JP3551233B2 - 隠し印刷用インクジェット記録媒体及び隠し印刷物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式により表面に記録した文字が、裏面より判読不可能であり、かつ、再生紙の原料として使用可能な隠し印刷用インクジェット記録媒体及び隠し印刷物、特にスクラッチくじに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること等の理由から、端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷などへの応用が進められている。一般の印刷に使用される上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣るため、印字されたインクが紙表面で乾燥せずに長時間残り、装置や連続して印字されたシートを汚染したり画像が汚れたりするため実用性に乏しい。こうした問題を解決するために、サイズ度の低い記録紙を用いる(特開昭52−53012号公報)ことや尿素−ホルマリン樹脂を内添した原紙に水溶性高分子を含浸させた記録体(特開昭53−49113号公報)が記載されている。更に、インクの発色性や再現性を高める目的で表面に無定形シリカを始めとする種々の多孔質無機顔料類を塗布した記録用紙(特開昭55−51583号公報、特開昭56−148585号公報)が記載されている。また、にじみを抑えた高精細の画像を得る目的でこれらの多孔質顔料の物性を規定(特開昭58−110287号公報、特開昭59−185690号公報、特開昭61−141584号公報)する等の改良が提案されており、一応の成果を得ている。このように、近年のインクジェットプリンタ技術と、それに対応する用紙の開発技術の発展はめざましく、最近では、新しい用途への応用が進んでいる。
【0003】
新しい用途の一つに、可変情報の印刷がある。たとえば住所、氏名といった宛先、ID番号、コード番号、バーコード等は可変情報であり、個々の印刷物に対して変更しなければならない情報である。一方、地紋印刷、罫線、差出人の住所、氏名、宛先全員に対する通知事項等は、個々に対して変更する必要のない固定情報である。今までは、オフセット印刷等で固定情報をあらかじめ印刷しておき、これにドットプリンタ等で可変情報を印刷するという、2つの工程を経なければ、固定情報と可変情報の混在する印刷物は得られなかった。しかし、インクジェット印字方式の使用により、これら2種類の情報を1工程で行うことが可能となった。
【0004】
このような例として、簡易的なくじ券がある。くじの番号は可変情報であり、その他の図柄は固定情報である。こういったくじ券の中でも、番号の上にアルミ粉等を配合したペーストをスクリーン印刷等の手段で印刷して番号を隠し、この印刷を剥がして番号を見る、いわゆるスクラッチくじは、手軽なくじとして人気を集めている。
【0005】
スクラッチくじは、番号の上にスクリーン印刷した後に裏面から強い光を当てても番号が全く読みとれないようにする必要がある。そのため基材の間にアルミ箔を挟んで、裏面に当てた光が表面に全く透過しないようにしているのが現状である。しかしこのような基材を使用した場合は再離解できないためにアルミ箔を取り除くことができず、使用後のスクラッチくじ等は古紙の原料として用いることができず、環境保護の観点から望ましいものではない。
したがって、裏面からの光が透過せず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であり、表裏ともにインクジェット方式を用いて高記録濃度で印字可能な簡易くじ用紙は、まだ得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが検討した結果、裏面からの光が透過せず、さらに再離解可能とすることは、たとえば、基材の裏面に濃い色で着色した塗工層を設けることにより、達成することができる。しかしこの記録媒体では、裏面に記録した文字が読みにくくなる、あるいは、裏面に記録する文字の色が制限される等の不都合がある。また他の方法として、基材に濃い色で着色した塗工層を設け、さらに酸化チタン等の屈折率の高い顔料を含む層を設けることにより、達成することができる。この方法では前述のような不都合は生じないが、屈折率の高い顔料を記録層に含有せしめた場合、記録層中に浸透したインクの着色成分から反射してくる光が散乱され、記録濃度が低くなりやすいという懸念がある。
【0007】
本発明は上記の問題を解決し、光が透過せず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であるのみならず、インクジェット方式を用いて高記録濃度で印字可能な簡易くじ用紙を提供することを目的とする。本発明者等は記録用媒体を構成する要素、特に簡易くじ用紙に用いる基材と印字方法について鋭意検討を行った結果、前述のすべてを満足する簡易くじ用紙等に利用できる隠し印刷用インクジェット記録体及び印刷物を提供する。
また本発明は、裏面からの光が透過せず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であるのみならず、表裏ともにインクジェット方式を用いて高記録濃度で印字可能な簡易くじ用紙を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の態様を含む。
〔1〕少なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤を含有する隠蔽層を設けてなる基材を有しており、かつ、JIS P8138に基づく不透明度が95%以上であるインクジェット記録媒体のインク受容層にインクジェット記録方式により印字された隠し文字と、該隠し文字を隠す層が設けられている再離解性スクラッチくじ
〔2〕前記隠蔽層における接着剤は、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリブチラール樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種である〔1〕記載の再離解性スクラッチくじ。
〔3〕前記隠蔽層に含まれる顔料の平均粒子径が50μm以上200μm以下であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の再離解性スクラッチくじ。
〔4〕前記インクジェット記録方式によって印字されている隠し文字は、前記インクジェット記録媒体の裏面の光学濃度との差が0.8以下となる光学濃度の隠し文字であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の再離解性スクラッチくじ。
〔5〕前記インクジェット記録方式によって印字されている隠し文字は、前記インクジェット記録媒体の表面印字前の光学濃度との差が0.7以下となる光学濃度の隠し文字であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の再離解性スクラッチくじ。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の基材としては紙類、合成紙、フィルム等を例示できる。紙用のパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKP)等や広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKP)等の化学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パルプ、ケナフ等の非木材原料から得られるパルプ、DIP等のパルプに代表される抄紙用パルプが挙げられる。これを主体とし、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合体、6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート・ヴァリレート共重合体等の脂肪族ポリエステル繊維、ビニロン繊維等を混合してもよい。
また、必要に応じてタルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、無定型シリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、珪藻土、酸化チタン、活性白土、硫酸バリウム等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー等有機顔料を填料として添加し、酸性あるいは中性抄紙で通常の方法により調製できる。中でも焼成カオリン、ホワイトカーボン、無定型シリカ、合成ゼオライト、尿素ホルマリン樹脂等の多孔質顔料は、それ自身インク吸収性を持つため、内添顔料として好ましく使用される。
【0010】
さらに、ロジン系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等に代表されるサイズ剤、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース誘導体、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックスに代表される樹脂(接着剤としての機能もある)を内添あるいは塗布した原紙を適宜用いることができる。
【0011】
本発明において、複数枚の基材の中間に顔料と結着剤を含む隠蔽層を設ける。隠蔽層に含まれる顔料の平均粒子径は50μm以上、200μm以下であることが望ましい。平均粒子径が50μm未満の場合は隠蔽性の効果が少なく、充分な効果を発揮するためには隠蔽層の塗工量を多くする必要がある。また200μmを越える場合、隠蔽性の効果は優れるが塗料中の粒子が沈降しやすく、塗工適性が劣ったものになりやすい。
【0012】
隠蔽層に使用できる顔料の種類としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、ホワイトカーボン、無定型シリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、珪藻土、活性白土、金属粉等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー等有機顔料がある。これらの内、無定形シリカや重質炭酸カルシウム、金属粉の内の金属アルミニウム粉末は平均粒子径が非常に小さなものとしては0.1μmから、また大きなものとしては数百μmのものまで幅広く市販されているため、その効果と目的に対して選択の幅が広く、好ましい材料である。特に金属アルミニウムは隠蔽性の効果も大きく、最も好ましい材料として挙げられる。
【0013】
また、結着剤としてデンプン及び酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子類、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチオン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜用いることができる。
隠蔽層の塗工量は特に限定しないが、5〜20g/m程度である。
