JP2003300716A - 炭素質材料の処理方法、カーボンナノチューブ分散液、溶液を得る方法。 - Google Patents

炭素質材料の処理方法、カーボンナノチューブ分散液、溶液を得る方法。

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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマ処理したカーボンナノチューブ、分散
液、溶液および組成物ならびにこれらの製造方法等の提
供を目的とする。 【解決手段】カーボンナノチューブをプラズマ処理し、
分散性の向上、精製度の改良、外表面への官能基付与を
行う。カーボンナノチューブ外表面の炭素に対する酸性
官能基の含有率を2%以上とし、超音波を用いて液に分
散させ、カーボンナノチューブ分散液、カーボンナノチ
ューブ溶液を得る。プラズマで処理したカーボンナノチ
ューブを液に分散させた後、分級することでカーボンナ
ノチューブを精製する。また、カーボンナノチューブ分
散液、またはカーボンナノチューブ溶液を濃縮、乾燥す
ることで、カーボンナノチューブを精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】炭素質材料の分散性が向上で
き、且つ、精製も可能な炭素質材料のプラズマ処理方法
であって、特にカーボンナノチューブを含有する炭素質
材料をプラズマ処理することで得られる、カーボンナノ
チューブ分散液、溶液、精製されたカーボンナノチュー
ブおよび組成物、ならびにこれらの製造方法に関する。
【0002】カーボンナノチューブは、高い機械的強
度、高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム
2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料から
なる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材として
期待されており、さらに、L/D(長さ/直径の比)が
大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル
顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセットと
して期待されており、また、ナノサイズの空間を有する
ことから、吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影
剤として期待されている。
【0003】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、グラファイト
の1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に
巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いた
ものを2層カーボンナノチューブ、多層に巻いたものを
多層カーボンナノチューブという。
【0004】カーボンナノチューブを例えば樹脂用充填
剤として使用する場合、カーボンナノチューブを最小限
添加して、添加効果を得るためには、カーボンナノチュ
ーブはお互いに絡まり合うことなく樹脂中に分散または
溶解していることが好ましい。薬剤輸送材料として用い
る場合、カーボンナノチューブが溶解した水溶液である
ことが好ましい。フィールドエミッションディスプレー
の電子源として使用する場合、カーボンナノチューブの
絡まり合った固まりの大きさが均一な方が、電子源の均
一性の制御が可能となり好ましい。しかし、通常、カー
ボンナノチューブは隣接するこれとは別のカーボンナノ
チューブと絡まり合った固まり状で得られる。この固ま
りの大きさは、通常均一でなく、大きさも大きくそのま
までは液中には分散または溶解しない。特にカーボンナ
ノチューブは疎水性であり、親水性溶媒には分散または
溶解しなかった。
【0005】また、カーボンナノチューブを複合材料と
して用いる場合、マトリクスとなる材料の種類によって
は、外表面に付着したアモルファスカーボンを除去した
り、外表面に官能基を付与したカーボンナノチューブを
用いることが、マトリクス材料との界面強度が向上でき
好ましい。合成後の粗カーボンナノチューブからアモル
ファスカーボン等の炭素不純物を除去する方法として、
例えば高温下で酸素と反応させる方法や、高温下で硝酸
や過マンガン酸カリウムを還流する方法(非特許文献1
参照)が提案されている。しかし、これらの方法はアモ
ルファスカーボン等の炭素不純物を除去すると同時にカ
ーボンナノチューブの構造をも破壊し、カーボンナノチ
ューブが消耗されるという問題があった。さらに、高温
下の条件では加熱や冷却の操作が必要となり、硝酸や過
マンガン酸カリウム等の溶媒を用いる方法(ウエット条
件処理)では洗浄や乾燥の操作が必要となり、操作が煩
雑になるという問題があった。また、カーボンナノチュ
ーブ外表面に官能基を導入する方法として、例えば高温
下でフッ素ガスと反応させる方法(非特許文献2参照)
が提案されている。しかし、反応に長時間を要するとい
う問題があった。つまり、カーボンナノチューブの構造
を大きく壊すことなく外表面に付着したアモルファスカ
ーボンを除去したり、低温かつドライ条件処理、短時間
で外表面に官能基を付与することは困難であり、特に、
層の数が少ない単層や2〜5層のカーボンナノチューブ
に対しては難易度が高かった。このように、従来、簡易
的な操作(低温かつドライ条件処理、短時間)で、カー
ボンナノチューブの分散性向上、精製、外表面への官能
基導入といった機能を同時に付与できる処理方法は皆無
であった。
【0006】
【非特許文献1】斉藤弥八、坂東俊治、カーボンナノチ
ューブの基礎、株式会社コロナ社、p53
【非特許文献2】イー・ティー・ミケルソン(E.T.Mick
elson),ケミカル・フィジックス・レターズ(Chem.Phy
s.Lett.),296,188(1998)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情に鑑みなされたものであり、プラズマ処理したカ
ーボンナノチューブ、分散液、溶液および組成物ならび
にこれらの製造方法等の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明は主として次のような構成をとる。
【0009】すなわち、炭素質材料をプラズマで処理す
ることを特徴とする、炭素質材料の処理方法、炭素質材
料をプラズマで処理する際に、炭素質材料をかき混ぜる
ことを特徴とする処理方法である。特に、炭素質材料が
カーボンナノチューブを含有することを特徴とし、カー
ボンナノチューブが1〜5層であることを特徴とする。
【0010】さらに、上記プラズマ処理したカーボンナ
ノチューブを、液に分散させることを特徴とする、カー
ボンナノチューブ分散液を得る方法。液に分散させた
後、固液分離することを特徴とする、カーボンナノチュ
ーブ溶液を得る方法。液に分散させた後、分級すること
を特徴とするカーボンナノチューブの精製方法。カーボ
ンナノチューブ分散液、またはカーボンナノチューブ溶
液を、濃縮、乾燥することを特徴とする高濃度カーボン
ナノチューブ分散液、溶液及び粉末状カーボンナノチュ
ーブの製造方法。
【0011】(1)カーボンナノチューブ合成工程、
(2)カーボンナノチューブプラズマ処理工程、(3)
カーボンナノチューブを液に分散する工程、(4)カー
ボンナノチューブを分級又は固液分離する工程の4つの
工程を有することを特徴とするカーボンナノチューブの
製造方法。
【0012】上記カーボンナノチューブと金属を含有す
る液を接触させることを特徴とする触媒組成物の製造方
法、上記カーボンナノチューブと有機化合物を含有する
液を接触させることを特徴とする有機化合物含有カーボ
ンナノチューブの製造方法、上記カーボンナノチューブ
を含有することを特徴とするコーティング用組成物の製
造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】本発明は、処理空間内に炭素質材料と処理
するガスを供給した状態で、高電圧を印可して発生する
プラズマにより、炭素質材料を処理する方法を特徴とす
る。
【0015】炭素質材料は、例えばカーボンナノチュー
ブ、フラーレン、活性炭、カーボンブラック、グラファ
イト、アモルファスカーボン、炭素繊維などを挙げるこ
とができる。なかでも、カーボンナノチューブの処理に
好ましく、1〜5層のカーボンナノチューブの処理に特
に好ましい。
【0016】プラズマ処理は、特に制限されないが例え
ば公知の低温プラズマ処理のことをいい、処理装置とし
ては、特に限定されるものではなく、公知の内部電極方
式または外部電極方式が使用されるが、電極の汚染のな
い点から外部電極方式が好ましい。処理圧力、電源周波
数、処理出力などの処理条件は特に限定されるものでは
なく目的に応じ好ましく選定すればよい。プラズマ発生
ガスとしては、特に限定されないが、有機、無機ガスが
目的に応じ単独あるいは混合されて用いられる。たとえ
ば、酸素、窒素、水素、アンモニア、メタン、エチレ
ン、4フッ化炭素などが挙げられる。
【0017】プラズマ処理によって、炭素質材料の分散
性、精製度が改良できる。この理由は現時点で明らかで
はないが、以下のように推察される。プラズマとは荷電
粒子を含む気体で、荷電粒子が炭素質物質と衝突するこ
とにより、炭素−炭素の結合が切れることによって処理
される。あるいは、炭化水素がデポジットされることに
より処理される。プラズマ処理により、炭素−炭素の結
合が切れた場合は、酸素と接触することにより、その部
分にカルボキシル基やカルボニル基、ヒドロキシル基等
などの官能基が生じると考えられる。
【0018】本発明でのプラズマ処理は、プラズマ処理
の際に炭素質材料をかき混ぜることが好ましい。粉末状
の試料をプラズマ処理する場合、粉末全体にプラズマが
行き渡らない場合がある。鋭意検討した結果、プラズマ
処理の際に炭素質材料をかき混ぜることにより、炭素質
材料全体にプラズマ処理を行き渡らせることができるこ
とを見出した。本発明においてかき混ぜるとは、ひっく
り返したり、攪拌したりする事を言い、均一にプラズマ
処理を行うために、処理の際に処理する材料を動かすこ
とを言う。最も簡単には、プラズマ処理した後、一度取
り出してかき混ぜて、再度プラズマ処理にかける。好ま
しくは、かき混ぜながらプラズマ処理を行う。かき混ぜ
ながらプラズマ処理を行うプラズマ処理装置として、外
