JP2004029501A - 静電潜像現像方法及び静電潜像現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】イエロー用トナーと有色導電剤を含む樹脂被覆層をもつキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いた場合でも、色濁りなどの色特性の劣化や、現像画像における地肌汚れがなく、さらにベタ画像部でのエッジ効果防止作用や非画像部でのキャリア付着防止作用を備え、良質な画像を得ることが可能な静電潜像現像方法を提供する。
【解決手段】イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されたスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高い、好ましくは10%以上高いことを特徴とする静電潜像現像方法。
【選択図】 なし
【解決手段】イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されたスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高い、好ましくは10%以上高いことを特徴とする静電潜像現像方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像現像方法及び静電潜像現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式二成分現像剤に用いられるキャリアとしてキャリア芯材表面にシリコーン樹脂などを被覆したものが知られている。このような樹脂被覆キャリアは表面が低表面エネルギー物質で覆われているため、現像時トナーによるスペント化(キャリアにトナーが付着すること)が起こり難く、その結果、帯電量が安定し、現像剤の長寿命化が計れるという利点はあるが、樹脂被覆に伴いキャリアは絶縁化され、現像電極として働かなくなるので、特にベタ画像部でエッジ効果が生じやすくなるといった欠点がある。また、トナー離脱時のカウンターチャージも過大となるので静電現像による非画像部へのキャリア付着が発生しやすくなる。
【0003】
そこでこの問題を解決するために、特開昭56−75659号公報では被覆層中に導電剤として導電性カーボンを分散した樹脂被覆キャリアが提案されている。
しかし、このようなキャリアは、製造時、雰囲気中に浮遊している樹脂を含む導電性カーボンの一部が被覆層表面に付着するため、現像剤として使用する際、キャリア同士あるいはトナーとの摩擦や衝突等により表面から付着カーボンが脱離し、トナー粒子に付着したり、そのまま現像されたりする。この現象は、黒トナーを使用した黒文字等の複写画像を形成するときは、それほど問題にならないが、カラートナー、特にイエロー用トナーと組み合わせた現像剤においては色の濁りの問題として顕著に表れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、イエロー用トナーと有色導電剤を含む樹脂被覆層をもつキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いた場合でも、色濁りなどの色特性の劣化や、現像画像における地肌汚れがなく、さらにベタ画像部でのエッジ効果防止作用や非画像部でのキャリア付着防止作用を備え、良質な画像を得ることが可能な静電潜像現像方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段を検討した結果、次の手段により達成可能なことがわかった。
(1)イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、補給用トナーからトナー補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像方法。
【0006】
(2)現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする(1)記載の静電潜像現像方法。
【0007】
(3)現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の静電潜像現像方法。
【0008】
(4)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0009】
(5)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0010】
(6)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0011】
(7)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0012】
(8)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0013】
(9)上記イエロー用トナ−が外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0014】
(10)前記(1)又は(2)記載の静電潜像現像方法において、補給用トナーを収容した取付け可能かつ交換可能なトナー補給用容器を有し、最初に取付けられた補給用容器内のトナーを現像容器中に補充している間は、現像容器中の現像剤に含まれるトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする静電潜像現像方法。
【0015】
(11)最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0016】
(12)最初に取付けられた補給用容器内のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(1)、(2)、(10)、及び(11)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0017】
(13)最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(12)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0018】
(14)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(13)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0019】
(15)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(14)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0020】
(16)上記イエロー用トナ−が外添剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(1)、(2)及び(10)〜(13)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0021】
(17)前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0022】
(18)前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0023】
(19)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする(1)〜(18)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0024】
(20)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする(1)〜(19)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0025】
(21)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層は少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする(1)〜(20)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0026】
(22)イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなり、トナー補給しながら現像を繰り返す乾式二成分静電潜像現像剤において、現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像剤。
【0027】
(23)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする(22)に記載の静電潜像現像剤。
【0028】
(24)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする(22)又は(23)に記載の静電潜像現像剤。
【0029】
(25)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(22)〜(24)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0030】
(26)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の補給用トナーにおけるトナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(22)〜(25)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0031】
(27)現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(22)〜(26)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0032】
(28)前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(22)〜(27)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0033】
(29)前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(22)〜(28)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0034】
(30)前記トナーが外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(22)〜(27)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0035】
(31)前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする(22)〜(30)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0036】
(32)前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする(22)〜(31)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0037】
(33)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする(22)〜(32)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0038】
(34)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする(22)〜(33)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0039】
(35)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層は少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする(22)〜(34)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0040】
イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後(例えば50000枚現像した後)の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高くすることで、色汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高くすることで、より色汚れを抑えることができる。
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%以上とすることで、さらに色汚れを抑えることができる。
【0041】
さらに、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーの帯電量に比べて高くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高くすることで、現像された画像において地汚れをさらに抑えることができる。
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下とすることで、現像された画像において地汚れをさらに抑えることができる。
【0042】
さらに、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加されている帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多くすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0043】
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される外添剤の量を、補給用トナーに添加される外添剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。
【0044】
前記(1)、(2)記載の静電潜像現像方法において、取付け可能かつ交換可能なトナー補給用容器を有し、最初に取付けられた補給用容器内のトナーを現像容器中に補充している間は、現像容器中の現像剤Bに含まれるトナーによるキャリア被覆率が50%以上とすることで、色汚れを抑えることができる。
【0045】
さらに、最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーの帯電量に比べて高くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、最初に取付けられた補給用容器内のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーにおける被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高くすることで、現像された画像の地汚れをさらに抑えることができる。
また、最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下とすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0046】
さらに、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加されている帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多くすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0047】
また、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加されている外添剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。
【0048】
イエロー用トナーの重量平均粒径を3〜8μmとすること、現像容器中に充填されるキャリアの重量平均粒径を25〜45μmとすることで、良質な画像を得ることができる。
樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボン、フラーレンを含むことで、ベタ画像部でのエッジ効果や非画像部でのキャリア付着を防止することができる。
キャリア表面に設けられている樹脂被覆層は、少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、膜厚が0.2μm以上とすることで、現像トナーによるスペントを抑えることができる。
【0049】
以下に本発明の詳細な説明を記す。
本発明に使用されるイエロー用トナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色剤、外添剤、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作製された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
【0050】
トナーのバインダー樹脂としては以下のものを、単独あるいは混合して使用できる。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0051】
また、ポリエステル樹脂は、スチレン系やアクリル系樹脂に比して、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、例えば、アルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得ることができる。
【0052】
アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
【0053】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0054】
エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上三井石油化学工業(株)製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017(以上東都化成(株)製)、エポコ−ト1002、1004、1007(以上シェル化学社製)等の市販のものが挙げられる。
【0055】
本発明に使用されるイエロー用トナーの着色剤としては、ハンザイエロー、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエローレーキ、タートラジンレーキ等の従来公知のいかなる染顔料も用いることができ、単独あるいは混合して使用することが可能である。
【0056】
また、トナーに磁性体を含有させて磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの微粉末が使用できる。
【0057】
トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で、いわゆる帯電制御剤、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のコバルト、クロム、鉄等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などを含有させることができる。
【0058】
さらにまた、本発明で用いるトナーには必要に応じて離型剤を添加してもよい。離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本発明で用いるトナーには、外添剤を添加することができる。良好な画像を得るためには、トナーに十分な流動性を付与することが肝要である。これには一般に流動性向上材として疎水化された金属酸化物の微粒子や、滑剤などの微粒子を外添することが有効であり、金属酸化物、有機樹脂微粒子、金属石鹸などを外添剤として用いることが可能である。これら外添剤の具体例としては、テフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤や、酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤;例えば表面を疎水化したSiO2 、TiO2等の無機酸化物などの流動性付与剤;ケーキング防止剤として知られるもの、及び、それらの表面処理物などが挙げられる。トナーの流動性を向上させるためには、特に、疎水性シリカが好ましく用いられる。
【0060】
本発明で用いるイエロー用トナーにおいて、その重量平均粒径Dtは3〜8μm、好ましくは4.5〜7.5μmである。Dtがこれ未満であると現像装置内のトナー汚れが起きやすくなり、これを超えると良質な画像が得られない。
【0061】
本発明で使用することができるキャリア芯材としては、従来より公知のものが使用できる。例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどが挙げられる。
【0062】
有色導電剤としては、導電性を有するカーボンブラック、あるいはフラーレンであれば全て使用でき、例えばファーネスブラック(市販品としてはキャボット社製Black Pearls2000、Carbolac1;ライオンアクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ500、ケッチェンブラックEC−DJ600等がある)、アセチレンブラック(市販品としては電気化学工業社製デンカブラック粒状、デンカブラック粉状;ポストマン社製Anacarbon等がある。)、あるいはC60、C70、C82、C84のフラーレン、またはさらに高分子量のフラーレン、内部空間にLa、Y、Sc等の金属を内包したフラーレンなどが使用できる。
【0063】
キャリアの樹脂被覆層としては少なくともシリコーン系樹脂が含まれているものが好ましい。シリコーン樹脂は、従来から知られているものが使用でき、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。例えば、ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。また、変性シリコーンとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどが挙げられ、変性シリコーンの例としては、エポキシ変性:ES−1001N、アクリル変性:KR−5208、ポリエステル変性:KR−5203、アルキッド変性:KR−206、ウレタン変性:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性:SR−2115、アルキッド変性:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などである。
【0064】
また、樹脂被覆層に添加剤として帯電制御剤を使用することも可能である。シリコーン樹脂の場合には、特に、アミノシランカップリング剤の添加が有効であり、シリコーン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部添加すると良い。
【0065】
本発明における樹脂被覆層の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
【0066】
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂被覆層の厚みは、通常0.2μm以上、好ましくは0.3〜0.8μmである。樹脂被覆層の厚みが0.2μmより小さいと、樹脂被覆層が削れて芯材表面が露出し、トナースペントが発生しやすくなる。また、樹脂被覆層の厚みが0.8μmを超えると、キャリア帯電性が悪くなり、画像において地肌汚れが起きやすくなる。
キャリアの重量平均粒径は、25〜45μmが好ましい。キャリアの重量平均粒径がこれ未満であるとキャリア付着が発生し、これを超えると画像濃度ムラが起きる。
【0067】
本発明のイエロー用トナーとキャリアとからなるスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率は、50%以上、好ましくは55〜75%であり、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bにおけるトナーによるキャリア被覆率よりも10%以上、より好ましくは15%以上高くする。また、本発明のスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、20μC/g以上50μC/g以下、より好ましくは20μC/g以上40μC/g以下であり、さらにトナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量よりも5μC/g以上、より好ましくは10μC/g以上高くする。
【0068】
本発明のイエロー用トナーの内、最初に取付けられる補給用容器中に充填されているトナーは、トナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、20μC/g以上50μC/g以下、より好ましくは20μC/g以上40μC/g以下であり、さらにそれ以降の補給用容器中に充填されているトナーのトナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量よりも5μC/g以上、より好ましくは10μC/g以上高くする。
【0069】
なお、前記トナーによるキャリア被覆率は以下の式で算出される。
被覆率(%)=(Wt/Wc)×(ρc/ρt)×(Dc/Dt)×(1/4)×100前記式中、Wtはトナーの重量(g)、Wcはキャリアの重量(g)、ρcはキャリア真密度(g/cm3)、ρtはトナー真密度(g/cm3)、Dcはキャリアの重量平均粒径(μm)、Dtはトナーの重量平均粒径(μm)、をそれぞれ表す。
また、本発明においてキャリア被覆率が50%のときのトナー帯電量とは、現像剤からトナーによるキャリア被覆率が50%となるように、使用されているトナーとキャリアを計り取り、ブローオフ法で測定した帯電量を表す。
【0070】
本発明においてイエロー用トナー及びキャリアに関して言う重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
この場合の重量平均粒径Dwは以下の式で表される。
Dw=Σ(nD4)/Σ(nD3)
前記式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すものである。
【0071】
本発明における現像容器は、現像剤を収納させる容器において、前記した本発明の現像剤を収納させたものである。この場合の容器としては、従来公知の各種のものを用いることができる。
【0072】
本発明の現像方法は、その現像剤として前記した本発明の現像剤を用いる方法である。
この場合、外部から印加する現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加すると、画像濃度が高く、地汚れの少ない高画質を得ることが出来る。特に、ドット再現性、およびハイライトの再現性が良好となる。上記の現像バイアスを印加する場合、直流バイアスのみを印加する時に比べて、実質的な現像ポテンシャル、および地肌ポテンシャルが大きくなる。その為、従来はキャリア付着が起こり易かったが、本発明の現像方法によって、両立が可能となった。
【0073】
