JP2003148526A - 自動車用の車輪支持用軸受ユニット - Google Patents

自動車用の車輪支持用軸受ユニット

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JP2003148526A JP2001348518A JP2001348518A JP2003148526A JP 2003148526 A JP2003148526 A JP 2003148526A JP 2001348518 A JP2001348518 A JP 2001348518A JP 2001348518 A JP2001348518 A JP 2001348518A JP 2003148526 A JP2003148526 A JP 2003148526A
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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクブレーキの軽量化と高性能化とを図
れると共に、耐久性を十分に確保できる構造を、安価に
得る。 【解決手段】 取付フランジ13の円周方向複数個所に
取付孔24を形成すると共に、これら各取付孔24にス
タッド9aの中間部を圧入固定する。これら各スタッド
9aの先半部で、上記回転側フランジ13の外側面から
突出した部分に設けた雄ねじ部26にナットを螺合し、
緊締する事により、上記回転側フランジ13の外側面に
車輪を固定する。上記各スタッド9aの基端寄り部分で
上記取付フランジ13の内側面から突出した部分と、こ
の部分に外嵌した第一、第二各間座30、31とによ
り、上記取付フランジ13に炭素−炭素複合材製のロー
タ2aを、軸方向に関する僅かな変位を自在に支持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のロータ
及び車輪を支持する為の自動車用の車輪支持用軸受ユニ
ットの改良に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車の車輪を構成するホイール1及び
制動装置であるディスクブレーキを構成するロータ2
は、例えば図12に示す様な構造により、懸架装置を構
成するナックル3に回転自在に支承している。即ち、こ
のナックル3に形成した円形の支持孔4部分に、車輪支
持用軸受ユニット5を構成する、使用時にも回転しない
静止輪である外輪6を、複数本のボルト7により固定し
ている。一方、上記車輪支持用軸受ユニット5を構成す
るハブ8に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のス
タッド9とナット10とにより結合固定している。尚、
図示の例の場合、上記ホイール1は、鋼板をプレス成形
したものにより造っている。 【0003】上記外輪6の内周面にはそれぞれが静止側
軌道である複列の外輪軌道11a、11bを、外周面に
は固定側フランジ12を、それぞれ形成している。この
様な外輪6は、この固定側フランジ12を上記ナックル
3に、上記各ボルト7で結合する事により、このナック
ル3に対し固定している。 【0004】これに対して、上記ハブ8の外周面の一部
で、上記外輪6の外端開口(軸方向に関して外とは、自
動車への組み付け状態で幅方向外側となる部分を言い、
図1、2、4、6〜12の左側。反対に、自動車への組
み付け状態で幅方向中央側となる、図1、2、4、6〜
12の右側を、軸方向に関する内と言う。)から突出し
た部分には、回転側フランジ13を形成している。上記
ホイール1及びロータ2はこの回転側フランジ13の外
側面に設けた取付面に、上記各スタッド9とナット10
とにより結合固定している。この為に、上記取付フラン
ジ13の円周方向複数個所で、上記ハブ8の中心軸をそ
の中心とする同一円周上には、それぞれ上記取付フラン
ジ13の両側面を貫通する取付孔24を形成している。
そして、上記各スタッド9の基端部(図12の右端部)
外周面に設けたセレーション部27を上記各取付孔24
の内周面に圧入する事により、上記各スタッド9の基端
部を上記取付フランジ13に、この取付フランジ13に
対する回転を阻止した状態で固定している。 【0005】そして、上記取付面に上記ロータ2を重ね
合わせ、更に、このロータ2の片側面に上記ホイール1
を重ね合わせている。この状態で上記各スタッド9の先
端部(図12の左端部)を、上記ホイール1及びロータ
2にそれぞれ設けた通孔29、35に挿通して、上記ホ
イール1の片側面から突出させている。そして、上記ス
タッド9の先端部でこのホイール1の片側面から突出し
た部分に設けた雄ねじ部26にナット10を螺合し、更
に緊締している。この構成により、上記ホイール1及び
ロータ2は、上記取付フランジ13の取付面に結合固定
される。 【0006】又、上記ハブ8の中間部外周面で、上記複
列の外輪軌道11a、11bのうちの外側の外輪軌道1
1aに対向する部分には、回転側軌道である内輪軌道1
4aを形成している。更に、上記ハブ8の内端部外周面
に形成した小径段部15に、上記ハブ8と共に回転部材
23を構成する、内輪16を外嵌固定している。そし
て、この内輪16の外周面に形成した、やはり回転側軌
道である内輪軌道14bを、上記複列の外輪軌道11
a、11bのうちの内側の外輪軌道11bに対向させて
いる。 【0007】これら各外輪軌道11a、11bと各内輪
軌道14a、14bとの間には、それぞれが転動体であ
る玉17、17を複数個ずつ、それぞれ保持器18、1
8により保持した状態で転動自在に設けている。この構
成により、背面組み合わせである複列アンギュラ型の玉
軸受を構成し、上記外輪6の内側に上記回転部材23
を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びスラスト荷重
を支承自在に支持している。尚、上記外輪6の両端部内
周面と、上記ハブ8の中間部外周面及び上記内輪16の
内端部外周面との間には、それぞれシールリング19
a、19bを設けて、上記各玉17、17を設けた内部
空間と外部とを遮断している。更に、図示の例は、駆動
輪(FR車及びRR車の後輪、FF車の前輪、4WD車
の全輪)用の車輪支持用軸受ユニット5である為、上記
ハブ8の中心部にスプライン孔20を形成している。そ
して、このスプライン孔20に、等速ジョイント21に
付属のスプライン軸22を挿入している。 【0008】上述の様な車輪支持用軸受ユニット5の使
用時には、図12に示す様に、外輪6をナックル3に固
定すると共に、ハブ8の回転側フランジ13に、図示し
ないタイヤを組み合わせたホイール1及びロータ2を固
定する。又、このうちのロータ2と、上記ナックル3に
固定した、図示しないサポート及びキャリパとを組み合
わせて、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時
には、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドを、こ
のロータ2の制動用摩擦面である両側面に押し付ける。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述の様な従来の自動
車用の車輪支持用軸受ユニット5の場合、一般的に、ロ
ータ2を鋳鉄製としているが、一部の自動車では、この
ロータ2を炭素−炭素複合材(CC composite)製とす
る事が、近年行なわれている。この様にロータ2を炭素
−炭素複合材製とした場合には、ロータ2を鋳鉄製とす
る場合に比べて、ディスクブレーキの軽量化を図れると
共に制動力を大きくする事ができる。但し、炭素−炭素
複合材製のロータ2は、比較的脆く、外力が加わった場
合に破損し易い。又、この様な炭素−炭素複合材製のロ
ータ2は、低温では安定した制動力を発揮しにくい。こ
の為、ディスクブレーキの制動力を安定させる為に、制
動時に上記ロータ2の温度を迅速に上昇させるべく、放
熱しにくくしている。 【0010】これに伴って、上述の図12に示した構造
に、炭素−炭素複合材製のロータをそのまま使用した場
合には、次の様な問題が生じる。即ち、同図に示した構
造の場合、回転側フランジ13の側面と車輪を構成する
ホイール1の側面との間でロータ2を挟持して、この回
転側フランジ13にロータ2を、軸方向の変位を阻止し
た状態で支持している。この為、制動時にこのロータ2
とパッドとの摺接部で生じた熱でこのロータ2が膨張し
たり、このロータ2に歪みが生じた場合に、上記回転側
フランジ13やホイール1等からこのロータ2の一部に
過大な応力が加わる可能性がある。 【0011】又、このロータ2と上記回転側フランジ1
3とが常に接触していると、制動時にこのロータ2で生
じた熱がハブ8やホイール1に速やかに伝達される為、
このハブ8が熱により膨張して、やはり回転側フランジ
13等から上記ロータ2の一部に過大な応力が加わる可
能性がある。この様にロータ2の一部に過大な応力が加
わった場合には、このロータ2の制動用摩擦面が傾斜し
たり、このロータ2に亀裂等の損傷を生じる可能性があ
る。特に、このロータ2が炭素−炭素複合材製である場
合には、このロータ2が外力に対し比較的脆い事によ
り、このロータ2が破損する可能性を生じる。 【0012】又、このロータ2と上記回転側フランジ1
3とが常に接していると、このロータ2に伝わった熱が
上記ハブ8を介して速やかに放熱されてしまう。この
為、上記ディスクブレーキの制動力が安定する程度にま
で上記ロータ2の温度が上昇するのに時間を要し、ディ
スクブレーキによる制動力を安定させる面からは好まし
くない。 【0013】尚、特開平9−105432号公報には、
自動二輪車用のディスクブレーキで、円輪状のロータ支
持用ハブの外周縁部にロータの内周縁部を、軸方向に関
する変位を自在に支持した構造が記載されている。この
様な構造によれば、ロータを炭素−炭素複合材製とした
場合でも、このロータが熱により膨張したり、歪みが生
じる事による悪影響を抑えると共に、このロータの温度
を迅速に上昇させて、ディスクブレーキの制動力を比較
的迅速に安定させる事ができる。但し、上記公報に記載
された構造は、自動二輪車用のロータ支持用のハブとロ
ータとの支持構造に関するもので、このハブは、自動車
用の車輪及びロータを支持する為のハブとは、構造が大
きく異なる。この為、上記公報に記載された構造を、そ
のまま自動車の車輪駆動用軸受ユニット及びロータを支
持する為に使用する事はできない。又、上記公報に記載
された構造の場合、ロータ支持用ハブに、ホイールと一
体になったハブを、このロータ支持用ハブの内周縁部で
固定している。この為、ホイールと一体になったハブを
上記ロータ支持用ハブに固定する為には、このロータ支
持用ハブと上記ロータとを結合する為に使用するスタッ
ドとは別のスタッドを使用する必要がある。従って、必
要なスタッドの本数が増える為、部品点数及び組立工数
が増大して、製造コストが嵩む原因となる。本発明の自
動車用の車輪支持用軸受ユニットは、上述の様な事情に
鑑みて、ディスクブレーキの軽量化と制動力の向上とを
図るべくロータを炭素−炭素複合材製とすると共に、こ
のロータの耐久性を十分に確保し、更に、ディスクブレ
ーキによる制動力を迅速に安定させる事ができる、安価
な構造を実現すべく発明したものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の自動車用の車輪
支持用軸受ユニットは、前述の図12に示した従来構造
と同様に、静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静
止輪と、回転側軌道を有し、使用時に回転する回転部材
と、この回転部材の外周面に設けられた回転側フランジ
と、上記静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複
数個の転動体と、上記回転側フランジにこの回転側フラ
ンジに対する回転を阻止した状態で支持された、制動時
に摩擦材を押し付けられる制動用摩擦面を有するロータ
とを備える。 【0015】特に、本発明の自動車用の車輪支持用軸受
ユニットに於いては、上記ロータが炭素−炭素複合材製
であり、且つ、少なくとも上記回転側フランジに車輪を
固定する為にこの回転側フランジに結合されたスタッド
を含む支持構造により、この回転側フランジに上記ロー
タを、軸方向の変位を自在に支持している。 【0016】 【作用】上述の様に構成する本発明の自動車用の車輪支
持用軸受ユニットによれば、ロータを炭素−炭素複合材
製としている為、ディスクブレーキの軽量化と制動力の
向上とを図れる。しかも、外力に対して比較的脆い、炭
素−炭素複合材製のロータの一部に過大な応力が加わる
事を防止し、耐久性を十分に確保すると共に、ディスク
ブレーキの制動力を迅速に安定させる事ができる。更
に、少なくとも回転側フランジに車輪を固定する為のス
タッドを含む支持構造により、この回転側フランジに上
記ロータを、軸方向の変位を自在に支持している為、部
品点数と組立工数とを削減して、製造コストを低減でき
る。 【0017】 【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、ディスク
ブレーキの軽量化と制動力の向上とを図ると共に、ロー
タ2aの耐久性を十分に確保し、しかもディスクブレー
キの十分な制動力を迅速に得る事ができる構造を安価に
得るべく、回転部材23の外周面に設けた回転側フラン
ジ13と上記ロータ2aとの支持構造に工夫した点にあ
る。その他の自動車用の車輪支持用軸受ユニット5の基
本的構成及び作用に就いては、前述の図12に示した従
来構造と同様である為、同等部分には同一符号を付して
重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の
特徴部分を中心に説明する。 【0018】ハブ8の外周面には、車輪を構成する、鋼
板製のホイール1(図12参照)を固定する為の回転側
フランジ13を設けている。この回転側フランジ13の
円周方向5個所位置で、上記ハブ8の回転中心をその中
心とする同一円周上の等間隔位置には、それぞれ取付孔
24を形成し、これら各取付孔24に、それぞれスタッ
ド9aの中間部を圧入固定している。これら各スタッド
9aは、SK5の如き炭素鋼に焼き入れ処理を施したも
のにより造っており、その基端面(図1、2の右端面)
に鍔部25を形成している。又、これら各スタッド9a
の外周面の先半部(図1、2の左半部)に雄ねじ部26
を、同じく中間部にセレーション部27を、同じく基端
寄り部分(図1、2の右端寄り部分)で上記鍔部25と
セレーション部27との間部分に円筒面部28を、それ
ぞれ形成している。このうちのセレーション部27の歯
先円の直径D27は、上記雄ねじ部26の外径D26よりも
大きくしている(D27>D26)。又、上記円筒面部28
の外径D28は、上記セレーション部27の歯先円の直径
27よりも大きくしている(D28>D27)。そして、こ
のセレーション部27の歯先円の直径D27は、上記各取
付孔24の内径よりも大きくしている。 【0019】そして、これら各取付孔24に上記セレー
ション部27を、締め代を持って圧入している。この構
成により、これら各取付孔24の内周面のうち、上記セ
レーション部27と嵌合する部分が塑性変形する為、上
記各スタッド9aは、上記回転側フランジ13に、この
回転側フランジに対する回転を阻止した状態で固定され
る。この状態で、上記各スタッド9aの基端寄り部分に
設けた円筒面部28は、上記回転側フランジ13の内側
面(図1、2の右側面)よりも軸方向内側に突出してい
る。又、上記各スタッド9aの先半部に設けた雄ねじ部
26は、上記回転側フランジ13の外側面(図1、2の
左側面)よりも軸方向外側に突出している。そして、上
記ホイール1の一部に設けた複数の通孔29(図12参
照)を挿通した上記雄ねじ部26にナット10(図12
参照)を螺合自在としている。上記ホイール1は、この
ナット10及び上記スタッド9aにより、上記回転側フ
ランジ13の軸方向外側面に固定される。 【0020】そして、ディスクブレーキを構成し、両側
面に摩擦材であるパッド(図示せず)を摺接させる為の
制動用摩擦面を設けた、前記ロータ2aの内周寄り部分
を、上記各スタッド9aにより上記回転側フランジ13
に支持している。この為に本例の場合には、これら各ス
タッド9aの基端寄り部分で、上記回転側フランジ13
の内側面よりも軸方向内側に突出した円筒面部28の外
周面に、第一間座30と第二間座31とを外嵌してい
る。このうちの第一間座30は、フェノール樹脂等の熱
伝導率が比較的低い材料により造ったもので、断面L字
形で、全体を円環状に形成している。又、上記第二間座
31は、上記第一間座30と同様に、フェノール樹脂等
の熱伝導率が比較的低い材料により造ったもので、前記
鍔部25の外径とほぼ同じ外径を有する円輪状に形成し
ている。この様な第一、第二両間座30、31は、突き
合わせる事により、互いに断面コ字形で全体を円環状に
した状態で、上記各スタッド9aの円筒面部28に外嵌
すると共に、これら各スタッド9aの鍔部25の外側面
(図1、2の左側面)と上記回転側フランジ13の内側
面(図1、2の右側面)との間で軸方向に挟持してい
る。又、上記第一間座30は、上記円筒面部28に締り
嵌めにより外嵌しており、上記第二間座31は、上記円
筒面部28に僅かな隙間を持たせた隙間嵌めにより外嵌
している。 【0021】そして、前記ロータ2aを、炭素−炭素複
合材により単なる円輪状に造っている。又、このロータ
2aの内周寄り部分の円周方向5個所位置で、前記各取
付孔24と整合する位置に通孔32を、それぞれ形成し
ている。そして、これら各通孔32の内側に、上記各ス
タッド9aの外周面に外嵌した第一間座30を構成する
円筒部33を、僅かな隙間を持たせて挿通している。こ
の状態で、上記第一間座30を構成する円輪部34の内
側面(図1、2の右側面)と、上記第二間座31の外側
面(図1、2の左側面)との間隔Lを、上記ロータ2a
の厚さT2aよりも僅かに大きくしている(L>T2a)。
この構成により、このロータ2aは、上記回転側フラン
ジ13に、軸方向に関する僅かな変位を自在に支持され
る。尚、本例の場合、上記各スタッド9aと、第一、第
二各間座30、31と、回転側フランジ13とが、請求
項に記載した支持構造を構成する。 【0022】上述の様に構成する本発明の自動車用の車
輪支持用軸受ユニットによれば、ロータ2aを炭素−炭
素複合材製としている為、ロータ2を鋳鉄製とする場合
に比べて、ディスクブレーキの軽量化と制動力の向上と
を図れる。又、本発明の場合には、ハブ8の外周面に設
けた回転側フランジ13に上記ロータ2aを、軸方向に
関する僅かな変位を自在に支持している。この為、外力
に対して比較的脆い、炭素−炭素複合材製のロータ2a
が、熱により膨張したり、歪みが生じる等の場合でも、
このロータ2aの一部に外部から過大な応力が加わる事
を防止して、耐久性を十分に確保できる。更に、本発明
の場合には、制動時にパッドとロータ2aとの摺接部で
生じた熱が上記ハブ8を介して放熱されにくくなる為、
このロータ2aの温度を比較的高い所定値迄迅速に上昇
させる事ができ、ディスクブレーキが十分な制動力を発
揮するまでの時間を短縮する事ができる。しかも、本例
の場合には、上記ロータ2aと、ハブ8及びスタッド9
aとの間に、熱伝導率が比較的低い材料から成る第一、
第二間座30、31を設けている為、上記摺接部で生じ
た熱が、上記ハブ8及びスタッド9aを介して、より放
熱されにくくなる。この為、上記ロータ2aの耐久性
を、より向上させると共に、ディスクブレーキが十分な
制動力を発揮するまでに要する時間を、より短縮する事
ができる。 【0023】更に、上記回転側フランジ13に車輪を固
定する為にこの回転側フランジ13に結合したスタッド
9aを含む支持構造により、上記回転側フランジ13に
上記ロータ2aを、軸方向の僅かな変位を自在に支持し
ている。この為、上記ハブ8にこのロータ2aを支持す
る為に、このハブ8と車輪とを固定する為のスタッド9
aとは別のスタッドを使用する必要がなくなり、部品点
数と組立工数とを削減して、車輪支持用軸受ユニット5
の製造コストを低減できる。 【0024】しかも、本例の場合には、上記回転側フラ
ンジ13に上記ロータ2aを、この回転側フランジ13
の軸方向内側で支持している為、上記ロータ2aを、本
例の様に、断面形状が直線状である単なる円輪状とし
て、このロータ2aの加工を容易に行なえる様にした場
合でも、このロータ2a及びこのロータ2aと摺接する
パッド等から成るディスクブレーキと、車輪とが干渉す
る事を有効に防止できる。又、本例の場合には、上記ロ
ータ2aと、上記スタッド9a及びハブ8との間に、フ
ェノール樹脂等の熱伝導率が比較的低い材料から成る第
一、第二間座30、31を介在させている。この為、上
記ハブ8を、安価な材料である、S53C、S55Cの
如き炭素鋼製としたり、内部に封入するグリースに、石
けん基がウレアで基油が鉱油である安価なものを使用し
た場合でも、各内輪軌道14a、14bや、内部に封入
するグリースに熱を伝達しにくくして、耐久性を十分に
確保できる。 【0025】次に、図4〜5は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合には、上述した第1例
の場合と異なり、ハブ8aの外周面に1対の内輪16
a、16bを外嵌している。この為に、このハブ8aの
外周面で軸方向中間部乃至内半部に小径段部15を形成
すると共に、この小径段部15に、それぞれの外周面に
内輪軌道14a、14bを形成した、上記各内輪16
a、16bを外嵌している。そして、上記ハブ8aの内
端部で、これら各内輪16a、16bのうち、軸方向内
側の内輪16bの内端面から軸方向に突出した部分を外
径側にかしめ広げる事で形成したかしめ部36により、
上記各内輪16a、16bを上記ハブ8aに固定して、
回転部材23aとしている。 【0026】又、本例の場合には、上記各内輪16a、
16bの周囲に設けた外輪6aの外周面を、(外周面に
ナックルに固定する為の固定側フランジを設けない)単
なる円筒面状としている。上記外輪6aをナックル3に
設けた支持孔4(図12参照)に内嵌固定する場合に
は、この支持孔4に上記外輪6aを内嵌した状態で、こ
の支持孔4の内周面でこの外輪6aの両側部分に1対の
止め輪を係止する事により、この外輪6aが上記支持孔
4から抜け出る方向に変位するのを防止する。尚、この
支持孔4の内周面に内径側に突出する内向鍔部を、全周
に亙り設ける事により、上記1対の止め輪のうち、一方
の止め輪を省略する事もできる。 【0027】そして、本例の場合には、上記ハブ8aの
外周面に設けた回転側フランジ13の円周方向10個所
で等間隔位置に取付孔24、24を形成すると共に、こ
れら各取付孔24、24に、それぞれ1本ずつ合計10
本のスタッド9a、9aの中間部に設けたセレーション
部27、27を圧入固定している。更に、上記回転側フ
ランジ13の内側面よりも軸方向内側に突出した、上記
各スタッド9a、9aの基端寄り部分に設けた円筒面部
28、28を、ロータ2aの内周寄り部分の10個所位
置に設けた通孔32、32に、それぞれ第一間座30、
30を介して内嵌している。 【0028】特に、本例の場合には、上述した第1例の
場合と異なり、上記ロータ2aが上記回転側フランジ1
3に対し、軸方向内側に変位するのを規制する為の、図
5に詳示する第二間座31aを、1個のみ設けている。
この第二間座31aは、鋼板により造ったもので、その
直径は、上述した第1例で使用した各第二間座31(図
1〜3参照)の直径よりも十分に大きくしている。そし
て、上記第二間座31aの円周方向10個所で前記各取
付孔24、24とそれぞれ整合する位置に、上記各スタ
ッド9a、9aの円筒面部28、28を挿通自在な通孔
37、37を形成している。この様な第二間座31a
は、複数の第一間座30、30と共に、上記各スタッド
9a、9aの鍔部25、25の外側面(図4の左側面)
と上記回転側フランジ13の内側面(図4の右側面)と
の間で挟持している。そして、この回転側フランジ13
に上記ロータ2aの内周寄り部分を、軸方向に関する僅
かな変位を自在に支持している。 【0029】上述の様に構成する本例の構造によれば、
第二間座31aを1個のみ設けており、この第二間座3
1aを複数設ける必要がなくなる為、部品点数を削減す
ると共に組立作業を簡略化して、製造コストを低減でき
る。尚、本例の場合には、この第二間座31aを、熱伝
導率が低くはない鋼板により造っている為、上述した第
1例の場合に比べて、制動時にロータ2aとパッドとの
摺接部で生じた熱が、上記第二間座31aを介してハブ
8a及び複数の玉17、17に迄伝達され易くなる。但
し、この第二間座31aは、上記各第一間座30、30
よりも回転側フランジ13から離れた位置に設けてお
り、しかも、上記ロータ2aと上記第二間座31aとの
接触面積は比較的小さい。この為、上記ロータ2aから
上記第二間座31aを介して上記各玉17、17に熱が
伝達される事は少なく、これら各玉17、17の温度が
軸受寿命に関して問題を生じる程に上昇する事はない。 【0030】又、本例の場合、上記ロータ2a及び車輪
を上記回転側フランジ13に固定する為に、上述した第
1例の場合よりも多い、10本のスタッド9a、9aを
使用している。この為、制動時に、上記ロータ2aに制
動トルクが加わる事により、このロータ2aの内周寄り
部分に設けた通孔32、32の内周面と、上記各スタッ
ド9a、9aに外嵌した第一間座30、30の外周面と
の嵌合部、及びこれら第一間座30、30の内周面と上
記各スタッド9a、9aに設けた円筒面部28、28の
外周面との嵌合部にそれぞれ作用する圧縮応力及び剪断
応力の値を小さくでき、耐久性を向上させる事ができ
る。特に、本発明の場合には、上記ロータ2aを、比較
的外力に対し脆い炭素−炭素複合材により造っている
為、制動時に、このロータ2aに比較的大きい応力が加
わった場合にこのロータ2aの耐久性が問題となり易
い。これに対して、本例の場合には、このロータ2aに
加わる応力を小さくできる為、このロータ2aの耐久性
を有効に確保できる。 【0031】尚、本例の場合とは別に、上記スタッド9
a、9aの本数を、上述した第1例の場合と同様に5本
とする場合でも、これら各スタッド9a、9aに設けた
円筒面部28、28の外径と、各第一間座30、30の
直径と、第二間座31aに設けた通孔37、37及びロ
ータ2aに設けた通孔32、32の内径とを、それぞれ
大きくする事で、各嵌合部に作用する応力を小さくし
て、耐久性を向上させる事もできる。この様に、スタッ
ド9a、9aを5本のみ設けた場合には、本例の場合よ
りも部品点数及び組立工数を削減して、製造コストを低
減できる。その他の構成及び作用に就いては、上述した
第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を
付して重複する説明は省略する。 【0032】次に、図6は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、上述した第2例の場
合と同様に、ロータ2aの内周寄り部分の円周方向10
個所で等間隔位置に、通孔32、32を形成している。
そして、これら各通孔32、32に、それぞれが5本ず
つのスタッド9aと第二のスタッド38とを、それぞれ
第一間座30、30を介して内嵌している。このうちの
第二のスタッド38は、上記各スタッド9aの先端寄り
部分を取り除いた如き形状に形成している。即ち、上記
各第二のスタッド38の軸方向長さを、上記各スタッド
9aの軸方向長さよりも小さくしている。又、これら各
第二のスタッド38の基端寄り部分に円筒面部28と鍔
部25とを、同じく先半部の外周面にセレーション部2
7を、それぞれ形成している。これら各第二のスタッド
38の外周面には、雄ねじ部を形成していない。 【0033】そして、これら各第二のスタッド38と上
記各スタッド9aとにそれぞれ設けた円筒面部28、2
8に、前述の図1〜3に示した第1例で使用した第一間
座30と第二間座31とを、それぞれ外嵌している。
又、上記ロータ2aに設けた各通孔32、32のうち、
円周方向に関して1個置きに設けた5個の通孔32に上
記各スタッド9aの円筒面部28を、残りの5個の通孔
32に上記各第二のスタッド38の円筒面部28を、そ
れぞれ第一間座30、30を介して内嵌している。従っ
て、上記スタッド9aと第二のスタッド38とは、上記
ロータ2aの内周寄り部分に、このロータ2aの円周方
向に関して交互に支持される。又、上記各第一間座3
0、30は、上記各スタッド9a及び第二のスタッド3
8に設けた円筒面部28、28に締まり嵌めにより外嵌
すると共に、上記各通孔32、32に緩く挿通してい
る。 【0034】そして、この状態で、ハブ8の外周面に設
けた回転側フランジ13の円周方向10個所で、上記ロ
ータ2aの通孔32、32と整合する位置に形成した取
付孔24、24に、上記各スタッド9a及び各第二のス
タッド38にそれぞれ設けたセレーション部27、27
を圧入している。この圧入に基づいて上記各スタッド9
a及び各第二のスタッド38は、上記回転側フランジ1
3に、この回転側フランジ13に対する回転を阻止した
状態で固定される。又、上記ロータ2aの厚さは、上記
各第一間座30、30を構成する円輪部34、34の内
側面と上記各第二間座31、31の外側面との間隔より
も僅かに小さくしている。この構成により、上記ロータ
2aは、上記回転側フランジ13に、軸方向に関する僅
かな変位を自在に支持される。尚、上記各第二のスタッ
ド38の先端面(図6の左端面)は、上記回転側フラン
ジ13の外側面よりも突出しない様にしている。 【0035】上述の様に構成する本例の場合、それぞれ
5本ずつ合計10本のスタッド9aと第二のスタッド3
8とにより、回転側フランジ13にロータ2aを支持し
ている。この為、上述の第2例の場合と同様に、これら
スタッド9a、38の総数が多くなる事により、制動時
にこのロータ2aに大きな制動トルクが加わった場合で
も、このロータ2aに設けた通孔32、32の内周面と
上記各スタッド9a及び各第二のスタッド38にそれぞ
れ外嵌した第一間座30、30の外周面との嵌合部、及
び、これら各第一間座30、30の内周面と上記各スタ
ッド9a及び各第二のスタッド38にそれぞれ設けた円
筒面部28、28の外周面との嵌合部にそれぞれ作用す
る応力の値を小さくして、耐久性を向上させる事ができ
る。しかも、上記ロータ2aを、比較的外力に対して脆
い炭素−炭素複合材により造っているのにも拘らず、こ
のロータ2aの耐久性を有効に確保できる。 【0036】又、本例の場合、上記第二のスタッド38
に、ナットを螺合する為の雄ねじ部を形成していない。
この為、上記回転側フランジ13にホイール1(図12
参照)を固定する場合には、5本のスタッド9a及びこ
れら各スタッド9aに螺合・緊締するナット10(図1
2参照)のみを使用する。従って、上記回転側フランジ
13にホイール1を固定する為に、各第二のスタッド3
8にナットを螺合・緊締する必要がなくなる為、上記回
転側フランジ13に対する上記ホイール1の固定作業を
容易に行なえる。この様に本例の場合には、上述した第
2例の場合よりも少ない本数のスタッド9aにより、上
記回転側フランジ13に上記ホイール1を固定する。但
し、このホイール1は、比較的大きい応力が加わっても
破損しにくい鋼板製(アルミニウム合金製とした場合で
も同様。)としている為、制動時に、このホイール1に
設けた通孔29(図12参照)の内周面と上記各スタッ
ド9aの雄ねじ部26との嵌合部に比較的大きい応力が
加わった場合でも、上記ホイール1の耐久性が問題とな
る事はない。その他の構成及び作用に就いては、前述の
図1〜3に示した第1例の場合と同様である為、同等部
分には同一符号を付して重複する説明は省略する。 【0037】次に、図7は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、上述した第3例の構
造で使用していた第二のスタッド38の代わりに、外周
面にセレーション部を持たないボルト39を使用してい
る。これら各ボルト39は、基端部に外周面が円筒面で
ある頭部40を、外周面の先半部に雄ねじ部41を、同
じく基端寄り部分でこの雄ねじ部41と上記頭部40と
の間部分にこの頭部40の外径よりも小径の円筒面部4
2を、それぞれ形成している。又、上記頭部40の端面
に、マイナス型のドライバの先端部を係合自在な係合溝
43を形成している。そして、上記各ボルト39に設け
た円筒面部42の外周面に、第一、第二各間座30、3
1を外嵌している。 【0038】又、ハブ8の外周面に設けた回転側フラン
ジ13の円周方向5個所位置に取付孔24を形成すると
共に、上記回転側フランジ13の一部で円周方向に隣り
合う2個の取付孔24の間部分にねじ孔44を形成して
いる。そして、ロータ2aの内周寄り部分に設けた10
個の通孔32、32のうち、円周方向に関して1個置き
に存在する5個の通孔32にスタッド9aに設けた円筒
面部28を、第一間座30を介して内嵌している。又、
残りの5個の通孔32に上記各ボルト39に設けた円筒
面部42を、第一間座30を介して内嵌している。そし
て、この状態で、上記回転側フランジ13に設けた5個
の取付孔24に、上記各スタッド9aのセレーション部
27を圧入固定している。又、上記各ねじ孔44に上記
各ボルト39の雄ねじ部41を、これら各ボルト39の
頭部40に設けた係合溝43に係合させた前記ドライバ
により螺合し、更に緊締している。そして、上記各第一
間座30、30及び各第二間座31、31を、上記回転
側フランジ13の内側面と、上記各スタッド9aの鍔部
25及び上記各ボルト39の頭部40との間で挟持する
と共に、上記回転側フランジ13に上記ロータ2aの内
周寄り部分を、軸方向に関する僅かな変位を自在に支持
している。又、上記各ボルト39の先端面は、上記回転
側フランジ13の外側面よりも軸方向外側に突出させな
い様にしている。 【0039】この様な本例の場合も、上述した第3例の
場合と同様に、ロータ2aの耐久性を有効に確保できる
と共に、回転側フランジ13にホイール1(図12参
照)を固定する作業を容易に行なえる。尚、本例の場合
と異なり、上記各ボルト39の頭部40の外周面を六角
形状とすれば、この外周面にスパナを係合させた状態
で、上記各ねじ孔44に上記各ボルト39の雄ねじ部4
1を螺合・緊締する事ができる。但し、この場合には、
上記頭部40にスパナを確実に係合させるべくこの頭部
40の厚さ(軸方向長さ)を十分に大きくする必要があ
る。本例の場合には、この頭部40の外周面を円筒面と
すると共に、この頭部40の端面にドライバを係合させ
る為の係合溝43を形成している為、上記各ボルト39
の全長を小さくして、軽量化を図れる。その他の構成及
び作用に就いては、上述した第3例の場合と同様である
為、重複する説明は省略する。尚、本例の場合とは別
に、上記頭部40の中心部に、上記係合溝43に代えて
六角孔を形成し、この六角孔に六角レンチを係合させる
