JPH10204747A - 伸縮性を有する織物およびその製造方法 - Google Patents
伸縮性を有する織物およびその製造方法Info
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- JPH10204747A JPH10204747A JP9002753A JP275397A JPH10204747A JP H10204747 A JPH10204747 A JP H10204747A JP 9002753 A JP9002753 A JP 9002753A JP 275397 A JP275397 A JP 275397A JP H10204747 A JPH10204747 A JP H10204747A
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Abstract
回復率及びソフトでふくらみ、軽量感、弾発性に優れ、
アウター、スポーツウエア、ユニフォーム等の適度なフ
ィット性が要求される分野に好適な織物を提供する。 【構成】 二成分からなる複合繊維含有の紡績糸を用い
た伸長率5〜45%、伸長回復率70%以上の織物であ
って、複合繊維中の高収縮成分が織クリンプの頂上近傍
で織クリンプの内側に向いて存在している。
Description
でありながらも、伸縮性及び伸長回復性に富んだ織物お
よびその製造方法に関する。
ーツ衣料等には、機能性、フィット性の要求から伸縮性
及び伸長回復性に富んだ布帛が求められている。
天然ゴムを用いたり、近年ではポリエステルやナイロン
の仮撚加工糸を用いたり、伸縮性を有するポリウレタン
弾性糸を用いたり、さらにはこれらの糸を芯にしたコア
−スパン紡績糸やフィラメント糸を巻き付けて得たカバ
リング糸を用いたり、綿糸にアルカリ処理を施して綿糸
を膨潤させて外力を加えて捲縮率を高めようとするケミ
カルストレッチ法等が用いられていた。
シエトキシ)フェニル]プロパン2〜7モル%とイソフ
タル酸5〜13モル%とを共重合したエチレンテレフタ
レート単位主体の共重合ポリエステルと、実質的にエチ
レンテレフタレート単位によりなるポリエステルとから
なる複合繊維を70重量%以上含む紡績糸を用いて伸縮
性を出した織物も提案されている(特開平7−1504
29号公報)。
用いる方法によると、天然ゴムが太番手であるために布
帛の用途が限定され、また、天然ゴムが脆化して耐久性
に欠けたり、天然ゴムであるために伸縮性の均一性が欠
けるという問題があった。また、仮撚加工糸を用いる方
法によると、伸縮性を出すために粗い織物にせざるを得
ず、したがって風合いが悪くなるという問題があった。
と、カバリングに要する工程数の増加、準備、製織での
張力管理等で高度な技術が要求され、製品においても特
にポリウレタン使いの場合には耐光、耐熱等の堅牢度不
安から脆化問題が存在した。さらにまた、ケミカルスト
レッチ法によると、伸長率、伸長回復率に限界があっ
た。
載されている技術は、伸長率が高々18%と範囲が狭く
伸縮性織物として汎用性に欠ける点があった。
術による織物の欠点を改良し、紡績糸使いの織物であっ
ても伸縮性及び伸長回復性に優れた伸縮性を有し、ソフ
トでふくらみがあり、軽量、弾発性、さらに外観品位、
風合いを維持する織物及びその製造方法を提供すること
を課題とする。
解決するために次の手段をとるものである。すなわち、
本発明の物質発明は、ポリエステル成分(A)と、該ポ
リエステル成分(A)よりも低収縮性のポリエステル成
分(B)とからなる複合繊維を含有する紡績糸を経糸及
び/又は緯糸に用いた伸長率が5〜45%、伸長回復率
が70%以上の織物であって、織クリンプを形成する該
紡績糸中の該複合繊維において,ポリエステル成分
(A)が該織クリンプの頂上近傍で織クリンプの内側に
向いて存在していることを特徴とする伸縮性を有する織
