JP2003129351A - 伸長回復性に優れた織物芯地 - Google Patents
伸長回復性に優れた織物芯地Info
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Abstract
復性能を持ち、かつ接着剤に表地へのしみだしの極めて
少ない芯地を提供すること。 【解決手段】経糸及び/又は緯糸が実質的に下記(1)
式を満足する実撚を有する三次元コイル構造のフィラメ
ント糸より構成され、カバーファクター(CF)が下記
(2)式を満足するであって500g/cmの定荷重伸
長時の伸長率が25%以上で同瞬間回復時の残留歪みが
10%以下である伸長回復性に優れた織物芯地。 12,000/(D)1/2≦T≦25,000/(D)
1/2 (式1) ここでDは構成する糸の総繊度(デシテックス)を、T
はメ−トル当たりの撚数を示す。 500≦CF≦1,000
(式2) CF=(経糸の総繊度)1/2×経糸密度[本/in]+
(緯糸の総繊度)1/2×緯糸密度[本/in] ここで総繊度はデシテックスで表示される。
Description
フィラメント織物芯地に関するもので、伸縮性と回復性
能を同時に改良した芯地に関するものである。
性、可縫製向上等の目的で永年にわたり、用いられてき
た。芯地は表地の特性を損なうことなく、上記特性を発
揮することが望まれるため表地の変化に伴い、要求特性
も変わってくる。表地の要求特性の重要な1つとしてス
トレッチ性があり、これに対応してストレッチ性のある
芯地の要求がある。
45636号公報に見られるような、ポリウレタン等の
弾性糸と非弾性繊維の複合糸を用いる方法があるが、糸
を細くすることに限界があり、薄い表地に対応できない
欠点がある。またポリウレタン等の弾性糸が価格が高
く、特定用途にしか使えないことも問題となる。
撚加工糸を用いる方法が永年用いられている。しかしこ
の方法では伸長性能と回復性能が相反する関係にあり、
高い伸長性能を示す設計にすると回復性能が低下する欠
点がある。
を持つポリブチレンテレフタレ−トやポリトリメチレン
テレフタレ−ト繊維をもちいる提案として特開平03−
294503号公報や特開平11−200124号公報
がある。しかしこれらの方法も伸長性能に限界があり、
これを補うため仮撚加工糸として用いる方法も提案され
ているが仮撚加工糸とすると回復性能が劣る欠点がる。
仮撚加工糸の回復性の低下原因は個々のフィラメントの
捲縮が錯綜しているためであり、繊維構造体に起因する
欠点である。
イド型または偏心シ−スコアー型の複合繊維とし繊維に
3次元的捲縮を付与してストレッチ性を付与する方法と
して特開平07−42042号公報が提案されている
が、この糸には実質的に撚構造がないため3次元的捲縮
が長手方向に反転し、結果的に右巻きの捲縮と左巻きの
捲縮が混在し、伸縮性、回復性ともに阻害されパワーは
強いものの、伸縮性、回復性ともに仮撚加工糸と大差な
いレベルでしかない。
であった高伸長領域での回復性能が低いと言う問題を解
決し、高い伸長領域でも高い回復性能を持ち、かつ接着
剤に表地へのしみだしの極めて少ない芯地を提供するこ
とを目的とする。
る。1.経糸及び/又は緯糸が実質的に下記(1)式を
満足する実撚を有する三次元コイル構造のフィラメント
糸より構成され、カバーファクター(CF)が下記
(2)式を満足するであって500g/cmの定荷重伸
長時の伸長率が25%以上で同瞬間回復時の残留歪みが
10%以下であることを特徴とする伸長回復性に優れた
織物芯地。 12,000/(D)1/2 D ≦T≦25,000/(D)1/2 (式1) ここでDは構成する糸の総繊度(デシテックス)を、T
はメ−トル当たりの撚数を示す。 500≦CF≦1,000 (式2) CF=(経糸の総繊度)1/2×経糸密度[本/in]+
(緯糸の総繊度)1/2×緯糸密度[本/in] ここで総繊度はデシテックスで表示される。 2.少なくとも経糸または緯糸の総繊度(D)が40デ
シテックス(以下dTで表記する)以下であることを特
徴とする上記第1記載の伸長回復性に優れた織物芯地。 3.経糸及び/又は緯糸が仮撚加工糸追撚法または先撚
仮撚法で三次元コイル構造を形成したことを特徴とする
上記第1記載の伸長回復性に優れた織物芯地。 4.経糸及び/又は緯糸が異溶出速度フィラメントの交
撚、溶出法で三次元コイル構造を形成したことを特徴と
する上記第1記載の伸長回復性に優れた織物芯地。
糸を得る手段として通常の仮撚加工糸に解撚方向に追撚
する方法や仮撚加工前に加撚しておき、解撚方向に加撚
域でオーバー解撚域まで加撚、熱セット後、解撚するい
わゆる先撚仮撚法が好ましく用いることができる。
糸と溶剤にたいする溶解性が高い糸を合撚、製織、熱セ
ット後に易溶出糸を溶出する方法も用いることができ
る。
径を高くする上で重要であり、12,000/(D)
1/2を下回っても、25,000/(D)1/2を上回って
もコイル径(見掛け糸径)が小さくなり、結果として伸
縮性能も低下する。特に異溶解性のフィラメント糸を合
撚する方法を用いる場合は易溶出糸の複合割合は20〜
50%が好ましいが、この時の撚り数の下限値は溶出後
の繊度(D2)より算出した12,000/ルトD2とす
ることがより好ましい。
長地のモデル図を示した。この糸はコイル状の螺旋構造
を取り、構造的な伸長能が付与されていることと、見掛
け糸径が太く、糸構造内に空隙があることが余剰の接着
剤が表地ににじみ出すことを防止する効果がある。
現させることと伸長に対する回復性能を保つ上で布のカ
バーファクターは重要である。500未満となると芯地
として要求される張り腰や嵩高感が不足し、1,000
を越えると三次元コイル構造が充分に発現されず、伸縮
性能も低下する。三次元コイル構造は比較的荒い織物密
度で構成される芯地織物の経糸緯糸の交差点のずれを抑
止する効果もあり、目寄れ防止効果もそなえている。
段として仮撚追撚法と異溶出合撚法を用いることができ
るが特に先撚仮撚法が特に好ましい。近年、芯地も薄地
化、ソフト化が進み、使用される原糸の単糸繊度が益々
細くなってきている。この時問題になるのが工程中で発
生する毛羽であり、最も毛羽が発生し易い工程が仮撚加
工での解撚域である。先撚仮撚方法では解撚域での0撚
り状態が瞬時でしかなく、例えこの時に毛羽が発生して
も瞬時に加撚され巻き込まれるため、次工程でトラブル
を起こすことが少なくて済む利点がある。
高く、カバーファクターが高い状態でプレセット工程ま
で通すことができるので織り工程以降での取扱時に発生
しやすい目寄れを防止する効果もある。異溶出合撚法で
用いる易溶出糸の溶出速度は遅溶出糸の溶出速度の2倍
以上、より好ましくは5倍以上、更に好ましくは遅溶出
糸が溶解しない溶剤で溶出可能な繊維とするここであ
る。
のフィラメント糸であれば特に限定されるものではない
が、消費性能の点でポリエステル系もしくはポリアミド
系がこのましい。減量加工による剪断応力を低減した芯
地の要求が高まっている今はポリエステル系である事が
更に好ましい。
するものではない。 (伸長及び回復特性の測定)KES(Kawabata's Evalu
ation System) の引張り特性( 繊維機会学会編風合い評
価の標準化と解析 第2版 第4章 2−1記載)に準
じて測定した。すなわち、長さ5cm、幅20cmの試
料をひずみ速度4.00×10-3/secの定速で500gf/
cmの最大荷重まで引張り、変形回復過程に移り、応力
−歪み曲線より最大荷重時の歪みを伸長率とし、回復過
程の0応力到達点の歪みを残留歪みとして求めた。
33dT18フィラメントの原糸にダブルツイスターで
S方向に3,100T/mの実撚りを入れ、続いて、仮撚加工機
で前記撚糸糸の解撚方向(Z方向)に加撚−S方向解撚
で8,300T/mの仮撚加工を実施した。この時のピン仮撚ス
ピンドルの回転数は350,000rpm、ヒ−ター温度は210 ℃
とした。撚糸及び仮撚加工時の撚り方向を全く逆として
もう1種の加工糸を得た。この2種の加工糸を経糸及び
緯糸の1本交互に配して平織物とし、通常の精練−プレ
セット−減量−染色−ファイナルセット工程を通して、
経糸密度が85本/in、緯糸密度が65本/inの織物を
得た。ちなみに減量率は15%とした。この織物のカバ
ーファクターおよび伸長特性を第一表に示した。伸縮
性、特に伸長回復性に優れた(在留歪みが小さい)布帛
であった。また製織時の開口不良、解除不良等の毛羽に
起因する問題は全くなかった。この織物にポリアミド系
樹脂をシングルドットでドット密度900個/in2 で樹
脂コーティングして接着芯地とした。この芯地とポリエ
ステルジョウゼット(55T-24 バイコンフィラメント使
い。伸長深度=28%) をフラット型プレス機で150
℃、3.5Kg/cm2で15sec 処理してジョウゼット表面の触
感、外観を評価して接着剤のしみだし状態を5段階
(優、良、並、不、不可)で評価した。
フタル酸を3モル%共重合したポリエステルに分子量が
20,000のポリエチレングリコールを10wt%メルトブ
レンドして得た易溶出ポリエステルより、33dT12
フィラメントの延伸糸を得た。このフィラメントと実施
例−1で用いたポリエステルフィラメント糸33dT1
8フィラメントの原糸を引き揃えて3,500T/mの
実撚りをダブルツイスターを用い施撚した。撚り方向の
みを逆とした撚糸を別途用意し、この2種の撚糸を経糸
及び緯糸の1本交互に配して平織りとし、以下実施例−
1と同法で接着芯地を得た。但し、減量率は55%とし
て易溶出フィラメントの全てを溶出した。この布帛は減
量工程までは経糸、緯糸とも充分な緻密性をゆうする織
物であり、目寄れに特に注意を払う必要がなかった。
仮撚数を5,200T/mとした以外は実施例−1と全
く同法で接着芯地として評価した。伸長回復性が劣り、
伸長回復時に短時間ではあるが表地方向にカ−リングが
見られた。また表地の糸の間から接着剤の平坦な部分が
顔を出し、光のあて具合によっては、スポット状のギラ
ツキが見られ。
外は実施例−1と全く同法で接着芯地として評価した。
伸長回復性は比較例−1に近く加工糸のスプリング構造
は充分に形成されていなかった。
外は実施例−1と全く同法で接着芯地として評価した。
伸長回復性は比較例−1よりも劣り、加工糸のスプリン
グ構造はなく、強撚糸構造となっていた。
高い回復性能を持ち、かつ接着剤に表地へのしみだしの
極めて少ない芯地である。
のモデル図であり、(b)はマルチフィラメント状態の
モデル図を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】経糸及び/又は緯糸が実質的に下記(1)
式を満足する実撚を有する三次元コイル構造のフィラメ
ント糸より構成され、カバーファクター(CF)が下記
(2)式を満足するであって500g/cmの定荷重伸
長時の伸長率が25%以上で同瞬間回復時の残留歪みが
10%以下であることを特徴とする伸長回復性に優れた
織物芯地。 12,000/(D)1/2≦T≦25,000/(D)1/2 (式1) ここでDは構成する糸の総繊度(デシテックス)を、T
はメ−トル当たりの撚数を示す。 500≦CF≦1,000 (式2) CF=(経糸の総繊度)1/2×経糸密度[本/in]+
(緯糸の総繊度)1/2×緯糸密度[本/in] ここで総繊度はデシテックスで表示される。 - 【請求項2】少なくとも経糸または緯糸の総繊度(D)
が40デシテックス(以下dTで表記する)以下である
ことを特徴とする請求項1記載の伸長回復性に優れた織
物芯地。 - 【請求項3】経糸及び/又は緯糸が仮撚加工糸追撚法ま
たは先撚仮撚法で三次元コイル構造を形成したことを特
徴とする請求項1記載の伸長回復性に優れた織物芯地。 - 【請求項4】経糸及び/又は緯糸が異溶出速度フィラメ
ントの交撚、溶出法で三次元コイル構造を形成したこと
を特徴とする請求項1記載の伸長回復性に優れた織物芯
地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001320740A JP4135059B2 (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 伸長回復性に優れた織物芯地 |
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JP2001320740A JP4135059B2 (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 伸長回復性に優れた織物芯地 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003129351A true JP2003129351A (ja) | 2003-05-08 |
JP4135059B2 JP4135059B2 (ja) | 2008-08-20 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001320740A Expired - Fee Related JP4135059B2 (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 伸長回復性に優れた織物芯地 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004018753A1 (ja) * | 2002-08-20 | 2004-03-04 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisya | 仮撚加工糸を含む芯地とその製造方法 |
WO2014034606A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | 株式会社 豊田自動織機 | 三次元繊維構造体、それを使用したプリプレグ、及び、三次元繊維構造体の製造方法 |
KR101402066B1 (ko) | 2012-10-31 | 2014-06-02 | 이규환 | 나선형 코일사와 그 섬유원단, 및 그의 제조방법 |
-
2001
- 2001-10-18 JP JP2001320740A patent/JP4135059B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101402066B1 (ko) | 2012-10-31 | 2014-06-02 | 이규환 | 나선형 코일사와 그 섬유원단, 및 그의 제조방법 |
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JP4135059B2 (ja) | 2008-08-20 |
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