JP2003115497A - 薄膜半導体装置及びその製造方法並びに当該装置を備える電子デバイス - Google Patents

薄膜半導体装置及びその製造方法並びに当該装置を備える電子デバイス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に形成された薄膜半導体装置及びその
製造方法において、半導体膜が結晶性の良い大粒径の結
晶粒から成り、チャネル形成領域の結晶粒界の位置が制
御されており、電気特性が良く、電気特性ばらつきの少
ない薄膜半導体装置及びその製造方法を提供する 【解決手段】 石英基板111上に下地保護膜112を
形成し、第一半導体膜113を形成し、下側絶縁膜11
4を形成し、活性半導体膜115を形成する。次に活性
半導体膜115側からYAG2ωレーザ116を照射し
て、活性半導体膜115の結晶を横方向に成長させる。
その後、ゲート絶縁膜を形成し、ゲート電極を結晶粒界
の両側に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜半導体装置及
びその製造方法並びに当該装置を備える電子デバイスに
関する。特に、ガラス等の絶縁表面を有する基板上に形
成される薄膜半導体装置(以下、TFTという)等の薄
膜半導体装置及びその製造方法並びに当該装置を備える
液晶表示装置及び有機EL表示装置等の電子デバイスに
関する。
【0002】
【従来の技術】複数の画素を有するアクティブ型液晶表
示装置、有機EL表示装置、及びイメージセンサ等の各
種電子デバイスにおいては、各画素を個別に駆動するた
めに、ガラス等の絶縁表面を有する基板上に形成される
TFTが用いられることが多い。また、近年の表示素子
は、画素を駆動するためのTFTが形成された基板上
に、このTFTのスイッチング動作を制御するための駆
動回路が設けられることが多い。この駆動回路内には多
数のトランジスタが設けられるが、このトランジスタも
TFTで形成されている。TFTは、ガラス等の絶縁性
表面上に薄膜状の珪素半導体(Si)又はその酸化物
(酸化珪素(SiO2))を堆積し、エッチング処理、
熱処理、電極形成処理、その他の処理を行いつつ、これ
らの処理を繰り返し行うことにより製造される。薄膜状
の珪素半導体は、結晶性を有するものと非晶質珪素半導
体(a−Si)とに大別される。
【0003】非晶質珪素半導体は作成温度が低く、気相
法で比較的容易に作成することが可能であり、更に量産
性にも富むため、TFTに用いる薄膜状の珪素半導体と
して最も一般的に用いられている。しかしながら、非晶
質珪素半導体は、導電率等の物性が結晶性を有する珪素
半導体に比べて劣るという欠点がある。従って、今後T
FTの動作速度を高速化するためには、結晶性を有する
珪素半導体を用いたTFT及びその製造方法を確立する
ことが極めて重要となる。
【0004】現状においては、結晶性を有する珪素半導
体として製造上の容易さから多結晶珪素半導体(p−S
i)が多く用いられている。汎用ガラス基板を使用し得
る600℃程度以下の低温にて薄膜状の多結晶珪素半導
体を作成する方法としては、非晶質珪素半導体膜を厚さ
50nm程度成膜した後、この非晶質珪素半導体膜にキ
セノン塩素(XeCl)エキシマレーザ光(波長308
nm)を照射し、非晶質珪素半導体膜を溶融結晶化させ
て多結晶珪素半導体膜を得るという方法が一般的であ
る。
【0005】しかしながら、上述の多結晶珪素半導体膜
を用いたTFTのチャネル形成領域には、多結晶珪素半
導体膜の結晶粒界が存在する為、その電気特性が単結晶
珪素半導体を用いたTFTに比べて著しく劣ることが分
かっている。このため、大粒径の多結晶珪素半導体を用
いることにより、結晶粒界の電気特性への影響を小さく
する方法等の方策が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のエキシマレーザ光を照射して多結晶珪素半導体膜を
得る方法では、最大1μm程度の結晶粒が得られるが、
結晶粒及び結晶粒界の位置を制御することができない。
このため、チャネル形成領域に結晶粒界が含まれるかど
うかは確率的事象であって、全く制御不可能であった。
チャネル形成領域に結晶粒界が含まれるか否かによりT
FTの特性は大きくばらつくことになる。例えば、チャ
