JP2003295817A - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの駆動方法

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JP2003295817A
JP2003295817A JP2002102357A JP2002102357A JP2003295817A JP 2003295817 A JP2003295817 A JP 2003295817A JP 2002102357 A JP2002102357 A JP 2002102357A JP 2002102357 A JP2002102357 A JP 2002102357A JP 2003295817 A JP2003295817 A JP 2003295817A
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discharge
electrode
voltage
sustain
display panel
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JP2002102357A
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Toru Ando
亨 安藤
Yusuke Takada
祐助 高田
Hiroyuki Tachibana
弘之 橘
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータやテレビジョン等の画像表示に
使用されるプラズマディスプレイパネルの駆動方法にお
いて、異常表示となるクロストーク放電を防止する。 【解決手段】 走査電極と維持電極とがそれぞれ放電ギ
ャップに近い部分と遠い部分に分離された構造のパネル
に対して、初期化期間の前半の第1初期化期間に放電セ
ル全体で起こる強い放電を起こし、初期化期間の後半の
第2初期化期間では放電ギャップに近い部分のみで起こ
る弱い放電によって壁電荷を調整することによって、書
き込み放電を起こす領域を、放電ギャップの近い部分の
みに制限することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョンまた
はモニターとして利用されるプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】AC面放電型プラズマディスプレイパネ
ル(以下、パネルという)の斜視図を図11に、電極構
造を図12に示す。図11に示すように、パネル1で
は、表面側のガラス製の第1の基板2と背面側のガラス
製の第2の基板3とが対向して配置されているととも
に、その間隙には放電によって紫外線を放射するガス、
例えばネオンおよびキセノンが封入されている。
【0003】第1の基板2上には、第1の誘電体層6お
よび保護膜7で覆われた対を成す帯状の走査電極4と維
持電極5とからなる電極群が互いに行方向に平行配列さ
れている。
【0004】第2の基板3上には、走査電極4および維
持電極5と直交する列方向に第2の誘電体層10に覆わ
れた帯状の書き込み電極11が互いに平行配列されてい
る。また、この各書き込み電極11を隔離し、かつ放電
空間を形成するために、帯状の隔壁8が書き込み電極1
1の間に設けられている。更に、第2の誘電体層10上
から隔壁8の側面にわたって蛍光体層9が塗布されてい
る。
【0005】このパネル1は第1の基板2側から画像表
示を見るようになっており、放電空間内での走査電極4
と維持電極5との間の放電により発生する紫外線によっ
て、蛍光体層9を励起し、この蛍光体層9からの可視光
を表示発光に利用するものである。
【0006】また、図12に示すように、走査電極4お
よび維持電極5はそれぞれ、導電性を高めるための金属
母線4A,5Aと透明電極4B,5Bとから構成されて
いる。透明電極4B,5Bは、放電を広げ、より大きな
容積で放電がおこるようにする働きを有している。
【0007】次に、従来の駆動方法について図13およ
び図14を用いて説明する。
【0008】従来のプラズマディスプレイパネルの駆動
方法は、図13に示すように1フィールドを複数のサブ
フィールドに分割する。それぞれのサブフィールドで、
表示できる明るさが異なり、これらのサブフィールドの
組み合わせによって階調表示を行う。各サブフィールド
は、それぞれ初期化期間、書き込み期間、維持期間から
構成されていて、維持期間の長さでそのサブフィールド
の表示する明るさが変わる。
【0009】図14(a)〜(d)に、ある1つのサブ
