JP2003130846A - 半導体薬液用微量金属連続測定装置および測定方法 - Google Patents
半導体薬液用微量金属連続測定装置および測定方法Info
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Abstract
pptオーダーで存在する多種類の微量金属を、同時迅
速高感度で且つ連続的に測定する方法、およびそれを可
能にする水銀電極式電気化学的分析装置を提供する。 【解決手段】 水銀滴を一方の電極とする電気化学的分
析装置において、測定セル内に他方の電極に対して下方
に配置した上部開放型水銀キャピラリーから水銀滴を上
向きに押し出してこれを水銀電極とすることを特徴とす
る水銀電極式電気化学的分析装置。上記装置を用いるカ
ソーディック・ストリッピング・ボルタンメトリーによ
る微量金属濃度の測定において、測定すべき複数の金属
種に応じた1種または2種以上の錯形成剤を用い、緩衝
剤、pH値および電極条件を統合して選ぶことにより1
回の電位掃引で存在する複数の金属の濃度を同時に測定
する複数種の金属の微量金属測定方法。
Description
は複数種で微量存在する金属を測定するための分析装置
および測定方法に関する。特に稼動中のラインの半導体
薬液中の微量金属の迅速高精度の測定方法に関する。
法が提案されている。しかし微量金属を精度よく測定す
るためには、コンタミネーションを防止したり、測定条
件を整備するなどのため、複雑な装置を必要とすること
に加えて、サンプリングを含めた前処理等、オープン系
で人手による処理を必要とする。しかし、半導体薬液中
に含まれる微量金属の測定等では、稼動中のラインにお
いて液を人手によりサンプリングすることは汚染防止、
測定時間間隔が長くなるという点から困難であり、通常
のラボ用分析機器では十分期待に応えられるものではな
かった。
が提案されている。特開昭56−61642号公報に
は、金属精練工程中の電解精製用薬液中の金属イオンの
連続測定装置が記載されている。この方法では銅、カド
ミニウムおよび亜鉛について迅速な測定が可能であるこ
とが記載されている。しかしその測定濃度範囲は0.1
〜100ppmまでしか実績が示されていない。特開昭
57−200845号公報には、複数の試料セルを周回
移動させる機構とボルタンメトリーを組み合わせた微量
金属の自動分析装置が記載されている。この方法におい
ては、試料溶液の入った複数のセルラインと溶出溶液の
入った複数にセルラインの間で試料中の微量金属が還元
付着した測定電極を試料溶液のセルから溶出溶液のセル
へ移動させる操作が含まれ、操作はオープン系で行われ
る。そのためその間に不純物の付着や混入の恐れが存在
する。なお、この公報には微量金属の量を1ppbの精
度まで測定できるかどうかについては全く記載されてい
ない。またポーラログラフにコンピューターによる解析
システムを組み込んだ各種ポーラログラフシステムが市
場に出現しているが、サンプルの導入や薬液注入はオー
プン系で人手により行われる。例えばヤナコ機器開発研
究所社製の微量重金属連続測定装置やコンピューターポ
ーラログラフシステムが例示できる。このような装置で
は測定限界濃度は水銀電極式で1ppb、回転電極式で
0.1ppbオーダーも可能であるが、測定後に毎回人
手による電極洗浄が必須である。
物の存在で製品にばらつきや不良品を生じ得る分野、例
えば半導体洗浄薬液では更に検出感度の高い装置および
分析方法が必要とされる。この大前提に加えて、稼動中
の変動を追跡し、異常時には直ちにフィードバックでき
るように連続且つ短時間に測定ができるものが必要とさ
れる。加えて不純物は通常複数種含有されるため多成分
の金属イオンを同時に測定できることが求められる。し
かし、上記の従来の装置や方法ではこれらの要求を同時
に満たすことはできなかった。
1ppb濃度以下、特に100pptオーダーで存在す
る多種類の微量金属を、同時に、迅速高感度で且つ連続
的に測定する方法、およびそれを可能にする水銀電極式
電気化学的分析装置を提供するものである。
の電極とする電気化学的分析装置において、測定セル内
に他方の電極に対して下方に配置した上部開放型水銀キ
ャピラリーから水銀滴を上向きに押し出してこれを水銀
電極とすることを特徴とする水銀電極式電気化学的分析
装置に関する。詳しくは、本発明は、水銀槽から途中に
水銀電磁弁を組み込んだ水銀供給細管を通して水銀を上
部開放型水銀キャピラリーに定量的に供給する水銀供給
ラインにおいて、1)水銀供給ラインと分析装置部との
接合部分が水銀槽液面より下方に設けられており、2)
水銀電磁弁が大オリフィス径且つ小ポンピング量を有
し、および3)水銀槽液面と上部開放型水銀キャピラリ
ーの上面とのヘッド差一定化機構を備えていることを特
徴とする上記水銀電極式電気化学的分析装置に関する。
更に詳しくは、本発明は、水銀槽液面と上部開放型水銀
キャピラリーの上面とのヘッド差一定化機構が、水銀槽
の水銀面が水銀槽に残存する水銀量に関係なく一定の水
準を維持するように水銀槽を支持するバネのバネ定数が
設定されている上記水銀電極式電気化学的分析装置に関
する。本発明は、特に、上記分析装置がストリッピング
・ボルタンメトリーである水銀電極式電気化学的分析装
置に関する。
ッピング・ボルタンメトリーを用いる微量金属濃度の測
定において、測定すべき複数の金属種に応じた1種また
は2種以上の錯形成剤を用い、緩衝剤、pH値および電
極条件を統合して選ぶことにより1回の電位掃引で存在
する複数の金属の濃度を同時に測定する複数種の金属の
微量金属測定方法に関する。特に、本発明は、カソーデ
ィック・ストリッピング・ボルタンメトリーを上記スト
リッピング・ボルタンメトリー分析装置を用いて行う上
記の半導体薬液中の微量金属測定方法に関する。
つつこの系に超音波を印加するか、被検液を白金粒を充
填したカラムに通すか、または被検液に150〜250
nmの波長の紫外線を含む光を照射する照射するか、の
被検液中に存在する過酸化水素を分解除去する少なくと
もひつとの工程を前処理として含む上記いずれかに記載
の微量金属測定方法に関する。更にまた、本発明は、被
検液中に錯形成剤またはその金属錯体を添加して、被検
液に挿し込んだ電極間に電圧を印加掃引したときに生じ
る電流が最大をとる時の電圧であるピーク電位を測定す
ることにより被検液のpHを測定し、その結果を基に被
検液のpHを所定値に調整する工程を前処理として含む
上記いずれかに記載の微量金属測定方法に関する。
析装置の特徴は、金属イオンの分析等に使用される従来
の水銀電極式電気化学的分析装置において、1)下方に
配置した上部開放型水銀供給キャピラリーから水銀滴を
上向きに押し出してこれを水銀電極とすること、それに
よって水銀滴表面積を大きくすることが可能になり感度
電流を大幅に向上することができるようになったこと、
2)水銀供給系の接合部分を水銀槽液面より下方に設け
たことにより水銀連続供給においても気泡の混入が防止
できること、3)大オリフィス径を有し且つポンピング
量の少ない電磁弁の採用していることと、水銀槽液面と
上部開放型水銀キャピラリーの上面とのヘッド差を一定
にする機構を備えていること、によって安定した大粒径
の水銀液滴を形成できたこと、をもって測定の感度を大
幅に向上できたところにある。
たっては、1)密閉空間内で測定することによりコンタ
ミネーションを防止し、2)耐薬品性に優れたPTFE
(テフロン(登録商標))製セルを使用すること、3)
被検液注入を自動化すること、を取り入れることによっ
て連続化、自動化するとともに更に測定感度と精度を向
上できる。また自動測定化によって、測定時間サイクル
がコンピューターによって正確に管理されるため、これ
まで分極等により電位の時間依存性があって使用できな
かった白金参照電極が使用できるようになり、メンテナ
ンス性が向上される。
装置を用いる本発明の微量金属測定法は次の特徴を有す
る:1)水銀電極式電気化学的分析装置としてストリッ
ピング・ボルタンメトリー分析装置を使用してカソーデ
ィック・ストリッピング・ボルタンメトリーを行うに当
たって、測定すべき複数の金属種に応じた1種または2
種以上の特定の錯形成剤を用い、緩衝剤、pH値および
電極条件を統合して選ぶことにより1回の電位掃引で存
在する複数の金属の濃度を同時に測定することができる
こと、2)被検液を触媒と接触させつつこの系に超音波
を印加するか、被検液を白金粒を充填したカラムに通す
か、または被検液に150〜250nmの波長の紫外線
を含む光を照射するか、の被検液中に存在する過酸化水
素を分解除去する少なくともひつとの工程を前処理とし
て組み込むことにより測定の妨害因子である過酸化水素
を分解除去できること、および3)被検液中に錯形成剤
またはその金属錯体を添加して、被検液に挿し込んだ電
極間に電圧を印加掃引したときに生じる電流が最大をと
る時の電圧であるピーク電位を測定することにより被検
液のpHを測定し、その結果を基に被検液のpHを所定
値に調整する工程を前処理として組み込むことによりp
Hによる感度のばらつきの発生を防止し再現性の向上が
図れる。
は、図1に示すように、測定部31、水銀供給部32お
よび水銀供給ライン3からなる。水銀供給部32の主要
部は水銀槽7および水銀槽を支えるスプリング8を含
み、スプリング8のバネ定数を選ぶことにより水銀槽中
の残留水銀量が変動した場合にも水銀の液面が一定の高
さを保持できるようになっている。また水銀槽7の液面
は測定セル4内の水銀キャピラリー5の液面より上にな
るように配置されている。このため水銀槽と、高さが固
定されている測定部1の水銀キャピラリー5の上部先端
6との間のヘッド差が常に一定に保たれるようになって
いて、水銀キャピラリー先端6からの水銀滴の吐出を促
す圧力が一定に保たれる。
にはガイド12が取り付けられており、スライドブッシ
ュ11が取り付けられた固定ベース13に対して上下方
向に可動となっている。ガイド12はスライドブッシュ
11内部に嵌合されており、摩擦が小さいため水銀槽お
よび内部に貯留されている水銀の重量はスプリング8に
よって支持されている。水銀槽7の内部は一定断面積S
(cm2)で、水銀の密度をρ(g/cm3)、重力加
速度をg(cm/sec2)とすれば、スプリング8の
バネ定数k(dyn/cm)をk=Sρgに選ぶことに
より、水銀槽7内部の水銀が消費された時、水銀槽全体
がスプリング8によって丁度重量減少量分だけ押し上げ
られ、結果として水銀槽内の水銀液面は一定に保持され
る。
て水銀キャピラリー5へ配送される。水銀供給ライン3
の途中には水銀を断続的に一定量づつ送液するための水
銀電磁弁10が取り付けられている。この水銀電磁弁は
大オリフィス径を有しており且つポンピング量の小さい
ポンピング機構を有している。オリフィス径が大きいこ
ととポンピング量が小さいため、水銀が表面張力によっ
て途切れることなく、再現性よく供給できるという効果
が得られる。このような電磁弁としては、例えばロッカ
ーバルブが例示できる。
定の脈動速度で一定量の水銀が測定セル4内に取り付け
られた水銀キャピラリー5に送られる。キャピラリーは
上端が開放されており、水銀はこのキャピラリー先端部
6から上方へ押し出され、一定の大きさの水銀滴となっ
て水銀電極式電気化学的分析装置の一方の電極を形成す
る。
合部は、水銀槽下部継手14、水銀電磁弁入口継手1
5、水銀電磁弁出口継手16、セル下部継手17であ
る。通常時は水銀電磁弁10は閉じているから水銀槽下
部継手14、水銀電磁弁入口継手15には水銀槽内部の
水銀液面レベルから、水銀電磁弁出口継手16、セル下
部継手17には水銀キャピラリー5内部の水銀液面レベ
ルから、それぞれの継手位置までの落差に相当する水銀
圧によって正の内圧がかかる。また水銀供給時は水銀電
磁弁10が開いており、水銀槽内部の水銀液面レベルか
らそれぞれの継手位置までの落差に相当する水銀圧か
ら、それぞれの継手位置までの圧損を減じた分に相当す
る水銀圧によってやはり正の内圧がかかる。この内圧の
作用によって接合部からの空気の侵入を効果的に防止す
ることができる。
キャピラリー5の先端部6に形成される水銀滴の大きさ
は直径0.5〜3mmの範囲であることが好ましく、1
〜2mmがより好ましい。水銀キャピラリー5の内径は
その先端に形成される水銀滴の大きさが上記の範囲にな
るように選ばれればよく、例えば内径は0.3〜1.5m
m、より好ましくは0.5〜1mmである。キャピラリ
ー5の先端部の形状は、水銀滴が機械的振動によって不
安定になることがなく、かつ電解液との接触面積が大き
いように平坦であることが好ましい。また水銀槽7内の
水銀面とキャピラリーの先端部6とのヘッド差は30〜
70mmHgが好ましく、40〜60mmHgがより好
ましい。測定セルの容量は、通常の水銀電極式電気化学
的分析装置と同等のものでよく、特別の容量を要求する
ものではない。
供給ライン3は、水銀柱が途切れることなく、ヘッド差
による一定の圧が十分伝達されるように、内部は十分滑
らかで、その内径は0.5〜2mmが好ましく、0.8〜
1.5mmがより好ましい。水銀供給ライン3の途中に
組み込まれる水銀電磁弁10は、ポンピングストローク
を小さくして脈動を小さくするためにオリフィス径の大
きいものを使用するとともにポンピング量の少ないもの
が好ましい。オリフィス径は1〜3mmが好ましく、
1.5〜2mmがより好ましい。ポンピング量は0〜0.
001mlが好ましく、0〜0.0005mlがより好
ましい。また水銀電磁弁は水銀供給ラインが水平位置に
あるところに取り付けられる。
グ器具・空気中の塵埃によるコンタミネーションを避
け、逆にクリーンルーム内環境への薬液・薬ガスの漏洩
を防止するため、サンプル液の採取・分析・洗浄はすべ
て自動かつ気密系中で連続運転で行うことが好ましい。
系を気密系にするために、サンプル液はポンプで自動的
に採取し、分析に必要な薬液の注入も密閉容器内にポン
プで注入する。液の移送には、容器の気密性を利用し
て、容器上部よりの高純度窒素パージで圧送する。分析
に必要な薬液類の投入量を低減するために分析セルの容
積を低減するとともに小型定量ポンプを使用して注入精
度を高める。また、従来の水銀を用いる電気化学分析装
置では最大のメンテナンス項目であった水銀流路内にエ
アが混入する事による水銀の途切れを防止するため、前
述したように水銀流路の接合部を液面より下方に設け、
流路の最低断面積を大きく取りつつも定量的に安定性良
く水銀を連続供給できる機構を採用し、メンテナンス頻
度を低減できる。また操作を連続的自動的に行うために
プログラムを組んでコンピューターにより各段階での操
作時間・温度を制御し、測定条件の均一化を測ってい
る。
トリッピング・ボルタンメトリーを用いて被検液中の微
量金属の測定を行うが、測定に当たっては測定すべき複
数の金属種に応じて、1種または2種以上の錯形成剤を
用い、且つ緩衝剤、pH値および電極条件が統合して選
ばれ、それによって1回の電位掃引で存在する複数の微
量金属の濃度を同時に測定することができる。本発明の
測定法で使用する錯形成剤としては、コニフェロン、オ
キシン、ニオキシム、ニトロソジメチルアミノフェノー
ル塩酸塩、アリザリンブルーブラック、ジヒドロキシナ
フタレンの中から1種を単独で、または2種以上を併用
して使用する。これらの錯形成剤は測定対象とする金属
の種類によって特定に選ぶ必要がある。例えば、測定対
象である金属がニッケルである場合にはニオキシム、銅
である場合はオキシン、また測定対象である金属がニッ
ケルと鉄を含む場合にはニオキシムとコニフェロンを併
用して使用する。また緩衝剤、pHおよび電極電位走査
条件は、測定金属の種類および予想される濃度にならび
に錯形成剤の種類に応じて統合的に選ばれ、例えばフッ
酸中の500pptの銅を分析する場合には、緩衝剤と
して酢酸アンモニウム、pHを7.0、および電極電位
走査条件として、速度20mV/sec、パルス電位5
0mV、パルス幅500msecを用いる。
性がある場合には、過酸化水素を分解する前処理工程を
組み込むことが好ましい。過酸化水素を分解しておくこ
とによって過酸化水素による分析の妨害をなくすことが
できる。このための前処理方法としては、本発明者らが
開示している特願2000−91094号に記載の方法
を使用することができる。すなわち、被検液を触媒と接
触させつつこの系に超音波を印加するか、被検液を白金
粒を充填したカラムに通すか、または被検液に150〜
250nmの波長の紫外線を含む光を照射する方法を利
用することができる。
に一定にすることにより、測定のばらつきを防ぎ、より
再現性の高い測定が可能となる。このための前処理とし
て本発明者らが開示している特願2000−27802
4号に記載の方法を使用して被検液のpHを迅速に測定
し、それを基に被検液のpHを所定値に調整することが
できる。特願2000−278024号に記載の方法で
は、被検液中に錯形成剤またはその金属錯体を添加し
て、被検液に挿し込んだ電極間に電圧を印加掃引したと
きに生じる電流が最大をとる時の電圧であるピーク電位
を測定することにより被検液のpHを測定することがで
きる。
液中に存在する微量金属の測定方法を手順を追って説明
する。測定対象試料として、例えば、半導体製造工程に
おける洗浄液を採取する。試料溶液の採取に当たっての
コンタミネーションを避けるために、半導体製造工程の
試料採取可能部分から試料をポンプで自動採取する。採
取された試料は、アルカリ液により所定のpHに調整
し、更に必要な錯形成剤をポンプで、やはり自動的に測
定セルに送液する。pH調整に先だって、必要なら上記
のように測定セルに送液する前に過酸化水素分解工程を
行わせるために自動的に分解ユニットを通過させる。ま
た、必要ならセル内でpH測定の後希アルカリ液を注入
して精密なpH調整を行わせる。測定セル内の試料の温
度を20〜40℃の一定温度に保持した状態で測定を開
始する。以上の特徴を備えた本発明の測定装置と測定法
により測定精度100pptのオーダーの微量金属の濃
度測定が可能である。本発明による微量金属の測定デー
タの例を図3および図4に示した。図3は鉄とニッケル
が共存する系での同時測定、図4は銅と亜鉛が共存する
系での同時測定の結果を示すチャートである。
手順および方法の1例を更に具体的に説明する。 (1)被検液の採取 サンプリング計量管30上方の3方弁SV−E1を排気
側、計量管下方の3方弁SV−E2をサンプリング側に
向け、ダイヤフラムポンプP1を作動させると装置外部
よりサンプル薬液が計量管に注入される。計量管が満杯
になるまでポンプP1を動作しつづけたのち、ポンプの
作動を停止する。次に計量管上方の3方弁SV−E1を
加圧側、計量管下方の3方弁SV−E2を注入側に開
け、前処理槽23の排気弁を開けるとサンプリングした
薬液が前処理槽に注入される。ポンプP1によって上方
の3方弁SV−E1を越えて送り込まれたサンプル液は
自動的にドレン排出される。
動させると薬液A槽24から前処理槽23に薬液Aが注
入される。ダイヤフラムポンプP2は接液部がPTFE
の定量ポンプであって、作動ストローク数と注入量が比
例関係にあるので、前処理で注入されたサンプル液の濃
度・量に計算上見合った量を正確に、しかも汚染無く注
入することができる。薬液Aは酸であり、これを注入す
ることによってサンプル液のpHを1〜2の範囲として
過酸化水素工程分解中の金属イオンの水酸化物化を阻止
することができる。
V-F1およびSV-L3はカラム供給側に向けて、分解
用カラム22上方の3方弁SV-L2を排気側、前処理
槽の3方弁SV-F5を開けると分解カラム22の上方
より酸性のサンプル薬液が注入され、内部に充填されて
いる白金粒と接触して過酸化水素の分解が始まる。過酸
化水素の分解が終わるまでの一定時間が経過したのち、
カラムのバブリング弁SV-L1を開けて窒素をカラム
下方から注入すると、サンプル液中の残存酸素が追い出
される。カラム上方の3方弁SV-L2を加圧側、カラ
ム下方の3方弁SV-L4をセル送液側、測定セル4下
の3方弁SV-G1をセル送液側に向け、測定セルの排
気弁SV-G4を開けるとカラム内の過酸化水素分解後
のサンプル液は測定セル4に移送される。
する。これには測定セル上方の3方弁SV-G4を排気
側に開け、ダイヤフラムポンプP3およびP4を作動さ
せると薬液B槽25および薬液C槽26から測定セル4
に薬液BおよびCが注入される。P3およびP4ポンプ
も定量ポンプであって、作動ストローク値と注入量が比
例関係にあり、ストローク値を加減することによってサ
ンプル液の濃度および量に計算上見合った量を正確に注
入することができる。 (4)測定 次に、測定セル4の撹拌モーター6を回転してセル内の
液を混合撹拌する。この工程で適度のpHに調整された
セル内の液中に含有される金属イオンは錯形成を受け
る。この状態で、水銀電磁弁10(SV-H1)を数回開
閉し、一定量の水銀を測定セル下方より内部に向かって
取り付けられた水銀キャピラリー5を通じてセル4内に
導入する。導入された水銀はキャピラリー先端6で水銀
滴を形成し、水銀電極WEとして作用する。次に水銀電
極WE、対極CE間に電解電位を印加し、水銀電極表面
に錯化した金属イオンを電解濃縮させる。攪拌モーター
9を止め、静置時間の後参照電極1の電位を走査して水
銀キャピラリー先端6上に形成される水銀電極‐対極2
間に流れる拡散電流を測定する。この時、参照電極1の
電位走査にはパルス電圧を重畳して微分パルスボルタン
メトリー法で測定を行う。拡散電流はアナログアンプで
増幅して電圧出力を取りだし、A/Dコンバータを介し
てマイコンでサンプリングし、値をメモリーに保存す
る。
弁SV−G3を開け、セル内の液を排出し、その後SV
−G7、SV−G3を閉じる。次にセルの排気弁SV−
G4、給水弁SV−G6を開け、セル内に純水を導入す
ると同時にキャピラリー先端6の水銀滴を水流で落と
す。SV−G4、SV−G6を閉じ、再びSV−G7、
SV−G3を開け、セル内の液を排出後SV−G7、S
V−G3を閉じることでセルの洗浄が完了し、初期状態
に戻る。セルよりSV−G7、SV−G3を介してドレ
ンされた液は水銀トラップ18を介して水銀フィルター
カートリッジ19に流入する。水銀トラップ通過時、比
重の大きい水銀は水銀トラップ内下方の水銀だめに落下
して水銀フィルターカートリッジまでは流出しない。水
銀トラップの水銀だめレベルは外部より上限近接センサ
ーで監視されており、レベルが高くなるとSV−K1が
開いて水銀回収槽21に落下する。水銀が落下して水銀
液面レベルが下がり、下限近接センサーがOFFするレ
ベルに達するとSV−K1が閉じて水銀の排出を停止す
る。また、水銀フィルターへの液ドレン時にはSV−J
1が開いてフィルターカートリッジ内の内圧上昇を防止
し、適正な流出速度で廃液がカートリッジ内を通過する
ことで溶存していた水銀イオンを内部に充填されたイオ
ン交換樹脂にて吸着除去する。
つ具体的に説明する実施例 1 アンモニア性過酸化水素(SC1)中の鉄・ニッケル分
析を行う構成について説明する。サンプルとして例えば
1:5:20(体積比)のSC1を測定する場合、サン
プリング量としては前述の「被検液の採取と前処理」の
項で述べた計量管の体積が5mlであるから、この中に
含まれるアンモニアの量としては1.2wt%、0.7
06Mであり、20wt%硫酸で中和するとすれば4.
08Nであるからサンプル5mlに対し1mlを注入す
るとPH2程度の酸性とできる。次にこの酸性混合液を
カラムに送り、約1分待って過酸化水素の大半を分解し
た後、約5分かけてゆっくりとセルに移送する事により
カラム内の白金層と接触して残りの過酸化水素も数pp
m以下まで分解される。液性を中性に戻すためセルに2
wt%、1.18Mアンモニア水を0.48ml注入す
る。また、バッファー剤として50wt%酢酸アンモニ
ウム液0.5mlを注入する。錯形成剤として0.01
Mのコニフェロン+ニオキシム液を0.2ml注入す
る。この後、3μlの水銀滴を電極として発生させ、3
分電解してDPV法で測定する事により鉄・ニッケルと
も400nA/ppbのピークが得られる。
する。サンプルとして例えば1:100(体積比)のD
HFを測定する場合、サンプリング量としては前述の
「被検液の採取と前処理」の項で述べた計量管の体積が
5mlであるから、この中に含まれるフッ酸の量として
は0.57wt%、0.285Mであり、14wt%四
ホウ酸カリで中和するとすれば4.08Nであるからサ
ンプル5mlに対し0.87mlを注入するとフッ素イ
オンを除去できる。次にこのサンプル液をセルに送り、
液性を中性に戻すためセルに10wt%、5.88Mア
ンモニア水を0.57ml注入する。また、バッファー
剤として50wt%酢酸アンモニウム液0.5mlを注
入する。錯形成剤として0.01Mのオキシン液を0.
2ml注入する。この後、3μlの水銀滴を電極として
発生させ、3分電解してDPV法で測定する事により1
50nA/ppbのピークが得られる。
り、複数の微量金属を含有する薬液中の金属濃度を複数
金属を同時に短時間に且つ精度高く、100pptオー
ダーの濃度まで測定することができる。そのため本発明
は、例えば半導体洗浄液のように微量の金属の混入をイ
ンラインで迅速に監視する必要のあるところに連続モニ
ターとして有効に使用できる。
データの1例(ボルタンメトリーチャート:鉄−ニッケ
ル同時測定)。
データの他の1例(ボルタンメトリーチャート:銅−亜
鉛同時測定)。
Claims (10)
- 【請求項1】 水銀滴を一方の電極とする電気化学的分
析装置において、測定セル内に他方の電極に対して下方
に配置した上部開放型水銀キャピラリーから水銀滴を上
向きに押し出してこれを水銀電極とすることを特徴とす
る水銀電極式電気化学的分析装置。 - 【請求項2】 水銀槽から途中に水銀電磁弁を組み込ん
だ水銀供給細管を通して水銀を上部開放型水銀キャピラ
リーに定量的に供給する水銀供給ラインにおいて、1)
水銀供給ラインと分析装置部との接合部分が水銀槽液面
より下方に設けられており、2)水銀電磁弁が大オリフ
ィス径且つ小ポンピング量を有し、および3)水銀槽液
面と上部開放型水銀キャピラリーの上面とのヘッド差一
定化機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載
の水銀電極式電気化学的分析装置。 - 【請求項3】 水銀槽液面と上部開放型水銀キャピラリ
ーの上面とのヘッド差一定化機構が、水銀槽の水銀面が
水銀槽に残存する水銀量に関係なく一定の水準を維持す
るように水銀槽を支持するスプリングのバネ定数が設定
されている請求項2に記載の水銀電極式電気化学的分析
装置。 - 【請求項4】 サンプル液の採取・分析・洗浄をすべて
自動かつ気密系中で連続運転が可能な請求項1、2また
は3に記載の水銀電極式電気化学的分析装置。 - 【請求項5】 ストリッピング・ボルタンメトリー分析
装置である請求項1、2、3または4に記載の水銀電極
式電気化学的分析装置。 - 【請求項6】 カソーディック・ストリッピング・ボル
タンメトリーを用いる微量金属濃度の測定において、測
定すべき複数の金属種に応じた1種または2種以上の錯
形成剤を用い、緩衝剤、pH値および電極条件を統合し
て選ぶことにより1回の電位掃引で存在する複数の金属
の濃度を同時に測定する複数種の金属の微量金属測定方
法。 - 【請求項7】 カソーディック・ストリッピング・ボル
タンメトリーを請求項5に記載のストリッピング・ボル
タンメトリー分析装置を用いて行う請求項6に記載の半
導体薬液中の微量金属測定方法。 - 【請求項8】 カソーディック・ストリッピング工程で
使用する錯形成剤がコニフェロン、オキシン、ニオキシ
ム、ニトロソジメチルアミノフェノール塩酸塩、アリザ
リンブルーブラック、ジヒドロキシナフタレンから選ば
れる1種または2種以上の併用である請求項6または7
に記載の微量金属測定方法。 - 【請求項9】 被検液を触媒と接触させつつこの系に超
音波を印加するか、被検液を白金粒を充填したカラムに
通すか、または被検液に150〜250nmの波長の紫
外線を含む光を照射するか、の被検液中に存在する過酸
化水素を分解除去する少なくともひつとの工程を前処理
として含む請求項6〜8のいずれかに記載の微量金属測
定方法。 - 【請求項10】 被検液中に錯形成剤またはその金属錯
体を添加して、被検液に挿し込んだ電極間に電圧を印加
掃引したときに生じる電流が最大をとる時の電圧である
ピーク電位を測定することにより被検液のpHを測定
し、その結果を基に被検液のpHを所定値に調整する工
程を前処理として含む請求項6〜9のいずれかに記載の
微量金属測定方法。
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