JP4373772B2 - タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型 - Google Patents

タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型 Download PDF

Info

Publication number
JP4373772B2
JP4373772B2 JP2003410838A JP2003410838A JP4373772B2 JP 4373772 B2 JP4373772 B2 JP 4373772B2 JP 2003410838 A JP2003410838 A JP 2003410838A JP 2003410838 A JP2003410838 A JP 2003410838A JP 4373772 B2 JP4373772 B2 JP 4373772B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
mold
molding die
tire
tire molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003410838A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005169436A (ja
Inventor
泰之 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2003410838A priority Critical patent/JP4373772B2/ja
Publication of JP2005169436A publication Critical patent/JP2005169436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4373772B2 publication Critical patent/JP4373772B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Description

本発明は、鋳造法で製作されるタイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型に関するものである。さらに詳しくは、タイヤ成形用金型を鋳造製作する際に、意匠面部の特定の箇所近傍の鋳造組織を健全なものにすることができるように、鋳型内部に局部押湯を設置したり、局所冷やし金を設置する技術に関するものである。
タイヤ成形用金型は、複数に分割された金型を組み付けることにより形成されており、タイヤ形状を幅方向に2分割することにより構成される上下分割型(2ピースモールド)と、半径方向(円周方向)に7〜13程度に分割することにより構成される上下一体型(セクショナルモールド)との2種類のタイヤ成形用金型が使用されている。
このようなタイヤ成形用金型においては、鋭い角を有した凹ブロック形状部分やサイプブレードなどの薄肉凸形状部分を多数有していることから、機械加工による製造が不向きであり、このため、鋳造によって製造されている。
鋳造製法の中でも、石膏鋳造法が使用されることが多い。これは、鋳型が崩壊性を持ち、アンダーカット形状対応の自由度が高く、鋳型での組み立て加工が簡易に行え、金型分割形状分をほぼ一体形状で鋳造でき、かつ、寸法精度が高い上、鋳型コストが低いことがその理由として挙げられる。
図12は、石膏鋳造法によって2ピースモールドを作製する手順を示す。まず、(a)に示すように石膏、樹脂などを用いてタイヤの原型(マスターモデル)1を機械加工で作製し、(b)で示すようにシリコーンゴムなどによって原型1を反転したゴム型2を作製する。そして、(c)で示すようにゴム型2を上下に分割した鋳型3を石膏によって反転作製し、この鋳型3を焼成乾燥した後、(d)で示すように複数角度で切断し、(e)で示すように組み立ててリング状の鋳型4とする。そして、(f)で示すように、この鋳型4を鋳枠5で囲み、鋳枠5内にアルミニウム合金等の合金溶湯6を充填して鋳造することによりリング鋳物とし、このリング鋳物に対して不要部分の除去のための機械加工を行い、その後、(g)で示すように型合わせを行ってタイヤ成形用金型8とする。(g)において、符号7は、タイヤ成形用金型を構成する上、下分割金型である。
図13は、石膏鋳造法によってセクショナルモールドを作製する手順を示し、図12と同様に、(a)で示すタイヤの原型1を反転した(b)のゴム型2を作製した後、(c)及び(d)で示すように石膏によって鋳型3を作製し、(e)で示すように組み立てて鋳型4とする。そして、(f)で示すように、この鋳型4を鋳枠5で囲み、鋳枠5内にアルミニウム合金等の合金溶湯6を充填して鋳造することによりリング鋳物とし、このリング鋳物に対して不要部分の除去のための機械加工を行い、その後リング鋳物を円周方向に複数個の分割金型7に分割すると共に、各分割金型7の外周部分の機械加工を行い、その後、(g)で示すように型合わせを行ってタイヤ成形用金型8とする。
これら石膏鋳造法によって作製された複数の分割金型7は、図14に示すように、周あるいは上下方向で相互に隣接するように組み付けられるものであり、(a)はセクショナルモールドの場合、(b)は2ピースモールドの場合を示す。いずれにおいても、外側のバックモールド9に複数の分割金型7を組み付けることによりタイヤ成形用金型8とする。
また、図15は、サイプブレードの鋳包みの手順を示し、(a)で示すモデル用ブレード10を埋設したタイヤの原型1を反転した(b)のゴム型2を作製した後、(c)で示すようにサイプブレード11をゴム型2の凹部に設置し、次に(d)に示すように石膏鋳型反転によって鋳型3を作製してサイプブレード11をゴム型2から鋳型3へ移動させ、(e)で示すように鋳造反転でサイプブレード11を鋳型3から分割金型7へ移動させることができる。
