JP4196525B2 - 起泡性水中油型組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製菓、製パン、調理加工等に用いる起泡性水中油型組成物に関する。詳しくは、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの食品添加物として指定された安定剤を使用しなくても、安定剤を使用したものと同等のホイップ性、作業性、保存性と軽く爽やかな口溶け、フレッシュ感があり、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ケーキ、シュークリーム、アイスクリーム等のデコレーションや、菓子パン等のトッピング、フィリング用に使用される起泡性水中油型乳化脂組成物、すなわちホイップ用クリームや、またパン生地、カスタードクリーム、ホワイトソース等に加工練り込み用として使用されるクリーム類は、多数の乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤を巧みに組み合わせて製造するのが公知である。
【0003】
これらの安定剤を添加する目的は、クリームの原液安定性(クリームの可塑化防止)の向上、ホイップ時の物性(ホイップ時間、オーバーラン)調整、クリームに取り込まれた起泡の安定化、ホイップしたクリームからの離水防止、調理時の加熱による乳化破壊の防止などである。
【0004】
しかし、これらの安定剤を添加することは、クリームのえぐ味、嫌味、渋味、糊感の原因となるため、風味等の点から考えるとかえってマイナス効果しか持たないものである。
【0005】
一方、リン酸塩やクエン酸塩等の安定剤を使用せず、生クリームの様なキメとみずみずしい食感を得ようとして、SUS型トリグリセリドとラウリン系油脂からなる特定油脂とカゼイネート、卵黄油を用いる試みが提案がされている(特開平11−56282)が、コストの高い分別油脂を使用すること、原液安定性、ホイップ物性を調整するための安定剤として、多量のカゼイネート、卵黄油(卵黄レシチン)を必須成分として使用しなければならないのが実体であった。
【0006】
以上のような状況を鑑み、本発明者らは、食品添加物として指定された安定剤を使用しなくても、特定の上昇融点を有する油脂成分の組み合わせと、乳化を安定化する成分と不安定化する成分を併用することにより、生クリーム以上のホイップ物性を提供できるとの発明を出願した(特願平12−156168)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤を使用しなくても、安定剤を使用したものと同等のホイップ性、作業性、保存性と軽く爽やかな口溶け、フレッシュ感がある起泡性水中油型組成物で、かつ工業的に大量生産に供することが出来る為に安価に提供できる、即ち生産コストに優れた起泡性水中油型組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的とし、起泡性水中油型組成物に使用する油脂組成と安定剤の機能を代替できる天然成分について鋭意検討したところ、ホイップ用クリームとしては、不都合とされる相互溶解性を示す特定の油脂組成において、特定の天然成分を組合せることにより上記課題が解決できるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、油脂含量20〜50重量%である起泡性水中油型組成物において、使用する混合油脂の20℃におけるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCより10%以上低いSFCを示し、IVが57〜75のパーム分別油を硬化して得られるパーム分別硬化油とラウリン系油脂を含んでなる混合油脂を使用することを特徴とする起泡性水中油型組成物に関する。好ましい実施態様としては、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末をそれぞれ0.05〜1.0重量%含有することを特徴とする上記記載の起泡性水中油型組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明についてさらに詳細に説明する。本発明の水中油型組成物は、植物性油脂及び/または乳脂肪からなる特定の混合油脂成分、特定の天然成分、無脂乳固形分を必須成分とし、その他に呈味成分を含有することの出来る起泡性水中油型乳化脂組成物のことであり、以下に内容を詳細に説明する。
【0011】
本発明に含有する油脂は、起泡性水中油型組成物中に20〜50重量%含有するが、20重量%より少ないと、起泡化力に劣る傾向にあるばかりでなく、油脂の旨味に欠ける傾向にある。また、油脂が50重量%を越えると乳化安定性(原液の可塑化)の維持が困難となるため不向きである。
【0012】
また、起泡性水中油型組成物において、使用する混合油脂は、20℃におけるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCより10%以上低いSFCを示す混合油脂である。ここで言うSFCとは、油脂のある温度における固体脂含量の事を示すが、油脂のSFCは、一般的な核磁気共鳴を利用した固体油脂分析計で簡便に測定することができ、60℃のプローブにて30分間溶解した試験油脂を0℃にて30分間冷却固化させた後、10℃30分間エイジングした後、更に20℃30分間エイジングして測定する、いわゆる急冷法に準じて測定できる。