フィールド中に、走査電極4、維持電極5、書き込み電
極11の各電極に印加される電圧波形の一例、およびそ
れによる放電発光を示す。図14(a)は走査電極4、
図14(b)は維持電極5、図14(c)は書き込み電
極11にそれぞれ印加する電圧波形の例である。図14
(d)は、この駆動電圧波形によっておこる放電発光の
強度を模式的に表す。
【0010】図14において、まず走査電極4に初期化
パルスVsetを印加し、パネル1の放電セル内の電荷
状態を初期化し、次に維持電極5に電圧Veを印加し、
走査電極の電位を徐々に−Vaに変化させることによっ
て、第1の誘電体層6、蛍光体層9に蓄積された電荷を
続く書き込み期間に向けて調整する。次に、選択するセ
ル以外の走査電極4にバイアス電圧Vscanをかけて
おき、選択するセルにはバイアス電圧Vscanを取り
除くと同時に書き込み電極11に書き込みパルスVdを
印加して書き込み放電をおこす。
【0011】この書き込み放電によって、第1の誘電体
層6、保護膜7、および蛍光体層9表面に電荷が蓄積さ
れる。同様の書き込み動作をパネル1全面にわたって順
次行い、表示するセルを選択する。
【0012】次に、維持放電を行うために、書き込み電
極11を接地し、走査電極4と維持電極5に交互に維持
パルスVsを印加することによって、壁電荷が蓄積され
たセルでは第1の誘電体層6表面の電位が放電開始電圧
を上回ることによって放電が発生し、維持パルスが印加
されている期間(維持期間)、維持放電が繰り返し行わ
れる。
【0013】上述した第1の誘電体層6や蛍光体層9に
蓄積された電荷は壁電荷と呼ばれ、プラズマディスプレ
イパネルの駆動において重要な役割を担っている。
【0014】従来の駆動方法における壁電荷の動きにつ
いて、詳細に図15を用いて説明する。図15(a)〜
(g)は、1つの放電セルを書き込み電極11に沿って
切った断面図を表し、簡単のため、図15(a)に示す
ように走査電極4、維持電極5、第1の誘電体層6、蛍
光体層9、書き込み電極11のみを模式的に示す。ま
た、それぞれの電極に印加する電圧を電極から引き出し
て示す。
【0015】図15(b)〜(g)は、それぞれ図14
の時刻t1〜t6に対応している。初期化期間における
放電は、続く書き込み期間において、選択動作である書
き込み放電が正常におこるように壁電荷を調整するのが
目的である。
【0016】第1初期化ステップである第1初期化期間
(時刻t1)では、走査電極4に正の電圧Vsetを印
加し、走査電極4と維持電極5、書き込み電極11との
間で放電を発生させる。この放電により、走査電極4上
の第1の誘電体層6には負の壁電荷が、維持電極5と書
き込み電極11上の第1の誘電体層6には正の壁電荷が
蓄積される(図15(b))。
【0017】続く第2初期化ステップである第2初期化
期間(時刻t2)においては、維持電極5に正の電圧V
eを印加するとともに、走査電極4に印加した電位を徐
々に低くする。走査電極4と維持電極5との間の電位差
に、第1初期化期間で蓄積された壁電荷を重畳した電位
が放電開始電圧を超えると、走査電極4と維持電極5と
の間で放電が開始する。このとき、走査電極4に印加さ
れた電圧の変化が緩やかであるので、放電による壁電荷
の移動は緩やかとなり、放電空間は放電開始電圧に近い
状態に保たれながら電荷を移動させる。
【0018】したがって、初期化期間(第1初期化期間
+第2初期化期間)の終了時(時刻t3)には、走査電
極4と維持電極5との間は、放電開始電圧に近い状態
で、走査電極4に正の壁電荷、維持電極5に負の壁電荷
が蓄積されることになる(図15(d))。このような
初期化方法は、特表2000−501199号公報に記
載のある駆動方法で、弱い放電による壁電荷調整によ
り、初期化放電による発光を弱く抑えることができる上
に、そのセルの放電開始電圧に応じて壁電荷が自動的に
調整されるという点で優れた駆動方法である。
【0019】このような初期化課程を経て、書き込みス
テップである書き込み期間直前においては、走査電極4
上に負の壁電荷、維持電極5と書き込み電極11上には
正の壁電荷が蓄積されているため、書き込み電極11に
正の書き込みパルスを印加することによって、書き込み
放電をおこすことができる(図15(e))。この書き
込み放電によって、走査電極4と維持電極5の間では、
外部より印加された電位差を打ち消すように壁電荷が配
置され、走査電極4上には正の壁電荷、維持電極5上に
は負の壁電荷を蓄積することができる(図15
(f))。
【0020】この状態に対して、維持ステップである維
持期間(時刻t6)において、走査電極4に正の電圧、
