JP2003325104A - 起泡性水中油型乳化油脂組成物およびその含気状水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents

起泡性水中油型乳化油脂組成物およびその含気状水中油型乳化油脂組成物

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JP2003325104A
JP2003325104A JP2002135027A JP2002135027A JP2003325104A JP 2003325104 A JP2003325104 A JP 2003325104A JP 2002135027 A JP2002135027 A JP 2002135027A JP 2002135027 A JP2002135027 A JP 2002135027A JP 2003325104 A JP2003325104 A JP 2003325104A
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fat
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JP2002135027A
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English (en)
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Takashi Seki
隆志 関
Koji Ogino
弘ニ 荻野
Yoshiyuki Yamane
義之 山根
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネー
トなどの安定剤を使用しなくても、安定剤を使用したも
のと同等のホイップ性、作業性、保存性と軽く爽やかな
口溶け、フレッシュ感があり、かつ生産コストに優れた
起泡性を有する水中油型乳化油脂組成物と、その含気状
水中油型乳化油脂組成物を提供すること。 【解決手段】 起泡性水中油型乳化油脂組成物全体中、
糖類:ラウリン系油脂を油脂全体中45重量%以上含有
する混合油脂:水を10〜55:20〜50:25〜7
0の重量比で配合したものを100重量部含有し、また
蛋白質を1.0〜4.0重量部含有し、更にラクトアル
ブミン、卵白粉末、卵白からなる群から選ばれた少なく
とも1種以上と乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵黄か
らなる群から選ばれた少なくとも1種以上をそれぞれ
0.05〜1.0重量部含有し、更に上記油脂の20℃
におけるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂の
20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるS
FCより10%未満のSFCを示すこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓、製パン、調
理加工等に用いる起泡性水中油型乳化組成物に関する。
詳しくは乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネート
などの食品添加物として指定された安定剤を使用しなく
ても、安定剤を使用したものと同等のホイップ性、作業
性、保存性と軽く爽やかな口溶け、フレッシュ感があ
り、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型乳化油脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーキ、シュークリーム、アイス
クリーム等のデコレーションや、菓子パン等のトッピン
グ、フィリング用に使用される起泡性水中油型乳化組成
物、すなわちホイップ用クリームや、またパン生地、カ
スタードクリーム、ホワイトソース等に加工練り込み用
として使用されるクリーム類は、多数の乳化剤、リン酸
塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤を巧みに組
み合わせて製造するのが公知である。
【0003】これらの安定剤を添加する目的は、クリー
ムの原液安定性(いわゆる「ボテ」と称されるクリームの
可塑化防止)の向上、ホイップ時の物性(ホイップ時
間、オーバーラン)の調整、クリームが起泡された際の
気泡の安定化、ホイップしたクリームからの離水防止、
調理時の加熱による乳化破壊の防止などである。しか
し、これらの安定剤を添加することは、基本的にクリー
ムの呈味の阻害、すなわち、えぐ味、嫌味、渋味、糊感
の原因となるため、風味の点から考えるとマイナス効果
しか持たないものである。