事もできる。更には、上記頭部40の端面に、プラス型
のドライバの先端部を係合自在な、十字形の係合溝を形
成する事もできる。要は、上記頭部40と工具とを係合
させて、上記ボルト39を緊締自在とすれば良い。 【0040】次に、図8〜9は、本発明の実施の形態の
第5例を示している。本例の場合には、ロータ2bの断
面形状をクランク形とすると共に、ハブ8の外周面に設
けた回転側フランジ13に上記ロータ2bの内周寄り部
分を、この回転側フランジ13の軸方向外側で支持して
いる。この為に、本例の場合には、この回転側フランジ
13に結合した5本のスタッド9bの基端寄り部分(図
8、9の右端寄り部分)の外周面に、セレーション部2
7を形成している。又、これら各スタッド9bの外周面
の先半部に雄ねじ部26を、同じくこの雄ねじ部26と
上記セレーション部27との間部分に円筒面部28を、
それぞれ形成している。 【0041】そして、上記ロータ2bの内周寄り部分を
構成する内径側円輪部45の円周方向5個所位置に設け
た通孔32に、フェノール樹脂等の熱伝導性が低い材料
から成る、円筒状の間座46を緩く挿通(隙間嵌めによ
り内嵌)している。又、上記回転側フランジ13の円周
方向5個所位置に設けた取付孔24に、上記各スタッド
9bのセレーション部27を圧入固定すると共に、これ
ら各スタッド9bの円筒面部28で、上記回転側フラン
ジ13の外側面から軸方向外側に突出した部分に、上記
間座46を締り嵌めにより外嵌している。 【0042】そして、上記各スタッド9bの先端寄り部
分を、アルミニウム合金製のホイール1aの円周方向5
個所位置に設けた通孔29に挿通した状態で、上記各ス
タッド9bの雄ねじ部26で上記ホイール1の外側面か
ら突出した部分にナット10を螺合し、更に緊締してい
る。上記各間座46は、上記ホイール1aの内側面と上
記回転側フランジ13の外側面との間で挟持している。
又、上記各間座46の軸方向長さは、上記ロータ2bの
厚さよりも僅かに大きくしている。この構成により、こ
のロータ2bは、上記回転側フランジ13に、軸方向に
関する僅かな変位を自在に支持される。又、上記ロータ
2bの外周寄り部分に設けた外径側円輪部47は、上記
回転側フランジ13よりも軸方向内側に配置して、この
外径側円輪部47と上記ホイール1aとの間に、ディス
クブレーキを構成するアウタパッドとキャリパの一部と
を設置自在としている。尚、本例の場合には、上記各ス
タッド9b及び各ナット10と、各間座46と、回転側
フランジ13と、ホイール1aとが、請求項に記載した
支持構造を構成している。 【0043】この様な本例の場合も、上述した各例の場
合と同様に、比較的外力に対して脆い、炭素−炭素複合
材製のロータ2bの一部に過大な応力が加わる事を防止
し、耐久性を十分に確保すると共に、ディスクブレーキ
が十分な制動力を発揮するまでの時間を短縮する事がで
き、しかも製造コストを低減できる。又、本例の場合に
は、ホイール1aをアルミニウム合金製としている為、
このホイール1aの内側面で、上記ロータ2bの内径側
円輪部45の軸方向の変位を規制する部分の形状精度を
確保する事を、上記ホイール1aを鋼板製とする場合よ
りも容易に行なえる。 【0044】更に、本例の場合には、上記ロータ2bの
外周寄り部分を上記回転側フランジ13よりも軸方向内
側に配置している為、この回転側フランジ13に上記ロ
ータ2bの内周寄り部分を、この回転側フランジ13の
軸方向外側で支持しているのにも拘らず、上記ロータ2
bの外周寄り部分と摺接するパッドを含むディスクブレ
ーキと、上記ホイール1aとが干渉するのを防止でき
る。その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜3
に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同
一符号を付して重複する説明は省略する。 【0045】次に、図10は、本発明の実施の形態の第
6例を示している。本例の場合には、上述した第5例の
構造で使用していた間座46(図8、9)を省略してい
る。その代わりに本例の場合には、ハブ8の外周面に設
けた回転側フランジ13の外側面で、各取付孔24の外
端開口周縁部に、軸方向外方に突出する円筒部48を固
設している。又、これら各円筒部48の先端面にホイー
ル1aの内側面を突き当てた状態で、上記回転側フラン
ジ13にこのホイール1aを、スタッド9b及びナット
10により結合している。そして、ロータ2bを構成す
る内径側円輪部45に設けた各通孔32の内側に上記各
円筒部48を緩く挿通(隙間嵌めにより内嵌)してい
る。これら各円筒部48の軸方向長さは、上記ロータ2
bの厚さよりも僅かに大きくしている。この結果、上記
ロータ2bの内周寄り部分は、上記回転側フランジ13
に、軸方向に関する僅かな変位を自在に支持される。
尚、本例の場合には、上記各スタッド9b及び各ナット
10と、回転側フランジ13と、ホイール1aとが、請
求項に記載した支持構造を構成している。 【0046】この様な本例の場合には、上述した第5例
の場合に比べて、間座32を省略できる分、部品点数及
び組立工数を削減して、製造コストを低減できる。その
他の構成及び作用に就いては、上述した第5例の場合と
同様である為、重複する説明は省略する。 【0047】次に、図11は、本発明の実施の形態の第
7例を示している。本例の場合には、前述の図8〜9に
示した第5例で使用していた間座46を省略している。
そして、ハブ8の外周面に設けた回転側フランジ13の
外側面に、アルミニウム合金製のホイール1aの内側面
を重ね合わせている。そして、この状態で、上記回転側
フランジ13にこのホイール1aを、スタッド9c及び
ナット10により結合している。このスタッド9cは、
基端部に鍔部25を、外周面の先半部に雄ねじ部26
を、同じく基端寄り部分で上記鍔部25と雄ねじ部26
との間部分にセレーション部27を、それぞれ形成して
いる。 【0048】又、上記回転側フランジ13の外周面の軸
方向内端部に外向鍔部49を、全周に亙り形成してい
る。更に、この回転側フランジ13の外周面で、上記外
向鍔部49から外れた軸方向中間部乃至軸方向外端部
に、雄セレーション部50を形成している。そして、フ
ェノール樹脂等の熱伝導性が比較的低い材料により、内
外両周面を単なる円筒面状に造った間座51に、上記雄
セレーション部50を圧入すると共に、ロータ2bを構
成する内径側円輪部45の内周面に設けた雌セレーショ
ン部52に、上記間座51を圧入している。この圧入作
業により、上記間座51の内外両周面が塑性変形して、
それぞれ上記雄セレーション部50及び雌セレーション
部52にセレーション係合する。又、上記間座51は、
上記外向鍔部49の外側面と上記ホイール1aの内側面
との間で軸方向に挟持している。更に、上記外向鍔部4
9の外側面と上記ホイール1aの内側面との間隔を、上
記ロータ2bの厚さよりも僅かに大きくしている。これ
らの構成により、上記ロータ2bを、上記間座51に対
し軸方向の僅かな変位を自在に支持している。この為、
このロータ2bは、上記回転側フランジ13に、軸方向
に関する僅かな変位を自在に支持される。又、上記ロー
タ2bは、上記回転側フランジ13及びホイール1aを
含む車輪と共に回転する。尚、本例の場合には、上記各
スタッド9c及びナット10と、間座51と、回転側フ
ランジ13と、ホイール1aとが、請求項に記載した支
持構造を構成している。その他の構成及び作用に就いて
は、前述の図8〜9に示した第5例の場合と同様である
為、重複する説明は省略する。尚、本例の構造で、上記
間座51の外周面及び上記ロータ2bの内周面を、ほぼ
同じ断面多角形状に形成すると共に、このロータ2bを
上記間座51に外嵌する事により、この間座51に対し
上記ロータ2bを軸方向に関する僅かな変位を自在に支
持する事もできる。 【0049】 【発明の効果】本発明の自動車用の車輪支持用軸受ユニ
ットは、以上に述べた通り構成され作用するので、ディ
スクブレーキの軽量化及び高性能化を図れ、しかも耐久
性を十分に確保できる構造を、安価に得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 【図2】図1のA部拡大断面図。 【図3】第1例で使用する第二間座を、図1〜2の側方
から見た状態で示す図。 【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 【図5】第2例で使用する第二間座を、図4の側方から
見た状態で示す図。 【図6】本発明の実施の形態の第3例を示す断面図。 【図7】同第4例を示す断面図。 【図8】同第5例を、ホイール及びナットを組み付けた
状態で示す部分断面図。 【図9】図8のB部拡大断面図。 【図10】本発明の実施の形態の第6例を示す、図9に
相当する図。 【図11】同第7例を示す、図9に相当する図。 【図12】本発明の対象となる自動車用の車輪支持用軸
受ユニットの組み付け状態の1例を示す断面図。 【符号の説明】 1、1a ホイール 2、2a、2b ロータ 3 ナックル 4 支持孔 5 車輪支持用軸受ユニット 6、6a 外輪 7 ボルト 8、8a ハブ 9、9a〜9c スタッド 10 ナット 11a、11b 外輪軌道 12 固定側フランジ 13 回転側フランジ 14a、14b 内輪軌道 15 小径段部 16、16a、16b 内輪 17 玉 18 保持器 19a、19b シールリング 20 スプライン孔 21 等速ジョイント 22 スプライン軸 23、23a 回転部材 24 取付孔 25 鍔部 26 雄ねじ部 27 セレーション部 28 円筒面部 29 通孔 30 第一間座 31、31a 第二間座 32 通孔 33 円筒部 34 円輪部 35 通孔 36 かしめ部 37 通孔 38 第二のスタッド 39 ボルト 40 頭部 41 雄ねじ部 42 円筒面部 43 係合溝 44 ねじ孔 45 内径側円輪部 46 間座 47 外径側円輪部 48 円筒部 49 外向鍔部 50 雄セレーション部 51 間座 52 雌セレーション部
フロントページの続き (72)発明者 坂本 潤是 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 山本 豊寿 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 渋谷 英志 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 Fターム(参考) 3J058 AA43 BA32 BA44 CB15 FA01

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 静止側軌道を有し、使用時にも回転しな
    い静止輪と、回転側軌道を有し、使用時に回転する回転
    部材と、この回転部材の外周面に設けられた回転側フラ
    ンジと、上記静止側軌道と回転側軌道との間に設けられ
    た複数個の転動体と、上記回転側フランジにこの回転側
    フランジに対する回転を阻止した状態で支持された、制
    動時に摩擦材を押し付けられる制動用摩擦面を有するロ
    ータとを備えた自動車用の車輪支持用軸受ユニットに於
    いて、 上記ロータが炭素−炭素複合材製であり、且つ、少なく
    とも上記回転側フランジに車輪を固定する為にこの回転
    側フランジに結合されたスタッドを含む支持構造によ
    り、この回転側フランジに上記ロータを、軸方向の変位
    を自在に支持した事を特徴とする自動車用の車輪支持用
    軸受ユニット。
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