JP2007051206A - ゴムの製造方法およびそれにより得られるゴム - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム中においてオイル分を充分に分散させることができ、ゴム組成物の作製の加工性に優れる油展ゴムの製造方法および該製造方法により得られる油展ゴムを提供する。
【解決手段】(a)アロマオイルを除くオイルを界面活性剤で乳化することによりエマルションを作製する工程、(b)該エマルションおよびゴムラテックスを混合したのち熟成する工程、および(c)工程(b)により得られた混合物を凝固させる工程からなるゴムの製造方法、およびそれにより得られるゴム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴムの製造方法およびそれにより得られるゴムに関する。
ゴムの有する高い粘度を低下させて混練を容易にし、さらに、他の配合材料の分散を良くすることを目的として、オイルを含有するゴム(油展ゴム)が市販されている。
油展ゴムは、主として合成ゴムであり、加工性を改善するのを目的として、オイルを合成ゴムに均一に混ぜて、ブロック化したものが一般的である。また、合成ゴムのほかに天然ゴムについても油展ゴムとすることがおこなわれており、前記のような合成ゴムからなる油展ゴムと同様の混練り方法により、天然ゴムにオイルを含有させることができる。
ゴムへのオイルを混合して油展ゴムを作製する方法としては種々のものがあり、例えば、乳化重合で得られるゴムについては、ラテックス状態のゴムにオイルを直接添加して強制的に撹拌し、ゴムを固める方法、また、溶液重合で得られるゴムについては、固形化したゴムにオイルを添加して混練りする方法があげられる。
ゴムを固形化したのちにオイルを混練機を用いて混練する場合、オイルをゴムと一緒に投入するとゴムが混練機の内部で滑りやすいため、ゴムのみを始めに混練することがおこなわれている。しかし、その場合、オイルを添加するまでの間に、ゴムの硬度が大きいため、せん断力がかかりやすく、ゴムが低分子化するため、得られた油展ゴムを用いてゴム組成物を作製した場合、該ゴム組成物の耐摩耗性、強度が悪化し、製品としての性能が低下するという問題があった。
また、ゴムラテックスにオイルを添加して攪拌する場合、ゴムラテックスに対してオイルの溶解性が低く、水相にオイルが残りやすい。これを防ぐために、高速でゴムラテックスとオイルを撹拌したのち、凝固させるので、結局、ゴム中に均一にオイルが吸収されるのではなく、オイルの多いところと少ない箇所が生じており、得られたゴムは、ゴム組成物の製造において混練をおこなっても、得られたゴム組成物の配合が不均一なものになりやすいという問題があった。
また、特許文献1には、天然ゴムラテックスと界面活性剤とを処理してから、オイルを混合することが記載されているが、天然ゴムラテックス中へのオイルの充分な分散は、達成されたものではなかった。
特開2005−120153号公報
本発明は、ゴム中においてオイル分を充分に分散させることができ、ゴム組成物の作製の加工性に優れる油展ゴムの製造方法および該製造方法からなる油展ゴムを提供することを目的とする。
本発明は、(a)アロマオイルを除くオイルを界面活性剤で乳化することによりエマルションを作製する工程、(b)該エマルションおよびゴムラテックスを混合したのち熟成する工程、および(c)工程(b)により得られた混合物を凝固させる工程からなるゴムの製造方法に関する。
前記オイルが、植物油、改質した植物油、植物油の誘導体および植物油のケン化物からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記界面活性剤が、非イオン系界面活性剤であり、該非イオン系界面活性剤のオキシエチレンの繰り返し単位を2〜18個有することが好ましい。
前記ゴムラテックスが、天然ゴムまたは改質天然ゴムであることが好ましい。
工程(c)において、工程(b)により得られた混合物を酸または塩により凝固させることが好ましい。
また、本発明は、前記製造方法により得られるゴムに関する。
本発明によれば、アロマオイルを除くオイルを界面活性剤によりエマルション化させたのちに、ゴムラテックスと混合することにより、ゴム中においてオイル分を充分に分散させることができ、ゴム組成物の作製の加工性に優れる油展ゴムの製造方法および該製造方法からなる油展ゴムを提供することができる。さらに、油として植物油もしくはその派生物を用いた場合に得られる油展ゴムは、非石油由来の材料から得られるため、非常に環境に優しく、また、発ガン性の疑いが持たれているアロマオイルを配合しないため、人体に対しても悪影響を及ぼす可能性の低いものである。