【0004】一方、リン酸塩やクエン酸塩等の安定剤使
用せず、生クリームの様なみずみずしい食感を得ようと
して、カゼイネートと卵黄油を用いる方法(特許第32
06507号)、(特開平11−89531)、特定油
脂とカゼイネート、卵黄油を用いる方法(特許第320
6508号)等が提案されているが、原液安定性、ホイ
ップ物性を調整するための安定剤として、多量のカゼイ
ネート、卵黄油(卵黄レシチン)を必須成分として使用
しなければならないのが実態であった。
【0005】以上のような状況を鑑み、本発明者らは、
食品添加物として指定された安定剤を使用しなくても、
特定の上昇融点を有する油脂成分、及びラクトアルブミ
ン、卵白粉末、卵白からなる群から選ばれた1種以上
と、乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵黄からなる群か
ら選ばれた1種以上を組み合わせる方法(特開2002
−45136)、特定の固体脂量を有する油脂成分を組
み合わせる方法(特開2002−34451)を提案し
た。しかし、前者は油脂中のラウリン系硬化油脂が2〜
20重量%であり、更にその含有量を増やそうとすると
原液安定性、造花性、口溶けが劣る傾向があった。また
後者は、使用する油脂が、個々の油脂の20℃における
SFCとその混合比率より計算されるSFCより10%
以上低いSFCを示す混合油脂であるが、本発明で使用
する混合油脂は、個々の油脂の20℃におけるSFCと
その混合比率より計算されるSFCより低い場合もある
が、その差異は10%未満である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳化
剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤
を使用しなくても、安定剤を使用したものと同等のホイ
ップ性、作業性、保存性と軽く爽やかな口溶け、フレッ
シュ感がある気泡性水中油型乳化組成物で、かつ工業的
に大量生産に供することが出来る為に、生産コストに優
れた起泡性水中油型乳化油脂組成物とその含気状水中油
型油脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する事を目的とし、起泡性水中油型乳化組成物の
配合について鋭意検討したところ、特定量の蛋白質を含
有し、また特定の油脂:水:糖類を特定の重量比で含有
し、更に乳化を安定化する天然成分と不安定化する天然
成分を所定量併用することで上記課題が解決でき、加え
て更に特筆すべきことには、植物性油脂のなかで最も口
溶けがよく、保型性が優れているとされているラウリン
系油脂を制限なく使用可能であることの知見を得て、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の第1は、起泡性水中油
型乳化油脂組成物全体中、蛋白質を1.0〜4.0重量
%含有し、、糖類:10〜55重量%、ラウリン系油脂
を45重量%以上含有する油脂:20〜50重量%、
水:25〜70重量%であり、更にラクトアルブミン、
卵白粉末、卵白からなる群から選ばれた少なくとも1種
以上と乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵黄からなる群
から選ばれた少なくとも1種以上をそれぞれ0.05〜
1.0重量%含有する事を特徴とする起泡性水中油型乳
化油脂組成物に関する。
【0009】本発明の第2は、上記記載の水中油型乳化
組成物が、起泡され、密封容器に充填され、長期に冷蔵
・冷凍保管されても良好な物性を有する含気状水中油型
乳化油脂組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明についてさらに詳細に説明
する。本発明における蛋白質とは特に限定は無く、通常
食品に用いられる蛋白質のことであり、それら蛋白質は
牛乳、脱脂粉乳、無塩バター、バターミルクパウダー等
の乳製品、乳由来のラクトアルブミンや乳脂肪球皮膜蛋
白質、卵黄、卵白、卵黄粉末、卵白粉末等の卵製品に含
まれる。本発明の気泡性水中油型乳化油脂組成物におい
て、特定重量比率の糖類:ラウリン系油脂を油脂全体中
45重量%以上含有する混合油脂:水の混合物100重
量部に対して、蛋白質を1.0〜4.0重量部含有す
る。蛋白質の含有量が1.0重量部未満であると、ホイ
ップする際に保型性が不足し、またホイップ後、経時的
に軟らかくなったり、硬くなったりして保型性の安定性
が不足する。一方、蛋白質の含有量が4.0重量部を超
えると原液の乳化安定性の維持が困難となり、経日的に
粘度増加、原液の可塑化が生じる場合がある。
【0011】本発明に使用する油脂は、食用として広く
使用されている植物油脂、乳脂肪を使用できる。具体的
にはヤシ油、ナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核