部電極方式を用いることが、かき混ぜる動作を装置に組
み込むための設計に自由度があり、且つ容易なことから
好ましい。
【0019】本発明は、特にカーボンナノチューブを含
有する炭素質材料をプラズマ処理することを特徴とす
る。カーボンナノチューブは、高い機械的強度、高い導
電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用
負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度
樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材として期待されて
おり、さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直
径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プ
ローブ、電界電子放出源、ナノピンセットとして期待さ
れており、また、ナノサイズの空間を有することから、
吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤として期
待されている。
【0020】カーボンナノチューブの形態は、高分解能
透過型電子顕微鏡で調べることができる。グラファイト
の層は、透過型電子顕微鏡でまっすぐにはっきりと見え
るほど好ましいが、グラファイト層は乱れていても構わ
ない。グラファイト層が乱れたものは、カーボンナノフ
ァイバーと定義することがあるが、このようなカーボン
ナノファイバーも本発明においてはカーボンナノチュー
ブに含むものとする。カーボンナノチューブは、一般に
レーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD
法、プラズマCVD法、燃焼法などで製造できるが、ど
のような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わ
ない。篠原らが報告しているようにゼオライトを触媒の
担体としてアセチレンを原料に熱CVD法で作る方法
は、特に精製することなく、多少の熱分解炭素等の炭素
被覆はあるものの、純度が高く、良くグラファイト化さ
れたカーボンナノチューブが得られる点で特に好ましい
方法である(Chemical Physics Letters 303(1999) 117-
124)。このようなカーボンナノチューブを使えば、プラ
ズマ処理をするだけで、分散化させたり、精製できたり
するので非常に好ましい。
【0021】プラズマ処理によって、カーボンナノチュ
ーブの分散性が向上する理由は、以下の様に考えること
ができる。通常、カーボンナノチューブは、隣接するこ
れとは別のカーボンナノチューブと絡まり合った固まり
状で得られる。プラズマ処理によって、カーボンナノチ
ューブ外表面にカルボキシル基やカルボニル基、ヒドロ
キシル基等の官能基が付与でき、隣接するこれとは別の
カーボンナノチューブ外表面に存在するこれらの官能基
と反発し合うようになり、これまで絡まり合っていたカ
ーボンナノチューブがほぐれ、水などの液中に分散する
と考えられる。
【0022】特に本発明では、プラズマ処理によってカ
ーボンナノチューブ外表面にカルボキシル基やカルボニ
ル基、ヒドロキシル基が付与できる(実施例13、比較
例2参照)。中でもヒドロキシル基が付与できることは
好ましい。その理由は、ヒドロキシル基(フェノール性
水酸基)は、カルボキシル基やカルボニル基に比べ、カ
ーボンナノチューブ外表面の構造変化を最小限に抑えた
状態で、カーボンナノチューブの分散性を向上できるた
めである。さらに、カーボンナノチューブ外表面のヒド
ロキシル基(フェノール性水酸基)を修飾して、新たな
官能基を導入したり、他の高分子化合物と結合させるこ
とが可能となる。本発明で、カーボンナノチューブ外表
面にヒドロキシル基が付与できる理由は明確にできてい
ないが、一つの要因として、プラズマ処理の際にカーボ
ンナノチューブをかき混ぜることで、カーボンナノチュ
ーブ外表面が全体的に、比較的マイルドに処理されるた
めではないかと考えている。
【0023】プラズマ処理には、種々の処理があるがと
りわけ酸素ガスプラズマ処理が好ましい。その理由は、
通常カーボンナノチューブは、アモルファスカーボンな
どが表面に付着しており、そのアモルファスカーボンを
酸化して二酸化炭素にして除去することができ、カーボ
ンナノチューブの親水化などの修飾だけでなく、同時に
精製もできるからである。酸素ガスプラズマ処理の条件
は、装置、放電形態によって異なるが外部電極方式の場
合、圧力は5から100Paが好ましい。プラズマ処理
の条件によって、アモルファスカーボンのような熱分解
炭素被覆物は、取り除くことも出来れば適度に残すこと
も出来る。適度に残した方が、カーボンナノチューブ全
体の外表面積が大きくなり、樹脂との複合など複合材料
に用いた場合、樹脂との親和性が高くなり、好ましい場
合もある。
【0024】本発明のプラズマ処理は、特に、層数の少
ないカーボンナノチューブに好ましく、1〜5層のカー
ボンナノチューブに好ましい。層数の少ないカーボンナ
ノチューブは、層数の多いカーボンナノチューブに比
べ、耐酸化性など耐久性が無く、例えば、酸化剤を用い
て酸化する方法、酸素ガス存在下で焼成する方法によっ
て、カーボンナノチューブの分散性、精製度を改良する
手段が知られているが、これらは酸化のコントロールが
難しく、層数の少ないカーボンナノチューブをすべて燃
やしてしまうなどの欠点がある。それに比較してプラズ
マ処理は、表面層のみをマイルドに処理できるので、層
数の少ないナノチューブの構造を破壊することなく、分
散性、精製度を改良できる。特に、カーボンナノチュー
ブに物質を付着させる表面処理だけでなく、カーボンナ
ノチューブの表面層を直接改質するような表面修飾をし
た1〜5層のカーボンナノチューブは皆無であり、本発
明は新規なそのようなカーボンナノチューブを提供す
る。表面に、付着させて表面処理する方法は付着した物
がはがれ落ちるなどの欠点があるが、直接カーボンナノ
チューブ表面を改質した物は強固な表面処理となり、樹
脂などと混合したときに好ましい。
【0025】1〜5層の細いカーボンナノチューブの処
理には、窒素プラズマが好ましい。酸素プラズマよりも
マイルドに処理が出来るため、カーボンナノチューブ自
体が燃え尽きて無くなることはない。窒素プラズマ処理
でも、処理後空気中にさらすことにより、窒素プラズマ
により、切られた結合は、空気中の酸素と反応して、カ
ルボキシル基やカルボニル基、ヒドロキシル基等にな
る。
【0026】本発明では、プラズマで処理したカーボン
ナノチューブを、液に分散させることでカーボンナノチ
ューブ分散液を製造することができる。本発明における
分散液とは、カーボンナノチューブが液中に分散して浮
遊し、あたかも外見上は一様に見える状態のものを言
う。特に一日以上静置した後も、液状部分の上層部まで
カーボンナノチューブが存在しているものを分散液とい
う。本発明では、溶媒の種類とカーボンナノチューブの
種類、これらの組合せを選択することで、一週間たって
も上層部に透明性を有する部分が現れない分散液を得る
ことができる。分散液は、後述するようなカーボンナノ
チューブが溶解したカーボンナノチューブ溶液を含んで
いてもかまわない。
【0027】プラズマ処理で表面修飾したカーボンナノ
チューブは、表面がお互いに反発しあうため、液中で超
音波処理を行うことにより、絡まり合っていたカーボン
ナノチューブがほぐれて分散することを助けると考えら
れる。超音波処理は、出力が大きいものほど良く、10
W以上、好ましくは20W以上、さらに好ましくは50
W以上であることが好ましい。プラズマで処理したカー
ボンナノチューブを液中に分散させる方法は、超音波で
ある必要は無く、ホモジナイザーのような高速攪拌、ア
トライター、ボールミル等の機械的衝撃を加える攪拌で
もよい。もちろん、通常の攪拌でもかまわない。
【0028】一旦、液中に分散した液は、一部カーボン
ナノチューブが溶解した溶液を含む。この分散液を固液
分離することによって、カーボンナノチューブ溶液を得
ることができる。本発明におけるカーボンナノチューブ
溶液とは、カーボンナノチューブが液中に分散した透明
性を有した液体であり、ろ紙を用いてろ過した場合には
ろ紙を通過し、遠心分離を行った場合には沈殿物がな
い、一般にコロイダル溶液と呼ばれる液状物質のものを
言う。コロイダル溶液は、コロイドの粒が液中に溶けて
いる(溶解している)状態と表現される。このため本発
明では、このカーボンナノチューブのコロイダル溶液
を、液中にカーボンナノチューブが溶解したカーボンナ
ノチューブ溶液と称する。
【0029】固液分離の方法としては、特に限定されな
いが、例えば遠心分離法や濾過法が利用できる。ろ過に
用いるろ紙は、JIS P 3801 2種における保
留粒子径5(μm)程度であることが好ましく、また、
遠心分離の条件としては遠心加速度は15000(×
g)、より好ましくは17000(×g)、処理時間は
1時間程度行うことが、透明性を有する高濃度のカーボ
ンナノチューブ溶液が得られることから好ましい。濾過
法の場合は濾紙を抜けて出てきた液が、遠心分離法の場
合上澄みがカーボンナノチューブ溶液である。
【0030】本発明におけるカーボンナノチューブを分
散又は溶解させる液は、特に限定されないが、親水化処
理されたカーボンナノチューブの場合は親水溶媒に、疎
水化されたカーボンナノチューブは疎水性溶媒に分散、
溶解させることが好ましい。親水性溶媒としては、水、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール等の1価アルコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の2価
アルコール、グリセリンなどの3価アルコール、アセト
ン等のケトン類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの酸、
テトラヒドロフラン等の環状エーテル、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)等の溶
媒が挙げられる。これらは、混合物でも良く、金属塩な
どの各種イオン、ポリマー、界面活性剤など、その溶媒
に溶解する他の物質が溶解していても良い。疎水性溶媒
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族、ヘキ
サン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素などが例とし