【0013】
本発明に使用する混合油脂は、20℃におけるSFCが、該組成物を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCより10%以上低いSFCを示す混合油脂である必要がある。起泡性水中油型組成物に使用する混合油脂の20℃におけるSFCと、該組成物を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCの差が10%より少ないの場合、起泡化したクリームの口溶けに糊感がでたり、クリームがシマリ易くなるため不向きである。このような特性を有する混合油脂を構成する油脂の組合わせとしては、例えば、ラウリン系油脂とラウリン系以外の油脂1種または2種以上の組合わせが例示できる。ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、これらの硬化油等が例示でき、ラウリン系以外の油脂としては、例えば、コーン油、大豆油、菜種油、サフラワー油、綿実油、パーム油等の植物性油脂、或いは乳脂肪等が挙げられ、それらを分別、硬化等の手法により適宜調整したものを1種、または2種以上混合することにより得られる。例えば、ラウリン系油脂とラウリン系以外の油脂を組み合わせて混合油脂を作製する場合、概ねの調整範囲は、ラウリン系油脂が20〜80重量%、ラウリン系以外の油脂が80〜20重量%であることが好ましい。
【0014】
さらに、好適な実施態様を得るためには、IVが57〜75のパーム分別油を硬化して得られるパーム分別硬化油とラウリン系油脂からなる混合油脂を使用することが好ましい。パーム分別硬化油は、パーム油から溶剤分別、無溶剤分別等の手法により、得られるIV57〜75、好ましくはIV58〜65になるまで分別したパーム軟質部を硬化して得られる。硬化は、通常の方法により硬化できるが、パーム分別硬化油の融点が28〜36℃となるように硬化することが望ましい。パーム分別硬化油の融点が28℃より低いと、起泡化したクリームの保存性が劣る傾向にあり、36℃を越えると口溶けの軽さ、爽やかさに劣る傾向にあった。
【0015】
パーム油から溶剤分別、無溶剤分別等の手法により、得られたパーム分別油がIV57より小さいものを硬化した場合、結晶量が多すぎるため起泡化したクリームの口溶けの軽さ、爽やかさに欠ける傾向にある。また、パーム油をIV75より大きくなるまで分別することは、品質上は何ら問題ないが現時点での分別技術では工業的に大量生産が困難であるため不向きである。
【0016】
また、ラウリン系油脂としては、ヤシ油、またはパーム核油を単独、もしくは混合して使用できるほか、それぞれの油脂を融点36℃未満に硬化または混合硬化したものであれば何ら制限なく使用できる。使用するラウリン系油脂の融点が、36℃を越えると、口溶けの爽やかさが劣る傾向にある。
【0017】
さらに、好適な実施態様を得るためには、天然成分として、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末をそれぞれ0.05〜1.0重量%、好ましくは、0.1〜0.8重量%含有することが好ましい。乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネート等が、起泡性水中油型組成物を乳化する際の役割、また起泡化する際の役割について詳細に検討したところ、起泡性水中油型組成物中の脂肪球の乳化安定性を高めること、及び起泡化する際の乳化破壊をスムーズに行うこと、の相反する物理現象を制御できる天然成分があれば、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネート等を使用しなくても優れた起泡性水中油型組成物が得られることが判った。すなわち、本発明の好適な実施態様を得るため、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネート等の機能を代替できる天然成分として、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末を使用するものである。
【0018】
本発明に使用する天然成分は、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末であり、これらを酵素分解その他の手法により耐熱性を向上させたものでもよい。ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質は、酸沈殿、限外濾過膜などの手法により分画された粉末を使用することが好ましい。これら成分は、牛乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー等に含まれているものであるが、未分画の形態のものでは、量的少ないこと等から著しい効果を得にくい。なお、ラクトアルブミンは、乳蛋白質からカゼイン蛋白質を除去したホエー蛋白であり、蛋白質含量が80%程度の一般的なものが好適である。乳脂肪球皮膜蛋白質は、例えば、バターミルク等から分離されたものを言い、特に種類に限定はないが、蛋白含量が35%、乳脂5%程度の乳化力の強いタイプが好適である。
【0019】
本発明の卵白粉末、卵黄粉末は特に制限はなく、酵素分解その他の手法により耐熱性を向上させたものでもよい。卵白粉末、卵黄粉末の原料となる卵白、卵黄でも本特許の目的を達成することも可能であるが、原料として腐敗しやすいものより、粉末化されたもののほうが使用が簡便で好ましい。また、卵黄成分は、卵黄レチシンまでに分離、分画して天然乳化剤にまで加工度を上げたものも使用できるが、高コストであるため好ましくない。
【0020】
本発明においては、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末をそれぞれ0.05〜1.0重量%使用することが好ましい。天然成分の故、乳化剤の如く乳化に対する作用を一義的に説明することができないが、一種類でも欠くとホイップ特性等に何らかの欠陥を生じる。すなわち、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末のいずれか1種でも0.05重量%より少ないと、原液の不安定化、オーバーランの過不足、起泡化したクリームのシマリ、キメ、風味などに悪影響が見られる。また、卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末をそれぞれ1.0重量%より多く使用すると殺菌時の焦げ付きなどが発生する可能性がある。
【0021】
本発明は、特定組成の混合油脂、特定の天然成分、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、バターミルク、牛乳、脱脂乳等の無脂乳固形分の他、本発明の意思を阻害しない各種の調味料、呈味料等を含有しても何ら問題ない。
【0022】
本発明の起泡性水中油型組成物を製造する方法は、一般的に行われている方法で何ら問題ないが、例えば、特定の混合油脂からなる油相部と、特定の天然成分、無脂乳固形分、その他水溶性原材料を溶解した水相部を60℃前後で乳化させる。次に、従来の公知の方法に準じて製造可能であるが、好ましくは、高温短時間殺菌、滅菌装置を使用して製造する。たとえば、起泡性水中油型乳化脂組成物の乳化液に蒸気を直接混入させ、140から150℃で4秒程度の滅菌を行ったのち、過剰の水分を減圧フラッシュさせた後、ホモジナイザーによる均質化、冷却して容器に充填される。なお、冷却工程は加圧晶析等の手法により冷却後のエージング時間を短縮することも可能である。
【0023】
このようにして調製された起泡性水中油型組成物は、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤を使用しなくても、安定剤を使用したものと同等のホイップ性、作業性、保存性があり、かつ軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感のがあり、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成物が得られる。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例、比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、ここに例示する実施例に限定されるものではない。なお、配合中の%は、すべて重量%を示す。
【0025】
(実施例1)
融点32.5℃まで硬化した硬化菜種油(20℃におけるSFC;42.4%)20部とパーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)20部からなる混合油脂を65℃に溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、22.6%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは41.3%であり、差は18.7%であった。一方、脱脂粉乳6.5部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧6.5MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組成物を得た。このものを5℃にて72時間エージングした後、20Qミキサーにてホイップしたところ、ホイップ時間10分15秒、オーバーラン115%にてホイップが終了した。得られたクリームは、クリームのキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性であり、軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感のあるクリームとなった。
(実施例2)
融点30.5℃まで硬化したパーム分別硬化油(20℃におけるSFC;21.2%)16部、乳脂肪(20℃におけるSFC;27.3%)4部、パーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)20部からなる混合油脂65℃で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、15.3%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは31.3%であり、差は16.0%であった。一方、全脂粉乳7.5部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧6.5MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組成物を得た。
【0026】
