JP3261288B2 - Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 - Google Patents
Icp分析に用いる試料の溶解供給装置Info
- Publication number
- JP3261288B2 JP3261288B2 JP25685895A JP25685895A JP3261288B2 JP 3261288 B2 JP3261288 B2 JP 3261288B2 JP 25685895 A JP25685895 A JP 25685895A JP 25685895 A JP25685895 A JP 25685895A JP 3261288 B2 JP3261288 B2 JP 3261288B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- solution
- sample
- electrolysis
- gas
- icp analysis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
Description
プラズマ発光分析(Inductively coup
led plasma atomic emissio
n spectrometry:以下、ICP分析とい
う)によって試料中の元素を分析する場合に用いられる
試料の溶解供給装置に関する。
気分解によって得る場合、試料と陰極との間に定電流の
直流電圧を印加する、いわゆる定電流法が採用されてい
る。これは、この定電流電解法によれば、試料間の主成
分の濃度を一定化(マトリックスマッチング)が良好に
行えるからである。
電流法によって、主成分であるFeを含む金属試料の電
気分解を行う場合、その試料中にTi、Nbの炭化物や
窒化物などのように難溶解性成分が含まれていると次の
ような不都合があった。
・硝酸水溶液を電解酸液として用い、定電流法によって
電気分解する場合における電解電圧の変化(AgCl比
較電極電位に対する大きさで表されている)並びにFe
とTiのイオン濃度の時間的変化を示したもので、Fe
は曲線Aで示すように、かなり順調に溶解するが、Ti
は曲線Bで示すように、かなりの時間が経過しても溶解
しない。
電解電圧が急激に上昇し、それまでに順調に溶解してい
たFeの溶解量が減り、Tiの溶解量が急激に増える
が、金属試料の電気分解・溶解が止まってしまう。
塩酸・硝酸水溶液を電解酸液として用いて従来の定電流
法によって電気分解する手法では、Feの不動態化が生
じ、Tiなどの難溶解性成分を迅速に電気分解できない
ことがあった。
て定電流法で電気分解することが考えられるが、この場
合、電解電位の急激な上昇がないものの、Tiなどの難
溶解性成分を電気分解することができない。また、難溶
解性成分のみを別途溶解処理することが考えられるが、
この場合、ICP分析の前処理が煩わしく、したがっ
て、それだけICP分析に多くの時間がかかる。
たもので、その目的は、金属試料中に含まれる易溶解性
成分から難溶解性成分までの広い範囲の成分を迅速かつ
安定に電気分解できる試料の溶解供給装置を提供するこ
とである。
め、この発明では、試料を電解酸液を用いて電気分解
し、これによって発生したガスと溶液とを気液分離管に
よって分離して、この分離された溶液を試料溶液として
ICP分析計に送るようにしたICP分析に用いる試料
の溶解供給装置において、前記電気分解を行う際、電解
酸液として塩酸・硝酸水溶液を用い、試料と電解酸液と
の間に、0.8V〜2.8Vの範囲の定電圧を印加して
定電位電解するとともに、前記気液分離管の後段に、前
記電気分解によって得られた溶液を一旦貯留する溶液貯
留部を設けている。
照しながら説明する。
料の溶解供給装置(以下、単に試料の溶解供給装置とい
う)の一構成例を概略的に示すもので、この図1におい
て、1は金属試料2を電気分解するためのセルで、試料
抑え部材3によって抑えられた金属試料2と、この金属
試料2と適宜の隙間を有するようにして電極4が対向配
置されている。前記試料抑え部材3の先端側の金属試料
2を押圧する部分3aは電極に形成され、この電極3a
および前記電極4は、仮想線5,6で示すように、電気
分解用の直流電源7の正極端子7Pと負極端子7Nにそ
れぞれ接続されている。すなわち、金属試料2が正極
に、電極4が負極になるように構成されている。このよ
うに構成されたセル1においては、後述する電解酸液A
(またはB)が供給されることにより、電気分解が行わ
れ、ガスGと電解後の溶液Lとが発生する。
流側に接続される2つの流路で、まず、上流側の第1流
路8の端部には、電解酸液A,Bをそれぞれ収容した2
つのタンク10,11が第1バルブ12を介して接続さ
れ、この第1バルブ12の下流側(セル1に近い側)に