てあげられる。
【0031】本発明は、下式で示される、カーボンナノ
チューブ外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率が2
%以上であることが、カーボンナノチューブの分散性向
上に好適である。
【0032】
【数1】
【0033】Ac:カーボンナノチューブ1gに含まれ
る酸性官能基のモル数 2πRa:カーボンナノチューブ平均外周(nm) [(Ra−Rb)/Rk]+1:カーボンナノチューブ
平均層数 Ra:カーボンナノチューブ平均外半径 Rb:カーボンナノチューブ平均内半径 Rk:カーボンナノチューブ層間距離 上式に示す分子のAcは、外表面に官能基を有するカー
ボンナノチューブ1gに含まれる酸性官能基のモル数で
ある。純度100%のカーボンナノチューブを得ること
は困難であり、それを同定することも困難であるため、
ここで言うカーボンナノチューブとは5万倍の倍率で走
査型電子顕微鏡で見たときに繊維状の物質がその電子顕
微鏡の視野の中に80%以上であるカーボン質材料であ
ればカーボンナノチューブと言って差し支えない。従っ
て、厳密に定義すればカーボンナノチューブ外表面だけ
に酸性官能基を有するのではなく、カーボンナノチュー
ブに付着した炭素、カーボンナノチューブに混在する炭
素粒子も含んだ状態で酸量を測定し、すべてカーボンナ
ノチューブの表面に酸性官能基があるとして計算したも
のである。外表面に官能基を有するカーボンナノチュー
ブとは、図1の模式図に示されるように、カーボンナノ
チューブ外表面に少なくとも1種類以上の官能基を有す
るカーボンナノチューブのことである。官能基の種類は
特に限定されないが、例えば、水酸基、カルボニル基、
カルボキシル基、ニトロ基、スルホン基、エーテル基、
などを挙げることができる。外表面に官能基を有するカ
ーボンナノチューブに含まれる酸性官能基のモル数の測
定には、水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定の測
定から計算によって求める。
【0034】上式に示す分母は、カーボンナノチューブ
1gに含まれるカーボンナノチューブ外表面の炭素のモ
ル数である。カーボンナノチューブ平均外周を、カーボ
ンナノチューブ平均層数とカーボンナノチューブ平均円
周の乗算結果を用いて除算することで、カーボンナノチ
ューブ全体に対するカーボンナノチューブ外表面の炭素
率を求める。これに、カーボンナノチューブ1gを炭素
原子の原子量(12g/mol)で除算した結果(つま
り、カーボンナノチューブ1g中に含まれる炭素原子の
モル数)を乗算することで、カーボンナノチューブ1g
に含まれるカーボンナノチューブ外表面の炭素のモル数
を求める。
【0035】カーボンナノチューブ平均外半径Ra、カ
ーボンナノチューブ平均内半径Rbは図1に示すように
定義され、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結
果から、ひとつのカーボンナノチューブを重複して用い
ないルール適用して、任意に少なくとも10点以上、好
ましくは20点以上のカーボンナノチューブの外半径、
内半径を計測し、それぞれ平均値を計算することで求め
る。
【0036】カーボンナノチューブ層間距離Rkは、公
知の値である0.34nmを用いる。
【0037】上記のようにして、カーボンナノチューブ
外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率を求めるわけ
であるが、その概略を記すと、走査型電子顕微鏡(また
は透過型電子顕微鏡)で見たときに、顕微鏡の視野中に
繊維状物質(カーボンナノチューブ)を含む(好ましく
は繊維状物質を10%以上、より好ましくは50%以
上、さらに好ましくは80%以上含む)カーボン質材料
を用いて、水酸化ナトリウム水溶液を用いた中和滴定の
値と、透過型電子顕微鏡(TEM)TEM観察結果から
求めたカーボンナノチューブ平均外半径、平均内半径の
値を前記式に代入し、カーボンナノチューブ外表面の炭
素に対する酸性官能基の含有率を求めることになる。後
述の実施例2(走査型電子顕微鏡での繊維状物質の確
認)、実施例14(中和滴定)、実施例15(透過型電
子顕微鏡写真からのカーボンナノチューブ直径計算)、
実施例16(酸性官能基含有率の計算)参照。
【0038】前記式で示される、カーボンナノチューブ
外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率は2%以上、
好ましくは4%以上、さらに好ましくは8%以上である
ことが好ましい。2%より小さいと、液中への分散性が
悪化する。
【0039】また、前記式を満たすカーボンナノチュー
ブの官能基を、化学反応などの手法をもちいてさらに修
飾して用いてもかまわない。
【0040】前記式で求められるカーボンナノチューブ
外表面の炭素に対する酸性官能基含有率が2%以上であ
るカーボンナノチューブは、親水性溶媒に分散又は溶解
し、カーボンナノチューブの分散液、溶液になる。親水
性溶媒の中でも、取り扱い上の安全性や、コストの面か
ら、水が最も好ましい。
【0041】本発明は、プラズマ処理したカーボンナノ
チューブを液に分散させた後、分級することを特徴とす
る精製カーボンナノチューブ溶液の製造方法も含む。プ
ラズマで処理したカーボンナノチューブを液に分散させ
たものは、カーボンナノチューブの固まりの大きさによ
って沈降速度が変わってくる。その性質を利用して、カ
ーボンナノチューブを遠心分離、フィルトレーション等
で固まりの大きさで分級する事が可能である。また、カ
ーボンナノチューブの製造に触媒を用いた場合、触媒部
分を含んでいるカーボンナノチューブと含んでいないカ
ーボンナノチューブの比重の違いを利用して遠心分離で
分級することも可能で、触媒を除去する精製も可能であ
る。このように、分級して固まりの大きさを均一にした
カーボンナノチューブは、フィールドエミッションディ
スプレーの電子源や、各種電極触媒としてコーティング
する場合に有用である。
【0042】本発明は、上記の方法で得られたカーボン
ナノチューブ分散液、またはカーボンナノチューブ溶液
を濃縮および/または乾燥することを特徴とする高濃度
カーボンナノチューブ分散液、溶液および粉末状カーボ
ンナノチューブの製造方法も含む。分散液から分級した
分散液や溶液を濃縮することによって高濃度のカーボン
ナノチューブ分散液や溶液が得られ、乾燥すれば粉末が
得られる。このようにして得られた粉末は、カーボンナ
ノチューブの絡まり方や固まり径が制御されているので
好ましい。濃縮や乾燥の方法は、通常の加熱による溶媒
の除去、真空排気による溶媒除去、凍結乾燥など従来公
知のすべての方法が利用できる。
【0043】本発明では、好ましくは(1)カーボンナ
ノチューブ合成工程、(2)カーボンナノチューブをプ
ラズマ処理する工程、(3)カーボンナノチューブを液
に分散する工程、(4)カーボンナノチューブを分級又
は固液分離する工程の4つの工程によりカーボンナノチ
ューブを製造する。従来、カーボンナノチューブの合成
方法は数多く提案されている。多くのカーボンナノチュ
ーブは絡まり合った固まり状で得られる。しかしなが
ら、実用化を考えた場合、カーボンナノチューブは、分
散していた方が良く、不純物と分離されていた方が好ま
しい。種々の精製方法が提案されているが、通常は強酸
やフッ酸を使用するという厳しい条件を使うものであ
る。また、今まで分散したカーボンナノチューブを効率
よく連続生産するプロセスは提案されていない。本発明
者らは、プラズマ処理によりカーボンナノチューブが液
中に良く分散することを見出し、その分散液が分級によ
って、溶液部分、微分散部分、触媒付着部分に分けるこ
とができることを見出した。
【0044】本発明において、第一工程のカーボンナノ
チューブ合成工程とは、どのような方法でも良い。公知
のあらゆる技術が利用できる。レーザーアブレーション
法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法、燃
焼法などが挙げられる。工程をスムーズに進めるために
は、気相で連続生産できる熱CVD法が好ましい。熱C
VD法は、600℃から1200℃の高温で触媒と炭素
源を接触させる方法で触媒を連続的に供給すれば連続的
にカーボンナノチューブを回収することができる。
【0045】第2工程は、プラズマ処理工程であり、こ
の工程は前述したとおりである。酸素ガスプラズマ処理
が好ましい。粉末のカーボンナノチューブを連続的に処
理できるプラズマ装置が好ましい。例えば、粉末のカー
ボンナノチューブを連続的(断続的でもよい)に供給
し、さらに、かき混ぜながらプラズマ処理を行うプラズ
マ処理装置として、外部電極方式を用いることが、装置
設計に自由度があり、且つ容易なことから好ましい。
【0046】第3工程の分散工程は、プラズマ処理され
たカーボンナノチューブを液中に分散させる工程であ
る。分散させる方法は特に限定されないが、例えば、超
音波処理は、出力が大きいものほど良く、10W以上、
好ましくは20W以上、さらに好ましくは50W以上で
あることが好ましい。ホモジナイザー(処理圧力は3M
Pa以上が好ましい)のような高速攪拌、アトライター
(回転数は100rpm以上が好ましい)、ボールミル
(ボールの衝撃は1G以上が好ましい)等の機械的衝撃
を加える攪拌でもよい。もちろん、通常の攪拌でもかま
わない。
【0047】第4の工程は、分散されたカーボンナノチ
ューブ分散液を分級又は固液分離する工程である。その
方法は特に限定されないが、例えばフィルトレーション
や遠心分離が適用できる。分級や固液分離によって、分
離された固体部分は、再度第3の工程に戻して、再分散
させて、再度第4の工程で溶液を回収することもでき
る。また、第4の工程で分級又は固液分離された、分散
度の低い部分は、乾燥した後、再度第2の工程に戻して
プラズマ処理をすることも行われる。また、第4の工程
で回収された最も比重の重い触媒を含有するカーボンナ
ノチューブは、空気中で焼成するなどしてカーボンナノ
チューブを除去して、触媒を第一の工程に戻すこともで
きる。
【0048】本発明では、次の2つの工程を有すること
を特徴とする触媒組成物の製造方法によって優れた触媒
組成物を製造することができる。(1)カーボンナノチ
ューブをプラズマ処理する工程と、(2)プラズマ処理
後のカーボンナノチューブを金属を含有する液と接触す
る工程である。具体的な製造方法としては、プラズマ処
理したカーボンナノチューブを金属を含有する水溶液に
加え、この水溶液を撹拌することで触媒組成物を得るこ
とができる。さらに、上記液体状態の触媒組成物は、乾
燥させて溶媒を取り除き、固体状態とすることもでき
る。本発明の触媒組成物についての詳細を以下に記す。
【0049】本発明における親水性のカーボンナノチュ
ーブは、水に分散するので触媒担体として好ましく使用
できる。通常触媒成分である金属は、金属塩の水溶液の
形で、担体上に担持するが、従来カーボンナノチューブ
は疎水性であり、カーボンナノチューブ表面に担持する
ことは困難であった。しかし本発明の親水性のカーボン
ナノチューブを使用すれば、金属塩の水溶液と馴染みが
良く、高分散にカーボンナノチューブ表面に金属触媒を
担持することが出来る。特に、カーボンナノチューブ表
面にカルボニル基やカルボン酸基が存在するため、金属
イオンを、これらの官能基との相互作用により特に良く
分散させることが出来る。本発明で言う触媒成分とは、
触媒能力があれば特に限定されないが、例えば、Pd,Pt,
Ru,Rh,Ag,Au,Re等の貴金属やTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Z
n等の金属やその酸化物が挙げられ、還元能や酸化能を
発現することが出来る。カーボンナノチューブはお互い
絡まり合っており、ガスや液の拡散性、濾過性ともに優
れており触媒として非常に適している。さらに、1〜5
層のカーボンナノチューブは直径が細くその外表面積が
大きいので優れている。本発明触媒組成物が優れている
点は、カーボンナノチューブが細いチューブ状であるた
めその曲率が大きく、触媒金属を微粒子化できることで
ある。
【0050】触媒金属が、微粒子化できると金属の表面
積が高くなり、触媒の活性は非常に高くなることは容易
に推定できる。また、金属を微粒子で担持させたカーボ
ンナノチューブは、カーボンナノチューブの製造触媒と
しても使用できる。例えば、コバルトを担持したカーボ
ンナノチューブを管状炉内に設置された石英管に置き、
アルゴン等の不活性ガスを流しながら、管状炉で500
℃〜1200℃に加熱し、加熱された時点で炭素含有化
合物を導入する事によりカーボンナノチューブを製造で
きる。
【0051】また、本発明では次の2つの工程を有する
ことを特徴とする有機化合物含有カーボンナノチューブ
の製造方法によって、優れた有機化合物含有カーボンナ
ノチューブを製造することができる。(1)カーボンナ
ノチューブをプラズマ処理する工程と、(2)プラズマ
処理後のカーボンナノチューブを有機化合物を含有する
液と接触する工程である。ここでいう有機化合物の好ま
しい例として、薬剤を挙げることができる。その理由
と、具体的な製造方法を以下に記す。上記のごとき親水
性のカーボンナノチューブは、薬剤輸送剤としても優れ
た性能を示す。本発明の親水性のカーボンナノチューブ
は、中空部分がオープンになっていれば、中空部分が疎
水性、外表面が親水性である。従って、中空部分に疎水
性の薬剤を吸着させたカーボンナノチューブを水に分散
させたものができる。人間や動物の体は、ほとんどが水
で出来ておりこのような物質は薬剤として使用できる。
中空部分に薬剤を吸着させたカーボンナノチューブを水
に分散させて、カテーテルで患部に挿入しても良く、そ
のまま飲み薬や、塗り薬、点眼薬などとして使用しても
良い。中空部分をオープンにするためには、酸化してや
ればよい。酸化は、気相酸化でも液相酸化でも良い。勿
論酸素プラズマ処理でも良い。薬剤輸送剤として使用す
る場合、重さ当たりの効果を考えた場合、壁が薄い方が
良いので細い方が好ましく、10層以下、更に好ましく
は5層以下、特に好ましくは2層カーボンナノチューブ
がベストである。体内での移動を考えた場合も、細い方
が好ましく2層カーボンナノチューブが最も好ましい。
単層カーボンナノチューブは、親水性と疎水性の両立が
困難である。このような薬剤の作り方は、特に限定され
ないが、(1)酸化処理によりナノチューブの先端をオ
ープンにする。(ナノチューブ先端は、反応性の高い炭
素5員環を多く含むため選択的に燃えて簡単にオープン
に出来る。オープンになったかどうかは77Kで窒素吸
着実験をすることによって確認できる)(2)本発明の
プラズマ処理を行い、水中で超音波をかけ分散させる。
(3)遠心分離により、浮遊物を取り除く。(4)カー
ボンナノチューブ分散水溶液に、疎水性の薬剤を少量添
加すると、疎水性の薬剤は疎水性のカーボンナノチュー
ブ中空部分に選択的に吸着される。このような工程によ
って作ることが出来る。
【0052】さらに本発明では、次の2つの工程を有す
ることを特徴とするコーティング用組成物の製造方法に
よって、優れたコーティング用組成物を製造することが
できる。(1)カーボンナノチューブをプラズマ処理す
る工程と、(2)プラズマ処理後のカーボンナノチュー
ブをコーティング用の主剤と混合する工程である。ここ
でいうコーティング用の主剤としては、例えば樹脂を挙
げることができる。樹脂としては、常温で液状態、また
は固体状態のものを挙げることができ、さらに、熱可塑
性、熱硬化性のものを挙げることができる。中でも、常
温で液状態の樹脂を用いることが、プラズマ処理したカ
ーボンナノチューブを樹脂と混合させる工程が常温で行
え工程設備が簡素化できることや、常温でコーティング
したい任意形状の対象物に塗布できることからコーティ
ングの工程設備が簡素化できることから好ましい。さら
に、硬化性の樹脂を用いることが、例えばコーティング
用組成物をコーティングしたい任意形状の対象物表面に
塗布した後、コーティング用組成物を硬化させること
で、コーティング用組成物を任意形状の対象物表面に強
固に固定することができることから好ましい。プラズマ
処理後のカーボンナノチューブをコーティング用の主剤
と混合する方法としては、超音波やホモジナイザー、ア
トライター、ボールミル、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機を用いることが
できる。なお、ここでいうコーティング用組成物とは、
ペースト状組成物も含む。本発明のコーティング用組成
物に関する詳細を以下に記す。
【0053】本発明における官能基を付与したカーボン
ナノチューブは、前述したように、親水化処理されたカ
ーボンナノチューブの場合は親水性溶媒に、疎水化され
たカーボンナノチューブは疎水性溶媒に分散、溶解させ
ることが容易である。このため、官能基を付与したカー
ボンナノチューブと、官能基を付与したカーボンナノチ
ューブを分散可能な溶媒を含有する組成物を作成するこ
とで、カーボンナノチューブが高分散した組成物を得る
ことができる。カーボンナノチューブが高分散した組成
物は、カーボンナノチューブの持つ良導電性、高強度特
性、電界電子放出特性を十分に引き出すことができる優
れた組成物となる。
【0054】このため、官能基を付与したカーボンナノ
チューブを含有し、好ましくは官能基を付与したカーボ
ンナノチューブが分散可能な溶媒も含有し、さらに好ま
しくは硬化性を有する液状物質をも含有することを特徴
とするコーティング用組成物を作成することで、コーテ
ィング用組成物を固体表面に塗布して固体表面の導電性
を向上することができる。もちろんコーティング用組成
物は固体表面上で硬化させてもよい。また、コーティン
グ用組成物を型に流し込み硬化させることで、導電性や
強度に優れた任意形状の固体物質を得ることができる。
さらに、コーティング用組成物(硬化させた後でも良
い)に電極を取り付けることで、優れた電界電子放出特
性を示す電子デバイスを得ることができる。
【0055】コーティング用組成物を作成する際に用い
る原料として、透明性を有する原料を選択し、カーボン
ナノチューブの添加量を1wt%以下にすることで、得
られるコーティング用組成物は透明性を有することがで
きる。コーティング用組成物を作成する際に用いる原料
として、硬化後も透明性を有する原料を選択すること
で、硬化後も透明性を有するコーティング用組成物を得
ることができる。このため、上記特性(良導電性、高強
度特性、電界電子放出特性)に加えて、透明性の特性を
併せ持つことができる。
【0056】コーティング用組成物を硬化させる方法と
しては、コーティング用組成物に熱硬化や光硬化を起こ
す原料などの、徐々に反応し固体状態へと移行する原料
を含有する方法が挙げられる。例えば、コーティング用
組成物に1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合
物(エポキシ樹脂)と、エポキシ基と反応する水酸基を
有する化合物(硬化剤)、さらに、エポキシ樹脂と硬化
剤の反応を促進する硬化促進剤を含有することで、熱硬
化により硬化させることができる。
【0057】また、常温では固体状態の原料を用いて、
コーティング用組成物を高温で溶融させた状態で保持
し、硬化が必要なときに冷却する方法、などが挙げられ
る。具体的には、常温では比較的固体状態に近い、長鎖
脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、パラフィンワ
ックス、シリコーン化合物などを用いることができる。
【0058】上記コーティング用組成物は、非晶性シリ
カ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、アルミナ、マグネシア、窒化珪素、酸化マグネシウ
ムアルミニウム、ジルコニア、ジルコン、クレー、タル
ク、マイカ、珪酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチ
モン、アスベスト、ガラス繊維などの無機材料を含んで
いても構わない。
【0059】本発明は、粉末状のカーボンナノチューブ
を効率よくプラズマ処理できる方法を見出したものであ
る。プラズマ処理の結果、表面が特定の官能基化できた
新規なカーボンナノチューブを得ることができ、新規な
カーボンナノチューブの分散液、溶液が得られるように
なった。更には、触媒の担体として、また薬剤輸送材
料、コーティング用組成物として非常に使いやすい状態
となった。プラズマ処理は、マイルドにカーボンナノチ
ューブ表面を親水化できる処理であり、今まで困難であ
った層数の少ない1〜5層のカーボンナノチューブをそ
の構造を大きく壊すことなく処理できる点で有利であ
る。また、プラズマ処理のガスの種類、プラズマ処理条
件を選べば、CVD法でカーボンナノチューブを作った
場合に、カーボンナノチューブ表面の熱分解炭素を取り
除いたり、残したまま処理することも可能である。通常
の酸化処理では、熱分解炭素の被覆物は実質的に取り除
かれるケースが多い。