このように、タイヤ成形用金型は石膏鋳型を用いて鋳造製作されることが多いのであるが、石膏鋳型は断熱性が高い為、アルミ合金等の鋳造時に鋳込んだ合金溶湯が鋳型表面から凝固することは殆ど無く、鋳枠等の、石膏鋳型より熱伝導率の高い側から凝固することが多い。
このことに起因して、従来の石膏鋳型を用いた鋳造法は、
a.溶湯の凝固が鋳枠側(タイヤ成形用金型背面側及び上下端面側)から鋳型表面側(タイヤ成形用金型意匠面側)の指向性凝固となり易く、引け巣欠陥,ピンホール欠陥と言った鋳造欠陥が、鋳型表面側、特に鋳型に凹状に刻まれた凹部(タイヤ成形用金型の鋳出し骨に相当する部位)に集中し易いこと、および
b.鋳型表面側(タイヤ成形用金型意匠面側)の溶湯凝固スピードが遅いことに起因して、タイヤ成形用金型として重要な意匠面側の金属組織(結晶粒径)が粗くなり易く、また、晶出物等の局所濃縮現象も発生し易い(即ち、タイヤ成形用金型意匠面部の硬度,強度バラツキが発生し易い)こと、
と言った不具合が生じ易いと言う弱点が存在している。
図16は、従来のサイプブレードの無い鋳造法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
図16から明らかなように、両鋳造法とも、溶湯6は溶湯凝固方向fで示すように鋳枠5側から凝固が開始する。このとき、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部(タイヤ成形用金型の鋳出し骨部等)bに対応する石膏鋳型4の凹部dで、溶湯6の等凝固時間曲線(一つの断面内で溶湯が同じ時間で凝固完了する点を結ぶことで定義される曲線)eと鋳型4の表面で「閉塞空間」が形成され易く、ここに引け巣欠陥cが発生し易い。
図17は、従来のサイプブレードの有る鋳造法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
図17から明らかなように、両鋳造法とも、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部(鋳出し骨等)bに対応する石膏鋳型4の凹部d内の溶湯6の凝固が遅れ、微細引け巣欠陥cが発生し易い部位にサイプブレード11を鋳包む場合で、サイプブレード11自体が局部冷やし金として機能するのであるが、サイプブレード11のみの熱容量では不十分なケース(サイプブレード11自体の冷やし金効果では不十分な時)には、引け巣欠陥cが発生してしまう場合がある。
このため従来の石膏鋳型を用いた鋳造法は、鋳枠側からの溶湯の凝固,冷却状態を制御することで、石膏鋳型表面(タイヤ成形用金型の意匠面)部に、引け巣欠陥や、組織異常の発生を防止するしか方法が無く、厚肉品や、全高の高い製品に対しては、限界がある。
すなわち従来では、この凝固,冷却状態の制御が、所謂「鋳造方案設定」の主な課題であり、作業者の設定した条件をコンピュータ凝固解析等のシミュレーションで検証し、その結果が悪ければ、再度、鋳造方案を設定し直し、検証しなおすと言うサイクルを繰り返している。
タイヤ成形用金型は、石膏鋳造法で製作されている実用アルミ合金鋳物製品のなかでは、最大級の製品と言え、前記したシミュレーションの検証を経たとしても限界があり、鋳造の難度が高いと言える。
本発明は、このような状況下でなされたものであり、その目的は、石膏鋳型あるいは石膏以外の鋳型を用いた鋳造方法において、簡易で、効果的な、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれるタイヤ成形用金型の鋳造方法、および該鋳造方法を用いて製作されるタイヤ成形用金型を提供するにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、石膏鋳型を用いるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に開口し鋳型内部に終端部を持つ、座ぐり穴あるいはスリットが形成されており、前記座ぐり穴あるいはスリットを開口した状態で鋳造を行うことを特徴とする。
請求項1の発明では、鋳造時、座ぐり穴あるいはスリットにも溶湯が充填されることになり、この部位を利用して製品部への鋳造欠陥の発生を防止することができるので、この部位付近の製品部の鋳物の組織を健全なものにすることができる。
請求項2の発明は、請求項1記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
前記座ぐり穴は、1mm以上の直径を有して形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、鋳造時、座ぐり穴にも溶湯が充填されることになり、充填された溶湯は、直径1mm以上となるので、石膏鋳型の高断熱性に起因して穴の深い所ほど溶湯凝固が遅れるため、この部分に充填された溶湯を、あたかも、「押湯」として利用することができる。これにより、タイヤ成形用金型の意匠面側表面の、例えば「鋳出し骨」内部等に発生し易い微細な引け巣を、後から開口した座ぐり穴に集め、鋳出し骨内部を健全な組織とすることができる。
請求項3の発明は、請求項1記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
前記スリットは、0.02mm以上1mm未満の厚さを有して形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、鋳造時、スリットにも溶湯が充填されることになり、充填された溶湯は、厚さ1mm未満となるので、石膏鋳型の高断熱性にも拘わらず、石膏鋳型のスリット直近の製品部の溶湯より早く凝固を開始することになる。このスリット内の溶湯凝固を起点として、タイヤ成形用金型の意匠面側表面の、例えば鋳出し骨(凸部)の先端からの溶湯凝固が起こり、引け巣欠陥の発生が防止される。