物である。以下、その好ましい態様を列挙する。織物の
伸長率が20〜45%であることを特徴とする上記の伸
縮性を有する織物。目付が50〜800g/m2 、厚さ
が0.15〜2.4mmであることを特徴とする上記の
伸縮性を有する織物。潜在捲縮性偏芯型複合繊維が、1
60℃、荷重36mg/dの荷重下の乾熱収縮率が5%
以上で且つ160℃、無荷重下の熱処理時に発現する捲
縮数が40個/インチ以上であるポリエステル複合繊維
であることを特徴とする上記の伸縮性を有する織物。紡
績糸の160℃における乾熱収縮率が20%以上である
ことを特徴とする上記の伸縮性を有する織物。
(A)と、該ポリエステル成分(A)よりも低収縮性の
ポリエステル成分(B)とからなる潜在捲縮性偏芯型複
合繊維を55重量%以上含有し、下記(1)式で求めら
れる撚係数が単糸の場合は3.2〜4.7、合撚の場合
は下撚が、3.2〜4.7、上撚りが単糸の下撚の追撚
方向で0.5〜1.5倍の撚数にある紡績糸を製造し、
該紡績糸を織物全体に対して25〜100重量%を占め
るように経糸および/又は緯糸に用いて、下記(2)式
で表される基本密度係数が10〜35の範囲にある織物
を製造し、次いで該織物を染色前及び/又は染色時に湿
熱125℃以上もしくは乾熱160℃以上でしかもフリ
ー状態で熱処理することを特徴とする伸縮性を有する織
物の製造方法である。 撚係数 =T/(Ne)1/2 … (1) T:紡績糸の1インチ当たりの撚数 Ne:紡績糸の
英式番手 基本密度係数 ={(2n/(2(Nw)1/2)+St/(2(Nt)1/2)}×T/St+ {(2n/(2(Nt)1/2)+Sw/(2(Nw)1/2)}×W/Sw…(2) n:1循環中の組織点 Nt:経糸番手 N
w:緯糸番手 T:経密度(本/インチ) W:緯密度(本/イン
チ) St:1循環中の経糸本数 Sw:1循環中の緯糸本
数 以下、その好ましい態様を列挙する。フリー状態が経糸
方向で+10%以上、緯糸方向で+10%以上のオーバ
ーフィード状態であることを特徴とする上記の伸縮性を
有する織物の製造方法。熱処理の前又は後で、減量率4
0%以下の減量加工を行うことを特徴とする上記の伸縮
性を有する織物の製造方法。潜在捲縮性偏芯型複合繊維
が、160℃、荷重36mg/dの荷重下の乾熱収縮率
が5%以上で且つ160℃、無荷重下の熱処理時に発現
する捲縮数が40個/インチ以上であるポリエステル複
合繊維であることを特徴とする上記の伸縮性を有する織
物の製造方法。紡績糸の160℃における乾熱収縮率が
20%以上であることを特徴とする上記の伸縮性を有す
る織物の製造方法。
伸縮性を有する織物は、伸長率が5〜45%、伸長回復
率が70%以上であることが肝要である。伸長率が5%
未満ではフィット性が不十分でストレッチ機能が得られ
難く好ましくない。他方、伸長率が45%を越えると糸
同士の交錯点が少なくなって伸長回復率が低下して好ま
しくない。風合いの点から20〜30%が好ましい。2
0%未満であると適度なドレープ性がなく着用時に軽量
感が得られないことから好ましくなく、他方、45%を
越えると着用時にドレープ性が高すぎて重量感を感じる
ことから好ましくない。また、伸長回復率が70%未満
では織物の形態維持特性が低くなって好ましくない。8
0〜98%の伸長回復率を有することが好ましい。
物の組織点において、経糸及び/又は緯糸を構成する偏
芯型複合繊維の断面において前記ポリエステル成分
(A)が織クリンプの頂上近傍において内側に該断面に
おける紡績糸の構成繊維本数の60%以上向いているこ
とが好ましい。尚、ここでいう織クリンプの頂上近傍と
は、頂上を中心としてその前後が隣接する組織点の頂上
間距離の1/4の長さ程度の繊維の箇所を指す。この配
向は、本発明にかかる潜在捲縮性を有する偏芯型複合繊
維を含有する紡績糸を製織し、該織物に後述する特定の
加工を施すことにより発現するものであり、該織物の加
