印加電圧であっても、固相合成法で製造した蛍光体では劣化しやすく、液相合成法で製造した蛍光体は劣化しにくい。
【0027】
以上より、液相合成法により製造された蛍光体を用いることにより、輝度を向上し、蛍光体が劣化しにくくなるので、PDPを長時間使用しても、蛍光体の劣化を確実に防止できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係るプラズマディスプレイパネルについて詳細に説明する。
本発明のプラズマディスプレイパネル(PDP)は、電極が設けられた2枚の基板と、基板間に設けられた隔壁によって区画される多数の微少放電空間(以下、放電セルという)とを有している。放電セルの内側には蛍光体層が設けられている。PDPは、この放電セル内でプラズマ放電を発生させ、それにより蛍光体から可視光を発光させる。そして、その可視光を表示側に配置される基板を透過させて、ディスプレイ画面上に種々の情報表示を行う。本発明ではこの蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径を0.01〜1.0μmとし、前記放電セル中に占める前記蛍光体層の割合を10〜40体積%とした。
【0029】
まず、本発明におけるPDPの構成例を図1〜図4を参照して説明する。
PDPには、電極の構造および動作モードから、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型とに大別できる。本発明のPDPはいずれのタイプであってもよいが、図1にはAC型のPDP1を示した。
【0030】
図1に示す2枚の基板10、20のうち、一方は表示側に配置される前面板10であり、他方は背面側に配置される背面板20である。前面板10と背面板20は、この基板10、20間に設けられる隔壁30によって所定間隔をあけて対向配置されている。
【0031】
まず、前面板10側の構成について説明する。
前面板10は、例えばソーダライムガラス等の可視光を透過する材料から形成することができる。前面板10の、背面板20に対向する対向面には、図1に示すように、電極11、誘電体層12、保護層等が備えられている。
【0032】
前面板10に設けられた電極11は、1組の走査電極11aと維持電極11bとからなり、それぞれの電極11a、11bは帯状に形成されている。走査電極11aと維持電極11bは所定の放電ギャップをあけて設けられている。蛍光体を発光させるためのプラズマ放電は、これらの走査電極11aと維持電極11bとの間の面放電により行われる。
【0033】
電極11は、図2に示すように、前面板10の端10cから端10dまで連続して横切るように設けられ、互いに所定間隔をあけて規則正しく配置されている。各電極11はそれぞれパネル駆動回路15に接続されており、所望の電極11に電圧を印加することができる。
【0034】
図1に示すように、これらの電極11が配された前面板10の表面全体を覆うように、誘電体層12が設けられている。誘電体層12は誘電物質からなり、一般に、鉛系低融点ガラスから形成されることが多い。この他に、ビスマス系低融点ガラス、あるいは鉛系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物等で誘電体層12を形成しても良い。
【0035】
誘電体層12の表面は保護層13により全体的に覆われている。保護層13は、酸化マグネシウム(MgO)からなる薄層が好ましい。
【0036】
次に、背面板20側の構成について説明する。
背面板20は前面板10と略同一のサイズに形成されており、前面板10と同様にソーダライムガラス等から形成することができる。背面板20の前面板10と対向する面には、複数のデータ電極21、誘電体層22、隔壁30等が備えられている。
【0037】
データ電極21は、前記電極11と同様に帯状に形成されており、所定間隔毎に設けられている。データ電極21の両側には前記隔壁30が設けられている。データ電極21は、図2に示すように、背面板20の中央部24で、分割されており、それぞれがパネル駆動回路25a、25bに接続されている。このパネル駆動回路25により、所望の電極21に電圧を印加することができる。
【0038】
図1に示すように、背面板20のデータ電極21が配された表面全体は誘電体層22により覆われている。誘電体層22は、誘電体層12と同様に、鉛系低融点ガラスや、ビスマス系低融点ガラス、あるいは鉛系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物等から構成することができる。さらに、これらの誘電物質にTiO粒子を混合し、可視光反射層としての働きも兼ねるようにすると好ましい。誘電体層22をこのように可視光反射層としても機能させると、蛍光体層35からの背面板20側に発光しても、これを前面板10側に反射して、前面板10を透過する光を増やし、輝度を向上させることができる。
【0039】
上記の誘電体層22の上面には隔壁30が背面板20側から前面板10側に突出するように設けられている。隔壁30は基板10、20間の空間を所定形状に複数区画して、前述したように放電セル31を形成している。隔壁30は、ガラス材料等の誘電物質から形成される。
【0040】
放電セル31は、上記のように隔壁30と基板10、20とによって囲まれた放電空間であり、放電セル31の内側に面する隔壁30の側面30aと放電セルの底面31aには、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体層35がR、G、Bの順に規則正しく設けられる。放電セル31内部には、希ガスを主体とする放電ガスが封入されている。放電ガスとしては、特にNeを主放電ガスとし、これに放電により紫外線を発生するXeを混合した混合ガスを用いると好ましい。なお、混合ガスを封入するときの封入圧力は特に限定されるものではないが、例えば、66.7mPa程度が好ましい。
【0041】
図1に示した放電セル31は、いわゆるストライプ型のものであり、隔壁30が前記したデータ電極21の両側に設けられ、この隔壁30により平行な溝状に形成されたものである。
ここで、放電セル31と、電極11、21の配置について説明する。
図2に示すように、電極11とデータ電極21は、平面視において互いに直交し、マトリックス状になっている。一つの放電セル31内には、電極11とデータ電極21との交点が多数設けられている。この電極11とデータ電極21の交点で選択的に放電させることができ、これにより所望の情報が表示可能となっている。以下、一つのセルの体積をセル内の電極の交点の数で分割したセルの空間を最小発光単位という。PDP1では、近接するR、G、Bの3つの最小発光単位で1画素となる。
【0042】
本発明に係るPDPのセル構造は上記のストライプ型に限定されるものではなく、例えば図3に示すように格子状に隔壁40を設けて略矩形状の放電セル41を形成した格子型のものでもよい。この場合、一つの放電セル41の内側に、前面板側に設けられた1組の電極と背面板側に設けられたデータ電極の交点が少なくとも一つ設けられる。
【0043】
また、セル構造は、図4に示すように隔壁50をハニカム状に設けたハニカム型のものであってもよい。ハニカム型のセル構造の場合には、略6角形状に隔壁で区切られた繰り返し構造を一つの放電セル51とし、格子型と同様に一つの放電セル51の内側に、前面板側に設けられた1組の電極と背面板側に設けられたデータ電極の交点が少なくとも一つ設けられる。
【0044】
なお、上記で格子状、ハニカム状というのは、それぞれ背面板の基板面を水平に配置したときの平面視における形状を指す。
【0045】
次に、蛍光体層について説明する。
蛍光体層が放電セル内に占める割合は、上記した通り、10〜40%であり、より好ましくは、10〜30%であり、さらに好ましくは10〜20%である。
【0046】