請求項4の発明は、石膏鋳型を用いるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に一端を露出させ他端側を前記石膏鋳型内に入れ込んだ金属部材が埋設されており、前記金属部材の前記一端を露出させた状態で鋳造を行うことを特徴とする。
請求項4の発明では、石膏鋳型の表面に、意匠面のサイプを形成するためのサイプブレードが配設されており、金属部材の一端がサイプブレードに接触させられた状態で、後から鋳込んだ溶湯と接触する状態で鍛造を実施する。このとき、金属部材が、石膏鋳型より熱伝導特性が良好な為、局所冷やし金効果を奏することができ、これにより金属部材と接触した部位(局部)の溶湯が、該当部直近のタイヤ成型用金型の製品部の溶湯より早く凝固を開始する。この局部の溶湯凝固を起点として、タイヤ成形用金型の意匠面側表面の、例えば、鋳出し骨(凸部)の先端からの溶湯凝固が起こり、引け巣欠陥の発生が防止される。
請求項5の発明は、請求項4記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
前記金属部材は、厚さ0.1mm以上の金属板、あるいは直径0.1mm以上の金属棒であることを特徴とする。
請求項5の発明では、厚さ0.1mm以上の金属板、あるいは直径0.1mm以上の金属棒を用いているので、充分な局部冷やし金効果を奏することができる。厚さ0.1mm未満の金属板、あるいは直径0.1mm未満の金属棒は、それ自体の容積が小さすぎて、充分な熱容量が得られない。
請求項6の発明は、鋳造法で製作されるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に開口すると共に、前記鋳型に隣接する鋳枠もしくは冷し金に連通する連通孔が前記鋳型に形成されており、前記連通孔を開放した状態で鋳造を行うことを特徴とする。
請求項6の発明では、鋳造時、連通孔にも溶湯が充填されることになり、充填された溶湯は、鋳型に隣接する鋳枠もしくは冷し金に接触しており、その接触局部から急速に凝固・冷却を開始し、連通孔の開口部直近の溶湯凝固をその他の部位よりも促進させることになり、結果的に引け巣欠陥の発生を防止することができる。
また、このときの鋳型は、石膏鋳型のみでなく、石膏鋳型よりも熱伝導特性の良好な鋳型(例えば、セラミック鋳型)も適用可能となる。
請求項1の発明によれば、座ぐり穴あるいはスリットに充填される溶湯を利用して鋳造欠陥,組織異常を防止することができるので、この座ぐり穴あるいはスリット付近の製品部の鋳物の組織を健全なものにすることができ、これにより簡易で、効果的な、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれる、石膏鋳型を用いたタイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、石膏鋳型に形成された座ぐり穴内の溶湯凝固を他の部位よりも遅らせることにより、引け巣等を座ぐり穴内に集め、例えば意匠面部の鋳出し骨内部を健全な組織とすることができるので、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれる、石膏鋳型を用いたタイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
請求項3の発明によれば、石膏鋳型に形成されたスリット内の溶湯凝固を他の部位よりも先行させ、この溶湯凝固を起点として、タイヤ成形用金型の意匠面側表面の、例えば鋳出し骨(凸部)の先端からの溶湯凝固が起こり、これにより引け巣欠陥の発生を防止することができるので、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれる、石膏鋳型を用いたタイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、石膏鋳型に埋設した金属部材と接触した部位(局部)の溶湯が、該当部直近のタイヤ成形用金型の製品部の溶湯より早く凝固を開始し、この局部の溶湯凝固を起点として、タイヤ成形用金型の意匠面側表面の、例えば鋳出し骨(凸部)の先端からの溶湯凝固が起こり、これにより引け巣欠陥の発生を防止することができるので、簡易で、効果的な、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれる、石膏鋳型を用いたタイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
請求項5の発明によれば、金属部材として厚さ0.1mm以上の金属板、あるいは直径0.1mm以上の金属棒を用いているので、充分な局部冷やし金効果を奏することができ、これにより請求項4の発明の効果に加えて、鋳造欠陥および組織異常に対する対策を一層確実に採ることができる。
請求項6の発明によれば、鋳型に形成された連通孔内の溶湯が、隣接する鋳枠もしくは冷し金に接触する接触局部から急速に凝固・冷却を開始し、鋳型の凹部に開口する開口部直近の溶湯凝固を、その他の部位よりも促進させることになり、その結果、引け巣欠陥の発生を防止することができるので、簡易で、効果的な、鋳造欠陥および組織異常に対する対策のとれる、石膏鋳型あるいは石膏以外の鋳型を用いたタイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
以下、本発明を図示する実施の形態により、具体的に説明する。なお、各実施の形態において、図12〜図17に示す部材と同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
図1は、本発明の第1実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