【0060】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はここに掲げる実施例によって限定され
るものではない。
【0061】実施例1(カーボンナノチューブの合成) K.Hernadi、A.Fonsecaらによる報告
を参照(Zeolites 17:416−423、1
996)し、酢酸鉄(2g)、酢酸コバルト(2g)、
Y型ゼオライト(東ソー社製HSZ−310NAA L
ot.No.GZ−143−3〜5)(10g)を秤量
し、メタノール(100ml)を加えて、振とう器にて
1時間攪拌後、メタノール分を乾燥除去し、触媒を得
た。次に、図2に示すCVD反応装置を用いて、反応管
内の石英ウール上に触媒1gをあらかじめセットし、窒
素(30cc/分)雰囲気下で600℃まで昇温後、ア
セチレン(6cc/分)、窒素(30cc/分)雰囲気
下で600℃×5時間保持しカーボンナノチューブを合
成した。その後、窒素(30cc/分)雰囲気下で室温
まで冷却し、反応物を取り出した。
【0062】実施例2(カーボンナノチューブの確認) 実施例1で得られた触媒とカーボンナノチューブの混合
物を、フッ化水素酸10%水溶液中で3時間攪拌後、ろ
紙(Toyo Roshi Kaisha、Filte
r Paper 2号 125mm)を用いてろ過し、
ろ紙上の固形物を、イオン交換水、アセトン溶液にて洗
浄後、乾燥し、カーボンナノチューブを得た。図3、4
に、得られたカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡
(TEM)観察結果を、図5、6に走査型電子顕微鏡
(SEM)の観察結果を示す。図3〜6から、多層カー
ボンナノチューブを多く含むことがわかる。図5、図6
から、繊維状物質がほとんどであり、粒子状物質がない
ことがわかる。つまり、カーボンナノチューブを90%
以上含むサンプルであることがわかる。また、SEMの
EDXを用いて元素分析を行ったところ、Y型ゼオライ
トの存在率はEDXの測定限界以下(ほぼ0%)である
結果を得た。
【0063】実施例3(プラズマ処理) 実施例2で得られたカーボンナノチューブ0.5gを、
ガラス製シャーレー上にうすく広げて、YAMATO化
学製PLASMA CHAMBER MODEL PC
−101Aを用いて、酸素ガス、圧力20Pa、POW
ER300Wの条件で、5分間プラズマ処理を行った。
図7、8に、得られたプラズマ処理カーボンナノチュー
ブの透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果を、図9,1
0に走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果を示す。図
7〜10から、多層カーボンナノチューブを多く含み、
その大きさは、実施例2で得られたものと同様であるこ
とがわかる。そして、カーボンナノチューブ外表面の付
着物が減少していることも確認できる。
【0064】実施例4(分散液の製造) 実施例3で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、イオン交換水50mlを加えて、振と
う器にて1時間攪拌後、48時間静置した結果、カーボ
ンナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認できた。スポ
イトで分散液部分を回収し、乾燥させた試料を走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、分散液に
図9、10と同様のカーボンナノチューブが確認でき
た。
【0065】実施例5(プラズマ処理) 実施例2で得られたカーボンナノチューブ0.5gを、
ガラス製シャーレー上にうすく広げて、YAMATO化
学製PLASMA CHAMBER MODEL PC
−101Aを用いて、酸素ガス、圧力20Pa、POW
ER300Wの条件で、5分間プラズマ処理を行い、一
度取り出して、シャーレー上のプラズマ処理カーボンナ
ノチューブを、かき混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動
作)、シャーレー上にうすく広げ、再び同様のプラズマ
処理を行う作業を繰り返し、合計15分(計3回)のプ
ラズマ処理を行った。図11、12に、得られたプラズ
マ処理カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡(TE
M)観察結果を、図13、14に走査型電子顕微鏡(S
EM)の観察結果を示す。図7〜10とよく似た結果で
あり、多層カーボンナノチューブを多く含み、その大き
さは、実施例2と同様であることが確認できた。そし
て、カーボンナノチューブ外表面の付着物が減少してい
た。
【0066】実施例6(分散液の製造) 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、イオン交換水50mlを加えて、振と
う器にて1時間攪拌後、48時間静置した結果、カーボ
ンナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認できた。スポ
イトで分散液部分を回収し、乾燥させた試料を走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、分散液に
図13、14と同様のカーボンナノチューブが確認でき
た。
【0067】実施例7 (分散液の製造) 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超音
波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON321
0、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間
処理後、48時間静置して得られた試料を観察したとこ
ろ、カーボンナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認で
きた。スポイトで分散液部分を回収し、乾燥させた試料
を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したとこ
ろ、分散液に図13、14と同様のカーボンナノチュー
ブが確認できた。
【0068】実施例8 実施例4、実施例6、実施例7で得られたカーボンナノ
チューブ分散液20mlを透明ガラス製サンプル瓶に移
して比較した結果、実施例7>実施例6>実施例4の順
で分散液が濃い結果を得た。プラズマ処理の際にカーボ
ンナノチューブをかき混ぜる、さらに超音波処理を用い
ることで、より高濃度なカーボンナノチューブ分散液が
得られることがわかる。
【0069】実施例9 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、エタノール50mlを加えて、超音波
洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON321
0、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間
処理後、48時間静置して得られた試料を観察したとこ
ろ、カーボンナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認で
きた。スポイトで分散液部分を回収し、乾燥させた試料
を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したとこ
ろ、分散液に図13、14と同様のカーボンナノチュー
ブが確認できた。
【0070】実施例10 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、エチレングリコール50mlを加え
て、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSO
N3210、発信周波数47KHz、出力130W)に
て1時間処理後、48時間静置して得られた試料を観察
したところ、カーボンナノチューブ分散液と黒い沈殿物
が確認できた。スポイトで分散液部分を回収し、乾燥さ
せた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し
たところ、分散液に図13、14と同様のカーボンナノ
チューブが確認できた。
【0071】実施例11 実施例7で得られた、カーボンナノチューブ分散液を、
ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Filt
er Paper 2号 125mm)を用いてろ過し
たところ、ろ紙を通過したろ液として、透明感のある黒
色の溶液を得た。図15、16に、得られた溶液を乾燥
させた試料の、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果
を、図17、18に得られた溶液を乾燥させた試料の、
走査型電子顕微鏡(SEM)の観察結果を示す。図15
〜18から、多層カーボンナノチューブを多く含み、そ
の大きさは図11〜14と比較して長軸方向に短く、互
いに絡まり合っていないことがわかる。
【0072】実施例12 実施例7で得られた、カーボンナノチューブ分散液を、
遠心分離器(装置:KUBOTA KR−20000
T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用いて、
回転数12000rpm(約17000(×g))×1
時間、遠心分離したところ、上澄み液として、透明感の
ある黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収し、
乾燥させた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて
観察したところ、溶液に図17、18と同様のカーボン
ナノチューブが確認できた。
【0073】実施例13 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブについて、X線光電子分光法を用いたカーボンナノ
チューブの表面組成分析を行った結果、酸素原子が10
%の割合であり、C1sピーク分割から、芳香環又はC
Hx(88%)に対して、カルボキシル基又はエステル
(COO、2%)、カルボニル基(C=O、4%)、エ
ーテル基又は水酸基(C−O、5%)の官能基を持つ結
果を得た。カルボキシル基又はフェノール性水酸基の影
響で、分散液や溶液は、酸性を呈すると考えられる。
【0074】実施例14 実施例5で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超音
波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON321
0、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間
処理後、48時間静置して得られた分散液のpHを、ガ
ラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工業、HM−3
0V)を用いて測定したところ、pH=5.5であっ
た。一般によく知られた中和滴定を、42.5×10-6
(mol/l)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、p
H=7.0を終点として行った結果、水酸化ナトリウム
水溶液145mlを要した。つまり、0.25mgの水
酸化ナトリウム(NaOH、40g/mol)を要し
た。この結果から、プラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mg中の酸性官能基のモル数は6.3×10-6
(mol)と計算できる。
【0075】実施例15 図3、4に示す透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、
ひとつのカーボンナノチューブを重複して用いないルー
ルを適用して、任意に20点のカーボンナノチューブの
外半径、内半径を計測し、それぞれ平均値を計算した結
果、Ra:カーボンナノチューブ平均外半径11.5n
m、Rb:カーボンナノチューブ平均内半径3.3nm
の結果を得た。また、Rk:カーボンナノチューブ層間
距離0.34nmを用いた。
【0076】実施例16 実施例14、15の結果から、前記式を用いてカーボン
ナノチューブ外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率
(%)を計算した結果、12%の結果を得た。
【0077】実施例17 実施例1で得られた触媒とカーボンナノチューブの混合
物0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げて、
YAMATO化学製PLASMA CHAMBER M
ODEL PC−101Aを用いて、酸素ガス、圧力2
0Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラズマ
処理を行った。
【0078】実施例18 実施例17で得られたプラズマ処理後の触媒とカーボン
ナノチューブの混合物10mgに、イオン交換水50m
lを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BR
ANSON3210、発信周波数47KHz、出力13
0W)にて1時間処理後、48時間静置して得られた試
料を観察したところ、カーボンナノチューブ分散液と黒
い沈殿物が確認できた。スポイトで分散液部分を回収
し、乾燥させた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察した結果、分散液に図9、10と同様のカーボンナノ
チューブが確認できた。さらに、SEMのEDXを用い
て元素分析を行ったところ、Y型ゼオライトの存在率は
EDXの測定限界以下(ほぼ0%)である結果を得た。
一方、沈殿物のEDX測定結果では、Y型ゼオライトの
存在が確認された。これにより、分散液を回収する、す
なわち分級することによって、実施例2のような強酸を
用いなくても、触媒部分を除去でき、カーボンナノチュ
ーブの精製が可能であることがわかる。
【0079】実施例19 実施例1で得られた触媒とカーボンナノチューブの混合
物0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げて、
YAMATO化学製PLASMA CHAMBER M
ODEL PC−101Aを用いて、酸素ガス、圧力2
0Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラズマ
処理を行い、シャーレー上のプラズマ処理カーボンナノ
チューブを、かき混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動
作)、シャーレー上にうすく広げ、再び同様のプラズマ
処理を行う作業を繰り返し、合計15分(計3回)のプ
ラズマ処理を行った。
【0080】実施例20 実施例19で得られたプラズマ処理後の触媒とカーボン
ナノチューブの混合物10mgに、イオン交換水50m
lを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学製、BR
ANSON3210、発信周波数47KHz、出力13
0W)にて1時間処理後、48時間静置して得られた試
料を観察したところ、カーボンナノチューブ分散液と黒
い沈殿物が確認できた。スポイトで分散液部分を回収
し、乾燥させた試料を走査型電子顕微鏡(SEM)を用
いて観察したところ、分散液に図13、14と同様のカ
ーボンナノチューブが確認できた。さらに、SEMのE
DXを用いて元素分析を行ったところ、Y型ゼオライト
の存在率はEDXの測定限界以下(ほぼ0%)である結
果を得た。一方、沈殿物のEDX測定結果では、Y型ゼ
オライトの存在が確認された。これにより、実施例18
同様、分散液を回収する、すなわち分級することによっ
て、実施例2のような強酸を用いなくても、触媒部分を
除去でき、カーボンナノチューブの精製が可能であるこ
とがわかる。
【0081】実施例21 実施例20で得られた、カーボンナノチューブ分散液
を、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Fi
lter Paper 2号 125mm)を用いてろ
過したところ、ろ紙を通過したろ液として、透明感のあ
る黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収し、乾
燥させた試料を透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電
子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、溶液に図
15〜18と様のカーボンナノチューブが確認できた。
さらに、SEMのEDXを用いて元素分析を行ったとこ
ろ、Y型ゼオライトの存在率はEDXの測定限界以下
(ほぼ0%)である結果を得た。
【0082】実施例22 実施例20で得られた、カーボンナノチューブ分散液
を、遠心分離器(装置:KUBOTA KR−2000
0T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用い
て、回転数12000rpm(約17000(×g))
×1時間、遠心分離したところ、上澄み液として、透明
感のある黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収
し、乾燥させた試料を透過型電子顕微鏡(TEM)、走
査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、溶
液に図15〜18と同様のカーボンナノチューブが確認
できた。さらに、SEMのEDXを用いて元素分析を行
ったところ、Y型ゼオライトの存在率はEDXの測定限
界以下(ほぼ0%)である結果を得た。
【0083】実施例23 実施例21で得られた、ろ紙を通過しなかったろ紙上の
固形物を回収し、イオン交換水50mlを加えて、超音
波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON321
0、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時間
処理後、48時間静置して得られた試料を観察したとこ
ろ、カーボンナノチューブ分散液、黒い沈殿物が得ら
れ、ろ紙(Toyo Roshi Kaisha、Fi
lterPaper 2号 125mm)を用いてろ過
したところ、ろ紙を通過したろ液として、透明感のある
黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収し、乾燥
させた試料を透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子
顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、溶液に図1
5〜18と同様のカーボンナノチューブの存在が確認で
きた。さらに、SEMのEDXを用いて元素分析を行っ
たところ、Y型ゼオライトの存在率はEDXの測定限界
以下(ほぼ0%)である結果を得た。
【0084】実施例24 実施例22で得られた、沈殿物を回収し、イオン交換水
50mlを加えて、超音波洗浄機(YAMATO化学
製、BRANSON3210、発信周波数47KHz、
出力130W)にて1時間処理後、48時間静置して得
られた試料を観察したところ、カーボンナノチューブ分
散液、黒い沈殿物が得られ、遠心分離器(装置:KUB
OTA KR−20000T、ローター:RA−3 5
0ml×8本)を用いて、回転数12000rpm(約
17000(×g))×1時間、遠心分離したところ、
上澄み液として、透明感のある黒色の溶液を得た。スポ
イトで溶液部分を回収し、乾燥させた試料を透過型電子
顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い
て観察したところ、溶液に図15〜18と同様のカーボ
ンナノチューブが確認できた。さらに、SEMのEDX
を用いて元素分析を行ったところ、Y型ゼオライトの存
在率はEDXの測定限界以下(ほぼ0%)である結果を
得た。
【0085】実施例25 実施例22で得られた溶液を、60℃に保った恒温槽に
静置したところ、溶液が濃縮され、さらに、60℃に保
った恒温槽に静置したところ、カーボンナノチューブ粉
末が得られた。
【0086】比較例1 実施例2で得られたカーボンナノチューブ10mgに、
イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(YAM
ATO化学製、BRANSON3210、発信周波数4
7KHz、出力130W)にて1時間処理後、48時間
静置して得られた試料を観察したところ、液状の上層部
は無色透明で、黒い沈殿物のみが確認できた。
【0087】比較例2 実施例2で得られたカーボンナノチューブについて、X
線光電子分光法を用いたカーボンナノチューブの表面組
成分析を行った結果、酸素原子が1%の割合であり、C
1sピーク分割から、芳香環又はCHx(98%)に対
して、カルボキシル基又はエステル(COO、0%)、
カルボニル基(C=O、1%)、エーテル基又は水酸基
(C−O、1%)の官能基を持つ結果を得た。
【0088】比較例3 実施例2で得られたカーボンナノチューブ10mgに、
イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(YAM
ATO化学製、BRANSON3210、発信周波数4
7KHz、出力130W)にて1時間処理後、48時間
静置して得られた試料のpHをガラス電極式水素イオン
濃度計(東亜電波工業、HM−30V)を用いて測定し
たところ、pH=7.0であった(酸性官能基の含有率
0%)。
【0089】実施例26 酢酸第一鉄(アルドリッチ社製)0.08gと酢酸コバ
ルト4水和物(ナカライテスク)社製)0.11gとを
水7mlに加え、超音波洗浄機で10分間懸濁した。実
施例5で得られたプラズマ処理したカーボンナノチュー
ブを1.0g加え、超音波洗浄機で10分間処理し、6
0℃の恒温下で水を除去して金属塩が担持した触媒を得
た。内径30mmの石英管の中央部の石英プレート上
に、上記で得た金属塩を担持したカーボンナノチューブ
を0.050g取り、窒素を30ml/分で供給した。
石英管を電気炉中に設置して中心温度を600℃に加熱
した。超高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を6
ml/分で30分間供給した後、アセチレンガスの供給
をやめ、温度を室温まで冷却した。石英プレート上に堆
積した反応物を日本電子データム(株)走査電子顕微鏡
JSM6301NFで観察したところ、ほとんど非晶質
のカーボン質の堆積は無かった。ファイバー状物質の形
状を透過型電子顕微鏡で測定したところ、外径が20n
m以下で内径が5nm程度の細い中空状ナノファイバー
が主成分であることがわかった。高分解能透過型電子顕
微鏡で中空状ナノファイバーを観察したところナノファ
イバーの壁はグラファイト層で構成されていた。
【0090】実施例27 実施例2で得られた多層カーボンナノチューブを空気中
400℃で30分焼成した。焼成後、実施例5の方法で
プラズマ処理し実施例7の方法で水に分散させた。イブ
プロフェンを少量この系に加えた。5時間後12000
回転の遠心分離で固形分を回収し、液部分のイブプロフ
ェンを定量したところ、イブプロフェンは加えた量の半
分以下になっていた。回収した固形分であるカーボンナ
ノチューブは再び水を加え、超音波をかけると分散し
た。中空部分に薬剤を吸着した多層カーボンナノチュー
ブの分散水がえられた。
【0091】実施例28(窒素プラズマ処理) 実施例2で得られたカーボンナノチューブ0.5gを、
ガラス製シャーレー上にうすく広げて、YAMATO化
学製PLASMA CHAMBER MODEL PC
−101Aを用いて、窒素ガス、圧力20Pa、POW
ER300Wの条件で、5分間プラズマ処理を行い、一
度取り出して、シャーレー上のプラズマ処理カーボンナ
ノチューブを、かき混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動
作)、シャーレー上にうすく広げ、再び同様のプラズマ
処理を行う作業を繰り返し、合計15分(計3回)のプ
ラズマ処理を行った。透過型電子顕微鏡(TEM)観察
と走査型電子顕微鏡(SEM)の観察の結果、実施例2
と同様のカーボンナノチューブであることが確認でき
た。高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところプラズ
マ処理前後とも熱分解炭素の被覆が確認できた。
【0092】実施例29 実施例28で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチ
ューブについて、X線光電子分光法を用いたカーボンナ
ノチューブの表面組成分析を行った結果、酸素原子が1
0%の割合であり、C1sピーク分割から、芳香環又は
CHx(88%)に対して、カルボキシル基又はエステ
ル(COO、2%)、カルボニル基(C=O、3%)、
エーテル基又は水酸基(C−O、6%)の官能基を持つ
結果を得た。カルボキシル基やフェノール性水酸基の影
響で、分散液や溶液は、酸性を呈すると考えられる。
【0093】実施例30 実施例28で得られたプラズマ処理後のカーボンナノチ
ューブ10mgに、イオン交換水50mlを加えて、超
音波洗浄機(YAMATO化学製、BRANSON32
10、発信周波数47KHz、出力130W)にて1時
間処理後、48時間静置して得られた分散液のpHを、
ガラス電極式水素イオン濃度計(東亜電波工業、HM−
30V)を用いて測定したところ、pH=5.5であっ
た。一般によく知られた中和滴定を、42.5×10-6
(mol/l)の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、p
H=7.0を終点として行った結果、水酸化ナトリウム
水溶液118mlを要した。つまり、0.20mgの水
酸化ナトリウム(NaOH、40g/mol)を要し
た。この結果から、プラズマ処理後のカーボンナノチュ
ーブ10mg中の酸性官能基のモル数は5.0×10-6
(mol)と計算できる。
【0094】実施例31 図3、4に示す透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、
ひとつのカーボンナノチューブを重複して用いないルー
ルを適用して、任意に20点のカーボンナノチューブの
外半径、内半径を計測し、それぞれ平均値を計算した結
果、Ra:カーボンナノチューブ平均外半径11.5n
m、Rb:カーボンナノチューブ平均内半径3.3nm
の結果を得た。また、Rk:カーボンナノチューブ層間
距離0.34nmを用いた。
【0095】実施例32 実施例30、31の結果から、前記式を用いてカーボン
ナノチューブ外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率
(%)を計算した結果、9.6%の結果を得た。
【0096】実施例33 J.L.Hutchisonらの方法(Carbon 39 (2001) 761-770)に
従って、アーク放電法でカーボンナノチューブを生成し
た。アノードは直径3.2mm長さ140mmの穴に触媒が埋め込
まれた直径8.2mmのグラファイトロッド、カソードは直
径10mm,長さ25mmのグラファイトロッドとした。触媒
は、次のように調製した。粒子径2-5μmのNi,Co,Fe粉末
の混合物と硫黄原子を良く粉砕した後、アルゴンガス下
で500℃1時間焼成した。ボールミルでμサイズまで
粉砕した後すぐにカーボン粉末と混ぜた。3.2mmの穴を
ドリルであけたグラファイトロッドにぎっしりつめた。
アノードの組成は、カーボンに対して、Ni 2.6at%,Co
0.7at%,Fe 1.45at%,S 0.75at%であった。アルゴン:水
素体積比1:1で350torrで75−80Aのアーク電
流でCNT合成を行った。両電極は2mmの距離で電圧差
は26〜28Vとした。
【0097】実施例34 実施例33で得られたカーボンナノチューブを含むカー
ボン0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げ
て、YAMATO化学製PLASMA CHAMBER
MODEL PC−101Aを用いて、窒素ガス、圧
力20Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラ
ズマ処理を行い、一度取り出して、シャーレー上のプラ
ズマ処理カーボンナノチューブを、かき混ぜ(ひっくり
返す、転がす等の動作)、シャーレー上にうすく広げ、
再び同様のプラズマ処理を行う作業を繰り返し、合計1
0分(計2回)のプラズマ処理を行った。
【0098】プラズマ処理後のカーボン材料10mg
に、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(Y
AMATO化学製、BRANSON3210、発信周波
数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48
時間静置して得られた試料を観察したところ、カーボン
ナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認できた。分散液
を、遠心分離器(装置:KUBOTA KR−2000
0T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用い
て、回転数12000rpm(約17000(×g))
×1時間、遠心分離したところ、上澄み液として、透明
感のある黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収
し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、炭素不
純物の付着した2〜5層のカーボンナノチューブが多く
見られた。5万倍の走査型電子顕微鏡で見たところ、8
0%は、繊維状物質で、20%は粒子状物質であった。
【0099】乾燥させて重量を図り、再度水に分散させ
て、先の実施例と同様に酸量を量り、酸性官能基の含有
率を求めたところ、8.5%であった。 実施例35 実施例33で得られたカーボンナノチューブを含むカー
ボン0.5gを、ガラス製シャーレー上にうすく広げ
て、YAMATO化学製PLASMA CHAMBER
MODEL PC−101Aを用いて、窒素ガス、圧
力20Pa、POWER300Wの条件で、5分間プラ
ズマ処理を行い、一度取り出して、シャーレー上のプラ
ズマ処理カーボンナノチューブを、かき混ぜ(ひっくり
返す、転がす等の動作)、シャーレー上にうすく広げ、
再び同様のプラズマ処理を行う作業を繰り返し、合計2
0分(計4回)のプラズマ処理を行った。
【0100】プラズマ処理後のカーボン材料10mg
に、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(Y
AMATO化学製、BRANSON3210、発信周波
数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48
時間静置して得られた試料を観察したところ、カーボン
ナノチューブ分散液と黒い沈殿物が確認できた。分散液
を、遠心分離器(装置:KUBOTA KR−2000
0T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用い
て、回転数12000rpm(約17000(×g))
×1時間、遠心分離したところ、上澄み液として、透明
感のある黒色の溶液を得た。スポイトで溶液部分を回収
し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察した結果、炭素不
純物の付着した2〜5層のカーボンナノチューブが多く
見られた。 実施例36 フロンティアカーボン社より購入した単層カーボンナノ
チューブ(純度20%)0.5gを、ガラス製シャーレ
ー上にうすく広げて、YAMATO化学製PLASMA
CHAMBER MODEL PC−101Aを用い
て、窒素ガス、圧力20Pa、POWER300Wの条
件で、5分間プラズマ処理を行い、一度取り出して、シ
ャーレー上のプラズマ処理カーボンナノチューブを、か
き混ぜ(ひっくり返す、転がす等の動作)、シャーレー
上にうすく広げ、再び同様のプラズマ処理を行う作業を
繰り返し、合計15分(計3回)のプラズマ処理を行っ
た。
【0101】プラズマ処理後のカーボン材料10mg
に、イオン交換水50mlを加えて、超音波洗浄機(Y
AMATO化学製、BRANSON3210、発信周波
数47KHz、出力130W)にて1時間処理後、48
時間静置して得られた試料を観察したところ、カーボン
ナノチューブ分散液と黒っぽい沈殿物が確認できた。分
散液を、遠心分離器(装置:KUBOTA KR−20
000T、ローター:RA−3 50ml×8本)を用
いて、回転数12000rpm(約17000(×
g))×1時間、遠心分離したところ、上澄み液とし
て、透明感のある黒っぽい色の溶液を得た。スポイトで
溶液部分を回収し、高分解能透過型電子顕微鏡で観察し
た結果、単層のカーボンナノチューブが多く見られた。 実施例37 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量19
0)160重量部、ジグリシジルエーテル型希釈剤(エ
ポキシ当量150)40重量部、無機充填材であるアエ
ロジル(平均粒子径30nm)10重量部と、カルボン
酸無水物であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸160
重量部とトリフェニルホスフィン4重量部を溶解して得
た硬化剤液と、実施例36で得られたプラズマ処理した
カーボンナノチューブ1重量部と、エタノール100重
量部を配合して、カーボンナノチューブの高分散したペ
ースト状組成物を得た。ペースト状組成物を直径3c
m、厚さ5mmの型に流し込み、70℃で1時間、さら
に180℃で2時間加熱したところ、ペースト状組成物
は硬化し、カーボンナノチューブが高分散した固体の円
盤が得られた。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、プラズマ処理したカー
ボンナノチューブ、分散液、溶液および組成物を得るこ
とができる。
【0103】カーボンナノチューブをプラズマ処理(特
に酸素ガスプラズマが好ましい)する方法は、カーボン
ナノチューブの分散性の向上、精製度の改良、外表面へ
の官能基付与が同時に、簡易的に短時間で行うことがで
きる優れた処理方法である。
【0104】層数の少ない、単層や2〜5層のカーボン
ナノチューブにおいても、プラズマ処理(特に窒素ガス
プラズマが好ましい)であれば、その構造を大きく破壊
することなく、分散性の向上、精製度の改良、外表面へ
の官能基付与が可能である。
【0105】プラズマ処理の際にカーボンナノチューブ
をかき混ぜることで、より大きな効果が得られる。
【0106】カーボンナノチューブ分散液、溶液は、プ
ラズマ処理したカーボンナノチューブ(カーボンナノチ
ューブ外表面の炭素に対する酸性官能基の含有率が2%
以上のカーボンナノチューブ)を用いることで得られ
る。
【0107】また、カーボンナノチューブ分散液、溶液
を分級することでカーボンナノチューブを精製すること
ができる。さらに、カーボンナノチューブの製造に触媒
を用いた場合、カーボンナノチューブ分散液、溶液を分
級することで触媒を除去する精製も行うことができる。
【0108】カーボンナノチューブ分散液、溶液、およ
びこれらから得られるカーボンナノチューブは、塗料や
樹脂への添加剤用途、電子部品用途、医療用途など、そ
の用途は広く期待できる。さらに、カーボンナノチュー
ブ分散液、溶液の分級によるカーボンナノチューブの精
製方法は、強酸等を用いないことや触媒のリサイクルが
可能となり、人体への影響や環境問題の観点から有効で
ある。これらのことにより、本発明による産業上の利用
価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層カーボンナノチューブの模式図である。
【図2】CVD装置の断面図である。
【図3】実施例2で得たカーボンナノチューブのTEM
写真(×400000)。
【図4】実施例2で得たカーボンナノチューブのTEM
写真(×160000)。
【図5】実施例2で得たカーボンナノチューブのSEM
写真(×50000)。
【図6】実施例2で得たカーボンナノチューブのSEM
写真(×50000)。
【図7】実施例3で得たカーボンナノチューブのTEM
写真(×400000)。
【図8】実施例3で得たカーボンナノチューブのTEM
写真(×160000)。
【図9】実施例3で得たカーボンナノチューブのSEM
写真(×50000)。
【図10】実施例3で得たカーボンナノチューブのSE
M写真(×50000)。
【図11】実施例5で得たカーボンナノチューブのTE
M写真(×400000)。
【図12】実施例5で得たカーボンナノチューブのTE
M写真(×160000)。
【図13】実施例5で得たカーボンナノチューブのSE
M写真(×50000)。
【図14】実施例5で得たカーボンナノチューブのSE
M写真(×50000)。
【図15】実施例11で得たカーボンナノチューブのT
EM写真(×400000)。
【図16】実施例11で得たカーボンナノチューブのT
EM写真(×160000)。
【図17】実施例11で得たカーボンナノチューブのS
EM写真(×50000)。
【図18】実施例11で得たカーボンナノチューブのS
EM写真(×50000)。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA03 AA08 BA08A BA08B BB02B BB04A BC31A BC32A BC33A BC57A BC61A BC65A BC66B BC67B BC69A EA03X EA03Y EB08 ED02 FA02 FB17 FB58 4G146 AA11 AB01 AB10 AD17 AD35 AD37 BA04 CB10 CB16 CB35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質材料をプラズマで処理することを特
    徴とする、炭素質材料の処理方法。
  2. 【請求項2】炭素質材料をプラズマで処理する際に、炭
    素質材料をかき混ぜることを特徴とする、請求項1記載
    の炭素質材料の処理方法。
  3. 【請求項3】炭素質材料がカーボンナノチューブを含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の炭素質材
    料の処理方法。
  4. 【請求項4】カーボンナノチューブが1〜5層であるこ
    とを特徴とする、請求項3記載の炭素質材料の処理方
    法。
  5. 【請求項5】請求項3または4記載のプラズマ処理した
    カーボンナノチューブを、液に分散させることを特徴と
    する、カーボンナノチューブ分散液を得る方法。
  6. 【請求項6】請求項3または4記載のプラズマ処理した
    カーボンナノチューブを、液に分散させた後、固液分離
    することを特徴とする、カーボンナノチューブ溶液を得
    る方法。
  7. 【請求項7】請求項3または4記載のプラズマ処理した
    カーボンナノチューブを、液に分散させた後、分級する
    ことを特徴とする精製カーボンナノチューブ溶液を得る
    方法。
  8. 【請求項8】請求項5記載の方法により得たカーボンナ
    ノチューブ分散液、請求項6記載の方法により得たカー
    ボンナノチューブ溶液または請求項7記載の方法により
    得た精製カーボンナノチューブ溶液を、濃縮することを
    特徴とする高濃度カーボンナノチューブ分散液、高濃度
    カーボンナノチューブ溶液または高濃度精製カーボンナ
    ノチューブ溶液の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項5記載の方法により得たカーボンナ
    ノチューブ分散液、請求項6記載の方法により得たカー
    ボンナノチューブ溶液または請求項7記載の方法により
    得た精製カーボンナノチューブ溶液を、乾燥することを
    特徴とする粉末状カーボンナノチューブの製造方法。
  10. 【請求項10】(1)カーボンナノチューブ合成工程、
    (2)カーボンナノチューブプラズマ処理工程、(3)
    カーボンナノチューブを液に分散する工程、(4)カー
    ボンナノチューブを分級又は固液分離する工程の4つの
    工程を含有することを特徴とするカーボンナノチューブ
    の製造方法。
  11. 【請求項11】次の2つの工程を含有することをことを
    特徴とする触媒組成物の製造方法。 (1)カーボンナノチューブをプラズマ処理する工程 (2)プラズマ処理後のカーボンナノチューブを金属を
    含有する液と接触する工程
  12. 【請求項12】次の2つの工程を有することを特徴とす
    る有機化合物含有カーボンナノチューブの製造方法。 (1)カーボンナノチューブをプラズマ処理する工程 (2)プラズマ処理後のカーボンナノチューブを有機化
    合物を含有する液と接触する工程
  13. 【請求項13】次の2つの工程を有することを特徴とす
    るコーティング用組成物の製造方法。 (1)カーボンナノチューブをプラズマ処理する工程 (2)プラズマ処理後のカーボンナノチューブをコーテ
    ィング用の主剤と混合する工程
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