ネル形成領域に存在する結晶粒界の数が多ければTFT
の電気特性は悪くなり、チャネル形成領域に存在する結
晶粒界の数が少なければTFTの電気特性は比較的良く
なる。しかしながら、例えチャネル形成領域に存在する
結晶粒界の数を少なくすることができたとしても、その
TFTの電気特性は単結晶珪素半導体を用いたTFTに
比べれば遙かに劣る。
【0007】近年の電子デバイスは高速動作が求められ
ており、特に電子デバイス内に設けられるTFTには各
素子毎の電気的特性のばらつきが少なく、且つ、高速で
スイッチング可能な優れた電気的特性が求められてい
る。例えば、液晶表示装置を例に挙げると、高精細化に
より画素の数が増加すると、増加した分だけ1画素がオ
ン状態となっている時間が短くなる。これは、画素を駆
動するTFTのみならず、このTFTを駆動するための
駆動回路内に設けられているTFTについても同様であ
る。従って、電子デバイスの特性を向上させるために
は、基本となるTFTの電気的特性を改善することが極
めて重要である。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、結晶粒界の位置が制御された結晶性の良い大粒径
の結晶粒からなる半導体膜を備え、電気特性が良く且つ
そのばらつきが少ない薄膜半導体装置及びその製造方法
並びに当該装置を備える電子デバイスを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の薄膜半導体装置の製造方法は、基板上に形
成された半導体膜の一部を活性領域として用いる薄膜半
導体装置の製造方法において、前記半導体膜の一部を局
所的に加熱する局所加熱機構を前記基板上に形成する加
熱機構形成工程と、前記加熱機構形成工程後に行われ、
前記半導体膜としての活性半導体膜を形成する活性半導
体膜形成工程と、前記局所加熱機構により前記活性半導
体膜が局所的に加熱された状態にて前記活性半導体膜を
溶融結晶化させる結晶化工程と、前記活性半導体膜を島
状に加工して前記活性領域を2つ形成する素子分離工程
とを含み、前記素子分離工程では、前記活性領域が配列
された第1方向に関して、前記活性領域が前記局所加熱
機構に完全に含まれ、且つ、前記局所加熱機構の中心近
傍の両側に所定の距離だけ離間した位置に配置されるよ
うに前記活性半導体膜を加工することを特徴としてい
る。かかる構成の発明は、まず基板上に局所加熱機構を
形成する(加熱機構形成工程)。局所加熱機構は、一例
として基板上に形成された島状の第一半導体膜とこれを
覆う下側絶縁膜とからなる。従って局所加熱機構形成工
程の具体例としては、基板上に第一半導体膜を堆積する
第一半導体膜堆積工程と、この第一半導体膜を所定の形
状に加工する第一半導体膜加工工程と、第一半導体膜上
に下側絶縁膜を形成する下側絶縁膜形成工程とを含んだ
工程が挙げられる。次に前記局所加熱機構上に活性半導
体膜を形成する(活性半導体膜形成工程)。活性半導体
膜は、非晶質半導体膜又は結晶性を有する半導体膜から
なる。従って活性半導体膜形成工程の具体例としては、
前記局所加熱機構上に非晶質半導体膜を堆積する工程が
挙げられ、更にこの非晶質半導体膜の結晶性を高める工
程として非晶質半導体膜を固相にて結晶化させる固相成
長工程又は非晶質半導体膜を溶融状態を経て結晶性を改
善する溶融結晶化改善工程が挙げられる。次に前記局所
加熱機構により前記活性半導体膜が局所的に加熱された
状態にて前記活性半導体膜を溶融結晶化させる(結晶化
工程)。この結晶化工程では、一例として前記活性半導
体膜側から光を照射することにより前記活性半導体膜を
溶融結晶化させる。光を照射すると、一部の光は前記活
性半導体膜に吸収され、一部の光は前記活性半導体膜を
透過する。ある程度の光を吸収した活性半導体膜は溶融
結晶化する。一方、活性半導体膜を透過した光は前記局
所加熱機構の第一半導体膜に吸収される。第一半導体膜
の温度は光を吸収したことにより上昇し、第一半導体膜
上の活性半導体膜は局所的に加熱される。ここで、活性
半導体膜は溶融結晶化過程にあるが、溶融結晶化過程で
は結晶粒は低温部から高温部に向かって成長する。活性
半導体膜の内でその下に局所加熱機構が配置されている
部位のみがその周辺に比べて高温になるため、冷却固化
時における結晶粒は局所加熱機構の辺の僅かに外側上の
活性半導体膜部位から局所加熱機構の中心上の活性半導
体膜部位に向かって成長する。局所加熱機構によって形
成された温度差が溶融半導体膜の冷却固化時に結晶の横
成長を生じさせるのである。ここで、結晶化工程の具体
例としては、活性半導体膜側から活性半導体膜を20%
程度以上透過するレーザ光を照射するという工程が挙げ
られる。そのレーザ光の具体例としては光の波長が約5
32nmの固体レーザの高調波が挙げられ、更に具体的
にいえばQスイッチ発振するネオジウム(Nd)添加の
イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)レーザ
光の第二高調波(Nd:YAG2ωレーザ光)等が挙げ
られる。結晶化工程が終了したら、前記活性半導体膜を
島状に加工して2つの活性領域を形成する(素子分離工
程)。この素子分離工程では、前記活性領域が配列され
た第1方向に関して、前記活性領域の各々が前記局所加
熱機構に完全に含まれるように前記活性半導体膜を加工
する。活性半導体膜内での結晶横成長は必ず局所加熱機
構の外側1μm程度の位置から始まる。従って、上述の
位置関係に局所加熱機構と活性領域とを設定しておけ
ば、活性領域内で第1方向(薄膜半導体装置が動作する
際の電流方向)を横切る第2方向に延びる結晶粒界(電
流を横切る結晶粒界)の数を常に局所加熱機構の中心上
付近に一個とすることができる。更に、本発明では、前
記活性領域が配列された第1方向に関して、前記活性領
域が前記局所加熱機構に完全に含まれ、且つ、前記局所
加熱機構の中心近傍の両側に所定の距離だけ離間した位
置に配置されるように前記活性半導体膜を加工する。か
かる位置関係に局所加熱機構と活性領域とを設定してお
けば、活性領域内において第1方向(半導体装置が動作
する際の電流方向)を横切る結晶粒界(電流を横切る結
晶粒界)を全く無くすことができる。即ち、活性領域内
に結晶粒界を横切らない電流経路を必ず複数個形成する
ことができるので、本発明の薄膜半導体装置は単結晶珪
素薄膜を用いた小さなシリコン−オン−インシュレータ
ー(SOI)装置を複数個並列接続したものと同等と化
し、その性能は一般的な薄膜半導体装置に比べて飛躍的
に向上する。また、活性領域内で第1方向を横切る結晶
粒界が全く無いので、結晶粒界の存在に起因する薄膜半
導体装置の特性ばらつきが無くなる。即ち、基板上に形
成される全ての薄膜半導体装置がほとんど同じ特性を示
す様になる。更に、上述の位置関係に局所加熱機構と活
性領域とを設定しておけば、薄膜半導体装置のオフ電流
が低減されるという効果がある。上述の位置関係に局所
加熱機構と活性領域とを設定しておくということは、活
性領域を第1方向に分割するということである。すると
薄膜半導体装置のソース・ドレイン電圧は各活性領域に
割り振られ、その結果ドレイン領域端空乏領域の電場が
弱くなる。よってプール・フレンケル効果を伴うフォノ
ン・アシスト・トンネリング現象は抑制され、薄膜半導
体装置のオフ電流は低減されるのである。以上のよう
に、本発明の薄膜半導体装置の製造方法によれば、活性
領域内において、当該活性領域が配列された第1方向を
横切る結晶粒界が全く無く、活性領域は第1方向に分割
されているので、電気特性が良く、ばらつきの少ない薄
膜半導体装置を製造できる。また、本発明の薄膜半導体
装置の製造方法は、前記第1方向における前記活性領域
それぞれの長さが、2μm以下であることを特徴として
いる。この発明によれば、活性領域内において、前記第
1方向を横切る結晶粒界を確実に無くすことができると
いう効果を有する。結晶の横成長の大きさは典型的には
2μmから2.5μm程度であり、最大でも3.5μm
程度である。よって、活性領域の第1方向の長さを2μ
m以下にすることによって、活性領域内において前記第
1方向を横切る結晶粒界を確実に無くすことができるの
である。また、本発明の薄膜半導体装置の製造方法は、
前記活性領域各々の位置が、前記局所加熱機構の中心近
傍から前記第1方向にそれぞれ0.5μm以上離間した
位置に設定されることを特徴としている。この発明によ
れば、活性領域内において第1方向を横切る第2方向に
延びる結晶粒界を確実に含まないようにすることができ
るという効果を有する。第2方向に延びる結晶粒界付近