第1実施形態は、石膏鋳型4を用いるタイヤ成形用金型aの鋳造方法において、タイヤ成形用金型aの意匠面側表面に対応する石膏鋳型4の表面に開口し鋳型4の内部に終端部を持つ、座ぐり穴12が形成されており、座ぐり穴12を開口した状態で鋳造を行うものである。このとき、座ぐり穴12は、好ましくは、1mm以上の直径を有して形成される。
第1実施形態では、座ぐり穴12は、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部bに対応する石膏鋳型4の凹部dに、凹部dの表面に開口し鋳型4の内部に終端部を持つように形成されている。座ぐり穴12の形成箇所は、経験則により決せられる。
この第1実施形態は、石膏鋳型4の断熱性を利用した技術である。石膏鋳型4を用いたタイヤ成形用金型aの鋳造では基本的に「鋳枠5側から石膏鋳型4側への溶湯6の凝固」となることから、鋳型4に穴が空いている場合には、穴の深い所ほど溶湯6の凝固が遅れると言う現象を利用して、鋳型4の表面の随所に意図的に座ぐり穴(鋳型を貫通していない穴)12を開口し、この部分に充填された溶湯6を、あたかも、「押湯」として利用することを要旨とするものである。
このとき座ぐり穴12の穴の大きさが小さすぎると、いかに石膏鋳型4が断熱性が高いと言っても、若干は熱伝導性を持っている為、鋳型4側からの溶湯6の凝固が始まってしまう為、上記の局部押湯効果が得られない虞がある。即ち、座ぐり穴12に充填された溶湯6の方が、タイヤ成形用金型aの本体部より先に凝固してしまう現象が起こり得る。この為、座ぐり穴12の大きさを、直径1mm以上としている所以である。
この1mm以上と言う数値は、市販されている石膏鋳型材を用いた場合の経験値であり、熱伝導特性の高い耐火材を意図的に添加した特殊スペックの石膏鋳型材では、この限りでは無い。現在市販されている、様々な「鋳造型取り用石膏鋳型材」の熱伝導率は、乾燥型状態で0.060〜0.230kcal/m・hr・℃程度の範囲内にある。
この第1実施形態では、タイヤ成形用金型aの凸部bとなる「例えば、鋳出し骨」内部等に発生し易い微細な引け巣cを、後から開口した座ぐり穴12に集め、鋳出し骨(凸部b)内部は健全な組織とすることができる。
また、座ぐり穴12に充填された溶湯6は、鋳物でタイヤ金型意匠面形状を損ねる余剰突起13として現われる為、この余剰突起13のみ刈り取り、形状仕上げを行わなうことにより引け巣欠陥cの無いタイヤ成形用金型aを製作することができる。
具体的には、図1に示すように、重力鋳造法および低圧鋳造法ともに、石膏鋳型4の引け巣欠陥cが出易い部位(凹部d)に座ぐり穴12を開口して鋳造する。これにより、座ぐり穴12内に充填された溶湯6に引け巣欠陥cを集中させることができ(鋳出し骨内部の引け巣を座ぐり穴12内に移動させる)、製品部(タイヤ成形用金型a)の引け巣欠陥cの発生を防止することができる。すなわち、座ぐり穴12内に充填された溶湯6が、局部押湯的な効果を発揮する。
製作された鋳物Aには、製品形状a(意匠面形状)とは異なる余剰突起13が付与された形となる為、この余剰突起13を除去して、所定の意匠面形状に仕上げることによってタイヤ成形用金型aを製作することができる。この仕上げ加工が工数増加となるが、この加工は極めて簡易なものであり、従来の引け巣欠陥発生部位を修正する溶接修正に比べれば、上記工数増加分は微々たるものであると言える。
図2は、他の座ぐり穴14を示す。この座ぐり穴14は、鋳型に開口した複数の座グリ穴12、12の先端部近傍を、連結穴12aで互いに連結して、穴の容積を増加させたもので、より大きな局部押湯補給効果を持たせたものである。このときの連結穴12aは、例えば、後加工で形成するか、あるいは石膏材の注型反転時の鋳抜きで形成することができる。
第1実施形態は、この座ぐり穴14を石膏鋳型4に適用することにより、局部押湯効果を高めることができ、これにより一層確実に引け巣欠陥を排除することのできる、タイヤ成形用金型の鋳造方法を提供することができる。
図3は、本発明の第2実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
第2実施形態は、石膏鋳型4を用いるタイヤ成形用金型aの鋳造方法において、タイヤ成形用金型aの意匠面側表面に対応する石膏鋳型4の表面に開口し鋳型4の内部に終端部を持つ、スリット15が形成されており、スリット15を開口した状態で鋳造を行うものである。このとき、スリット15は、好ましくは0.02mm以上1mm未満の厚さを有して形成される。
第2実施形態では、スリット15は、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部bに対応する石膏鋳型4の凹部dに、凹部dの表面に開口し鋳型4の内部に終端部を持つように形成されている。スリット15の形成箇所は、経験則により決せられる。
この第2実施形態は、前述した第1実施形態と逆の特性を利用するものである。
すなわち、第1および第2実施形態は、共に石膏鋳型4の低い熱伝導特性を最大限利用したもので、第1実施形態の数値規制「直径1mm以上の大きさの座グリ穴」は、該当部に充填された溶湯6の凝固を製品部aより遅らせることを目的としているが、第2実施形態の数値規制「厚さ0.02mm以上1mm未満のスリット」は、該当部に充填された溶湯6の凝固を、製品部aより先に始まることを目的としている。
このように、第2実施形態は、石膏鋳型の必要箇所(鋳造欠陥cの出やすい箇所)に小さなスリット15を意図的に開口することで、該当部の溶湯凝固を他の部位より早くし、引け巣等の各種鋳造欠陥cを防止するのを要旨としている。
さらに付言すれば、第1実施形態は、比較的幅の広い鋳出し骨部(幅2mm以上程度)には効果的な方案であると言えるがこれ以下の幅の狭い鋳出し骨(幅1mm以上2mm未満)に対しては、後から開口する座ぐり穴12の方が製品部aのデザイン寸法より大きくなってしまい、鋳物Aでの形状仕上げが困難になる為対応しづらいと言う弱点を持っているが、第2実施形態は、この弱点を克服する為のものでもある。
