JP5228323B2 - 単層カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

単層カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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この発明は、単層カーボンナノチューブの製造方法、単層カーボンナノチューブおよび単層カーボンナノチューブ応用装置の製造方法に関し、例えば、単層カーボンナノチューブを用いる電子素子の製造に適用して好適なものである。
最近、カーボンナノチューブは多くの研究者の興味を強く引いてきた。中でも単層カーボンナノチューブの研究開発は、その特徴的な一次元構造および例外的な構造依存的性質により、特に望まれている。単層カーボンナノチューブは、継ぎ目のない円筒状のグラファイト状殻構造を有するため、潜在的に他の公知のどの材料よりも優れた力学的特性を示す。単層カーボンナノチューブは、これらの優れた機械的性質に加えて、単層カーボンナノチューブに有望な応用を提供する多くの特徴的な化学的および物理的性質も示す。これらの応用は、不均一系触媒における触媒担体、高強度複合材料、センサー、アクチュエーター、ガス貯蔵媒体、電界エミッター、走査プローブ顕微鏡の探針およびナノ電子素子を含むが、これらに限定されるものではない。
単層カーボンナノチューブは現在では、レーザーアブレーション法、電気的アーク放電法あるいは触媒化学気相成長(CCVD)法によって大量に得ることができる。しかしながら、上記の全ての方法により合成される単層カーボンナノチューブは合成直後の状態では多量の不純物を有する。これらの不純物は主として、遷移金属触媒およびフラーレン、ナノ結晶グラファイト、多層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンなどのカーボン系副生成物からなる。これらの不純物は単層カーボンナノチューブの性質の正確な解析に重大な障害となり、しばしば機能素子における単層カーボンナノチューブの性能を低下させる。例えば、金属不純物の存在は、比較的低温で単層カーボンナノチューブの酸化を触媒し、これによって単層カーボンナノチューブを含む材料の熱的安定性を低下させる。
単層カーボンナノチューブの利用におけるもう一つの障害は、それらの長さを制御することができないことである。単層カーボンナノチューブは典型的には、巨視的な、絡まったロープ状に結合したμmの長さの多分散系として合成される。しかしながら、多くの応用では、長さが数百nmの短く損傷のない個々の単層カーボンナノチューブが必要である。例えば、電子素子への単層カーボンナノチューブの導入は明らかに、特定のバンドギャップを有し、正確な長さを有する単層カーボンナノチューブを基板上の決められた位置に配置することができることが必要である。生物学的イメージングおよびセンシング応用では、細胞に入り込み、生物学的マーカーとして働くために、長さが短い(数十〜数百nm)単層カーボンナノチューブが必要である。
上述の理由により、単層カーボンナノチューブの切断および精製は、単層カーボンナノチューブの性質に関する精密な研究および優れた機能を有する単層カーボンナノチューブを含む材料の構築のための極めて重要で基本的な条件である。
近年、単層カーボンナノチューブを含む試料の精製のための多数の異なるアプローチが追求された。これらのアプローチは主として酸化的方法、化学修飾法、濾過、クロマトグラフィーなどに分類することができる。
酸化的方法は、単層カーボンナノチューブおよび他のカーボン不純物の酸化剤に対する反応性が異なることに基づくものである。これらの処理は、HNO3 、KMnO4 /H2 SO4 、H2 2 などによる液相酸化およびO2 、空気などによる気相処理を含む。単層カーボンナノチューブは、完全な構造を有することにより、アモルファスカーボン不純物よりも攻撃されにくい。この技術は、実用的かつ比較的簡単でアモルファスカーボンおよび金属不純物の両方に適用可能である。しかしながら、この処理は、主として、程度はより低いものの、単層カーボンナノチューブが酸化剤により同時に破壊されるのが避けられない点で不利である。
単層カーボンナノチューブの精製は、化学修飾プロセスの副産物としても達成することができる。単層カーボンナノチューブは、その末端および欠陥サイトにおけるカルボン酸官能基とオクタデシルアミンとのアミド結合の形成を介した反応により有機溶媒に選択的に溶解されるが、アモルファスカーボンは不溶性である。ウエット化学修飾は単層カーボンナノチューブの精製の信頼性のある代替法であるが、このプロセスは多くの複雑な工程を含み、最悪なことに、共有結合的修飾により単層カーボンナノチューブの固有の性質も変えられてしまうことがある。
精密濾過およびクロマトグラフィーは、サイズによる分離に基づく物理的精製技術である。精密濾過は単層カーボンナノチューブに化学的損傷を生じないが、連続的な多数の濾過工程はその広範な応用を制限する。クロマトグラフィーに基づく処理はしばしば、単層カーボンナノチューブの懸濁のために界面活性剤を使用する必要があり、精製試料中の残留界面活性剤は精製された単層カーボンナノチューブの化学的および物理的性質に悪影響を及ぼし得る。
カーボンナノチューブの精製方法に関しては多くの文献がある(例えば、非特許文献1〜10参照。)。
近年、単層カーボンナノチューブの切断のために多くの方法が開発された。これらの方法は、主として、酸化的切断、フッ素化に基づく切断、研磨またはボールミル切断およびリソグラフィー的技術に分類することができる。
シリコン表面上に良く分散させた単層カーボンナノチューブを空気中において500℃で処理することにより単層カーボンナノチューブを切断する熱酸化法が開発された。しかしながら、このような高温は大量の単層カーボンナノチューブの消失を避けられず、収率を非常に低くしてしまう。
フッ素原子はナノチューブの側壁の円周の周りにフッ素化結合を形成する傾向がある。アルゴン中で1000℃に加熱すると、これらの結合は熱分解され、20〜300nmの長さの短い切断された単層カーボンナノチューブが残される。しかしながら、この方法では、単層カーボンナノチューブの末端が、処理しにくい凝集体と合体してしまう傾向がある。加えて、スケールアップしたときの安全性およびナノチューブの末端の終端フッ素の存在が懸念される。
ポリ(メチルメタクリレート)のモノクロロベンゼン溶液中の単層カーボンナノチューブの超音波処理あるいは超音波処理中に研磨剤として働くダイヤモンド粒子の使用も単層カーボンナノチューブの切断に利用される。しかしながら、切断された生成物からのダイヤモンド粒子の除去は工程を複雑化する。多層カーボンナノチューブの切断には伝統的なボールミル法が採用されてきたが、鉄鋼製のボール媒体から金属不純物が導入されやすいだけでなく、いくつかの形態の損傷が生じる。
単層カーボンナノチューブをフォトレジスト中に埋め込み、露出した単層カーボンナノチューブを切断するためにイオンエッチングを用いるリソグラフィー技術が開発された。しかしながら、これらのプロセスでは、単層カーボンナノチューブを他の添加物から分離することが困難であるだけでなく、典型的には、数百nmより短い長さを有する単層カーボンナノチューブは得られない。
カーボンナノチューブの切断方法に関しては多くの文献がある(例えば、非特許文献11〜18参照。)。
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以上のことから分かるように、現在、高収率で、単層カーボンナノチューブの欠陥がほとんどなく、切断された単層カーボンナノチューブの長さが一様で制御可能であり、低コストで労力が少なくて済み、安全で大規模に実現可能であるという要求を満たし、種々の技術により合成される単層カーボンナノチューブの切断および精製に適している効率的な切断および精製方法の開発が必要である。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、各種の方法により合成された単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料から金属不純物やフラーレン、ナノ結晶グラファイト、多層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンなどのカーボン系副生成物あるいはこれらの任意の組み合わせを選択的に除去して精製することができるとともに、単層カーボンナノチューブを切断することができることにより、一様な長さを有する高純度の単層カーボンナノチューブを安全に高収率で製造することができ、しかも長さの制御が可能な単層カーボンナノチューブの製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、欠陥がほとんどなく、高純度で一様な長さを有する単層カーボンナノチューブを提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、上記の単層カーボンナノチューブの製造方法を利用して単層カーボンナノチューブを製造することにより、高性能の単層カーボンナノチューブ応用装置を製造することができる単層カーボンナノチューブ応用装置の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を酸化剤で処理する工程と、
上記酸化剤で処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程と
を有することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法である。
第2の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を酸化剤で処理する工程と、
上記酸化剤で処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程とを実行することにより製造されることを特徴とする単層カーボンナノチューブである。
第3の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を酸化剤で処理する工程と、
上記酸化剤で処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程と
を有することを特徴とする単層カーボンナノチューブ応用装置の製造方法である。
第1〜第3の発明において、典型的には、カーボン系材料を酸で処理することにより、カーボン系材料に含まれる金属不純物を除去するとともに、単層カーボンナノチューブのチューブ壁に欠陥を生成する。この酸は典型的には酸溶液として使用される。この酸としては例えば硝酸を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、カーボン系材料を酸化剤で処理することにより、チューブ壁に生成された欠陥を起点として単層カーボンナノチューブを切断する。この酸化剤としては、例えば、硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類を含むものを用いることができるが、これに限定されるものではない。さらに、カーボン系材料を還元性ガスで処理することにより、カーボン系材料のうちの単層カーボンナノチューブ以外のカーボンを選択的に除去する。この還元性ガスとしては種々のものを用いることができ、必要に応じて選ばれるが、例えばアンモニアを用いることが好ましい。単層カーボンナノチューブの分散性および切断効率を高めるために、カーボン系材料を酸で処理した後、カーボン系材料を酸化剤で処理する前に、カーボン系材料を分散剤で処理する工程をさらに有するのが好ましい。この分散剤としては、例えば、界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物を用いることが好ましい。
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料は、単層カーボンナノチューブの合成(成長)に用いる方法にもよるが、一般的には、触媒金属などに由来する金属不純物やフラーレン、ナノ結晶グラファイト、多層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンなどのカーボン系副生成物あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。単層カーボンナノチューブは、電気的アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ合成法、触媒化学気相成長(CCVD)法、炭化水素触媒分解法などによって成長(合成)されるが、これに限定されるものではない。
この単層カーボンナノチューブの製造方法は、例えば、単層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、多層カーボンナノチューブおよび金属不純物を含む合成直後の単層カーボンナノチューブ材料(カーボン系材料)をまず、金属不純物の除去のために酸溶液で処理した後、分散剤溶液を用いた処理を行い、次いで混合酸化剤溶液で処理することにより切断を行い、最後にカーボン不純物の除去および欠陥の回復のために還元性ガス雰囲気中で処理することを特徴とする。
あるいは、この単層カーボンナノチューブの製造方法は、例えば、単層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、多層カーボンナノチューブおよび金属不純物を含む合成直後の単層カーボンナノチューブ材料(カーボン系材料)をまず、金属不純物の除去およびチューブ壁の欠陥の生成のために酸溶液で処理した後、分散剤溶液を用いた処理を行い、次いで混合酸化剤溶液で処理することにより切断を行い、最後にカーボン不純物の除去および欠陥の回復のために還元性ガス雰囲気中で処理し、単層カーボンナノチューブを含む最終的な生成物を透過型電子顕微鏡により105 倍以上の倍率で観察したとき、単層カーボンナノチューブの割合が少なくとも95%以上、単層カーボンナノチューブの90%が長さ1000nmより短いことを特徴とする。
さらに、この単層カーボンナノチューブの製造方法は、例えば、単層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、多層カーボンナノチューブおよび金属不純物を含む合成直後の単層カーボンナノチューブ材料(カーボン系材料)をまず、金属不純物の除去およびチューブ壁の欠陥の生成のために酸溶液で処理した後、分散剤溶液を用いた処理を行い、次いで硫黄あるいは酸素酸化剤とインターカラント(挿入物質)との混合物で処理することにより切断を行い、最後にカーボン不純物の除去および欠陥の回復のために還元性ガス雰囲気中で処理し、単層カーボンナノチューブを含む最終的な生成物をラマン分光(励起波長は785nm)を用いて評価したとき、0.3より高いラジアルブリージングモード(RBM)/Gバンド強度比が得られることを特徴とする。
上述のような単層カーボンナノチューブの製造方法により、欠陥がほとんどなく、制御可能な長さを有し、多層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン、金属不純物などの単層カーボンナノチューブ以外の異種物質をほとんど含まない単層カーボンナノチューブを製造することが可能である。この効果を高めるためには、金属不純物の除去のための酸として硝酸(HNO3 )溶液を用いることが好ましい。さらに、切断の効率を高めるためには、分散剤として、界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物を用いることが好ましい。単層カーボンナノチューブの切断のために、硫黄または酸素酸化剤とインターカラントとしての濃硫酸(H2 SO4 )との混合物を用いることが好ましい。切断された単層カーボンナノチューブの精製のためには、アンモニア(NH3 )または水素またはそれらの混合物を含むガスを不活性ガスとともに用いることが好ましい。加熱温度は約1000℃あるいはそれより高温であることが好ましい。
この単層カーボンナノチューブの製造方法の具体例をいくつか挙げると次のとおりである。
第1の例による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、観察されたカーボンナノチューブの少なくとも95%以上が単層カーボンナノチューブであることを特徴とする。
第2の例による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、観察されたカーボンナノチューブの95%以上が単層カーボンナノチューブであり、かつ、単層カーボンナノチューブの少なくとも90%以上が1000nmより短いことを特徴とする。
第3の例による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
(e)上記(d)の工程を必要な回数繰り返し、
最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を共鳴ラマン散乱測定(励起波長は785nm)で評価したとき、100〜250cm-1付近のRBMバンドおよび1580cm-1付近のGバンドを観察することができ、1330cm-1(Dバンド)付近のピーク高さは1580cm-1(Gバンド)付近のピーク高さの1/30よりも高くないことを特徴とする。
第4の例による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な精製された単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも65%以上が1000nmより短いことを特徴とする。
上記の単層カーボンナノチューブの製造方法により、次のような条件を満たす切断および精製された単層カーボンナノチューブを得ることが可能である。
(a)最終的な単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも90%以上が1000nmより短い。
(b)最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を透過型電子顕微鏡で観察したとき、カーボンナノチューブの少なくとも95%以上が単層カーボンナノチューブである。
(c)切断および精製された単層カーボンナノチューブを共鳴ラマン散乱測定(励起波長は785nm)で観察したとき、100〜250cm-1付近のRBMバンドおよび1580cm-1付近のGバンドを観察することができ、1330cm-1(Dバンド)付近のピーク高さが1580cm-1(Gバンド)付近のピーク高さの1/10よりも高くなく、RBMピーク強度はGバンドの強度の30%よりも高い。
さらに、次の条件を満たす単層カーボンナノチューブ組成物を得ることができる。
(a)切断および精製された単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも65%以上が1000nmより短い、
(b)最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を透過型電子顕微鏡で観察したとき、少なくとも90%以上が単層カーボンナノチューブである。
単層カーボンナノチューブ応用装置は、およそ単層カーボンナノチューブを用いるものである限り全てのものが含まれ、用途や機能を問わない。
上述の単層カーボンナノチューブの製造方法により製造される高純度の単層カーボンナノチューブを使用する場合は、この単層カーボンナノチューブを液に分散させ、この分散液を基板上に塗布したりする。このときの分散剤としては従来公知のものを用いることもできるが、両親媒性ブロック共重合体であるポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(例えば、Pluronic P123)(EO20PO70EO20、平均分子量5750)は極めて優れた分散剤であり、単層カーボンナノチューブの分散性を長時間にわたって良好に維持することができる。この分散剤は、これまで単層カーボンナノチューブの分散には全く用いられていなかったものである。
第4の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を遠心処理する工程と、
上記遠心処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程と
を有することを特徴とする単層カーボンナノチューブの製造方法である。
第5の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を遠心処理する工程と、
上記遠心処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程とを実行することにより製造されることを特徴とする単層カーボンナノチューブである。
第6の発明は、
単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
上記酸で処理された上記カーボン系材料を遠心処理する工程と、
上記遠心処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程と
を有することを特徴とする単層カーボンナノチューブ応用装置の製造方法である。
第4〜第6の発明においては、第1〜第3の発明における酸化剤での処理の代わりに、カーボン系材料を遠心機に入れて遠心することなどにより遠心処理を行う。この遠心処理により、単層カーボンナノチューブに力が加わり、カーボン系材料を酸で処理したときにチューブ壁に生成される欠陥を起点として単層カーボンナノチューブが切断される。
上記以外のことは、その性質に反しない限り、第1〜第3の発明に関連して説明したことが成立する。
この発明によれば、各種の方法により合成された単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料から、金属不純物やフラーレン、ナノ結晶グラファイト、多層カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンなどのカーボン系副生成物あるいはこれらの任意の組み合わせを選択的に除去して精製することができるとともに、単層カーボンナノチューブを切断することができることにより、一様な長さを有し、欠陥がほとんどない高純度の単層カーボンナノチューブを安全に高収率で製造することができ、しかも長さの制御が可能である。そして、この単層カーボンナノチューブの製造方法を利用して高性能の単層カーボンナノチューブ応用装置を製造することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法の基本的構成は、典型的には、酸溶液における処理による金属不純物の除去の工程、分散剤の吸着および酸化剤溶液による切断の工程、最後に還元性ガスによる精製の工程である。このような一連の工程により、一様に短く高純度の単層カーボンナノチューブをほとんど欠陥を持たずに得ることができる。
金属不純物の除去のための酸溶液の種類は特に限定されないが、カーボンナノチューブの合成において触媒として良く用いられる様々な種類の金属を溶解することができる能力が高いために、好ましくは硝酸が用いられる。これに加えて、硝酸の緩やかな酸化能力が単層カーボンナノチューブのチューブ壁への欠陥サイトの生成を制御性良く促進することができる。
金属不純物の除去に用いられる酸の濃度は特に限定されるものではないが、好ましくは1〜7Mであり、最も好ましくは2.6Mである。そのような濃度は、適度な量の欠陥がチューブ壁に生成されることを保証し、この欠陥が切断の工程において攻撃サイトとなり得る。
分散剤としては、単層カーボンナノチューブの分散に従来より用いられてきた公知の分散剤であれば、いかなるものを用いることができる。しかしながら、疎水基および親水基を有する界面活性剤ならびに好ましくは芳香基を有するポリマーを用いることが特に好ましく、これらはそれぞれ、疎水性引力を有し、あるいは単層カーボンナノチューブ壁を包む。この工程は非常に重要である。分散剤処理の工程は単層カーボンナノチューブの剥離を促進し、次の酸化剤切断溶液中で細いロープの形態で安定化させ、酸化剤溶液に対して全ての欠陥が接触することを可能とし、切断効率を高める。
使用可能な分散剤としては、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)、スルホン酸ドデシルナトリウム(SDSA)、Triton−X 100(オクチルフェノールエトキシレート)、アルキル(C10−12)ポリグリコシド[APG(C10−12)]、ベンジル硫酸ドデシルナトリウム(SDBS)、ポリ(スチレンスルホン酸)およびそのナトリウム塩、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、アラビアゴム、グルコサミン、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)などを挙げることができ、これらのうちの少なくとも一種類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
酸化剤溶液としては、好ましくは、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物が用いられる。濃硫酸に過硫酸塩化合物を添加しても温度が上昇せず、したがって制御不可能なカーボンナノチューブの損失を回避することができるため、過硫酸塩化合物が最も好ましい。濃硫酸はインターカラントとして働くだけでなく、酸化剤の酸化能力を高める。
単層カーボンナノチューブの切断は、10℃から70℃の間の温度の下で達成することができるが、10〜40℃が好ましく、20℃がより好ましい。20℃での切断では、比較的高純度の短い単層カーボンナノチューブを得ることができるが、より高い温度での切断ではいくらかの単層カーボンナノチューブがエッチング除去されるため収率が低い。
切断された単層カーボンナノチューブの長さは、酸化剤に対する単層カーボンナノチューブの比および処理時間を制御することによって制御することができる。得られる切断された単層カーボンナノチューブは、一般に、酸化剤に対する単層カーボンナノチューブの比が小さいほど短くすることができる。これに対して、一般に、酸化剤に対する単層カーボンナノチューブの比が大きいほど、得られる切断された単層カーボンナノチューブを長くすることができる。一般に、単層カーボンナノチューブの処理時間が長いほど、得られる切断された単層カーボンナノチューブを短くすることができる。これに対して、一般に、単層カーボンナノチューブの処理時間が短いほど、得られる切断された単層カーボンナノチューブを長くすることができる。
切断された単層カーボンナノチューブを精製するための還元性ガスとしては、還元性を有する公知のガスであれば、いかなるものでも用いることができるが、還元性および安全性が高いためアンモニアが好ましい。
切断された単層カーボンナノチューブを還元性ガスにより処理する際には、還元性試薬として新鮮なガスを連続的に供給することができ、生成された廃ガスがやがて炉から排気されることを保証するためにこのガスは流すことが好ましい。
切断された単層カーボンナノチューブを精製するための処理温度は、合成直後の単層カーボンナノチューブの合成方法および還元性ガスの種類に依存するが、例えば、1300℃以下、好ましくは1000℃である。すなわち、処理温度は1300℃以下、好ましくは1000℃に制御される。このような高温は、還元性ガスの高い還元能力を保証する。これに加えて、このような高温での高い質量輸送は、切断プロセスで生じた欠陥を完全に回復することができる。還元性ガスによる処理の際の加熱速度は特に限定されないが、加熱速度が遅いと全ての単層カーボンナノチューブが設定された温度および完全な精製反応に到達することが保証されるため、800℃以上で6℃/min以下がより好ましい。
還元性ガスの流速は特に限定されないが、1L/minから5L/minの間の流速がより好ましく、これは完全な還元反応を保証することができる。
単層カーボンナノチューブの精製については極めて多くの研究が報告されているが、これらの報告のほとんどは、アーク放電あるいはレーザーアブレーションにより合成された単層カーボンナノチューブに集中している。これらの単層カーボンナノチューブのカーボン系不純物は主としてアモルファスカーボンであり、このアモルファスカーボンは、単層カーボンナノチューブとは特徴的な反応性の差を有している。触媒化学気相成長(CCVD)によって合成される単層カーボンナノチューブに関しては、カーボン不純物は、アモルファスカーボンに加えて多量の多層カーボンナノチューブを含む。単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブは安定な構造であるため、それらの性質の差はあまり大きくなく、これが多層カーボンナノチューブを選択的に除去することを難しくしている。この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法の一つの利点は、触媒化学気相成長法により合成された単層カーボンナノチューブに含まれる多層カーボンナノチューブのような不純物を単層カーボンナノチューブの損失を最小限にして選択的に除去することができることである。
この発明によって、最初に酸溶液を用いた金属触媒の除去、続く酸化剤溶液を用いた切断、および最後の還元性ガス雰囲気での高温処理によって、高純度の短い単層カーボンナノチューブを得ることができることが分かる。単層カーボンナノチューブの従来の切断および精製方法と比較して、この発明は次のような利点を有する。まず、種々の技術によって合成される単層カーボンナノチューブの切断および精製に適している。収率が高く、単層カーボンナノチューブの欠陥がほとんどない。切断された単層カーボンナノチューブの長さが一様で制御可能である。低コストで労力が少なく、安全で大規模に実現可能である。
この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法の典型的な実施形態としては、例えば下記のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
第1の実施形態による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、観察されたカーボンナノチューブの少なくとも95%以上が単層カーボンナノチューブであることを特徴とする。
第2の実施形態による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、観察されたカーボンナノチューブの少なくとも95%以上が単層カーボンナノチューブであり、かつ、単層カーボンナノチューブの少なくとも90%以上が1000nmより短いことを特徴とする。
第3の実施形態による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類の酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
(e)上記(d)の工程を必要な回数繰り返し、
最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を共鳴ラマン散乱測定(励起波長は785nm)で評価したとき、100〜250cm-1付近のRBMバンドおよび1580cm-1付近のGバンドを観察することができ、1330cm-1(Dバンド)付近のピーク高さは1580cm-1(Gバンド)付近のピーク高さの1/30よりも高くないことを特徴とする。
第4の実施形態による単層カーボンナノチューブの製造方法は、
(a)酸溶液を用いて金属不純物を除去する工程と、
(b)10℃以上70℃以下の温度で2時間以上20時間以下超音波処理を行うことにより単層カーボンナノチューブを界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる分散剤で包み込む工程と、
(c)上記分散剤で包み込まれた上記単層カーボンナノチューブを、濃硫酸と硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一つの酸化剤との混合物中において10℃以上70℃以下の温度で4時間以上80時間以下超音波処理を行うことにより切断する工程と、
(d)上記切断された上記単層カーボンナノチューブを管状炉で還元性ガスを0.2L/min以上5.0L/min以下の流量で流しながら500℃以上1500℃以下の温度で処理する工程とを有し、
最終的な単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも65%以上が1000nmより短いことを特徴とする。
この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法における精製および切断プロセスのメカニズムは完全には明らかではない。しかしながら、次のように考えられる。すなわち、合成直後の単層カーボンナノチューブが酸溶液で処理されると、一方では、金属不純物が酸溶液に溶解し、他方では、欠陥サイトが単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブの両方の壁に生成される。単層カーボンナノチューブは欠陥を補償するための隣接層を有していないため、多層カーボンナノチューブに比べてより完全な構造を有することが知られている。多層カーボンナノチューブ上にはより多くの欠陥が存在することにより、後に詳細に説明するように、より短くすることがより容易である。
酸処理した単層カーボンナノチューブはさらに分散剤処理が施され、これによって分散および続く切断の効率を高めることができる。分散剤は疎水基および親水基を有する界面活性剤および好ましくは芳香基を有するポリマーであることが好ましい。疎水基は疎水性相互作用によってチューブ壁に吸着し、親水基は溶液に突き出る。この方法によって、ミセル状のコーティングがチューブ壁に形成され、単層カーボンナノチューブのバンドル化が妨げられる。ポリマーの場合は、チューブ壁の周りに長いポリマー鎖が巻き付き、ナノチューブのファンデルワールス力を有効に遮蔽し、これによってバンドル化が妨げられる。この工程は非常に重要である。この処理工程は単層カーボンナノチューブの剥離を促進し、続く酸化剤切断溶液中で細いロープの形態としてそれらを安定化させ、全ての欠陥が酸化剤溶液に接触するようにし、切断効率を高める。