工時のリラックスにより糸条を構成する繊維間の空間が
拡大し、偏芯型複合繊維の潜在捲縮性の発現に際し、各
複合繊維が糸条中で最も安定な捲縮配向形態をとること
となる。このような状態における偏芯型複合繊維の断面
におけるポリエステル成分(A)が織クリンプの内側に
向いて存在することにより織物の織り構造に整合し、前
述の如く伸長された時の十分な伸長回復力が発揮され
る。また、該複合繊維のポリエステル成分(A)は,ポ
リエステル成分(B)よりも高収縮であるから,一般に
ポリエステル成分(A)はポリエステル成分(B)より
も低融点であり,従って織物の外側、即ち織りクリンプ
の外側に向いてポリエステル成分(B)である高融点成
分が選択的に配向することになるから温度や圧力、スチ
ーム、処理時間、プレス方法などの条件が厳しいアイロ
ンプレスなどによっても、織物の表面にアタリやテカリ
が生じたり、織物の風合いが硬化したりすることを防止
することが可能となる。叙上のように、本発明にかかる
織物の組織点における偏芯型複合繊維断面のポリエステ
ル成分(A)の配向は、織物の伸縮性とともに外観品位
および風合いの維持のために必須なものである。上述の
配向が60%以下であると、偏芯型複合繊維が本来的に
有している捲縮性能が充分発揮できないため織物の伸長
回復力が得られず、織物の伸長回復性が劣り好ましくな
い。70%以上であることが好ましい。
目付が50g/m2 未満であると織物の経、緯糸本数が
極端に少なくなり糸同士の交錯点がルーズになって伸長
回復率が低下して好ましくない。他方、目付が800g
/m2 を越えると糸同士の交錯点が極端に増して目詰ま
りを起こし、また、製織限界に近づいて粗硬となり伸縮
性が低下して好ましくない。100〜500g/m2 が
より好ましい範囲である。
2.4mmの範囲のものが好ましい。厚さが0.15m
m未満では、使用する紡績糸を細くしなければならず、
従って伸縮性が低下して好ましくない。逆に2.4mm
を越えると紡績糸が極めて太くなり、伸縮性は得られる
ものの風合いが損なわれて好ましくない。好ましくは
0.25〜1.70mmの厚さがより好ましい。
型複合繊維を55重量%以上含有する紡績糸を単糸又は
合撚糸の形で経糸及び/又は緯糸に25〜100重量%
含んでいることが好ましい。55重量%未満では、撚り
の拘束状態下の紡績糸内で捲縮発現が不十分となるから
である。
で通常のポリエステル繊維などの合成繊維、アセテート
繊維などの半合成繊維、レーヨン、ポリノジックなどの
再生繊維、又は綿、羊毛、麻等の天然繊維を適宜混綿あ
るいは精紡交撚して相手素材の特徴を活かし、製品風合
い、機能性を同時に満たすようにしても良い。
25〜100重量%含まれていることが好ましい。25
重量%未満では充分な伸縮性が得られず好ましくない。
35〜100重量%がより好ましい範囲である。
た紡績糸の下記(1)式で求められる撚係数が単糸また
は合撚糸の下撚が、3.2〜4.7の範囲であって、合
撚糸の上撚りが単糸の下撚の追撚方向で0.5〜1.5
倍の撚数の範囲にあるものが好ましい。単糸または合撚
糸の下撚の撚係数が3.2未満では、繊維間の拘束力が
弱く、紡績糸および織物の伸長回復率および強力が得ら
れず好ましくない。他方、撚係数が4.7以上では繊維
間の拘束が強すぎ、伸長率が得られず、織物の風合いも
硬化してしまうため好ましくない。単糸または合撚糸の
下撚の撚係数は3.2〜4.2の範囲が好ましい。ま
た、合撚糸の場合、上撚りは単糸の下撚の追撚方向で
0.5〜1.5倍の撚数の範囲にあることが好ましい。
合撚糸の上撚数が下撚数の0.5倍以下であると、合撚
糸としての丸み及び収束性に欠け好ましくなく、1.5
倍以上であると単糸間の拘束が強すぎ、伸長率が得られ
ず、織物の風合いも損なわれることがあるため好ましく
ない。合撚糸の上撚数は追撚方向で単糸の下撚数の0.