本発明のゴムの製造方法は、(a)アロマオイルを除くオイルを界面活性剤で乳化することによりエマルションを作製する工程(以下、工程(a))、(b)該エマルションおよびゴムラテックスを混合したのち熟成する工程(以下、工程(b))、および(c)工程(b)により得られた混合物を凝固させる工程(以下、工程(c))からなる。
本発明のゴムの製造方法では、オイルをゴムラテックスと混合させる前に、工程(a)においてオイルをエマルション化させることにより、ゴムが充分に油を吸収し、得られた油展ゴム中において、油が充分に分散されるという効果が得られる。
工程(a)では、アロマオイルを除くオイルが用いられる。
一般的に、油展ゴムに使用されるオイルは、ほとんどがアロマオイルであり、多環芳香族を含んでいる。そのため、アロマオイルは、非常に色が濃く、黒色製品か非常に濃色の製品にしか適用できないという問題がある。また発ガン性も疑われている多環芳香族が微量とはいえ存在するため、好ましくない。
そのため、本発明のゴムの製造方法におけるオイルとしては、アロマオイルを除くものが使用される。
アロマオイルを除くオイルとしては、パラフィン系オイルなどの石油資源から得られるオイルを使用することもできるが、有限である石油資源からなる原材料の使用には限界があるため、とくに、植物油、改質植物油、植物油の誘導体および植物油のケン化物からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
植物油としては、具体的には、パーム油、大豆油、菜種油、ひまわり油、コーン油、ひまし油、シナモン油、ユーカリ油、あまに油などがあげられる。
ゴムラテックスとして天然ゴムラテックスを使用した場合、天然ゴムラテックスとの親和性は、大豆油、菜種油、パーム油、あまに油、コーン油、ひまわり油等が好ましい。
改質植物油としては、脂肪酸の二重結合をエポキシ化したもの、具体的には、エポキシ化大豆油などがあげられる。
植物油をケン化して得られる脂肪酸も使用できる。
工程(a)において用いられる界面活性剤としては、油との相溶性、エマルションの安定性を考慮して選択すればよいが、天然ゴムと植物油との組み合わせでは、特に非イオン系界面活性剤が好ましい。
非イオン系界面活性剤としては、(−CH2−CH2−O−)nのオキシエチレン鎖の繰り返し単位を有するポリオキシエチレン化合物が好適に使用される。
ポリオキシエチレン化合物としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が好適に使用できる。
ポリオキシエチレン化合物におけるオキシエチレン鎖の繰り返し単位nは、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。nが2未満では、親水性が不充分で安定なエマルションを作れない傾向がある。また、ポリオキシエチレン化合物におけるオキシエチレン鎖の繰り返し単位nは、15以下が好ましく、12以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。nが15をこえると、親水性が高くなりすぎ、油との相溶性が悪くなり、安定なエマルションができず油が分離する傾向がある。
工程(a)において使用される水としては、イオン交換水や蒸留水が好ましい。
水、界面活性剤およびオイルの合計配合量を100重量部とした場合、界面活性剤の含有量は12重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましく、4重量部以下がさらに好ましい。界面活性剤が12重量部をこえると、石油資源から製造されるため、環境的観点から好ましくなく、また、ゴム中に残って吸水性を高めてしまうという問題があり、さらにコストが高くなる傾向がある。また、界面活性剤の含有量は0.5重量部以上が好ましい。含有量が0.5重量部未満では、エマルションが時間経過により分離し、オイルが水中に溶解しなくなる傾向がある。
工程(a)において、オイル、水および界面活性剤を、2000〜10000rpmの回転数および0.2〜1時間の条件で混合させることが好ましい。
工程(b)において、工程(a)において得られたエマルションとゴムラテックスを混合したのち熟成する。