維持電極5には負の電圧(または接地電位)を印加する
ことによって、蓄積された壁電荷による電位と外部電圧
とが重畳された効果で維持放電が開始する。書き込み放
電が行われていない放電セルにおいては、壁電荷の配置
が図15(d)の状態のままであるため、同じような電
圧を印加しても、放電開始に対しては放電開始電圧が足
りないために、維持放電しない。これが、プラズマディ
スプレイパネルにおける選択動作の原理である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の駆動方
法においては、書き込み期間に本来とは異なった電荷の
移動が行われてしまう問題点がある。その結果として、
放電による電荷移動が隣接する放電セルに到ってしまう
ことである。
【0022】この原因としては、次のような現象がおこ
っていることによるのではないかと推測される。
【0023】書き込み期間における放電は、行ごとに順
次書き込み放電が行われるため、放電しているセルと隣
接した行のセルは、本来は放電していない状態である
が、放電しているセルでの書き込み放電によって荷電粒
子が流れ込みやすい状況になる。この結果、クロストー
クと呼ばれる本来は書き込み放電されない行のセルで書
き込み放電がおこり、荷電粒子の移動によって本来ある
べき壁電荷が失われたり、余分な壁電荷を蓄積したりす
ることで、不良点灯の原因となり、表示品位を低下させ
ていた。
【0024】今後、高精細化が図るために電極寸法の変
更による隣接した行のセルのピッチが小さくなる場合に
は、このようなクロストーク現象が大きな課題となって
くる。
【0025】このクロストーク現象を防止するために、
特開平10−308177号公報に記載されているよう
な隣接する放電領域を区画する格子状の隔壁を設けたも
のも提案されているが、構造が複雑で製造工数が大であ
ると欠点をもっている。
【0026】本発明は、このような従来の構成が有して
いた問題を解決しようとするものであり、簡易な方法に
てクロストークなどの異常な放電を予防し、安定した良
質な画像表示を得ることが目的である。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、第1の誘電体に覆われた行方向に伸びた走
査電極および維持電極が放電ギャップを挟んで平行に形
成された第1の基板と、第1の基板と放電空間を挟んで
対向配置され、列方向に伸びた書き込み電極が形成され
た第2の基板と、走査電極、維持電極、書き込み電極と
の交点に形成された放電セルとを有し、走査電極および
維持電極が放電ギャップに近い部分である放電開始部と
放電ギャップから遠い部分である放電終端部とに分離さ
れたプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、
走査電極と維持電極全体にわたって放電がおこる第1初
期化ステップと、走査電極と維持電極のうち、放電開始
部のみで放電をおこす第2初期化ステップと、表示する
放電セルを選択する書き込みステップと、表示を実行す
る維持ステップとを、備えたプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法を設けたものである。
【0028】これにより、書き込み時に放電開始部のみ
で放電が発生することでクロストークなどの異常な放電
を予防し、安定した良質な画像表示を得ることができ
る。
【0029】請求項2記載の発明は、第2初期化ステッ
プに走査電極と維持電極との間に印加される電圧波形が
所定の勾配の電圧変化率を有するプラズマディスプレイ
パネルの駆動方法であることを特徴とする。
【0030】請求項3記載の発明は、第1初期化ステッ
プの走査電極と維持電極との間に印加される電圧波形
が、強い放電がおこるような電圧波形であるプラズマデ
ィスプレイパネルの駆動方法であることを特徴とする。
【0031】請求項4記載の発明は、第1初期化ステッ
プの走査電極と維持電極との間に印加される電圧波形
が、走査電極と維持電極の全体に放電が広がるまで、所
定の勾配の電圧変化率を有するプラズマディスプレイパ
ネルの駆動方法であることを特徴とする。
【0032】請求項5記載の発明は、書き込みステップ
において、走査電極の放電開始部と維持電極の放電開始
部との間で書き込み放電をおこすことによって表示すべ
き放電セルを選択するプラズマディスプレイパネルの駆
動方法であることを特徴とする。
【0033】これらの請求項2から請求項5記載の発明
により、クロストークなどの異常な放電を予防し、安定