7〜1.3倍の範囲であることが好ましい。 撚係数=T/(Ne)1/2 … (1) T:紡績糸の1インチ当たりの撚数 Ne:紡績糸の
英式番手
る基本密度係数が10〜35の範囲にあるものが好まし
い。基本密度係数が10未満では粗な織物となり、良好
な風合いが得られず、織物の経、緯糸本数が極端に少な
くなり、糸同士の交錯点がルーズになって伸長回復率が
低下して好ましくない。他方、基本密度係数が35を越
えると密な織物となり、織拘束力が増加し,十分な捲縮
発現が得られず,ひいては良好な風合いが得られず、更
には糸同士の交錯点が極端に増して目詰まりを起こし、
また、製織限界に近づいて粗硬となり伸縮性が低下して
好ましくない。15〜33がより好ましい範囲である。 基本密度係数 ={(2n/(2(Nw)1/2)+St/(2(Nt)1/2)}×T/St+ {(2n/(2(Nt)1/2)+Sw/(2(Nw)1/2)}×W/Sw…(2) n:1循環中の組織点 Nt:経糸番手 Nw:
緯糸番手 T:経密度(本/インチ) W:緯密度(本/インチ) St:1循環中の経糸本数 Sw:1循環中の緯糸本
数
維断面の配向が充分得られず、結果として伸縮性、風合
いの優れた織物を得ることが困難となる。
まず、潜在捲縮性偏芯型複合繊維を55重量%以上含有
する紡績糸を製造する。潜在捲縮性偏芯型複合繊維を用
いるのは、製織後の熱処理によって弾性回復性ひいては
伸長率及び伸長回復率を高めるためである。そして、該
潜在捲縮性偏芯型複合繊維は、160℃、荷重36mg
/dの荷重下の乾熱収縮率が5%以上であることが好ま
しい。5%未満では十分な捲縮特性が期待できないから
である。
現する捲縮数が40個/インチ以上であることが好まし
い。これは、織物の伸長率及び伸長回復率を高めるため
である。発現する捲縮数が40個/インチ未満では伸縮
性及び伸長回復性が低下するので好ましくない。発現す
る捲縮数の上限はないが、紡績工程通過性や織物製品の
風合いから65個/インチ以下が好ましく、また、伸縮
性、伸長回復性に特に優れた織物を得る観点から50個
/インチ以上がより好ましい。
械捲縮数3〜15個/インチを付与しておくことが、紡
績工程特に混打綿、梳綿工程通過時に潜在捲縮の発現に
よる可紡性低下を防ぐため、及びネップや未開繊トラブ
ルを発生させないために好ましい。
は、いわゆるサイドバイサイド型、芯鞘の偏芯型の複合
繊維が含まれるが、サイドバイサイドタイプが好ましく
推奨される。すなわち、エチレンテレフタレート単位を
主体とし、金属塩スルホネート基を有する構成単位1〜
3モル%、好ましくは1.5〜2.7モル%、およびイ
ソフタル酸2〜10モル%好ましくは3〜8モル%を共
重合成分とするポリエステル成分(A)と、エチレンテ
レフタレート単位を主体とし、前記ポリエステル成分
(A)よりも低収縮性の共重合ポリエステルまたはポリ
エチレンテレフタレートからなるポリエステル成分から
なるポリエステル成分(B)とをサイドバイサイドに接
合した複合繊維が挙げられる。
収縮成分を構成するポリエステル成分(A)は、共重合
成分としての金属塩スルホネート基を有する構成単位を
含有しているので他方の低収縮成分のポリエチレンテレ
フタレートまたは共重合ポリエステルからなるポリエス
テル成分(B)に比べて紡糸延伸後の弾性回復性に優れ
ており、そのため複合繊維は織クリンプの頂上近傍にお
いて、高収縮成分であるポリエステル成分(A)の側を
内側にして湾曲する。またこのポリエステル成分(A)
は上記の金属塩スルホネート基を有する構成単位の他に
イソフタル酸を共重合成分として含有しているので上記
金属塩スルホネート基を有する構成単位のみを含有する
場合に比べて高収縮成分としての熱収縮率が大きく、低
収縮成分との熱収縮差が一層大きくなり、そのため潜在
捲縮機能が向上し、かつ複合繊維としての乾強度が向上
する。ここでいうポリエステル成分(A)に対するポリ
エステル成分(B)の低収縮性とは、各々の単独成分の
ポリマーを同じ紡糸条件で紡出した糸条の160℃、3
6mg/d荷重下の乾熱収縮率が、ポリエステル成分
(A)単独糸条よりもポリエステル成分(B)単独糸条
の方が5%以上小さいことを意味している。
金属塩スルホネート基を有する構成単の共重合割合が1
モル%未満の場合は、延伸後の弾性回復が不足して潜在
捲縮機能が不十分になり、反対に3モル%を越えると複
合繊維の乾強度が不足する。また上記ポリエステル成分
(A)におけるイソフタル酸の共重合量が2モル%未満