【0014】
紙等の基材に塗布した隠蔽層上にもう一つの基材を貼り合わせて支持体とする方法には、水性樹脂を用いるウェットラミネート法、溶剤系樹脂を用いるドライラミネート法、溶融したポリエチレン等の樹脂を用いる押し出し法等の公知の方法が使用できる。基材の紙が貼り合わせに用いる糊剤の水分により寸法が変わったり、伸びやカールを起こす懸念がある場合は、ドライラミネート法か押し出し法を用いるのが望ましい。また紙のぼこつきを避けるためには、糊剤は紙に塗布するのではなく隠蔽層上に塗布することが好ましい。尚、使用後の記録媒体から古紙を得る操作においてはドライラミネート法や押し出し法にて支持体を作製した場合、基材間の再離解時の攪拌機の回転速度はウェットラミネート法より弱くして処理時間を長くした方が、ラミネートに使用した樹脂を取り除くためには都合がよい。
【0015】
記録媒体は表裏ともにインクジェット記録適性をもたせてもよいし、片面だけインクジェット記録適性をもたせてもよい。
紙基材は前記のようにサイズ剤を内添したり、或いは外添サイズ剤及び/または樹脂を塗布若しくは含浸することにより適度にインクのニジミを調整し、上質紙タイプのインクジェット記録媒体とすることもできる。更に後に例示するカチオン樹脂を含有させることもできる。
インクジェット記録適性を向上させるために支持体上にインク受容層を設けても良い。
【0016】
インク受容層に含まれる顔料として、例えば、非晶質シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ホワイトカーボン、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機顔料類、スチレン系、アクリル系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系の有機顔料類を併用することもできる。
【0017】
インク受容層は、インク中の溶媒を吸収する能力に優れた材料が選択される。好んで使用される顔料の一つに、キセロゲル系多孔質顔料が例示される。キセロゲル系多孔質顔料は、たとえば、
(1)水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム等のヒドロゲル形成物質を原料とし、このようなヒドロゲルを乾燥してキセロゲルにした後、粉砕、分級して用いる方法。
(2)ヒドロゲルの状態で適当な二次、三次凝集体の大きさに造粒し、乾燥した後、さらに加熱処理することにより焼結、結晶化等を進行させ、酸化物の一次粒子間の結合を強化して用いる方法。
(3)コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の微粒子懸濁液中で尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂等を生成させる段階で、その生成条件を調節することにより、目的とする二次粒子径に造粒された微小粒子とした後、乾燥して用いたり、さらには必要に応じて焼結された粒子として使用する方法。
等、公知の種々の方法を利用して製造することができ、市販されている。
中でもシリカ系顔料は、比較的屈折率が小さいこと、多孔性構造のコントロールが容易なこと等の特性により、インク受容性に優れ、高い記録濃度が得られるため、インクジェット記録媒体に好ましく使用される。
【0018】
また、樹脂(結着剤)としてデンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然または半合成高分子類、ポリビニルアルコール及びシリル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール等ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチオン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜用いることができる。
【0019】
本発明において、前記樹脂がインク中の溶媒を吸収する能力に優れている場合は、必ずしも顔料を添加する必要はない。インク受容層中に含まれる樹脂の役割は、インク受容層中の顔料を接着する結着剤の機能だけでなく、インク受容層へのインクの浸透をコントロールするために含まれる。一般に、樹脂量が少なすぎると顔料含有受容層の表面強度が弱くなり、インク受容層が剥がれ落ちてプリンタへの給紙不良や記録ヘッドのノズル詰まりが発生し、逆に過剰の場合はインク受容層の空隙をふさぐことによりインク吸収速度が遅くなり、画像が滲みやすくなったりプリンタ内部をインクで汚したりする場合が多い。しかし、インクに使用される溶媒との濡れが良好であったり、溶媒によって容易に膨潤または溶解しやすい場合は、逆に接着剤量が多い方が画像は滲みにくく、シャープな印字物が得られる。すなわち、最適な接着剤の量や種類は、インク受容層に使用される顔料によってのみならず、使用するインクによっても変化する。樹脂は顔料含有インク受容層において、顔料100重量部に対して10〜200重量部程度添加する。
【0020】
さらに、水性インクでの印字画像の耐水性を向上させる目的で、あるいは塗料粘度のコントロールする目的でポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等のカチオン樹脂を併用することも出来る。カチオン樹脂の添加量も特に限定しないが、顔料100重量部に対し5〜30重量部程度である。
更に必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野で公知の各種助剤も使用することができる。
