JP2003321519A - エチレン/α−オレフィン共重合体 - Google Patents

エチレン/α−オレフィン共重合体

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JP2003321519A JP2002127206A JP2002127206A JP2003321519A JP 2003321519 A JP2003321519 A JP 2003321519A JP 2002127206 A JP2002127206 A JP 2002127206A JP 2002127206 A JP2002127206 A JP 2002127206A JP 2003321519 A JP2003321519 A JP 2003321519A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、成形加工性、長期クリープ性のバラン
スに優れた、新規なエチレン/α−オレフィン共重合体
を提供する。 【解決手段】 エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンとからなり、(1)MFRが0.01〜20g/1
0minであり、(2)密度が0.910〜0.960
g/cm3であり、(3)繰り返し引張り疲労試験によ
り、測定温度80℃、印加応力6MPaで測定した場合
の破断に至るまでの繰り返し回数(N)と、GPC測定
により得られる分子量−溶出量の関係において、密度と
融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量
(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)がlog
N≧17.0Pc−1.00なる関係を満足するエチレ
ン/α−オレフィン共重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期クリープ性に
優れたエチレン/α−オレフィン共重合体に関する。さ
らに詳しくは、剛性と長期クリープ性のバランスに優
れ、かつ成形加工性にも優れたエチレン/α−オレフィ
ン共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン樹脂は、剛性、耐衝撃性、
ESCR、伸び特性などの機械的性質に優れ、また、耐
薬品性、耐腐食性、電気的性質にも優れるため、射出成
形品、フィルム、シート、パイプ、ブロー容器などの分
野で広く使用されている。
【0003】しかしながら、最近は環境問題への配慮や
取り扱い易さの観点から、製品の薄肉軽量化の要望が高
く、肉厚を薄くしても充分な強度が得られ、かつ、ES
CRなどの長期クリープ性にも優れたポリエチレン樹脂
が望まれている。また、製品の生産性の観点からは、成
形加工時の負荷が少なく、生産速度を高めることが可能
であり、外観不良などの発生も少ない成形加工性に優れ
たポリエチレン樹脂が望まれている。
【0004】一般に、肉厚を薄くして製品強度を維持す
るためには、剛性(即ちポリエチレンの密度)を高くす
ることが必要であるが、長期クリープ性は密度と相反す
る関係にあり、薄肉化に対応するためにポリエチレンの
密度を高くするとESCRなどの長期クリープ性が不足
する問題が生じる。また、成形加工性を向上させるに
は、基本的に分子量を低下させることが必要であるが、
この場合も長期クリープ性が低下する。したがって、従
来の技術では、剛性、成形加工性、長期クリープ性のす
べてを満足するポリエチレン樹脂を得ることは困難であ
った。
【0005】近年、低分子量成分と高分子量成分を別々
に製造し、高分子量成分にのみコモノマーを導入するこ
とで、剛性、成形加工性、長期クリープ性のバランスが
改良されたポリエチレン樹脂が開発されている。しか
し、このような工夫を施した場合でも、高い剛性が要求
される用途では、ESCRなどの長期クリープ性が不足
し、長期クリープ性向上のために分子量を高くすること
により成形加工性が低下する問題が依然存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、従来のポリエチレンに比べて剛性、成形加工性、
長期クリープ性のバランスに優れた、新規なエチレン/
α−オレフィン共重合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、実質的に1つの成分からなる分子量分布
を有するエチレン/α−オレフィン共重合体の長期クリ
ープ性は、該エチレン/α−オレフィン共重合体の密度
および融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分
子量(Mc)以上の分子量を有する成分が全分子量成分
中に占める割合に依存することを見出した。
【0008】さらに本発明では、特定のチーグラー・ナ
ッタ触媒を使用して重合されたエチレン/α−オレフィ
ン共重合体は、前記タイ分子が形成可能な分子量成分の
割合が同じであっても、従来の樹脂に比べて長期クリー
プ性が優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、(1)MFRが0.0
1〜20g/10minであり、(2)密度が0.91
0〜0.960g/cm3であり、(3)繰り返し引張
り疲労試験により、測定温度80℃、印加応力6MPa
で測定した場合の破断に至るまでの繰り返し回数(N)
と、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(G
PC)測定により得られる分子量−溶出量の関係におい
て、密度と融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨
界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)
が logN≧17.0Pc−1.00 Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上
の溶出量)/全溶出量 なる関係を満足することを特徴とするエチレン/α−オ
レフィン共重合体であり、さらには、前記タイ分子が形
成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の
比(Pc)が0.150以上であることを特徴とする長
期クリープ性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合
体であり、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体
は、特定のチーグラー・ナッタ触媒を用いたスラリー重
合により得ることができる。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
におけるエチレン/α−オレフィン共重合体に用いる炭
素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン等があげられ、これらを
1種あるいは2種以上組合わせて使用することができ
る。これらのα−オレフィンのうち、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好まし
い。
【0011】なお、エチレン/α−オレフィン共重合体
中に含まれる炭素数3〜20のα−オレフィン含量は、
8wt%以下であることが好ましい。
【0012】エチレン/α−オレフィン共重合体のMF
Rは、0.01〜20g/10minの範囲にある。M
FRが0.01g/10min未満の場合は成形加工時
における流動性が低下するとともに、未溶融ゲルを生じ
易い、一方、MFRが20g/10minを越える場合
は、機械的強度が低下するとともに、優れた長期クリー
プ性が得られない。エチレン/α−オレフィン共重合体
のMFRの好ましい範囲は0.03〜10g/10mi
nであり、さらに好ましくは0.05〜5g/10mi
nである。
【0013】エチレン/α−オレフィン共重合体の密度
は、0.910〜0.960g/cm3の範囲にあるこ
とが必要である。密度が0.910g/cm3未満の場
合は、本発明の目的とする剛性の高いエチレン/α−オ
レフィン共重合体が得られない。一方、密度が0.96
0g/cm3を越える場合は、長期クリープ性が不十分
となる。エチレン/α−オレフィン共重合体の密度の好
ましい範囲は0.915〜0.955g/cm3であ
り、さらに好ましくは0.920〜0.950g/cm
3である。
【0014】本発明におけるエチレン/α−オレフィン
共重合体は、後に述べる金属マグネシウム、アルコー
ル、チタンアルコキサイドから得られる均一溶液、酸素
含有有機化合物およびハロゲン化有機アルミニウムを原
料として調製されたチーグラー・ナッタ触媒を用いてス
ラリー重合法により製造することができる。
【0015】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は、繰り返し引張り疲労試験により、測定温度80
℃、印加応力6MPaで測定した場合の破断に至るまで
の繰り返し回数(N)と、ゲル・パーミエーション・ク
ロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量
−溶出量の関係において、密度と融点から算出されるタ
イ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と
全溶出量の比(Pc)が logN≧17.0Pc−1.00 Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上
の溶出量)/全溶出量 なる関係を満足することが必要である。
【0016】ここで、繰り返し引張り疲労試験による破
断に至るまでの繰り返し回数(N)は、実施例に示す試
験方法により、全周にノッチを入れた試験片に80℃の
温度条件下で、印加応力6MPa、周波数0.5Hzの
矩形波により繰り返し負荷を加えることにより求めるこ
とができる。
【0017】また、前述したタイ分子が形成可能な臨界
分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)
は、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体のGP
C測定により得られる分子量−溶出量の関係において、
Mc以上の溶出面積と全溶出面積の比から算出すること
ができる。ここで、タイ分子が形成可能な臨界分子量
(Mc)は、J.Polym.Sci.,Polym.
Phys.Ed.,29,129(1991)に記載さ
れたタイ分子形成の考え方を参考として以下の方法によ
り算出した。以下にその詳細を説明する。タイ分子は、
溶融状態での分子鎖の広がり(分子末端間の平均距離:
r)が、固体状態での結晶、非晶から成る臨界厚み(2
Lc+La)より大きい場合に形成されるため、タイ分
子が形成される臨界条件は次式(I)で表わせる。
【0018】r=(2Lc+La) (I) (式中、Lcは結晶厚みであり、Laは非晶厚みであ
る。)ポリエチレンの場合、rは分子量(M)との間に
次式(II)の関係にある。
【0019】 r=1.066M0.5 (II) 式(II)を式(I)に代入すると式(III)が得ら
れ、LcとLaをの値を求めることにより、式(II
I)からタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)を計
算することができる。
【0020】 Mc=0.88(2Lc+La)2 (III) また、LcはDSC測定により求められるエチレン/α
−オレフィン共重合体の融点(Tm)から次式(IV)
により算出できる。
【0021】 Lc=(6.26×414)/(414−Tm) (IV) (ここで、Tmの単位は[K]である。)LaはLcと
結晶化度(Xc)から次式(V)により算出できる。
【0022】 La=(Lc(1−Xc))/Xc (V) Xcは密度勾配管により測定されたエチレン/α−オレ
フィン共重合体の密度(d)から次式(VI)により算
出できる。
【0023】 Xc=(d−0.86)/0.14d (VI) 本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、繰り返
し引張り疲労試験による破断に至るまでの繰り返し回数
の対数(logN)が17.0Pc−1.00以上、好
ましくは17.0Pc−0.80以上、さらに好ましく
は17.0Pc−0.60以上である。該値が17.0
Pc−1.00未満であると、長期クリープ性が不十分
