JP2003266926A - インクジェット被記録材 - Google Patents

インクジェット被記録材

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JP2003266926A
JP2003266926A JP2002073997A JP2002073997A JP2003266926A JP 2003266926 A JP2003266926 A JP 2003266926A JP 2002073997 A JP2002073997 A JP 2002073997A JP 2002073997 A JP2002073997 A JP 2002073997A JP 2003266926 A JP2003266926 A JP 2003266926A
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ink
water
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JP2002073997A
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Hideji Oda
秀次 織田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】支持体上にインク受理層が設けられてなるイン
クジェット被記録材において、インク受理層の塗層強度
が高く、インクジェット記録装置での連続給紙性に優
れ、また、白紙部の耐黄変性に優れたインクジェット被
記録材を提供すること。 【解決手段】支持体上にインク受理層を設けられてなる
インクジェット被記録材において、該インク受理層に水
溶性多価金属塩と高分子紫外線吸収剤を含有することを
特徴とするインクジェット被記録材。該インク受理層に
蛍光増白剤を含有しても良く、該水溶性多価金属塩が有
機酸金属塩であることが好ましい。該高分子紫外線吸収
剤が水分散微粒子あるいは水溶性であることが好まし
い。また、該支持体が酸性紙であることが好ましい。更
に、該インク受理層に用いられる顔料が非晶質シリカか
らなることが好ましい態様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット被記
録材に関するものであり、更に詳しくは、支持体上にイ
ンク受理層が設けられてなるインクジェット被記録材に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の被記録
材に付着させ、画像や文字等を記録する方式である。イ
ンクジェット記録に用いるインクジェット記録装置は、
記録パターンの融通性が大きく、高速印字性や低騒音性
に優れ、現像及び定着が不要等の特長があり、複雑な画
像を正確・迅速に形成できるばかりでなく、特にコンピ
ューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報の
ハードコピー作成装置として、近年急速に普及してい
る。また、複数個のインクノズルを使用して、多色記録
を行うことも容易である。多色インクジェット記録方式
により形成されるカラー画像は、もはや製版方式による
多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色の
ない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少な
い用途に於ては、印刷方式や写真方式より経済的に有利
である点で広く応用されつつある。
【0003】また、用途の多様化に伴い、大判のポスタ
ーやPOPアート、製図用途に使用されるようにもなっ
てきている。これらの用途では、インクジェットの高鮮
鋭性を生かせ、色彩性も優れていることから良好な画像
を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとな
る。これらへの適応はパーソナルコンピューターレベル
で、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優
れた画像を簡単に得ることが可能であるためインクジェ
ット被記録材を多様化する理由にもなっている。
【0004】このようなインクジェット記録装置は、最
近のハードコピー枚数の増加に伴い、更なる高速化が不
可欠になってきている。インクジェット記録装置の高速
化はインク噴射速度の向上、インクノズルの並列化や大
サイズ化、インクノズル移動速度の向上、インクジェッ
ト被記録材のインク吸収速度の向上等により実現されて
きている。このインクジェット記録装置の高速化によ
り、インクジェット被記録材の搬送速度が上昇したた
め、それに対応する搬送性に優れたインクジェット被記
録材が必要になってきた。
【0005】このようなインクジェット被記録材は一般
的に優れた画像再現性や色再現性を得る為に、支持体の
上にインク受理層を設けている。インクジェット被記録
材の搬送性に影響する特性として、インク受理層の塗層
強度が挙げられる。インクジェット記録装置において、
インクジェット被記録材の搬送は、主としてピックアッ
プロール被覆弾性体(給紙ローラー)によって行われ
る。インク受理層の塗層強度が弱いとインク受理層が支
持体から剥離し、インクジェット記録装置で搬送される
際に給紙ローラーにインク受理層の粉が付着してしま
う。給紙ローラーに付着するインク受理層の粉が多くな
ってくるとインクジェット被記録材と給紙ローラーとの
摩擦係数が低下し、連続給紙を行うと給紙不良や排紙不
良が発生する。
【0006】インク受理層の塗層強度を高める提案が従
来から数多くされてきている。インク受理層に樹脂等を
オーバーコートする方法やインク受理層中の親水性バイ
ンダーを硬化する方法は、インク受理層のインク吸収性
が低下し、印字境界部における滲みを起こす。特開平5
−221115号公報には、インク受理層にデンプン粒
子を添加したインクジェット被記録材が開示されている
が、インク受理層自体の強度は高まるが、インクのにじ
み及び他紙への転写という点では不充分である。
【0007】特開平6−278357号公報にはコロイ
ダルシリカを用いる方法が開示されているが、連続給紙
を行なった場合、初期の搬送性は良好であるが、搬送枚
数が多くなるにしたがってインクジェット被記録材と給
紙ローラーとの摩擦係数が低下する傾向が見られ、給紙
不良や排紙不良が発生するようになる。
【0008】一方、インク受理層の見た目の白さを得る
ために蛍光増白剤染料を含有させることがあるが、蛍光
増白剤染料は、光によって分解してその作用が低下し、
インクジェット受理層が変色してしまうという問題があ
る。
【0009】特開平8−169172号公報には紫外線
吸収性カチオンポリマーを含有させる方法が開示されて
いるが、ファイル中に含まれる酸化防止剤に対する耐黄
