JP2003220616A - タイヤ成形用金型の製造方法 - Google Patents

タイヤ成形用金型の製造方法

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JP2003220616A JP2002021266A JP2002021266A JP2003220616A JP 2003220616 A JP2003220616 A JP 2003220616A JP 2002021266 A JP2002021266 A JP 2002021266A JP 2002021266 A JP2002021266 A JP 2002021266A JP 2003220616 A JP2003220616 A JP 2003220616A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ成形用金型を精密鋳造法を用いて製造
する方法において、粗型部分金型の製品部分の表面形状
を破損することなく余剰部分を除去し、所定の表面形状
を有するタイヤを成形することのできる金型を、簡易か
つ効率的に低コストで製造することができるタイヤ成形
用金型の製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に溝2、3を有する鋳型1を形成
し、溝2の、鋳型1の反転型として形成する粗型部分金
型5における余剰部分に対応する領域9’の所定箇所に
板状部材4を配設し、板状部材4が鋳型1の溝2に配設
された状態で鋳型1を鋳枠で囲い、その間隙に溶湯を流
し込み板状部材4を粗型部分金型5に鋳包ませ、溶湯が
硬化した後に板状部材4を抜き取り、抜き取った後に形
成された板状部材4の反転形状であるスリット(隙間)
によって製品部分10と余剰部分9とに分断された、溝
2の反転形状である突起6を有する粗型部分金型5を形
成することを含むことを特徴とするタイヤ成形用金型の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、タイヤ成形用金
型の製造方法に関する。さらに詳しくは、タイヤ成形用
金型を精密鋳造法を用いて製造する方法において、粗型
部分金型の製品部分の表面形状を破損することなく余剰
部分を除去し、所定の表面形状を有するタイヤを成形す
ることのできる金型を、簡易かつ効率的に低コストで製
造することができるタイヤ成形用金型の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 タイヤ成形用金型は、そのデザインが
シャープな凹形状コーナー部やアンダーカット形状等を
有する複雑なものであることから機械加工製法では作製
が困難な場合が多く、鋳造製法によることが一般的であ
り、中でも、アルミニウム合金、鋳鉄、鋳鋼製のものが
一般的によく使用されている。特に、タイヤのデザイン
形状に、「サイプ」と呼ばれる、幅が0.1〜3.0m
m程度の溝が多数形成されている場合(具体的には、ス
タッドレスタイヤ等がこれに該当する)においては、機
械加工製法では対応することができないため、この傾向
が顕著なものとなる。
【0003】 タイヤ成形用金型は大別すると、上下一
体型タイプ(セクショナルモールドタイプ)と上下分割
型タイプ(2ピースモールドタイプ)との二つのタイプ
がある。上下一体型タイプは、タイヤ成形後の部分金型
からの脱型時のアンダーカット量が少なくなる分だけ、
上下分割型タイプよりも複雑なデザインに対応し易く、
寸法精度面でも、真円度、上下型半径差特性等が優れて
いるが、上下分割型タイプと比較して機械加工すべき面
が増えることに起因して、コスト高になり易いという面
も持っている。これらの特徴を踏まえて、どちらのタイ
プの金型分割方式を採用するかが決定される。
【0004】 鋳造製法で、これらの金型を作製する場
合には、どちらのタイプも基本的に次のような工程を経
ることになる。例えば、図15に示すように、上下分割
型タイプを用いた場合、従来のタイヤ成形用金型の製造
方法では、所望のタイヤ形状を円周方向に数分割した大
きさの基本形状であるマスターモデル101を形成し
(図15(a))、マスターモデル101の反転形状で
あるゴム型102を形成し(図15(b))、ゴム型1
02を用いて、その反転形状である部分鋳型103を必
要個数形成し(図15(c))、各部分鋳型103を乾
燥(焼成)させ、これを組み立てることができるように
端面を切断する角度加工を行い(図15(d))、各部
分鋳型103を組み立てることで1リング分の全体鋳型
104を形成する(図15(e))。このようにして形
成された全体鋳型104を、定盤108上に設置し、鋳
枠105で囲い、全体鋳型104と鋳枠105との間隙
に合金溶湯106を流し込み(図15(f))、合金溶
湯106を硬化させることによって、所望のタイヤ形状
の反転形状を有する粗型部分金型107を形成し(図1
5(g))、これらの粗型部分金型107の製品部分を
残すように余剰部分を除去し精型部分金型109を形成
し、タイヤ成形時に精型部分金型109を全体的に組み
合わせて全体金型として用いられるタイヤ成形用金型1
10を製造していた(図15(h))。
【0005】 このようにして鋳造されたタイヤ成形用
金型は、最終工程で加硫機(タイヤ成形機)に取り付け
るための機械加工により余剰部分を除去することになる
が、タイヤ成形用金型のいわゆる割位置(図15(h)
に示すような、精型部分金型109が分割される面)に
おいては、タイヤ成形用金型の意匠面部も機械加工され
ることになる。通常、この割位置面部の加工方法として
は、上下一体型タイプは主にフライス盤、上下分割型タ
イプは主に旋盤が用いられている。
【0006】 このような機械加工によって粗型部分金
型の余剰部分を除去する際に、粗型部分金型の加工面
(割位置面)の意匠面部分に、プロファイル面から大き
く突出し、かつ幅の狭い鋳出し骨形状のような突起が存
在すると、この突起を破損してしまうことがあるという
問題があった。
【0007】 例えば、図16(a)に示すように、意
匠面部分に幅の狭い突起202を有する粗型部分金型2
01を形成し、この粗型部分金型201の余剰部分20
3を除去する場合は、図16(b)に示すように、フラ
イス盤等の回転刃204を回転させて粗型部分鋳型20
1の余剰部分203を除去する場合であっても、また、
図16(c)に示すように、粗型部分金型201を回転
させて旋盤等の固定刃205を用いて余剰部分203を
除去する場合であっても、図16(d)に示すように、
加工面の突起202に作用する負荷が粗型部分金型20
1の材料強度を超えたときに破損が生じる。
【0008】 このような突起に掛かる負荷は、余剰部
分を切削する際の粗型部分金型を一度に送り込む切削量
に比例するために、粗型部分金型の切削量を小さくし、
何パスかに分けることによって破損を回避することがで
きる。しかし、粗型部分金型の余剰部分の切削量を小さ
くすると、加工工数が増加してしまうことから、通常
は、余剰部分の切削量は可能な限り大きくして加工効率
を向上させ、最終の仕上げ段階においてのみ切削量を小
さくするという対応が採られているが、どの程度の切削
量であれば突起が破損しないかということを定量的に予
測することは困難であり、依然として突起の破損が生じ
たり、充分に加工効率を向上させることができていない
というのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上述の問
題に鑑みてなされたものであり、タイヤ成形用金型を精
密鋳造法を用いて製造する方法において、粗型部分金型
の製品部分の表面形状を破損することなく余剰部分を除
去し、所定の表面形状を有するタイヤを成形することの
できる金型を、簡易かつ効率的に低コストで製造するこ
とができるタイヤ成形用金型の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ため、本発明は、以下のタイヤ成形用金型を提供するも
のである。
【0011】[1] タイヤの表面形状の一部をその表
面形状として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲
い、その間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって
前記鋳型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記
粗型部分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去
して精型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部
分金型を全体的に組み合わせて全体金型として用いられ
るタイヤ成形用金型を製造する方法であって、前記タイ
ヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前記鋳型を
形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形成する前
記粗型部分金型における前記余剰部分に対応する領域の
所定箇所に板状部材を配設し、前記板状部材が前記鋳型
の前記溝に配設された状態で前記鋳型を鋳枠で囲い、そ
の間隙に前記溶湯を流し込み前記板状部材を前記粗型部
分金型に鋳包ませ、前記溶湯が硬化した後に前記板状部
材を抜き取り、抜き取った後に形成された前記板状部材
の反転形状であるスリット(隙間)によって前記製品部
分と前記余剰部分とに分断された、前記溝の反転形状で
ある突起を有する前記粗型部分金型を形成することを含
むことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法(以
下、「第一の発明」ということがある)。
【0012】[2] 前記板状部材が、前記粗型部分金
型を形成する前記溶湯と融着しない材料から構成された
[1]に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
【0013】[3] 前記溝の、前記粗型部分金型の余
剰部分を除去した後に前記粗型部分金型に加工代分が残
るような所定箇所に、前記板状部材を配設する[1]又
は[2]に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
【0014】[4] タイヤの表面形状の一部をその表
面形状として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲
い、その間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって
前記鋳型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記
粗型部分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去
して精型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部
分金型を全体的に組み合わせて全体金型として用いられ
るタイヤ成形用金型を製造する方法であって、前記タイ
ヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前記鋳型を
形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形成する前
記粗型部分金型における前記余剰部分に対応する領域の
所定箇所に充填材を充填し、前記充填材が前記鋳型の前
記溝に充填された状態で前記鋳型を鋳枠で囲い、その間
隙に前記溶湯を流し込み硬化させることによって、前記
製品部分には前記溝の反転形状である突起を有し、かつ
前記余剰部分には突起を有しない粗型部分金型を形成す
ることを含むことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造
方法(以下、「第二の発明」ということがある)。
【0015】[5] 前記充填材が、前記鋳型を構成す
る鋳型材と同一の材料から構成された[4]に記載のタ
イヤ成形用金型の製造方法。
【0016】[6] 前記溝の、前記粗型部分金型の余
剰部分を除去した後に前記粗型部分金型に仕上げ加工代
分が残るような所定箇所に、前記充填材を充填する
[4]又は[5]に記載のタイヤ成形用金型の製造方
法。
【0017】[7] タイヤの表面形状の一部をその表
面形状として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲
い、その間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって
前記鋳型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記
粗型部分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去