油、綿実油、とうもろこし油等の植物油脂、あるいはこ
れらの硬化油、エステル交換油、分別油等の加工植物油
脂、又はバター、バターオイル、牛乳等から由来の乳脂
肪が挙げられ、それらを少なくとも1種以上含有する
が、必ずラウリン系油脂を油脂全体中に45重量%以上
含有する事が特徴である。ラウリン系油脂の含有量が4
5重量%未満では良好な口溶けや温度耐性に優れた品質
を得られない場合がある。上記ラウリン系油脂として
は、ヤシ油、パーム核油、及びこれらの硬化もしくは分
別、エステル交換した油脂等が例示できる。
【0012】また使用する混合油脂総量は、起泡性水中
油型乳化油脂組成物における特定重量比率の糖類:ラウ
リン系油脂を油脂全体中45重量%以上含有する混合油
脂:水の混合物100重量部の内、20〜50重量部で
ある。混合油脂総量が20重量部未満ではホイップする
際に保型性に劣るばかりでなく、ホイップクリームとし
ての油脂の食感に欠ける場合があり、一方、50重量部
を超えるとホイップしたクリームは経時的に硬くなり、
キメが悪くなるか、乳化安定性(原液の可塑化)の維持
が困難となる場合がある。
【0013】更に上記油脂の20℃におけるSFCは、
該油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCと
その混合比率より計算されるSFCより10%未満のS
FCを示すことが特徴である。従来は、上記のような油
脂を用いると原液の可塑化が起こったりしたが、本発明
のような油脂:水:糖類の比率で配合する事でそのよう
な問題はなくなった。ここで言うSFCとは、油脂のあ
る温度における固体脂含量の事を示す。油脂のSFC
は、一般的な核磁気共鳴を利用した固体油脂分析計で簡
便に測定する事ができ、60℃にて30分間溶解した試
験油脂を0℃にて30分間冷却固化させた後、10℃で
30分間エイジングした後、更に20℃で30分間エイ
ジングして測定する、いわゆる急冷法に準じて測定でき
る。
【0014】本発明に使用する水は、起泡性水中油型乳
化油脂組成物における特定重量比率の糖類:ラウリン系
油脂を油脂全体中45重量%以上含有する混合油脂:水
の混合物100重量部の内、25〜70重量部含有す
る。水分量が25重量部未満であるとホイップしたクリ
ームは経時的に硬くなり、キメが悪くなるか、乳化安定
性(原液の可塑化)の維持が困難となる場合があり、一
方、70重量部より多いとホイップする際に保型性に劣
るばかりでなく、ホイップクリームとしての油脂の食感
に欠ける場合がある。
【0015】本発明でいう糖類とは、食品で一般に用い
られる糖質のことをいい、牛乳、全脂分乳及び脱脂粉乳
等乳固形分に由来する乳糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、
麦芽糖、オリゴトース、トレハロース、還元澱粉糖化
物、各種水飴などが例示でき、それらは通常甘味付与あ
るいは本組成物をホイップした後の静菌性を高める為に
添加される。本発明では、起泡性水中油型乳化油脂組成
物における特定重量比率の糖類:ラウリン系油脂を油脂
全体中45重量%以上含有する混合油脂:水の混合物1
00重量部の内、糖類を10〜55重量部添加する事
が、上記ラウリン系油脂を油脂全体中45重量%以上入
れる為には必須である。糖類の添加量が10〜55重量
部であれば、ラウリン系油脂を油脂全体中45重量%以
上含有しても原液安定性、造花性、口溶けが損なわれな
い。但し、最適な添加量は、上記油脂量と水分量のバラ
ンスで決まる。
【0016】これまで、本発明者らは既に、乳化剤、リ
ン酸塩、増粘多糖類、カゼイネート等の安定剤が、水中
油型乳化組成物を安定な乳化状態にする際の役割、また
起泡化し保型性を呈する際の役割について検討した結
果、水中油型乳化組成物の脂肪球の大きさを小さくして
原液安定性を維持する機能と、起泡化する際に細かな気
泡の抱き込みながら乳化破壊をスムーズに行う機能の2
点が重要である事、及びこの2点を制御するには乳化安
定化する天然成分として、ラクトアルブミン、卵白粉
末、卵白なる群から選ばれた1種以上と、乳化不安定化
する天然成分として乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵
黄からなる群から選ばれた1種以上を含有する事により
好適に達成される事を見出している(特開2002−4
5136)。
【0017】本発明に使用する天然成分のうちラクトア
ルブミン、乳脂肪球皮膜蛋白質は牛乳、全脂粉乳、バタ
ーミルクパウダー等に含まれているものであり、これら
から限外濾過、酸沈殿等の手法で分画されたものを用い
る。未分画の形態のものでは、ラクトアルブミン、乳脂
肪球皮膜蛋白質の含量が少ないこと等から著しい効果を
得にくい。ラクトアルブミンは、乳蛋白質からカゼイン
を除去したホエー蛋白質であり、蛋白質含量が80%程
度の一般的なものが好適である。乳脂肪球皮膜蛋白質
は、例えば、バターミルク等から分画されたものを言
い、特に限定はないが、蛋白質含量が35%、乳脂肪5
%程度の乳化力の強いタイプが好適である。本発明に使
用する卵白、卵白粉末、卵黄粉末、卵黄は特に制限はな
く、酵素分解、分画その他の手法により耐熱性を向上さ
せたものでもよい。また卵白、卵黄より卵白粉末、卵黄
粉末の方が腐敗しにくく原料として使用が簡便で好まし
い。また、卵黄成分は、卵黄レシチンまでに分離、分画
して天然乳化剤、あるいはその中間体にまで加工度を上
げたものも使用できるが高コストであるため好ましくな
い。
【0018】そして、本発明のラウリン系油脂が油脂全
体中に45重量%以上含有する配合においては、起泡性
水中油型乳化油脂組成物100重量部に対し、ラクトア
ルブミン、卵白粉末、卵白からなる群から選ばれた1種
以上と、乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵黄からなる
群から選ばれた1種以上をそれぞれ0.05〜1.0重
量部含有する事が必須である。前者は乳化安定成分、後
者は乳化不安定成分でり、それぞれ乳化安定性、起泡化
時間を目安にバランスを取り使用できるが、それぞれ含
有量が0.05重量部未満であると原液安定性や気泡化
の際の細かな気泡の抱き込みながらの乳化破壊コントロ
ールに問題が生じる場合があり、一方、添加量が1.0
重量部を超えると殺菌時に焦げ付きなどが発生する場合
がある。
【0019】本発明は、上記配合の他に、本発明の意思
を阻害しない各種の調味料、呈味料、澱粉等を含有して
も何ら問題はない。
【0020】本発明の起泡性水中油型乳化油脂組成物を
製造する方法は、通常産業界で一般的に行われている方
法で何ら問題ない。例えば、特定の天然成分、乳固形
分、その他原料をそれぞれ水相部、油相部として溶解
し、両者を60℃前後で乳化させる。次に、従来の公知
の方法に準じて殺菌可能であるが、好ましくは、高温短
時間殺菌を行う。例えば、起泡性水中油型乳化油脂組成
物の乳化液に蒸気を直接混入させ、140〜150℃で
4秒程度の滅菌を行ったのち、過剰の水分を減圧フラッ
シュさせた後、ホモジナイザーによる均質化、冷却して
容器に充填し起泡性水中油型乳化油脂組成物を得る事が
できる。なお、冷却工程は加圧晶析等の手法により冷却
後のエージング時間を短縮することも可能である。
【0021】また、本発明の起泡性水中油型乳化油脂組
成物は、次にモンドミックス(モンド社)、ターボミッ
クス(愛工舎製作所)等の密閉タイプの連続ホイップマ
シンでホイップし、いわゆるピロー袋の様な密封容器に
充填し、0〜10℃の冷蔵流通或いは−15〜−30℃
の冷凍流通にて販売される含気状水中油型乳化油脂組成
物とする事ができる。このホイップの際、各種呈味材料
を定量的に注入しインライン混合する事もできる。
【0022】このようにして調整された起泡性水中油型
乳化油脂組成物は、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カ
ゼイネートなどの安定剤を使用しなくても、安定剤を使
用したものと同等のホイップ性、作業性、保存性を有
し、かつ軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感あり、更に
は生産コストにも優れている。
【0023】
【実施例】 以下に、実施例、比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はここに例示する実施例に限定
されるものではない。なお、配合中の%はすべて重量%
を示す。
【0024】(実施例1)精製パーム核油13.0%
(上昇融点27.8℃,20℃におけるSFC40.1
℃)、硬化パーム核油(上昇融点36℃,20℃におけ
るSFC77.7℃)21.5%からなる油脂を65℃
で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃におけ
るSFCは56.8%、該混合油脂を構成する個々の2
0℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSF
Cは64.9%であり、その差は8.1%であった。一
方、卵白粉末0.3%(卵白粉末全体中、各成分の含量
は、水分:4.6%、蛋白質:82.5%、脂質:0.
4%、灰分:7.5%)、卵黄粉末0.2%(卵黄粉末
全体中、各成分の含量は、水分:3%、蛋白質:30.
3%、脂質:61.8%、糖質:1.5%、灰分:3.
4%)、脱脂粉乳2.0%(脱脂粉乳全体中、各成分の
含量は、水分:3.8%、蛋白質:34%、脂質:1
%、糖質:53.3%、灰分:7.9%、ラクトアルブ
ミン:0.7%)、上白糖7.0%、トレハロース7.
0%、牛乳49.0%(牛乳全体中、各成分の含量は、
水分:88.7%、蛋白質:2.9%、脂質:3.2
%、糖質:4.5%、灰分:0.7%、ラクトアルブミ
ン:0.11%、乳脂肪皮膜蛋白質:0.0325%)
からなる水相部を60℃で溶解し、先の油相部と予備乳
化させた。この乳化油脂組成物の全蛋白質含量は2.4
%となる。この乳化液は、145℃にて4秒滅菌処理を
したのち、均質化圧6.0MPaにて処理したのち5℃
まで冷却して容器に充填し、起泡性水中油型乳化組成物
を得た。
【0025】この起泡性水中油型乳化組成物を、5℃に
て48時間エージングした後、20Qミキサーでホイッ
プしたところホイップ時間10分15秒、オーバーラン
115%にてホイップが終了した。得られたクリーム
は、チルド流通菓子用クリームとして、キメが良好なう
え造花性もよく、作業中の状態変化もなく、デコレーシ
ョンしたケーキを冷凍保存後解凍しても型崩れ変色もな
い良好な物性であり、軽く爽やかな口溶けとフレッシュ
感あるクリームであった。ここでオーバーランとは、次
の式で示される値であり、以降同様である。
【0026】(式)オーバーラン(%)=(1/比重)
×100−100
【0027】(比較例1)実施例1において、脱脂粉乳
を7%(脱脂粉乳全体中、各成分の含量は、水分:3.
8%、蛋白質:34%、脂質:1%、糖質:53.3
%、灰分:7.9%)にする以外は、すべて実施例1と
同様に操作して水中油型乳化油脂組成物を得た。この乳
化油脂組成物の全蛋白質含量は4.2%となるが、この
ものを実施例1と同様に操作してホイップしたところ、
ホイップ時間3〜4分でオーバーラン70%に達した
が、得られたクリームはデコレーション中に硬くなり、
キメがアレた状態で、製菓・製パンにフィリングするに
は保型性が不足し適さないクリームであった。またこの
水中油型乳化油脂組成物は冷蔵保存していると、経日的
に粘度が増加傾向にあり、産業上冷蔵流通させるに適さ
ないものであった。
【0028】(実施例2)精製パーム核油5%(上昇融
点27.8℃,20℃におけるSFC40.1℃)、硬
化パーム核油(上昇融点36℃,20℃におけるSFC
77.7℃)20%からなる油脂を65℃で溶解して油
相部とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは6
8.2%、該混合油脂を構成する個々の20℃における
SFCとその混合比率より計算されるSFCは72%で
あり、その差は3.8%であった。一方ラクトアルブミ
ン0.3%、乳脂肪球皮膜蛋白質0.4%、バターミル
クパウダー4%(バターミルクパウダー全体中、各成分
の含量は、水分:4%、蛋白質:31%、脂質:7.3
%、糖質:50.1%、灰分:7.6%、ラクトアルブ
ミン:2%、乳脂肪皮膜蛋白質:3.1%)、上白糖5
%、オリゴ糖29%(オリゴ糖全体中、糖分:72%、
水分:28%)、デキストリン1%を60℃の残水に溶
解した水相部と先の油相部と予備乳化させた。この乳化
液は145℃にて4秒滅菌処理をしたのち、均質化圧1
0.0MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に
充填し、起泡性水中油型乳化組成物を得た。
【0029】この起泡性水中油型乳化組成物を、実施例
1と同様に操作してホイップしたところ、ホイップ時間
15分30秒、オーバーラン147%にてホイップが終
了した。得られたクリームは、常温流通菓子・パン用ク
リームとして、キメ・保型性が良好なうえ、作業中の状
態変化もなく、常温流通の際に型崩れもない良好な物性
であり、軽く爽やかな口溶けのクリームであった。
【0030】(比較例2)実施例2において、乳脂肪球
皮膜蛋白質を除いた以外は、すべて実施例2と同様に操
作して水中油型乳化組成物を得た。このものを実施例1
と同様に操作してホイップしたところ、ホイップ時間1
7〜18分でオーバーラン160%に達したが、得られ
たクリームは軽い口溶けの食感ではあったが、製菓・製
パンにフィリングするには保型性が不足し適さないクリ
ームであった。
【0031】(実施例3)実施例2において、5℃まで
冷却した起泡性水中油型乳化組成物をタンクに貯蔵し、
エージングした後、密閉状態で連続ホイップマシンにて
オーバーランが120%になるようにホイップし、それ
をピロー袋に充填して、含気状水中油型組成物を得た。
このものは、冷蔵状態で2ヶ月後、冷凍状態で6ヶ月後
も、常温流通菓子・パン用クリームとして、保型性が良
好で分離もない良好な物性であり、軽く爽やかな口溶け
のクリームであった。
【0032】(実施例4)精製パーム核油22%(上昇
融点27.8℃,20℃におけるSFC40.1℃)、
硬化パーム核油(上昇融点36℃,20℃におけるSF
C77.7℃)25%、硬化大豆油(上昇融点35℃,
20℃におけるSFC34.6℃)5%からなる油脂を
65℃で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃
におけるSFCは53.1%、該混合油脂を構成する個
々の20℃におけるSFCとその混合比率より計算され
るSFCは59.2%であり、その差は6.1%であっ
た。一方ラクトアルブミン0.5%、卵白粉末0.2%
(卵白粉末全体中、各成分の含量は、水分:4.6%、
蛋白質:82.5%、脂質:0.4%、灰分:7.5
%)、乳脂肪球皮膜蛋白質0.4%、卵黄粉末0.1%
(卵黄粉末全体中、各成分の含量は、水分:3%、蛋白
質:30.3%、脂質:61.8%、糖質:1.5%、
灰分:3.4%)、脱脂粉乳1%(脱脂粉乳全体中、各
成分の含量は、水分:3.8%、蛋白質:34%、脂
質:1%、糖質:53.3%、灰分:7.9%)、ブド
ウ糖(無水)11%、麦芽糖8%、牛乳20%(牛乳全
体中、各成分の含量は、水分:88.7%、蛋白質:
2.9%、脂質:3.2%、糖質:4.5%、灰分:
0.7%、ラクトアルブミン:0.11%、乳脂肪皮膜
蛋白質:0.0325%)を60℃の残水に溶解した水
相部と先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は14
5℃にて4秒滅菌処理をしたのち、均質化圧10.0M
Paにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し、
起泡性水中油型乳化組成物を得た。
【0033】この起泡性水中油型乳化組成物を、実施例
1と同様に操作してホイップしたところ、ホイップ時間
7分45秒、オーバーラン100%にてホイップが終了
した。得られたクリームは、常温流通菓子・パン用クリ
ームとして、キメ・保型性が良好で常温流通の際に型崩
れもない良好な物性であり、軽く爽やかな口溶けのクリ
ームであったが、デコレーション時経時的に硬くなる傾
向が見られ、油脂量が多すぎ、油脂:(水+糖類)の比
率に限界が感じられた。
【0034】(比較例3)実施例3において、ラクトア
ルブミンと卵白粉末を除いた以外は、すべて実施例3と
同様に操作して水中油型乳化組成物を得た。このものを
実施例1と同様に操作してホイップしたところ、ホイッ
プ時間5分でオーバーラン75%に達したが、得られた
クリームはデコレーション中に硬くなり、キメがアレた
状態で、製菓・製パンにフィリングするには保型性が不
足し適さないクリームであった。またこの水中油型乳化
組成物は冷蔵保存していると、経日的に粘度が増加傾向
にあり、産業上冷蔵流通させるに適さないものであっ
た。
【0035】
【発明の効果】 本発明により、起泡性水中油型乳化油
脂組成物において乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼ
イネートなどの安定剤を使用せず、かつ配合油脂中にラ
ウリン系安定剤を45重量%以上含有しても原液安定
性、造花性、口溶けが損なわれないで、安定剤を使用し
たものと同等のホイップ性、作業性、保存性と軽く爽や
かな口溶け、フレッシュ感があり、かつ生産コストに優
れた起泡性水中油型乳化油脂組成物が得られる。また、
この起泡性水中油型乳化油脂組成物を衛生的にホイッ
プ、充填すると、冷蔵・冷凍流通にて販売可能な軽く爽
やかな口溶けの含気状水中油型組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B025 LB21 LE03 LG13 LG14 LG26 LG27 LG32 LG52 LG53 LK04 LP11 LP12 4B026 DC06 DG01 DG15 DL03 DL04 DL07 DL08 DX04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起泡性水中油型乳化油脂組成物におい
    て、糖類:ラウリン系油脂を油脂全体中45重量%以上
    含有する混合油脂:水を10〜55:20〜50:25
    〜70の重量比で配合したものを100重量部含有し、
    また蛋白質を1.0〜4.0重量部含有し、更にラクト
    アルブミン、卵白粉末、卵白からなる群から選ばれた少
    なくとも1種以上と乳脂肪球皮膜蛋白質、卵黄粉末、卵
    黄からなる群から選ばれた少なくとも1種以上をそれぞ
    れ0.05〜1.0重量部含有し、更に上記油脂の20
    ℃におけるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂
    の20℃におけるSFCとその混合比率より計算される
    SFCより10%未満のSFCを示すことを特徴とする
    起泡性水中油型乳化油脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の起泡性水中油型乳化油脂
    組成物が、起泡され、密封容器に充填され、冷蔵・冷凍
    保管用含気状水中油型油脂組成物。
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