JP2003504453A - 向上した腐食防止性を有する、グリコールに基づきかつケイ酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩を含まない冷却液 - Google Patents

向上した腐食防止性を有する、グリコールに基づきかつケイ酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩を含まない冷却液

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JP2003504453A JP2001508288A JP2001508288A JP2003504453A JP 2003504453 A JP2003504453 A JP 2003504453A JP 2001508288 A JP2001508288 A JP 2001508288A JP 2001508288 A JP2001508288 A JP 2001508288A JP 2003504453 A JP2003504453 A JP 2003504453A
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    • C23F—NON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
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Abstract

(57)【要約】 本発明の対象は、冷却剤濃厚物であって、この濃厚物の全重量を基準にしてそれぞれ、a) アルカリ金属塩の形の、４〜16個の炭素原子を有する少なくとも一種のモノ- 及び／またはジカルボン酸0.1 〜６重量％； b) アルカリ金属塩の形のトリアジントリイミノカルボン酸0.02〜２重量％； c) 少なくとも一種の炭化水素系トリアゾール0.02〜２重量％； d) 少なくとも一種の可溶性アルカリ土類金属塩0.01〜１重量％； e) 場合によっては、４重量％までの水； 及びf) 合計を100 重量％にする量のグリコールを含んでなる上記濃厚物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、グリコールに基づき、かつケイ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸
塩及びアミンを含まず、そして様々な金属材料に対し優れた腐食防止作用を示す
新規の冷却液に関する。
【０００２】
【従来の技術】
工業的な装置、特に自動車エンジンを凍結しないように冷却するためには、周
知の通り、グリコール、とりわけエチレングリコール及び／またはプロピレング
リコールに基づく冷却液が使用される。冷却システムの材料を腐食から保護する
ために、これらの冷却液はそれぞれ一種またはそれ以上の腐食防止剤を有効量含
む。冷却システム中で使用するために、これらは水で希釈され、そして凍結及び
腐食保護ばかりでなく、熱を良好に除去するようにも配慮される。しかし、最近
の燃焼機関は、金属表面のより高い温度負荷、冷却媒体の高められた流速及び材
料の選択の故に冷却媒体にとってより過酷な条件で運転される。また、複合構成
材料方式で鋼、鋳鉄、真鍮、銅及び軟鑞と一緒にアルミニウムに基づく軽金属合
金が益々使用されるようになっているが、これも、使用する防止剤コンビネーシ
ョンの綿密な調整を要求する。ここ10年来、数え切れないほどのこのような防止
剤コンビネーションが関連特許文献に記載されており、そのため特定の作用機構
を有する数多くの防止剤系が知られている。亜硝酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、リン
酸塩、安息香酸塩、トリアゾール及びケイ酸塩を含んでなる従前慣用の亜硝酸塩
- 及びケイ酸塩含有コンビネーション（例えば、H.D.Held, Kuehlwasser, 2.Auf
l. S. 213-225(1977) ）は、一般的にモノ- 及びジカルボン酸に基づく亜硝酸塩
不含の調合物（例えば、ヨーロッパ特許出願公開第0 035 834 号）に置き換えら
れているが、これらも同様に、安定化された形においても、有効なアルミニウム
腐食防止剤としてなおケイ酸塩を含んでいた。
【０００３】 ホウ酸塩が、熱交換条件下にアルミニウムの耐食性に著しく悪影響を及ぼし得
るということは長年知られている。これはケイ酸塩によって阻止できる。そのた
め、最適な条件の下に調和のとれた比率を達成することができる。しかし、或る
運転条件下では、ケイ酸塩が例えば有機ケイ素化合物によって安定化されている
にも拘わらず、例えば非常に高い温度下で起こる不溶性ケイ酸塩形態物の析出に
よりケイ酸塩含有量が低減する場合があることがその実施の過程において判明し
た。そのため、上記の欠点を持たず、それゆえ実質的により長い寿命を有するケ
イ酸塩不含の調合物が開発されるに至った。これについては、ヨーロッパ特許出
願公開第0 816 467 号を参照されたい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ホウ酸塩及びケイ酸塩無しで機能し、かつそれでもなお最近
のエンジンに使用される金属材料、特にアルミニウム及び鉄材料に対して良好な
腐食保護を、これらの金属表面への熱負荷が高い場合にも実現する、冷却剤用防
止剤系を見い出すことであった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
それゆえ、本発明の対象は、 a) アルカリ金属塩の形の、４〜16個の炭素原子を有する少なくとも一種のモノ - 及び／またはジカルボン酸0.1 〜６重量％、 b) アルカリ金属塩の形のトリアジン- トリイミノカルボン酸0.02〜２重量％、
c) 少なくとも一種の炭化水素トリアゾール0.02〜２重量％、 d) 少なくとも一種の可溶性アルカリ土類金属塩0.01〜１重量％、 e) 場合によっては、４重量％までの水、及び f) 合計を100 重量％する量のグリコール、 を含んでなる、冷却剤濃厚物である。なおそれぞれの重量割合は、該濃厚物の全
重量に基づく値である。
【０００６】 本発明は更に、所望とする凍結防止性能に依存して、水を10〜90重量％、好ま
しくは20〜60重量％の割合で及び本発明による冷却剤濃厚物を合計を100 重量％
にする量で含む、直ぐに使用できる状態の水性冷却剤組成物にも関する。
【０００７】 本発明による冷却液は、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属モリブデン酸塩
、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属亜硝酸塩並びにアミンを含まない。
【０００８】 モノカルボン酸としては、特に好ましくは、炭素原子数５〜12個の鎖長を有す
る分枝状及び／または非分枝状の脂肪族モノカルボン酸、例えばペンタン酸、ヘ
キサン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン
酸、ウンデカン酸及びドデカン酸が使用される。ジカルボン酸としては、特に、
４〜12個の炭素原子、とりわけ８〜12個の炭素原子を有するもの、例えばスベリ
ン酸、アザライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フタル酸ま
たはテレフタル酸が考慮される。
【０００９】 上記のモノ- 及びジカルボン酸は、技術水準と同様に、混合物、通常は１：９
９〜９９：１の比率の混合物として使用することもできる。この使用されるカル
ボン酸は、追加的に、ヒドロキシル基及び／またはエーテル酸素原子またはカル
ボキシル官能基を含んでいてもよい。これらのカルボン酸は、通常、アルカリ金
属塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウムまたはアンモニウム塩として存在
する。モノ- 及びジカルボン酸は、本発明の冷却剤濃厚物中に、好ましくは１〜
５重量％、特に２〜４重量％の割合で含まれる。
【００１０】 トリアジントリイミノカルボン酸は、C2〜C10 の、特にC6の鎖長の末端カルボ
ン酸残基を有し得る。後者の物は、Irgacor (R) L 190 の名称で商業的に販売さ
れている。特に好ましいものは、6,6',6"-(1,3,5- トリアジン-2,4,6- トリイル
トリイミノ) トリヘキサン酸であり、これは、アルカリ金属塩として使用される
。トリアジントリイミノカルボン酸は、本発明の冷却剤濃厚物中に、好ましくは
0.1 〜１重量％、特に0.1 〜0.5 重量％の割合で含まれる。
【００１１】 アルカリ土類金属塩は追加の防止剤として使用される。特に好ましいものは、
種々の無機酸の水溶性マグネシウム及び／またはカルシウム塩、例えば硝酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウムであり、０：１００〜１００：０の量比で使用される
。アルカリ土類金属塩は、本発明の冷却剤濃厚物中に、好ましくは0.05〜0.8 重
量％、特に0.1 〜0.5 重量％の割合で含まれる。
【００１２】 トリアゾールとしては、炭化水素系トリアゾール、特にベンゾ- 及び／または
トリルトリアゾールあるいはこれらの誘導体が使用される。トリアゾールは、本
発明の冷却剤濃厚物中に、好ましくは0.05〜１重量％、特に0.1 〜0.5 重量％の
割合で使用される。
【００１３】 １〜３個のオキシエチレン- またはオキシプロピレン単位を有するエチレング
リコール及び／またはプロピレングリコールとしては、好ましくは、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及び／またはジプロピ
レングリコールが使用される。特に好ましいものは、エチレングリコール及び／
またはプロピレングリコールである。これらは、本発明の冷却液の主要な成分を
成す。その割合は、該冷却濃厚物を基準として一般的に90〜98重量％、好ましく
は92〜95重量％である。
【００１４】 特に好ましい本発明の冷却液の一つは、例えば a) 2-エチルヘキサン酸ナトリウム塩２〜５重量％、 b) トリアジントリイルトリイミノトリヘキサン酸ナトリウム塩0.1 〜0.3 重量 ％、 c) ベンゾ- 及び／またはトリルトリアゾール0.05〜0.3 重量％、 d) 硝酸マグネシウム６水和物0.02〜0.2 重量％、 e) 場合により１〜３重量％の割合の可溶化剤としての水と一緒に、残量のエチ レングリコール及び／またはプロピレングリコール、 を含んでなる。
【００１５】 本発明の冷却濃厚物は、上記の成分a)〜e)に加えて、更に別の適当な添加剤、
例えばアルカリ金属硝酸塩、硬水安定化剤（例えばポリアクリル酸- マレイン酸
コポリマー）、消泡剤、キャビテーション防止剤(Kaviationsschutzmittel)、変
成剤(Bitterstoffe)及び染料を含むことができる。本発明による混合物のpH値は
、１：２の比率の水希釈液で測定して、通常７〜10の範囲、特に7.5 〜９の範囲
である。pH値は、アルカリ、特に水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶
液を添加することによって調節される。
【００１６】
【実施例】
本発明を、以下の例Ａ〜Ｅ及び比較例に基づいてより詳しく説明する。
【００１７】 以下の表１に、そこに記載の各成分を混合することによって製造された種々の
本発明による冷却系を挙げる。表１には比較例も示す。
【００１８】 表１に示した比較例は、ヨーロッパ特許出願公開第0 816 467 号による技術水
準となる商業的に入手可能なケイ酸塩不含の冷却凍結防止剤である。
【００１９】 本発明の冷却系及び最も近似する技術水準の比較例の腐食防止作用を、ASTM D 1384-94に従う方法及びいわゆる熱腐食試験を用いて試験した。ASTM D 1384 法
は、試験に付す金属を冷却液中で加熱する静的スクリーニング試験である。この
方法では、試験金属の温度は冷却液のそれと同じになる。特に鋼及び鋳鉄に対す
る腐食防止の効果を示すために、上記の試験を一層過酷に20体積％の試験濃度で
行った。FVV[Forschungsvereinigung fuer Verbrennungskraftmaschinen(燃焼原
動機研究協会)]の第R443号に従う加熱腐食試験では、本試験においては150 ℃の
温度に加熱したAlSi10Mg wa を金属- 鋳造アルミニウムとして使用した。この試
験は、上記のFVV-試験よりも過酷にした条件で行った。すなわち、液体の温度は
95/105℃、試験時間は48時間、濃度は20体積％、循環速度は3.5 l/min 、面積熱
負荷量は80 W/cm2とした。
【００２０】 評価は、清浄した試験体の重量を作業手順の前及びその後に測定することによ
って行った。ここで目的とするところは、試験金属上の付着物または試験金属の
損失をできるだけ少なくすることである。
【００２１】 この腐食試験の結果を表IIに纏める。
【００２２】 この結果が示す通り、本発明の冷却剤組成物は、比較として一緒に試験された
技術水準による液体よりも、有意に向上された金属の腐食保護効果を示す。この
ことは、驚くべきことに、ASTM- 試験D1384 での鉄及び鋼にも、並びに熱交換条
件下の熱腐食試験における軽金属合金（アルミニウム合金）にも認められる。こ
の予期し得ない良好な腐食保護効果は、まさに本発明の調合物に由来する相乗効
果に基づくものであろう。
【００２３】
【表１】
【００２４】
【表２】
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１３年４月２６日（２００１．４．２６）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 冷却剤濃厚物であって、それぞれこの濃厚物の全重量を基準
    として、 a) アルカリ金属塩の形の、４〜16個の炭素原子を有する少なくとも一種のモノ - 及び／またはジカルボン酸0.1 〜６重量％、 b) アルカリ金属塩の形のトリアジン- トリイミノカルボン酸0.02〜２重量％、
    c) 少なくとも一種の炭化水素系トリアゾール0.02〜２重量％、 d) 少なくとも一種の可溶性アルカリ土類金属塩0.01〜１重量％、 e) 場合によっては、４重量％までの水、及び f) 合計を100 重量％にする量のグリコール、 を含んでなる上記冷却剤濃厚物。
  2. 【請求項２】 モノカルボン酸が５〜12個の炭素原子を有するものである、
    請求項１の冷却剤濃厚物。
  3. 【請求項３】 ジカルボン酸が４〜12個の炭素原子を有するものである、請
    求項１の冷却剤濃厚物。
  4. 【請求項４】 トリアジントリイミノカルボン酸がC2〜C10 の鎖長を持つ末
    端カルボン酸残基を有する、請求項１〜３の一つまたはそれ以上の冷却剤濃厚物
    。
  5. 【請求項５】 炭化水素系トリアゾールが、ベンゾトリアゾール及び／また
    はトリルトリアゾール、またはそれらの誘導体である、請求項１〜４の一つまた
    はそれ以上の冷却剤濃厚物。
  6. 【請求項６】 アルカリ土類金属塩がカルシウム塩及び／またはマグネシウ
    ム塩である、請求項１〜５の一つまたはそれ以上の冷却剤濃厚物。
  7. 【請求項７】 グリコールが１〜３個のエトキシ単位またはプロポキシ単位
    を有するエチレングリコール及び／またはプロピレングリコールである、請求項
    １〜６の一つまたはそれ以上の冷却剤濃厚物。
  8. 【請求項８】 水を10〜90重量％の割合で、及び請求項１〜７の一つまたは
    それ以上の冷却剤濃厚物を合計を100 重量％にする量で含む、冷却剤。
JP2001508288A 1999-07-02 2000-06-16 向上した腐食防止性を有する、グリコールに基づきかつケイ酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩を含まない冷却液 Withdrawn JP2003504453A (ja)

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