ここで、放電セル中に占める蛍光体層の体積の割合は、例えば、電子顕微鏡(日立製作所(株)製S−900)を用いて、放電セルの断面を直接観察することにより求めることができる。
【0047】
放電セル中に占める蛍光体層の割合が10〜40体積%であるので、放電セル中に占める放電空間の割合を90〜60体積%確保することができ、放電セルが微細化しても、蛍光体を励起するのに十分な紫外線を発生することができる。このため、従来と同程度の輝度を達成するために、プラズマ放電を行うときに印加する電圧を高くする必要がない。
【0048】
本発明の蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径は、上述したように、0.01〜1.0μmであるが、より好ましくは0.01〜0.5μmである。
【0049】
ここで、蛍光体の平均粒径は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所(株)製、S−900等)を用いて、蛍光体層中の蛍光体粒子300個の平均粒径を測定した平均値をいう。また、ここでいう粒径とは、蛍光体粒子が立方体あるいは八面体の所謂正常晶の場合には、蛍光体粒子の稜の長さを言う。正常晶でない場合、例えば蛍光体粒子が球状、棒状あるいは平板状粒子の場合には、蛍光体粒子の体積と同等な球を考えた時の直径をいう。
【0050】
従来では平均粒径が2〜10μmの蛍光体を用いて蛍光体層を構成していたのに対して、本発明では平均粒径が0.01〜1.0μmの極めて微粒の蛍光体から蛍光体層を構成している。通常、放電時に放電セル内で発生する紫外線は、蛍光体の表面付近、例えば100nm程度しか進入しない。このため、例えば、2μmの蛍光体の場合、蛍光体粒子の体積に対して、発光に寄与している部分の体積は18%程度に過ぎなかった。したがって、本発明のように、蛍光体の平均粒径を0.01〜1.0μmに微粒化することによって、蛍光体粒子中の発光に寄与する体積の割合を増加することができる。よって、放電セル中に蛍光体層が占める体積が同じであっても、微粒子の蛍光体を使用することによって、従来よりも効率よく紫外線を受光して発光効率を向上することができる。
【0051】
以上のように、放電空間が確保され、蛍光体の発光効率を向上できるので、放電セルが微細化した高精細なPDPにおいても、従来に比べると輝度を向上することができる。このため、従来と同程度の輝度を達成するため印加する電圧を低減することができる。よって、プラズマ放電時に放電セル中で生じるイオンの濃度を減少することができ、蛍光体がイオン衝撃を受けにくくすることができる。その結果、蛍光体の劣化を防止でき、PDPを長時間継続して使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0052】
また、蛍光体層中に蛍光体が占める割合(以下、蛍光体の充填率という。)は、30%〜80%であり、より好ましくは40%〜80%である。
【0053】
ここで、充填率は、下記式に従って求めることができる。
蛍光体充填率(%)={(放電セル中に占める蛍光体の質量(g)/d)/(放電セル中に占める蛍光体層の体積(cm)}×100
ただし、上記式において、放電セル中に占める蛍光体の重量は、蛍光体層の作成前後の重量変化を放電セル数で除して求めた値であり、dは配合された蛍光体の密度(g/cm)である。
【0054】
蛍光体層中の蛍光体の充填率が30〜80体積%であるので、従来の30体積%未満の充填率と比較すると、放電セル中に占める蛍光体層の体積の割合を減少することができ、放電空間を広くすることができる。よって、輝度を向上することができる。
【0055】
また、蛍光体の粒径分布は狭い方が好ましい。具体的には、粒径分布の変動係数が300%以下であることが好ましく、100%以下であることがより好ましく、30%以下が最も好ましい。
【0056】
ここで、粒径分布の変動係数(粒径分布の広さ)とは、下記式によって定義される値である。
粒径分布の広さ(変動係数)(%)
=(粒径の標準偏差/粒径の平均値)×100  (1)
【0057】
粒径分布の狭い蛍光体を用いることによって、蛍光体層中に蛍光体をより効率よく充填することができる。蛍光体の充填率が高い蛍光体層では、単位体積中に含まれる蛍光体量が多くなるので、蛍光体層の発光効率が向上し、輝度を向上することができる。よって、充填率の低いものに比べて、放電維持電圧を低くすることができ、蛍光体の劣化を防止し、長時間PDPを使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0058】
上記のように、微粒子で、粒径分布の狭い蛍光体は、従来の固相合成法ではなく、液相合成法によって製造されたものが好ましい。
本発明でいう液相合成法とは、蛍光体の原料となる元素を含む化合物を液相中で反応させる方法で、具体的には上記の蛍光体母体を構成する元素を含む溶液と賦活剤元素を含む溶液を共に混合して蛍光体前駆体を合成する方法であり、反応晶析法、共沈法、ゾルゲル法など液相中での反応方法を称して表している。本発明ではこれらの方法を適宜選択して蛍光体を製造することが可能である。
【0059】
液相合成法では、蛍光体原料を液相中で反応させるので、反応は蛍光体を構成する元素イオン間で行われる。このため、化学量論的に高純度な蛍光体が得やすい。一方、従来の固相合成法では、固体間反応であるために、反応しない余剰の不純物や反応によって生ずる副塩等が残留することが往々にして起こり、化学量論的に高純度な蛍光体を得にくい。したがって、液相合成法により化学量論的に高純度な蛍光体を得ることで、発光効率と収率を高めることができる。
【0060】
また、従来の固相合成法では、固相反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体を製造していたため、得られた蛍光体の粒径は比較的大きく2〜10μm程度であった。一方、液相合成法では、上記のように液相中で反応を行うため、蛍光体の平均粒径や粒子形状、粒子径分布、発光特性等をより精密に制御することができ、平均粒径0.01〜1.0μmの粒子を狭い粒径分布で得ることができる。このため、上記のように蛍光体粒子中の発光に寄与する体積の割合を増加して、蛍光体の発光効率を高めることができる。
【0061】
さらに、液相合成法では、粒径が小さく、粒径分布が狭い蛍光体を得ることができるので、蛍光体層中に蛍光体を効率よく充填することができる。一方、固相合成法により得られた蛍光体では、上記のように粉砕工程により粉砕されるので多面体となる可能性が高く、粒径分布も広くなっていた。このため、蛍光体層を形成しても層内に不定形状の隙間が生じる恐れがあり、効率的に蛍光体を充填することができなかった。このため、同じ量(質量)の蛍光体を使用しても、液相合成法により製造した蛍光体を使用することにより、放電セル中に蛍光体層が占める体積の割合を減少して、放電空間を拡大し、輝度が向上できる。
【0062】
また、固相合成法では、粉砕工程により蛍光体に応力が加わると、蛍光体の結晶格子中に格子欠陥が生じる恐れがあった。蛍光体中の格子欠陥は、プラズマ放電によりセル内で発生する紫外線の波長(147nm)を吸収し、発光中心の励起を阻害する。このため、輝度低下につながる恐れがあった。しかし、上述の通り、液相合成法では、蛍光体に応力が加わることがなく、格子欠陥が生じる恐れがないので、発光効率の高い蛍光体を得ることができる。
【0063】
さらに、蛍光体の結晶格子中に格子欠陥があると、イオン衝撃を受けると格子欠陥を起点として結晶性が低下しやすく、格子欠陥のない蛍光体に比べると劣化しやすくなる。つまり、同じ印加電圧であっても、固相合成法で製造した蛍光体では劣化しやすく、液相合成法で製造した蛍光体は劣化しにくい。
【0064】
以上より、液相合成法により製造された蛍光体で蛍光体層を構成することにより、輝度が向上し、放電維持電圧を低くすることができる。さらに、蛍光体自体が劣化しにくいので、放電維持電圧が低くなることにより、より確実に蛍光体の劣化を防止することができる。よって、PDPを長時間使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0065】
液相合成法を利用して蛍光体を製造する工程は、蛍光体原料を混合して蛍光体前駆体を形成する蛍光体前駆体形成工程と、蛍光体前駆体を乾燥する乾燥工程とを有している。乾燥工程後、必要に応じて焼成工程を行う。本発明に係る蛍光体を製造する際には、基本的には乾燥した蛍光体前駆体を焼成することにより、蛍光体前駆体粒子の表面が金属で被覆された蛍光体を得ている。しかし、蛍光体の組成や反応条件等によっては焼成を行わなくとも、乾燥工程において蛍光体前駆体から蛍光体が得られる場合がある。その場合には焼成工程を省いてもよい。また、焼成工程後、得られた焼成物を冷却する冷却工程や、蛍光体の表面処理を行う工程等を行ってもよい。
なお、蛍光体前駆体とは製造される蛍光体の中間体化合物であり、上記したように乾燥、焼成等の処理により蛍光体となる化合物である。
【0066】
まず、前駆体形成工程について説明する。前駆体形成工程では、上述したように、反応晶析法、共沈法、ゾルゲル法等どのような液相合成法を適用してもよい。例えば、PDPで一般的に使用されている(Y,Gd)BO:Eu3+(赤色発光蛍光体)、BaMgAl1017:Eu2+(青色発光蛍光体)については、後述する保護コロイドの存在下で反応晶析法又は共沈法により蛍光体前駆体を形成すると特に好ましい。このように製造することにより、微粒子でより粒径分布が狭く、発光強度のより高い蛍光体を得ることができる。また、ZnSiO:Mn2+(緑色発光蛍光体)については、シリカ等のケイ素化合物を蛍光体前駆体の母核として用いる母核法により形成すると好ましい。このように製造することにより、微粒子でかつ発光強度に優れ、残光時間の短いものを得ることができる。以下、反応晶析法、共沈法及び母核法について説明する。
【0067】
反応晶析法とは、晶析現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液を混合することによって蛍光体前駆体を合成する方法をいう。晶析現象とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、あるいは化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出してくる現象を指す。
本発明における反応晶析法による蛍光体前駆体の製造方法は、上記の様な晶析現象発生の誘因となりえる物理的、化学的操作による製造方法を意味する。
【0068】
反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。
【0069】
共沈法とは、共沈現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液又は分散液を混合し、さらに沈殿剤を添加することによって、蛍光体前駆体を合成する方法を言う。共沈現象とは、溶液から沈殿を生じさせたとき、その状況では十分な溶解度があり、沈殿しないはずのイオンが沈殿に伴われる現象をいう。
【0070】
母核法とは、蛍光体を構成する少なくとも一つの元素を含む化合物を母核とし、蛍光体を構成するその他の元素を母核の周囲に析出させて、蛍光体前駆体を合成する方法をいう。
【0071】
上記したように、ZnSiO:Mn2+等のケイ酸塩蛍光体からなる緑色蛍光体を得る際には、母核法により前駆体を形成すると好ましい。その場合には、シリカ等のケイ素化合物を蛍光体前駆体の母核とし、これに、焼成することにより緑色蛍光体を構成し得るZn、Mn等の金属元素を含む溶液とを混合し、さらに必要に応じて沈殿剤を含む溶液を加えると好ましい。このとき、シリカとしては、気相法シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等を好ましく使用することができる。
【0072】
上記の反応晶析法、共沈法及び母核法を含めて、液相合成法で前駆体を合成する場合には、蛍光体の種類により、反応温度、添加速度や添加位置、攪拌条件、pH等、諸物性値を調整すると好ましい。また、蛍光体前駆体の母核を溶液中に分散させるときや反応中に超音波を照射してもよい。平均粒径制御のために保護コロイドや界面活性剤などを添加することも好ましい。原料を添加し終ったら必要に応じて液を濃縮、及び/または熟成することも好ましい態様の1つである。
【0073】
添加する保護コロイドの量あるいは添加速度、攪拌条件等を制御し、溶液中の蛍光体前駆体の母核の分散状態等を好ましい状態とすることにより、蛍光体前駆体粒子の粒径や凝集状態を制御し、焼成後の蛍光体の平均粒径を所望の大きさにすることができる。また、蛍光体前駆体の母核としてシリカを用い、共沈法により蛍光体の前駆体を形成する際には、適宜、分散状態や粒径等が所望の状態に調整されたコロイダルシリカを用いることによっても焼成後の蛍光体の平均粒径を所望の大きさにすることができる。
このように、蛍光体の平均粒径を制御することによって、蛍光体の単位質量あたりに含まれる蛍光体の個数や表面積を制御することができる。
【0074】
粒径制御に用いる保護コロイドとしては、天然、人工を問わず各種高分子化合物を使用することが可能であり、その中で、特にタンパク質が好ましい。その際、保護コロイドの平均分子量は10,000以上が好ましく、10,000以上300,000以下がより好ましく、10,000以上30,000以下が特に好ましい。
【0075】
タンパク質としては、例えば、ゼラチン、水溶性タンパク質、水溶性糖タンパク質が上げられる。具体的には、アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質、遺伝子工学的に合成されたタンパク質等がある。中でも、ゼラチンを特に好ましく使用できる。
【0076】
ゼラチンとしては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンを挙げることができ、これらを併用してもよい。更に、これらのゼラチンの加水分解物、これらのゼラチンの酵素分解物を用いてもよい。
【0077】
また、前記保護コロイドは、単一の組成である必要はなく、各種バインダを混合してもよい。具体的には、例えば、上記ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマーを用いることができる。
【0078】
保護コロイドは、原料溶液の一つ以上に添加することができる。原料溶液の全てに添加してもよい。保護コロイドの存在下で、蛍光体前駆体を形成することにより、蛍光体前駆体同士が凝集するのを防ぎ、蛍光体前駆体を十分小さくすることができる。それにより、焼成後の蛍光体をより微粒子で、粒径分布が狭く、発光特性を良好にするなど、蛍光体の種々の特性を向上することができる。なお、保護コロイドの存在下で反応を行う場合には、蛍光体前駆体の粒径分布の制御や副塩等の不純物排除に十分配慮することが必要である。
【0079】
蛍光体前駆体形成工程にて蛍光体前駆体を合成した後、必要に応じて、ろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で蛍光体前駆体を回収し、その後に好ましくは洗浄を行う。
また、乾燥工程や焼成工程に先立って脱塩工程を経ることにより、蛍光体前駆体から副塩などの不純物を取り除くことが好ましい。
脱塩工程としては、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換樹脂を用いた方法、ヌーデル水洗法などを適用することができる。
【0080】
脱塩工程を行うことにより、前駆体脱塩後の電気伝導度が0.01〜20mS/cmの範囲とすることが好ましく、更に好ましくは0.01〜10mS/cmであり、特に好ましくは0.01〜5mS/cmである。