また、第2実施形態における数値規制「厚さ0.02mm以上1mm未満のスリット」は、直径1mm未満の座ぐり穴より改善効果が高く、かつ石膏鋳型4への形状加工も楽な為である。例えばスリット15は、該当板厚を持った金属板を石膏鋳型4の該当箇所に差込んだ後、引き抜くことで簡単にスリット形状加工ができる。
具体的には、図3に示すように、重力鋳造法および低圧鋳造法ともに、石膏鋳型4にスリット15形状を加工した状態でタイヤ成形用金型aを鋳造すると、スリット15に充填された溶湯6が、スリット15の直近の製品部aの溶湯6より早く凝固を開始することになる。このときの溶湯6の凝固促進を、図中矢印gで示す。そしてスリット15内の溶湯6の凝固を起点として、タイヤ成形用金型aの鋳出し骨(凸部b)の先端からの溶湯凝固が起こり、引け巣欠陥の発生が防止される。
その後は、第1実施形態と同様に、製作された鋳物Aには、製品形状a(意匠面形状)とは異なる余剰突起13が付与された形となる為、この余剰突起13を除去して、所定の意匠面形状に仕上げることによって、鋳造欠陥のないタイヤ成形用金型aを製作することができる。
図4は、本発明の第3実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
第3実施形態は、石膏鋳型4を用いるタイヤ成形用金型aの鋳造方法において、タイヤ成形用金型aの意匠面側表面に対応する石膏鋳型4の表面に一端を露出させ他端側を石膏鋳型4内に入れ込んだ金属部材16が埋設されており、金属部材16の一端16aを露出させた状態で鋳造を行うものである。
第3実施形態では、金属部材16は、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部bに対応する石膏鋳型4の凹部dに、凹部dの表面に一端16aを露出させ他端側を石膏鋳型4内に入れ込んで埋設されている。金属部材16の埋設箇所は、経験則により決せられる。
第3実施形態は、第2実施形態の考え方をさらに発展させて、より高い凝固促進効果を発現させるものである。
すなわち、石膏鋳型4側からの溶湯凝固・冷却を促したい部位に、金属部材16(鋳込まれるアルミ合金溶湯6と反応,融着しない材質の金属材質のもの)を差込み、鋳造時に鋳込まれた溶湯6が金属部材16に接触するような形で石膏鋳型4の内部に埋設することで、該当部の溶湯6を、鋳型4に埋設した金属部材16に接触した部位から凝固促進させることを要旨としている。
具体的には、図4に示すように、重力鋳造法および低圧鋳造法ともに、石膏鋳型4の必要部位に金属部材16を埋設した状態(埋設した金属部材16の一端16aが、後から鋳込んだ溶湯6と接触するようにしておく)で鋳造を実施する。このため金属部材16と接触した部位の溶湯6が該当部直近のタイヤ成形用金型の製品部aの溶湯6よりも早く凝固を開始する。このときの溶湯6の凝固促進を、図中矢印gで示す。
埋設した金属部材16は、石膏鋳型4より熱伝導特性が良好な為、第3実施形態は、前述した第2実施形態より、高い効果の溶湯凝固促進効果が得られる。すなわち、埋設した金属部材16は、「局部冷やし金」としての効果を持つことになる。
その後は、第1実施形態と同様に、製作された鋳物Aには、製品形状a(意匠面形状)とは異なる余剰突起(金属部材16)13が付与された形となる為、この余剰突起13を除去して、所定の意匠面形状に仕上げることによってタイヤ成形用金型aを製作することができる。鋳物Aから余剰突起13を除去する際は、石膏鋳型4内に金属部材16を埋設した際に出来た痕跡部の余分な鋳出し形状13aも除去仕上げすることにより、鋳造欠陥のないタイヤ成形用金型aを完成させることができる。
また、石膏鋳型4内に金属部材16を埋設する方法は、注型反転して製作した石膏鋳型4の該当箇所に、後から金属部材16を打ち込む方法で対処すると言うものが最も簡易であると言えるが、鋳型4に該当金属材形状の座ぐり穴(座ぐり溝)を加工しておいてから、金属部材16を嵌め込むと言う方法も採用できる。
そして好ましくは、金属部材16は、厚さ0.1mm以上の金属板、若しくは直径0.1mm以上の金属棒で構成される。
この構成の数値規制は、これ以下の大きさの金属部材16では、金属部材16の容積が小さすぎて、充分な熱容量が得られないので、充分な局部冷やし金効果が得られない為である。
図5は、第3実施形態の変形例としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
本変形例は、石膏鋳型4に金属部材16を埋設したい箇所(局部冷やし金を設置したい場所)に、サイプブレード11を鋳包むデザインとなっている場合に適用されるものである。この場合、サイプブレード11そのものが冷し金としての効果を発揮することになるのであるが、更に高い局部冷やし金効果を得る為に、第3実施形態の金属部材16を利用するものである。
すなわち、金属部材16は、図5に示すように、鋳包まれるサイプブレード11の石膏鋳型4の埋設側の先端に、接触させて鋳型4の内部に抱き込ませておくことで、サイプブレード11の熱容量を増加させ、局部冷やし金としての効果を増大させることができる。このときの溶湯6の凝固促進を、図中矢印gで示す。
金属部材16のサイプブレード11先端への固定は、瞬間接着剤による接着、もしくは、パーカッション溶接等による仮溶接によって対応可能である。サイプブレード11に予め金属部材16を仮固定しておいた後、ゴム型2(図12および図13参照)に該当サイプブレード11をセット,石膏鋳型4を注型反転することで対処できる。
鋳造後は、鋳物Aには、製品形状a(意匠面形状)とは異なる金属部材16(余剰突起)が付与された形となる為、この金属部材16を除去して、所定の意匠面形状にすると共に、適宜外周加工することにより鋳造欠陥のないタイヤ成形用金型aが完成する。
このため、本変形例では、前述した第1〜第3実施形態では必要とした、余剰突起13を除去した後の意匠面形状に仕上げる工程が、不要となるメリットがある。
図6は、本発明の第4実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法を示しており、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法をそれぞれ示している。
第4実施形態は、鋳造法で製作されるタイヤ成形用金型aの鋳造方法において、
タイヤ成形用金型aの意匠面側表面に対応する石膏鋳型4の表面に開口すると共に、鋳型4に隣接する鋳枠5もしくは冷し金に連通する連通孔17が鋳型4に形成されており、連通孔17を開放した状態で鋳造を行うものである。
第4実施形態では、連通孔17は、タイヤ成形用金型aの意匠面部の凸部bに対応する鋳型4の凹部dに、凹部dの表面に開口すると共に、鋳型4に隣接する鋳枠5もしくは冷し金に連通するように形成されている。連通孔17の形成箇所は、経験則により決せられる。
この第4実施形態は、鋳物の溶湯凝固を促進したい部位(凸部b)に対応する鋳型4の凹部dの表面から連通孔17を開口(開口部17a)し、その反対側の開口部17bに鋳枠5やそれに準ずる冷やし金を接触させられるように設定した状態で鋳造することで、該当孔の開口部17a直近の溶湯6の凝固をその他の部位よりも促進させることを要旨とするものである。
具体的には、図6に示すように、重力鋳造法および低圧鋳造法ともに、鋳出し骨(凸部b)先端部近傍に引け巣欠陥が発生し易い場合、鋳型4の該当部にまず、第1および第2実施形態のときと同じスペックの穴12(もしくはスリット15)を形成する。この後、鋳型4の鋳枠5もしくはそれに準ずる冷やし金に接触する面から、先に鋳型4に開口(開口部17a)した穴先端(鋳型内終端部)を狙ってもう一つ穴を開口(開口部17b)し、2つの穴を連結させることによって、連通孔17を形成する。この状態で鋳造を実施すると、連通孔17に充填された溶湯6が鋳型4に接触している鋳枠5(もしくは冷し金)から急速に凝固・冷却を開始し、結果的に凸部bに引け巣欠陥の発生を防止することができる。このときの溶湯6の凝固促進を、図中矢印gで示す。
鋳造後の鋳物Aには、製品形状a(意匠面形状)とは異なる余剰突起13(連通孔17内の溶湯6が凝固したもの)が付与された形となる為、この余剰突起13を除去して、所定の意匠面形状に仕上げることによって、鋳造欠陥のないタイヤ成形用金型aを製作することができる。
この第4実施形態は、鋳型材が断熱性の高い「石膏」の場合に特に効果を発揮する内容のものであるが、石膏材以外の比較的熱伝導特性の良好なもの、例えばセラミック鋳型材に対しても、高い局部冷やし金効果が得られる。
また、連通孔17に充填された溶湯6が、局部冷やし金として機能するには、開口部17bが鋳枠5か冷やし金に接触していれば良く、第1および第2実施形態のように穴(及びスリット)寸法に特に規制を設ける必要も無い。
また、前述した第1〜第4実施形態では、タイヤ成形用金型の鋳出し骨先端部近傍についてのみの事例を示しているが、本発明はその他の部位についても応用可能であることは言うまでも無い。
また、第2、第3、および第4実施形態は、溶湯6の局部的凝固・冷却促進に関するものであり、引け巣欠陥防止の他、組織改善(結晶粒径の微細化による強度向上,溶湯凝固・冷却時に晶出,析出してくる各種合金相,金属間化合物の均一化)と言った作用効果をも奏することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
図7は、以下の全ての実施例および比較例に共通して用いたリング鋳物Aを示す。このリング鋳物Aは、タイヤサイズ 195/60R15用のセクショナルモールドタイプのサイプブレード鋳包み無し(鋳出し骨のみ存在)のタイヤ成形用金型aを製作することができる。リング鋳物Aは、セクターブロック数 8ヶ/1リングに分割形成される。
図8は、リング鋳物Aの基本鋳造方案を示しており、この基本鋳造方案は石膏鋳型を用いた重力鋳造方案で、以下の条件を備えている。
石膏鋳型材:ノリタケジプサム(株)製 G−6非発泡石膏(混水率60重量 %調合品)
合金材(溶湯6):アルミ合金 AC4C(JIS規格品)
(比較例1)
図9は、比較例1としてのリング鋳物A0の鋳造欠陥を説明するものである。リング鋳物A0は、図9に示すように、実施例と同一の鋳造装置、および同一の材料を使用して、従来の鋳造方案で製作した。
このリング鋳物A0は、次の鋳造欠陥を有している。
i.上側ショルダー部(図9の符号X1)に、微細な引け巣欠陥が発生し、該当部の結晶粒径は約250ミクロンで、粗大化している。
ii.上側の幅1.6mm、高さ12mmの鋳出し骨部(図9の符号X2)の結晶組織が粗く(結晶粒径約230ミクロン)、セクターブロックの端面加工時に、該当鋳出し骨の一部が、剥離欠損し易い。
(実施例1)
図10は、実施例1としてのリング鋳物A1の鋳造を説明するものである。リング鋳物A1の上側ショルダー部(図10の符号X1)に対向する石膏鋳型4に、φ12mm,深さ40mmの座ぐり穴12を、1セクターブロック当り8ヶ開口し、上側の幅1.6mm,高さ12mmの鋳出し骨に対応する部位(図10の符号X2)の石膏鋳型の溝先端に、厚さ0.2mm,深さ50mmのスリット15の加工を施した状態で鋳造を実施した。
得られた鋳物A1を観察したところ次の結果を得た。
i.X1部の引け巣欠陥は、石膏鋳型に開口した座ぐり穴12に充填された溶湯(アルミ合金)6に集まり、製品部aには無くなっていた。また、X1部の結晶粒径は約230ミクロンで変わらなかった。
ii.X2部の鋳出し骨の結晶粒径は、約90ミクロンに改善され、セクターブロック端面の加工時の、剥離欠損不具合の発生も無くなった。
(実施例2)
図10は、実施例2としてのリング鋳物A2の鋳造を説明するものである。
すなわち、X1部分の座ぐり穴12は実施例1と同様に構成されており、X2部分の鋳出し骨に対応する部位の石膏鋳型4の溝先端に、厚さ0.2mm,幅10mm,長さ(深さ)50mmのSUS304(ステンレス鋼)材製の金属板16を、1セクターブロック当り、18枚程鋳型溝底から約1mmほどもぐった状態となるまで打込み、この状態で鋳造を行った。
得られた鋳物A2を観察したところ、X2部分の鋳出し骨の結晶粒径は、約50ミクロンに改善され、実施例1の時より、更に改善された状態の鋳出し骨を得ることができた。
(実施例3)
図11は、実施例3としてのリング鋳物A3の鋳造を説明するものである。
すなわち、リング鋳物A3の上側ショルダー部(図11の符号X1)に対向する石膏鋳型4に、φ12mm,深さ30mmの座ぐり穴を、1セクターブロック当り8ヶ開口し、鋳型天面側からも同径の穴を同数だけ開口し、それぞれ先の座ぐり穴先端に連結して8ヶの連通孔17を形成した。この連通孔17の他端開口部17bは、図11に示すように、内鋳枠5の下面に接触するようにした。X2部分は、実施例2と同様の構成にした。このような構成において鋳造を実施した。
得られた鋳物A3を観察したところ次の結果を得た。
i.X1部分と、石膏鋳型4に開口した連通孔17に充填された溶湯(アルミ合金)6には、引け巣欠陥は無くなっていた。また、該当部の結晶粒径は約120ミクロンに改善されていた。
ii.X2部分の鋳出し骨の結晶粒径は、約45ミクロンに改善され、セクターブロックの端面加工時の、剥離欠損不具合の発生も無くなった。これはX1部分の溶湯6の凝固冷却促進効果の加重効果によるもので、実施例2の場合より、若干良くなった。
本発明の第1実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法の模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 第1実施形態に用いる他の座ぐり穴の模式図である。 本発明の第2実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法の模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 本発明の第3実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法の模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 第3実施形態の変形例としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法の模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 本発明の第4実施形態としてのタイヤ成形用金型の鋳造方法の模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 鋳造後のリング鋳物の断面図である。 図7のリング鋳物の基本鋳造方案を示す模式図である。 比較例1としてのリング鋳物の鋳造欠陥を説明する模式図である。 実施例1および実施例2としてのリング鋳物の鋳造を説明する模式図である。 実施例3としてのリング鋳物の鋳造を説明する模式図である。 (a)〜(g)は、石膏鋳造法によって2ピースモールドを作製する手順を示す工程図である。 (a)〜(g)は、石膏鋳造法によってセクショナルモールドを作製する手順を示す工程図である。 (a)及び(b)は、バックモールドを用いて組み立てたタイヤ成形用金型の斜視図である。 (a)〜(e)は、サイプブレードの鋳包みの手順を示す工程図である。 従来のサイプブレードの無い鋳造法の鋳造欠陥を説明する模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。 従来のサイプブレードの有る鋳造法の鋳造欠陥を説明する模式図で、(a)は重力鋳造法、(b)は低圧鋳造法を示している。
符号の説明
4 鋳型(石膏鋳型)
5 鋳枠
12、14 座ぐり穴
13 余剰突起
15 スリット
16 金属部材
17 連通孔
a 製品部(タイヤ成形用金型)
A 鋳物(リング鋳物)

Claims (6)

  1. 石膏鋳型を用いるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
    前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に開口し鋳型内部に終端部を持つ、座ぐり穴あるいはスリットが形成されており、前記座ぐり穴あるいはスリットを開口した状態で鋳造を行うことを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造方法。
  2. 請求項1記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
    前記座ぐり穴は、1mm以上の直径を有して形成されていることを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造方法。
  3. 請求項1記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
    前記スリットは、0.02mm以上1mm未満の厚さを有して形成されていることを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造方法。
  4. 石膏鋳型を用いるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
    前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に、前記意匠面のサイプを形成するためのサイプブレードが配設されており、一端を前記サイプブレードに接触させて他端側を前記石膏鋳型内に入れ込んだ金属部材が埋設されており、
    前記金属部材の前記一端を前記サイプブレードに接触させた状態で鋳造を行うこと