は隔液器13を介して第1ポンプ14が介装されてい
る。前記電解酸液A,Bは、塩酸・硝酸水溶液であり、
濃度が互いに異なっている。
の下流側に、第2、第3のバルブ15,16が互いに直
列な状態で介装され、第2バルブ15には、第2ポンプ
17と洗浄水Wを収容したタンク18とを直列に接続し
た洗浄水供給路19が接続され、第3バルブ16にはド
レンポット20を備えた第1ドレン流路21が接続され
ている。なお、22,23は隔液器13にそれぞれ接続
される内部液容器、電極容器であり、この電極容器23
には、仮想線24で示すように、直流電源7の端子7C
に接続された参照電極25が設けられている。
26が設けられ、このフィルタ26の下流側には、気液
分離管27が設けられている。そして、この気液分離管
27の上流側の入口には、セル1からのガスGと電解後
の溶液Lの混合流体Fが流れる第2流路9と、一端が洗
浄水供給路19の第2ポンプ17の下流側と接続され、
第4バルブ28を途中に有する洗浄水供給路29とが接
続されている。また、気液分離管27の下流側の出口に
は、第5バルブ30を備えた流路31が接続されてい
る。さらに、気液分離管27のドレン排出部32は、ド
レンポット20に接続されたドレン流路33に流路34
を介して接続されている。
Fは、これを通過することにより、溶液Lとドレンとに
分離され、溶液Lは流路31を経て溶液貯留部35に供
給され、ドレンはドレン排出部32からドレン流路33
に至り、ドレンポット20に収容される。
具体的には、気液分離管27の下流側の出口に連なる流
路31の下流側に接続される溶液貯留部で、この溶液貯
留部において溶液が少し淀む部分に、ICP分析計36
のネブライザの吸引管37が挿入接続されている。そし
て、溶液貯留部35の下流側の出口は、例えば二方電磁
弁よりなる第6バルブ38を介して前記ドレン流路33
に接続されている。また、溶液貯留部35の前記流路3
1の端部より下方位置で、前記吸引管37の挿入端部よ
り上方位置には、ドレン排出部39が開設され、この排
出部39の下流側はドレン流路33に接続されている。
部35は、耐酸性および耐熱性に優れた材料〔例えばパ
イレックス(商標名)ガラス〕よりなり、内容量は1〜
20mlである。また、第1〜第3のバルブ12,1
5,16は例えば三方電磁弁よりなり、第4〜第6のバ
ルブ28,30,38は例えば二方電磁弁よりなる。そ
して、特に、第5、第6の電磁弁30,38はその弁部
が耐酸性が優れたフッ素樹脂で構成されている。また、
前記ポンプ14,17のオンオフやこれらの電磁弁1
2,15,16,28,30,38バルブの開閉などの
制御は、図示してない制御部によって適宜シーケンス制
御される。
いて説明する。 まず、セル1方向に洗浄水W、電解
酸液A(またはB)を流して、流路8,9や試料2の表
面(セル1に臨む部分)の洗浄を行う。このとき、第5
バルブ30は開いており、第6バルブ38は閉じてい
る。これにより、溶液貯留部35にはドレン排出部39
の高さまで、通常、1〜15ml程液の前洗浄液Wが溜
まり、この前洗浄液Wは吸引管37を介してICP分析
計36に供給される。
〜10ml/min程度定流量で流し、電解用電源7が
投入される。この電解用電源7は定電圧/定電流となっ
ており、事前の実験で決定される。電解後の流体Fが気
液分離管27に到達するタイミングで、第5バルブ30
が閉じられる。前記流体Fのうち、溶液LはガスGと分
離され、気液分離管27内に溜められる。この間、IC
P分析計36は、溶液貯留部35の前洗浄液Wを吸引し
ている。
まると、第6バルブ38を開いて前洗浄液Wをドレンと
して排出する。
もに、第5バルブ30を開いて、気液分離管27に溜ま
った溶液Lを溶液貯留部35に移送する。溶液Lは、溶
液貯留部35に蓄えられることにより、そのイオン濃度
が平均化される。
ブライザの吸引管37によって吸引され、ICP分析計
36に試料溶液として送られ、所定のICP分析が行わ
れる。
1方向に洗浄水W、電解酸液A(またはB)を流して、
流路8,9や試料2の表面の洗浄を行うとともに、この
ときの洗浄液Wを気液分離管27に溜める。このように
することにより、前記ICP分析中に、セル1方向から
洗浄液Wが気液分離管27に流れ込んできても、これが
溶液貯留部35に流れ込んで、濃度の平均化された溶液
Lと混じることが防止される。そして、前記ICP分析
が完了すると、第6バルブ38を開いて、溶液貯留部3
5内に残留する溶液Lを排出する。
とともに、第5バルブ30を開き、洗浄水Wを溶液貯留
部35に導入し、次の測定に待機する。
り外した後は、洗浄水Wが洗浄水供給路19、第2ポン
プ17、洗浄水供給路29、第4バルブ29を介して気
液分離管27に供給される。
料の溶解供給装置によれば、イオン濃度が時間的に変化
している電気分解後の溶液Lを、気液分離管27の後段
に設けた溶液貯留部35において一旦貯留するようにし
ているので、イオン濃度が平均化された溶液が得られ
る。
流電解法において生じていた電解電位の上昇を避けるた
め、電解酸液として塩酸・硝酸水溶液(塩酸、硝酸、水
の混合割合が体積比で例えば1:1:2)を用いるとと
もに、定電位電解法を採用し、鋼(Fe)中に含まれる
Tiの量が既知である6つの試料a〜fを用い、試料2
と陰極4との間に印加する電解電圧を種々(0.5V,
0.8V,2.8V,3.0V)変化させて、電解後の
溶液Lを分析・測定したところ、下記表1に示すような
結果が得られた。
料a〜fにおいて( )内の数字は、Fe中に含まれる
Tiの量(%)で、予め判っている。電解電圧を0.5
V、0.8V、2.8V、3.0Vにそれぞれ変化させ
たときに得られた数値は、電解後の溶液Lを、前記図1
に示した装置を用いてICP分析した際得られた結果
で、具体的には、電解後の溶液Lにおける〔(LTi/L
Fe)×100〕(%)を示している。
8Vである場合、試料a〜fのいずれにおいても正常な
Ti(%)が得られることが判る。
の、試料dを0.8Vの定電位で電気分解したときの電
位と電流の時間的変化を示すもので、時間が経過しても
電流値がほとんど変化せず、安定な状態で電気分解でき
ることが判る。
解酸液として用い、定電位電解法によって、0.8〜
2.8V(対AgCl比較電極電位)の範囲における一
定の電解電圧を試料2と電解酸液との間に印加すること
により、易溶解性成分から難溶解性成分までを、同一の
電解後の溶液Lを用いてICP分析することができ、難
溶解性成分のみを別途溶解処理する必要がなくなる。
溶解供給装置によれば、試料中に含まれる易溶解性成分
は勿論のこと、難溶解性成分を容易に安定して溶解させ
ることができ、特に、試料が鉄鋼である場合、Feの不
動態化を起こすことなく、Tiなど難溶解性成分を容易
に溶解することができる。
置によれば、易溶解性成分から難溶解性成分までを、同
一の電解後の溶液を用いてICP分析することができ、
難溶解性成分のみを別途溶解処理する必要がないので、
ICP分析を容易にしかも短時間で行わせることができ
る。
おいては、気液分離管の後段に、電気分解によって得ら
れた溶液を一旦貯留する溶液貯留部を設けているので、
イオン濃度が時間的に変化している電気分解後の溶液の
イオン濃度を平均化することができ、このイオン濃度が
平均化された溶液をICP分析計に試料溶液として供給
することにより、所定のICP分析を行うことができ
る。
置の一構成例を概略的に示す図である。
きにおける電圧と電流の時間的変化の一例を示す図であ
る。
留部、A,B…電解酸液、G…ガス、L…溶液。
Claims (1)
- 【請求項1】 試料を電解酸液を用いて電気分解し、こ
れによって発生したガスと溶液とを気液分離管によって
分離して、この分離された溶液を試料溶液としてICP
分析計に送るようにしたICP分析に用いる試料の溶解
供給装置において、前記電気分解を行う際、電解酸液と
して塩酸・硝酸水溶液を用い、試料と電解酸液との間
に、0.8V〜2.8Vの範囲の定電圧を印加して定電
位電解するとともに、前記気液分離管の後段に、前記電
気分解によって得られた溶液を一旦貯留する溶液貯留部
を設けたことを特徴とするICP分析に用いる試料の溶
解供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25685895A JP3261288B2 (ja) | 1995-09-09 | 1995-09-09 | Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25685895A JP3261288B2 (ja) | 1995-09-09 | 1995-09-09 | Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0979958A JPH0979958A (ja) | 1997-03-28 |
JP3261288B2 true JP3261288B2 (ja) | 2002-02-25 |
Family
ID=17298402
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25685895A Expired - Fee Related JP3261288B2 (ja) | 1995-09-09 | 1995-09-09 | Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3261288B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102621129A (zh) * | 2012-04-18 | 2012-08-01 | 上海市毛麻纺织科学技术研究所 | 一种银纤维纺织品中银的定性与定量检测方法 |
CN103323398A (zh) * | 2013-06-08 | 2013-09-25 | 首钢总公司 | 一种电感耦合等离子体发射光谱仪的维护方法 |
JP2018131660A (ja) * | 2017-02-16 | 2018-08-23 | アークレイ株式会社 | 電気分解装置 |
-
1995
- 1995-09-09 JP JP25685895A patent/JP3261288B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0979958A (ja) | 1997-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE3416956C2 (de) | Meßvorrichtung zur Bestimmung der Aktivität oder der Konzentration von Ionen in Lösungen | |
JP6609489B2 (ja) | 電解質分析装置 | |
JP3261288B2 (ja) | Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 | |
US20050051485A1 (en) | Electrodialysis method and apparatus for trace metal analysis | |
US20190210897A1 (en) | Electrochemical analysis device for reagentless detection | |
DE3605476A1 (de) | Verfahren und vorrichtung einer stroemungsanalyse | |
JP3263578B2 (ja) | Icp分析に用いる試料の溶解供給装置 | |
JP3910404B2 (ja) | 半導体薬液用微量金属連続測定装置および測定方法 | |
JP3686198B2 (ja) | 誘導結合プラズマ質量分析装置 | |
TWI410287B (zh) | 液處理裝置及處理液供給方法 | |
US7387720B2 (en) | Electrolytic method and apparatus for trace metal analysis | |
JP2798134B2 (ja) | 半導体製造工程における過酸化水素水のオンライン分解装置及び分解方法 | |
CN213843152U (zh) | 一种双元素双通道全自动电位滴定自动分析装置 | |
CN114324287A (zh) | 一种基于荧光检测的六价铬监测*** | |
Tomčík et al. | Sonoelectrochemistry in acoustically emulsified media: The detection of lead | |
KR100849634B1 (ko) | 금속 농도 검출 장치 및 방법 | |
DE10043494A1 (de) | Verfahren und Vorrichtung zur automatischen Bestimmung des Gehaltes an freiem Chlor in Wasser | |
JP3242518B2 (ja) | 溶液試料の測定方法および装置 | |
JP2003222619A (ja) | タンタル系材料中の不純物分析方法及び分析装置並びに酸化タンタル粉末 | |
RU2045056C1 (ru) | Устройство для определения концентрации ионов тяжелых и токсичных элементов | |
CN214767535U (zh) | 一种移动式管道消毒冲洗装置 | |
JPH08152427A (ja) | Icp発光分析方法 | |
JP3610111B2 (ja) | 電解質溶液分析装置および電解質溶液分析方法 | |
JPS61194347A (ja) | ポ−ラログラフイ−による工場排水中の全ヒ素連続測定方法 | |
JPS60138451A (ja) | メツキ液中の不純物定量分析方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20011204 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081214 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091214 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |