JP2003321578A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2003321578A
JP2003321578A JP2002117433A JP2002117433A JP2003321578A JP 2003321578 A JP2003321578 A JP 2003321578A JP 2002117433 A JP2002117433 A JP 2002117433A JP 2002117433 A JP2002117433 A JP 2002117433A JP 2003321578 A JP2003321578 A JP 2003321578A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
pneumatic tire
conjugated diene
monomer unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002117433A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Shibata
唯志 柴田
Hajime Kondo
肇 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2002117433A priority Critical patent/JP2003321578A/ja
Publication of JP2003321578A publication Critical patent/JP2003321578A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェットグリップ性能、耐摩耗性、操縦性の
全てを高いレベルで満足する、特に高性能空気入りタイ
ヤを提供すること。 【解決手段】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
(a)、(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
(a)単位5〜45重量%,(b)芳香族ビニル単量体
単位10〜50重量%を含有する共役ジエン系共重合体
ゴムを10重量%以上含むゴム成分と、(B)カーボン
ブラック又は白色充填材から選ばれた少なくとも一種の
充填材とを含むゴム組成物であると共に、当該ゴム組成
物の30℃における動的貯蔵弾性率が12.0MPa以
上であるゴム組成物を、トレッドゴムとして用いたこと
を特徴とする空気入りタイヤである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤに
関する。さらに詳しくは、本発明は、ゴム成分として、
補強用充填材との親和性を向上させたニトリル基をもつ
共役ジエン系共重合体ゴムを用いてなる、特に高性能又
はスポーツ系に用いられる高運動性能空気入りタイヤに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高運動性空気入りタイヤにおい
ては、グリップ性能は特に重要な要求特性である。グリ
ップ性能がよいことは、加速性能や制動性能がよいこと
であり車は操縦安定性がよく高速走行が可能となる。従
来、高運動性能としての高グリップ性能を得るために
は、ゴム成分として高スチレン含有率のスチレン−ブタ
ジエン共重合ゴムを用いる方法、軟化剤およびカーボン
ブラックを高充填配合する方法、粒子径の小さいカーボ
ンブラックを配合する方法などが知られている。しか
し、これらの手法においては耐摩耗性が悪くなり、初期
の高運動性能が早期に低下してしまうという問題があ
る。また、耐摩耗性を向上させるために天然ゴムやポリ
ブタジエンゴムをブレンドすれば操縦安定性が著しく損
なわれる。さらに、操縦安定性とウェットグリップ性能
(湿潤路面での制動性能)との両立も要求される。この
ため、高運動性空気入りタイヤのトレッドに用いられる
ゴム組成物に対する性能要求は、操縦安定性、耐摩耗性
と共に、ウェットグリップ性能の全てを満足することが
望まれる。
【0003】ウェットグリップ性能が向上したゴム組成
物を得る方法として、補強用充填材を、カーボンブラッ
クに変えてシリカを用いる方法がすでに行われている。
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノ
ール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあ
り、ゴム中へのシリカ粒子の分散が困難であり、そのた
めに、充填材が本来有している補強性効果などが十分に
得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、操縦安定性、ウェットグリップ性能及び耐摩
耗性を高い次元で両立させた空気入りタイヤ、特に高性
能又はスポーツ系の乗用車用空気入りタイヤを提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、トレッドゴム
として、ニトリル基を含有する特定の共役ジエン系共重
合体ゴムを含むゴム成分に充填材を配合したゴム組成物
を用いることにより、その目的を達成し得ることを見出
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。すなわち、本発明は、(A)(a)エチレン性不
飽和ニトリル単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体
単位と、(c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上
記(a)、(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
(a)単位5〜45重量%,(b)芳香族ビニル単量体
単位10〜50重量%を含有する共役ジエン系共重合体
ゴムを10重量%以上含むゴム成分と、(B)カーボン
ブラック及び白色充填材から選ばれた少なくとも一種の
充填材とを含むゴム組成物であると共に、当該ゴム組成
物の30℃における動的貯蔵弾性率が12.0MPa以
上であるゴム組成物を、トレッドゴムとして用いたこと
を特徴とする空気入りタイヤを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の空気入りタイヤにおい
て、トレッドに用いられるゴム組成物は、30℃におけ
る動的貯蔵弾性率が12.0MPa以上であることが必
要である。12.0MPa未満では操縦安定性が低下す
る。上記トレッドゴム組成物において、(A)成分とし
て用いられる共役ジエン系共重合体ゴムを含むゴム成分
は以下のものである。当該共役ジエン系共重合体ゴム
は、(A)(a)エチレン性不飽和ニトリル単量体単位
と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、(c)共役ジエ
ン単量体単位とを有し、かつ上記(a)、(b)及び
(c)単位の合計量に基づき、(a)単位5〜45重量
%を含有するものである。
【0007】(a)単位であるエチレン性不飽和ニトリ
ル単位の含有量が5重量%未満では充填剤の分散性が不
良となり、耐摩耗性が充分に向上しない場合がある。一
方、この含有量が45重量%を超えると共役ジエン系共
重合体ゴムのガラス転移点(Tg)が高くなりすぎ、ゴ
ム弾性体としての性質が失われる。このエチレン性不飽
和ニトリル単位の好ましい含有量は、8〜35重量%で
あり、特に9〜20重量%が好ましい。
【0008】また、(b)単位である芳香族ビニル単量
体単位の含有量としては、10〜50重量%である。こ
の含有量が10重量%未満では得られる加硫ゴムの耐摩
耗性が不充分となるおそれがあり、一方、50重量%を
超えると加硫ゴムの諸物性のバランスが損なわれること
がある。この芳香族ビニル単量体単位のより好ましい含
有量は10〜40重量%である。前記エチレン性不飽和
ニトリル単量体単位を形成する単量体としては、例えば
アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどが挙げられ
るが、これらのうち、アクリロニトリルが好ましい。こ
れらの単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を
併用することもできる。また、前記芳香族ビニル単量体
単位を形成する単量体としては、例えばスチレン、2−
メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−
ブチルスチレン及びtert−ブトキシスチレン等が挙
げられるが、これらのうち、スチレンが特に好ましい。
これらの単量体は1種のみを用いてもよいし、2種以上
を併用することもできる。
【0009】さらに、共役ジエン単量体単位を形成する
単量体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及びクロ
ロプレンなどが挙げられるが、これらのうち、1,3−
ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらの単量
体は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用するこ
ともできる。当該共役ジエン系共重合体ゴムは、必要に
応じ、前記の各単量体の他に、各種のエステル系単量体
が共重合したものとすることができる。
【0010】このエステル系単量体としては、例えばメ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレー
ト、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリレート類、及び酢酸ビ
ニル等のビニルエステル類が挙げられる。これらのエス
テル系単量体から形成される単量体単位の含有量は、共
役ジエン系共重合体ゴムの特性を損なわない範囲の量比
とすることができるが、単量体単位全量に対して20重
量%以下とすることが好ましい。本発明の共役ジエン系
共重合体ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0011】当該共役ジエン系共重合体ゴムのガラス転
移点は、用いる単量体の組成比によって変化するが、A
STM D3418−82(Reapproved 1
988)に準じて示差走査熱量計(DSC)により測定
した場合に、−70〜0℃が好ましく、さらに−60〜
−10℃であることが好ましい。更に、ガラス転移の外
挿開始温度と外挿終了温度との差は20℃以下が好まし