【0021】
インク受容層の塗工量について特に制約はなく、求める記録品質に応じて決定することができるが、塗工量として2g/m以上、40g/m以下であることが好ましい。これより少ない塗工量では鉛筆筆記性は比較的容易に確保できるものの高精度な画像再現性に優れた記録物を得ることは困難であり、逆に塗工量が多い場合は記録濃度や表面強度が低下したりしやすく、両方とも実用性に乏しいものとなる可能性が高い。
【0022】
インク受容層の構成は、2層以上としても良い。前述のとおり、インク受容層の顔料として好ましいキセロゲル系多孔質顔料はシリカ系顔料であり、上層の記録層はこれを主顔料とすることが好ましいが、支持体に近接する記録層(下層の記録層)の顔料は、キセロゲル系多孔質顔料と非キセロゲル系顔料を併用する方が好ましい。
【0023】
この場合、支持体に近接する記録層(下層)の顔料は、その構成比の75〜25%を吸油量50ml/100g以下、平均粒子径1〜15μmの非キセロゲル系顔料とし、残りの25〜75%を吸油量100ml/100g以上、平均粒子径1〜15μmのキセロゲル系多孔質顔料とすることが好ましい。支持体に近接する記録層中のキセロゲル系多孔質顔料が25%より少ないとインクの吸収容量が低下し、保持しきれなかったインク中の溶媒成分は基材に吸収され、基材繊維を膨潤させるため、打ち込むインクの量が多いとコックリングと呼ばれる、記録紙がボコつく現象が認められる場合がある。または、保持しきれなかったインクは上層に留まり、インクの吸収容量が不足するため、にじみ不良のために画質が悪化したり、インクの吸収速度が低下してプリンタ内部のロールや次の記録物を汚したりする可能性が高くなる。キセロゲル系多孔質顔料が25%より少ないままでこれ等の欠点を避けるためには、全体の記録層塗工量を大幅に増やす必要が生ずる。塗工量が多いことは操業的、経済的に不利であるのみならず、記録濃度や表面強度が低下しやすくなり、品質の面からも好ましい態様とは言えない。また逆に75%より多い場合、コックリングに関しては問題ないが、この層の吸水性が大きすぎるため、相対的に上層の塗料の保水性が低下し、上層の塗工時にストリーク、スクラッチや塗工ムラ等の操業上、外観上の欠陥を生じやすくなる。キセロゲル系多孔質顔料としては非晶質シリカによるものが好ましく、非キセロゲル系顔料としては炭酸カルシウム、焼成カオリン、等が好ましい。
【0024】
インク受容層を塗設する手段としてはサイズプレス、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーターなど通常使用されている塗工手段から適宜選択することができる。特に、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、カーテンコーター等の前計量タイプのコーターは、塗料の選択吸収を抑えることができ、結果として均一な塗工層が得られるため好ましい。
【0025】
このようにして得られたインクジェット記録媒体の、JIS P9138に基づいて測定した不透明度は、95%以上でなければならない。95%未満の場合、スクリーン印刷方式等により、インクジェット方式によって印字されている隠し文字を隠す層を設ける隠し印刷をせずにインクジェット方式により印字した面に強い光を照射すると、インクジェット印字が反対面から判読でき、くじ用紙として好ましくない。95%以上の場合、インクジェット方式により印字した面から強い光を照射しても、反対面からこれを判読することは困難である。さらに隠し文字の光学濃度と記録媒体裏面の光学濃度の差を小さくすると隠し文字の解読が困難となる。光学濃度の差を0.8以下、好ましくは0.5以下とすることにより判読は非常に困難となり、隠し文字上にスクリーン印刷等による文字を隠す層(隠し印刷層)を設けることにより隠蔽性は完全に確保できる。すなわち、支持体の中間に顔料と結着剤を含有する隠蔽層を設けたインクジェット記録媒体において、JIS P8138に基づいて測定した不透明度が95%以上であり、隠し文字と裏面の光学濃度の差が0.8以下である場合においては、特に、くじ用紙としての使用に際し要求される隠蔽性が優れたものとなる。
【0026】
隠し文字と裏面の光学濃度の差を0.8以下とするためには、二つの方法がある。第一の方法は隠し文字の光学濃度を下げて、裏面の光学濃度に近づける方法であり、第二の方法は裏面の光学濃度を上げて、隠し文字の光学濃度に近づける方法である。どちらの方法でも所期の目的を達成することはできるが、第一の方法に於いては、隠し文字が印字される表の地面と隠し文字のコントラストが小さくなり、隠し文字が読みにくくなる。したがって、第二の方法、すなわち裏面に印刷を施すことにより裏面の光学濃度を上げ、隠し文字の光学濃度に近づけることが好ましい。隠し文字の良好な視認性のためには、表の地面と隠し文字の光学濃度の差を0.7以上とすることが好ましい。裏面と表面の両方に着色することは不透明度を高めることになり、さらに好ましい。
着色の方法は特に限定されるものではなく、オフセット印刷、グラビア印刷に代表される通常の印刷の内から適宜選択できる。特に表面に対するインクジェット方式による印字は、隠し文字と地面が同時に印刷できるため好都合である。
【0027】
別の好ましい態様(第3の発明)は、インクジェット記録媒体の不透明度を更に向上させるものである。この場合、隠蔽性が極めて優れるため、隠し文字の光学濃度と裏面の光学濃度を調整しなくとも判読できない印刷物を得ることができる。不透明度は隠蔽層の塗工量を増やしたり、顔料として隠蔽性に優れるものを使用することにより達成できる。