して精型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部
分金型を全体的に組み合わせて全体金型として用いられ
るタイヤ成形用金型を製造する方法であって、前記タイ
ヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前記鋳型を
形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形成する前
記粗型部分金型における前記余剰部分に対応する領域の
幅を拡張し、前記溝の幅が拡張された前記鋳型を鋳枠で
囲い、その間隙に前記溶湯を流し込み硬化させることに
よって、前記製品部分には前記溝の反転形状である突起
を有し、かつ前記余剰部分には幅の拡張された前記溝の
反転形状である厚さの広い突起を有する前記粗型部分金
型を形成することを含むことを特徴とするタイヤ成形用
金型の製造方法(以下、「第三の発明」ということがあ
る)。
【0018】[8] 前記粗型部分金型の余剰部分の除
去時の仕上げ加工代分が残るように、前記溝の幅を拡張
する[7]に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】 以下、本発明(第一の発明〜第
三の発明)のタイヤ成形用金型の製造方法の実施の形態
を、図面を参照しつつ具体的に説明する。また、図示に
おいて上下対称の鋳型を説明する際には、鋳型の下半分
を点線で示し、その部分の説明を省略することがある。
【0020】<第一の発明> 第一の発明は、タイヤの
表面形状の一部をその表面形状として有する鋳型を形成
し、前記鋳型を鋳枠で囲い、その間隙に溶湯を流し込み
硬化させることによって前記鋳型の反転形状である粗型
部分金型を形成し、前記粗型部分金型から製品部分が残
るように余剰部分を除去して精型部分金型を形成し、タ
イヤ成形時に前記精型部分金型を全体的に組み合わせて
全体金型として用いられるタイヤ成形用金型を製造する
方法であって、前記タイヤの表面形状に対応して、表面
に溝を有する前記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の
反転型として形成する前記粗型部分金型における前記余
剰部分に対応する領域の所定箇所に板状部材を配設し、
前記板状部材が前記鋳型の前記溝に配設された状態で前
記鋳型を鋳枠で囲い、その間隙に前記溶湯を流し込み前
記板状部材を前記粗型部分金型に鋳包ませ、前記溶湯が
硬化した後に前記板状部材を抜き取り、抜き取った後に
形成された前記板状部材の反転形状であるスリット(隙
間)によって前記製品部分と前記余剰部分とに分断され
た、前記溝の反転形状である突起を有する前記粗型部分
金型を形成することを含むことを特徴とする。
【0021】 このように構成することによって、タイ
ヤ成形用金型を精密鋳造法を用いて製造する方法におい
て、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損すること
なく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタイヤ
を成形することのできる金型を、簡易かつ効率的に低コ
ストで製造することができる。
【0022】 例えば、まず、図1(a)に示すよう
に、溝2、3を有するタイヤの表面形状の一部をその表
面形状として有する鋳型1を形成する。この鋳型1に
は、その反転形状である粗型部分金型5(図1(d)参
照)における製品部分に対応する領域10’と、余剰部
分に対応する領域9’とが存在する。
【0023】 次に、図1(b)及び(c)に示すよう
に、鋳型1の反転型として形成する粗型部分金型5(図
1(d)参照)の余剰部分を除去する工程において、加
工面に破損が生じる恐れのある部位を推測する。図1
(b)においては、鋳型1の溝2がこれに該当し、溝2
の、鋳型1の反転型として形成する粗型部分金型5(図
1(d)参照)における余剰部分に対応する領域9’の
所定箇所に、板状部材4を配設する。このとき、溝2
の、粗型部分金型5(図1(d)参照)の余剰部分を除
去した後に粗型部分金型5(図1(d)参照)の仕上げ
加工代分が残るような所定箇所に、板状部材4を配設す
ることが好ましい。さらに、鋳造の収縮にはバラツキが
あるために、予定される収縮分に対して過不足が発生す
る分も見越して設定しておくことが好ましい。また、板
状部材4は、粗型部分金型5(図1(d)参照)を形成
する合金溶湯と融着しない材料から構成されることが好
ましい。
【0024】 次に、板状部材4が鋳型1の溝2に配設
された状態で、鋳型1を鋳枠(図示せず)で囲い、その
間隙に合金溶湯を流し込み、図1(d)に示すように、
板状部材4を粗型部分金型5に鋳包ませる。
【0025】 次に、図1(e)に示すように、合金溶
湯が硬化した後に板状部材4を抜き取り、抜き取った後
に形成された板状部材4の反転形状であるスリット7
(隙間)によって製品部分10と余剰部分9とに分断さ
れた、溝2(図1(a)参照)の反転形状である突起6
を有する粗型部分金型5を形成する。
【0026】 図2(a)に示すように、粗型部分金型
5の突起6にはスリット7(隙間)が存在するために、
フライス盤等の回転刃13によって余剰部分9を除去す
る際に発生する過大な負荷が、製品部分10側の突起6
まで伝達することはない。
【0027】 また、図2(b)に示すように、仮に、
余剰部分9側の突起6が破損したとしても、余剰部分9
側の突起6のみが破損し、製品部分10側の突起6の破
損を防止することができる。
【0028】 また、図2(c)及び(d)に示すよう
に、粗型部分金型5の加工代分として残された余剰部分
9のわずかな突起6を回転刃13で除去する場合は、一
回の切削量を小さくし破損を防止するこができる。
【0029】 このように構成することによって、粗型
部分金型5の製品部分10の表面形状を破損することな
く余剰部分9を除去し、図2(e)に示すような、所定
の表面形状を有するタイヤを成形することのできる精型
部分金型8を、簡易かつ効率的に低コストで製造するこ
とができる。
【0030】 これまで、上下一体型タイプのタイヤ成
形用金型の製造方法について図1及び2を用いて説明し
たが、上下分割型タイプのタイヤ成形用金型も同様の方
法を用いて製造することができる。例えば、図3(a)
に示すように、溝12を有するタイヤの表面形状の一部
をその表面形状として有する鋳型11を形成する。この