く、より好ましくは18℃以下、さらに好ましくは15
℃以下、特に好ましくは13℃以下である。尚、下限は
通常、5℃である。この温度差が20℃を超えると、得
られる加硫ゴムのウェットスキッド性能が低下し、ta
nδも大きくなり、好ましくない。また、上記(a)単
量体単位の含有量が9〜20重量%、且つガラス転移の
外挿開始温度と外挿終了温度との差が13℃以下、特に
10℃以下であることが好ましい。
【0012】ここで、ガラス転移の外挿開始温度及び外
挿終了温度はASTM D3418−82(Reapp
roved 1988)に準じて示差走査熱量計(DS
C)により、以下のようにして測定される。すなわち、
外挿開始温度は、図1に示すDSCの昇温曲線におい
て、低温側のベースラインを延長した直線と、低温側の
変曲点P1 と高温側の変曲点P2 との間のほぼ直線部分
Lを延長した直線とが交わる点における温度として求
め、外挿終了温度は、図1に示すDSCの昇温曲線にお
いて、高温側のベースラインを延長した直線と、直線部
分Lを延長した直線とが交わる点における温度として求
める。
【0013】本発明で用いる共役ジエン系共重合体ゴム
のムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は20〜20
0が好ましく、30〜150であることがより好まし
い。このムーニー粘度が20未満であると、得られる加
硫ゴムの耐摩耗性が低下するおそれがあり、一方、20
0を超えると、この共役ジエン系共重合体ゴムを含有す
るゴム組成物の加工性が低下する場合がある。また、当
該共役ジエン系共重合体ゴムのGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフ)法により測定したポリスチレン
換算の重量平均分子量は好ましくは100,000以上
であり、特に好ましくは100,000〜2,000,
000である。この重量平均分子量が100,000未
満であると、得られる加硫ゴムの耐摩耗性が低下する傾
向にあり、tanδが大きくなることもある。一方、
2,000,000を超えると、この共役ジエン系共重
合体ゴムを含有するゴム組成物の加工性が低下すること
がある。この重量平均分子量は、重合時、ラジカル重合
において一般に使用されるアルキルメルカプタンに代表
される連鎖移動剤を用いることにより制御することがで
きる。
【0014】当該共役ジエン系共重合体ゴムは、水系媒
体において、前述の各種必須単量体及び必要に応じてエ
ステル系単量体をラジカル重合開始剤を用いて重合させ
ることにより、製造することができる。重合方法は特に
制限されないが、通常、乳化重合が好ましい。乳化重合
は一般的な方法であればよく、例えば所定の単量体を乳
化剤の存在下に水系媒体において乳化させ、ラジカル重
合開始剤により重合を開始し、所定の重合転化率となっ
た時点で重合停止剤により重合を停止する方法が挙げら
れる。
【0015】本発明においては、前述のエチレン性不飽
和ニトリル単量体の仕込み方法が重要であり、重合系に
分割して添加することが好ましい。当該単量体の一部を
重合開始前に投入し、残部を重合過程において重合系に
間欠的に、あるいは連続的に添加することが好ましい。
また、重合途中で測定される全単量体仕込み分の重合転
化率が10〜95%、好ましくは20〜80%となった
後に、当該単量体の残部を一括して又は分割して、ある
いは連続的に添加することが好ましい。尚、当該単量体
の全量を重合開始前に重合系に投入して共重合させた場
合、共重合体ゴムのガラス転移の開始温度と終了温度と
の差が20℃を超えて大きくなる傾向にあり、好ましく
ない。また、重合開始前の当該単量体の初期仕込み量
は、使用する当該単量体全量に対して、好ましくは20
〜95重量%、より好ましくは20〜90重量%、更に
好ましくは30〜85重量%である。
【0016】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性
界面活性剤が挙げられる。また、フッ素系の界面活性剤
を使用することもできる。これらの乳化剤としては、ア
ニオン性界面活性剤が多用され、例えばカプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、
ステアリン酸等の炭素数10以上の長鎖脂肪酸のカリウ
ム塩又はナトリウム塩等の他、ロジン酸塩等を使用する
ことができる。
【0017】ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert
−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキ
サイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ジ−te
rt−ブチルヒドロパーオキサイド及びジクミルパーオ
キサイド等の有機過酸化物を使用することができる。ま
た、アゾビスイソブチロニトリルにより代表されるアゾ
化合物、過硫酸カリウムにより代表される無機過酸化
物、及びこれら過酸化物と硫酸第一鉄との組み合わせに
より代表されるレドックス系触媒等を用いることもでき
る。これらのラジカル重合開始剤は1種のみ用いてもよ
いし、2種以上を併用することもできる。
【0018】また、共役ジエン系共重合体ゴムの分子量