このようにして得られたインクジェット記録媒体の、JIS P9138に基づいて測定した不透明度は、97%以上とする。97%未満の場合、文字の光学濃度や裏面の光学濃度によっては、スクリーン印刷方式等による隠し印刷をせずにインクジェット方式により印字した面に強い光を照射すると、インクジェット印字が反対面から判読できる危険性もあり、くじ用紙としては必ずしも完璧でない可能性がある。97%以上の場合、隠し印刷をせずに印字した面から強い光を照射しても反対面からこれを判読することは非常に困難であり、これにさらにスクリーン印刷等の隠す層を設けることにより隠蔽性は完全に確保できる。すなわち、不透明度が97%以上の場合、完璧となる。
【0028】
本発明において、以上に記載の方法で得られたインクジェット用紙にインクジェットプリンタにて記録する場合、インクの種類は黒および減算混合の3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)を使用する。また、所望する画質によっては、これに他の色(ライトシアン、ライトマゼンタ、その他)を追加することも可能である。インク中には、着色剤として直接染料、酸性染料、着色顔料のうち少なくとも1種を含有し、この他に適宜、湿潤剤、染料溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有する。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものではない。なお実施例に於て示す部数及び%は、固形分としての重量部及び重量%を意味する。
実施例中の試験方法を以下に示す。
1)不透明度
JIS P9138に基づいてインクジェット記録体の不透明度を測定した。2)インクジェット印字
キヤノン製インクジェットプリンタ、BJC−80Vを使用して印字した。記録モードは普通紙モード、印字色はグレーとし、隠し文字を表面に印字した。隠し文字はアルファベットの大文字のI、大きさは14ポイントとした。また、文字と同じ印字濃度となるように、20mm×20mmの大きさの正方形のベタ印字を行い光学濃度測定に供する印字とした。
次に、濃度を低く変更して裏面にグレーのベタ印字を行った。
【0030】
3)光学濃度
Macbeth RD−914型(Kollmorgen Instrument Corporation製を用いて測定した。
4)スクリーン印刷(印字を隠す層=隠し印刷
インクジェットプリンタで印字した文字の上に、自製スクリーン印刷試験機にてスクリーンン印刷した。スクリーンはナイロンスクリーンNo.66−175を用い、アルミニウム粉末入りの銀インクにて印字文字群の一部分上に隠し印刷を施した。
5)隠蔽性判定
インクジェットプリンタで印字したサンプルの記録面側(の印字を隠す層を設けていない部分)を点灯した20W蛍光灯に用紙を押しつけ、記録した文字の様子を反対面から観察した。記録した文字が全く見えない場合はA、影が僅かに認められる部分もあるが全く判読できない場合はB、影が見えるが正確は判読できない場合はC、文字が判読できる場合(スクリーン印刷による隠し印刷を行った完成品でも判読できる危険性がある)はDと判定した。

【0031】
6)再離解性の評価
インクジェット記録体20gを採取し、水を加えて2LとしたものをJIS P8209に基づく標準離解機により30分攪拌し、これを40g/mの紙として手抄きしたシートのフロックを観察した。
フロックがほとんど認められない場合をA、
若干認められるが実用上問題とならない程度の場合をB、
フロックが大きく、再生紙として使用できない場合をCと判定した。
【0032】
実施例1
木材パルプ(LBKP)100部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハードミネラル社製)7部、変性ロジンサイズ(商品名:サイズパインE、荒川化学(株)製)0.05部、硫酸バンド1.5部、自製カチオン化澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて抄紙後、サイズプレス装置にて酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)2%水溶液を両面あたり30ml/m付着させた。この紙の坪量は40g/m、灰分は10%、ステキヒトサイズ度は10秒であった。
次のとおり、隠蔽層を調製した。水にポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロン A−9、東亜合成(株)製)0.1部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)の10%水溶液を固形分として5部、アルミ粉(平均粒子径80μm、中村科学工業(株)製)100部、SBRラテックス(商品名:L−1537、旭化成(株)製)15部を攪拌しながら順次添加し、隠蔽層塗料とした。上記原紙(基材)の片面に、マイヤーバーを使用して本隠蔽層を乾燥重量で5g/m塗工した。
次のとおり、支持体を調製した。隠蔽層を設けない原紙と隠蔽層を設けた原紙を、隠蔽層が両者の中間になるように水性アクリル樹脂系糊を用いてウェットラミネート法にて貼り合わせ、支持体とした。貼り合わせに用いた糊の量は、7g/mだった。