変性には効果がみられるが、耐光性に対する白紙部の耐
黄変性については不充分である。
【0010】特開2000−103160号公報には多
価金属イオンを含有させる方法が開示されているが、高
分子紫外線吸収剤との相互作用及び白紙部の耐黄変性に
ついては記載されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
ク受理層の塗層強度が高く、インクジェット記録装置で
の連続給紙性に優れ、また、白紙部の耐黄変性に優れた
インクジェット被記録材を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、インクジェ
ット記録装置での連続給紙性に優れ、また、白紙部の耐
黄変性に優れたインクジェット記録材を提供するために
塗層強度を高める方法及び白紙部の耐黄変性を高める方
法に関して鋭意検討を重ねた。その結果、支持体上にイ
ンク受理層が設けられてなるインクジェット被記録材に
おいて、インク受理層に水溶性多価金属塩と高分子紫外
線吸収剤を含有することで上記課題が解決された。
【0013】インク受理層に蛍光増白染料を含有するこ
とが好ましい態様である。
【0014】水溶性多価金属塩は有機酸金属塩であるこ
とが好ましい態様である。
【0015】高分子紫外線吸収剤は水分散微粒子あるい
は水溶性であることが好ましい態様である。
【0016】支持体は酸性紙であることが好ましい態様
である。
【0017】インク受理層に用いられる顔料が非晶質シ
リカからなることが好ましい態様である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット被
記録材について、詳細に説明する。
【0019】本発明に用いられる水溶性多価金属化合物
としては、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバ
ルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウ
ム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデン
から選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には
例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸バリウ
ム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和
物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、
塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバ
ルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッ
ケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四
水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫
酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミ
ニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水
和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫化第一
鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和
物、硫酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩
化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒド
ロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫
酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸
マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングスト
りん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩
化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げら
れる。
【0020】本発明に用いられる水溶性多価金属塩は、
有機酸多価金属塩がより好ましい。有機酸多価金属塩の
中でも、有機スルホン酸金属塩、有機硫酸エステル金属
塩が好ましく、例えば、ベンゼンスルホン酸金属塩、ナ
フタリンスルホン酸金属塩等が知られており、これらに
有する置換基としては、アルキル基、アルケニル基、ヒ
ドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、ニトロソ基、
アミノ基、オキシアミノ基、ヒドラジノ基、ハロゲン
基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基が挙げら
れる。また、二種類以上の異なった置換基を有しても構
わない。この中で好ましいのは、トルエンスルホン酸カ
ルシウム、トルエンスルホン酸亜鉛、フェノールスルホ
ン酸カルシウム、フェノールスルホン酸亜鉛、スルホサ
リチル酸亜鉛である。
【0021】本発明に用いられる水溶性多価金属塩と
は、20℃の水に1質量%以上溶解する多価金属塩であ
ることを意味する。本発明で用いられる水溶性多価金属
塩のインク受理層中における含有量は0.1〜50ミリ
モル/m2が好ましく、更に好ましくは0.2〜20ミ
リモル/m2である。0.1ミリモル/m2より少ないと
効果が不充分となり、50ミリモル/m2を越えるとイ
ンク受理層の色相が変わったり、画像の色相バランスが
異なってくる。
【0022】本発明に用いられる高分子紫外線吸収剤
は、紫外線吸収剤として作用する骨格を側鎖に有するア
クリル系ポリマーが好ましい。紫外線吸収剤として作用
する骨格を側鎖に有するアクリル系モノマーとともに共
重合体組成中に導入可能な他のモノマー単位としては、
スチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸の各種エ
ステルとして(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、その他のエステルや、あるいは、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、
(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルエステル、その