キャリア被覆層厚さの測定は、様々な方法で可能である。たとえば、用いたキャリア芯材、被覆層材料のそれぞれの比重が既知である場合には、キャリアの真比重を正確に測定することでも可能である。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本実施例は本発明の一例にすぎず、本発明はこれら実施例に限られるものではない。なお、以下に示す「部」及び「%」はいずれも重量基準である。
【0075】
イエロー用トナーの製造
(製造例1)
バインダー樹脂 ポリエステル(重量平均分子量12000) 100部
着色剤 ジスアゾイエロー顔料 4部
帯電制御剤 3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2.0部
を計量し、攪拌、混合したものを、熱ロールを用いて120℃で混練後、冷却固化、粉砕、分級した。さらに、添加剤としてシリカR972(日本アエロジル社製)を0.5%添加、混合して、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーAを得た。
【0076】
(製造例2)
製造例1のうち、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛塩を2.6部とすること以外はまったく同様にして、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーBを得た。
【0077】
(製造例3)
製造例1のうち、シリカR972を1.0%とすること以外はまったく同様にして、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーCを得た。
【0078】
キャリアの製造
(製造例4)
シリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して導電性カーボン(ケッチェンブラックEC−DJ600:ライオン・アクゾ社製)が7wt%となるように調整した液を、ホモジナイザーを使用して、30分間分散した後、この分散液を固形分10wt%になるよう希釈し、被覆層塗布液を得た。
次に、キャリア芯材(CuZn系フェライト:1kOeにおける磁気モーメント66emu/g、平均粒径35μm)に対して、上記分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、280℃で2時間加熱して、被覆層の平均膜厚0.6μmのキャリアEを得た。膜厚の調整はコート液量を調整することで行った。
【0079】
(製造例5)
シリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対してフラーレンC60が1wt%となるように調整した液を、ホモジナイザーを使用して、30分間分散した後、この分散液を固形分10wt%になるよう希釈し、被覆層塗布液を得た。フラーレンC60は、希ガス中で2本のグラファイト棒の間にアーク放電を起させて合成するアーク放電法で作製し、平均粒径が0.025μmであった。
次に、キャリア芯材(CuZn系フェライト:1kOeにおける磁気モーメント66emu/g、平均粒径35μm)に対して、上記分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、280℃で2時間加熱して、被覆層の平均膜厚0.6μmのキャリアFを得た。膜厚の調整はコート液量を調整することで行った。
【0080】
実施例1〜7、及び比較例1〜2
製造例1〜3に示されたイエロー用トナーと製造例4、5に示されたキャリアを、表1に示された通りに混合、攪拌してスタート現像剤Aを作製した。また、補給用容器には表1に示された通りのトナーを充填した。
表中のトナーの帯電量は、トナーによるキャリア被覆率が50%となるようにイエロー用トナーと現像剤に使用されているキャリアを計り取り、ステンレス製筒型容器に入れて10分間振動、攪拌したときの帯電量を表している。
【0081】
【表1】
【0082】
これらの現像剤をプリテール500(リコー社製フルカラー複写機)にセットし、単色モードで10分間攪拌した直後の画像、及び50000枚連続で通紙した後の画像について、画像部分の色汚れ及び地肌汚れの確認を行った。
色汚れについては、目視による確認及びJIS Z 8730のL*a*b*表色系による色差ΔE* abで評価した。
【0083】
【数1】
(ΔL*、Δa*、Δb*は基準色と評価サンプルの明度L*の差、及び色座標a*、b*の差)
一般に色差ΔE* abが2.5以下であれば、サンプルを離して判定したときにほぼ同一と認めることができる、と言われている。また、有色導電剤を含まないキャリアとイエロー用トナーを混合した現像剤をプリテール500にセットして画像をとり、これを色差ΔE* ab測定の際の基準色とした。
【0084】
色汚れ(目視)、地肌汚れについては目視により次の基準で評価した。
◎:全く問題なし
○:実用上問題なし
△:やや問題あり
×:不適
結果を表2にまとめる。
【表2】
【0085】
【発明の効果】
本発明により、イエロー用トナーと有色導電剤を含む樹脂被覆層をもつキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いた場合でも、色濁りなどの色特性の劣化や、現像画像における地肌汚れがなく、さらにベタ画像部でのエッジ効果防止作用や非画像部でのキャリア付着防止作用を備え、良質な画像を得ることが可能な静電潜像現像方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像現像方法及び静電潜像現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式二成分現像剤に用いられるキャリアとしてキャリア芯材表面にシリコーン樹脂などを被覆したものが知られている。このような樹脂被覆キャリアは表面が低表面エネルギー物質で覆われているため、現像時トナーによるスペント化(キャリアにトナーが付着すること)が起こり難く、その結果、帯電量が安定し、現像剤の長寿命化が計れるという利点はあるが、樹脂被覆に伴いキャリアは絶縁化され、現像電極として働かなくなるので、特にベタ画像部でエッジ効果が生じやすくなるといった欠点がある。また、トナー離脱時のカウンターチャージも過大となるので静電現像による非画像部へのキャリア付着が発生しやすくなる。
【0003】
そこでこの問題を解決するために、特開昭56−75659号公報では被覆層中に導電剤として導電性カーボンを分散した樹脂被覆キャリアが提案されている。
しかし、このようなキャリアは、製造時、雰囲気中に浮遊している樹脂を含む導電性カーボンの一部が被覆層表面に付着するため、現像剤として使用する際、キャリア同士あるいはトナーとの摩擦や衝突等により表面から付着カーボンが脱離し、トナー粒子に付着したり、そのまま現像されたりする。この現象は、黒トナーを使用した黒文字等の複写画像を形成するときは、それほど問題にならないが、カラートナー、特にイエロー用トナーと組み合わせた現像剤においては色の濁りの問題として顕著に表れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、イエロー用トナーと有色導電剤を含む樹脂被覆層をもつキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いた場合でも、色濁りなどの色特性の劣化や、現像画像における地肌汚れがなく、さらにベタ画像部でのエッジ効果防止作用や非画像部でのキャリア付着防止作用を備え、良質な画像を得ることが可能な静電潜像現像方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段を検討した結果、次の手段により達成可能なことがわかった。
(1)イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、補給用トナーからトナー補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像方法。
【0006】
(2)現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする(1)記載の静電潜像現像方法。
【0007】
(3)現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の静電潜像現像方法。
【0008】
(4)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0009】
(5)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0010】
(6)現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0011】
(7)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0012】
(8)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0013】
(9)上記イエロー用トナ−が外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0014】
