JP2004001277A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状ミストを回収できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】吸引ユニット50の下に、吸引ユニット50に付着して液状化したインクミスト(液状ミスト)を回収する回収ユニット80を配置した。この回収ユニット80は、液状ミストを回収するためのミスト回収ダクト82と、ミスト回収ダクト82の孔から落下した液状ミストを受ける液状ミスト受け部84とから構成されている。液状ミスト受け部84には、傾斜した底壁84aが形成されている。底壁84aは、支持板52に形成された開口52aを通り抜けてダクト70の側壁71に接触している。底壁84aは、ダクト70に近い側が下になるように傾斜している。
【選択図】 図6
【解決手段】吸引ユニット50の下に、吸引ユニット50に付着して液状化したインクミスト(液状ミスト)を回収する回収ユニット80を配置した。この回収ユニット80は、液状ミストを回収するためのミスト回収ダクト82と、ミスト回収ダクト82の孔から落下した液状ミストを受ける液状ミスト受け部84とから構成されている。液状ミスト受け部84には、傾斜した底壁84aが形成されている。底壁84aは、支持板52に形成された開口52aを通り抜けてダクト70の側壁71に接触している。底壁84aは、ダクト70に近い側が下になるように傾斜している。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、所定の搬送方向に搬送される記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。このインクジェット方式の画像形成装置は、通常、インクを吐出する複数のインク吐出孔が形成された印字ヘッドや、この印字ヘッドを搭載して所定の主走査方向に走査する(往復動する)キャリッジなどを備えている。
【0003】
インクジェット方式の画像形成装置で記録媒体に画像を形成する際は、搬送中の記録媒体を一時的に停止させ、キャリッジを上記の所定方向に往復動させながら、画像情報を担持した画像信号に基づいてインク吐出孔からインクを吐出し、記録媒体のうちインク吐出孔に向き合う画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。その後、記録媒体を所定の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを前記した所定方向に往復動させながら、画像信号に基づいてインク吐出孔からインクを吐出し、記録媒体のうち画像形成領域に新たに位置する部分に、画像を形成する。このような動作を繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。
【0004】
上記したインクジェット方式の画像形成装置では、液体のインクを記録媒体に吐出することによって画像を形成している。このため、印字ヘッドからインクを吐出する際にインク滴の周りに細かい霧状のインク(インクミスト)が発生する。また、記録媒体にインク滴が着弾したときに瞬時にインク滴の全てが記録媒体に吸着されるわけではなく、インク滴の一部が着弾の衝撃などに起因して記録媒体の表面で跳ね返って霧状に飛散してインクミストが発生することもある。
【0005】
発生したインクミストは、キャリッジが走査するに伴って画像形成装置の内部で巻き上げられる。この巻き上げられたインクミストは、画像形成装置の内部の部品や部材に付着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成装置の内部の部品や部材に付着したインクミストは、この内部を開けてこれらの部品や部材に接触したユーザの手を汚す。また、キャリッジの摺動部やキャリッジの位置決めをするエンコーダ等にインクミストが付着した場合、この付着したインクミストの影響で装置が誤動作するおそれもある。
【0007】
上記のようなユーザの汚れや装置の誤動作を防止するために装置内部の空気を吸引して装置外部に排出したり、装置外部から装置内部に空気を吸引したりして、インクミストを含んだ装置内部の空気を排気している。しかし、空気を吸引したり排出したりする部品や部材にインクミストが付着して液状化することがある。このように液状化したインクミスト(以下、液状ミストという)の量が多くなったときは、液状ミストが垂れ落ちたり流れ出したりしてその周辺の部品等を汚すおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、液状ミストを回収する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の画像形成装置は、インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
(1)前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引する吸引ユニットと、
(2)該吸引ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記吸引ユニットは、
(3)前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引して排気するファンと、
(4)該ファンを覆うファンカバーとを備えたものであってもよい。
【0011】
さらに、前記回収ユニットは、
(5)前記ファンカバーの下部に接続されて下方に延びる、液状化したインクミストを回収するミスト回収ダクトを備えたものであってもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の画像形成装置は、インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
(6)前記キャリッジが走査する空間にこの空間外部の空気を導入する導入ユニットと、
(7)該導入ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、前記導入ユニットは、
(8)前記空間外部の空気を吸引して前記空間に排出するファンと、
(9)このファンが吸引した空気を整流して所定方向に排出させるファンフードとを備えたものであってもよい。
【0014】
さらに、
(10)前記ファンフードは、前記空間外部から前記空間に向けて下方に傾斜しているものであり、
(11)前記回収ユニットは、前記ファンフードのうち低い部分に接続されたものであってもよい。
【0015】
さらにまた、
(12)前記回収ユニットは、回収した液状化インクミストを、前記印字ヘッドから発生した廃インクを収容する廃インク容器に廃棄するものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1と図2を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態であるカラープロッタ(以下、プロッタという)の概略構成を説明する。
【0017】
図1は、正面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図であり、図2は、背面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【0018】
プロッタ10は、キャスタ12a付きのスタンド12の上部に固定されている。また、プロッタ10は、このプロッタ10を操作するための操作部14を備えており、この操作部14に設置された各種のスイッチ等により、紙サイズ、オンライン/オフライン、コマンドなどが指示される。
【0019】
プロッタ10の背面には、ロール紙などの記録紙(記録媒体の一例である)が矢印A方向から挿入される記録紙挿入口16が形成されている。この記録紙挿入口16に挿入された記録紙は、操作部14からの指示に基づいて、プロッタ10の内部に搬送され、カラー画像が印字されて記録紙排出口18から矢印A方向(副走査方向)に排出される。なお、後述するキャリッジ20が走査する空間は外装カバー40によって覆われている。
【0020】
図3を参照して、記録媒体に画像を形成する画像形成工程(印字工程)を説明する。
【0021】
図3は、プロッタの一部を破断して示す斜視図である。
【0022】
プロッタ10では、シート状の記録媒体(シート紙など)と、ロール状に巻かれた記録媒体(ロール紙など)に画像を形成できる。ここでは、記録紙挿入口16(図2参照)から挿入されたロール紙に画像を形成する工程を説明する、シート紙などに画像を形成する工程もほぼ同様である。
【0023】
プロッタ10の背面には、ロール紙11が回転自在に保持されている。ロール紙11は矢印A方向から記録紙挿入口16(図2参照)に挿入される。また、プロッタ10には、矢印A方向に搬送されるロール紙11が載置されるプラテン34が形成されている。このプラテン34の上方には、プラテン34に平行に2本の走査レール(ガイドレール)36が掛け渡されている。この走査レール36には、モータ(図示せず)とベルト(図示せず)によって矢印B,C方向(矢印A方向に直交する方向であり、本発明にいう主走査方向である)に往復動する(走査する)キャリッジ20がスライド軸受(図示せず)を介して取り付けられている。
【0024】
キャリッジ20には、インクを吐出するインク吐出口(ノズルの出口であり、図示せず)を有する4つの印字ヘッド22K,22C,22M,22Yが搭載されている。インク吐出口の前方は、画像が形成される画像形成領域である。ロール紙11のうち画像形成領域に位置する部分にノズルの先端からインクが吐出され、これにより、この部分に画像が形成される。
【0025】
ロール紙11に画像を形成するに当っては、プラテン34にロール紙11を載置し、プラテン34に形成された開口部(図示せず)から外周面の一部を露出した搬送ローラ24と、ロール紙11の両端部を上方から押えるピンチローラ26とによってロール紙11を挟持しながら、搬送モータ(図示せず)によって搬送ローラ24を回転させてロール紙11を矢印A方向に搬送する。ロール紙11の上方でキャリッジ20を矢印B,C方向に往復動させ、ヘッド制御部(図示せず)から各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yに送信された画像情報を担持する画像信号に基づいてノズルからインクを吐出して、ロール紙11のうち画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。この部分に画像を形成し終ると、ロール紙11を所定長さだけ矢印A方向に搬送して新たに画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。このような動作を繰り返してロール紙11の所定範囲(領域)内に画像を形成し終った後、切断装置38でロール紙11を所定サイズに裁断する。これにより、画像形成動作が一旦終了する。
【0026】
上記のように各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yからインクを吐出する際にはインクミストが発生する。図4から図6までを参照して、発生したインクミストが液状化して垂れ落ちることを防止する技術について説明する。
【0027】
図4は、外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の右側(矢印B方向の上流側)から示す右側面図である。図5は、吸引ユニットと回収ユニットを右後方から示す斜視図である。図6は、図5とは反対の側から吸引ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【0028】
プロッタ10は、キャリッジ20が走査する空間を形成する外装カバー40(図1参照)を備えている。外装カバー40の内部において、キャリッジ20は主走査方向(矢印B方向、矢印C方向)に走査する。キャリッジ20が走査する空間の右側(矢印B方向の上流側)には、上記の空間に存在する空気を吸引する吸引ユニット50と、吸引ユニット50が吸引した空気を下方に案内するダクト70とが配置されている。また、吸引ユニット50の下には、吸引ユニット50に付着して液状化したインクミスト(液状ミスト)を回収する回収ユニット80が配置されている。
【0029】
吸引ユニット50は、各種部品を支持したり形成したりする支持板52を有する。支持板52はプロッタ10の本体にビス等で固定されている。この支持板52の上部には、キャリッジ20が走査する空間に存在する空気を吸引して排気するシロッコファン54が配置されている。シロッコファン54は円形状のファンカバー56で覆われている。吸引ユニット50は、支持板52、シロッコファン54、ファンカバー56などから構成されている。
【0030】
ファンカバー56には、キャリッジ20(図3参照)に向き合う面56aと、シロッコファン54を挟んで面56aとは反対側の面56bとが形成されている。これらの面56a,56bは、半リング状の板56cで接続されている。面56aには、複数のルーバー孔56dが開口されている。面56bと板56cには孔が形成されておらず、シロッコファン54を取り囲んでいる。
【0031】
板56cの下部のうち面56bの側の部分には、シロッコファン54が吸引した空気を下方(本発明にいう所定方向の一例である)に案内するダクト70が形成されている。面56a,56bと板56cとで囲まれた空間(シロッコファン54が配置された空間)はダクト70につながっている(連通している)。ダクト70の下部には排出口70aが形成されており、この排出口70aの下には、廃インクが収容される廃インク容器72が配置されている。
【0032】
板56cの下部のうち面56aの側の部分には、液状ミストを回収するためのミスト回収ダクト82が形成されている。ミスト回収ダクト82の底には孔が形成されており、回収された液状ミストはこの孔から落下する。ミスト回収ダクト82の孔の真下には、孔から落下した液状ミストを受ける液状ミスト受け部84が形成されている。
【0033】
液状ミスト受け部84には、傾斜した底壁84aが形成されている。底壁84aは、支持板52に形成された開口52aを通り抜けてダクト70の側壁71に接触している。底壁84aは、ダクト70に近い側が下になるように傾斜している。ダクト70の側壁71には、液状ミストのような液体が流れる溝(樋)71aが形成されている。液状ミストはこの溝71aを伝って下方に流れて、廃インク容器72に収容される。
【0034】
シロッコファン54が回転することにより、キャリッジ20が走査する空間に存在する空気は複数のルーバー孔56dを通って吸引される。この吸引された空気はダクト70を通って廃インク容器72に排出される。また、吸引された空気に含まれているインクミストがファンカバー56の内壁面やシロッコファン54に付着して液状化する(液状ミストになる)。液状ミストの量が多くなったときは、液状ミストが付着している個所から流れ始めてミスト回収ダクト82に回収され、液状ミスト受け部84に落下する。液状ミスト受け部84に落下した液状ミストは底壁84aを伝って溝71aに流れ込み、この溝71aを伝って廃インク容器72に収容されることとなる。従って、ファンカバー56の内壁面やシロッコファン54に付着したインクミストが垂れ落ちて、その周辺の部品や部材を汚すことがない。液状ミストが部品等に付着したことに起因する故障なども生じない。
【0035】
図7から図10までを参照して、本発明の他の実施形態を説明する。
【0036】
図7は、外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の左側(矢印B方向の下流側)から示す左側面図である。図8は、導入ユニットと回収ユニットを示す正面図である。図9は、図8の導入ユニットと回収ユニットを拡大して示す断面図である。図10は、導入ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【0037】
キャリッジ20が走査する空間の左側(矢印B方向の下流側)には、上記の空間に外部の空気を導入する導入ユニット90と、この導入ユニット90に付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニット110とが配置されている。導入ユニット90は、記録媒体を搬送する搬送モータ(図示せず)が固定された搬送モータ台(本体左シャーシの一部)41にビスで固定されている。回収ユニット110は、導入ユニット90に固定されている。
【0038】
導入ユニット90は、各種部品を支持したり形成したりする支持板92を有する。支持板92が上記の搬送モータ台41にビスで固定されている。支持板92の上部には、キャリッジ20が走査する空間に、この空間の外部の空気を吹き込む軸流ファン94が配置されている。軸流ファン94は、上記の空間の外部から空間内部に向かって下向きに傾斜するように傾斜板93に固定されている。傾斜板93は支持板92に固定されており、軸流ファン94が上記の傾斜をもつように傾斜している。
【0039】
軸流ファン94の外側部分(空気導入側部分)には、外部の空気を導くための吸気ダクト96が配置されている。吸気ダクト96はスポンジ材98を介して外装カバー40(図1参照)に固定されている。外装カバー40のうち吸気ダクト96に向き合う部分には複数のルーパー孔(貫通孔)が形成されており、外部の空気はこれらのルーパー孔を通って吸気ダクト96に吸い込まれる。
【0040】
軸流ファン94の内側部分(空気排出側部分)には、円筒状のファンフード100が配置されている。ファンフード100は、軸流ファン94が吸引した空気をプラテン34に向けて吹き出すように整流するものである。ファンフード100は軸流ファン94に組み付けられて固定されている。本発明にいう導入ユニット90は、支持板92、傾斜板93、軸流ファン94、吸気ダクト96、及びファンフード100などから構成されている。軸流ファン94が回転することにより、キャリッジ20が走査する空間の外部から上記のルーパー孔や吸気ダクト96などを通ってこの空間に空気が吹き込まれる。
【0041】
回収ユニット110は、上述したように、導入ユニット90に付着して液状化したインクミストを回収するものであり、ファンフード100の下部100aに固定されている。回収ユニット110は、横断面がL字状のインク受け部112と、このインク受け部112に収容されたインク吸収体114とを有する。インク吸収体114は、液状ミストを吸収するスポンジなどから構成されている。
【0042】
インク受け部112は、ファンフード100の下部100aの下面に固定されている。インク受け部112の底壁112aのうち吸気ダクト96の側の部分(突出部分)112bは、支持板92の開口92aを通ってファンフード100の下部100aとは反対の側に飛出ている。インク受け部112の底壁112aは、突出部分112bに向かうほど高くなっている。また、突出部分112bの上方には、支持板92が存在している。従って、後述するように、支持板92を伝わって落下した液状ミストは突出部分112bに受け止められてインク吸収体114に吸収される。なお、インク吸収体114は、図9や図10に示すように、ファンフード100の下部100aに接触している。
【0043】
ところで、キャリッジ20が走査する空間に発生したインクミストは、外装カバー40とスポンジ材98との結合部、軸流ファン94と吸気ダクト96との結合部、軸流ファン94と傾斜板93との結合部、傾斜板93とファンフード100との結合部などから少しずつ侵入してファンフード100の内面に付着して液状化する。液状化したインクミスト(液状ミスト)の量が多くなったときは、液状ミストが付着している個所から流れ始める。このように流れ始めた液状ミストはこの内面を伝って流れて下部100aに集まる。下部100aには、インク吸収体114が接触しているので、下部100aに集まった液状ミストはインク吸収体114に流れ込んで吸収される。
【0044】
また、上記の液状ミストは軸流ファン94に発生することもある。この液状ミストは軸流ファン94を伝って下方に流れる。その後、液状ミストは、軸流ファン94と傾斜板93との結合部や傾斜板93とファンフード100との結合部などから滲み出てくる。この滲み出てきた液状ミストは、傾斜板93を伝って下方へ流れて支持板92に伝わる。支持板92に伝わった液状ミストは下方に流れて開口92aに落下する。開口92aに落下した液状ミストはインク受け部112の突出部分112bに受け止められてインク吸収体114に吸収される。
【0045】
上記のように軸流ファン94やファンフード100の内面などに生成した液状ミストはインク吸収体114に吸収されるので、その周辺の部品や部材を汚すことがない。また、液状ミストが部品等に付着したことに起因する故障なども生じない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の画像形成装置では、キャリッジが走査する空間に存在するインクミストを含んだ空気は吸引ユニットに吸引されるが、この吸引の際などにインクミストが吸引ユニットに付着する。この付着したインクミストが液状化して(液状ミストになって)その量が多くなったときは、液状ミストが垂れ落ちる(流れ出る)ことがあるが、回収ユニットが、この液状ミストを回収する。このため、吸引ユニットに付着した液状ミストが垂れ落ちて周辺の部品や部材を汚すことはない。
【0047】
ここで、前記吸引ユニットは、前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引して排気するファンと、該ファンを覆うファンカバーとを備えたものである場合は、ファンやファンカバーに付着した液状ミストが回収ユニットによっていっそう確実に回収される。
【0048】
さらに、前記回収ユニットは、前記ファンカバーの下部に接続されて下方に延びる、液状化したインクミストを回収するミスト回収ダクトを備えたものである場合は、ファンに付着した液状ミストはファンの回転によってファンカバーに付着し、ファンカバーに付着した液状ミストは重力でファンカバーの下部に集まる。ファンカバーの下部に集まった液状ミストは、ミスト回収ダクトに回収されるので、液状ミストがいっそう確実に回収される。
【0049】
本発明の第2の画像形成装置では、導入ユニットに付着したインクミストが液状化して(液状ミストになって)その量が多くなったときは、インクミストが垂れ落ちる(流れ出る)ことがあるが、回収ユニットが、この付着したインクミストを回収する。このため、導入ユニットに付着したインクが垂れ落ちて周辺の部品や部材を汚すことはない。
【0050】
ここで、前記導入ユニットは、前記空間外部の空気を吸引して前記空間に排出するファンと、このファンが吸引した空気を整流して所定方向に排出させるファンフードとを備えたものである場合は、ファンやファンフードに付着した液状ミストが回収ユニットによっていっそう確実に回収される。
【0051】
さらに、前記ファンフードは、前記空間外部から前記空間に向けて下方に傾斜しているものであり、前記回収ユニットは、前記ファンフードのうち低い部分に接続されたものである場合は、ファンフードに付着した液状ミストは重力でファンフードの下部に集まる。ファンフードの下部に集まった液状ミストは回収ユニットに回収されるので、液状ミストがいっそう確実に回収される。
【0052】
さらにまた、前記回収ユニットは、回収した液状化インクミストを、前記印字ヘッドから発生した廃インクを収容する廃インク容器に廃棄するものである場合は、回収ユニットが回収した液状ミストは廃インク容器に廃棄されるので、液状ミストが廃棄される他の部品等は不要である。従って、コスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】背面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【図3】プロッタの一部を破断して示す斜視図である。
【図4】外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の右側(矢印B方向の上流側)から示す右側面図である。
【図5】吸引ユニットと回収ユニットを右後方から示す斜視図である。
【図6】図5とは反対の側から吸引ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【図7】外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の左側(矢印B方向の下流側)から示す左側面図である。
【図8】導入ユニットと回収ユニットを示す正面図である。
【図9】図8の導入ユニットと回収ユニットを拡大して示す断面図である。
【図10】導入ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 プロッタ
20 キャリッジ
50 吸引ユニット
54 シロッコファン
56 ファンカバー
70 ダクト
72 廃インク容器
80 回収ユニット
82 ミスト回収ダクト
84 液状ミスト受け部
90 導入ユニット
94 軸流ファン
100 ファンフード
110 回収ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドからインクを吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータやワークステーションの出力装置として、所定の搬送方向に搬送される記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置が知られている。このインクジェット方式の画像形成装置は、通常、インクを吐出する複数のインク吐出孔が形成された印字ヘッドや、この印字ヘッドを搭載して所定の主走査方向に走査する(往復動する)キャリッジなどを備えている。
【0003】
インクジェット方式の画像形成装置で記録媒体に画像を形成する際は、搬送中の記録媒体を一時的に停止させ、キャリッジを上記の所定方向に往復動させながら、画像情報を担持した画像信号に基づいてインク吐出孔からインクを吐出し、記録媒体のうちインク吐出孔に向き合う画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。その後、記録媒体を所定の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを前記した所定方向に往復動させながら、画像信号に基づいてインク吐出孔からインクを吐出し、記録媒体のうち画像形成領域に新たに位置する部分に、画像を形成する。このような動作を繰り返すことにより、記録媒体に画像を形成する。
【0004】
上記したインクジェット方式の画像形成装置では、液体のインクを記録媒体に吐出することによって画像を形成している。このため、印字ヘッドからインクを吐出する際にインク滴の周りに細かい霧状のインク(インクミスト)が発生する。また、記録媒体にインク滴が着弾したときに瞬時にインク滴の全てが記録媒体に吸着されるわけではなく、インク滴の一部が着弾の衝撃などに起因して記録媒体の表面で跳ね返って霧状に飛散してインクミストが発生することもある。
【0005】
発生したインクミストは、キャリッジが走査するに伴って画像形成装置の内部で巻き上げられる。この巻き上げられたインクミストは、画像形成装置の内部の部品や部材に付着する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成装置の内部の部品や部材に付着したインクミストは、この内部を開けてこれらの部品や部材に接触したユーザの手を汚す。また、キャリッジの摺動部やキャリッジの位置決めをするエンコーダ等にインクミストが付着した場合、この付着したインクミストの影響で装置が誤動作するおそれもある。
【0007】
上記のようなユーザの汚れや装置の誤動作を防止するために装置内部の空気を吸引して装置外部に排出したり、装置外部から装置内部に空気を吸引したりして、インクミストを含んだ装置内部の空気を排気している。しかし、空気を吸引したり排出したりする部品や部材にインクミストが付着して液状化することがある。このように液状化したインクミスト(以下、液状ミストという)の量が多くなったときは、液状ミストが垂れ落ちたり流れ出したりしてその周辺の部品等を汚すおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、液状ミストを回収する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の画像形成装置は、インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
(1)前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引する吸引ユニットと、
(2)該吸引ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記吸引ユニットは、
(3)前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引して排気するファンと、
(4)該ファンを覆うファンカバーとを備えたものであってもよい。
【0011】
さらに、前記回収ユニットは、
(5)前記ファンカバーの下部に接続されて下方に延びる、液状化したインクミストを回収するミスト回収ダクトを備えたものであってもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の第2の画像形成装置は、インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
(6)前記キャリッジが走査する空間にこの空間外部の空気を導入する導入ユニットと、
(7)該導入ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
ここで、前記導入ユニットは、
(8)前記空間外部の空気を吸引して前記空間に排出するファンと、
(9)このファンが吸引した空気を整流して所定方向に排出させるファンフードとを備えたものであってもよい。
【0014】
さらに、
(10)前記ファンフードは、前記空間外部から前記空間に向けて下方に傾斜しているものであり、
(11)前記回収ユニットは、前記ファンフードのうち低い部分に接続されたものであってもよい。
【0015】
さらにまた、
(12)前記回収ユニットは、回収した液状化インクミストを、前記印字ヘッドから発生した廃インクを収容する廃インク容器に廃棄するものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1と図2を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態であるカラープロッタ(以下、プロッタという)の概略構成を説明する。
【0017】
図1は、正面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図であり、図2は、背面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【0018】
プロッタ10は、キャスタ12a付きのスタンド12の上部に固定されている。また、プロッタ10は、このプロッタ10を操作するための操作部14を備えており、この操作部14に設置された各種のスイッチ等により、紙サイズ、オンライン/オフライン、コマンドなどが指示される。
【0019】
プロッタ10の背面には、ロール紙などの記録紙(記録媒体の一例である)が矢印A方向から挿入される記録紙挿入口16が形成されている。この記録紙挿入口16に挿入された記録紙は、操作部14からの指示に基づいて、プロッタ10の内部に搬送され、カラー画像が印字されて記録紙排出口18から矢印A方向(副走査方向)に排出される。なお、後述するキャリッジ20が走査する空間は外装カバー40によって覆われている。
【0020】
図3を参照して、記録媒体に画像を形成する画像形成工程(印字工程)を説明する。
【0021】
図3は、プロッタの一部を破断して示す斜視図である。
【0022】
プロッタ10では、シート状の記録媒体(シート紙など)と、ロール状に巻かれた記録媒体(ロール紙など)に画像を形成できる。ここでは、記録紙挿入口16(図2参照)から挿入されたロール紙に画像を形成する工程を説明する、シート紙などに画像を形成する工程もほぼ同様である。
【0023】
プロッタ10の背面には、ロール紙11が回転自在に保持されている。ロール紙11は矢印A方向から記録紙挿入口16(図2参照)に挿入される。また、プロッタ10には、矢印A方向に搬送されるロール紙11が載置されるプラテン34が形成されている。このプラテン34の上方には、プラテン34に平行に2本の走査レール(ガイドレール)36が掛け渡されている。この走査レール36には、モータ(図示せず)とベルト(図示せず)によって矢印B,C方向(矢印A方向に直交する方向であり、本発明にいう主走査方向である)に往復動する(走査する)キャリッジ20がスライド軸受(図示せず)を介して取り付けられている。
【0024】
キャリッジ20には、インクを吐出するインク吐出口(ノズルの出口であり、図示せず)を有する4つの印字ヘッド22K,22C,22M,22Yが搭載されている。インク吐出口の前方は、画像が形成される画像形成領域である。ロール紙11のうち画像形成領域に位置する部分にノズルの先端からインクが吐出され、これにより、この部分に画像が形成される。
【0025】
ロール紙11に画像を形成するに当っては、プラテン34にロール紙11を載置し、プラテン34に形成された開口部(図示せず)から外周面の一部を露出した搬送ローラ24と、ロール紙11の両端部を上方から押えるピンチローラ26とによってロール紙11を挟持しながら、搬送モータ(図示せず)によって搬送ローラ24を回転させてロール紙11を矢印A方向に搬送する。ロール紙11の上方でキャリッジ20を矢印B,C方向に往復動させ、ヘッド制御部(図示せず)から各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yに送信された画像情報を担持する画像信号に基づいてノズルからインクを吐出して、ロール紙11のうち画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。この部分に画像を形成し終ると、ロール紙11を所定長さだけ矢印A方向に搬送して新たに画像形成領域に位置する部分に画像を形成する。このような動作を繰り返してロール紙11の所定範囲(領域)内に画像を形成し終った後、切断装置38でロール紙11を所定サイズに裁断する。これにより、画像形成動作が一旦終了する。
【0026】
上記のように各印字ヘッド22K,22C,22M,22Yからインクを吐出する際にはインクミストが発生する。図4から図6までを参照して、発生したインクミストが液状化して垂れ落ちることを防止する技術について説明する。
【0027】
図4は、外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の右側(矢印B方向の上流側)から示す右側面図である。図5は、吸引ユニットと回収ユニットを右後方から示す斜視図である。図6は、図5とは反対の側から吸引ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【0028】
プロッタ10は、キャリッジ20が走査する空間を形成する外装カバー40(図1参照)を備えている。外装カバー40の内部において、キャリッジ20は主走査方向(矢印B方向、矢印C方向)に走査する。キャリッジ20が走査する空間の右側(矢印B方向の上流側)には、上記の空間に存在する空気を吸引する吸引ユニット50と、吸引ユニット50が吸引した空気を下方に案内するダクト70とが配置されている。また、吸引ユニット50の下には、吸引ユニット50に付着して液状化したインクミスト(液状ミスト)を回収する回収ユニット80が配置されている。
【0029】
吸引ユニット50は、各種部品を支持したり形成したりする支持板52を有する。支持板52はプロッタ10の本体にビス等で固定されている。この支持板52の上部には、キャリッジ20が走査する空間に存在する空気を吸引して排気するシロッコファン54が配置されている。シロッコファン54は円形状のファンカバー56で覆われている。吸引ユニット50は、支持板52、シロッコファン54、ファンカバー56などから構成されている。
【0030】
ファンカバー56には、キャリッジ20(図3参照)に向き合う面56aと、シロッコファン54を挟んで面56aとは反対側の面56bとが形成されている。これらの面56a,56bは、半リング状の板56cで接続されている。面56aには、複数のルーバー孔56dが開口されている。面56bと板56cには孔が形成されておらず、シロッコファン54を取り囲んでいる。
【0031】
板56cの下部のうち面56bの側の部分には、シロッコファン54が吸引した空気を下方(本発明にいう所定方向の一例である)に案内するダクト70が形成されている。面56a,56bと板56cとで囲まれた空間(シロッコファン54が配置された空間)はダクト70につながっている(連通している)。ダクト70の下部には排出口70aが形成されており、この排出口70aの下には、廃インクが収容される廃インク容器72が配置されている。
【0032】
板56cの下部のうち面56aの側の部分には、液状ミストを回収するためのミスト回収ダクト82が形成されている。ミスト回収ダクト82の底には孔が形成されており、回収された液状ミストはこの孔から落下する。ミスト回収ダクト82の孔の真下には、孔から落下した液状ミストを受ける液状ミスト受け部84が形成されている。
【0033】
液状ミスト受け部84には、傾斜した底壁84aが形成されている。底壁84aは、支持板52に形成された開口52aを通り抜けてダクト70の側壁71に接触している。底壁84aは、ダクト70に近い側が下になるように傾斜している。ダクト70の側壁71には、液状ミストのような液体が流れる溝(樋)71aが形成されている。液状ミストはこの溝71aを伝って下方に流れて、廃インク容器72に収容される。
【0034】
シロッコファン54が回転することにより、キャリッジ20が走査する空間に存在する空気は複数のルーバー孔56dを通って吸引される。この吸引された空気はダクト70を通って廃インク容器72に排出される。また、吸引された空気に含まれているインクミストがファンカバー56の内壁面やシロッコファン54に付着して液状化する(液状ミストになる)。液状ミストの量が多くなったときは、液状ミストが付着している個所から流れ始めてミスト回収ダクト82に回収され、液状ミスト受け部84に落下する。液状ミスト受け部84に落下した液状ミストは底壁84aを伝って溝71aに流れ込み、この溝71aを伝って廃インク容器72に収容されることとなる。従って、ファンカバー56の内壁面やシロッコファン54に付着したインクミストが垂れ落ちて、その周辺の部品や部材を汚すことがない。液状ミストが部品等に付着したことに起因する故障なども生じない。
【0035】
図7から図10までを参照して、本発明の他の実施形態を説明する。
【0036】
図7は、外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の左側(矢印B方向の下流側)から示す左側面図である。図8は、導入ユニットと回収ユニットを示す正面図である。図9は、図8の導入ユニットと回収ユニットを拡大して示す断面図である。図10は、導入ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【0037】
キャリッジ20が走査する空間の左側(矢印B方向の下流側)には、上記の空間に外部の空気を導入する導入ユニット90と、この導入ユニット90に付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニット110とが配置されている。導入ユニット90は、記録媒体を搬送する搬送モータ(図示せず)が固定された搬送モータ台(本体左シャーシの一部)41にビスで固定されている。回収ユニット110は、導入ユニット90に固定されている。
【0038】
導入ユニット90は、各種部品を支持したり形成したりする支持板92を有する。支持板92が上記の搬送モータ台41にビスで固定されている。支持板92の上部には、キャリッジ20が走査する空間に、この空間の外部の空気を吹き込む軸流ファン94が配置されている。軸流ファン94は、上記の空間の外部から空間内部に向かって下向きに傾斜するように傾斜板93に固定されている。傾斜板93は支持板92に固定されており、軸流ファン94が上記の傾斜をもつように傾斜している。
【0039】
軸流ファン94の外側部分(空気導入側部分)には、外部の空気を導くための吸気ダクト96が配置されている。吸気ダクト96はスポンジ材98を介して外装カバー40(図1参照)に固定されている。外装カバー40のうち吸気ダクト96に向き合う部分には複数のルーパー孔(貫通孔)が形成されており、外部の空気はこれらのルーパー孔を通って吸気ダクト96に吸い込まれる。
【0040】
軸流ファン94の内側部分(空気排出側部分)には、円筒状のファンフード100が配置されている。ファンフード100は、軸流ファン94が吸引した空気をプラテン34に向けて吹き出すように整流するものである。ファンフード100は軸流ファン94に組み付けられて固定されている。本発明にいう導入ユニット90は、支持板92、傾斜板93、軸流ファン94、吸気ダクト96、及びファンフード100などから構成されている。軸流ファン94が回転することにより、キャリッジ20が走査する空間の外部から上記のルーパー孔や吸気ダクト96などを通ってこの空間に空気が吹き込まれる。
【0041】
回収ユニット110は、上述したように、導入ユニット90に付着して液状化したインクミストを回収するものであり、ファンフード100の下部100aに固定されている。回収ユニット110は、横断面がL字状のインク受け部112と、このインク受け部112に収容されたインク吸収体114とを有する。インク吸収体114は、液状ミストを吸収するスポンジなどから構成されている。
【0042】
インク受け部112は、ファンフード100の下部100aの下面に固定されている。インク受け部112の底壁112aのうち吸気ダクト96の側の部分(突出部分)112bは、支持板92の開口92aを通ってファンフード100の下部100aとは反対の側に飛出ている。インク受け部112の底壁112aは、突出部分112bに向かうほど高くなっている。また、突出部分112bの上方には、支持板92が存在している。従って、後述するように、支持板92を伝わって落下した液状ミストは突出部分112bに受け止められてインク吸収体114に吸収される。なお、インク吸収体114は、図9や図10に示すように、ファンフード100の下部100aに接触している。
【0043】
ところで、キャリッジ20が走査する空間に発生したインクミストは、外装カバー40とスポンジ材98との結合部、軸流ファン94と吸気ダクト96との結合部、軸流ファン94と傾斜板93との結合部、傾斜板93とファンフード100との結合部などから少しずつ侵入してファンフード100の内面に付着して液状化する。液状化したインクミスト(液状ミスト)の量が多くなったときは、液状ミストが付着している個所から流れ始める。このように流れ始めた液状ミストはこの内面を伝って流れて下部100aに集まる。下部100aには、インク吸収体114が接触しているので、下部100aに集まった液状ミストはインク吸収体114に流れ込んで吸収される。
【0044】
また、上記の液状ミストは軸流ファン94に発生することもある。この液状ミストは軸流ファン94を伝って下方に流れる。その後、液状ミストは、軸流ファン94と傾斜板93との結合部や傾斜板93とファンフード100との結合部などから滲み出てくる。この滲み出てきた液状ミストは、傾斜板93を伝って下方へ流れて支持板92に伝わる。支持板92に伝わった液状ミストは下方に流れて開口92aに落下する。開口92aに落下した液状ミストはインク受け部112の突出部分112bに受け止められてインク吸収体114に吸収される。
【0045】
上記のように軸流ファン94やファンフード100の内面などに生成した液状ミストはインク吸収体114に吸収されるので、その周辺の部品や部材を汚すことがない。また、液状ミストが部品等に付着したことに起因する故障なども生じない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の画像形成装置では、キャリッジが走査する空間に存在するインクミストを含んだ空気は吸引ユニットに吸引されるが、この吸引の際などにインクミストが吸引ユニットに付着する。この付着したインクミストが液状化して(液状ミストになって)その量が多くなったときは、液状ミストが垂れ落ちる(流れ出る)ことがあるが、回収ユニットが、この液状ミストを回収する。このため、吸引ユニットに付着した液状ミストが垂れ落ちて周辺の部品や部材を汚すことはない。
【0047】
ここで、前記吸引ユニットは、前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引して排気するファンと、該ファンを覆うファンカバーとを備えたものである場合は、ファンやファンカバーに付着した液状ミストが回収ユニットによっていっそう確実に回収される。
【0048】
さらに、前記回収ユニットは、前記ファンカバーの下部に接続されて下方に延びる、液状化したインクミストを回収するミスト回収ダクトを備えたものである場合は、ファンに付着した液状ミストはファンの回転によってファンカバーに付着し、ファンカバーに付着した液状ミストは重力でファンカバーの下部に集まる。ファンカバーの下部に集まった液状ミストは、ミスト回収ダクトに回収されるので、液状ミストがいっそう確実に回収される。
【0049】
本発明の第2の画像形成装置では、導入ユニットに付着したインクミストが液状化して(液状ミストになって)その量が多くなったときは、インクミストが垂れ落ちる(流れ出る)ことがあるが、回収ユニットが、この付着したインクミストを回収する。このため、導入ユニットに付着したインクが垂れ落ちて周辺の部品や部材を汚すことはない。
【0050】
ここで、前記導入ユニットは、前記空間外部の空気を吸引して前記空間に排出するファンと、このファンが吸引した空気を整流して所定方向に排出させるファンフードとを備えたものである場合は、ファンやファンフードに付着した液状ミストが回収ユニットによっていっそう確実に回収される。
【0051】
さらに、前記ファンフードは、前記空間外部から前記空間に向けて下方に傾斜しているものであり、前記回収ユニットは、前記ファンフードのうち低い部分に接続されたものである場合は、ファンフードに付着した液状ミストは重力でファンフードの下部に集まる。ファンフードの下部に集まった液状ミストは回収ユニットに回収されるので、液状ミストがいっそう確実に回収される。
【0052】
さらにまた、前記回収ユニットは、回収した液状化インクミストを、前記印字ヘッドから発生した廃インクを収容する廃インク容器に廃棄するものである場合は、回収ユニットが回収した液状ミストは廃インク容器に廃棄されるので、液状ミストが廃棄される他の部品等は不要である。従って、コスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】背面から見たプロッタの概略構成を示す斜視図である。
【図3】プロッタの一部を破断して示す斜視図である。
【図4】外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の右側(矢印B方向の上流側)から示す右側面図である。
【図5】吸引ユニットと回収ユニットを右後方から示す斜視図である。
【図6】図5とは反対の側から吸引ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【図7】外装カバーを取り外したプロッタを装置本体の左側(矢印B方向の下流側)から示す左側面図である。
【図8】導入ユニットと回収ユニットを示す正面図である。
【図9】図8の導入ユニットと回収ユニットを拡大して示す断面図である。
【図10】導入ユニットと回収ユニットを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 プロッタ
20 キャリッジ
50 吸引ユニット
54 シロッコファン
56 ファンカバー
70 ダクト
72 廃インク容器
80 回収ユニット
82 ミスト回収ダクト
84 液状ミスト受け部
90 導入ユニット
94 軸流ファン
100 ファンフード
110 回収ユニット
Claims (7)
- インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引する吸引ユニットと、
該吸引ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記吸引ユニットは、
前記キャリッジが走査する空間に存在する空気を吸引して排気するファンと、
該ファンを覆うファンカバーとを備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記回収ユニットは、
前記ファンカバーの下部に接続されて下方に延びる、液状化したインクミストを回収するミスト回収ダクトを備えたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - インクを吐出する印字ヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に走査しながら前記印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置において、
前記キャリッジが走査する空間にこの空間外部の空気を導入する導入ユニットと、
該導入ユニットに付着して液状化したインクミストを回収する回収ユニットとを備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記導入ユニットは、
前記空間外部の空気を吸引して前記空間に排出するファンと、
このファンが吸引した空気を整流して所定方向に排出させるファンフードとを備えたものであることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記ファンフードは、
前記空間外部から前記空間に向けて下方に傾斜しているものであり、
前記回収ユニットは、
前記ファンフードのうち低い部分に接続されたものであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記回収ユニットは、
回収した液状化インクミストを、前記印字ヘッドから発生した廃インクを収容する廃インク容器に廃棄するものであることを特徴とする請求項1から6までのうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
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-
2002
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