の場合はポリエチレンテレフタレートまたは共重合ポリ
エステルからなるポリエステル成分(B)との熱収縮差
が不足し、潜在捲縮機能が不十分になり、反対に10モ
ル%を越えると延伸後の弾性回復が不足して潜在捲縮機
能が不十分になる。ポリエステル成分(A)及び(B)
には本発明の目的効果を損なわない範囲内で他の共重合
成分を含んでいて良い。さらにはポリエステル成分
(A)および(B)又はどちらかに抗菌剤、消臭剤、難
燃剤、染料、顔料、セラミックス等の特性付与剤や添加
剤を任意に配合することができる。
によって潜在捲縮を発現させるが、ポリエステル自体の
乾熱収縮部と発現捲縮部とがミックスされた紡績糸の乾
熱160℃収縮率が20%以上であることが重要であ
る。20%未満では捲縮発現が不足し伸縮性が低下する
ので好ましくない。
糸又は合撚糸の形で、織物全体に対して25〜100重
量%を占めるように経糸及び/または緯糸に用いて前述
の基本密度係数を満足する条件で織物を製造する。な
お、経方向に伸縮性を出すためには、経方向に前記紡績
糸を用いればよい。織物としては綾または朱子織物が好
ましい。
に湿熱125℃以上又は乾熱160℃以上でしかもフリ
ー状態で熱処理することが肝要である。これは、潜在捲
縮性を有する偏芯型複合繊維の可動度を向上させて該複
合繊維の断面の配向を促進させることで潜在捲縮機能を
ほぼ完全に発現させ、残留潜在捲縮機能を極力なくすた
めである。湿熱125℃未満または乾熱160℃未満に
なると潜在捲縮機能の発現が不完全となって好ましくな
い。従って、湿熱で125〜140℃、乾熱で160〜
180℃がより好ましい。なお製織後,何ら熱履歴を付
与せず直ちに上記熱処理を施すことが効果的である。
上、好ましくは+20%以上、緯糸方向で+10%以
上、好ましくは+10%〜+50%のオーバーフィード
率が好ましい。これは、本発明に係る紡績糸に前述の熱
処理によって収縮部分と捲縮部分が顕在化することを妨
げないためである。経糸方向で+10%未満のオーバー
フィード率または緯糸方向で+10%未満のオーバーフ
ィード率では、熱処理することによって顕在化する収縮
部分と捲縮部分が不完全な状態となり、製品後の伸長
率、伸長回復率、堅牢度に問題が発生するので好ましく
ない。
おいて乾熱又は湿熱処理を温度条件を勘案して兼用して
も良い。
0%以下、好ましくは5〜20%の減量加工を行い風合
い調整を行うことが好ましい。その後、本発明の伸縮性
を有する織物は起毛してもよい。この場合には、多方面
の用途に展開可能となる。
複合繊維断面の配向が充分得られず、結果として伸縮
性、風合いの優れた織物を得ることができない。
細書において用いた測定法は下記の通りである。 (イ) ステープル繊維(デニール) JIS L 1015 7.5A法に準じ、試料若干量
を金ぐしで平行に引きそろえ、これを切断台上に置いた
ラシャ紙の上に載せ、適度の力でまっすぐに張ったまま
ゲージ板を圧着し、安全剃刀などの刃で30mmの長さ
に切断し、繊維を数えて300本(繊維が短い場合は2
0mmの長さに切断したものを450本)を1組とし、
その質量をはかり、見掛繊度を求める。別に測定した平
衡水分率をもって、次の式により正量繊度(D)を算出
し、5回の平均値で表した(小数点以下2桁迄)。 正量繊度(デニール)=D’×(100+Rc)/(1
00+Re) ここに、D’は見掛繊度(デニール)、Rcは公定水分
率(%)、Reは平衡水分率(%)である。
かな紙片に長さ25mmの試料を1本づつゆるませた状
態で両端を貼り付け、垂下装置を用いてつかみ間隔を適
当に設定して取り付け、試料を取り付けた紙片を切断し
た後、50mg/dの荷重をかけ、つかみ間の距離Lを
測定する。試料を装置から外して乾燥機(温度160
℃)の中に吊り下げ、30分放置後取り出し室温まで冷
却後、再び前記の荷重をかけたときのつかみ間の距離L
‘を求め、[(L−L’)/L]×100の式より求め
る。
て取り付け140mg/dの荷重をかけつかみ間隔の距
離Hを測定する。ついで、紡績糸を装置から外して乾燥
機(温度160℃)の中に吊り下げ、30分放置後取り
出し、室温まで冷却後、再び前記の荷重をかけたときの
つかみ間隔の距離H’を測定し、[(H−H’)/H]
×100の式から求める。
材の質量を測定する。ポリエステル複合繊維は、織物を
分解して紡績糸となし、検撚機で解撚して短繊維にほぐ
し、高捲縮繊維として特定し、その質量を測定し混率を
求める。
ける質量を測り、1m 2 当たりの質量で表した。
より一定時間(10秒)、一定圧力(240gf/cm
2 )のもとで厚さを測定した。
(定荷重法)を用い、試験片(5cm×30cm)を引
張試験機にセットし、静かに1.5kgfの荷重をか
け、1分間放置後、伸びた長さL1を測定し、元の長さ
L0とから[(L1−L0)/L0]×100より求め
た。
(定荷重法)を用い、伸長率(%)の測定法の要領で試
験片をセットし、1.5kgfの荷重をかけ1時間放置
後伸びた長さL1を測り次いで除重し、1時間後に前記
の荷重をかけ再び長さL2を測り、[(L1−L2)/
(L1−L0)]×100より求めた。
レッチ機能が100%満足される」を、△は「ストレッ
チ機能が70〜99%満足される」を、×は「ストレッ
チ機能が70%未満満足される」を示す。
料片を固化させ、ミクロトームにて薄片を作製し、光学
顕微鏡にて倍率40倍〜500倍で観察し、生地面およ
び繊維断面におけるポリエステル成分(A)が認知でき
る状態で像を写真などで撮影する。この像を用いて、生
地面の法線および、各繊維の断面におけるポリエステル
成分(A)の方位を線で示し、該線と生地面の法線とが
なす角度を求める。5箇所の観察および角度の測定結果
から、該角度が±20゜以内に収まる繊維の本数を、測
定した繊維本数で除し百分率で表した。
よび風合い評価 JIS L 1057 7.1.1 A−1法に準じ、
アイロン温度220℃で、試験片(15cm×15c
m)上を約30gf/cm2 の圧力をかけながら、横方
向に10cm/秒の速度で3往復させた評価試料を準備
し、次いで、10人の検査員によって官能評価を行っ
た。アイロンによるテカリなどの外観品位の変化につい
て、○は「織物表面の変化が見られず外観品位が100
%満足される」を、△は「織物表面の変化が見られ外観
品位が70〜99%満足される」を、×は「織物表面の
変化が大きく外観品位が70%未満満足される」を示
す。また、アイロンによる風合い硬化などの変化につい
て、○は「織物風合いの変化がなく100%風合いを維
持する」を、△は「織物の風合い硬化などの変化があり
70〜99%風合いを維持する」を、×は「織物の風合
い硬化などの変化が大きく風合いの維持が70%未満で
ある」を示す。
分としてエチレンテレフタレート単位を主体とし、5−
ソジウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコールエス
テル1.5モル%およびイソフタル酸8モル%を共重合
した共重合ポリエステルを、低収縮成分としてポリエチ
レンテレフタレートを使用し、紡糸温度290℃、単孔
吐出量1g/min.(吐出割合50:50)、紡糸速
度1600m/min.で紡出し、サイドバイサイド型
の未延伸糸を製造した。この未延伸糸を収束し、延伸倍
率2.6倍、延伸温度140℃で延伸し、次いでスタッ
フィングボックスで機械捲縮(10個/インチ)を付与
し、ついで等長カットして繊維長51mm、繊度2.5
デニールのサイドバイサイド型の偏芯型複合繊維ステー
プルを製造した。乾熱160℃、荷重36mg/dの荷
重下の乾熱収縮率は8%、乾熱、160℃における無荷
重下の熱処理時の発現捲縮数は55個/インチであっ
た。ついで、前記偏芯型複合繊維ステープル100重量
%を用いて綿紡方式で英式綿番手30’s/1の紡績糸
(撚係数3.2)を製造した。
105本/インチ、緯糸密度74本/インチ、組織ツイ
ル2/1の織物を製織し、乾熱125℃以上でしかも経
糸方向+45%のオーバーフィード状態で、緯方向はフ
リー状態で熱処理し、減量率5%の減量加工と130℃
の染色加工を加えた(実施例1)。
5重量%とポリエチレンテレフタレート繊維のステープ
ル(2.5デニール×51mm)35重量%とを混紡し
て製造した混紡糸を用い、実施例1と同様にして生地を
製造した(実施例2)。
0重量%とポリエチレンテレフタレート繊維のステープ
ル(2.5デニール×51mm)とを混紡して製造した
混紡糸を用い、実施例1と同様にして生地を製造してた
(比較例1)。
0重量%を用いて綿紡方式で英式綿番手30’s/1の
紡績糸(撚係数2.3)を製造した。実施例1と同じ織
組織・規格、染色加工方法にて織物を作製した(比較例
2)。
0重量%を用いて綿紡方式で英式綿番手30’s/1の
紡績糸(撚係数5.0)を製造した。実施例1と同じ織
組織・規格、染色加工方法にて織物を作製した(比較例
3)。
0重量%を用いて綿紡方式で英式綿番手30’s/1の
紡績糸(撚係数3.2)を製造した。前記紡績糸を経
糸、緯糸に用い、経糸密度37本/インチ、緯糸密度2
5本/インチ、組織ツイル2/1の織物(基本密度係数
9.4)を製織し、乾熱125℃以上でしかも経糸方向
+45%のオーバーフィード状態で、緯方向はフリー状
態で熱処理し、減量率5%の減量加工と130℃の染色
加工を加えた(比較例4)。
0重量%を用いて綿紡方式で英式綿番手30’s/1の
紡績糸(撚係数3.2)を製造した。前記紡績糸を経
糸、緯糸に用い、経糸密度143本/インチ、緯糸密度
96本/インチ、組織ツイル2/1の織物(基本密度係
数36.4)を製織し、乾熱125℃以上でしかも経糸
方向+45%のオーバーフィード状態で、緯方向はフリ
ー状態で熱処理し、減量率5%の減量加工と130℃の
染色加工を加えた(比較例5)。
25℃以上で、経糸方向+5%、緯方向+5%のオーバ
ーフィード状態で熱処理し、減量率5%の減量加工と1
30℃の染色加工を加えた(比較例6)。
25℃以上で、経糸方向+45%のオーバーフィード状
態で、緯方向はフリー状態で熱処理し、減量率43%の
減量加工と130℃の染色加工を加えた(比較例7)。
長回復率,等の物性を測定し,紡績糸の物性とともに表
1に示した。
施例1、2は伸長率、伸長回復率ともに大きくストレッ
チ機能にも優れ、外観品位および風合いを維持するもの
であった。一方、比較例1は、偏芯型複合繊維のステー
プルが50重量%と少なく、伸長率、伸長回復率が低い
ためにストレッチ機能が劣るものであった。比較例2
は、単糸の撚係数が小さいため、織物の伸長回復率が得
られず、また、風合い変化も見られるものであった。比
較例3は、単糸の撚係数が大きいため、複合繊維断面の
良好な配向が得られず、織物の伸長回復率が得られず、
外観品位の変化もあり、粗硬な風合いのものであった。
比較例4は、織密度が極めて小さすぎるために、伸長回
復率が小さく、伸長時の抵抗感が小さすぎストレッチ機
能に劣り、粗な風合いであり、繰り返し伸縮により目ズ
レを生じる問題もあった。比較例5は、織密度が大きす
ぎるために、複合繊維断面の良好な配向が得られず、伸
長率が小さく、伸長時の抵抗感が大きすぎストレッチ機
能に劣り、硬い風合いのものであった。比較例6は、加
工時の織物のリラックス度合いが小さすぎるため、複合
繊維断面の良好な配向が得られず、ストレッチ機能に劣
り、伸長回復率が小さく、外観品位の変化、維断面の良
好な配向が得られず、ストレッチ機能に劣り、伸長率・
伸長回復率も小さく、外観品位の変化、風合いにおいて
も不良なものであった。
使いの織物であっても織物中の糸を構成する偏芯型複合
繊維の断面の配向を叙上のように制御して発現させるこ
ができ、伸縮性、伸長回復性に優れ、アウター(紳士、
婦人)、スポーツウェア、ユニフォーム等の機能性、適
度なフィット性の性能が要求される用途分野に好適なも
のであり、また製造方法は叙上の織物、特に表面タッチ
がソフトで、ふくらみ、軽量感、弾発性、外観品位およ
び風合い維持性に優れた織物を得ることを可能とした。
た織物断面図。
分(A)、4:ポリエステル成分(B)
Claims (10)
- 【請求項1】 ポリエステル成分(A)と、該ポリエス
テル成分(A)よりも低収縮性のポリエステル成分
(B)とからなる複合繊維を含有する紡績糸を経糸及び
/又は緯糸に用いた伸長率が5〜45%、伸長回復率が
70%以上の織物であって、織クリンプを形成する該紡
績糸中の該複合繊維において,ポリエステル成分(A)
が該織クリンプの頂上近傍で織クリンプの内側に向いて
存在していることを特徴とする伸縮性を有する織物。 - 【請求項2】 織物の伸長率が20〜45%であること
を特徴とする請求項1記載の伸縮性を有する織物。 - 【請求項3】 目付が50〜800g/m2 、厚さが
0.15〜2.4mmであることを特徴とする請求項1
記載の伸縮性を有する織物。 - 【請求項4】 潜在捲縮性偏芯型複合繊維が、160
℃、荷重36mg/dの荷重下の乾熱収縮率が5%以上
で且つ160℃、無荷重下の熱処理時に発現する捲縮数
が40個/インチ以上であるポリエステル複合繊維であ
ることを特徴とする請求項1記載の伸縮性を有する織
物。 - 【請求項5】 紡績糸の160℃における乾熱収縮率が
20%以上であることを特徴とする請求項1記載の伸縮
性を有する織物。 - 【請求項6】 ポリエステル成分(A)と、該ポリエス
テル成分(A)よりも低収縮性のポリエステル成分
(B)とからなる潜在捲縮性偏芯型複合繊維を55重量
%以上含有し、下記(1)式で求められる撚係数が単糸
の場合は3.2〜4.7,合撚の場合は下撚が、3.2
〜4.7、上撚りが単糸の下撚の追撚方向で0.5〜
1.5倍の撚数にある紡績糸を製造し、該紡績糸を織物
全体に対して25〜100重量%を占めるように経糸お
よび/又は緯糸に用いて、下記(2)式で表される基本
密度係数が10〜35の範囲にある織物を製造し、次い
で該織物を染色前及び/又は染色時に湿熱125℃以上
もしくは乾熱160℃以上でしかもフリー状態で熱処理
することを特徴とする伸縮性を有する織物の製造方法。 撚係数=T/(Ne)1/2 … (1) T:紡績糸の1インチ当たりの撚数 Ne:紡績糸の
英式番手 基本密度係数 ={(2n/(2(Nw)1/2)+St/(2(Nt)1/2)}×T/St+ {(2n/(2(Nt)1/2)+Sw/(2(Nw)1/2)}×W/Sw…(2) n:1循環中の組織点 Nt:経糸番手 N
w:緯糸番手 T:経密度(本/インチ) W:緯密度(本/イン
チ) St:1循環中の経糸本数 Sw:1循環中の緯糸
本数 - 【請求項7】 フリー状態が経糸方向で+10%以上、
緯糸方向で+10%以上のオーバーフィード状態である
ことを特徴とする請求項6記載の伸縮性を有する織物の
製造方法。 - 【請求項8】 熱処理の前又は後で、減量率40%以下
の減量加工を行うことを特徴とする請求項6記載の伸縮
性を有する織物の製造方法。 - 【請求項9】 潜在捲縮性偏芯型複合繊維が、160
℃、荷重36mg/dの荷重下の乾熱収縮率が5%以上
で且つ160℃、無荷重下の熱処理時に発現する捲縮数
が40個/インチ以上であるポリエステル複合繊維であ
ることを特徴とする請求項6記載の伸縮性を有する織物
の製造方法。 - 【請求項10】 紡績糸の160℃における乾熱収縮率が
20%以上であることを特徴とする請求項6記載の伸縮
性を有する織物の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9002753A JPH10204747A (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 伸縮性を有する織物およびその製造方法 |
US08/959,042 US5874372A (en) | 1996-10-30 | 1997-10-28 | Highly stretchable fabrics and process for producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9002753A JPH10204747A (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 伸縮性を有する織物およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10204747A true JPH10204747A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11538116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9002753A Pending JPH10204747A (ja) | 1996-10-30 | 1997-01-10 | 伸縮性を有する織物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10204747A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015129735A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2017-03-30 | 東レ株式会社 | ポリアミド捲縮加工糸およびそれを用いた織編物 |
-
1997
- 1997-01-10 JP JP9002753A patent/JPH10204747A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015129735A1 (ja) * | 2014-02-26 | 2017-03-30 | 東レ株式会社 | ポリアミド捲縮加工糸およびそれを用いた織編物 |
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