0.01mS/cm未満の電気伝導度にすると生産性が低くなる。また、20mS/cmを超えると副塩や不純物が充分に除去できていない為に粒子の粗大化や粒子径分布が広くなり、発光強度が劣化する。
上記の電気伝導度の測定方法はどのような方法を用いることも可能であるが、市販の電気伝導度測定器を使用すればよい。
【0081】
本発明においては、洗浄後又は脱塩工程後等に、乾燥工程を行う。蛍光体前駆体の乾燥方法は特に限定されるものではなく、真空乾燥、気流乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等、あらゆる方法を用いることができる。
【0082】
乾燥温度は限定されないが、使用した溶媒が気化する温度付近以上の温度であることが好ましく、具体的には50〜300℃の範囲であることが好ましい。乾燥温度が高い場合は乾燥と同時に焼成が施されることがあり、後述の焼成工程を行わなくとも蛍光体が得られる場合がある。
【0083】
焼成工程では、いかなる方法を用いてもよく、焼成温度や時間は適宜調整すればよい。例えば、蛍光体前駆体をアルミナボートに充填し、所定のガス雰囲気中で所定の温度で焼成することで所望の蛍光体を得ることができる。ガス雰囲気としては、作製する蛍光体にあわせて、還元雰囲気下、酸化雰囲気下、又は硫化物存在下、不活性ガス等の条件を適宜選択すればよい。
【0084】
好ましい焼成条件の例としては、各種雰囲気中で600℃〜1800℃の間で適当な時間焼成することである。また、有機物を除去するために、大気中、800℃程度で焼成を行い、その後、焼成条件を変更して本焼成を行うという方法も有効である。
【0085】
焼成装置(焼成容器)は現在知られているあらゆる装置を使用することができる。例えば箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等が好ましく用いられる。雰囲気も前駆体組成に合わせて酸化性、還元性、不活性ガス等を用いることができる。
【0086】
また、焼成時には必要に応じて焼結防止剤を添加してもよい。焼結防止剤を添加する場合には、蛍光体前駆体形成時にスラリーとして添加してもよいし、粉状のものを乾燥済前駆体と混合して焼成してもよい。
焼結防止剤は特に限定されるものではなく、蛍光体の種類、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって800℃以下での焼成にはTiO等の金属酸化物が使用され、1000℃以下での焼成にはSiOが、1700℃以下での焼成にはAlが、それぞれ好ましく使用される。
更に、焼成後、必要に応じて還元処理又は酸化処理等を施しても良い。
【0087】
焼成工程後、冷却工程、表面処理工程、分散工程等の諸工程を施してもよく、分級してもよい。
【0088】
冷却工程では、焼成工程で得られた焼成物を冷却する処理を行う。このとき、該焼成物を前記焼成装置に充填したまま冷却することができる。
冷却処理は特に限定されないが、公知の冷却方法より適宜選択することができ、例えば、放置により温度を低下させる方法でも、冷却機を用いて温度制御しながら強制的に温度低下させる等の方法の何れであってもよい。
【0089】
本発明で製造される蛍光体は、種々の目的で吸着・被覆等の表面処理を施すことができる。どの時点で表面処理を施すかはその目的によって異なり、適宜適切に選択するとその効果がより顕著になる。例えば、後述するように蛍光体ペーストを調整する際に、蛍光体の分散性を良好にするために表面処理を行うと好ましい。
【0090】
次に、上記で得られた蛍光体を用いて蛍光体層を形成する方法を説明する。
蛍光体層の形成に当たっては、蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤などの混合物に分散し、適度な粘度に調整された蛍光体ペーストを放電セルに塗布又は充填し、その後焼成することにより隔壁側面及び底面に蛍光体層を形成する。蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量としては30質量%〜60質量%の範囲にするのが好ましい。
【0091】
蛍光体ペースト中の蛍光体と非揮発成分との割合を変化することによって、蛍光体層中の蛍光体の充填率を制御することができる。なお、ここで言う非揮発成分とは、蛍光体ペーストから蛍光体及び溶剤を除いたその他の成分である。
【0092】
ペースト中の蛍光体の分散性を向上させるために、蛍光体の表面に酸化物やフッ化物等を付着あるいはコーティングする等の表面処理を施すと好ましい。このような酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、アルミニウム酸化物(Al)、酸化珪素(SiO)、酸化インジウム(InO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)が挙げられる。この中で、SiOは負に帯電する酸化物として知られ、一方、ZnO、Al、Yは正に帯電する酸化物として知られており、特にこれらの酸化物を付着あるいはコーティングさせることは有効である。
【0093】
以下、蛍光体と混合するバインダ、溶剤、分散剤等について説明する。
蛍光体を良好に分散させるのに適したバインダとしては、エチルセルロースあるいはポリエチレンオキサイド(エチレンオキサイドのポリマ)が挙げられ、特に、エトキシ基(−OC)の含有率が49〜54%のエチルセルロースを用いるのが好ましい。また、バインダとして感光性樹脂を用いることも可能である。バインダの含有量としては0.15質量%〜10質量%の範囲内が好ましい。なお、隔壁間に塗布される蛍光体ペーストの形状を整えるため、バインダの含有量は、ペースト粘度が高くなり過ぎない範囲内で多めに設定するのが好ましい。
【0094】
溶剤としては、水酸基(OH基)を有する有機溶剤を混合したものを用いるのが好ましく、その有機溶剤の具体例としては、ターピネオール(C1018O)、ブチルカルビトールアセテート、ペンタンジオール(2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート)、ジペンテン(Dipentene、別名Limonen)、ブチルカルビトール等が挙げられる。これらの有機溶剤を混合した混合溶剤は、上記のバインダを溶解させる溶解性に優れており、蛍光体ペーストの分散性が良好になり好ましい。このような混合溶剤としては、例えば、ターピオネールとペンタジオールの1:1混合液等が挙げられる。
【0095】
蛍光体ペースト中の蛍光体の分散安定性を向上させるために、分散剤として、界面活性剤を添加すると好ましい。蛍光体ペースト中の界面活性剤の含有量としては、分散安定性の向上効果あるいは後述する除電効果等を効果的に得る観点から、0.05質量%〜0.3質量%が好ましい。
【0096】
界面活性剤の具体例としては、(a)アニオン性界面活性剤、(b)カチオン性界面活性剤、(c)ノニオン性界面活性剤を用いることができ、それぞれ具体的には下記のようなものがある。
(a)アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸、エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸ポリカルボン酸高分子等が挙げられる。
(b)カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられる。
(c)ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0097】
更に、蛍光体ペーストに除電物質を添加すると好ましい。上記挙げた界面活性剤は、一般的に蛍光体ペーストの帯電を防止する除電作用も有しており、除電物質に該当するものが多い。但し、蛍光体、バインダ、溶剤の種類によって除電作用も異なるので、色々な種類の界面活性剤について試験を行って、結果の良好なものを選択するのが好ましい。
【0098】
除電物質としては、界面活性剤の他に、導電性の材料からなる微粒子も挙げることができる。導電性微粒子としては、カーボンブラックをはじめとするカーボン微粉末、グラファイトの微粉末、Al、Fe、Mg、Si、Cu、Sn、Agといった金属の微粉末、並びにこれらの金属酸化物からなる微粉末が挙げられる。このような導電性微粒子の添加量は、蛍光体ペーストに対して0.05〜1.0質量%の範囲とするのが好ましい。
【0099】
蛍光体ペーストに除電物質を添加することによって蛍光体ペーストの帯電により、例えば、パネル中央部のデータ電極の切れ目における蛍光体層の盛り上がりや、セル内に塗布される蛍光体ペーストの量や溝への付着状態に若干のばらつきが生じる等の蛍光体層の形成不良を防ぎ、セル毎に均質な蛍光体層を形成することができる。
【0100】
なお、上記のように除電物質として界面活性剤やカーボン微粉末を用いた場合には、蛍光体ペーストに含まれている溶剤やバインダを除去する蛍光体焼成工程において除電物質も蒸発あるいは焼失されるので、焼成後の蛍光体層中には除電物質が残存しない。従って、蛍光体層中に除電物質が残存することによってPDPの駆動(発光動作)に支障が生じる可能性も無い。
【0101】
上記が混合された蛍光体ペーストの粘度(25℃でせん断速度が100sec−1における粘度)は、2Pa・s以下、好ましくは0.01Pa・s〜0.5Pa・sの範囲内に調整されると好ましい。
【0102】
蛍光体を上記各種混合物に分散する際には、例えば高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミルなど媒体メディアを装置内で運動させてその衝突(crush)及び剪断力の両方により微粒化するもの、又はカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等を用いることができる。
【0103】
また、蛍光体ペースト調整時には、蛍光体の輝度等の諸特性の劣化を防止する観点から、分散開始から終了までの該分散物温度が70℃を超えないように制御しながら分散処理を施すことが好ましく、50℃を超えないように制御しながら分散処理を施すことが更に好ましい。
【0104】
上記のように調整した蛍光体ペーストを放電セルに塗布又は充填する際には、スクリーン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法で行うことができる。
【0105】
特に、インクジェット法は、隔壁のピッチが狭く、放電セルが微細に形成されている場合であっても、隔壁間に低コストで容易に精度良く均一に蛍光体ペーストを塗布又は充填できるので好ましい。本発明においては、1.0μm以下の液相合成法により製造された微粒の蛍光体を使用しているので、インクジェット法を適用してもノズルの目づまりや吐出不良、蛍光体の沈殿が抑制され、精度良く均一に薄い蛍光体層を形成することができる。
【0106】
蛍光体ペーストを塗布又は充填後、乾燥又は焼成することにより有機成分等が除去され、隔壁側面や放電セル底面に付着した蛍光体層が形成される。このとき、蛍光体層で被覆可能な隔壁側面及び放電セル底面を蛍光体層被覆可能面とするとき、隔壁側面や放電セル底面に付着する蛍光体量(蛍光体付量)は、蛍光体層被覆可能面の単位面積当たりにつき、20g/m以上、100g/m以下であることが好ましい。
【0107】
【実施例】
以下、実施例1〜3を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0108】
〔実施例1〕
実施例1では、平均粒径が異なる蛍光体を用いて放電セル中の蛍光体層が占める割合を30%にしたPDPを製造し、蛍光体の粒径と輝度劣化について評価した。
まず、蛍光体の製造について説明する。
【0109】
1.青色発光蛍光体(BaMgAl1017:Eu2+)製造
(1)青色発光蛍光体B−1(平均粒径0.8μm)の製造
まず、ゼラチン(平均分子量約1万)9gを純水300gに溶解してA液を調整した。同時に、硝酸バリウム1.76gと硝酸マグネシウム6水和物1.92gと硝酸アルミニウム9水和物28.13gと硝酸ユーロピウム6水和物0.33gを純水136.48gに溶解してB液を調整した。また、アンモニア水(28%)23.33gを純水124.07gに混合してC液を調整した。
【0110】
次に、A液を攪拌しながら、ローラーポンプを使ってB液とC液を5cc/minの添加速度で、A液表面にダブルジェットで同時に添加した。
B液、C液の添加終了後、吸引濾過により固液分離を行いながら、純水を用いて十分に洗浄を行った。次いで、100℃で12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。
【0111】
得られた乾燥済み前駆体を600℃で1時間、大気中で焼成して、前駆体からゼラチン等の残留有機物を除去した。その後、引き続き、1600℃で3時間、窒素95%、水素5%の還元雰囲気中で焼成して平均粒径が0.8μmの青色発光蛍光体B−1を得た。
【0112】
(2)青色発光蛍光体(平均粒径0.4μm)B−2の製造
まず、ゼラチン(平均分子量約1万)15gを純水300gに溶解してA液を調整した。同時に、硝酸バリウム3.53gと硝酸マグネシウム6水和物3.85gと硝酸アルミニウム9水和物56.27gと硝酸ユーロピウム6水和物0.67gを純水122.97gに溶解してB液を調整した。また、アンモニア水(28%)46.67gを純水98.15gに混合してC液を調整した。
【0113】
次に、A液を攪拌しながら、ローラーポンプを使ってB液とC液を10cc/minの添加速度で、A液表面にダブルジェットで同時に添加した。
B液、C液の添加終了後、上記の(1)と同様に、固液分離、洗浄、乾燥、焼成等を行い、平均粒径が0.4μmの青色発光蛍光体B−2を製造した。
【0114】
2.緑色発光蛍光体(ZnSiO:Mn2+)の製造
(1)緑色発光蛍光体(平均粒径0.7μm)G−1の製造
まず、二酸化ケイ素(日本アエロジル株式会社製AEROSIL130、BET比表面積130m/g)4.51gを純水297.95gに混合してA液を調整した。同時に、硝酸亜鉛6水和物42.39gと硝酸マンガン6水和物2.15gを純水126.84gに溶解してB液を調整した。そして、アンモニア水(28%)21.90gを純水125.67gに混合してC液を調整した。
【0115】
次に、A液を攪拌しながら、ローラーポンプを使ってB液とC液を10cc/minの添加速度でA液表面にダブルジェットで同時添加した。B液、C液の添加終了後、吸引濾過により固液分離を行いながら、純水を用いて十分に洗浄を行った。次いで、100℃で12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。
得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で、1200℃、3時間焼成して平均粒径が0.7μmの緑色発光蛍光体G−1を得た。
【0116】
(2)緑色発光蛍光体(平均粒径0.4μm)G−2の製造
上記(1)において、コロイダルシリカ(クラリアント社製KLEBOSOL30R25、30wt%)15.02gを純水287.38gに混合したものをA液として用いる以外は、上記の(1)と同様にして平均粒径が0.4μmの緑色発光蛍光体G−2を製造した。
【0117】
3.赤色発光蛍光体((Y,Gd)BO:Eu3+)R−1の製造
(1)赤色発光蛍光体(平均粒径0.7μm)
まず、ゼラチン(平均分子量1万)9gを純水300gに溶解してA液を調整した。同時に、硝酸イットリウム6水和物13.8gと硝酸ガドリニウム9.20gと硝酸ユーロピウム6水和物1.30gを純水に溶解してB液150mlを調整した。さらに、ほう酸(HBO)3.60gを純水に溶解してC液150mlを調整した。
【0118】
次に、A液を攪拌しながらローラーポンプを使ってB液とC液を10cc/minの添加速度でA液表面にダブルジェットで同時添加した。B液、C液の添加終了後、吸引濾過により固液分離を行いながら、純水を用いて十分に洗浄を行った。次いで、100℃で12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。
得られた前駆体を1400℃で3時間、大気雰囲気中で焼成して、平均粒径が0.4μmの赤色発光蛍光体R−1を得た。
【0119】
(2)赤色蛍光体(平均粒径0.3μm)R−2の製造
まず、ゼラチン(平均分子量約1万)15gを純水300gに溶解してA液を調整した。硝酸イットリウム6水和物26.76gと硝酸ガドリニウム18.40gと硝酸ユーロピウム6水和物2.60gを純水に溶解してB液150mlを調整した。さらに、ほう酸7.20gを純水に溶解してC液150mlを調整した。
【0120】
次に、A液を攪拌しながら、ローラーポンプを使ってB液とC液を30cc/minの添加速度でA液表面にダブルジェットで同時添加した。
B液、C液の添加終了後、上記(1)と同様に、固液分離、洗浄、乾燥、焼成等を行い、平均粒径が0.3μmの赤色発光蛍光体R−2を製造した。
【0121】
4.蛍光体ペーストの調整
上記1で製造した各色発光蛍光体B−1、B−2、G−1、G−2、R−1、R−2を用いてそれぞれ蛍光体ペーストを調整した。
調整の際には、各色発光蛍光体B−1、B−2、G−1、G−2、R−1、R−2の固形分濃度が40質量%となるようにして、エチルセルロース、ポリオキシレンアルキルエーテル、ターピネオール及びペンタジオールの1:1混合液と共にそれぞれ混合した。得られた各混合物を、後述するPDPのセル内に塗布する蛍光体ペーストBP−1、BP−2、GP−1、GP−2、RP−1、RP−2とした。
【0122】
5.PDPの製造
(1)PDP1−1の製造
上記で調整した青色発光蛍光体ペーストBP−1,緑色発光蛍光体ペーストGP−1、赤色発光蛍光体ペーストRP−1を用いて、図1に示す42インチのPDPを以下のように製造した。
【0123】
まず、前面板10となるガラス基板上に、走査電極11aと維持電極11bとを径が50μmのノズルを用いてインクジェット法により形成した。このとき、ノズル先端と前面板との距離を1mmに保った状態で、ノズル先端を前面板10上の所定の位置を走査しながら電極材インキを吐出して、電極幅60μmの走査電極11aと維持電極11bをそれぞれ形成した。
次に、前面板10上に、前記電極11を介して低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成し、さらにこの上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成した。
【0124】
一方、背面板20となるガラス基板上に、データ電極21を形成した。データ電極21も、上記と同様に、径が50μmのノズルを用いて、背面板20との距離を1mmに保った上で、所定の位置を走査させながら、60μm幅のものを形成した。次に、このデータ電極の両側方に位置するように、低融点ガラスを用いてストライプ状の隔壁30を形成した。隔壁30同士の間隔(ピッチ)は0.36mmに、隔壁30の高さは0.15mmとした。
【0125】
さらに、前記隔壁30により仕切られたセル31の内側に面する底面31aと前記隔壁30の側面30aとに、上記2で調整した各色に発光する蛍光体ペーストBP−1、GP−1、RP−1を隣り合うセルに一色ずつ規則正しい順序で塗布した。このとき、セル31の容積に対して焼成後の蛍光体層が占める体積の割合が30%になるように、蛍光体ペーストの量を調整して塗布した。
【0126】
そして、前記電極11、21等が配置された前面板10と上記背面板20とを、それぞれの電極配置面が向き合うように位置合わせし、隔壁30により約1mmのギャップを保った状態で、その周辺をシールガラスにより封止する。そして、前記基板10、20間に、放電により紫外線を発生するキセノン(Xe)と主放電ガスのネオン(Ne)とを混合したガスを封入して気密密閉した。なお、キセノンとネオンの混合体積比は、1:9とし、封入圧力は66.7mPaとした。その後、エージングを行い、PDP1−1とした。
【0127】
(2)PDP1−2の製造
上記の5(1)において、青色発光蛍光体ペーストBP−2,緑色発光蛍光体ペーストGP−2、赤色発光蛍光体ペーストRP−2を用いた以外は、PDP1−1と同様にPDP1−2を製造した。
【0128】
〔比較例1〕
上記のPDP1−1、PDP1−2と比較するために、固相合成法により蛍光体を製造して、この蛍光体を用いてPDPを製造した。
まず、各色の蛍光体の製造方法について説明する。
【0129】
1.蛍光体の製造
(1)青色発光蛍光体(BaMgAl1017:Eu2+)B−3の製造
原料として、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、酸化アルミニウム(α−Al)をモル比で1:1:5となるように配合して混合物を作製する。次に、この混合物に対して、所定量の酸化ユーロピウム(Eu)を添加する。そして、適量のフラックス(AlF、BaCl)と共にボールミルで混合し、1,600℃で3時間、窒素95%、水素5%の還元雰囲気中で焼成して蛍光体を得た。得られた蛍光体を分級し、平均粒径1.8μmのものを青色発光蛍光体G−3とした。
【0130】
(2)緑色発光蛍光体(ZnSiO:Mn)G−3の製造
原料として、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO)をモル比で2:1になるように配合して混合物を作製する。次に、この混合物に対して、所定量の酸化マンガン(Mn)を添加し、ボールミルで混合後、窒素10%の雰囲気中で1,200℃で3時間焼成して蛍光体を得た。得られた蛍光体を分級して平均粒径1.8μmのものを緑色発光蛍光体G−3とした。
【0131】
(3)赤色発光蛍光体((Y,Gd)BO:Eu3+)R−3の製造
原料として、酸化イットリウム(Y)と酸化ガドリニウム(Gd)とほう酸(HBO)とを、Y、Gd、Bの原子比が0.60:0.40:1.0となるように配合して混合物を作製した。次に、この混合物に対して、所定量の酸化ユーロピウム(Eu)を添加する。適量のフラックスと共にボールミルで混合し、1400℃で3時間、大気雰囲気中で焼成して蛍光体を得た。得られた蛍光体を分級して、平均粒径1.8μmのものを赤色発光蛍光体R−3とした。
【0132】
2.蛍光体ペーストの調整
上記で得た蛍光体B−3、G−3、R−3を用いた以外は、実施例1の2と同様に各色発光蛍光体ペーストBP−3、GP−3、RP−3をそれぞれ調整した。
【0133】
3.PDPの製造
実施例1の5(1)において、青色発光蛍光体ペーストBP−3,緑色発光蛍光体ペーストGP−3、赤色発光蛍光体ペーストRP−3を用いた以外は、実施例1の5と同様にPDPを製造した。なお、使用した蛍光体ペーストの量は、放電セルの容積に対して、焼成後の蛍光体層が占める体積の割合が30%になるように調整した。
【0134】
〔評価1〕
上記で製造したPDP1−1、PDP1−2と比較例1で製造したPDPについて、まず、初期パネル輝度が1,000cd/mになるような放電維持電圧(周波数30Hz)を24時間連続して印加した。その後、24時間電圧印加後のパネル輝度を測定し、下記式に従って輝度劣化率を求めた。結果を表1に示す。
輝度劣化率=(24時間電圧印加後の輝度−1,000cd/m)/1,000cd/m×100
【表1】
Figure 2004071434
【0135】
表1から明らかなように、比較例1の輝度劣化率が−9.7%であるのに対して、PDP1−1の輝度劣化率は−1.5%、PDP1−2の輝度劣化率は−1.1%と、比較例1に対して本発明のPDPの輝度劣化率は低く、24時間継続して電圧を印加しても、初期パネル輝度とほぼ同程度の輝度を維持することができている。
【0136】