他の各種(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリ
ルアミド及びそれらの誘導体、酢酸ビニル、その他多数
のモノマーを挙げることができる。これらモノマーは1
種もしくは2種類以上を共重合して用いることができ
る。
【0023】紫外線吸収剤として作用する骨格として
は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチ
ル酸系、シアノアクリレート系、トリアジン系等を挙げ
ることができ、好ましくは、べンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系である。例えば、以下の通り例示するこ
とができる。
【0024】ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ド
デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ
−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、
2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メタクロイルオキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキ
シ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
(2−メタクロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−アクリロイル
オキシ)エトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0025】ベンゾトリアゾール系としては、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t
−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチ
レンビス(4−t−オクチル−6−ベンゾトリアゾー
ル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミノフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ−3’−
(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタイルイミ
ドメチル)−5’−メチルフェニル}ベンゾトリアゾー
ル、2,2−メチレンビス{4−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール}、2−{2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシ)フェニル}ベンゾトリ
アゾール、2−{2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロ
イルオキシ)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−
{2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−(メタ
クリロイルオキシ)フェニル}ベンゾトリアゾール、2
−{2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−(アクリ
ロイルオキシ)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−
{2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプ
ロピル)フェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−{2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキ
シエチル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’
−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシエチル)フ
ェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエ
チル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒ
ドロキシ−3’−メチル−5’−(アクリロイルオキシ
エチル)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2’−
ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシプロピル)
フェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
{2’−ヒドロキシ−5’−(アクリロイルオキシブチ
ル)フェニル}−5−メチルベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−カルボ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2’−ヒド
ロキシ−5’−(アクリロイルオキシブチル)フェニ
ル}−5−メチルベンゾトリアゾール、{2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキ
シカルボニルエチル)フェニル}ベンゾトリアゾール等
が挙げられる。
【0026】サリチル酸系としては、フェニルサリシレ
ート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オク
チルフェニルサリシレート等が挙げられる。
【0027】シアノアクリレート系としては、2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリ
レート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルア
クリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−
(p−メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられ
る。
【0028】トリアジン系としては、2−(2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−
(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−
ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−
4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル−s−トリアジン)
等が挙げられる。
【0029】本発明に用いられる高分子紫外線吸収剤の
分子量2000以上である。さらに分子量7000以上
であることが好ましい。分子量が7000以上であると
長期的な白紙部の耐黄変性が得られる。分子量が200
から500程度の低分子量の紫外線吸収剤では、紫外線
吸収剤自体の長期安定性に欠き、また、インク受理層か
らブリードアウトが起こり、画像の色相に影響を与えた
り、長期的な白紙部の耐黄変性が得られない。
【0030】本発明に用いられる高分子紫外線吸収剤
は、水分散微粒子あるいは水溶性であることが好まし
い。水分散微粒子の平均粒子径は、2μm以下が好まし
い。平均粒子径に特に下限はなく、1nm程度のものま
で得られる。平均粒子径が2μmを越えるとインクジェ
ット記録装置で印字した時の印字濃度が低下してしまう
ことがあり好ましくない。
【0031】高分子紫外線吸収剤の水分散微粒子の例と
しては、K−840(中京油脂社製)、サンライフUA
−20(日華化学社製)、エヴァカラー(里田化工社
製)、ユーダブルシリーズ(日本触媒化学工業社製)、
ULSシリーズ(一方社油脂工業社製)等が挙げられ
る。
【0032】水溶性の高分子紫外線吸収剤の例として
は、RUVA−CW21、NW18、30W(大塚化学
社製)等が挙げられる。
【0033】本発明に用いられる高分子紫外線吸収剤
は、1種あるいは2種類以上を併用することができる。
インク受理層中における含有量は、有効成分に換算し
て、0.0001〜1g/m2が好ましい。0.000
1g/m2より少ないと効果が不充分となり、1g/m2
より多くても効果はあまり向上せず、インク受理層の色
相が変わったり、画像の色相バランスが異なってくる。
【0034】本発明に用いられる水溶性多価金属塩と高
分子紫外線吸収剤の両方がインク受理層中に存在すると
塗層強度が高まると共に白紙部の耐黄変性が良くなる。
理由は定かではないが、金属塩の金属イオンと高分子紫
外線吸収剤の構造との間に相互作用があるためではない
かと考える。低分子の紫外線吸収剤ではその効果は不充
分である。
【0035】本発明に用いられる蛍光増白染料として
は、スチルベン系、ジスチルベン系、ベンゾオキサゾー
ル系、クマリン系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾー
ル系、ピラゾリン系の染料等が挙げることができ、好ま
しくは染料自体の安定性に優れたスチルベン系である。
【0036】インク受理層中における蛍光増白染料の含
有量は、0.5g/m2以下であり、増白効果が不必要
である場合にはなくても構わない。インク受理層に蛍光
増白剤を含有した場合、低分子量の紫外線吸収剤では光
照射に対する長期の白紙部の耐黄変性は不充分であった
が、本発明の高分子紫外線吸収剤を用いると長期の白紙
部の耐黄変性が得られる。
【0037】本発明でいう支持体とは、パルプと填料を
主成分として含有する紙である。天然パルプとしては、
LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、R
MP、TMC、CTMP、CMP、CGP等の機械パル
プや半化学パルプ、DIP等の古紙パルプ等が挙げら
れ、更に、ケナフ、バカス、コットン等の非木材パルプ
も使用できる他、合成パルプも挙げられる。これらは1
種もしくは、2種類以上混合して用いることができる。
【0038】本発明でいう支持体としては、好ましく
は、天然パルプを主成分とする酸性原紙、または、中性
原紙上に硫酸バンド液等をタブサイズプレス、シムサイ
ザー、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ゲー
トロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロ
ールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエル
ブレードコーターなどにて塗工した擬似酸性原紙であ
り、この中で特に好ましくは酸性原紙である。
【0039】インクジェット被記録材の支持体として、
天然パルプを主成分とし、内填料に重質炭酸カルシウム
や軽質炭酸カルシウムなどを混入した、いわゆる中性紙
を用いた場合には、経時でインク受容層の表面pHはア
ルカリ領域に移行していく。これは、該填料が固体アル
カリであって、インク受容層をも含めたインクジェット
被記録材全体のpHを左右してしまうためである。イン
ク受容層は酸性つまりpHが3〜6.5が好ましく、表
面pHが6.5を越える場合には画像の保存性が低下す
る。本発明において支持体として酸性原紙を用いると、
塗層強度が高く、連続給紙性に優れ、白紙部の耐黄変性
が高いだけでなく、画像の保存性が良好なインクジェッ
ト被記録材が得られる。
【0040】本発明において、インク受理層の表面pH
はJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.6に記載の方
法に従って、pH指示薬を試験片表面に1滴滴下し、抽
出液の色を標準変色表またはpH標準変色液と比較して
pHを決定する一滴抽出法で測定する。
【0041】本発明に用いられる支持体には、一般に製
紙で用いられている従来公知の填料の他、必要に応じて
バインダー、内添サイズ剤、紙力増強剤、蛍光増白剤、
歩留まり向上剤及び染料、顔料などの着色剤等の各種添
加剤を一種類以上を混合しても良い。
【0042】本発明の支持体に内添着色剤を用いる場合
は、直接染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に
代表される水溶性染料、黄色赤色橙色系などの有色無機
顔料、有色有機顔料、アゾ系有機顔料等の顔料が用いら
れ、特に黄色系の染顔料が好ましい。
【0043】本発明でいうインク受理層は、市販のイン
クジェット記録装置(インクジェットプリンター、イン
クジェットプロッター及びインクジェットプルーファー
等)に使用される染料や顔料を含むインクに対して、吸
収性、画像再現性及び色彩等の特性を満足する顔料及び
バインダーを主体成分とする組成物からなる。更に、染
料インクを併用するインクジェット記録方式に適用する
場合には上記の他、カチオン性化合物を含有することが
好ましい。また、その他の添加剤として、顔料分散剤、
増粘剤、レベリング剤、着色染料、着色顔料、酸化防止
剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、浸透剤、離
型剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、
乾燥紙力増強剤及びpH調節剤等の各種添加剤を適宜組
合わせて添加しても良い。
【0044】本発明のインク受理層に使用する顔料とし
ては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、チサンホワイ
ト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリ
カ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、気相法シリ
カ、α,β,γ,δ−等のアルミニウム酸化物、水酸化
アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水
ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム
等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメン
ト、アクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレ
ン、尿素樹脂、メラミン樹脂の有機顔料等の白色顔料を
一種類以上用いることができる。中でも、多孔性無機顔
料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マ
グネシウム、多孔性アルミナ等が挙げられ、特に細孔容
量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。通常こ
れら顔料の平均粒子径は0.1〜20μmの範囲が好ま
しい。本発明において非晶質シリカを用いると、塗層強
度が高く、連続給紙性に優れ、画像の保存性が良好だけ
でなく、高いインク吸収性が得られる。
【0045】本発明のインク受理層に使用するバインダ
ーとしては、例えば、天然高分子物質として、馬鈴薯澱
粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、及びコーンス
ターチ等の澱粉類、ラミナラン、海藻マンナン、ふの
り、アイリッシュモス、寒天、及びアルギン酸塩等の藻
類から得られるもの、とろろあおい、やまいも、マンナ
ン、クインスシード、ペクチン、トラガントガム、カラ
ヤガム、キサンチンガム、グアーガム、ローカストビー
ンガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、キャロ
ブガム、及びベンゾインガム等の植物性粘質物、デキス
トラン、グルカン、キサンタンガム、及びレバン等のホ
モ多糖類、並びにサクシノグルカン、プルラン、カード
ラン、及びザンタンガム等のヘテロ糖類等の微生物粘質
物、にかわ、ゼラチン、カゼイン、及びコラーゲン等の
タンパク質等が挙げられる。
【0046】また、半天然物(半合成品)としては、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステル、ビスコース、
メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
エチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチル
セルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート等の繊維素誘導体、カルボキシメチルグアー
ガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、及びヒドロキシ
エチルグアーガム等の変性ガム、並びに前記天然高分子
物質の加工或いは誘導体が挙げられる。
【0047】半合成品である加工澱粉としては、白色デ
キストリン、黄色デキストリン、及びブリディシュガム
等の培焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガー
デキストリン等の酵素変性デキストリン、可溶化澱粉等
の酸分解澱粉、ジアルデヒドスターチ等の酸化澱粉、変
性及び無変性アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、
リン酸澱粉、脂肪酸澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサン
トゲン酸澱粉、及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱
粉、ヒドロキシアルキル澱粉、カルボキシアルキル澱
粉、スルホアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱
粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、及びジアル
キルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱
粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及
びジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリ
ルアミド共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合
体、カチオン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、
カチオン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉スチレン
マレイン酸共重合体、及び澱粉ポリエチレンオキサイド
共重合体等の澱粉グラフト共重合体等が挙げられる。
【0048】合成品としては、ポリビニルアルコール、
シリル変性ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポ
リビニルアルコール、アリル変性ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエー
テル、及びポリビニルイソブチルエーテル等の変性ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸
エステル部分けん化物、ポリメタクリル酸塩、及びポリ
アクリルアマイド等のポリアクリル酸誘導体及びポリメ
タクリル酸誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリ
ドン酢酸ビニル共重合物、スチレンブタジエン共重合体
(SBR)、ニトリルブタジエン共重合体(NBR)、
スチレンアクリル酸エステル共重合体、スチレンマレイ
ン酸共重合体、スチレンクロトン酸共重合体、及び塩化
ビニル含有共重合体等が挙げられる。以上のバインダー
は単独または二種以上を組合わせて用いても良い。
【0049】本発明のインク受理層に使用するカチオン
性化合物としては、水溶性インク染料分である水溶性直
接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシ
ル基、アミン基等と不溶な塩を形成する2級アミン、3
級アミノ或いは4級アンモニウム塩を含有する化合物が
挙げられる。カチオン性化合物は単独または二種以上を
組合わせて用いても良い。
【0050】本発明のインク受理層の層構成は、単層で
あっても積層であっても良い。積層構成の場合、全層が
同じ配合の層であってもよいし、他の成分で構成される
層との積層構成であっても良い。積層の場合、水溶性多
価金属塩と高分子紫外線吸収剤は、いずれかの一層に含
まれていても良いし、二層以上に含まれても良いが、イ
ンクジェット記録装置の連続給紙性向上の観点から最表
層であることが好ましい。
【0051】本発明のインク受理層の塗工量としては、
1〜40g/m2の範囲であることが好ましい。塗工量
が1g/m2未満ではインク受理層によるインク吸収性
が充分ではないため、吸収ムラ等が発生し、インクジェ
ット性能に悪影響が生じる。また、40g/m2を越え
るとインク受理層と支持体の間の接着強度が低下する。
【0052】本発明に係わる支持体にインク受理層の塗
工方法としては、スライドポッパーコーティング方式、
カーテンコーティング方法、エクストルージョンコーテ
ィング方式、エアーナイフコーティング方式、ブレード
コーティング方式、ロールコーティング方式、ロッドバ
ーコーティング方式、及びグラビアコーティング方式、
サイズプレスコーティング方式、スプレーコーティング
方式等が挙げられる。これらコーティング方式は、オン
マシーン或いはオフマシンで行うことができる。また、
塗工後にはカレンダーを用いて仕上げても良い。カレン
ダーの方法としては、マシンカレンダー方式、TGカレ
ンダー方式、スーパーカレンダー方式、ソフトカレンダ
ー方式、エンボスカレンダー方式等が挙げられる。
【0053】本発明のインクジェット被記録材の厚さ
は、50〜300μm程度が好ましい。300μmを越
えると剛性が高くなり該被記録材の柔軟性が欠如するの
で、インクジェット記録装置内での搬送性が低下するこ
とになる。また、50μm未満になると印字特性(コッ
クリング、インク吸収性等)に悪影響を与えることがあ
り、さらにインクジェット被記録材の剛性が低くなるこ
とからインクジェット記録装置内での搬送性が低下す
る。
【0054】本発明のインクジェット被記録材の記録に
用いるインクは、一般的に下記の着色剤、溶媒、その他
の添加剤からなる記録液体である。
【0055】該インクの着色剤としては、直接染料、塩
基性染料、反応性染料、食用色素などに代表される水溶
性染料等の染料、カーボンブラックなどの有色無機顔
料、フタロシアニン系有機顔料、アゾ系有機顔料等の顔
料が挙げられる。
【0056】該インクの溶媒としては、水及び水溶性の
各種有機溶剤である。例えば、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルア
ルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルア
ルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケ
トンアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1、2、6−ヘキサン
トリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個
のアルキレングルコール類、グリセリン、エチレングリ
コールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル類等が挙げられる。これら多くの水溶性有機溶剤の
中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの
低級アルキルエーテルが好ましい。その他添加剤として
は、例えば、pH調整剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度
調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防
錆剤等が挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、これらの実施例に限定されるものではない。また、
実施例において示す部及び%は、特に明示しない限り固
形分あるいは実質成分の質量部及び質量%を示す。
【0058】<支持体Aの作製>広葉樹晒クラフトパル
プ(LBKP、濾水度370mlcsf)80部と針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP、濾水度400mlcs
f)20部、タルク13部、硫酸バンド3部、市販ロジ
ンサイズ剤0.2部、カチオン澱粉0.3部を水に混合
してなるスラリーから、長網抄紙機にて坪量100g/
2の原紙を抄造し、抄造時にサイズプレス装置で酸化
澱粉を固形分で2g/m2付着させて酸性原紙の支持体
Aを製造した。この原紙の紙面pHは4.6であった。
【0059】<支持体Bの作製>広葉樹晒クラフトパル
プ(LBKP、濾水度370mlcsf)80部と針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP、濾水度400mlcs
f)20部、重質炭酸カルシウム13部、カチオン澱粉
1部、アルキルケテンダイマーサイズ剤0.08部及び
ポリアルキレンポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.
4部を水に混合してなるスラリーから、長網抄紙機にて
坪量100g/m2の原紙を抄造し、抄造時にサイズプ
レス装置で酸化澱粉を固形分で2g/m2付着させて中
性原紙の支持体Bを製造した。この原紙の紙面pHは
7.8であった。
【0060】<インク受理層塗工液A>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP78A:
平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(R1130:クラレ社製)20部、カ
チオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友
化学社製)20部、及び、塩基性ポリ水酸化アルミニウ
ム(ピュラケムWT:理研グリーン社製)をインク受理
層乾燥時の含有量が0.5ミリモル/m2、水分散性高
分子紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、分子量10
0万以上)(ULS−1700:一方社油脂工業社製)
をインク受理層乾燥時の含有量が0.8g/m2になる
ように水に溶解、混合し、固形分15%のインク受理層
塗工液Aとした。
【0061】<インク受理層塗工液B>インク受理層塗
工液Aの塩基性ポリ水酸化アルミニウム(ピュラケムW
T:理研グリーン社製)をインク受理層乾燥時の含有量
が40ミリモル/m2になるように代えて固形分15%
のインク受理層塗工液Bとした。
【0062】<インク受理層塗工液C>インク受理層塗
工液Aの水分散性高分子紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾ
ール系、分子量100万以上)(ULS−1700:一
方社油脂工業社製)をインク受理層乾燥時の含有量が
0.01g/m2になるように代えて固形分15%のイ
ンク受理層塗工液Cとした。
【0063】<インク受理層塗工液D>平均粒子径10
〜20nmのコロイダルシリカ(スノーテックスO:日
産化学社製)20部、非晶質シリカ微粒子(ミズカシル
P78A:平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100
部、蛍光増白染料(ブランコフォアPliq.01:バ
イエル社製)3部、ポリビニルアルコール(PVA11
7:クラレ社製)20部、カチオン性染料定着剤(スミ
レッズレジン1001:住友化学社製)20部、及び、
塩基性ポリ水酸化アルミニウム(ピュラケムWT:理研
グリーン社製)をインク受理層乾燥時の含有量が20ミ
リモル/m2、水分散性高分子紫外線吸収剤(ベンゾト
リアゾール系、分子量100万以上)(ULS−170
0:一方社油脂工業社製)をインク受理層乾燥時の含有
量が0.3g/m2になるように水に溶解、混合し、固
形分15%のインク受理層塗工液Dとした。
【0064】<インク受理層塗工液E>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP78A:
平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(R1130:クラレ社製)20部、カ
チオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友
化学社製)20部、及び、塩基性ポリ水酸化アルミニウ
ム(ピュラケムWT:理研グリーン社製)をインク受理
層乾燥時の含有量が0.5ミリモル/m2、水分散性高
分子紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、分子量100万
以上)(ULS−383MG:一方社油脂工業社製)を
インク受理層乾燥時の含有量が0.8g/m2になるよ
うに水に溶解、混合し、固形分15%のインク受理層塗
工液Eとした。
【0065】<インク受理層塗工液F>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP78A:
平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(R1130:クラレ社製)20部、カ
チオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友
化学社製)20部、及び、チオシアン酸カルシウム四水
和物(和光純薬工業社製)をインク受理層乾燥時の含有
量が0.5ミリモル/m2、水分散性高分子紫外線吸収
剤(ベンゾフェノン系、分子量100万以上)(ULS
−383MG:一方社油脂工業社製)をインク受理層乾
燥時の含有量が0.8g/m2になるように水に溶解、
混合し、固形分15%のインク受理層塗工液Fとした。
【0066】<インク受理層塗工液G>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP50:平
均粒子径9.5μ:水澤化学社製)100部、蛍光増白
染料(ブランコフォアPliq.01:バイエル社製)
3部、ポリビニルアルコール(R1130:クラレ社
製)20部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン
1001:住友化学社製)20部、及び、水溶性高分子
紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、分子量1000
0程度)(RUV−NM18:大塚化学社製)をインク
受理層乾燥時の含有量が0.8g/m2、p−フェノー
ルスルホン酸亜鉛(キシダ化学社製)をインク受理層乾
燥時の含有量が0.5ミリモル/m2になるように水に
溶解、混合し、固形分15%のインク受理層塗工液Gと
した。
【0067】<インク受理層塗工液H>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP50:平
均粒子径9.5μ:水澤化学社製)100部、蛍光増白
染料(ブランコフォアPliq.01:バイエル社製)
3部、ポリビニルアルコール(R1130:クラレ社
製)20部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレジン
1001:住友化学社製)20部、及び、水溶性高分子
紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、分子量1000
0程度)(RUV−NM18:大塚化学社製)をインク
受理層乾燥時の含有量が0.8g/m2、5−スルホサ
リチル酸亜鉛(関東化学社製)をインク受理層乾燥時の
含有量が0.5ミリモル/m2になるように水に溶解、
混合し、固形分15%のインク受理層塗工液Hとした。
【0068】<インク受理層塗工液I>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ミズカシルP78A:
平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100部、ポリビ
ニルアルコール(R1130:クラレ社製)20部、カ
チオン性染料定着剤(スミレッズレジン1001:住友
化学社製)20部を水に溶解、混合し、固形分15%の
インク受理層塗工液Iとした。
【0069】<インク受理層塗工液J>平均粒子径10
〜20nmのコロイダルシリカ(スノーテックスO:日
産化学社製)20部、非晶質シリカ微粒子(ミズカシル
P78A:平均粒子径3.3μ:水澤化学社製)100
部、蛍光増白染料(ブランコフォアPliq.01:バ
イエル社製)3部、ポリビニルアルコール(PVA11
7:クラレ社製)20部、カチオン性染料定着剤(スミ
レッズレジン1001:住友化学社製)20部を水に溶
解、混合し、固形分15%のインク受理層塗工液Jとし
た。
【0070】<インク受理層塗工液K>インク受理層塗