鋳型11には、その反転形状である粗型部分金型15
(図3(c)参照)における製品部分に対応する領域2
0’と、余剰部分に対応する領域19’とが存在する。
【0031】 次に、図3(b)に示すように、鋳型1
1の反転型として形成する粗型部分金型15(図3
(c)参照)の余剰部分を除去する工程において、形状
に破損が生じる恐れのある溝12に板状部材14を配設
する。このとき、溝12の、粗型部分金型15(図3
(c)参照)の余剰部分を除去した後に粗型部分金型1
5(図3(c)参照)の仕上げ加工代分が残るような所
定箇所に、板状部材14を配設することが好ましい。さ
らに、鋳造の収縮にはバラツキがあるために、予定収縮
分に対して過不足が発生する分も見越して設定しておく
ことが好ましい。また、板状部材14は、粗型部分金型
15(図3(c)参照)を形成する合金溶湯と融着しな
い材料から構成されることが好ましい。
【0032】 次に、板状部材14が鋳型11の溝12
に配設された状態で、鋳型11を鋳枠(図示せず)で囲
い、その間隙に合金溶湯を流し込み、板状部材14を粗
型部分金型15(図3(c)参照)に鋳包ませ、合金溶
湯が硬化した後に板状部材4を抜き取ることによって、
図3(c)に示すような、抜き取った後に形成された板
状部材14(図3(b)参照)の反転形状であるスリッ
ト17(隙間)よって、製品部分20と余剰部分19と
に分断された、溝12(図3(a)参照)の反転形状で
ある突起16を有する粗型部分金型15を形成する。粗
型部分金型15の突起16にはスリット17(隙間)が
存在するために、旋盤等の固定刃18によって余剰部分
19を除去する際に発生する過大な負荷を、製品部分2
0側の突起16まで伝達することはない。このように構
成することによって、図1及び2に示したタイヤ成形用
金型の製造方法と同様に、タイヤ成形用金型を精密鋳造
法を用いて製造する方法において、粗型部分金型の製品
部分の表面形状を破損することなく余剰部分を除去し、
所定の表面形状を有するタイヤを成形することのできる
精型部分金型を、簡易かつ効率的に低コストで製造する
ことができる。
【0033】 また、第一の発明によれば、板状部材を
粗型部分金型に鋳包ませることによって、突起(鋳出し
骨等)部分の合金溶湯の凝固・冷却速度が他の部位と比
較して早くなる。例えば、板状部材に金属材を用いた場
合は、鋳型材(石膏やセラミック材等)よりも板状部材
の方が抜熱スピードが速いため、板状部材周辺の合金溶
湯の凝固が早く完結する。これにより、突起(鋳出し骨
等)部分の金属組織(結晶粒)が他の部位より微細化さ
れ、耐力、破断強度が上昇することになる。このように
破損し易い突起(鋳出し骨等)部分の母材強度が向上す
ることによって、さらに余剰部分を除去する際の粗型部
分金型の破損を防止することができる。板状部材を粗型
部分金型に鋳包ませて形成することは、前述したよう
に、板状部材の反転形状であるスリット(隙間)よって
製品部分と余剰部分とに分断された溝の反転形状である
突起を有する粗型部分金型を形成することの他に、結晶
粒の微細化による母材の強度を上昇させるという効果を
あげることもできる。したがって、板状部材は鋳造時の
合金溶湯からの抜熱スピードが早く、抜熱量が大きい材
料から構成することが好ましい。このような材料は、熱
伝導率の高い材質であって、かつ、なるべく重い材質、
例えば、アルミ合金鋳造の場合は、銅合金を用いて可能
な限り肉厚の厚い板状部材を形成し、また、鉄系合金の
鋳造の場合は、銅合金を用いるのは困難であるため純度
の高い鋼材やニッケル合金材を用いることが好ましい。
【0034】 また、第一の発明において、加工面(割
位置面)を平面として説明したが、曲面の場合であって
も同様に構成することができる。
【0035】 このように第一の発明によれば、タイヤ
成形用金型を精密鋳造法を用いて製造する方法におい
て、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損すること
なく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタイヤ
を成形することのできる金型を、簡易かつ効率的に低コ
ストで製造することができる。
【0036】<第二の発明> 第二の発明は、タイヤの
表面形状の一部をその表面形状として有する鋳型を形成
し、前記鋳型を鋳枠で囲い、その間隙に溶湯を流し込み
硬化させることによって前記鋳型の反転形状である粗型
部分金型を形成し、前記粗型部分金型から製品部分が残
るように余剰部分を除去して精型部分金型を形成し、タ
イヤ成形時に前記精型部分金型を全体的に組み合わせて
全体金型として用いられるタイヤ成形用金型を製造する
方法であって、前記タイヤの表面形状に対応して、表面
に溝を有する前記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の
反転型として形成する前記粗型部分金型における前記余
剰部分に対応する領域の所定箇所に充填材を充填し、前
記充填材が前記鋳型の前記溝に充填された状態で前記鋳
型を鋳枠で囲い、その間隙に前記溶湯を流し込み硬化さ
せることによって、前記製品部分には前記溝の反転形状
である突起を有し、かつ前記余剰部分には突起を有しな
い粗型部分金型を形成することを含むことを特徴とす
る。
【0037】 このように構成することによって、タイ
ヤ成形用金型を精密鋳造法を用いて製造する方法におい
て、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損すること
なく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタイヤ
を成形することのできる金型を、簡易かつ効率的に低コ
ストで製造することができる。
【0038】 例えば、まず、図4(a)に示すよう
に、溝22、23を有するタイヤの表面形状の一部をそ
の表面形状として有する鋳型21を形成する。この鋳型
21には、その反転形状である粗型部分金型25(図4
(d)参照)における製品部分に対応する領域30’
と、余剰部分に対応する領域29’とが存在する。
【0039】 次に、図4(b)及び(c)に示すよう
に、鋳型21の反転型として形成する粗型部分金型25
(図4(d)参照)の余剰部分を除去する工程におい
て、加工面に破損が生じる恐れのある部位を推測する。
図4(b)においては、鋳型21の溝22がこれに該当
し、溝22の、鋳型21の反転型として形成する粗型部
分金型25(図4(d)参照)における余剰部分に対応
する領域29’の所定箇所に、充填材24を充填する。
このとき、溝22の、粗型部分金型25(図4(d)参
照)の余剰部分の除去した後に粗型部分金型25(図4
(d)参照)の仕上げ加工代分が残るような所定箇所
に、充填材24を充填することが好ましい。さらに、鋳
造の収縮にはバラツキがあるために、予定収縮分に対し
て過不足が発生する分も見越して設定しておくことが好
ましい。また、充填材24は、粗型部分金型25(図4
(d)参照)を構成する鋳型材と同一の材料から構成さ
れることが好ましい。
【0040】 次に、鋳型21を鋳枠(図示せず)で囲
い、その間隙に合金溶湯を流し込み硬化させることによ
って、図4(d)に示すように、製品部分30には溝2
2(図3(c)参照)の反転形状である突起26を有
し、かつ余剰部分29は突起を有しない粗型部分金型2
5を形成する。
【0041】 図4(e)に示すように、この粗型部分
金型25は余剰部分29に突起26を有していないた
め、フライス盤等の回転刃27によって余剰部分29を
除去する際に発生する過大な負荷が製品部分30側の突
起26まで伝達することはない。
【0042】 このように構成することによって、粗型
部分金型25の製品部分30の表面形状を破損すること
なく余剰部分29を除去し、図4(f)に示すような、
所定の表面形状を有するタイヤを成形することのできる
精型部分金型28を、簡易かつ効率的に低コストで製造
することができる。
【0043】 これまで、上下一体型タイプのタイヤ成
形用金型の製造方法について図4を用いて説明したが、
上下分割型タイプのタイヤ成形用金型も同様の方法を用
いて製造することができる。
【0044】 また、余剰部分に対応する領域に形成さ
れた溝に、充填材を個々に充填するのではなく、充填材
としてダミー鋳型を用いることによって第二の発明を実
施することができる。例えば、図5(a)に示すよう
に、溝32、33を有するタイヤの表面形状の一部をそ
の表面形状として有する鋳型31を形成する。この鋳型
31には、その反転形状である粗型部分金型(図示せ
ず)における製品部分に対応する領域40’と、余剰部
分に対応する領域39’とが存在する。
【0045】 次に、図5(b)に示すように、鋳型3
1の反転型として形成する粗型部分金型における余剰部
分に対応する領域39’を除去する。このとき、溝32
の、粗型部分金型(図示せず)の余剰部分を除去した後
に粗型部分金型(図示せず)の仕上げ加工代38分が残
るように除去することが好ましい。
【0046】 次に、図5(c)に示すように、図5
(b)で除去した部分に相当するダミー鋳型34を形成
する。ダミー鋳型34はプロファイル面形状を有してい
るが、前述した溝32、33(図5(a)参照)は形成
されていない。
【0047】 次に、図5(d)に示すように、鋳型3
1にダミー鋳型34を貼り付ける。
【0048】 このように構成することによって、図5
(e)及び(f)に示すように、粗型部分金型における
余剰部分に対応する領域39’に形成された溝32及び
33が塞がれた状態の鋳型31を形成する。この後、前
述した図4(d)及び(e)と同様の工程を経ることに
よって、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損する
ことなく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタ
イヤを成形することのできる精型部分金型を、簡易かつ
効率的に低コストで製造することができる。また、この
ようにダミー鋳型を用いることによって、加工面に破損
の恐れのある部位が多数存在する場合において容易に対
応することができる。
【0049】 また、このようなダミー鋳型は、本体の
原型作製時に溝形状を持たないプロファイル面のみの原
型を必要角度より大きく形成し、これから切り出して作
製したダミー原型を、ゴム型・鋳型と反転を繰り返すこ
とで、簡単に作製することができる。
【0050】 また、このようなダミー鋳型は、必ずし
もプロファイル面を有する必要はなく、図6(a)及び
(b)に示すように、単に直方体の板形状のものをダミ
ー鋳型34として、鋳型31に貼り付けてもよい。
【0051】 また、第二の発明において、加工面(割
位置面)を平面として説明したが、曲面の場合であって
も同様に構成することができる。
【0052】<第三の発明> 第三の発明は、タイヤの
表面形状の一部をその表面形状として有する鋳型を形成
し、前記鋳型を鋳枠で囲い、その間隙に溶湯を流し込み
硬化させることによって前記鋳型の反転形状である粗型
部分金型を形成し、前記粗型部分金型から製品部分が残
るように余剰部分を除去して精型部分金型を形成し、タ
イヤ成形時に前記精型部分金型を全体的に組み合わせて
全体金型として用いられるタイヤ成形用金型を製造する
方法であって、前記タイヤの表面形状に対応して、表面
に溝を有する前記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の
反転型として形成する前記粗型部分金型における前記余
剰部分に対応する領域の幅を拡張し、前記溝の幅が拡張
された前記鋳型を鋳枠で囲い、その間隙に前記溶湯を流
し込み硬化させることによって、前記製品部分には前記
溝の反転形状である突起を有し、かつ前記余剰部分には
幅の拡張された前記溝の反転形状である厚さの広い突起
を有する前記粗型部分金型を形成することを含むことを
特徴とする。
【0053】 このように構成することによって、タイ
ヤ成形用金型を精密鋳造法を用いて製造する方法におい
て、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損すること
なく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタイヤ
を成形することのできる金型を、簡易かつ効率的に低コ
ストで製造することができる。
【0054】 例えば、まず、図7(a)に示すよう
に、溝42、43を有するタイヤの表面形状の一部をそ
の表面形状として有する鋳型41を形成する。この鋳型
41には、その反転形状である粗型部分金型45(図7
(d)参照)における製品部分に対応する領域50’
と、余剰部分に対応する領域49’とが存在する。
【0055】 次に、図7(b)及び(c)に示すよう
に、鋳型41の反転型として形成する粗型部分金型45
(図7(d)参照)の余剰部分を除去する工程におい