(10)前記(1)又は(2)記載の静電潜像現像方法において、補給用トナーを収容した取付け可能かつ交換可能なトナー補給用容器を有し、最初に取付けられた補給用容器内のトナーを現像容器中に補充している間は、現像容器中の現像剤に含まれるトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする静電潜像現像方法。
【0015】
(11)最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0016】
(12)最初に取付けられた補給用容器内のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(1)、(2)、(10)、及び(11)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0017】
(13)最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(12)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0018】
(14)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(13)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0019】
(15)上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(1)、(2)、及び(10)〜(14)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0020】
(16)上記イエロー用トナ−が外添剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(1)、(2)及び(10)〜(13)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0021】
(17)前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする(1)〜(16)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0022】
(18)前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0023】
(19)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする(1)〜(18)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0024】
(20)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする(1)〜(19)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0025】
(21)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層は少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする(1)〜(20)のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
【0026】
(22)イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなり、トナー補給しながら現像を繰り返す乾式二成分静電潜像現像剤において、現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像剤。
【0027】
(23)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする(22)に記載の静電潜像現像剤。
【0028】
(24)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする(22)又は(23)に記載の静電潜像現像剤。
【0029】
(25)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする(22)〜(24)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0030】
(26)現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の補給用トナーにおけるトナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする(22)〜(25)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0031】
(27)現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする(22)〜(26)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0032】
(28)前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする(22)〜(27)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0033】
(29)前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする(22)〜(28)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0034】
(30)前記トナーが外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする(22)〜(27)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0035】
(31)前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする(22)〜(30)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0036】
(32)前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする(22)〜(31)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0037】
(33)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする(22)〜(32)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0038】
(34)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする(22)〜(33)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0039】
(35)前記キャリアにおいて、樹脂被覆層は少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする(22)〜(34)のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
【0040】
イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後(例えば50000枚現像した後)の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高くすることで、色汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高くすることで、より色汚れを抑えることができる。
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%以上とすることで、さらに色汚れを抑えることができる。
【0041】
さらに、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーの帯電量に比べて高くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高くすることで、現像された画像において地汚れをさらに抑えることができる。
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下とすることで、現像された画像において地汚れをさらに抑えることができる。
【0042】
さらに、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加されている帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多くすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0043】
また、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される外添剤の量を、補給用トナーに添加される外添剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。