工液Iに塩基性ポリ水酸化アルミニウム(ピュラケムW
T:理研グリーン社製)をインク受理層乾燥時の含有量
が0.5ミリモル/m2になるように混合し、固形分1
5%のインク受理層塗工液Kとした。
【0071】<インク受理層塗工液L>インク受理層塗
工液Iに水分散性高分子紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾ
ール系、分子量100万以上)(ULS−1700:一
方社油脂工業社製)をインク受理層乾燥時の含有量が
0.8g/m2になるように混合し、固形分15%のイ
ンク受理層塗工液Lとした。
【0072】<インク受理層塗工液M>インク受理層の
顔料として非晶質シリカ微粒子(ファインシルX60:
平均粒子径6.2μ:トクヤマ社製)100部、蛍光増
白染料(ブランコフォアPliq.01:バイエル社
製)3部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラ
レ社製)25部、カチオン性染料定着剤(スミレッズレ
ジン1001:住友化学社製)20部、及び、水溶性低
分子紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、分子量20
00未満)(シーソーブ101:白石カルシウム社製)
をインク受理層乾燥時の含有量が0.8g/m2、p−
フェノールスルホン酸亜鉛(キシダ化学社製)をインク
受理層乾燥時の含有量が0.5ミリモル/m2になるよ
うに水に溶解、混合し、固形分15%のインク受理層塗
工液Mとした。
【0073】実施例1〜9及び比較例1〜5 支持体上に表1記載のインク受理層をバーコーターによ
り乾燥塗工量15g/m2になるように塗工乾燥し、実
施例1〜9及び比較例1〜5を得た。
【0074】以上、実施例及び比較例で作製したインク
ジェット被記録材について、下記の評価方法により評価
し、その結果を表1に示す。
【0075】(1)塗層強度 (1−1)インクジェット被記録材のインク受理層側表
面と給紙ローラーとの100枚目の静摩擦係数の測定 ASTM D−1894−63準拠の摩擦係数測定装置
(AB−401、テスター産業製)を使用して、23℃
50%RHの環境下で、JIS P8147に準じてイ
ンクジェット被記録材のインク受理層側表面と給紙ロー
ラーとの静摩擦係数を求めた。インクジェット被記録材
としてはA4サイズのシードを使用し、弾性体シートと
しては、エプソン社製インクジェットプリンター(PM
750C)の給紙ローラーをシート状に加工したものを
使用して、インクジェット被記録材側を1000mm/
分の速度で移動させて、100枚目の静摩擦力(mN)
を測定した。静摩擦係数は次式により求めた。静摩擦係
数=静摩擦力(mN)÷おもり垂直荷重(g)×9.8
静摩擦係数値が2を越えていれば連続給紙性に問題はな
い。
【0076】(1−2)粉落ち 上記(1−1)の測定を行った後、給紙ローラーに付い
たインク受理層の粉を目視で判断した。 ○:ほとんど粉が認められない。 △:やや粉が認められる。 ×:明らかに粉の付着が認められる。 連続給紙性に問題ない粉落ちは、○及び△の評価であ
る。
【0077】(2)画像色相 エプソン社製インクジェットプリンター(PM750
C)によりBK,Y,M,Cのベタ印刷を行い、比較例
1を基準(○)として、色目の違いを目視で判断した。 ○:ほとんど色目の違いが認められない。 △:やや色目の違いが認められる。 ×:明らかに色目の違いが認められる。 色目の違いが実用上問題ないのは、○及び△の評価であ
る。
【0078】(3)白紙部の耐黄変性の評価 白紙部の耐黄変性の評価として耐光性の評価を行った。
アトラス社製サンテストCPS光退色試験機にて600
W/m2で100時間照射した後、照射前後での白紙部
分のL***(CIEに準拠した表示方法)を色彩色
差計(Gretag社製Macbeth Spectr
o Eye)で測定した。白紙部分の黄変化の程度は、
照射前後のb*の差(△b*)で表すことができ、この値
が小さい程、黄変化が少ないことを示す。 ○:△b*<3 耐黄変性良好 △:3≦△b*≦5 耐黄変性許容範囲 ×:△b*>5 耐黄変性の持続性がない b*が実用上問題ない範囲は、○及び△の評価である。
【0079】
【表1】
【0080】以上、表1から明らかな様に、水溶性多価
金属塩と高分子紫外線吸収剤を含有する実施例1〜9で
は、塗層強度が高く、100枚目の静摩擦係数が高い。
また、白紙部の耐黄変性に優れている。これに対して、
水溶性多価金属塩及び/または高分子紫外線吸収剤を含
まない比較例1〜5では、塗層強度が充分ではなく、1
00枚目の静摩擦係数が低く、白紙部の耐黄変性も不充
分ということがわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明のインクジェット被記録材を用い
れば、インク受理層の塗層強度が高く、インクジェット
記録装置での連続給紙性に優れ、白紙部の耐黄変性に優
れたインクジェット被記録材を提供することが可能にな
った。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にインク受理層が設けられてな
    るインクジェット被記録材において、該インク受理層に
    水溶性多価金属塩と高分子紫外線吸収剤を含有すること
    を特徴とするインクジェット被記録材。
  2. 【請求項2】 該インク受理層に蛍光増白剤染料を含有
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット被
    記録材。
  3. 【請求項3】 該水溶性多価金属塩が有機酸金属塩であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェ
    ット被記録材。
  4. 【請求項4】 該高分子紫外線吸収剤が水分散微粒子で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載
    のインクジェット被記録材。
  5. 【請求項5】 該高分子紫外線吸収剤が水溶性であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のイン
    クジェット被記録材。
  6. 【請求項6】 該支持体が酸性紙であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項記載のインクジェット被
    記録材。
  7. 【請求項7】 該インク受理層に用いられる顔料が非晶
    質シリカからなることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項記載のインクジェット被記録材。
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