すなわち、酸−分散剤で処理された単層カーボンナノチューブは濃硫酸と酸化剤溶液との混合物中でさらに切断される。単層カーボンナノチューブの欠陥サイトが完全なグラフェン構造を有するサイトよりも高い反応性を有し、酸化剤は単層カーボンナノチューブの欠陥を優先的に攻撃し、単層カーボンナノチューブがこれらのサイトで破壊し、したがってそれらをより短くする。硫酸は切断プロセスにおいてインターカラントとして働き、酸化的ポテンシャルを増加させることによって酸化剤の酸化能力を高めることもできる。多層カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブよりもずっと多くの欠陥サイトを含むため、切断された単層カーボンナノチューブは切断された多層カーボンナノチューブよりもずっと長い。
これらの切断された単層カーボンナノチューブはさらに、アンモニア、水素あるいはそれらとアルゴンのような不活性ガスとの混合物のような還元性ガスにおいて精製される。アンモニアガスはより高い温度で分解し、高い還元能力を有する新鮮な水素ガスが生成される。より完全な構造を有する単層カーボンナノチューブと比べて、アモルファスカーボンおよび非常に短い多層カーボンナノチューブは水素とずっと高い反応性を有し、メタンを生成する。選択された温度の下では、単層カーボンナノチューブが無傷のまま、カーボン不純物を完全に除去することができる。この高温処理工程のもう一つの目的は、このような高温での高い質量輸送速度により、切断された単層カーボンナノチューブの欠陥を回復することである。
この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法によ得られる単層カーボンナノチューブはチューブ壁にほとんど欠陥がなく、したがって非常に高品質である。
すなわち、下記の条件を満たす切断および精製された単層カーボンナノチューブを得ることが可能である。
(a)最終的な単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも80%以上が1000nmより短い。
(b)最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を透過型電子顕微鏡で観察したとき、カーボンナノチューブの少なくとも95%以上が単層カーボンナノチューブである。
(c)切断および精製された単層カーボンナノチューブを共鳴ラマン散乱測定(励起波長は785nm)で観察したとき、100〜250cm-1付近のRBMバンドおよび1580cm-1付近のGバンドを観察することができ、1330cm-1(Dバンド)付近のピーク高さが1580cm-1(Gバンド)付近のピーク高さの1/30よりも高くなく、RBMピーク強度はGバンドの強度の30%よりも高い。
さらに、次の条件を満たす切断および精製された単層カーボンナノチューブを得ることができる。
(a)切断および精製された単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの少なくとも65%以上が1000nmより短い。
(b)最終的な単層カーボンナノチューブ組成物を透過型電子顕微鏡で観察したとき、90%以上が単層カーボンナノチューブである。
さらに、次の条件を満たす単層カーボンナノチューブ組成物を得ることができる。
切断および精製された単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの80%以上が200nm以上800nm以下の長さである。
切断および精製された単層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡で観察したとき、単層カーボンナノチューブの80%以上が300nm以上600nm以下の長さである。
単層カーボンナノチューブ組成物の品質は、熱重量示差走査熱量(TG−DSC)分析によって評価することができる。TG分析(TG)は試料を加熱したときの重量の減少を測定する測定法であり、DSCは試料を加熱したときに温度の関数として吸熱または発熱の量を測定する測定法である。この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法における切断プロセスを用いて得られた試料のTG−DSC曲線の例を図11に示す。
この発明のTG−DSC分析は以下の条件で行われる。得られた試料の約10mgを5℃/minの昇温速度で加熱する。雰囲気として空気を用いる。参照用として空の白金パンを用いる。
図11に重量変化(TG)および示差走査熱量(DSC)を示す。図11Aは2.6M HNO3 で48時間還流を行い、次いでTriton−X 100で8時間処理を行った単層カーボンナノチューブのTG−DSC曲線である。図11Aの試料はさらに、(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液中で20時間切断を行った。得られた試料のTG−DSC曲線を図11Bに示す。320℃での重量減少ピークはTriton−X 100の燃焼によるものであり、同じ温度でのDSC曲線における鋭い発熱ピークと一致している。DSC曲線における450〜600℃の広い発熱バンドは、アモルファスカーボン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、グラファイトナノ粒子などの全てのカーボン種の燃焼によるものである。燃焼温度が高いほど単層カーボンナノチューブの純度が高いことは良く知られている。図11Aにおける広いバンドは酸処理した単層カーボンナノチューブの品質が悪いことを示している。800℃での燃焼後の試料の残留重量は0であり、これは金属不純物が完全に除去されたことを示す。対照的に、(NH4 2 2 8 /H2 SO4 で切断された試料のカーボン燃焼バンドはずっと狭くなり、ピーク温度はこの切断処理後に576℃から636℃にシフトし、これは単層カーボンナノチューブの純度が著しく高くなったことを示している。
ラマンスペクトルは欠陥による無秩序を調べるための有効な方法であり、精製効率を調べるためにしばしば用いられる。単層カーボンナノチューブのラマンスペクトルは主として三つの特徴を示す。一つは約100〜250cm-1における低周波ラジアルブリージングモード(RBM)であり、これは多層カーボンナノチューブは低周波モードを全く示さず、グラファイトの低周波モードも42cm-1であるため、単層カーボンナノチューブに特徴的なものである。もう一つは、単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブの両者が寄与する1500〜1600cm-1におけるタンジェンシャル(G)バンドである。さらにもう一つは、アモルファスカーボン不純物およびナノチューブ欠陥による約1330cm-1における無秩序(D)バンドである。
すなわち、GバンドとDバンドとの振幅の比は単層カーボンナノチューブ中のアモルファスカーボンの割合を評価するために使用されてきた。RBMバンドとGバンドとの強度の比は全てのカーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブを含む)中の単層カーボンナノチューブの含有量を評価するために用いられる。RBM/G比が高いほど単層カーボンナノチューブが多く、多層カーボンナノチューブが少ない。図2および図5はそれぞれ、合成直後の単層カーボンナノチューブならびにこの発明の処理によって得られた切断および精製された単層カーボンナノチューブの二つの共鳴ラマン散乱スペクトルを示す。
図2および図5から分かるように、これらの二つのスペクトルの強度は、1580cm-1におけるGバンドに対して同じ強度が得られるように規格化した。本来の単層カーボンナノチューブは150〜250cm-1に広いRBMバンドを有する。1330cm-1付近に非常に弱いDバンドが現れ、これは試料中に少量のアモルファスカーボンまたはチューブ壁の欠陥が存在する証拠である。切断および水素処理プロセスを行った後には、RBM強度は顕著に増加する。RBM/G強度比は二段精製プロセスを行った後にはほぼ2倍になり、これは多層カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブから選択的にエッチング除去されたことを示す。単層カーボンナノチューブの品質は著しく向上する。D/G強度比は1/20より低く、これは最終生成物にはほとんど欠陥がないことを示す。
単層カーボンナノチューブの長さは制御可能であることが好ましいが、この発明によれば、切断プロセスの時間あるいは単層カーボンナノチューブに対する酸化剤の比を制御することにより長さを制御することが可能である。後述の実施例から分かるように、反応条件を制御することにより、支配的な長さが300〜500nm、500〜600nm、700〜800nmなどの単層カーボンナノチューブを得ることができる。単層カーボンナノチューブの長さは以下の理由により数百nmであることが好ましい。
(1)細胞に容易に入り込み、生物学的マーカーとして使用することができる。
(2)単層カーボンナノチューブは低アスペクト比であることによりほとんどバンドル化しない。これは単層カーボンナノチューブ組成物の性質を向上させるのに有益である。
(3)数十nmの長さは現在のマイクロパターニングのスケールと適合し、したがってトランジスタのような電子デバイスの構築に重要である。
(4)短い単層カーボンナノチューブは表面積がより大きく、これは水素貯蔵媒体、触媒担体などとしての応用に重要である。
この発明による単層カーボンナノチューブの製造方法によって得られる精製された短い単層カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブを含む公知のあらゆる製品に応用可能であり、新たな改良製品を実現することが可能である。これらの製品は、燃料電池、キャパシターまたは電池、特にリチウムイオン電池の電極や、触媒担体、金属、セラミックス、ポリマー、それらの混合物に対する添加物であって、それらの電気伝導度、熱伝導度、機械的性質、電磁波吸収性能、耐食性および電気化学的性質を高める目的で添加されるものや、電界放出カソードや、生物学的コンパチブルコーティング、生物に挿入されあるいは埋め込まれる物体および素子や、レーダー吸収材料、光学活性材料および素子や、太陽電池システムの部品や、トランジスタ、通過素子、キャパシター、インダクタ、抵抗、コネクタ、スイッチ、ワイヤー、接続素子、光の周波数を含む周波数までのアンテナや、電子回路製造材料や、トランスデューサ、電気通信ケーブル、高強度ファイバー、機械の構造要素、ビル、車、電気的、機械的、電磁的または化学的性質を有する、一部に単層カーボンナノチューブを含む複合材料などであるが、これに限定されるものではない。
この発明により製造される単層カーボンナノチューブの高い純度により、上述のあらゆる応用において基本的な改善が可能となったのは、第一に、母材中や単層カーボンナノチューブを溶解あるいは懸濁する液体試薬中の単層カーボンナノチューブの分散性を低下させ、単層カーボンナノチューブの熱的安定性を低下させる不必要な金属およびカーボン不純物の除去によるものである。切断された単層カーボンナノチューブは主として、大きな表面積、より活性な空間およびより精密な性質を有するという利点を有する。これらの強化された相互作用は、いくつかの応用においては単層カーボンナノチューブをより低密度で使用することを可能とし、これらおよび他の応用における単層カーボンナノチューブを含む材料、素子および/または他のものに望まれる電気的、化学的、および/または機械的性質を改善する。
上述のこの発明によれば、欠陥がほとんどなく高品質で、高収率、高純度および制御可能な一様な長さを有する単層カーボンナノチューブを得ることが可能である。
以下において、この発明を実施例に基づいて詳細にさらに説明するが、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
単層カーボンナノチューブの酸処理
単層カーボンナノチューブは炭化水素触媒分解法により合成されたものをそのまま用いた。この単層カーボンナノチューブのモフォロジーを図1に、それらの共鳴ラマンスペクトルを図2に示す。これらの単層カーボンナノチューブはまず、金属不純物を除去し、チューブ壁に欠陥を生成するために硝酸還流プロセスを行った。1.2gの合成直後の単層カーボンナノチューブを200mLの2.6M HNO3 溶液に添加し、次いで140℃において48時間還流を行った。次に、こうして得られた試料をpHが中性になるまで蒸留水で数回(4〜5回)洗浄した。
単層カーボンナノチューブの分散剤処理
HNO3 処理した単層カーボンナノチューブを、界面活性剤として4mLのTriton X−100を含み、NaOHによりpH10に調節された200mLの水に懸濁し、次いで20℃において10時間超音波処理を行った。このプロセスは、その後の切断溶液における単層カーボンナノチューブの分散性を改善し、切断効率を高めるために用いられた。次に、単層カーボンナノチューブの吸着されなかった分散剤を除去するために、処理された試料を濾過し、蒸留水で2回洗浄した後、最後に120℃において24時間乾燥させて最終生成物とした。この最終生成物をHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブと表す。
単層カーボンナノチューブの切断
10mgのHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブをビーカー中において濃H2 SO4 /HNO3 の3:1の混合物40mL中に懸濁し、水浴中で35〜45℃において14時間超音波処理した。次に、得られた懸濁液を、最終的なpHが7に到達するまで、200mLの蒸留水で希釈し、濾過し、数回洗浄した。生成物のモフォロジーを図3に示す。次に、この生成物をさらに、濃H2 SO4 /30%H2 2 水溶液の4:1混合物中において20℃で1時間攪拌することにより研磨した。4サイクルの洗浄および濾過を行った後、切断された単層カーボンナノチューブが得られ、TEM(透過型電子顕微鏡)により評価を行った(図4参照。)。
アンモニア処理による精製
5mgの切断された単層カーボンナノチューブを石英ボートに載せ、管状炉内において1000℃で2時間、アンモニアガス(>99%純度、Lixin Gas Co.Shanghai)を1L/min流しながら加熱した。精製反応が終了した後、炉を切り、アンモニアガスを流しながら室温に自然冷却した。この高温ではアンモニアガスはN2 およびH2 ガスに分解する。生成されたばかりのH2 ガスはより活性であり、したがってカーボン不純物をCH4 に還元することができる。精製された短い単層カーボンナノチューブを共鳴ラマン分光(図5)およびTEM(図6)により評価し、それらの長さの分布を図7にプロットした。図5のラマンスペクトルの強度は図2の1580cm-1におけるGバンドと同じ強度が得られるように規格化した。
図1に示すように、合成直後の単層カーボンナノチューブは比較的長く、著しく凝集しており、アモルファスカーボン、多層カーボンナノチューブおよび金属不純物を含んでいる。図2のラマンスペクトルに示すように、1330cm-1付近に小さなDバンドが観察され、これは得られた試料中にいくらかのカーボン不純物または欠陥が存在していることを示す。単層カーボンナノチューブに特徴的なRBMバンドも150〜250cm-1に観察される。これに加えて、1580cm-1付近にGバンドが現れており、これは単層カーボンナノチューブおよび多層カーボンナノチューブによるものである。
図3を図1と比較すると、単層カーボンナノチューブはHNO3 /H2 SO4 混合物中での処理後に効率的に短くなっていることが分かる。これらの単層カーボンナノチューブは数μmの長さから数百nmの長さに切断された。
図4に示すように、さらにH2 2 溶液中の処理により単層カーボンナノチューブをより短くすることができ、この工程後には不純物を部分的に除去することができる。
図2を図5と比較すると、切断および水素処理を行った後には、RBM強度は顕著に増加することが分かる。RBMバンドとGバンドとの強度比はカーボンナノチューブ中の単層カーボンナノチューブの含有量を評価するために用いられる。RBM/G比が大きいほど、単層カーボンナノチューブが多くて多層カーボンナノチューブが少ない。RBM/G比は二段階の精製プロセスを行った後にはほぼ2倍になり、これは多層カーボンナノチューブが合成直後の単層カーボンナノチューブから選択的に除去され、この発明により得られる最終的な単層カーボンナノチューブ生成物が高品質であることを示す。最終生成物のD/G強度比は1/30よりも小さく、これはほとんど欠陥がないことを示す。
図6から分かるように、最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブは図5の結果と一致して高純度である。これらの単層カーボンナノチューブは図7から分かるように一様な長さを有する。ほとんどの単層カーボンナノチューブは1000nmよりも短く、約35%の単層カーボンナノチューブは600nm付近の長さを有する。1000℃でのアンモニア処理工程の収率は約40%である。
〈実施例2〉
金属不純物の除去および分散性の向上のために実施例1で用いたものと同じプロセスによりHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブを得た。ただし、切断プロセスには、切断試薬として、HNO3 /H2 SO4 溶液の代わりに、H2 2 /H2 SO4 溶液を用いた。40mLの96%H2 SO4 を10mLの30%H2 2 溶液に添加して新鮮な溶液(4:1、vol/vol 96%H2 SO4 /30%H2 2 )を調製した。温度を35℃に下げた後直ぐに、この混合液中に25mgのHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブを分散させ、さらにこの温度で30時間超音波処理を行った。超音波処理を行った後、懸濁液を1Lの蒸留水に添加することにより酸化反応を急停止させた。次に、最終的なpHが7に到達するまで、この溶液を濾過し、蒸留水で数回洗浄した。次に、得られた試料を120℃において24時間乾燥させた。これらの試料のTEM像を異なる倍率で図8AおよびBに示す。
カーボン不純物の除去のために実施例1で用いたものと同じプロセスにより、切断された単層カーボンナノチューブの精製を行った。最終的な切断および精製された単層カーボンナノチューブを図9に示す。
図8Aに示すように、H2 2 /H2 SO4 溶液により30時間処理を行った後には、単層カーボンナノチューブは数百nmの短い単層カーボンナノチューブに切断された。対照的に、図8Bに示すように、多層カーボンナノチューブは、平均的な長さが数十nmの一層短く、カールした壊れた断片に破壊される。
図9に示すように、アンモニア処理は破壊された多層カーボンナノチューブ断片およびアモルファスカーボン不純物を選択的に除去したことが分かる。これらの試料はアンモニア処理後に高純度となる。観察された物質種の95%以上が単層カーボンナノチューブである。
〈実施例3〉
金属不純物の除去および分散性の向上のために実施例1で用いたものと同じプロセスによりHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブを得た。ただし、切断プロセスには、切断試薬として、HNO3 /H2 SO4 溶液の代わりに、(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液を用いた。25mgのHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブを50mLの96%H2 SO4 にあらじめ1時間分散させて混合物を均一化した。次に、4gのアンモニア過硫酸塩(NH4 2 2 8 を酸化剤として添加し、この混合物をさらに35〜40℃において4、8、20、30時間超音波処理した。超音波処理を行った後、懸濁液を1Lの蒸留水に添加することにより酸化反応を急停止させた。次に、最終的なpHが7に到達するまで、この溶液を濾過し、蒸留水で数回洗浄した。次に、得られた試料を120℃において24時間乾燥させた。超音波処理を20時間行った試料のTEM像を図10に示す。超音波処理を20時間行ったこの試料のTG−DSC曲線を図11に示す。比較のために、実施例1または3のHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブのTG−DSC曲線も示す。切断時間の関数として単層カーボンナノチューブの長さの分布を測定した。その結果を図12に示す。これらの切断された単層カーボンナノチューブはさらに、実施例2と同じアンモニア処理プロセスを用いて精製された。得られた試料は高純度で、95%以上が単層カーボンナノチューブである。
図10において、単層カーボンナノチューブは(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液中での超音波処理後にずっと短くなっていることが分かる。切断された単層カーボンナノチューブの長さは一様で200〜700nmである。対照的に、多層カーボンナノチューブの長さは数十nmと一層短い。
図11Aから分かるように、320℃における重量減少ピークはTriton X−100の燃焼によるものであり、これは同じ温度でのDSC曲線における鋭い発熱ピークと一致している。DSC曲線における450〜600℃の広い発熱ピークは、アモルファスカーボン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、グラファイトナノ粒子などを含むあらゆるカーボン種の燃焼によるものである。異なるカーボン種は異なる燃焼温度を有するため、図11Aの広いバンドは、酸処理された単層カーボンナノチューブ中に多くのカーボン不純物が存在することを示している。800℃以上の温度での燃焼後の試料の残留質量は0に減少し、これは金属不純物が完全に除去されたことを示す。対照的に、(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液で切断された試料のカーボン燃焼バンドはずっと狭く、ピーク温度はこの切断処理後に576℃から636℃にシフトしており、これは純度が著しく改善されていることを示す。
図12において、(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液中での4〜30時間の超音波処理により単層カーボンナノチューブを異なる長さのスケールに切断することができることが分かる。単層カーボンナノチューブの長さは処理時間の増加とともに減少する。4時間または8時間の処理後に、ほとんどの単層カーボンナノチューブは500〜600nmの長さになる。20時間の処理後には、ほとんどの単層カーボンナノチューブは400〜500nmの長さになる。30時間の処理後には、ほとんどの単層カーボンナノチューブは300〜500nmの長さになる。
〈実施例4〉
切断温度を20℃に設定し、切断時間を30時間に設定することを除いて実施例3と同様なプロセスにより、切断および精製された単層カーボンナノチューブを製造した。最終的な切断および精製された単層カーボンナノチューブのTEM像を図13に示す。
図13より、90%以上の物質種が単層カーボンナノチューブであることが分かる。ほとんどの単層カーボンナノチューブは300〜800nmの長さを有する。
〈実施例5〉
単層カーボンナノチューブは炭化水素触媒分解法により合成されたものをそのまま用いた。この単層カーボンナノチューブはまず、実施例1と同様に、2.6M HNO3 溶液中で還流を行った。単層カーボンナノチューブの表面を改質するために、単層カーボンナノチューブの分散剤として、Triton X−100の代わりに、PVP(ポリ(ビニルピロリドン))溶液を用いた。HNO3 処理した単層カーボンナノチューブをPVP溶液中において10時間超音波処理し、次いで蒸留水で2回洗浄した後、120℃において12時間乾燥させた。次に、得られた単層カーボンナノチューブに実施例2と同じH2 2 /H2 SO4 切断およびアンモニア精製プロセスを施す。図14は最終的な精製された短い単層カーボンナノチューブの長さの分布を示す。ほとんどの単層カーボンナノチューブは200〜700nmの長さの範囲に入り、1000nmより長い単層カーボンナノチューブはTEM像に観察されなかった。
〈実施例6〉
アンモニア処理の温度を900℃に設定することを除いて実施例3と同様なプロセスにより、切断および精製された単層カーボンナノチューブを製造した。最終的な切断および精製された単層カーボンナノチューブのTEM像を図15に示す。
図15を図10と比較すると、試料は900℃でのアンモニア処理後に、より高純度になっていることが分かる。しかしながら、試料中にはアモルファスカーボンや断片化された多層カーボンナノチューブのような不純物がかなりの量存在しており、これはこの温度ではアンモニアの水素化能力が低いことを示している。900℃におけるこの処理工程の収率は60%である。
〈実施例7〉
単層カーボンナノチューブは炭化水素触媒分解法により合成されたものをそのまま用いた。この単層カーボンナノチューブは、精製反応物としてアンモニアガスの代わりにNH3 とアルゴンとの混合ガスを用いることを除いて実施例1と同様なプロセスを用いて処理した。NH3 およびArの流量はそれぞれ0.6L/minおよび0.2L/minに保った。最終的な単層カーボンナノチューブのほとんどは300〜800nmの長さである。1000nmより長い単層カーボンナノチューブは観察されなかった。
〈実施例8〉
単層カーボンナノチューブは触媒化学気相成長法により合成されたものをそのまま用いた。この単層カーボンナノチューブは、不純物として金属触媒に由来する金属不純物、アモルファスカーボンおよび多層カーボンナノチューブを約60〜70重量%含む。この合成直後の単層カーボンナノチューブを2.6M HNO3 溶液に添加し、次いで140℃において24時間還流を行った。
単層カーボンナノチューブの分散剤処理
HNO3 処理した単層カーボンナノチューブを、界面活性剤としてTriton X−100を2重量%含む水溶液に懸濁し、次いで超音波処理を行って分散させた。次に、単層カーボンナノチューブの吸着されなかった分散剤を除去するために、処理された試料を濾過し、蒸留水で洗浄し、乾燥させた。
単層カーボンナノチューブの切断
HNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブを酸溶液(3:1、vol/vol 96%H2 SO4 /65%HNO3 )中で30〜40℃において14時間超音波処理した。次に、得られた150mgの試料を600mLの溶液(4:1、vol/vol
96%H2 SO4 /30%H2 2 )中において室温で0.5時間攪拌することにより研磨した。こうして単層カーボンナノチューブの切断を行った。この後、この溶液を濾過し、生成物を蒸留水で洗浄した。
アンモニア処理による精製
上述のようにして切断された単層カーボンナノチューブを石英ボートに載せ、管状炉内において1000℃で2時間、アンモニアガス(>99%純度、Lixin Gas Co.Shanghai)を1L/min流しながら加熱した。精製反応が終了した後、炉を切り、アンモニアガスを流しながら室温に自然冷却した。
P123水溶液による分散
上述のようにして精製および切断された1.0mgの単層カーボンナノチューブを20mLのP123水溶液(P123はBASF社製)に分散させ、10時間超音波処理を行った。P123水溶液のP123濃度は2.5mg/mL、0.5mg/mL、0.1mg/mLおよび0.05mg/mLの4水準に変えた。この後、こうして得られた分散液を遠心機に入れ、13000rpmで0.5時間遠心した。
P123水溶液中に分散された単層カーボンナノチューブの安定性はP123濃度が高くなるほど高くなった。P123濃度が2.5mg/mLおよび0.5mg/mLのP123水溶液中では単層カーボンナノチューブは2か月以上安定に分散し、P123濃度が0.1mg/mLおよび0.05mg/mLのP123水溶液中では単層カーボンナノチューブは1週間以上安定に分散していた。
得られた単層カーボンナノチューブをTEMおよび共鳴ラマン散乱測定で評価した結果、実施例1と同様な結果が得られた。
以上、この発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた数値、材料、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、材料、原料、プロセスなどを用いてもよい。
実施例1における成長直後の単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例1における成長直後の単層カーボンナノチューブの共鳴ラマン散乱スペクトルを示す略線図である。 実施例1において2.6M HNO3 で48時間還流を行い、Triton−X 100で処理を行い、HNO3 /H2 SO4 溶液により24時間切断を行った単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例1において図3に示す試料をH2 SO4 /30%H2 2 (4:1)中で研磨した後の透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例1においてアンモニア雰囲気中で1L/minの流量で1000℃において2時間処理を行った後の図4に示す試料の共鳴ラマン散乱スペクトルを示す略線図である。 実施例1における図5に示す試料の透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例1においてTriton X−100に14時間分散した後の図6に示す単層カーボンナノチューブの長さの分布を示す略線図である。 実施例2においてH2 2 /H2 SO4 溶液により30時間切断を行った後のHNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例2において1000℃で2時間アンモニア処理を行った後の図8に示す試料の透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例3において(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液中で切断された試料の透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 HNO3 −Triton−単層カーボンナノチューブおよび実施例3における図10に示す試料のTG−DSC曲線を示す略線図である。 実施例3において1000℃で2時間アンモニア処理を行った後に(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液により異なる時間で切断を行った単層カーボンナノチューブの長さの分布を示す略線図である。 実施例4において(NH4 2 2 8 /H2 SO4 溶液により20℃で20時間切断を行い、さらにアンモニア中で1000℃で2時間精製を行った単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。 実施例5において得られた単層カーボンナノチューブの長さの分布を示す略線図である。 実施例6において得られた最終的な精製された単層カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡像を示す図面代用写真である。

Claims (8)

  1. 単層カーボンナノチューブを含むカーボン系材料を酸で処理する工程と、
    上記酸で処理された上記カーボン系材料を分散剤で処理する工程と、
    上記分散剤で処理された上記カーボン系材料を酸化剤で処理する工程と、
    上記酸化剤で処理された上記カーボン系材料を還元性ガスで処理する工程と
    を有する単層カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 上記カーボン系材料を酸で処理することにより、上記カーボン系材料に含まれる金属不純物を除去するとともに、上記単層カーボンナノチューブのチューブ壁に欠陥を生成する請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 上記カーボン系材料を酸化剤で処理することにより上記単層カーボンナノチューブを切断する請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 上記カーボン系材料を還元性ガスで処理することにより、上記カーボン系材料のうちの上記単層カーボンナノチューブ以外のカーボンを除去する請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 上記酸は硝酸である請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. 上記酸化剤は、硝酸、過マンガン酸塩、ニクロム酸塩、鉄酸塩、過酸化水素および過硫酸塩化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種類を含む請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 上記還元性ガスはアンモニアを含む請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 上記分散剤は界面活性剤またはポリマーまたはそれらの混合物からなる請求項1記載の単層カーボンナノチューブの製造方法。
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