このものを、実施例1と同様に操作して評価したところ、ホイップ時間9分25秒、オーバーラン105%でホイップ終了した。得られたクリームは、クリームのキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性であり、軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感があり、かつ乳の風味を有するクリームとなった。
(実施例3)
融点30.5℃まで硬化したパーム分別硬化油(20℃におけるSFC;21.2%)20部、パーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)16部、融点35.3℃まで硬化した硬化パーム核油(20℃におけるSFC;73.6%)4部からなる混合油脂を65℃で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、19.5%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは34.0%であり、差は14.5%であった。一方、バターミルクパウダー6.5部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧5.5MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組成物を得た。このものを、実施例1と同様に操作して評価したところ、ホイップ時間10分25秒、オーバーラン125%でホイップ終了した。得られたクリームは、クリームのキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性であり、軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感を有するクリームとなった。
【0027】
(比較例1)
実施例1の混合油脂に変えて、融点32.5℃まで硬化した硬化菜種油(20℃におけるSFC;42.4%)38部とパーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)2部からなる混合油脂とした以外は、実施例1と同様に操作して起泡性水中油型組成物を得た。この混合油脂の20℃におけるSFCは、39.0%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは42.3%であり、差は3.3%であった。実施例1と同様に操作してホイップしたところ、ホイップ時間8分10秒、オーバーラン110%でホイップ終了した。得られたクリームは、得られたクリームは、クリームのキメが劣るうえ、作業中にシマリ易いため、造花性、ケーキに仕上げたクリームの状態も悪く、口溶け、爽やかさも劣るクリームとなった。
(実施例4)
融点30.5℃まで硬化したパーム分別硬化油(20℃におけるSFC;21.2%)20部、パーム核油(20℃におけるSFC;40.1%)16部、融点35.3℃まで硬化した硬化パーム核油(20℃におけるSFC;73.6%)4部からなる混合油脂を65℃で溶解して油相部とした。この混合油脂の20℃におけるSFCは、19.5%、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCは34.0%であり、差は14.5%であった。一方、脱脂粉乳6.5部、卵白粉末0.3部、ラクトアルブミン0.3部、乳脂肪球皮膜蛋白質0.3部、卵黄粉末0.2部を60℃の残水に溶解した水相部を先の油相部と予備乳化させた。この乳化液は、142℃にて4秒間滅菌処理をしたのち、均質化圧5.5MPaにて処理したのち5℃まで冷却して容器に充填し起泡性水中油型組成物を得た。このものを、実施例1と同様に操作して評価したところ、ホイップ時間10分45秒、オーバーラン120%でホイップ終了した。得られたクリームは、安定剤を使用したクリームと同等にクリームのキメが良好なうえ造花性、作業中の状態変化も無く良好な物性であり、安定剤を使用したクリームより軽く爽やかな口溶けとフレッシュ感を有するクリームとなった。
(比較例2)
実施例4の配合成分のうち卵白粉末を除いた以外は、実施例1と同様に操作して起泡性水中油型組成物を得た。。このものを、実施例1と同様に操作して評価したところ、ホイップ時間8分45秒、オーバーラン92%でホイップ終了した。得られたクリームは、実施例4で得たクリームより、クリームのキメ、造花性、作業中の状態変化等いずれの物性もやや劣るものであった。
【0028】
【発明の効果】
本発明により、乳化剤、リン酸塩、増粘多糖類、カゼイネートなどの安定剤を使用しなくても、安定剤を使用したものと同等のホイップ性、作業性、保存性と軽く爽やかな口溶け、フレッシュ感があり、かつ生産コストに優れた起泡性水中油型組成物が得られる。
Claims (2)
- 油脂含量20〜50重量%である起泡性水中油型組成物において、使用する混合油脂の20℃におけるSFCが、該混合油脂を構成する個々の油脂の20℃におけるSFCとその混合比率より計算されるSFCより10%以上低いSFCを示し、IVが57〜75のパーム分別油を硬化して得られるパーム分別硬化油とラウリン系油脂を含んでなる混合油脂を使用することを特徴とする起泡性水中油型組成物。
- 卵白粉末、ラクトアルブミン、乳脂肪球被膜蛋白質、卵黄粉末をそれぞれ0.05〜1.0重量%含有することを特徴とする請求項1記載の起泡性水中油型組成物。
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