次のとおり、インク受容層を調製した。水にノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60、花王(株)製)0.3部、無定形シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製)30部、無定型シリカ(商品名:カープレックスBS−304N、塩野義製薬(株)製)70部と、シリル変成ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、(株)クラレ製)の10%水溶液を、固形分として30部を攪拌、分散した後、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂(商品名:サフトマーST−3300、三菱化学(株)製)5部、カチオン変性ウレタンラテックス(商品名:アデカボンタイターHUX−670、旭電化(株)製)25部を添加し、濃度18%のインク受容層用塗液とした。
本インク受容層を上記支持体に乾燥後の塗布量が10g/mになるようマイヤーバーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、インクジェット記録媒体を得た。
インクジェットプリンタにて、この記録媒体の表面(インク受容層)に隠し文字を印字し、その一部のみに隠し印刷(アルミニウム粉末入りインクによるスクリーン印刷)を施した。さらに裏面の全面に薄いグレーでインクジェットプリンターでベタ記録を行い、光学濃度を測定した。表面から光を照射して(隠し印刷を行ってない部分で)隠蔽性を評価した。
更に、再離解性を評価し、その結果を表1に示した。
【0033】
実施例2
実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径100μmの無定形シリカ(商品名:トクシールNR、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例3
実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径150μmの無定形シリカ(商品名:トクシールPR、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例4
実施例1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径20μmの無定形シリカ(商品名:トクシールCM、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
【0034】
実施例5
実施例4において、インクジェット記録による隠し文字の色調を薄いグレーとした以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
比較例1
実施例1において、隠蔽層を設けなかった以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
比較例2
実施例1において、隠蔽層としてアルミニウム箔を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
実施例6
実施例4において、裏面に記録を行わなかった以外は実施例4と同様にして、インクジェット記録媒体を得た。
【0035】
【表1】
Figure 0003551233
【0036】
以上の8種類の記録用紙について不透明度、光学濃度、隠蔽性、再離解性を評価した結果を表1に示す。
表1から明らかなように本発明の実施例は、比較例に比べ、隠蔽性、再離解性を両立させる、優れたインクジェット記録用紙であった。
【0037】
実施例II中の試験方法を以下に示す。
1)不透明度
JIS P9138に基づいて不透明度を測定した。
2)インクジェット印字
キヤノン製インクジェットプリンタ、BJC−80Vを使用して、普通紙モードにて印字した。文字の種類はアルファベットの大文字のI、大きさは14ポイント、色はブラックとした。
3)スクリーン印刷(隠し印刷)
インクジェットプリンタで記録した文字の上に、自製スクリーン印刷試験機にてスクリーン印刷した。スクリーンはナイロンスクリーンNo.66−175を用い、アルミニウム粉末入りの銀インクにて隠し印刷を施した。
【0038】
4)隠蔽性の判定
インクジェットプリンタで印字したサンプルの記録面側を点灯した20W蛍光灯に用紙を押しつけ、記録した文字の様子を反対面から観察した。記録した文字が全く見えない場合はA、影が見えるが判読できない場合はB、文字が判読できる場合はCと判定した(スクリーン印刷による隠し印刷のある部分とない部分の両方を評価した)。
【0039】
5)再離解性の評価
紙サンプル20gを採取し、水を加えて2lとしたものをJIS P8209に基づく標準離解機により30分攪拌し、これを40g/mの紙として手抄きしたシートのフロックを観察した。フロックがほとんど認められない場合をA、若干認められるが実用上問題とならない程度の場合をB、フロックが大きく、再生紙として使用できない場合をCと判定した。
【0040】
実施例II−1
木材パルプ(LBKP)100部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハードミネラル社製)3部、変性ロジンサイズ(商品名:サイズパインE、荒川化学(株)製)0.05部、硫酸バンド1.5部、自製カチオン化澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて抄紙後、サイズプレス装置にて酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)2%水溶液を両面あたり30ml/m付着させた。この紙の坪量は50g/m、灰分は10%、ステキヒトサイズ度は10秒であった。