【0044】
前記(1)、(2)記載の静電潜像現像方法において、取付け可能かつ交換可能なトナー補給用容器を有し、最初に取付けられた補給用容器内のトナーを現像容器中に補充している間は、現像容器中の現像剤Bに含まれるトナーによるキャリア被覆率が50%以上とすることで、色汚れを抑えることができる。
【0045】
さらに、最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーの帯電量に比べて高くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、最初に取付けられた補給用容器内のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーにおける被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高くすることで、現像された画像の地汚れをさらに抑えることができる。
また、最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下とすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0046】
さらに、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。特に、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加されている帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多くすることで、現像された画像においてさらに地汚れを抑えることができる。
【0047】
また、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加されている外添剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量より多くすることで、現像された画像において地汚れを抑えることができる。
【0048】
イエロー用トナーの重量平均粒径を3〜8μmとすること、現像容器中に充填されるキャリアの重量平均粒径を25〜45μmとすることで、良質な画像を得ることができる。
樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボン、フラーレンを含むことで、ベタ画像部でのエッジ効果や非画像部でのキャリア付着を防止することができる。
キャリア表面に設けられている樹脂被覆層は、少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、膜厚が0.2μm以上とすることで、現像トナーによるスペントを抑えることができる。
【0049】
以下に本発明の詳細な説明を記す。
本発明に使用されるイエロー用トナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色剤、外添剤、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作製された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
【0050】
トナーのバインダー樹脂としては以下のものを、単独あるいは混合して使用できる。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0051】
また、ポリエステル樹脂は、スチレン系やアクリル系樹脂に比して、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、例えば、アルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得ることができる。
【0052】
アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
【0053】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これら酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
【0054】
エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上三井石油化学工業(株)製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017(以上東都化成(株)製)、エポコ−ト1002、1004、1007(以上シェル化学社製)等の市販のものが挙げられる。
【0055】
本発明に使用されるイエロー用トナーの着色剤としては、ハンザイエロー、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエローレーキ、タートラジンレーキ等の従来公知のいかなる染顔料も用いることができ、単独あるいは混合して使用することが可能である。
【0056】
また、トナーに磁性体を含有させて磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの微粉末が使用できる。
【0057】
トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で、いわゆる帯電制御剤、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のコバルト、クロム、鉄等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などを含有させることができる。
【0058】
さらにまた、本発明で用いるトナーには必要に応じて離型剤を添加してもよい。離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
本発明で用いるトナーには、外添剤を添加することができる。良好な画像を得るためには、トナーに十分な流動性を付与することが肝要である。これには一般に流動性向上材として疎水化された金属酸化物の微粒子や、滑剤などの微粒子を外添することが有効であり、金属酸化物、有機樹脂微粒子、金属石鹸などを外添剤として用いることが可能である。これら外添剤の具体例としては、テフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛のごとき滑剤や、酸化セリウム、炭化ケイ素などの研磨剤;例えば表面を疎水化したSiO2 、TiO2等の無機酸化物などの流動性付与剤;ケーキング防止剤として知られるもの、及び、それらの表面処理物などが挙げられる。トナーの流動性を向上させるためには、特に、疎水性シリカが好ましく用いられる。
【0060】
本発明で用いるイエロー用トナーにおいて、その重量平均粒径Dtは3〜8μm、好ましくは4.5〜7.5μmである。Dtがこれ未満であると現像装置内のトナー汚れが起きやすくなり、これを超えると良質な画像が得られない。
【0061】
本発明で使用することができるキャリア芯材としては、従来より公知のものが使用できる。例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどが挙げられる。
【0062】
有色導電剤としては、導電性を有するカーボンブラック、あるいはフラーレンであれば全て使用でき、例えばファーネスブラック(市販品としてはキャボット社製Black Pearls2000、Carbolac1;ライオンアクゾ社製ケッチェンブラックEC−DJ500、ケッチェンブラックEC−DJ600等がある)、アセチレンブラック(市販品としては電気化学工業社製デンカブラック粒状、デンカブラック粉状;ポストマン社製Anacarbon等がある。)、あるいはC60、C70、C82、C84のフラーレン、またはさらに高分子量のフラーレン、内部空間にLa、Y、Sc等の金属を内包したフラーレンなどが使用できる。
【0063】
キャリアの樹脂被覆層としては少なくともシリコーン系樹脂が含まれているものが好ましい。シリコーン樹脂は、従来から知られているものが使用でき、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。例えば、ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などがある。また、変性シリコーンとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどが挙げられ、変性シリコーンの例としては、エポキシ変性:ES−1001N、アクリル変性:KR−5208、ポリエステル変性:KR−5203、アルキッド変性:KR−206、ウレタン変性:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性:SR−2115、アルキッド変性:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)などである。
【0064】
また、樹脂被覆層に添加剤として帯電制御剤を使用することも可能である。シリコーン樹脂の場合には、特に、アミノシランカップリング剤の添加が有効であり、シリコーン樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部添加すると良い。
【0065】
本発明における樹脂被覆層の形成方法は、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
【0066】
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂被覆層の厚みは、通常0.2μm以上、好ましくは0.3〜0.8μmである。樹脂被覆層の厚みが0.2μmより小さいと、樹脂被覆層が削れて芯材表面が露出し、トナースペントが発生しやすくなる。また、樹脂被覆層の厚みが0.8μmを超えると、キャリア帯電性が悪くなり、画像において地肌汚れが起きやすくなる。
キャリアの重量平均粒径は、25〜45μmが好ましい。キャリアの重量平均粒径がこれ未満であるとキャリア付着が発生し、これを超えると画像濃度ムラが起きる。
【0067】
本発明のイエロー用トナーとキャリアとからなるスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率は、50%以上、好ましくは55〜75%であり、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bにおけるトナーによるキャリア被覆率よりも10%以上、より好ましくは15%以上高くする。また、本発明のスタート現像剤Aにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、20μC/g以上50μC/g以下、より好ましくは20μC/g以上40μC/g以下であり、さらにトナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量よりも5μC/g以上、より好ましくは10μC/g以上高くする。
【0068】
本発明のイエロー用トナーの内、最初に取付けられる補給用容器中に充填されているトナーは、トナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量は、20μC/g以上50μC/g以下、より好ましくは20μC/g以上40μC/g以下であり、さらにそれ以降の補給用容器中に充填されているトナーのトナーによるキャリア被覆率が50%のときのトナーの帯電量よりも5μC/g以上、より好ましくは10μC/g以上高くする。
【0069】
なお、前記トナーによるキャリア被覆率は以下の式で算出される。
被覆率(%)=(Wt/Wc)×(ρc/ρt)×(Dc/Dt)×(1/4)×100前記式中、Wtはトナーの重量(g)、Wcはキャリアの重量(g)、ρcはキャリア真密度(g/cm3)、ρtはトナー真密度(g/cm3)、Dcはキャリアの重量平均粒径(μm)、Dtはトナーの重量平均粒径(μm)、をそれぞれ表す。
また、本発明においてキャリア被覆率が50%のときのトナー帯電量とは、現像剤からトナーによるキャリア被覆率が50%となるように、使用されているトナーとキャリアを計り取り、ブローオフ法で測定した帯電量を表す。
【0070】
本発明においてイエロー用トナー及びキャリアに関して言う重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
この場合の重量平均粒径Dwは以下の式で表される。
Dw=Σ(nD4)/Σ(nD3)
前記式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すものである。
【0071】
本発明における現像容器は、現像剤を収納させる容器において、前記した本発明の現像剤を収納させたものである。この場合の容器としては、従来公知の各種のものを用いることができる。
【0072】
本発明の現像方法は、その現像剤として前記した本発明の現像剤を用いる方法である。
この場合、外部から印加する現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加すると、画像濃度が高く、地汚れの少ない高画質を得ることが出来る。特に、ドット再現性、およびハイライトの再現性が良好となる。上記の現像バイアスを印加する場合、直流バイアスのみを印加する時に比べて、実質的な現像ポテンシャル、および地肌ポテンシャルが大きくなる。その為、従来はキャリア付着が起こり易かったが、本発明の現像方法によって、両立が可能となった。
【0073】
キャリア被覆層厚さの測定は、様々な方法で可能である。たとえば、用いたキャリア芯材、被覆層材料のそれぞれの比重が既知である場合には、キャリアの真比重を正確に測定することでも可能である。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本実施例は本発明の一例にすぎず、本発明はこれら実施例に限られるものではない。なお、以下に示す「部」及び「%」はいずれも重量基準である。
【0075】
イエロー用トナーの製造
(製造例1)
バインダー樹脂 ポリエステル(重量平均分子量12000) 100部
着色剤 ジスアゾイエロー顔料 4部
帯電制御剤 3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛塩 2.0部
を計量し、攪拌、混合したものを、熱ロールを用いて120℃で混練後、冷却固化、粉砕、分級した。さらに、添加剤としてシリカR972(日本アエロジル社製)を0.5%添加、混合して、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーAを得た。
【0076】
(製造例2)
製造例1のうち、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸亜鉛塩を2.6部とすること以外はまったく同様にして、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーBを得た。
【0077】
(製造例3)
製造例1のうち、シリカR972を1.0%とすること以外はまったく同様にして、重量平均粒径6μmのイエロー用トナーCを得た。
【0078】
キャリアの製造
(製造例4)
シリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対して導電性カーボン(ケッチェンブラックEC−DJ600:ライオン・アクゾ社製)が7wt%となるように調整した液を、ホモジナイザーを使用して、30分間分散した後、この分散液を固形分10wt%になるよう希釈し、被覆層塗布液を得た。
次に、キャリア芯材(CuZn系フェライト:1kOeにおける磁気モーメント66emu/g、平均粒径35μm)に対して、上記分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、280℃で2時間加熱して、被覆層の平均膜厚0.6μmのキャリアEを得た。膜厚の調整はコート液量を調整することで行った。
【0079】
(製造例5)
シリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)の固形分に対してフラーレンC60が1wt%となるように調整した液を、ホモジナイザーを使用して、30分間分散した後、この分散液を固形分10wt%になるよう希釈し、被覆層塗布液を得た。フラーレンC60は、希ガス中で2本のグラファイト棒の間にアーク放電を起させて合成するアーク放電法で作製し、平均粒径が0.025μmであった。
次に、キャリア芯材(CuZn系フェライト:1kOeにおける磁気モーメント66emu/g、平均粒径35μm)に対して、上記分散液を流動床型コーティング装置を用いて、100℃の雰囲気下で、約50g/minの割合で塗布した。更に、280℃で2時間加熱して、被覆層の平均膜厚0.6μmのキャリアFを得た。膜厚の調整はコート液量を調整することで行った。
【0080】
実施例1〜7、及び比較例1〜2
製造例1〜3に示されたイエロー用トナーと製造例4、5に示されたキャリアを、表1に示された通りに混合、攪拌してスタート現像剤Aを作製した。また、補給用容器には表1に示された通りのトナーを充填した。
表中のトナーの帯電量は、トナーによるキャリア被覆率が50%となるようにイエロー用トナーと現像剤に使用されているキャリアを計り取り、ステンレス製筒型容器に入れて10分間振動、攪拌したときの帯電量を表している。
【0081】
【表1】
【0082】
これらの現像剤をプリテール500(リコー社製フルカラー複写機)にセットし、単色モードで10分間攪拌した直後の画像、及び50000枚連続で通紙した後の画像について、画像部分の色汚れ及び地肌汚れの確認を行った。
色汚れについては、目視による確認及びJIS Z 8730のL*a*b*表色系による色差ΔE* abで評価した。
【0083】
【数1】
(ΔL*、Δa*、Δb*は基準色と評価サンプルの明度L*の差、及び色座標a*、b*の差)
一般に色差ΔE* abが2.5以下であれば、サンプルを離して判定したときにほぼ同一と認めることができる、と言われている。また、有色導電剤を含まないキャリアとイエロー用トナーを混合した現像剤をプリテール500にセットして画像をとり、これを色差ΔE* ab測定の際の基準色とした。
【0084】
色汚れ(目視)、地肌汚れについては目視により次の基準で評価した。
◎:全く問題なし
○:実用上問題なし
△:やや問題あり
×:不適
結果を表2にまとめる。
【表2】
【0085】
【発明の効果】
本発明により、イエロー用トナーと有色導電剤を含む樹脂被覆層をもつキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いた場合でも、色濁りなどの色特性の劣化や、現像画像における地肌汚れがなく、さらにベタ画像部でのエッジ効果防止作用や非画像部でのキャリア付着防止作用を備え、良質な画像を得ることが可能な静電潜像現像方法を提供することができる。
Claims (35)
- イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなる乾式二成分現像剤を用いる静電潜像現像方法において、現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、補給用トナーからトナー補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像方法。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤B中のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像方法。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤A中のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像方法。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後の現像剤Bに含まれるトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナーが外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤Aに使用されるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 請求項1又は2に記載の静電潜像現像方法において、補給用トナーを収容した取付け可能かつ交換可能なトナー補給用容器を用い、最初に取付けられた補給用容器内のトナーを現像容器中に補充している間は、現像容器中の現像剤に含まれるトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする静電潜像現像方法。
- 最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする請求項1、2、及び10のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 最初に取付けられた補給用容器内のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量が、それ以降の補給用容器内のトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする請求項1、2、10、及び11のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 最初に取付けられた補給用容器内のトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする請求項1、2、及び10〜12のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする請求項1、2、及び10〜13のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナ−が帯電制御剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする請求項1、2、及び10〜14のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 上記イエロー用トナ−が外添剤を含み、最初に取付けられた補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量が、それ以降の補給用容器内のトナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする請求項1、2及び10〜13のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層に少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の静電潜像現像方法。
- イエロー用トナーと、磁性体表面に有色導電剤が分散された樹脂被覆層が設けられているキャリアからなり、トナー補給しながら現像を繰り返す乾式二成分静電潜像現像剤において、現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナー補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より高いことを特徴とする静電潜像現像剤。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーによるキャリア被覆率より10%以上高いことを特徴とする請求項22に記載の静電潜像現像剤。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーによるキャリア被覆率が50%以上であることを特徴とする請求項22又は23に記載の静電潜像現像剤。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーの帯電量に比べて高いことを特徴とする請求項22〜24のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤のトナーにおいて、トナーによるキャリア被覆率50%のときの帯電量が、トナーを補給しながら現像を繰り返した後のトナーにおけるトナーによるキャリア被覆率が50%のときの帯電量より5μC/g以上高いことを特徴とする請求項22〜25のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーの帯電量が、トナーによるキャリア被覆率が50%のとき20μC/g以上50μC/g以下であることを特徴とする請求項22〜26のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量より多いことを特徴とする請求項22〜27のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記トナーが帯電制御剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される帯電制御剤の量が、補給用トナーに添加される帯電制御剤の量に比べ、重量比で30%以上多いことを特徴とする請求項22〜28のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記トナーが外添剤を含み、現像容器中に充填されるスタート現像剤に含まれるトナーに添加される外添剤の量が、補給用トナーに添加される外添剤の量より多いことを特徴とする請求項22〜27のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記イエロー用トナーの重量平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする請求項22〜30のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記キャリアの重量平均粒径が25〜45μmであることを特徴とする請求項22〜31のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がカーボンを含むことを特徴とする請求項22〜32のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層中に分散されている有色導電剤がフラーレンを含むことを特徴とする請求項22〜33のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
- 前記キャリアにおいて、樹脂被覆層に少なくともシリコーン系樹脂が含まれており、樹脂被覆層厚みが0.2μm以上であることを特徴とする請求項22〜34のいずれかに記載の静電潜像現像剤。
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JP2008070765A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法及び装置 |
US7664438B2 (en) | 2005-06-21 | 2010-02-16 | Sharp Kabushiki Kaisha | Developing device, image forming apparatus and developing method |
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2002
- 2002-06-27 JP JP2002187304A patent/JP2004029501A/ja active Pending
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