て、加工面に破損が生じる恐れのある部位を推測する。
図7(b)においては、鋳型41の溝42がこれに該当
し、溝42の、鋳型41の反転型として形成する粗型部
分金型45(図7(d)参照)における余剰部分に対応
する領域49’の幅を拡張する。このとき、粗型部分金
型45(図7(f)参照)の余剰部分の除去時の仕上げ
加工代分が残るように溝42の幅を拡張することが好ま
しい。さらに、鋳造の収縮にはバラツキがあるために、
予定収縮分に対して過不足が発生する分も見越して設定
しておくことが好ましい。また、拡張後の溝42’の幅
Wは、溝42の深さH以上の寸法とすることが好まし
い。
【0056】 次に、図7(d)に示すように、鋳型4
1(図7(c)参照)を鋳枠で囲い、その間隙に合金溶
湯を流し込み硬化させることによって、製品部分50に
は溝42(図7(c)参照)の反転形状である突起46
を有し、かつ余剰部分49には拡張後の溝42’(図7
(c)参照)の反転形状である厚さの広い突起47を有
する粗型部分金型45を形成する。
【0057】 図7(e)に示すように、フライス盤等
の回転刃44によって余剰部分49を除去する際に発生
する過大な負荷を粗型部分鋳型45の幅の広い突起47
によって吸収し、製品部分50側の突起46の破損を防
止することができる。
【0058】 このように構成することによって、粗型
部分金型45の製品部分50の表面形状を破損すること
なく余剰部分49を除去し、図7(f)に示すような、
所定の表面形状を有するタイヤを成形することのできる
精型部分金型48を、簡易かつ効率的に低コストで製造
することができる。
【0059】 これまで、上下一体型タイプのタイヤ成
形用金型の製造方法について図7を用いて説明したが、
上下分割型タイプについても同様の方法を用いることが
できる。
【0060】 また、余剰部分に対応する領域に形成さ
れた溝の幅を個々に拡張するのではなく、ダミー鋳型を
用いることによって溝の幅をまとめて拡張してもよい。
例えば、図8(a)に示すように、溝52、53を有す
るタイヤの表面形状の一部をその表面形状として有する
鋳型51を形成する。この鋳型51には、その反転形状
である粗型部分金型における製品部分に対応する領域6
0’と、余剰部分に対応する領域59’とが存在する。
【0061】 次に、図8(b)に示すように、鋳型5
1の、その反転形状の粗型部分金型における余剰部分に
対応する領域59’を除去する。このとき、粗型部分金
型の余剰部分の除去時の仕上げ加工代58分が残るよう
に除去することが好ましい。
【0062】 次に、図8(c)に示すように、図8
(b)で除去した部分に相当するダミー鋳型54を作製
する。このダミー鋳型54はプロファイル面形状を除去
するように形成されている。
【0063】 次に、図8(d)に示すように、鋳型5
1にダミー鋳型54を貼り付ける。
【0064】 このように構成することによって、図8
(e)に示すように、粗型部分金型における余剰部分に
対応する領域59’のプロファイル面形状をすべて除去
した状態の鋳型51を得ることができる。この後、前述
した図7(d)及び(e)と同様の工程を経ることによ
って、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損するこ
となく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有するタイ
ヤを成形することのできる精型部分金型を、簡易かつ効
率的に低コストで製造することができる。また、このよ
うにダミー鋳型を用いることによって、加工面に破損の
恐れのある部位が多数存在する場合においても容易に対
応することができる。
【0065】 また、このようなダミー鋳型は、本体の
原型作製時に、溝形状を持たないプロファイル面のみの
原型を必要角度より大きく形成し、これから切り出して
作製したダミー原型を、ゴム型・鋳型と反転を繰り返
し、このダミーのプロファイル面のみを一度に除去する
ことで容易に作製することができる。
【0066】 また、第三の発明において、加工面(割
位置面)を平面として説明したが、曲面の場合であって
も同様に構成することができる。
【0067】 以上説明したように、第一及び第二の発
明は、粗型部分金型の製品部分の突起を、余剰部分の突
起と切り離した状態で形成し、製品部分の突起に負荷が
伝達しないように構成されたタイヤ成形用金型の製造方
法であり、逆に、第三の発明は、余剰部分の突起の幅を
広くし負荷を吸収させることで、製品部分の突起に負荷
が伝達しないように構成されたタイヤ成形用金型の製造
方法である。どちらの場合であっても、このように構成
することによって、タイヤ成形用金型を精密鋳造法を用
いて製造する方法において、粗型部分金型の製品部分の
表面形状を破損することなく余剰部分を除去し、所定の
表面形状を有するタイヤを成形することのできる金型
を、簡易かつ効率的に低コストで製造することができ
る。
【0068】
【実施例】 以下、本発明を実施例によってさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていか
なる制限を受けるものではない。全実施例を通じて、図
9に示すような、上下のデザインが対称に構成された上
下一体型の鋳型61を用いた。この鋳型61を構成する
鋳型材としては、非発泡石膏((株)ノリタケジプサム
製 商品名:G−6)を用い、鋳型61を形成する場合
の調合条件は、非発泡石膏:水=100:60(重量
比)とした。また、鋳型61の反転形状である粗型部分
金型を構成する鋳造合金材としては、JIS規格鋳造用
アルミニウム合金(AC4C:Si7重量%、Cu0.
8重量%、Mg0.4重量%、残Al)を用いた。この
鋳型61は、全体の高さが340mm、製品部分の高さ
が259.5mm、成形するタイヤの最大外周がR52
6.3、最小外周がR472.5であり、左右に余剰部
分を20mmずつ有している。また、この表面形状に
は、幅2.1mm、深さ15.1mmの第二リブ62
(溝)と、幅13.2mm、深さ14.9mmの第一リ
ブ63(溝)とが上下に一本ずつ形成されている。この
ように構成された鋳型61を、結晶水除去、乾燥後に、
前述したJIS規格鋳造用アルミニウム合金を用いて鋳
造して、図10に示すような、粗型部分金型65(最小
肉厚60mm)を作製し、この粗型部分金型65の余剰
部分の除去はフライス盤71によって実施された。フラ
イス盤71は、高速度鋼から形成された直径φ200m
mの回転刃72を十枚有し、刃回転数は1300r.
p.m.、加工送りスピードは800mm/minと
し、加工面に潤滑油として白灯油を塗布した。
【0069】 実施例1 実施例1は、まず、図11に示すような、SUS304
製の板状部材64(縦10mm、横30mm、幅1mm
の板)を作製した(破線部は、後の工程で鋳型に埋設さ
れる位置を示している)。
【0070】 次に、図12に示すように、溝62の、
鋳型61の反転型として形成する粗型部分金型65(図
10参照)における余剰部分に対応する領域69’の所
定箇所に板状部材64を配設した。このとき、溝62
は、鋳型61の加工面68から余剰部分に対応する領域
69’側に0.3mmの位置に配設し、これを一個の鋳
型61につき上下左右の四箇所で実施した。以降は、図
1(c)〜図2(f)に示したような工程を経て、図1
0に示すように、粗型部分金型65を形成し、その余剰
部分をフライス盤71で除去した。粗型部分金型65の
余剰部分の1パス当りの加工肉厚は、開始時には1mm
に設定し、仕上げ加工代が0.5mmになった時点で、
1パス当りの加工肉厚を0.5mmに変更し対応した。
このようにして加工された精型部分金型は、突起等の表
面形状に破損を生じることはなかった。
【0071】 実施例2 実施例2は、図13(a)及び(b)に示すように、溝
62の、鋳型61の反転型として形成する粗型部分金型
65(図10参照)における余剰部分に対応する領域6
9’の所定箇所に、図13(c)に示すように、充填材
66を充填した。充填材66は、鋳型61を構成する鋳
型材と同一の材料から構成され、鋳型61の加工面68
から余剰部分に対応する領域69’側に0.3mmの位
置から余剰部分に対応する領域69’の溝62の全域に
渡って充填した。これを一個の鋳型61につき上下左右
の四箇所で実施した。以降は、図4(c)〜(f)に示
したような工程を経て、図10に示すように、粗型部分
金型65を形成し、その余剰部分をフライス盤71で除
去した。粗型部分金型65の余剰部分の1パス当りの加
工肉厚は、開始時には1mmに設定し、仕上げ加工代が
0.5mmになった時点で、1パス当りの加工肉厚を
0.5mmに変更し対応した。このようにして加工され
た精型部分金型は、突起等の表面形状に破損を生じるこ
とはなかった。
【0072】 実施例3 実施例3は、図14(a)及び(b)に示すように、溝
62の、鋳型61の反転型として形成される粗型部分金
型65(図10参照)における余剰部分に対応する領域
69’の幅を、図14(c)に示すように、鋳型61の
加工面68から余剰部分に対応する領域69’側に0.
3mmの位置から、幅20mm、深さ16mmとなるよ
うに拡張した。これを一個の鋳型61につき上下左右の
四箇所で実施した。以降は、図7(c)〜(f)に示し
たような工程を経て、図10に示すように、粗型部分金
型65を形成し、その余剰部分をフライス盤71で除去
した。粗型部分金型65の余剰部分の1パス当りの加工
肉厚は、開始時には1mmに設定し、仕上げ加工代が
0.5mmになった時点で、1パス当りの加工肉厚を
0.5mmに変更し対応した。このようにして加工され
た精型部分金型は、突起等の表面形状に破損を生じるこ
とはなかった。
【0073】 比較例 図9に示したままの状態の鋳型61を用いて、図10に
示すような、粗型部分金型65を形成し、その余剰部分
をフライス盤71で除去した。実施例1〜3と同様の加
工条件で実施したところ、余剰部分の仕上げ加工代が
0.5mmに達する前に、粗型部分金型65の余剰部分
に形成された突起(鋳出し骨)の一部が付け根から破損
してしまい、製品部分に形成された突起も湾曲するよう
に変形してしまった。
【0074】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によっ
て、タイヤ成形用金型を精密鋳造法を用いて製造する方
法において、粗型部分金型の製品部分の表面形状を破損
することなく余剰部分を除去し、所定の表面形状を有す
るタイヤを成形することのできる金型を、簡易かつ効率
的に低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明(第一の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の一の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図2】 図1に示す工程以降のタイヤ成形用金型の製
造方法を工程順に模式的に示す斜視図である。
【図3】 本発明(第一の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の他の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図4】 本発明(第二の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の一の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図5】 本発明(第二の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の他の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図6】 本発明(第二の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の他の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図7】 本発明(第三の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の一の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図8】 本発明(第三の発明)のタイヤ成形用金型の
製造方法の他の実施の形態を工程順に模式的に示す斜視
図である。
【図9】 本発明のタイヤ成形用金型の製造方法の各実
施例に用いられる鋳型を示す斜視図である。
【図10】 本発明のタイヤ成形用金型の製造方法の各
実施例における、粗型部分鋳型をフライス盤で加工する
工程を模式的に示す斜視図である。
【図11】 本発明(第一の発明)のタイヤ成形用金型
の製造方法の実施例1に用いられる板状部材を示す斜視
図である。
【図12】 本発明(第一の発明)のタイヤ成形用金型
の製造方法の実施例1における、鋳型の溝(リブ)に板
状部材を配設する工程を模式的に示す斜視図である。
【図13】 本発明(第二の発明)のタイヤ成形用金型
の製造方法の実施例2における、鋳型の溝(リブ)に充
填材を充填する工程を模式的に示す斜視図である。
【図14】 本発明(第三の発明)のタイヤ成形用金型
の製造方法の実施例3における、鋳型の溝(リブ)の幅
を拡張する工程を模式的に示す斜視図である。
【図15】 従来のタイヤ成形用金型の製造方法を工程
順に示す説明図である。
【図16】 従来のタイヤ成形用金型の製造方法におけ
る、粗型部分金型の余剰部分を除去する工程を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1…部分鋳型、2,3…溝、4…板状部材、5…粗型部
分金型、6…突起、7…スリット、8…精型部分金型、
9…余剰部分、9’…粗型部分金型における余剰部分に
対応する領域、10…製品部分、10’…粗型部分金型
における製品部分に対応する領域、11…部分鋳型、1
2…溝、13…回転刃、14…板状部材、15…粗型部
分金型、16…突起、17…スリット、18…固定刃、
19…余剰部分、19’…粗型部分金型における余剰部
分に対応する領域、20…製品部分、20’…粗型部分
金型における製品部分に対応する領域、21…部分鋳
型、22,23…溝、24…充填材、25…粗型部分金
型、26…突起、27…回転刃、28…精型部分金型、
29…余剰部分、29’…粗型部分金型における余剰部
分に対応する領域、30…製品部分、30’…粗型部分
金型における製品部分に対応する領域、31…部分鋳
型、32,33…溝、34…ダミー鋳型、35…粗型部