であり、剛性、成形加工性、長期クリープ性が高いレベ
ルでバランスしたエチレン/α−オレフィン共重合体が
得られない。
【0024】また、本発明のエチレン/α−オレフィン
共重合体は、前記タイ分子が形成可能な臨界分子量(M
c)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が0.150
以上、好ましくは0.200以上、さらに好ましくは
0.225以上である。Pcが0.150未満の場合
は、繰り返し引張り疲労試験による破断に至るまでの繰
り返し回数が小さすぎて誤差が大きくなるとともに、本
発明の目的とする長期クリープ性が不十分となる。
【0025】次に、本発明のエチレン/α−オレフィン
共重合体を得るための触媒および製造方法について説明
する。本発明におけるエチレン/α−オレフィン共重合
体は、後に述べる金属マグネシウム、アルコール、チタ
ンアルコキサイドから得られる均一溶液、酸素含有有機
化合物およびハロゲン化有機アルミニウムを原料として
調製されたチーグラー・ナッタ触媒を用いてスラリー重
合法により製造することができる。
【0026】ここで、本発明で好ましく用いられる金属
マグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドから
得られる均一溶液、酸素含有有機化合物およびハロゲン
化有機アルミニウムを原料として調製されるチーグラー
・ナッタ触媒について、その調製例を説明する。
【0027】本発明のチーグラー・ナッタ触媒の調製に
用いる金属マグネシウム、アルコールとしては、以下の
ものがあげられる。
【0028】まず、金属マグネシウムとしては各種の形
状、すなわち粉末、粒子、箔またはリボンなど、いずれ
の形状のものも使用できる。
【0029】アルコール類としては、炭素数1〜18の
直鎖もしくは分岐鎖状の脂肪族アルコールまたは炭素数
3〜18の脂環式アルコールが使用できる。例として
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−
ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノ
ール、イソオクタノール、n−ステアリルアルコール、
シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレング
リコールなどがあげられる。
【0030】これらのアルコールは、単独または2種類
以上の混合物として使用される。単独で使用することは
もちろんよいが、2種類以上の混合物として使用する
と、重合体の粉体特性などに特異な効果を醸し出すこと
がある。
【0031】加うるに、金属マグネシウムを使用して本
発明で述べる均一溶液を得る場合、反応を促進する目的
から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生
成したりするような物質、例えばヨウ素、塩化第2水
銀、ハロゲン化アルキル、有機酸エステルおよび有機酸
などのような極性物質を、単独または2種類以上添加す
ることが好ましい。
【0032】チタンアルコキサイドとしては、好ましく
は一般式[TiOa(OR1bmで表される化合物が使
用される。ただし、該一般式においてR1は炭素数1〜
20の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐
鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキ
ル基、アリール基およびアルキルアリール基などの炭化
水素基を表わし、aとbとは、a≧0でb>0でチタン
の原子価と相容れるような数を表わし、mは整数を表わ
す。特にaが0≦a≦1で、mが1≦m≦6であるよう
なチタンアルコキサイドを使用することが望ましい。
【0033】具体的な例としては、チタンテトラエトキ
シド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ
イソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、ヘ
キサイソプロポキシジチタネートなどがあげられる。い
くつかの異なる炭化水素基を有するチタンアルコキサイ
ドの使用も本発明の範囲に入る。これらのチタンアルコ
キサイドは単独または2種類以上の混合物として使用さ
れる。
【0034】前記の酸素含有有機化合物としては、エー
テル類、エステル類、ケトン類、酸無水物およびケイ酸
エステルが用いられる。
【0035】エーテル類としては、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテル、ジアミールエーテル、メチルフェニ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパ
ン、ジメトキシブタン、ジエトキシエタン、ジエトキシ
プロパン、ジエトキシブタン、ジメトキシテトラヒドロ
フラン、ジメチルジメトキシプロパン、ジエチルジメト
キシプロパン、ジブチルジメトキシプロパン、エチルブ
チルジメトキシプロパンおよびポリエチレンメチルエー
テルなどがあげられる。
【0036】エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン
酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トルイル
酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸メチルおよびア
ニス酸エチルなどがあげられる。
【0037】ケトン類としては、アセトン、エチルメチ
ルケトン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベン
ゾフェノン、ジベンジルケトン、ジアセチル、アセチル
ベンゾイル、ベンジル、アセチルアセトン、ベンゾイル
アセトン、ジベンゾイルメタン、アセトニルアセトンな
どがあげられる。
【0038】酸無水物としては、コハク酸、グルタル
酸、フタル酸などがあげられる。
【0039】ケイ酸エステルとしては、具体的には、例
えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキ
サン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒドロポリ
シロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチルヒド
ロポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、オク
タフェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシロキサ
ン、フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、1,5−ジクロロヘキサメチルトリシロ
キサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサ
ン、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリシロキ
サン、ジフェノキシポリシロキサン、ヘキサメチルシク
ロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6−
トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テ
トラメチルシクロテトラシロキサン、トリフェニルトリ
メチルシクロトリシロキサン、テトラフェニルテトラメ
チルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニルシクロト
リシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン
などのポリシロキサン類があげられる。また、例えばト
リメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、テ
トラメチルジエトキシジシラン、ジメチルテトラエトキ
シジシランなどのアルコキシシラン、ジクロロジエトキ
シシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリブロモエト
キシシランなどのハロアルコキシおよびフェノキシシラ
ン、トリメチルアセトキシシラン、ジエチルジアセトキ
シシラン、エチルトリアセトキシシランなどの脂肪酸残
基を含むシラン化合物などもあげられる。このうちジメ
チルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサンなど
の鎖状ポリシロキサンや、メチルトリメトキシシラン、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのア
ルコキシシラン類などが好ましく用いられる。
【0040】重合反応中に溶媒への溶出割合が少なく、
触媒の経時変化が少ないなどの理由から、好ましくは複
数の酸素原子を含有するジエーテル類、ポリエーテル
類、エステル類、ジケトン類、アルコキシシラン類など
である。特に好ましくはジエーテル類、ポリエーテル類
およびアルコキシシラン類である。
【0041】上記の酸素含有有機化合物は単独で用いて
もよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用す
ることもできる。
【0042】前記のハロゲン化有機アルミニウム化合物
としては、一般式R2 zAlX3-zで示されるものが使用
される。ただし、該一般式においてR2は炭素数1〜2
0の、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基を表わし、
Xはハロゲン原子を表わし、zは0<z<3の数、好ま
しくは0<z≦2の数を表わす。また、R2は直鎖もし
くは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ルアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基か
ら選ばれることが好ましい。
【0043】ハロゲン化有機アルミニウム化合物の具体
例としては、例えばジメチルアルミニウムクロライド、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エ
チルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウ
ムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソブチル
アルミニウムセスキクロライド、トリエチルアルミニウ
ムと三塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
【0044】上記ハロゲン化有機アルミニウム化合物
は、単独または2種類以上の混合物として使用すること
ができる。粉体性状をよくするためには2種類以上の混
合物を用いることが好ましい。
【0045】また、本発明のチーグラー・ナッタ触媒を
調製する際に、触媒の粒子形状の制御、触媒活性の向上
の目的で酸素含有ケイ素化合物を用いることもできる。
【0046】酸素含有ケイ素化合物としては、ポリシロ
キサン類およびシラン類が用いられる。このうちポリシ
ロキサンとしては、鎖状ポリシロキサンおよび環状ポリ
シロキサンがあげられる。
【0047】具体的には、鎖状ポリシロキサンとして
は、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルト
リシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリ
シロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒド
ロポリシロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチ
ルヒドロポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサ
ン、オクタフェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシ
ロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェ
ニルポリシロキサン、1,5−ジクロロヘキサメチルト
リシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシ
ロキサン、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリ
シロキサン、ジフェノキシポリシロキサンなどがあげら
れる。
【0048】また、環状ポリシロキサンとしては、例え
ばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、
2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、テ
トラフェニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘ
キサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシ
クロテトラシロキサンなどがあげられる。
【0049】さらに、三次元構造を有するポリシロキサ
ンとしては、例えば上記の鎖状または環状のポリシロキ
サンを加熱などにより架橋構造を持つようにしたものな
どをあげることができる。
【0050】これらのポリシロキサンは取扱上液状であ
ることが望ましく、25℃における粘度が1〜1000
0センチトークス、さらに1〜1000センチトークス
の範囲であることが望ましい。しかし、液状に限る必要
はなく、シリコングリースと総括的に呼ばれるような固
形物であってもさしつかえない。
【0051】一方シラン類としては、具体的には、例え
ばトリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、テトラメチルジエトキシジシラン、ジメチルテトラ
エトキシジシランなどのアルコキシシラン、ジクロロジ
エトキシシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリブロ
モエトキシシランなどのハロアルコキシおよびフェノキ
シシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジエチルジア
セトキシシラン、エチルトリアセトキシシランなどの脂
肪酸残基を含むシラン化合物などがあげられる。このう
ちジメチルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサ
ンなどの鎖状ポリシロキサンや、メチルトリメトキシシ
ラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランな
どのアルコキシシランなどが好ましく用いられる。
【0052】上記のケイ素化合物は単独で用いてもよ
く、また2種以上を混合あるいは反応させて使用するこ
ともできる。
【0053】本発明の均一溶液を製造する場合の金属マ
グネシウム、アルコールおよびチタンアルコキサイドの
反応順序は、化学反応を生じる限り任意の順序で有り得
る。例えば、金属マグネシウムとチタンアルコキサイド
の混合物にアルコールを加える方法、金属マグネシウ
ム、酸素含有有機化合物、チタンアルコキサイドの存在
下アルコールを加える方法、金属マグネシウム、アルコ
ールの混合物に酸素含有有機化合物、チタンアルコキサ
イドを加える方法、金属マグネシウム、アルコールと酸
素含有有機化合物の混合物に、チタンアルコキサイドを
加える方法等があげられる。このような方法により上記
の均一溶液を得ることができる。
【0054】ここで、上記均一溶液とハロゲン化有機ア
ルミニウムとの反応は、液体媒体中で行うことが好まし
い。溶媒としては、当該技術分野で通常用いられるもの
はすべて使用できるが、脂肪族、脂環族もしくは芳香族
炭化水素類、またはそれらのハロゲン誘導体、あるいは
それらの混合物があげられ、例えば、イソブタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好ましく用い
られる。
【0055】本発明で用いるマグネシウム、アルコー
ル、チタンアルコキサイドの使用量は、金属マグネシウ
ム(Mg)のグラム原子と前記チタンアルコキサイドの
Tiのグラム原子との原子比で、0.2≦Mg/Ti≦
100、好ましくは1≦Mg/Ti≦30、特に好まし
くは4<Mg/Ti≦20である。Mg/Tiが100
を越えると、触媒調製の際に均一溶液を得ることが困難
になったり、重合の際に触媒の活性が低くなるおそれが
ある。逆に0.2より小さすぎても触媒の活性が低くな
る傾向があり、製品が着色するなどの問題を生ずること
がある。
【0056】前記酸素含有有機化合物と前記Mgのモル
比は、0.05≦Mg/酸素含有有機化合物≦100、
好ましくは0.1≦Mg/酸素含有有機化合物≦10の
範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。Mg/
酸素含有有機化合物が100を越えると粉体特性の改良
が十分なされないことがある。逆に0.05より小さす
ぎると触媒の活性が低くなるおそれがある。
【0057】必要に応じて用いられる前記のケイ素化合
物中のSiと前記Mgのモル比は、0.05≦Mg/S
i≦100、好ましくは0.5≦Mg/Si≦10の範
囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。Mg/S
iが100を越えると粉体特性の改良が十分なされない
ことがある。逆に0.05より小さすぎると触媒の活性
が低くなるおそれがある。
【0058】本発明の均一溶液とハロゲン化有機アルミ
ニウムを反応させる場合、前記のハロゲン化有機アルミ
ニウムの種類および使用量が適切に選択され、均一溶液
から固体粒子を析出させる。特に反応初期に生成する結
晶核の制御が適宜行なわれる必要がある。そのため、均
一溶液とハロゲン化有機アルミニウム化合物の反応は好
ましくは2段階に分けて行われる。2段階に分けて反応
を行う場合、前段では結晶核となる固体粒子の析出反応
を、後段では前段で析出した結晶核の成長反応を行う。
このためには、前段と後段で用いるハロゲン化有機アル
ミニウム化合物の種類および使用量をそれぞれの段階に
適したものとすることが必要である。より具体的には、
前段の反応においてはハロゲン化有機アルミニウム化合
物R2 zAlX3-zのZは1≦Z≦2、Mgに対する使用
量(モル比)は0.5〜2.0、後段の反応においては
各々0<Z<2、Mgに対する使用量(モル比)は1.
0〜20とすることが好ましい。
【0059】各段階の反応条件は特に限定的ではない
が、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範
囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時
間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われ
る。
【0060】前段と後段の反応は連続して行うことも、
分断して前段の反応後に結晶析出を完結させるための熟
成反応を実施することもできる。また、前段と後段での
反応条件をそれぞれ変化させて行うこともできる。好ま
しくは前段の反応と後段の反応の間に熟成反応が行われ
る。
【0061】ここで、熟成反応の条件は特に限定的では
ないが、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃な
る範囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6
時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われ
る。
【0062】かくして得たチーグラー・ナッタ触媒は、
残存する未反応物および副生成物を除去することなく、
または濾過や傾斜法により除去してから用いることがで
きる。
【0063】上記チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合
を実施する際には、通常、触媒活性の発現を促す目的で
有機アルミニウム化合物を用いる。好ましくは直鎖もし
くは分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を有する有
機アルミニウム化合物があげられる。特に、直鎖もしく
は分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を有するトリ
アルキルアルミニウムの使用が好ましい。具体的には、
例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルア
ルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどがあげ
られる。
【0064】有機アルミニウム化合物としては、このほ
か炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキル金属水
素化物をあげることができる。このような化合物として
は、具体的には、ジイソブチルアルミニウム水素化物な
どをあげることができる。また、炭素数1〜20のアル
キル基を有するアルキル金属ハライド、例えばエチルア
ルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムク
ロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドあるい
はアルキル金属アルコキシド、例えばジエチルアルミニ
ウムエトキシドなども使用できる。
【0065】なお、炭素数1〜10のアルキル基を有す
るトリアルキルアルミニウムあるいはジアルキルアルミ
ニウム水素化物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反
応により得られる有機アルミニウム化合物、例えばイソ
プレニルアルミニウムのような化合物を使用することも
できる。
【0066】上記の有機アルミニウム化合物は単独で用
いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使
用することもできる。
【0067】また、分子量、分子量分布、組成分布を制
御する目的で、電子供与性化合物を用いてもよい。
【0068】電子供与性化合物を用いる場合、その化合
物としては、エーテル化合物、有機酸エステル、ケイ素
の酸素含有有機化合物、窒素含有有機化合物などが適当
である。具体的には、ジメトキシエタン、ジメトキシプ
ロパン、ジメチルジメトキシプロパン、ジブチルジメト
キシプロパン、安息香酸エチル、トルイル酸エチル、テ
トラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルアミンなどがあげられる。
【0069】本発明によるエチレン/α−オレフィン共
重合体の製造は、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用
いたスラリー法の一般的な反応条件で行うことができ
る。すなわち、連続式またはバッチ式で20〜110℃
の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はない
が、加圧下、特に0.15〜5MPaの使用が適してい
る。重合を実施する際の溶媒としては、通常使用されて
いるいかなるものも使用し得る。特に、炭素数3〜20
のアルカンまたはシクロアルカン、例えばプロパン、イ
ソブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが
適している。
【0070】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体の重合に用いるα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、4−メチル−1−ペンテンなどがあげられ、こ
れらを1種あるいは2種以上組合わせて使用することが
できる。また、重合体中に二重結合を導入するために、
α−オレフィンとブタジエン、イソプレンなどのジエン
類との混合物を使用して共重合を行うこともできる。共
重合に用いるα−オレフィンの使用量は、目的重合体の
密度に合わせて選ぶことが必要である。
【0071】本発明の実施にあたり、チーグラー・ナッ
タ触媒の使用量は、溶媒1l当たり、または反応器1l
当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリモルに相当
する量で使用することが好ましく、条件により一層高い
濃度で使用することもできる。
【0072】有機アルミニウム化合物は、溶媒1l当た
り、または反応器1l当たり、0.02〜50ミリモ
ル、好ましくは0.2〜5ミリモルの濃度で使用され
る。
【0073】本発明において生成するエチレン/α−オ
レフィン共重合体の分子量は、公知の手段、すなわち適
当量の水素を反応系内に存在させるなどの方法により調
節することができる。
【0074】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は、得られた重合粉末を単軸あるいは多軸の押出機を
用いて溶融混練する方法、あるいは、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ロールなどの公知の混練装置を用いて溶
融混練する方法が使用できる。
【0075】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、本発明
で用いる触媒以外の触媒および製造法により得られたエ
チレン系重合体、例えば、本発明で用いる触媒以外のチ
ーグラー・ナッタ触媒、シングルサイト系触媒、フィリ
ップス型クロム系触媒により得られたエチレン系重合
体、高圧ラジカル法により得られたエチレン系重合体な
どとブレンドして使用することもできる。
【0076】さらに、本発明のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体は、必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化
防止剤、中和剤、滑剤、耐候剤、帯電防止剤、難燃剤、
核剤、架橋剤(過酸化物等)、カーボンブラック、各種
顔料およびタルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、
硫酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの各種無機フィ
ラー、金属繊維のような導電性フィラーなどを配合する
ことができる。
【0077】本発明により得られるエチレン/α−オレ
フィン共重合体は、従来からポリエチレン樹脂の成形に
用いられている公知の方法、例えば、押出成形、ブロー
成形、インジェクションブロー成形、射出成形、インフ
レーション成形、回転成形、真空成形などの方法によっ
て成形することができる。
【0078】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示して本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によ
り何等限定されるものではない。
【0079】実施例および比較例中の各種測定方法を以
下に示す。
【0080】(1)繰り返し引張り疲労試験 (株)島津製作所製 商品名サーボパルサーEHF−E
D10型を用いて、試験温度80℃、印加応力6MPa
で周波数0.5Hzの矩形波(完全片振り状態)により
試験片に繰り返し負荷を加えて、試験片が破壊するまで
の繰り返し回数を測定した。測定試料は、融解温度19
0℃、成形温度60℃で圧縮成形により作製した厚み5
mmの平板から、標線部の長さ20mm、幅5mmのダ
ンベル状試験片を打ち抜き、試験片の中央部に深さ0.
5mmのレザーノッチを全周に入れたものを使用した。
【0081】(2)GPC 本発明におけるGPC測定は以下の条件で測定される。 [装置]東ソー(株)製 HLC−8121GPC/H
T [測定条件]カラム:TSKgel GMHHR−H
(20)HT×3本、溶離液:トリクロロベンゼン+酸
化防止剤(BHT0.05%)、流速:1.0ml/
分、試料濃度:1.0mg/ml、注入量:0.3m
l、カラム温度:140℃、検出器:HLC−8121
GPC/HT (3)融点 [装置]セイコー電子工業(株)製 DSC200型 [測定条件]約5mgの試料を精秤し、230℃で5分
間保持後、−10℃まで10℃/分で冷却した後、10
℃/分で昇温した際に得られた吸熱ピークの極大値を融
点とした。
【0082】(4)密度 フード付きMI計を用いて、190℃、5kg荷重で押
し出した試料を、フード内で5分間徐冷した後、23℃
の密度勾配管により測定した。
【0083】(5)ESCR JIS K 6760に準拠して行った。試験液として
は、日本油脂(株)製、商品名ノニオンNS−210の
10wt%水溶液を使用した。
【0084】以下に、実施例および比較例で用いた触媒
の調製方法に関する説明をするが、本発明はこれら実施
例により何等限定されるものではない。触媒調製例1は
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体を重合する
際に好ましく用いられる触媒の調製例を示し、触媒調製
例2は比較例に用いられるエチレン/α−オレフィン共
重合体を重合する際に用いた触媒の調製例を示す。
【0085】触媒調製例1:チーグラー・ナッタ触媒
(A) 攪拌装置を備えた10lのステンレス製オートクレーブ
に、2−エチル−1−ヘキサノール 385.5g
(2.96モル)とn−ブタノール 219.4g
(2.96モル)を入れ、これにヨウ素2.0g、金属
マグネシウム粉末60g(2.47モル)およびチタン
テトラブトキサイド166.8g(0.49モル)を加
え、さらにヘキサン2.0lを加えた後80℃まで昇温
し、発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で1
時間攪拌した。引き続き120℃まで昇温して1時間反
応を行い、MgとTiを含む均一溶液を得た。この均一
溶液を45℃に冷却し、1,2−ジメトキシプロパン
51.0g(0.49モル)を加え、45℃で1時間熟
成させた。オートクレーブの内温を45℃に保ち、イソ
ブチルアルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液
3063g(9.88モル)を2時間かけて加えた。す
べてを加えた後、70℃で1時間攪拌を行いTi含量
6.6wt%のチーグラー・ナッタ触媒(A)を35
5.6g得た。得られた触媒(A)はヘキサンを用いて
残存する未反応物および副生成物を除去した後、ヘキサ
ンスラリーとして次の重合工程に用いた。
【0086】触媒調製例2:チーグラー・ナッタ触媒
(B) 攪拌装置を備えた10lのステンレス製オートクレーブ
に、イソプロパノール108.2g(1.80モル)と
n−ブタノール 134.6g(1.82モル)を入
れ、これにヨウ素2.0g、金属マグネシウム粉末40
g(1.65モル)およびチタンテトラブトキサイド2
24.1g(0.66モル)を加え、さらにヘキサン
2.0lを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガ
スを排除しながら窒素シール下で1時間攪拌した。引き
続き120℃まで昇温して1時間反応を行い、MgとT
iを含む均一溶液を得た。オートクレーブの内温を45
℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロライドの30%ヘ
キサン溶液1.32kg(3.3モル)を1時間かけて
加えた。すべてを加えた後、60℃で1時間攪拌した。
45℃に冷却後、イソブチルアルミニウムジクロライド
の50%ヘキサン溶液2.81kg(9.1モル)を2
時間かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間
攪拌を行いTi含量11wt%のチーグラー・ナッタ触
媒(B)287.4gを得た。得られた触媒(B)はヘ
キサンを用いて残存する未反応物および副生成物を除去
した後、ヘキサンスラリーとして次の重合工程に用い
た。
【0087】実施例1 内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌式オート
クレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕
込み、内温を80℃に調節した。その後、トリイソブチ
ルアルミニウム 1.15g(5.79ミリモル)およ
び触媒調製例1の方法で得た触媒(A)50mgを含有
するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を
0.1MPaに調節した後、水素を0.4MPa加え、
次いで1−ブテン 159gをエチレンで圧入し、オー
トクレーブ内圧が1.1MPaになるように、連続的に
エチレンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終
了後冷却し、未反応ガスを追い出して重合体を取り出
し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。得られたエ
チレン/α−オレフィン共重合体のパウダーにイルガノ
ックス1010(チバスペシャルティーケミカルズ社
製:商品名)1000ppm、イルガフォス168(チ
バスペシャルティーケミカルズ社製:商品名)1000
ppm、およびステアリン酸カルシウム1500ppm
を配合して予備混合したのち、2軸押出機(ラボプラス
トミル、東洋精機(株)製)を用いて、スクリュー回転
数20rpm、バレル設定温度220℃の条件で溶融混
練を行い、エチレン/α−オレフィン共重合体のペレッ
トを得た。得られたペレットのMFRは0.57g/1
0min、密度は0.9302g/cm3、融点は12
3.3℃であった。エチレン/α−オレフィン共重合体
の特性値を表1に示す。
【0088】比較例1 実施例1で用いた触媒に代えて、触媒調製例2の方法で
得た触媒(B)50mgを含有するスラリーを順次添加
した以外は実施例1と同様の方法によりエチレン/α−
オレフィン共重合体ペレットを得た。得られたペレット
のMFRは1.73g/10min、密度は0.933
1g/cm3、融点は124.0℃であった。エチレン
/α−オレフィン共重合体の特性値を表1に示す。
【0089】実施例2 実施例1の1−ブテンの仕込み量を159gから39g
に代えた以外は実施例1と同様の方法によりエチレン/
α−オレフィン共重合体ペレットを得た。得られたペレ
ットのMFRは2.46g/10min、密度は0.9
317g/cm 3、融点は124.4℃であった。エチ
レン/α−オレフィン共重合体の特性値を表1に示す。
【0090】
【表1】
【発明の効果】本発明のエチレン/α−オレフィン共重
合体は、優れた長期クリープ性を有するため、従来のポ
リエチレンに比べて剛性、成形加工性と長期クリープ性
のバランスを高度に改良することが可能であり、パイ
プ、シート、テープ、被覆材、産業資材などの押出成形
用材料、洗剤容器、薬品容器、医療容器、食品容器、各
種産業資材などの中空成形用材料、家電用部品、工業用
部品、コンテナ、雑貨などの射出成形用材料、各種フィ
ルム材料、各種繊維材料など幅広い用途の材料として好
適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィ
    ンとからなり、(1)MFRが0.01〜20g/10
    minであり、(2)密度が0.910〜0.960g
    /cm3であり、(3)繰り返し引張り疲労試験によ
    り、測定温度80℃、印加応力6MPaで測定した場合
    の破断に至るまでの繰り返し回数(N)と、ゲル・パー
    ミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定によ
    り得られる分子量−溶出量の関係において、密度と融点
    から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量(M
    c)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が logN≧17.0Pc−1.00 Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上
    の溶出量)/全溶出量 なる関係を満足することを特徴とするエチレン/α−オ
    レフィン共重合体。
  2. 【請求項2】タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)
    以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が0.150以上
    であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン/α
    −オレフィン共重合体。
  3. 【請求項3】エチレン/α−オレフィン共重合体が、金
    属マグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドか
    ら得られる均一溶液、酸素含有有機化合物およびハロゲ
    ン化有機アルミニウムを原料として調製されたチーグラ
    ー・ナッタ触媒を用いてスラリー重合法により製造され
    たものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    のエチレン/α−オレフィン共重合体。
  4. 【請求項4】α−オレフィンが、1−ブテン、1−ペン
    テン、1−ヘキセン、1−オクテンのいずれかであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載のエチレン/α−オ
    レフィン共重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009527607A (ja) * 2006-02-21 2009-07-30 バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ オレフィンの重合用の触媒成分

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