これは、以下の理由によると考えられる。
まず、PDP1−1では、平均粒径が0.8μm又は0.7μmの蛍光体を使用し、PDP1−2では平均粒径が0.4μm又は0.3μmの蛍光体を使用しているのに対して、比較例1では平均粒径が1.8μmの蛍光体を使用している。放電セル内で発生する紫外線は、蛍光体の表層付近にしか進入しないため、蛍光体を微粒化することにより、蛍光体粒子体積に占める発光に寄与する体積の割合を増加することができる。これにより、同じ電圧を印加したときの、PDPの輝度を向上することができる。このため、1,000cd/mの初期パネル輝度を達成するために必要な電圧を、比較例に対してPDP1−1、PDP1−2では低くすることができる。それにより、PDP1−1、PDP1−2は、比較例1に対して放電セル中で生じるイオン濃度を低減することができ、蛍光体をイオン衝撃から守ることができ、蛍光体の劣化を防止することができる。
【0137】
さらに、PDP1−1及びPDP1−2で使用した蛍光体は液相合成法により製造したものである。これに対して比較例1で使用した蛍光体は固相合成法により製造したものである。液相合成法では、上記のように、保護コロイドの添加量や反応液の添加速度等を変化させることによって、粒径を微粒に製造することができ、蛍光体を機械的に粉砕するような工程は含まない。一方、固相合成法では、蛍光体の合成時には、ボールミルで混合する工程がある。このとき、蛍光体は粉砕され、応力が加えられることにより、結晶格子中に格子欠陥が生じる可能性が高い。このため、固相合成法により得た蛍光体は、プラズマ放電時に、イオン衝撃を受けると、劣化しやすい。一方、液相合成法ではそのような応力は一切加えられていないので、結晶格子中に格子欠陥等が生じる可能性は低い。
【0138】
以上より、PDP1−1、PDP1−2は、比較例1に対して、放電維持電圧を低くすることができ、さらにPDP1−1、PDP1−2は、比較例1に対して劣化しにくい蛍光体を使用しているため、表1に示すように、PDP1−1及びPDP1−2の輝度劣化率は、比較例1に対して低くなると考えられる。
【0139】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。実施例2では、実施例1で製造した蛍光体B−1、G−1、R−1を用いて、放電セル中に占める蛍光体層の体積の割合が異なるPDPを製造し、輝度劣化率について評価した。
まず、PDP2−1の製造について説明する。
【0140】
1.PDP2−1の製造
実施例1の5(1)において、青色蛍光体ペーストBP−1、緑色蛍光体ペーストGP−1、赤色蛍光体ペーストRP−1の量を放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が15%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDP2−1を製造した。
【0141】
2.PDP2−2の製造
実施例1の5(1)において、青色蛍光体ペーストBP−1、緑色蛍光体ペーストGP−1、赤色蛍光体ペーストRP−1の量を、放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が35%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDP2−2を製造した。
【0142】
〔比較例2〕
(1)蛍光体ペーストの調整
実施例1の5(1)において、青色蛍光体ペーストBP−1、緑色蛍光体ペーストGP−1、赤色蛍光体ペーストRP−1の量を放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が60%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDPを製造して、比較例2とした。
【0143】
〔評価2〕
上記で製造したPDP2−1、PDP2−2と比較例2で製造したPDPについて、評価1と同様に、初期パネル輝度が1,000cd/mになるような放電維持電圧(周波数30Hz)を24時間連続して印加して、輝度劣化率を評価した。結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2004071434
【0144】
表2から明らかなように、比較例2の輝度劣化率が−7.8%であるのに対して、PDP2−1の輝度劣化率は−1.8%、PDP2−2の輝度劣化率は−0.5%と、比較例1に対して本発明のPDPの輝度劣化率は低く、24時間継続して放電維持電圧を印加しても、初期パネル輝度とほぼ同程度の輝度を維持することができている。
【0145】
これは、以下の理由によると考えられる。
まず、比較例2では、放電セル中に蛍光体層が占める割合が60%と非常に高く、放電空間が40%となる。これに対して、PDP2−1では放電セル中に蛍光体層が占める割合が15%であり、放電空間は85%も確保されている。PDP1−2では、放電セル中に蛍光体層が占める割合は35%であり、放電空間は65%確保されている。比較例2では、使用している蛍光体量は、PDP2−1、PDP2−2と比べると多くなるが、放電空間が狭くなるため、蛍光体を励起するために十分な紫外線を発生することができず、輝度が低下する。この輝度低下を補うためには、高電圧を印加しなければならない。
【0146】
一方、PDP2−1、PDP2−2では、比較例2に比べると蛍光体付量は少ないが、放電空間が十分に確保されているため、輝度が高く、そのため、初期パネル輝度を達成するための電圧も、比較例2に比べて、小さくすることができる。よって、比較例2に対して、PDP2−1、PDP2−2では、放電セル中のイオン濃度を低減することができ、これにより、蛍光体がイオン衝撃を受けにくくすることができる。このため、表2に示すように、24時間連続して電圧を印加しても、輝度劣化を低く抑えることができる。
【0147】
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。実施例3では、実施例1で製造した蛍光体B−1、G−1、R−1を用いて、蛍光体の充填率が異なるPDPを製造し、輝度劣化について評価した。
まず、PDP3−1の製造について説明する。
【0148】
1.PDP3−1の製造
(1)蛍光体ペーストの調整
実施例1の4において、各色発光蛍光体B−1、G−1、R−1の固形分濃度が25質量%となるようにした以外は、実施例1の4と同様にして各色発光蛍光体ペーストBP−11、GP−11、RP−11を調整した。
【0149】
(2)PDPの製造
実施例1の5(1)において、上記で調整した青色蛍光体ペーストBP−11、緑色蛍光体ペーストGP−11、赤色蛍光体ペーストRP−11の量を放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が15%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDP3−1を製造した。また、このときの蛍光体充填率は34.5%であった。
【0150】
2.PDP3−2の製造
(1)蛍光体ペーストの調整
実施例1の4において、各色発光蛍光体B−1、G−1、R−1の固形分濃度が50質量%となるようにした以外は、実施例1の4と同様にして各色発光蛍光体ペーストBP−12、GP−12、RP−12を調整した。
【0151】
(2)PDPの製造
実施例1の5(1)において、上記で調整した青色蛍光体ペーストBP−12、緑色蛍光体ペーストGP−12、赤色蛍光体ペーストRP−12の量を放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が15%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDP3−2を製造した。また、このときの蛍光体充填率は69.0%であった。
【0152】
〔比較例3〕
(1)蛍光体ペーストの調整
実施例1の4において、各色発光蛍光体B−1、G−1、R−1の固形分濃度が7.5質量%となるようにした以外は、実施例1の4と同様にして各色発光蛍光体ペーストBP−13、GP−13、RP−13を調整した。
【0153】
(2)PDPの製造
実施例1の5(1)において、上記で調整した青色蛍光体ペーストBP−13、緑色蛍光体ペーストGP−13、赤色蛍光体ペーストRP−13の量を放電セル31の容積に対して、焼成後の蛍光体層35が占める体積の割合が50%になるように調整した以外は、実施例1の5(1)と同様にしてPDPを製造して、比較例3とした。また、このときの蛍光体充填率は10.4%であった。
【0154】
〔評価3〕
上記で製造したPDP3−1、PDP3−2と、比較例3で製造したPDPについて、評価1と同様に、初期パネル輝度が1,000cd/m2になるような放電維持電圧(周波数30Hz)を24時間連続して印加して、輝度劣化率を評価した。結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2004071434
【0155】
表3から明らかなように、比較例3の輝度劣化率が−8.4%であるのに対して、PDP3−1では−2.3%、PDP3−2では−1.0%と低い値を示し、24時間継続して電圧を印加しても、初期パネル輝度とほぼ同程度の輝度を維持することができている。
これは、以下の理由によると考えられる。
【0156】
まず、比較例3の放電セル中に蛍光体層の占める割合が50%と高い。このため、比較例3では放電空間が放電セルに対して50%となっている。一方、PDP3−1、PDP3−2では15%であり、放電空間が85%確保されている。
さらに、比較例3では、蛍光体層が占める割合が高いにも関わらず、PDP3−1、PDP3−2に比べると蛍光体の充填率が低い。比較例3の蛍光体充填率は10.4%であり、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合を求めると、5.2%になる。一方、PDP3−1の蛍光体充填率は、34.5%であり、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合は、5.75%になる。PDP3−2の蛍光体充填率は、69.0%であり、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合は、10.35%になる。
【0157】
このように、比較例3では、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合が少なく、さらに放電空間が小さいため、1,000cd/mの初期パネル輝度を達成するために必要な印加電圧も高くなる。一方、PDP3−1では、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合が5.12%と比較例3と同程度であるが、放電空間の割合が85%と高い。このため、比較例3に対して、放電維持電圧を低くすることができる。PDP3−2では、蛍光体の充填率が高いために、放電空間が85%であることに加えて、放電セル中に蛍光体粒子が占める体積の割合が、比較例3とPDP3−1の約2倍となっている。このため、さらに放電維持電圧を低くすることができる。
【0158】
このため、放電セル中のイオン濃度を、PDP3−1、PDP3−2では、比較例3に対して、低くすることができ、蛍光体をイオン衝撃から守り、蛍光体の劣化を防止している。このため、表3に得られるように、輝度劣化率が低く、長時間継続して使用しても輝度をほぼ一定に維持することができる。
【0159】
【発明の効果】
本発明によれば、平均粒径が0.01〜1.0μmの極微粒な蛍光体を用いて蛍光体層を構成し、さらに、蛍光体層が放電セル中に占める体積の割合を10〜40%とすることで、放電空間を拡大し、かつ、紫外線を効率よく受光して発光効率を向上することができる。これにより、高精細化したPDPであっても、輝度向上することができる。このため、従来と同程度の輝度を達成するためには、放電維持時の印加電圧を低くすることができ、蛍光体をイオン衝撃による劣化から守ることができる。したがって、長時間PDPを使用しても、輝度をほぼ一定に維持することができる。
また、蛍光体層中の蛍光体が占める体積の割合を30〜80%にすることによっても、同様の効果を得ることができる。
更に、蛍光体を液相合成法により製造することよって、結晶中の格子欠陥を防ぎ、劣化しにくい蛍光体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマディスプレイパネルの一例を示した斜視図である。
【図2】図1に示したプラズマディスプレイパネルに設けられた電極の配置を示した概略平面図である。
【図3】本発明に係るプラズマディスプレイパネルに設けられる放電セルの構造の他の例として、格子型のセル構造を示した概略平面図である。
【図4】本発明に係るプラズマディスプレイパネルに設けられる放電セルの構造の他の例として、ハニカム型のセル構造を示した概略平面図である。
【符号の説明】
1  プラズマディスプレイパネル
10 前面側基板
10a 画像表示面
20 背面板側基板、一方の基板
30、40、50 隔壁
30a 隔壁表面
31、41、51 放電セル
31a 一方の基板表面
35 蛍光体層

Claims (6)

  1. 所定間隔をあけて対向配置された2枚の基板と、基板間に設けられて基板間の空間を複数に区画する隔壁と、前記隔壁と基板とに囲まれて形成された放電セルと、前記放電セルの内側に設けられた蛍光体層とを備えたプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径は0.01〜1.0μmであり、前記蛍光体層が前記放電セル中に占める体積の割合は10〜40体積%であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層が放電セル中に占める体積の割合は10〜30体積%であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 請求項1又は2に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記放電セルの内側に面する隔壁表面と一方の基板表面とを蛍光体層で被覆可能な蛍光体層被覆可能面とするとき、
    前記蛍光体層を構成する蛍光体の量が、前記蛍光体層被覆可能面の単位面積あたりにつき20g/m以上、100g/m以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 所定間隔をあけて対向配置された2枚の基板と、基板間に設けられて基板間の空間を複数に区画する隔壁と、前記隔壁と基板とに囲まれて形成された放電セルと、前記放電セルの内側に設けられた蛍光体層とを備えたプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層を構成する蛍光体の平均粒径は0.01〜1.0μmであり、前記前記蛍光体層中に前記蛍光体が占める体積の割合は30〜80体積%であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  5. 請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体層中に前記蛍光体が占める体積の割合は40〜80体積%であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記蛍光体は、蛍光体原料を液相中で反応させる液相合成法により製造されたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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