分金型、38…加工代、39’…粗型部分金型における
余剰部分に対応する領域、40’…粗型部分金型におけ
る製品部分に対応する領域、41…部分鋳型、42,4
3…溝、42’…拡張後の溝、44…回転刃、45…粗
型部分金型、46…突起、47…厚さの広い突起、48
…精型部分金型、49…余剰部分、49’…粗型部分金
型における余剰部分に対応する領域、50…製品部分、
50’…粗型部分金型における製品部分に対応する領
域、51…部分鋳型、52,53…溝、54…ダミー鋳
型、58…加工代、59’…粗型部分金型における余剰
部分に対応する領域、60’…粗型部分金型における製
品部分に対応する領域、61…部分鋳型、62,63…
溝(リブ)、64…板状部材、65…粗型部分金型、6
6…充填材、68…加工面、69’…粗型部分金型にお
ける余剰部分に対応する領域、71…フライス盤、72
…回転刃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 19/00 B22D 19/00 E Z 19/06 19/06 A 31/00 31/00 A Z B29C 33/02 B29C 33/02 // B29L 30:00 B29L 30:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤの表面形状の一部をその表面形状
    として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲い、そ
    の間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって前記鋳
    型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記粗型部
    分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去して精
    型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部分金型
    を全体的に組み合わせて全体金型として用いられるタイ
    ヤ成形用金型を製造する方法であって、 前記タイヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前
    記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形
    成する前記粗型部分金型における前記余剰部分に対応す
    る領域の所定箇所に板状部材を配設し、前記板状部材が
    前記鋳型の前記溝に配設された状態で前記鋳型を鋳枠で
    囲い、その間隙に前記溶湯を流し込み前記板状部材を前
    記粗型部分金型に鋳包ませ、前記溶湯が硬化した後に前
    記板状部材を抜き取り、抜き取った後に形成された前記
    板状部材の反転形状であるスリット(隙間)によって前
    記製品部分と前記余剰部分とに分断された、前記溝の反
    転形状である突起を有する前記粗型部分金型を形成する
    ことを含むことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記板状部材が、前記粗型部分金型を形
    成する前記溶湯と融着しない材料から構成された請求項
    1に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溝の、前記粗型部分金型の余剰部分
    を除去した後に前記粗型部分金型に加工代分が残るよう
    な所定箇所に、前記板状部材を配設する請求項1又は2
    に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  4. 【請求項4】 タイヤの表面形状の一部をその表面形状
    として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲い、そ
    の間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって前記鋳
    型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記粗型部
    分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去して精
    型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部分金型
    を全体的に組み合わせて全体金型として用いられるタイ
    ヤ成形用金型を製造する方法であって、 前記タイヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前
    記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形
    成する前記粗型部分金型における前記余剰部分に対応す
    る領域の所定箇所に充填材を充填し、前記充填材が前記
    鋳型の前記溝に充填された状態で前記鋳型を鋳枠で囲
    い、その間隙に前記溶湯を流し込み硬化させることによ
    って、前記製品部分には前記溝の反転形状である突起を
    有し、かつ前記余剰部分には突起を有しない粗型部分金
    型を形成することを含むことを特徴とするタイヤ成形用
    金型の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記充填材が、前記鋳型を構成する鋳型
    材と同一の材料から構成された請求項4に記載のタイヤ
    成形用金型の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溝の、前記粗型部分金型の余剰部分
    を除去した後に前記粗型部分金型に仕上げ加工代分が残
    るような所定箇所に、前記充填材を充填する請求項4又
    は5に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  7. 【請求項7】 タイヤの表面形状の一部をその表面形状
    として有する鋳型を形成し、前記鋳型を鋳枠で囲い、そ
    の間隙に溶湯を流し込み硬化させることによって前記鋳
    型の反転形状である粗型部分金型を形成し、前記粗型部
    分金型から製品部分が残るように余剰部分を除去して精
    型部分金型を形成し、タイヤ成形時に前記精型部分金型
    を全体的に組み合わせて全体金型として用いられるタイ
    ヤ成形用金型を製造する方法であって、 前記タイヤの表面形状に対応して、表面に溝を有する前
    記鋳型を形成し、前記溝の、前記鋳型の反転型として形
    成する前記粗型部分金型における前記余剰部分に対応す
    る領域の幅を拡張し、前記溝の幅が拡張された前記鋳型
    を鋳枠で囲い、その間隙に前記溶湯を流し込み硬化させ
    ることによって、前記製品部分には前記溝の反転形状で
    ある突起を有し、かつ前記余剰部分には幅の拡張された
    前記溝の反転形状である厚さの広い突起を有する前記粗
    型部分金型を形成することを含むことを特徴とするタイ
    ヤ成形用金型の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記粗型部分金型の余剰部分の除去時の
    仕上げ加工代分が残るように、前記溝の幅を拡張する請
    求項7に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
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JP2009132809A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Bridgestone Corp ダミーゴム用ゴム組成物

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