を調節するため、連鎖移動剤として、tert−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキ
ルメルカプタン類などの連鎖移動剤を使用することもで
きる。重合は酸素を除去した反応器を用いて0〜100
℃で行うことができ、重合温度は0〜80度であること
が特に好ましい。重合方式は連続式でもよいし、回分式
であってもよく、重合温度等、あるいは攪拌等の操作条
件等を反応途中で適宜変更することもできる。重合停止
剤としては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシ
ルアミン等のアミン化合物などを用いることができる。
重合停止後、生成した共役ジエン系共重合体ゴムラテッ
クスから、共役ジエン系共重合体ゴムをクラムとして凝
固させ、このクラムを洗浄し、脱水した後、ドライヤー
等により乾燥することにより、共役ジエン系共重合体ゴ
ムとすることができる。
【0019】さらに、上記共役ジエン系共重合体ゴム
は、伸展油を含有したものとすることができ、この場
合、伸展油の含有量は、当該共役ジエン系共重合体ゴム
100重量部に対して、通常10〜60重量部、好まし
くは20〜50重量部である。伸展油が10重量部未満
であると、加工性が十分に向上せず、60重量部を超え
ると、ゴム組成物の調製時に所要の加工性等に応じて配
合される伸展油の量比が制限されるため好ましくない。
得られる油展ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100
℃)]は好ましくは20〜180、特に好ましくは30
〜150である。また、伸展油としては特に限定され
ず、例えば芳香族系油、ナフテン系油、パラフィン系油
などを挙げることができる。これらは1種のみを用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうち、
芳香族系の伸展油が特に好ましい。
【0020】本発明のゴム組成物においては、(A)成
分のゴム成分として、前記共役ジエン系共重合体ゴムを
10重量%以上含むことが必要である。この含有量が1
0重量%未満では所望の物性を有するゴム組成物が得ら
れず、本発明の目的が達せられない。ゴム成分中の該共
役ジエン系共重合体ゴムの好ましい含有量は35重量%
以上であり、特に50〜100重量%が好適である。当
該共役ジエン系共重合体ゴムと併用されるゴム成分とし
ては、天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエ
ン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共
重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソ
プレン(IR)、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブ
タジエン−スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ブチ
ルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及び
これらの混合物等が挙げられる。また、その一部が多官
能型変性剤、例えば四塩化スズのような変性剤を用いる
ことにより分岐構造を有しているものでもよい。
【0021】次に、前記(B)成分としては、カーボン
ブラック又は白色充填材の単独配合で用いてもよく、ま
た、カーボンブラック/白色充填材の併用系として用い
てもよいが、後者の併用系が好ましい。ここで、カーボ
ンブラックとしては特に制限はなく、従来ゴムの補強用
充填材として慣用されているものの中から任意のものを
選択して用いることができる。このカーボンブラックと
しては、例えばFEF,SRF,HAF,ISAF,S
AF等が挙げられる。好ましくはヨウ素吸着量(IA)
が60mg/g以上で、かつ、ジブチルフタレート吸油
量(DBP)が80ミリリットル/100g以上のカー
ボンブラックである。このカーボンブラックを用いるこ
とにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐
摩耗性に優れるHAF,ISAF,SAFが好ましい。
また、前記白色充填材は、従来ゴム工業で使用されてい
るものであれば、何ら使用の制限されず、例えば白色充
填剤としてはシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、
クレー、炭酸カルシウムなどが好ましく用いられる。そ
の中でも、特に窒素吸着比表面積(N2SA)が190
〜300m2/gのシリカ、および窒素吸着比表面積
(N2SA)が1〜20m2/gの水酸化アルミニウムが
一層好ましいい。具体的には,このようなN2SAを有
する水酸化アルミニウムは、例えば「ハイジライト」
〔商標;昭和電工(株)〕として入手可能な市販品があ
る。また、シリカとしては特に制限はなく、従来ゴムの
補強用充填材として慣用されているものの中から任意に
選択して用いることができる。例えば湿式シリカ(含水
ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸),ケイ酸カルシウ
ム,ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも破壊
特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり
抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好まし
い。
【0022】ここで、(B)成分としてのカーボンブラ
ックと白色充填材との合計量は、ゴム100重量部に当
たり、40〜120重量部が好ましい。この範囲以外で
は所望の物性を有するゴム組成物が得られにくく、本発
明の目的が達せられないおそれがある。配合効果及び物
性などの面から、カーボンブラックと白色充填材との合
計量は100重量部以下が好ましい。また、白色充填材
は、(B)成分としての充填材中10重量%以上である
ことが好ましい。本発明のタイヤに用いる前記ゴム組成
物においては、所望により、(C)成分として、シラン
カップリング剤を配合することができる。このシランカ
ップリング剤としては、特に制限はなく、従来ゴム組成
物に使用されている公知のもの、例えばビス(3−トリ
エトキシシリルプロピル)ポリスルフィド,γ−メルカ
プトプロピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン,N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン,N−β(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることが
できる。この所望により用いられるシランカップリング
剤の配合量は、前記充填材に対して、通常1〜20重量
%の範囲で選定される。この量が1重量%未満ではカッ
プリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、ま
た、20重量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こ
すおそれがある。カップリング剤としての効果及びゲル
化防止などの点から、このシランカップリング剤の好ま
しい配合量は5〜15重量%の範囲である。
【0023】また、前記ゴム組成物には、軟化剤として
は、一般にゴム工業で使用されるプロセスオイルであれ
ば使用することができる。また、軟化剤成分として、軟
化点が30〜150℃である石油系樹脂等をさらに添加
した場合には、特に操縦安定性、ウェットグリップ性
能、耐摩耗性の全てを高いレベルで満足させることがで
きる。このような樹脂としては、エスコレッツ(トーネ
ンクス社製)、ストラクトールTS30(ストラクトー
ル社製)クイントン(日本ゼオン社製)、ネオポリマー
(日本石油社製)、コレシン(BASF社製)などが好
ましく挙げられる。前記ゴム組成物には、本発明の目的
が損なわれない範囲で、所望により、前記以外の通常ゴ
ム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促
進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,亜鉛華,ステアリ
ン酸などを含有させることができる。本発明の空気入り
タイヤは、前記ゴム組成物をトレッドゴムとに適用し
て、常法により製造することができる。このようにして
得られた空気入りタイヤは、特に、高運動性能の乗用車
用空気入りタイヤとして優れた性能を有する。なお、本
発明において、タイヤの充填気体には、空気や窒素など
を用いることができる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。加硫ゴムについての各種の測定は下
記の方法によった。 (1)動的貯蔵弾性率(E') 東洋精機製スペクトロメーターを用い、周波数50H
Z、歪み1.0%の条件下で、30℃における動的貯蔵
弾性率(E')を測定した。 (2)操縦安定性 上記の30℃動的貯蔵弾性率より、高速走行したときの
評点を計算し、指数化して表わし、比較例1を100と
して指数表示した。数値が大きい程、良好となる。 (3)ウェットグリッブ性能 BPST(ブリティッシュ・ポータブル・スキッドテス
ター)を用い、室温で測定し、比較例1を100として
指数表示した。数値が大きい程、良好となる。 (4)耐摩耗性 上島製ランボーン試験機を用い、室温におけるスリップ
率60%の摩耗量を測定し、比較例1を100として指
数表示した。数値が大きい程、良好となる。
【0025】製造例1(NSBR:油展共役ジエン系ゴ
ム) 重合用容器に、水を200重量部、ロジン酸石鹸を4.
5重量部、ブタジエンを66重量部、スチレンを26重
量部、及びアクリロニトリルを5重量部仕込んだ。その
後、重合用容器の温度を5℃に設定し、ラジカル重合開
始剤としてp−メンタンハイドロパーオキサイドを0.
03重量部、エチレンジアミン4酢酸ナトリウムを0.
02重量部、硫酸第1鉄7水和物を0.01重量部、及
びソジウムホルムアルデヒドスルホキシレートを0.0
3重量部添加して重合を開始した。重合転化率が30%
に達した時点で、アクリロニトリルを3重量部更に添加
し、重合転化率が60%に達した時点で、ジエチルヒド
ロキシルアミンを添加して重合を停止させた。次いで、
スチームストリッピングにより未反応単量体を回収し、
共役ジエン系ゴムラテックスを得た。その後、このラテ
ックスに含有される固形分100重量部に対して37.
5重量部のアロマオイル(富士興産株式会社製、商品名
「フッコール・アロマックス#3」)を含む乳化物を配
合し、これを硫酸と塩化ナトリウムにより凝固させてク
ラムとした。次いで、このクラムを熱風乾燥機により乾
燥させ、アロマオイルで油展された共役ジエン系ゴム
(NSBR)を得た。ラテックスに含まれる共役ジエン
系ゴムのムーニー粘度は127、アクリロニトリル単位
含有量は10重量%、スチレン単位含有量は20重量
%、重量平均分子量は640,000、ガラス転移点は
−43℃であり、ガラス転移の外挿開始温度と外挿終了
温度との差は11℃であった。また、油展共役ジエン系
ゴムA(NSBR)のムーニー粘度は49であった。
【0026】実施例1〜8および比較例1〜6 ゴム成分として、上記製造例1により得られた共役ジエ
ン系ゴムゴム(NSBR),スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR),ブタジエンゴム(BR)又は天然
ゴムを用いて、第1表に示す配合処方により、ゴム組成
物を調製した。このゴム組成物を160℃、15分間の
条件で加硫し、加硫ゴムの物性を測定した。この結果を
第1表に示す。
【0027】
【表1】
【0028】[注] 1)SBR0120:商標、ジェイエスアール製、結合
スチレン35重量%のSBRの油展ゴム。(ゴム分10
0重量部に対してオイル37.5重量部を油展) 2)製造例1によるNSBR:アクリルニトリル10重
量%、結合スチレン20重量%のNSBRの油展ゴム。
(ゴム分100重量部に対してオイル37.5重量部を
油展) 3)BR31:商標、ジェイエスアール製、シス−1,
4−ボリブタジエン(ゴム分100重量部に対してオイ
ル37.5重量部を油展) 4)カーボンブラック:SAFグレード、東海カーボン
(株)製 5)水酸化アルミニウム:ハイジライト43M(商標、
昭和電工(株)製) 6)シランカップリング剤:「Si69」商標、デグサ
社製、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィド 7)石油樹脂:C5系石油樹脂(ストラクトール社製) 8)老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチルブチル)
−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン 9)加硫促進剤GPG:ジフェニルグアニジン 10)加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアゾリルスルフェンアミド 11)加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルジスルフィド
【0029】上記において、実施例1は充填材としてカ
ーボンブラック配合系であり、実施例2〜6,8はシリ
カ/カーボンブラックの併用系である。さらに、実施例
7は、充填材としてシリカ,カーボンブラック及び水酸
化アルミニウムを併用配合したものである。これらの結
果を比較例1と比べれば、本発明による実施例では、操
縦安定性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の全てがバ
ランスよく良好であることが認められる。すなわち、例
えば、実施例3,4を比較例4と対比すれば、従来配合
のSBRゴムの10%重量以上を本発明におけるNSB
Rで置換することにより、少なくともウェットグリップ
性能と操縦安定性には悪影響することなく,特に耐摩耗
性が大幅に向上していることが分かる。また、シリカ/
ハイジライト/カーボンブラックの併用系の実施例7
は、比較例1と比べて、操縦安定性と耐摩耗性の性能は
維持しつつ、特にウェットグリップ性能が極めて優れて
いる。さらに、本発明のゴム組成物においては、実施例
8と比較例1から分かるように、石油樹脂を配合するこ
とにより、操縦安定性、ウェットグリップ性能及び耐摩
耗性を、さらなる高い次元で両立させることができるこ
とが分かる。なお、本発明によるNSBRにBRまたは
天然ゴムをブレンドした実施例5,6の場合、操縦安定
性はやや低下するが、特にウェットグリップ性能及び耐
摩耗性の双方の向上は著しい。一方、従来の高スチレン
含有SBRを用いた比較例1〜6においては、配合を代
えても、操縦安定性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性
を高いレベルで満足する結果は得られず、特に操縦安定
性は非常に劣っている。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、トレッドゴムとして、
シリカやカーボンブラックなどの補強用充填材との親和
性を向上させたニトリル基をもつ共役ジエン系共重合体
ゴムを用いることにより、操縦安定性、ウェットグリッ
プ性能、耐摩耗性の全てを高いレベルで満足する空気入
りタイヤを得ることができる。従って、本発明の空気入
りタイヤは、特に高性能空気入りタイヤとして有効に適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における共役ジエン系共重合体ゴムのガ
ラス転移の外挿開始温度と外挿終了温度の求め方を示す
DSCのチャートである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)エチレン性不飽和ニトリル
    単量体単位と、(b)芳香族ビニル単量体単位と、
    (c)共役ジエン単量体単位とを有し、かつ上記
    (a)、(b)及び(c)単位の合計量に基づき、
    (a)単位5〜45重量%,(b)芳香族ビニル単量体
    単位10〜50重量%を含有する共役ジエン系共重合体
    ゴムを10重量%以上含むゴム成分と、(B)カーボン
    ブラック及び白色充填材から選ばれた少なくとも一種の
    充填材とを含むゴム組成物であると共に、当該ゴム組成
    物の30℃における動的貯蔵弾性率が12.0MPa以
    上であるゴム組成物を、トレッドゴムとして用いたこと
    を特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記白色充填材が、(B)成分中10重
    量%以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 共役ジエン系共重合体ゴムが、ガラス転
    移温度−70〜0℃及びムーニー粘度[ML1+4(10
    0℃)]20〜200のものである請求項1又は2に記
    載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 共役ジエン系重合体ゴムが、ガラス転移
    の外挿開始温度と外挿終了温度との差が20℃以下のも
    のである請求項1ないし3のいずれかに記載の空気入り
    タイヤ。
  5. 【請求項5】 共役ジエン系共重合体ゴムが、アクリロ
    ニトリルとスチレンとブタジエンとの共重合体である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 (B)成分の充填材が、ゴム成分100
    重量部当たり、40〜120重量部である請求項1ない
    し5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 さらに、(B)成分の充填材に対し、
    (C)シランカップリング剤1〜20重量%を含む請求
    項1ないし6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 白色充填材が、窒素吸着比表面積(N2
    SA)が190〜300m2/gのシリカ、及び窒素吸
    着比表面積(N2SA)が1〜20m2/gの水酸化アル
    ミニウムから選ばれる少なくとも一種のものである請求
    項1ないし7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2002117433A 2002-02-27 2002-04-19 空気入りタイヤ Pending JP2003321578A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002117433A JP2003321578A (ja) 2002-02-27 2002-04-19 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002051203 2002-02-27
JP2002-51203 2002-02-27
JP2002117433A JP2003321578A (ja) 2002-02-27 2002-04-19 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003321578A true JP2003321578A (ja) 2003-11-14

Family

ID=29552032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002117433A Pending JP2003321578A (ja) 2002-02-27 2002-04-19 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003321578A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051206A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴムの製造方法およびそれにより得られるゴム
JP2007262197A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 油展ゴムの製造方法およびそれにより得られる油展ゴム
JP2010031086A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2015013974A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051206A (ja) * 2005-08-17 2007-03-01 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴムの製造方法およびそれにより得られるゴム
JP2007262197A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 油展ゴムの製造方法およびそれにより得られる油展ゴム
JP4607042B2 (ja) * 2006-03-28 2011-01-05 住友ゴム工業株式会社 油展ゴムの製造方法およびそれにより得られる油展ゴム
JP2010031086A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
JP2015013974A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3622799B2 (ja) ゴム組成物
US6114432A (en) Diene rubber composition
US6562929B2 (en) Conjugated diene-based rubber and method of producing the same, oil extended rubber and rubber composition containing the same
JP3736577B2 (ja) ゴム組成物及びその製造方法
JP3656670B2 (ja) ゴム組成物
JP2002201310A (ja) ゴム組成物
JPWO2002020655A1 (ja) ジエン系ゴム・無機化合物複合体およびその製造方法並びにゴム組成物
US6342559B1 (en) Conjugated diene rubber, process for producing the same, and rubber composition
JP4425653B2 (ja) シリカ充填ゴム組成物および成形体
JP2002145965A (ja) 共役ジエン系ゴム及び油展ゴム並びにこれらを含むゴム組成物
JP4089239B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003246885A (ja) 空気入りタイヤ
JP6831923B2 (ja) 共役ジエン系共重合体の製造方法、それから製造された共役ジエン系共重合体、およびそれを含むゴム組成物
JPH11106562A (ja) ジエン系ゴム組成物
JP2003321578A (ja) 空気入りタイヤ
JP4117136B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003246888A (ja) 導電性ゴム部材及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003253046A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003253045A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4774654B2 (ja) 油展ゴム及びゴム組成物
JP3970631B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP2003253050A (ja) ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP7160473B2 (ja) 共役ジエン系共重合体組成物、その製造方法、およびそれを含むゴム組成物
JP4670132B2 (ja) 共役ジエン系重合体及びその製法
JP4272289B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物