熟成の間にラテックス中のゴム粒子がエマルション状態の油を吸収する。
ゴムラテックスとしては、具体的に、天然ゴムラテックス、改質天然ゴムをはじめNBR、SBRなどの合成ゴムラテックスがあげられる。なかでも、石油を消費することなく、さらに、1本の木から20年にわたって採取することができ、環境面に優れるという理由により、天然ゴムラテックスおよび改質天然ゴムが好ましい。
また、合成ゴムとは異なり、天然ゴムは分子量が高いために、他の添加剤と混練りする前に、粘度を低くすることを目的とし、素練りをおこなっていた。しかし、本発明の製造方法によって油展天然ゴムを製造した場合、該油展天然ゴムは、素練りをおこなわずに、他の添加剤と混練りをすることが可能である。
なお、天然ゴムラテックスとは、木から採れたフィールドラテックス、それを遠心分離機等で濃縮した濃縮ラテックス、または、それらを改質した改質天然ゴムラテックスなどを意味する。天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックスでも濃縮ラテックスでも使用可能であり、コスト的にはフィールドラテックスが好ましい。
工程(b)において、ゴムラテックスに対して、工程(a)において得られたエマルションを混合したのち熟成させる。
工程(b)において、10〜1000rpmの回転数および5分〜10日の条件にてゴムラテックスとエマルションを混合することが好ましい。とくに回転数は10〜500rpmとすることが好ましく、また、混合時間は10分〜2日とすることがより好ましい。回転数が10rpm未満であり、混合時間が5分未満では、オイルのゴムへの吸収が不充分になり、また油の分離が生ずるおそれもある。また、回転数が1000rpmより大きくなると、ラテックスが泡立つため好ましくない傾向がある。
前記の混合により得られたゴムラテックスおよびエマルションの混合液は、さらに熟成させることが好ましい。ここで、熟成とは、混合して得られたものを放置してオイルをゴムラテックスに吸収させることをいい、とくに0.2時間〜3日間放置することが好ましく、1時間〜3日間放置することがより好ましい。放置日数が0.2時間未満では、オイルが充分吸収されずに残る可能性がある。また、放置日数が3日をこえても熟成の効果は、放置日数3日の場合と比べてほとんど変わらず、時間のロスとなる傾向がある。
エマルション中のオイル(実質量)の配合量は、ゴムラテックス中の純ゴム分100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、3重量部以上がより好ましい。エマルションの配合量が2重量部未満では、可塑化の効果が少ない傾向がある。また、エマルション中の油(実質量)の配合量は、ゴムラテックス中の純ゴム分100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましい。
工程(c)において、工程(b)により得られた混合物を凝固させる。とくに、酸または塩により凝固させることが好ましい。
工程(c)における酸としては、具体的には、蟻酸、硫酸、酢酸、塩酸などがあげられる。
また、工程(c)における塩としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウムなどがあげられる。
工程(c)において使用される酸または塩としては、塩は洗浄にたいへん時間がかかるため、酸が好ましく、なかでも、ゴムを劣化させにくく、ゴムに残存しないため、蟻酸がとくに好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴムは、タイヤ用ゴム組成物などに用いられることが好ましい。
ゴムをゴム組成物に使用する場合、該ゴムは、シリカなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、一般的にゴム組成物の製造において使用される添加剤とともに使用されることが好ましい。そして、該添加剤とゴムとを混練りし、さらに加硫することによってゴム組成物が得られる。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<エマルションの測定試験>
(エマルションA中における油分の分散性)
大豆油50重量部(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:大豆白絞油、脱色、脱臭、精製品)、イオン交換水46重量部およびポリオキシエチレンラウリルエーテル(ポリオキシエチレンの平均繰り返し数5)4重量部を、ホモジナイザーにより6000rpmで30分撹拌させることによって混合してエマルションAを作製した。そして、エマルションAをメスシリンダーに移し、毎日、透明部分とエマルションの部分の体積の割合を調べた(エマルションの安定性が低いと透明部分があらわれ、経時にしたがい透明部分が増加する)。エマルションAは、静置状態で3日経過後も透明部分は100のうち1か2に過ぎなかったため、非常に安定であるとわかった。
実施例1〜3および比較例1〜7
<生ゴムシートの作製>
(実施例1の生ゴムシートの作製)
前記のように、ホモジナイザーを1時間6000回転させることにより得られた直後のエマルションAを作製した。
そして、ハイアンモニア天然ゴムラテックスを166重量部(うち、ゴム成分100重量部)およびエマルションA10重量部(うち、油分5重量部)を、通常の撹拌機で300rpmで30分間回転させることによって混合し、その後、3日間放置してエマルションBを作製した。
エマルションBに対して、ハイアンモニアラテックスとエマルションのほぼ同体積の2%の希蟻酸を添加して、30分放置してエマルションBを凝固させ、それを、表面にダイアモンド状の溝を切ったロールの間を通しながら水洗してシート状にし、40℃で乾燥させることで、実施例1の生ゴムシートを作製した。
(実施例2の生ゴムシートの作製)
エマルションAにおけるオイルとして、菜種油(日清オイリオグループ(株)製、菜種白絞油、脱色、脱臭、精製品)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の生ゴムシートを作製した。
(実施例3の生ゴムシートの作製)
エマルションAにおけるオイルとして、ステアリン酸成分を多く除去したパームオレイン(ゴールデンホープ社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の生ゴムシートを作製した。
(比較例1の生ゴムシートの作製)
ハイアンモニア天然ゴムラテックスを、2%の希蟻酸を添加して、実施例1と同様の条件にて凝固させて比較例1の生ゴムシートを作製した。
(比較例2の生ゴムシートの作製)
ハイアンモニア天然ゴムラテックス166.7重量部(うちゴム分100重量部)をゆっくり撹拌しながら、大豆油5重量部を添加した。添加後24時間撹拌を続け、その後1時間後放置し、分離してきた油を除去した後、2%の希蟻酸を添加して、実施例1と同様の条件にてエマルションを凝固させ、比較例2の生ゴムシートを作製した。
(比較例3の生ゴムシートの作製)
オイルとして、菜種油を用いた以外は、比較例2と同様にして比較例3の生ゴムシートを作製した。
(比較例4の生ゴムシートの作製)
オイルとして、パームオレインを用いた以外は、比較例2と同様にして比較例4の生ゴムシートを作製した。
(比較例5の生ゴムシートの作製)
エマルションAにおけるオイルとして、アロマオイル(JOMO社製、プロセスオイルX140)を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例5の生ゴムシートを作製した。
(比較例6の生ゴムシートの作製)
比較例1で得た生ゴムシート100重量部に対して、大豆白絞油5重量部を添加してバンバリーミキサーで混練りし排出して、比較例6の生ゴムシートを作製した。
(比較例7の生ゴムシートの作製)
オイルとして、菜種白絞油を用いた以外は、比較例6と同様にして比較例7の生ゴムシートを作製した。
以上のようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜7の生ゴムシート中には、純ゴム分100重量部および純オイル分5重量部が含まれている。
<生ゴムシートの測定試験>
実施例1〜3および比較例1〜7の生ゴムシートを用いて、以下の試験をおこなった。
(ムーニー粘度)
JIS K6300に準じて、130℃における実施例1〜3および比較例1〜7の生ゴムシートのムーニー粘度を測定した。
(アセトン抽出)
実施例1〜3および比較例1〜7の生ゴムシートをアセトンで24時間抽出し、元のゴムシートの重量に対する抽出分の重量を計算する。この操作をそれぞれ数個の試料について行い、平均をとることで、アセトン抽出量を測定した。
(ゴムシートの色調および臭い)
実施例1〜3および比較例1〜7のゴムシートを、目視し、臭いを確認することにより、ゴムシートの色調および臭いを以下のように評価した。
{臭い}
A:少し天然ゴム臭がする
B:アロマオイル臭がする
{色調}
A:少し黄色を示している
B:黒みがかっている
生ゴムシートについての試験結果を表1に示す。
Figure 2007051206
表1の比較例1(オイルを配合していない)におけるアセトン抽出量は2.2重量%、実施例1におけるアセトン抽出量は7.1重量%であり、その差は4.9重量%あった。この差はオイル添加によるものと考えられ、実施例1の生ゴムシートに添加した大豆油の寄与分、4.76重量%(=5/105×100)に近いものであることから、添加した大豆油のほぼ全量がエマルション(水相)から天然ゴム中に移行したことがわかる。
この結果は実施例2、3でも同様の結果を示しており、エマルションからゴムへほぼ全量のオイルが移行していることがわかる。
このように、実施例1〜3の生ゴムシートは、ゴム中にオイルが充分に分散して移行しており、ムーニー粘度が大きく低下しており、加工性に優れるものであった。
また、実施例1〜3の生ゴムシートは、ゴムとして天然ゴム、およびオイルとして大豆油、菜種油、パーム油などの揮発性が低く、その周囲のものを汚すおそれがない植物油を使用した100%バイオマス材料からなり、非常に安全性の高い材料であり、該生ゴムシートは、色がほとんどないか、または薄いため、ゴム組成物の色を損なわないものであった。
一方、比較例1〜4の生ゴムシートは、アセトン抽出量が小さいものであり、オイルがエマルションからゴムへ移行していなかった。
比較例5の生ゴムシートは、アロマオイルを含有しており、臭いがきつく、さらに、生ゴムシートが黒みがかってくるという問題があり、黒色・濃色製品を除く用途では使用できない。さらにアロマオイルは揮発性があり、周囲のものに濃い色をつける欠点もあった。
比較例6および7の生ゴムシートでは、ムーニー粘度が大きく、混練機での混練では、ミクロに見るとオイルがゴム中に均一には入っておらず、オイルの分散にばらつきがあった。
<加硫ゴムシートの作製>
実施例1〜3および比較例5〜7の生ゴムシート、シリカ(ローディア製のゼオシル115Zr)、シランカップリング剤(デグサジャパン(株)製のSi266)、酸化亜鉛2種およびステアリン酸を、それぞれ表2に示す配合量添加して、バンバリーミキサーにて常法により混練し、さらに、粉末硫黄200メッシュおよび加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ)をそれぞれ表2に示す配合量添加して、オープンロールにて混練した。その後、170℃で最大トルクの90%に要する時間(T90)加硫をおこない、実施例1〜3および比較例5〜7の加硫ゴムシートを作製した。
得られた加硫ゴムシートからダンベル3号サンプルを作製し、JIS K6251の引張試験法に基づいて、100%モジュラス(M100)、引張強さ(TB)および伸び率(EB)を測定した。
また、デュロメータ(A型)硬度計を用いて、加硫ゴムシートの硬度(Hs)を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2007051206

Claims (6)

  1. (a)アロマオイルを除くオイルを界面活性剤で乳化することによりエマルションを作製する工程、
    (b)該エマルションおよびゴムラテックスを混合したのち熟成する工程、および
    (c)工程(b)により得られた混合物を凝固させる工程からなるゴムの製造方法。
  2. オイルが、植物油、改質植物油、植物油の誘導体および植物油のケン化物からなる群から選ばれる1種以上である請求項1記載のゴムの製造方法。
  3. 界面活性剤が、非イオン系界面活性剤であって、
    該非イオン系界面活性剤がオキシエチレンの繰り返し単位を2〜18個有する請求項1または2記載のゴムの製造方法。
  4. ゴムラテックスが、天然ゴムラテックスまたは改質天然ゴムラテックスである請求項1、2または3記載のゴムの製造方法。
  5. 工程(c)において、工程(b)により得られた混合物を酸または塩により凝固させる請求項1、2、3または4記載のゴムの製造方法。
  6. 請求項1、2、3、4または5記載のゴムの製造方法により得られるゴム。
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