    を特徴とするタイヤ成型用金型の鋳造方法。
  5. 請求項4記載のタイヤ成形用金型の鋳造方法であって、
    前記金属部材は、厚さ0.1mm以上の金属板、あるいは直径0.1mm以上の金属棒であることを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造方法。
  6. 鋳造法で製作されるタイヤ成形用金型の鋳造方法において、
    前記タイヤ成形用金型の意匠面側表面に対応する前記石膏鋳型の表面に開口すると共に、前記鋳型に隣接する鋳枠もしくは冷し金に連通する連通孔が前記鋳型に形成されており、前記連通孔を開放した状態で鋳造を行うことを特徴とするタイヤ成形用金型の鋳造方法。
JP2003410838A 2003-12-09 2003-12-09 タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型 Expired - Fee Related JP4373772B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003410838A JP4373772B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003410838A JP4373772B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005169436A JP2005169436A (ja) 2005-06-30
JP4373772B2 true JP4373772B2 (ja) 2009-11-25

Family

ID=34731815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003410838A Expired - Fee Related JP4373772B2 (ja) 2003-12-09 2003-12-09 タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4373772B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5427589B2 (ja) * 2009-12-22 2014-02-26 株式会社ブリヂストン タイヤ成型金型の製造方法
JP2013226579A (ja) 2012-04-25 2013-11-07 Bridgestone Corp 鋳物の製造方法及び鋳物
KR101923540B1 (ko) * 2018-04-16 2018-11-30 주식회사 우리캐스트 자동차 프레스금형 수축방지용 주조용 주형

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005169436A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4421473B2 (ja) タイヤモールド用ピース及びピース式タイヤモールド
JPS58192656A (ja) 金属鋳造品の製造方法とその方法に使用する支持体
JP2004042505A (ja) タイヤ成形用金型の製造方法
JP2006320672A (ja) ゴルフクラブヘッドおよびそのワックスパターンの製造方法
EP3002070B1 (en) Casting of engine parts
JP4373772B2 (ja) タイヤ成形用金型の鋳造方法およびタイヤ成形用金型
JP5243157B2 (ja) タイヤ成型金型用鋳物の製造方法
JP4781625B2 (ja) インベストメント鋳造法及び装置
JPH0760399A (ja) 鋳造用金型構造
JP3417331B2 (ja) シリンダヘッド及びその製造方法
CN206839061U (zh) 一种加速铝液凝固的砂芯冷铁成型模具
JP2000502166A (ja) 破断分離により多分割構成される軸受装置を備えた鋳造機械部品の製造方法
JP4301510B2 (ja) タイヤ成形用金型の製造方法
CN105170915A (zh) 空压机螺杆的制备方法
JP3853222B2 (ja) タイヤ成形用金型の製造方法
JP2899362B2 (ja) ピストンブランク材の生産のための重力鋳造型
JP2000301312A (ja) 筒状成形品のダイカスト製法及び装置と円筒状フレーム
JP3040776B1 (ja) 鋳ぐるみ材料の支持方法
JP4304405B2 (ja) シリンダブロックの鋳巣除去方法
US9969035B2 (en) Method for producing a turbine engine part, and resulting mould and intermediate blank
CN108788009B (zh) 用于制造涡轮发动机叶片的组件
JPH0123225B2 (ja)
JP2005066676A (ja) タイヤ加硫用金型の製造に用いる石膏鋳型及びタイヤ加硫用金型の製造に用いる石膏鋳型の製造方法
JP2009006371A (ja) 金型
JP2004090366A (ja) タイヤ成形用金型の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090518

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090629

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090901

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090904

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees