JP2003337410A - 光重合性組成物、光重合性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

光重合性組成物、光重合性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法

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JP2003337410A
JP2003337410A JP2002144412A JP2002144412A JP2003337410A JP 2003337410 A JP2003337410 A JP 2003337410A JP 2002144412 A JP2002144412 A JP 2002144412A JP 2002144412 A JP2002144412 A JP 2002144412A JP 2003337410 A JP2003337410 A JP 2003337410A
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English (en)
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Ryuichiro Takasaki
龍一郎 高崎
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素による重合阻害を抑止し、高感度で、解
像性に優れ、且つ、セーフライト性に優れ、基板に対す
る密着性、安定性に優れた光重合性組成物を提供する。 【解決手段】 下記の(A)成分、(B)成分、(C)
成分、(D)成分並びに(E)成分を含有してなること
を特徴とする光重合性組成物。 (A)エチレン性不飽和化合物 (B)750〜1200nmに吸収極大を有する赤外吸
収性のフタロシアニン色素 (C)光重合開始剤 (D)カチオン性色素 (E)可視光に非増感性の可視光吸収色素

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素による重合阻
害の影響が抑制された光重合性組成物、並びに、光重合
性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法に関し、プ
リント配線板、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、
カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス、薄
型トランジスタ等における導体回路や電極基板の形成に
有用であり、特に、半導体レーザー等を用いた近赤外レ
ーザー光による直接描画に好適な光重合性組成物、並び
に、光重合性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、プリント配線板等に
おける導体回路の形成は、感光性組成物からなるレジス
ト材として、液状レジスト材又はドライフィルムレジス
ト材が用いられ、銅張積層板の該銅張面等の基板上に、
液状レジスト材を塗布し乾燥させるか、或いは、支持フ
ィルムと被覆フィルムでサンドイッチしたドライフィル
ムレジスト材の被覆フィルムを剥離してラミネートする
かして形成された感光性レジスト材層を有する銅張積層
板を、回路パターンが描かれたマスクフィルムを通して
露光した後、マスクフィルムを剥離し、現像処理するこ
とによって回路パターンに対応したレジスト画像を形成
し、次いで、エッチング処理等してレジスト材に覆われ
ていない銅張部を除去した後、レジスト材を除去するこ
とにより、マスクフィルムに描かれた回路パターンを基
板上に形成するという方法が採られている。
【0003】前述のレジスト材の中で、ドライフィルム
レジスト材は基板上への層形成が容易である反面、支持
フィルムを介して画像露光されること、及びレジスト材
層の膜厚が20〜70μmと厚いこと等から高解像度が
得られ難いという欠点を有しているのに対して、液状レ
ジスト材は高解像度が得られるものとして注目されてい
る。しかしながら、液状レジスト材の場合、レジスト材
層を構成する感光性組成物が光重合性組成物であると、
レジスト材層の膜厚を薄くしたとき、酸素による重合阻
害を顕著に受け感度が数十〜数百分の1に低下するとい
う欠点があり、その感度の低下を防止すべく、露光雰囲
気を窒素ガス或いはアルゴンガス等の不活性ガスに置換
する方法、及び、レジスト材層上に酸素遮断層を設ける
方法等が知られているものの、いずれの方法も、装置或
いは工程数の増加等、経済上及び作業上の不利さを免れ
得ないものであった。
【0004】一方、近年の電子機器における機能向上や
軽薄短小化の流れ等から、回路の高密度化が求められ、
それに伴うレジスト材の解像度の向上が求められている
ことに対して、レーザー光を用いることにより、マスク
フィルムを用いずに、コンピューターのデジタル情報に
基づいて直接描画する方法が、高解像度の回路の形成が
可能な方法として注目されている。しかしながら、レー
ザー光による露光においては、レジスト材としての感光
性組成物の感度、解像度が未だ満足できるには到っては
いないのが現状である。
【0005】これに対して、特開2000−12227
3には、エチレン性不飽和化合物、フタロシアニン色素
などの赤外吸収色素、重合開始剤、及び可視光の照射に
よって重合開始剤を増感しない可視光吸収色素を含有す
る感光性組成物を用いることにより、白色灯下のような
明るい環境下においても作業可能で、赤外光に対して高
い感度を有することが開示されている。しかし、本発明
者の検討によれば、上述した従来法であっても依然とし
て導体回路となる銅表面上において光重合性組成物が不
安定であり、経時により重合反応が進行し、現像性が低
下する問題点があることを把握した。特に高活性な光重
合性組成物においてその傾向が顕著であり、安定的に画
像形成を行うのが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明
は、酸素による重合阻害の影響が抑制され高感度である
と共に、解像性に優れ、且つ、セーフライト性にも優れ
ており明室での取扱が可能であり、特に、導体金属表面
上において高い安定性を有するといった全ての特性を同
時に満たす光重合性組成物、並びに、光重合性画像形成
材及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、(A)エチレン性不飽和
化合物、赤外吸収性のフタロシアニン増感色素(B)、
光重合開始剤(C)及び非増感性の可視光吸収色素
(E)を含有する赤外感光性の光重合性組成物におい
て、更にカチオン性色素(D)を組み合わせることによ
り前記目的が達成できることを見い出し本発明を完成し
たもので、従って、本発明は、下記の(A)成分、
(B)成分、(C)成分、(D)成分並びに(E)成分
を各々別々の成分として含有してなる光重合性組成物、
並びに、基板上に該光重合性組成物の層が形成されてな
る光重合性画像形成材、及び、該光重合性画像形成材の
光重合性組成物層を750〜1200nmの波長域の近
赤外レーザー光により走査露光した後、アルカリ現像液
で現像処理する画像形成方法、を要旨とする。
【0008】(A)エチレン性不飽和化合物 (B)750nm以上1200nm以下に吸収極大を有
する赤外吸収性のフタロシアニン色素 (C)光重合開始剤 (D)カチオン性色素 (E)可視光に非増感性の可視光吸収色素
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光重合性組成物を構成す
る(A)成分のエチレン性不飽和化合物は、光重合性組
成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(B)
成分及び(C)成分の光重合開始系の作用により高分子
量化し、更に架橋、硬化するような、ラジカル重合性の
エチレン性不飽和二重結合を分子内に少なくとも1個有
する化合物である。
【0010】本発明における(A)エチレン性不飽和化
合物は、エチレン性不飽和基を少なくとも分子内に二個
以上有する化合物であり、好ましくはエチレン性不飽和
基が(メタ)アクリル基の化合物である。なお、ここで
(メタ)アクリル基はメタクリル基又はアクリル基を示
す。
【0011】分子内に二個以上の(メタ)アクリル基を
有する化合物としては通称アクリルモノマーと呼ばれる
低分子化合物、ノボラックエポキシアクリレートのよう
なオリゴマー、樹脂側鎖にアクリル基を有するポリマー
等、低分子から高分子のものを好ましく用いることが出
来る。中でも低分子のアクリルモノマーとオリゴマー又
はポリマーを組み合わせて用いるのが好ましい。好まし
いアクリルモノマー、オリゴマー、ポリマーを以下に具
体的に例示する。
【0012】好ましいアクリルモノマーとしては、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加ト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロ
ピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリ
セロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサ
イド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソル
ビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘ
キサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。以上挙げた
アクリルモノマーの中では分子内に三個以上の(メタ)
アクリル基を有する化合物が特に好ましいものである。
【0013】好ましいアクリルオリゴマーとしてはエポ
キシアクリレート樹脂を挙げることができる。中でもア
ルカリ可溶性となる酸性基、具体的にはカルボキシル基
を有するエポキシアクリレート樹脂が好ましいものであ
る。具体的には、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビス
フェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ
樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾール
ノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹
脂等に(メタ)アクリル酸を反応させ、さらに、マレイ
ン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、
メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒ
ドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタ
ル酸等の多塩基酸またはその誘導体である多塩基酸無水
物で変性した樹脂である。以上挙げたエポキシアクリレ
ート樹脂の中でも、特に、アルカリ可溶性のノボラック
エポキシアクリレート樹脂が好ましいものである。
【0014】エポキシアクリレート樹脂としては、酸価
が20〜200mg・KOH/gであるのが好ましく、
30〜180mg・KOH/gであるのが特に好まし
い。又、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
る重量平均分子量が2,000〜100,000である
のが好ましく、3,000〜80,000であるのが特
に好ましい。
【0015】好ましい樹脂側鎖に(メタ)アクリル基を
有するポリマーとしては、カルボキシル基を有するビニ
ル樹脂のカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)ア
クリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレートのようなエポキシ基と(メタ)ア
クリル基を有する化合物を反応させたポリマーを挙げる
ことができる。
【0016】なお、カルボキシル基を有するビニル樹脂
としては、(メタ)アクリル酸や無水マレイン酸、クロ
トン酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマーとス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルフェノール、(メ
タ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エ
チルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、
(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル
酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエス
テル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)
アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シメチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ルエステル、アクリロニトリル等を挙げることができ
る。
【0017】以上説明した好ましい側鎖に(メタ)アク
リル基を有するポリマーは酸価が30〜250mg・K
OH/gであるのが好ましく、50〜200mg・KO
H/gであるのが特に好ましい。又、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーによる重量平均分子量が5,0
00〜200,000であるのが好ましく、3,000
〜100,000であるのが特に好ましい。
【0018】前述したように本発明では(A)エチレン
性不飽和化合物としてアクリルモノマーとアクリルオリ
ゴマー又はアクリルポリマーを併用して用いるのが好ま
しいが、その好ましい配合比率はアクリルモノマー5〜
50重量%に対して、アクリルオリゴマー又はポリマー
を95〜50重量%の範囲である。特にアクリルモノマ
ー10〜30重量%に対してアクリルオリゴマー又はポ
リマーを90〜30重量%の範囲にすると良い。
【0019】又、本発明の光重合性組成物を構成する
(B)成分の750〜1200nmに吸収極大を有する
赤外吸収性のフタロシアニン化合物は、増感色素として
機能し光重合性組成物が活性光線の照射を受けたとき
に、その光を効率よく吸収し、その光励起エネルギーを
後述する(C)成分の光重合開始剤に伝え、該(C)成
分を分解し、前記(A)成分のエチレン性不飽和化合物
の高分子量化を誘起する活性ラジカルを発生させる増感
機能を有する化合物である。750〜1200nmの範
囲に吸収極大フタロシアニン系色素(B)としては、下
記一般式(I) で表される構造のフタロシアニン錯体のフ
タロシアニン系色素が好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】〔式(I) 中、Mはフタロシアニン錯体を形
成する中心金属を示し、ベンゼン環は置換基を有してい
てもよく、該置換基が互いに連結して縮合環を形成して
いてもよく、その場合、該縮合環は更に置換基を有して
いてもよい。〕
【0022】ここで、式(I)におけるMとしては、例え
ば、周期律表のIa族、Ib族、IIa 族、IIb 族、IIIa族、
IIIb族、IVa 族、IVb 族、Va族、Vb族、VIb 族、VIIb
族、VIII族等の種々の金属原子が挙げられ、又、ベンゼ
ン環及び縮合環の置換基としては、例えば、更に置換基
を有していてもよい炭素数1〜10程度のアルキル基、
同じく炭素数1〜15程度のアルコキシ基、同じくカル
ボキシル基、同じくビニル基、同じくアクリロイル基、
同じくフェニル基、同じくフェノキシ基、同じくアルキ
ルチオ基、同じくフェニルチオ基、同じくアミノ基、同
じくシリル基、及び、ヒドロキシル基、ニトロ基、シア
ノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、複数の置換基を有す
る場合は同一でも異なっていてもよい。
【0023】このようなフタロシアニン系色素として
は、例えば、特開昭64−60660号公報、特開平1
−100171号公報、特開平3−31247号公報、
特開平4−15263号公報、特開平4−15264号
公報、特開平4−15265号公報、特開平4−152
66号公報に記載のフタロシアニン化合物、特開平2−
138382号公報に記載のアルキルフタロシアニン化
合物、特開平3−77840号公報、特開平3−100
066号公報に記載のアシロキシフタロシアニン化合
物、特開平4−348168号公報に記載のアルコキシ
フタロシアニン化合物、特開昭60−23451号公
報、特開昭61−215662号公報、特開昭61−2
15663号公報、特開昭63−270765号公報、
特開平1−287175号公報、特開平2−43269
号公報、特開平2−296885号公報、特開平3−4
3461号公報、特開平3−265664号公報、特開
平3−265665号公報に記載のナフタロシアニン化
合物、特開平1−108264号公報、特開平1−10
8265号公報に記載のジナフタロシアニン化合物等が
挙げられる。
【0024】以上の中で、本発明においては、前記一般
式(I) で表されるMが銅等のIb族、亜鉛等のIIb 族、ア
ルミニウム等のIIIb族、錫等のIVb 族、バナジウム等の
Va族の金属原子を中心金属とする錯塩であって、4個の
ベンゼン環、又は4個の縮合環としてのナフタレン環の
各々に同一の置換基を有するものが好ましく、それらの
好ましいフタロシアニン系色素を、吸収極大(λmax
)及び吸収極大(λ max )におけるモル吸光係数
(ε)と共に、以下に具体的に例示する。尚、以下の例
示において、Meはメチル基を、Buはブチル基を、P
hはフェニル基をそれぞれ示す。
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】又、本発明の光重合性組成物を構成する
(C)成分の光重合開始剤は、前記(B)成分の増感色
素の存在下で光照射されたときに、前記(A)成分のエ
チレン性不飽和化合物の高分子量化を誘起する活性ラジ
カルを発生するラジカル発生剤であって、例えば、ハロ
ゲン化炭化水素誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾー
ル化合物類、チタノセン化合物類、有機硼素錯体類、カ
ルボニル化合物類、及び有機過酸化物類等が挙げられ
る。
【0037】そのハロゲン化炭化水素誘導体類として
は、例えば、特開昭53−133428号公報、英国特
許1388492号明細書、若林等;Bull.Chem.Soc.Jap
an;42,2924(1969)、F.C.Schaefer等;J.Org.Chem.;29,15
27(1964)等に記載されるs−トリアジン化合物、具体的
には、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロ
エチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメ
チル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’
−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニ
ル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリア
ジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−
ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリク
ロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メチルスチ
リル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メ
トキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロロメチル
−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチ
リル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフ
チル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス
(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔4−
(2−エトキシエチル)ナフチル〕−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4,7−ジ
メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−アセナフチル−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニ
ルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル
−6−トリクロロメチル−s−トリアジン、2,4,6
−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−
メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリ
アジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチ
ル)−s−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−
トリブロモメチル−s−トリアジン等が挙げられ、中
で、ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン化合物
が好ましい。
【0038】又、そのヘキサアリールビイミダゾール化
合物類としては、例えば、特公平6−29285号公報
等に記載される化合物、具体的には、例えば、2,2’
−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−
テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−
クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−
クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o
−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,
2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾー
ル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)
ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニ
ル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフ
ェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジ
クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロ
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジ
クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o
−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェ
ニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロ
ロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブ
ロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨ
ードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−
ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−
クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,
2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,
5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス
(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0039】又、そのチタノセン化合物類としては、例
えば、特開昭59−152396号、特開昭61−15
1197号、特開昭63−41484号、特開平2−2
49号、特開平2−4705号、特開平5−83588
号各公報等に記載される化合物、具体的には、例えば、
ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシ
クロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロ
ペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフ
ェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス
(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエ
ニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニ
ル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペン
タジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペン
タフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、
ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジ(メチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペン
タフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニ
ウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)
フェニル〕等が挙げられる。
【0040】又、その有機硼素錯体類としては、例え
ば、特開平8−217813号、特開平9−10624
2号、特開平9−188685号、特開平9−1886
86号、特開平9−188710号各公報、及び、Kun
z,Martin “Rad Tech'98.Proceeding April 19-22,199
8,Chicago ”等に記載の有機硼素アンモニウム錯体、特
開平6−1576232号、特開平6−175561
号、特開平6−175564号各公報等に記載の有機硼
素スルホニウム錯体或いは有機硼素オキソスルホニウム
錯体、特開平6−175553号、特開平6−1755
54号各公報等に記載の有機硼素ヨードニウム錯体、特
開平9−188710号公報等に記載の有機硼素ホスホ
ニウム錯体、特開平6−348011号、特開平7−1
28785号、特開平7−140589号、特開平7−
292014号、特開平7−306527号各公報等に
記載の有機硼素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
【0041】又、そのカルボニル化合物類としては、具
体的には、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾ
フェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベン
ゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−クロ
ロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、ミヒラ
ーケトン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジエトキ
シアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニ
ル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p
−イソプロピルフェニル)ケトン、1−トリクロロメチ
ル−(p−ブチルフェニル)ケトン、α−ヒドロキシ−
2−メチルフェニルプロパノン、2−メチル−(4’−
(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロ
パノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2
−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサン
トン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエ
チルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン
誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエ
チルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体
等が挙げられる。
【0042】又、その有機過酸化物類としては、具体的
には、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ア
セチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド等のケトンパーオキサイド、3,5,5−トリメチル
ヘキサノイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパ
ーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジ
クロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパー
オキサイド等のジアシルパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチ
ルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、1,3(又は1,4)−ビス(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール、t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシオクト
エート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト等のアルキルパーエステル、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカ
ーボネート、ビス(3−メチル−3−メトキシブチル)
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート、及
び、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキ
シカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−
テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−オクチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,
4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピ
ルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(アミノパーオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン、カルボニルビス(t−ブチルパー
オキシ2水素2フタレート)、カルボニルビス(t−ヘ
キシルパーオキシ2水素2フタレート)等が挙げられ
る。
【0043】本発明において、(C)成分の光重合開始
剤としては、以上の中で、ハロゲン化炭化水素誘導体類
としてのs−トリアジン化合物、及び有機硼素錯体類が
好ましく、特に、下記一般式(II)で表される有機硼素錯
体が好ましい。
【0044】
【化13】
【0045】〔式(II)中、R1 、R2 、R3 、及びR4
は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル
基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を
有していてもよいアルキニル基、置換基を有していても
よいアリール基、置換基を有していてもよい脂環式基、
又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、これら
はその置換基が互いに連結して環状構造を形成していて
もよく、X+ は対カチオンを示す。〕
【0046】ここで、式(II)におけるR1 、R2
3 、及びR4 が、アルキル基又は脂環式基であるとき
の炭素数は1〜10程度、アルケニル基又はアルキニル
基又は脂環式基であるときの炭素数は3〜20程度、ア
リール基であるときの炭素数は6〜30程度であるの
が、それぞれ好ましく、アリール基としてはフェニル基
が特に好ましい。又、それらの置換基としては、例え
ば、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、カル
ボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0047】中で、R1 、R2 、R3 、及びR4 のうち
の三つが置換基を有していてもよいアリール基で、一つ
が置換基を有していてもよいアルキル基であるトリアリ
ールアルキル硼素錯体が好ましい。
【0048】これらの有機硼素錯体における好ましいア
ニオンの具体例としては、例えば、n−ブチル−トリフ
ェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メチル
フェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,
4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチ
ル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n
−ブチル−トリス(m−クロロフェニル)硼素アニオ
ン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素ア
ニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)
硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェ
ニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジ
フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、
n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフル
オロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m
−トリフルオロメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブ
チル−トリス(3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニ
ル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフ
ルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン、n−
ヘキシル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオ
ン等が挙げられる。
【0049】又、その対カチオンX+ としては、例え
ば、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ア
ルソニウムカチオン、スチボニウムカチオン、オキソニ
ウムカチオン、スルホニウムカチオン、セレノニウムカ
チオン、スタンノニウムカチオン、ヨードニウムカチオ
ン等のオニウム化合物、及び、遷移金属配位カチオン等
を挙げることができるが、中で、アンモニウムカチオン
が好ましく、テトラアルキル(炭素数1〜10)アンモ
ニウムカチオンが特に好ましい。
【0050】以上の前記一般式(II)で表される有機硼素
錯体の中で、本発明において好ましい有機硼素錯体を、
以下に具体的に例示する。尚、以下の例示において、M
eはメチル基を、Etはエチル基を、Buはブチル基を
それぞれ示す。
【0051】
【化14】
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】
【化17】
【0055】
【化18】
【0056】本発明(D)のカチオン性色素は、「カラ
ーケミカル辞典」(有機合成化学協会編集、1988
年、(株)シーエムシー発行)に記載の種々の化合物を
挙げることができる。ここでカチオン性色素(D)とし
ては、(B)成分や(E)成分とは異る別個の成分とし
て用いる必要がある。カチオン性色素は色素構造の一部
にアンモニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、
ヨードニウム塩構造等のカチオン部位を有するものであ
り、メチン系、アゾ系、インドール系、トリフェニルメ
タン系、オキサジン系、アントラキノン系等の種々のカ
チオン色素が好ましく用いられる。
【0057】カチオン性色素は、導体回路となる銅のよ
うな金属上での感光層の安定化に効果があり、塗布後の
経時により感光層が徐徐に硬化、現像性が低下する現象
を上記に挙げたカチオン性色素により抑止することがで
きる。
【0058】例えば、カチオンイエロー3G、カチオン
イエローGL、カチオンフラビン10G、カチオンイエ
ロー5GL、カチオンオレンジR、カチオンブラウン3
GL、カチオンピンクFG、カチオンブリリアントレッ
ド4G、カチオンレッドGTL、カチオンレッドBL
H、カチオンレッド6B、カチオンレッド5B、カチオ
ンブルー5G、カチオンブルーGRL、カチオンブルー
GLH、カチオンネービーブルーRLH等の市販カチオ
ン染料を挙げることができる。
【0059】上述したようなカチオン性色素は、通常可
視光領域に吸収極大を有するものであるが、更に750
〜1200nmの赤外光領域に吸収を有するカチオン性
色素の場合では感光層の安定化効果のみならず、高感度
化にも寄与するためより好ましいものである。
【0060】赤外吸収性カチオン色素として、具体的に
は、例えば、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複
素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造
であって、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン
鎖を介して複素環が結合された構造の、キノリン系(所
謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニ
ン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン
系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウ
ム系、クロコニウム系、アズレニウム系等の広義の所謂
シアニン系色素を挙げることが出来る。
【0061】具体的には、下記の化合物が挙げられる。
【0062】
【化19】
【0063】
【化20】
【0064】
【化21】
【0065】
【化22】
【0066】次に本発明(E)の可視光に非増感性の可
視光吸収色素について説明する。可視光に非増感性の可
視光吸収色素は波長400〜780nmの可視光領域に
おいて光吸収能を有するが、可視光照射によって本発明
(C)の重合開始剤を分解、活性ラジカルを生じせしめ
ない色素をいう。ここで(E)成分は、(B)成分や
(D)成分とは別個の成分として用いる必要がある。
【0067】このような機能の確認は、(E)の存在
化、非存在化で分光感度を測定し、可視光領域において
分光感度が変化しないことにより可能である。なお、分
光感度については「新・感光性樹脂 (角田 隆弘著
印刷学会出版部 昭和56年)」等に記載の公知の測定
手法が用いられる。
【0068】非増感性の可視光吸収色素については上記
の機能を有するものであれば特に制限を受けないが、上
述の機能を有するものとして有機顔料を挙げることがで
きる。例えば、ファーストイエローG、ファーストイエ
ロー10G、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾイエロ
ーAAMX、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエ
ローAAOA、フラバンスロンイエロー、ジスアゾイエ
ローAAPT、ジスアゾイエローH10G、ジスアゾイ
エローHR、クロモフタルイエローGR、ファストイエ
ローFGL、ファストイエロー10GX、タートラジン
レーキ、メチンイエロー、サンセットイエローレーキ、
アンスラピリミジンイエロー、イソインドリノンイエロ
ーG、イソインドリノンイエローR、銅アゾメチンイエ
ロー、ベンズイミダゾロンイエローH2G、キノフタロ
ンイエロー、ニッケルジオキシンイエロー、ジニトロア
ニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ジアニシジンオ
レンジ、ペルシアンオレンジレーキ、ベンズイミダゾロ
ンオレンジHL、ペリノンオレンジ、ピランスロンオレ
ンジ、パラレッド、ナフトールレッドFRR、レーキレ
ッド4R、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッド
M、ブリリアントファストスカーレット、ナフトールレ
ッドBS、ナフトールレッドRN、ピラゾロンレッド、
パーマネントレッド2B(Ba、Ca、Sr又はM
n)、リソールレッド、ボンレーキレッドC、レーキレ
ッドC、ブリリアントカーミン6B、ボルドー10B、
ボンマルーンM、ブリリアントスカーレットG、ローダ
ミン6Gレーキ、マダーレーキ、チオインジゴボルド
ー、ナフトールレッドFGR、ブリリアントカーミンB
S、キナクリドンマゼンタ、ペリレンバーミリオン、ナ
フトールカーミンFBB、ペリレンレッドBL、クロモ
フタールスカーレット、アンスアンスロンレッド、ナフ
トールレッドF5RK、エリスロシンレーキ、ジアント
ラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルー
ン、ベンズイミダゾロンカーミンHF4C、ペリレンス
カーレット、アラマンスレーキ、キナクリドンレッド
E、ピランスロンレッド、ローダミンBレーキ、メチル
バイオレットレーキ、アリザリンマルーンレーキ、キナ
クリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、チオイン
ジゴマゼンタ、ビクトリアブルーレーキ、ビクトリアブ
ルー6Gレーキ、フタロシアニンブルーR、フタロシア
ニンブルーG、フタロシアニンブルーE、無金属フタロ
シアニン、アルカリブルーG、インダスロンブルー、イ
ンジゴカルミンレーキ、ブリリアントグリーンレーキ、
マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、
ピグメントグリーンB、ニッケルアゾイエロー、フタロ
シアニングリーン6Y、ベンズイミダゾロンブラウンH
FR、アニリンブラック等の市販有機顔料を挙げること
ができる。
【0069】以上挙げた有機顔料は有機溶剤に対して溶
解性を示さないため、3本ロール、サンドミル、ロール
ミル、ジェットミル等の公知の分散処理方法により粒径
が1ミクロン以下、好ましくは0.5ミクロン以下の微
粒子分散状態になるように処理するのが好ましい。分散
状態を安定化させるため、高分子分散剤、界面活性剤等
を併用することも可能である。
【0070】以上説明した本発明の必須構成成分の好ま
しい含有割合は、(A)エチレン性不飽和化合物100
重量部に対して、(B)750〜1200nmに吸収極
大を有する赤外吸収性のフタロシアニン0.5〜15重
量部、好ましくは1〜10重量部、(C)重合開始剤が
2〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部、
(D)カチオン性色素0.2〜10重量部、より好まし
くは0.5〜8重量部、(E)非増感性の可視光吸収色
素が1〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部の
範囲である。
【0071】尚、前記光重合性組成物には、必要に応じ
て、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び
弗素系等の界面活性剤等の塗布性改良剤、消泡剤、可視
画性付与剤、着色剤、密着性向上剤、現像性改良剤、紫
外線吸収剤、及び重合安定剤等の添加剤が添加されてい
てもよい。
【0072】本発明の前記光重合性組成物は、通常、前
記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液
を、基板上に塗布した後、加熱、乾燥させて、該基板上
に前記光重合性組成物の層を形成することにより光重合
性画像形成材として用いられるが、中で、絶縁基材表面
に導電層を有する基板の該導電層上に前記光重合性組成
物をレジスト材層として形成することによる導体回路形
成用等の光重合性画像形成材としての使用形態が好適で
ある。
【0073】ここで、その基板における絶縁基材として
は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレ
イミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ア
クリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱
可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シ
リカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物等が挙
げられ、又、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布
基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノ
ール樹脂等に代表される複合材料であってもよい。これ
らの絶縁基材の厚さは、通常、0.02〜10mm程度
である。
【0074】これらの絶縁基材表面に形成される導電層
の構成材料としては、例えば、銅、金、銀、クロム、亜
鉛、錫、アルミニウム、鉛、ニッケル、酸化インジウ
ム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫(ITO)、
半田等の金属が挙げられ、前記絶縁基材表面への導電層
の形成方法としては、例えば、前記金属の箔を加熱、圧
着ラミネートするか、前記金属をスパッタリング、蒸
着、メッキする等の方法が採られる。これら導電層の厚
さは、通常、1〜100μm程度である。
【0075】又、前記基板上に塗布する際の溶剤として
は、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜
性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソル
ブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール
モノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコー
ルジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、
酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジ
エチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−
ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸
メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル
等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジ
アセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコ
ール系溶剤、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等
のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或い
はこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を
添加したもの等が挙げられる。中でもエーテル系の溶媒
が好ましく、更にはプロピレングリコール系がより好ま
しい。溶剤の使用割合は、光重合性組成物の総量に対し
て、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。この
塗布溶媒に対する溶解性は、(B)成分の方が(E)成
分よりも高い。
【0076】又、その塗布方法としては、従来公知の方
法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブ
レード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用
いることができる。その際の塗布量は、乾燥膜厚として
1〜30μm程度とするのが好ましく、2〜20μm程
度とするのが特に好ましい。尚、その際の乾燥は、例え
ば、熱風循環式オーブン、ホットプレート等を用いて、
40〜120℃程度の温度、10秒〜10分間程度の時
間とするのが好ましい。
【0077】本発明において、前記画像形成材の光重合
性組成物層を画像露光する光源としては、カーボンアー
ク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドラン
プ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YA
Gレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビ
ーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、750〜
1200nmの波長域、更には750〜900nmの波
長域の近赤外レーザー光を発生する光源が好ましく、例
えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザ
ー等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で
長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。
これらのレーザー光源をビームに絞り、画像データに基
づいて走査露光した後、アルカリ現像液にて現像処理し
画像が形成される。
【0078】又、その走査露光方法も、特に限定される
ものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラ
ム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げら
れ、光学系によりビームに絞って露光強度を好ましくは
1MW/cm2 以上、更に好ましくは1.5MW/cm
2 以上とし、ビームスポット径を、好ましくは1〜30
μm、更に好ましくは2〜20μm、走査速度を、好ま
しくは50〜500m/秒、更に好ましくは100〜4
00m/秒、走査密度を、好ましくは2,000dpi
以上、更に好ましくは4,000dpi以上として、走
査露光する。
【0079】又、現像処理におけるアルカリ現像液とし
ては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リ
チウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ
珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼
酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無
機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等
の有機アミン化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4
級アンモニウム塩等の水溶液が用いられる。中で、無機
アルカリ塩である炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のア
ルカリ金属の炭酸塩が好ましい。
【0080】アルカリ現像液における前記アルカリの濃
度は、好ましくは0.05〜3重量%程度、更に好まし
くは0.1〜2重量%程度とし、pHは8〜13程度が
好ましい。尚、現像液には、必要に応じて、アニオン
性、ノニオン性、両性等の界面活性剤や、アルコール等
の有機溶剤を加えることができる。
【0081】現像処理は、浸漬現像、スプレー現像、ス
ピン現像、ブラシ現像、超音波現像等により、好ましく
は、15〜35℃程度の温度、5秒〜3分程度の時間で
なされる。現像後は、乾燥し、更に、その後、必要に応
じて、形成された画像の密着性向上等を目的として、1
00〜250℃程度の温度範囲でポストベーク処理がな
される。
【0082】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び
比較例で用いた光重合性組成物のエチレン性不飽和化合
物、増感色素、光重合開始剤、及びその他成分を以下に
示す。
【0083】<エチレン性不飽和化合物> (A−1)エポキシ当量206のクレゾールノボラック
エポキシ樹脂(東都化成社製「エポトートYDCN70
4」)206重量部、アクリル酸72重量部、テトラエ
チルアンモニウムクロライド0.2重量部、及びメチル
ハイドロキノン0.5重量部を、ジエチレングリコール
エチルエーテルアセテート192重量部中に加えて11
0℃で5時間反応させた後、テトラヒドロフタル酸無水
物121.6重量部を加えて100℃で3時間反応させ
た。 (A−2)ペンタエリスリトールトリアクリレート
【0084】<増感色素> (B−1)具体例R11で示したフタロシアニン系色素 <光重合開始剤> (C−1)具体例B16で示した有機硼素錯体 (C−2)具体例B27で示した有機硼素錯体 <カチオン性色素> (D−6)具体例D−6で示したカチオン性色素 (D−10)具体例D−10で示したカチオン性色素
【0085】<非増感性の可視光吸収色素> (E−1)アントラキノン系の赤顔料、C.I.Red
177(チバガイギー社製)15g、高分子分散剤BY
K−161(ビックケミー社製)5g、溶剤としてプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PG
MEA)80gを加え攪拌機によりプレミキシングをお
こなった。これをペイントシェーカーにより6時間分散
処理をおこなった。ビーズはインキ液に対し重量で3倍
量の0.5mmφのジルコニアビーズを用いた。このよ
うにして得られた分散処理インキを下記のようにして顔
料粒度を測定した。分散処理インキをPGMEAで40
0倍に希釈した後、5分間超音波処理(BRANSON
社製)を行いレーザードップラ定器マイクロトラップU
PA(リーズ&ノースラップ社製)により測定したとこ
ろ顔料粒径0.2μ以下の粒子は全粒子の90%以上で
あった。このようにして得られた分散インキを非増感性
の可視光吸収色素として用いた。
【0086】(E−2)フタロシアニン系の緑顔料C.
I.Green36(大日本インキ社製)15g、高分
子分散剤BYK−161(ビックケミー社製)5g、溶
剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート(PGMEA)80gを加え攪拌機によりプレミ
キシングをおこなった。E−1と同様の分散処理を行っ
た後顔料粒径を測定したところ顔料粒径0.2μ以下の
粒子は全粒子の90%以上であった。 (E−3)フタロシアニン系の青顔料C.I.Blue
15;6(大日本インキ社製)15g、高分子分散剤B
YK−161(ビックケミー社製)5g、溶剤としてプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(P
GMEA)80gを加え攪拌機によりプレミキシングを
おこなった。E−1と同様の分散処理を行った後顔料粒
径を測定したところ顔料粒径0.2μ以下の粒子は全粒
子の90%以上であった。
【0087】実施例1〜5、比較例1〜3 厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ樹脂絶縁基材の
表面に厚さ18μmの電解銅箔の導電層を有する銅張積
層基板(三菱瓦斯化学社製)を用い、その基板銅箔上
に、表1に示す各成分をプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート330重量部に室温で攪拌して調
液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、コンベク
ションオーブンにて70℃で2分間乾燥させることによ
り、膜厚5μmの光重合性組成物層を有する導体回路形
成用の光重合性画像形成材を作製した。
【0088】得られた各画像形成材につき、波長830
nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(Creo
社製「Trend Setter 3244T」)を用
いて、15μmのビームスポット径にて500mJ/c
2 以下の各種の露光エネルギーで走査露光し、次い
で、0.8重量%の炭酸ナトリウム水溶液の現像液を、
25℃の温度、1kg/cm2 の圧力で30秒間スプレ
ーすることにより現像処理して走査線画像を形成させ
た。その際、以下に示す方法で、光重合性組成物層の感
度、解像性、及び基板に対する密着性を評価し、結果を
表1に示した。
【0089】<感度>画像部における現像前後の反射濃
度を反射濃度計(マクベス社製「RD−514」)を用
いて測定して以下の式に基づいて画像部の残膜率を算出
し、その残膜率が50%となるに要する露光エネルギー
(mJ/cm2 )を感度とした。 画像部の残膜率(%)=〔(現像後の画像部の反射濃度
−基板表面の反射濃度)/(現像前の版面の反射濃度−
基板表面の反射濃度)〕×100
【0090】<解像性>線幅の異なる走査線及びその間
隔の画像を形成し、その最小の走査線及びその間隔の幅
(μm)を解像力とした。 <基板に対する密着性>画像部に碁盤目状の切れ目を入
れ、セロテープ(登録商標)を貼着し剥離するとき、画
像部の剥がれのないものを「良好」、画像部に剥がれが
生じるものを「不良」とした。
【0091】又、別に、前記で得られた各光重合性画像
形成材について、以下に示す方法でセーフライト性、基
板上における安定性を評価し、結果を表1に示した。 <セーフライト性>画像形成材を、白色蛍光灯(三菱電
機社製「ネオルミスーパーFLR−40」)の直下1.
5mの位置に光重合性組成物層を上にして1時間放置し
た後、前記と同様に画像露光及び現像処理を行い、放置
前の画像形成材との感度及び非露光部の溶解時間を比較
し、差が認められない場合を「良好」、差が生じる場合
を「不良」とした。 <基板上における安定性>銅張り積層板に感光液を塗
布、乾燥した後、遮光した状況下で1日放置した後、I
Rレーザー露光並びに現像処理を行った。放置せずに露
光、現像処理をおこなったサンプルと同様の感度、解像
力をもち、非画線部における地汚れがないものを「良
好」とした。
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、特に酸素遮断層を設け
なくても酸素による重合阻害の影響が抑制され高感度で
あると共に、解像性に優れ、且つ、セーフライト性にも
優れており明室での取扱が可能であり、特に、基板に対
する密着性、安定性にも優れた光重合性組成物、並び
に、光重合性画像形成材及びそれを用いた画像形成方法
を提供することができる。又、スプレー現像のような過
酷な現像処理条件下においても、これらの感度、解像性
等の性能を発現することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/031 G03F 7/031 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA14 AB13 AB15 AB17 AC08 AD01 AD03 CA14 CA18 CA28 CA39 CA41 CA42 CA50 CC12 CC20 FA03 FA10 FA17 2H048 BA03 BA45 BA47 BA48 BB02 BB42 4J011 AC04 CA08 PA43 QA13 QA17 QA23 QB01 QB19 SA21 SA76 SA78 SA86 SA87 SA88 UA02 VA01 WA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)成分、(B)成分、(C)
    成分、(D)成分並びに(E)成分を含有してなること
    を特徴とする光重合性組成物。 (A)エチレン性不飽和化合物 (B)750nm以上1200nm以下に吸収極大を有
    する赤外吸収性のフタロシアニン色素 (C)光重合開始剤 (D)カチオン性色素 (E)可視光に非増感性の可視光吸収色素
  2. 【請求項2】 (D)が赤外吸収性色素である請求項1
    記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 (E)が基板上に光重合性組成物からな
    る層を塗布する際に用いる塗布溶剤に対する溶解性が
    0.1%以下の着色顔料である請求項1又は2記載の光
    重合性組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分がベンゼン骨格1ユニットに対
    して不飽和基を1ユニットよりも多く有する請求項1乃
    至3の何れかに記載の光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分が、有機硼素錯体である請求
    項1乃至4のいずれかに記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 基板上に請求項1〜5記載の光重合性組
    成物からなる層を形成してなることを特徴とする光重合
    性画像形成材。
  7. 【請求項7】 基板上に形成した請求項1〜5記載の光
    重合性組成物からなる層を、750nm以上200nm
    以下の波長域の近赤外レーザー光により走査露光した
    後、アルカリ現像液で現像処理することを特徴とする画
    像形成方法。
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