次のとおり、隠蔽層を調製した。水にポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロン A−9、東亜合成(株)製)0.1部、酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ(株)製)の10%水溶液を固形分として5部、アルミ粉(平均粒子径80μm、中村科学工業(株)製)100部、ラテックス(商品名:L−1537、旭化成(株)製)15部を攪拌しながら順次添加し、隠蔽層塗料とした。上記原紙の片面に、マイヤーバーを使用して本隠蔽層を乾燥重量で10g/m塗工した。
次のとおり、支持体を調製した。隠蔽層を設けない原紙と隠蔽層を設けた原紙を、水性アクリル樹脂系糊を用いてウェットラミネート法にて貼り合わせ、支持体とした。貼り合わせに用いた糊の量は、7g/mだった。
次のとおり、インク受容層を調製した。水にノニオン系界面活性剤(商品名:エマルゲンA−60、花王(株)製)0.3部、無定形シリカ(商品名:ファインシールX−60、(株)トクヤマ製)30部、無定型シリカ(商品名:カープレックスBS−304N、塩野義製薬(株)製)70部と、シリル変成ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、(株)クラレ製)の10%水溶液を、固形分として30部を攪拌、分散した後、カチオン性ポリアクリルアミド樹脂(商品名:サフトマーST−3300、三菱化学(株)製)5部、カチオン変性ウレタンラテックス(商品名:アデカボンタイターHUX−670、旭電化(株)製)25部を添加し、濃度18%のインク受容層用塗液とした。
本インク受容層を上記支持体に乾燥後の塗布量が10g/mになるようマイヤーバーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、インクジェット記録媒体を得た。
このインクジェット記録媒体のインク受容層表面に、インクジェットプリンタにて記録を行い、その一部のみに隠し印刷を施した。隠し印刷側から光を照射して隠蔽性を評価した後、再離解性を評価し、その結果を表1に示した。
【0041】
実施例II−2
実施例II−1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径100μmの無定形シリカ(商品名:トクシールNR、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II−1と同様にして、インクジェット記録用紙を得た。
実施例II−3
実施例II−1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径150μmの無定形シリカ(商品名:トクシールPR、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II−1と同様にして、インクジェット記録用紙を得た。
実施例II−4
実施例II−1において、隠蔽層中の顔料を平均粒子径20μmの無定形シリカ(商品名:トクシールCM、(株)トクヤマ製)に変更した以外は実施例II−1と同様にして、インクジェット記録用紙を得た。
【0042】
比較例II−1
実施例II−1において、隠蔽層を設けなかった以外は実施例II−1と同様にして、インクジェット記録用紙を得た。
比較例II−2
実施例II−1において、隠蔽層にアルミニウム箔を用いた以外は実施例II−1と同様にして、インクジェット記録用紙を得た。
【0043】
以上の6種類の記録用紙について不透明度、隠蔽性、再離解性を評価した結果を表2に示す。
表2から明らかなように本発明の実施例は、比較例に比べ、隠蔽性、再離解性を両立させる、優れたインクジェット記録用紙であった。
【0044】
【表2】
Figure 0003551233
【0045】
【発明の効果】
本発明は、光が透過せず、再離解可能で古紙の原料として使用可能であるのみならず、インクジェット方式を用いて高記録濃度で印字可能な記録媒体であり、簡易くじ用紙として好適であった。

Claims (5)

  1. 少なくとも2枚の基材の間に顔料と接着剤を含有する隠蔽層を設けてなる基材を有しており、かつ、JIS P8138に基づく不透明度が95%以上であるインクジェット記録媒体のインク受容層にインクジェット記録方式によって隠し文字が印字され、さらに、該隠し文字を隠す層が設けられている再離解性スクラッチくじ
  2. 前記隠蔽層における接着剤は、澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリブチラール樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の再離解性スクラッチくじ。
  3. 前記隠蔽層に含まれる顔料の平均粒子径が50μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の再離解性スクラッチくじ。
  4. 前記インクジェット記録方式による印字は、前記インクジェット記録媒体の表面に、裏面の光学濃度との差が0.8以下となる光学濃度の隠し文字を印字するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の再離解性スクラッチくじ。
  5. 前記インクジェット記録方式による印字は、前記インクジェット記録媒体の表面に、表面印字前の光学濃度との差が0.7以下となる光学濃度の隠し文字を印字するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の再離解性スクラッチくじ。
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