した良質な画像表示を得ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1〜図10を用いて説明する。
【0035】(実施の形態1)プラズマディスプレイパ
ネル(以下、パネルという)の構造を図2に示す。ま
た、1つの放電セルに対する電極構造を図3に示す。図
3において、走査電極4は放電ギャップに近い走査電極
41と放電ギャップから遠い走査電極42とから構成さ
れており、維持電極5は放電ギャップに近い維持電極5
1と放電ギャップから遠い維持電極52とから構成され
ている。
【0036】ここで、放電ギャップに近い部分を放電開
始部と、放電ギャップから遠い部分を放電終端部と呼
ぶ。
【0037】この構造は、放電ギャップを形成する部分
41、51と、外側に位置する42、52とが機能の上
で分離されている。
【0038】また、図4や図5、図6に示すような電極
構造も提案されている。これらは、電極の面積を小さく
することで、放電電流を削減し、放電の効率を向上する
効果がある。これらの構造も、電極の設計次第で放電ギ
ャップの近傍41、51と、その外側の部分42、52
とに機能を分離することができる。
【0039】ここで機能の上で分離するとは、各電極に
印加された電圧によって、第1の誘電体層6の表面に電
位分布が発生し、これによって蓄積される壁電荷が放電
ギャップに近い部分とその外側とで変化することを表
す。これにより、後述するように、放電による壁電荷の
制御を分離された各部分独立に行うことができる。ま
た、放電ギャップを形成する部分41と51は、放電開
始電圧を低くし、放電ギャップから遠い部分42と52
は、放電が広がる領域を決めている。
【0040】次に本発明は、電極に印加する電圧波形に
よっておこる2種類の放電を使い分けることが重要であ
る。この2種類の放電とは、まず第1に放電空間に放電
開始電圧よりも十分高い電圧を印加することによりおこ
る放電である。以下、これを「強い放電」という。第2
には、放電空間に放電開始電圧より低い電圧から放電開
始電圧より高い電圧に向かって徐々に上昇するように変
化する電圧を印加することによっておこる放電である。
以下、これを「弱い放電」という。
【0041】図7を用いてそれらの放電の違いについて
説明する。図7(a)〜(e)の図は、1つの放電セル
の走査電極4に垂直方向の断面図を表し、簡単のため走
査電極4、維持電極5、第1の誘電体層6と放電空間の
み示す。また、ここでは、放電が開始する前に第1の誘
電体層6に壁電荷が蓄積されていないと仮定する。放電
前に壁電荷が蓄積されている場合には、放電空間に対す
る印加電圧は、外部印加電圧V1,V2に壁電荷による
電圧を重畳した値と考えればよい。
【0042】走査電極4と維持電極5とが同一面内に配
置されている場合、両電極間に電圧を印加したときに最
も電界強度が強くなるのは、両電極間で最も距離の短い
場所、すなわち放電ギャップに近い部分(図7(a)の
X)である。放電ギャップから遠く離れた部分(図7
(a)のY)では、当然それより電界強度は弱くなる。
【0043】図7(b)に示すように、印加電圧V1が
空間の放電開始電圧Vf(この場合、空間の中で放電が
最もおこりやすいX部が放電を開始する電圧)より十分
大きい場合、放電ギャップから離れたY部も放電開始電
圧に至っているか、またはX部でおこった放電の誘発作
用によって、放電開始電圧が低下し、放電が放電空間全
体に速やかに広がる。この場合、壁電荷は両電極を覆う
第1の誘電体層6の広い範囲に分布し、外部から印加し
た電圧V1を打ち消すように配置するため、放電空間の
電界は0に近くなる(図7(c))。これが強い放電で
ある。
【0044】図7(d)に示すように、印加電圧V2が
放電空間の放電開始電圧Vfをわずかに超える電圧であ
った場合、放電はX部で始まるが、壁電荷の移動によっ
て電界が放電開始電圧Vfより下回った時点で放電が収
束してしまう。したがって、X部における電界強度は、
放電開始電圧よりやや低い状態で保持される(図7
(e))。これが弱い放電である。
【0045】放電開始電圧をわずかに超える電圧を印加
するという制御は難しいが、印加電圧を放電開始電圧V
fよりも低い電圧から高い電圧に向けて徐々に変化する
ような電圧波形にすることにより、上記弱い放電を連続
的におこし、放電空間の電界を放電開始電圧Vfに近い
状態で保持しながら放電をおこし、壁電荷の配置を調整
することができる。この方法は、例えば特表2000−
501199号公報などに示される駆動方法に応用され
ている。
【0046】図7(e)に示されるように、弱い放電
は、空間的に限られた領域でおこるという特徴を持って
いる。図3〜図6のような電極構造に、この弱い放電を
適用すると、弱い放電による放電は、さらに放電ギャッ
プから遠い方へは広がりにくく、放電をほぼ放電ギャッ
プ付近のみに制限することができる。したがって、これ
を利用して放電ギャップに近い部分と、遠い部分におけ
る放電、および壁電荷を独立に制御することができる。
【0047】本発明は、図3〜図6のような放電ギャッ
プに近い部分と遠い部分に機能が分離された電極構造に
適用する駆動方法と、更に上述した2種類の強い放電と
弱い放電の放電の形態の違いを組み合わせたものであ
る。
【0048】次に、具体的にこの2種類の放電を図3〜
図6のような電極構造に適用した本発明の駆動方法を、
図1と図8と図10とを用いて説明する。
【0049】図1に、本発明の実施の形態1の駆動方法
における電圧波形を示す。図1(a)は走査電極4、図
1(b)は維持電極5、図1(c)は書き込み電極11
にそれぞれ印加する波形を、図1(d)は放電による発
光強度を模式的に表す。ここに示した時刻t1〜t6
は、図8の時刻と対応している。この電圧波形による動
作を、図8を用いて説明する。図8は、図14と同様、
1つの放電セルを書き込み電極11に沿って切断した断
面図で、簡単のために走査電極4、維持電極5、第1の
誘電体層6、蛍光体層9、書き込み電極11のみを示し
ている。また、機能的に分離された電極構造を示すため
に、走査電極4と維持電極5とをそれぞれ放電ギャップ
に近い部分41、51と放電ギャップから遠い部分4
2、52とに分けて示している。
【0050】まず、第1初期化ステップである第1初期
化期間の時刻t1において、走査電極4に負の電圧−V
set1を、維持電極5に正の電圧Vset2を印加す
る。これにより、走査電極4と維持電極5の間で強い放
電がおこり、図8(b)に示すように、放電ギャップに
近い部分41および51と、放電ギャップから遠い部分
42および52との両方に壁電荷が蓄積される。
【0051】次に、走査電極4の電位を−Vset1か
ら正の電圧Vset3に、維持電極5の電位をVset
2からVset2より低い電圧Veにそれぞれ電極に印
加される電圧波形が所定の勾配の電圧変化率を有して緩
やかに変化させる。ここで緩やかに変化させるとは、上
述した弱い放電が持続的におこるような変化を言う。
【0052】また、この所定の勾配の電圧変化率は10
V/マイクロ秒以下である。
【0053】この変化率が急激すぎると、強い放電によ
って、放電はすぐに終了してしまう。ここにおける所定
の勾配の電圧変化率により、第2初期化ステップである
第2初期化期間である図8(c)に示すように、放電ギ
ャップに近い部分41と51の間で弱い放電がおこる。
この放電によって、放電ギャップに近い部分41は正極
性から負極性に変わる。また、放電ギャップに近い部分
51は負極性から正極性に変わる。
【0054】この放電は、上述したように放電ギャップ
に近い部分のみに制限できるため、前の放電で放電ギャ
ップから遠い部分42、52に蓄積された壁電荷は、そ
のまま保持することができる。
【0055】ここまでの動作により、初期化ステップで
ある初期化期間(第1初期化期間+第2初期化期間)が
終了した時点t3で、図8(d)に示したように、放電
ギャップに近い部分である放電開始部41,51と放電
ギャップから遠い部分である放電終端部42,52とで
壁電荷の極性が異なることになる。
【0056】なお、この後で走査電極4の電位は−Va
に変化させておく。この電位変化においても、弱い放電
によって放電開始部は放電開始電圧に近い状態にしてお
く。
【0057】続く書き込みステップである書き込み期間
には、書き込みを行う行以外の走査電極4にはバイアス
電圧Vscanを印加しておき、放電がおこらないよう
にする。書き込みを行う行の走査電極4は、このバイア
ス電圧Vscanを除き、電位−Vaになるようにし、
同時に書き込み電極11に正の電圧Vdを印加する。ま
ず書き込み電極11と走査電極4の放電開始部41との
間で放電が開始し、初期化期間に放電開始電圧に近い状
態に調整されている走査電極4と維持電極5のうち放電
開始部41、51の間にも放電がおこる。放電終端部4
2,52は、蓄積されている壁電荷の極性が逆であるか
ら、放電はここまでは及ばない。
【0058】この書き込み放電によって、図8(f)に
示すように走査電極4の2つの部分、維持電極5の2つ
の部分に蓄積された壁電荷はそれぞれ同じ極性となり、
続く維持ステップである維持期間、時刻t6に走査電極
4に正の電圧Vs、維持電極5を接地することで、電極
全体に広がる放電をおこすことができる。
【0059】非選択放電セルは、書き込み放電をおこさ
ないため、維持期間開始時(時刻t6)における壁電荷
の分布は、図8(d)のような分布である。したがっ
て、維持パルスを印加しても放電を開始することができ
ない。
【0060】従来の駆動方法の場合、図15(e)に示
すように、書き込み放電は走査電極4、維持電極5全体
に広がる。これに対し、本発明の書き込み放電は、図8
(e)のように放電ギャップに近い部分である放電開始
部のみでしか起きないため、放電で流れる電流が小さ
い。また、書き込み放電の空間的広がりが小さいため、
書き込み放電が隣接する放電セルに影響を与えることが
少なく、隣接する放電セルに電荷が移動し、壁電荷を変
化させることでおこる表示不良、すなわちクロストーク
がおこりにくい。
【0061】なお、本発明の駆動方法は、図3〜図6に
示すような機能を分離させた電極構造に適用できる方法
だが、その効果は、電極構造の機能の「分離」の度合い
が強いほど大きくなる。また、図3〜図6に示したもの
以外の電極構造においても、電極の機能が分離されてい
れば本発明は適用可能である。
【0062】次に本発明の駆動方法の回路ブロック図を
図10に示す。図10において、初期化波形発生回路と
維持パルス発生回路からの信号が維持電極5に加えら
れ、初期化波形発生回路と維持パルス発生回路からの信
号がスキャンパルス発生回路を介して走査電極4に加え
られ、更に書き込みパルス発生回路からの信号は書き込
み電極11に加えられる。
【0063】(実施の形態2)図9に、本発明の実施の
形態2の駆動電圧波形を示す。本実施の形態2の駆動方
法は、実施の形態1(図1)と比較して、第1初期化ス
テップである第1初期化期間における電圧波形が異なる
のみである。実施の形態1の駆動波形における、第1初
期化期間の強い放電は、表示データに関わらずおこる放
電であり、ここでの発光は背景輝度を高くし、コントラ
ストを低下させてしまう。
【0064】本実施の形態2では、この第1初期化ステ
ップの第1初期化期間である初期化期間の前半において
も、緩やかに変化する所定の勾配の電圧変化率を有する
電圧波形を印加し、放電による発光の強度を小さくし
た。ただし、このような弱い放電では、上で述べたよう
に、放電ギャップから遠い部分である放電終端部にある
電極42、52へは放電が到達しないため、緩やかに変
化する電圧を、高い電圧まで上げることによって、弱い
放電を徐々に広範囲にまで広げる必要がある。つまり、
電圧波形としては、電圧値−Vset1が実施の形態1
よりも低く、電圧値Vset2が実施の形態1よりも高
くなり、変化する電圧を印加する時間も長くなる。
【0065】書き込みステップである書き込み期間以降
の電圧波形、動作については実施の形態1と同一であ
る。
【0066】なお、本発明の駆動方法は、図3〜図6に
示すような機能を分離させた電極構造に適用できるが、
その効果は、電極構造の機能の「分離」の度合いが強い
ほど大きくなる。また、図3〜図6に示したもの以外の
電極構造においても、電極の機能が分離されていれば本
発明は適用可能である。
【0067】また、本発明のプラズマディスプレイパネ
ルの駆動方法において、書き込み期間の波形、走査順
序、維持期間における維持波形などについては任意であ
る。
【0068】さらに、本発明を適用するプラズマディス
プレイパネルは、図3〜図6に示すように、電極構造が
機能的に分離された構造であれば、電極の配列順序(走
査電極4と維持電極5の位置関係)、隔壁8や第1の誘
電体層6、蛍光体層9、書き込み電極11の形状は任意
である。
【0069】また、前述した特開平10−308177
号公報に記載されているような隣接する放電領域を区画
する格子状の隔壁を設けたものに本発明のプラズマディ
スプレイパネルの駆動方法を組み合わせることでクロス
トーク放電防止の効果は更に顕著となる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明は、走査電極と維
持電極とがそれぞれ放電ギャップに近い部分である放電
開始部と遠い部分である放電終端部に分離された構造の
パネルに対して、初期化期間に放電セル全体でおこる放
電と放電ギャップ付近でおこる放電とを組み合わせるこ
とによって、書き込み期間に緩やかに変化する所定の勾
配の電圧変化率を有する電圧波形を印加し弱い放電を発
生させ、書き込み放電の空間的な広がりを小さくし、書
き込みの放電電流を削減し、異常表示をおこすクロスト
ーク放電を簡易な方法にて防止することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の駆動電圧波形図
【図2】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの構造図
【図3】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの電極構造図
【図4】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの電極構造図
【図5】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの電極構造図
【図6】本発明の実施の形態のプラズマディスプレイパ
ネルの電極構造図
【図7】強い放電と弱い放電を説明するための走査電極
の断面図
【図8】本発明の実施の形態1の駆動方法における壁電
荷の動作を説明する図
【図9】本発明の実施の形態2の駆動電圧波形図
【図10】本発明の実施の形態の駆動回路ブロック図
【図11】従来のプラズマディスプレイパネルの構造を
示す斜視図
【図12】従来のプラズマディスプレイパネルの電極構
造図
【図13】サブフィールド分割法を表す図
【図14】従来のプラズマディスプレイパネルの駆動電
圧波形図
【図15】従来の駆動方法の壁電荷の動作を説明する図
【符号の説明】
1 パネル 2 第1の基板 3 第2の基板 4 走査電極 5 維持電極 6 第1の誘電体層 7 保護膜 8 隔壁 9 蛍光体層 10 第2の誘電体層 11 書き込み電極 4A,5A 金属電極 4B,5B 透明電極 41 走査電極のうち放電ギャップに近い部分(放電開
始部) 42 走査電極のうち放電ギャップから遠い部分(放電
終端部) 51 維持電極のうち放電ギャップに近い部分(放電開
始部) 52 維持電極のうち放電ギャップから遠い部分(放電
終端部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 G09G 3/28 H E (72)発明者 橘 弘之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C080 AA05 BB05 DD09 DD10 HH04 HH05 JJ02 JJ04 JJ06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の誘電体に覆われた行方向に伸びた
    走査電極および維持電極が放電ギャップを挟んで平行に
    形成された第1の基板と、 前記第1の基板と放電空間を挟んで対向配置され、列方
    向に伸びた書き込み電極が形成された第2の基板と、前
    記走査電極、前記維持電極、前記書き込み電極との交点
    に形成された放電セルとを有し、前記走査電極および前
    記維持電極が前記放電ギャップに近い部分である放電開
    始部と前記放電ギャップから遠い部分である放電終端部
    とに分離されたプラズマディスプレイパネルの駆動方法
    において、 前記走査電極と前記維持電極全体にわたって放電がおこ
    る第1初期化ステップと、前記走査電極と前記維持電極
    のうち、前記放電開始部のみで放電をおこす第2初期化
    ステップと、表示する前記放電セルを選択する書き込み
    ステップと、表示を実行する維持ステップとを、備えた
    プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記第2初期化ステップに前記走査電極
    と前記維持電極との間に印加される電圧波形が所定の勾
    配の電圧変化率を有する請求項1に記載のプラズマディ
    スプレイパネルの駆動方法。
  3. 【請求項3】 前記第1初期化ステップの前記走査電極
    と前記維持電極との間に印加される電圧波形が、強い放
    電がおこるような電圧波形である請求項2に記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記第1初期化ステップの前記走査電極
    と前記維持電極との間に印加される電圧波形が、前記走
    査電極と前記維持電極の全体に放電が広がるまで、所定
    の勾配の電圧変化率を有する請求項2に記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記書き込みステップにおいて、前記走
    査電極の放電開始部と前記維持電極の放電開始部との間
    で書き込み放電をおこすことによって表示すべき放電セ
    ルを選択する請求項1に記載のプラズマディスプレイパ
    ネルの駆動方法。
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