は、結晶粒界部を頂上として山状に***している。この
発明によれば、結晶粒界部を頂上とする山状の領域を避
けて活性領域を形成することができる。即ち、活性領域
は半導体膜厚の薄い領域のみに形成されるため、半導体
装置の電気特性が向上する。また、活性領域が平坦な領
域に形成されるので、活性領域とゲート絶縁膜との界面
状態が良好になり、半導体装置の信頼性が向上する。上
記課題を解決するために、本発明の薄膜半導体装置は、
基板上に形成された半導体膜の一部を活性領域として用
いる薄膜半導体装置において、前記半導体膜には、異な
る2箇所に活性領域が形成されており、前記活性領域に
は、前記活性領域が配列された第1方向に延びる結晶粒
界のみが存在し、前記活性領域の間には、前記第1方向
を横切る第2方向に延びる1つの結晶粒界が存在するこ
とを特徴としている。この発明によれば、活性領域内に
おいて第2方向に延びる結晶粒界が全く無く、しかも活
性領域が第2方向に分割されているので、電気特性が良
く、ばらつきの少ない薄膜半導体装置となる。また、本
発明の薄膜半導体装置は、前記第1方向における前記活
性領域それぞれの長さが、2μm以下であることを特徴
としている。この発明によれば、活性領域内において、
第2方向に延びる結晶粒界を確実に無くすことができる
という効果を有する。半導体膜を溶融結晶化によって横
成長させた場合、結晶の横成長の大きさは典型的には2
μmから2.5μm程度であり、最大で3.5μm程度
である。よって、活性領域の第1方向の長さを2μm以
下にすることによって、活性領域内において第2方向に
延びる結晶粒界を確実に無くすことができるのである。
また、本発明の薄膜半導体装置は、前記活性領域各々の
位置が、前記結晶粒界から前記第1方向にそれぞれ0.
5μm以上離間した位置に設定されることを特徴として
いる。この発明によれば、活性領域内において第1方向
を横切る第2方向に延びる結晶粒界を確実に含まないよ
うにすることができるという効果を有する。第2方向に
延びる結晶粒界付近は、結晶粒界部を頂上として山状に
***している。この発明によれば、結晶粒界部を頂上と
する山状の領域を避けて活性領域を形成することができ
る。即ち、活性領域は半導体膜厚の薄い領域のみに形成
されるため、半導体装置の電気特性が向上する。また、
活性領域が平坦な領域に形成されるので、活性領域とゲ
ート絶縁膜との界面状態が良好になり、半導体装置の信
頼性が向上する。上記課題を解決するために、本発明の
電子デバイスは、上記の何れかに記載された薄膜半導体
装置の製造方法を用いて製造された薄膜半導体装置、又
は、上記の何れかに記載された薄膜半導体装置を、画素
のスイッチング手段として備えることを特徴としてい
る。ここで、画素とは、走査線と、データ線と、走査線
とデータ線とに接続されたスイッチング手段と、当該ス
イッチング手段に接続された画素電極からなるものであ
る。この発明によれば、電気特性が良く且つそのばらつ
きが少ない薄膜半導体装置を電気的なスイッチング手段
及び電気光学的なスイッチング手段の少なくとも一方の
スイッチング手段として備えており、動作速度を高速化
することができるため、多数の画素を有するアクティブ
型液晶表示装置、有機EL表示装置、及びイメージセン
サ等の各種電子デバイスに用いて極めて好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態による薄膜半導体装置及びその製造方法並びに
当該装置を備える電子デバイスについて詳細に説明す
る。図1は、本発明の一実施形態による電子デバイスの
全体構成の一例を示す斜視図である。図1に示した電子
デバイスは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transisto
r, 以下、TFTと略記する)をスイッチング手段とし
て用いたアクティブマトリクス方式の透過型液晶装置の
例であり、図1(a)は液晶装置の全体構成を示す斜視
図であって、図1(b)は図1(a)における一画素の
拡大図である。尚、図1においては、理解を容易にする
ため、画素及び画素に設けられたTFTを拡大して図示
している。
【0011】本実施形態による電子デバイスとしての液
晶装置1は、図1(a)に示すように、TFTが形成さ
れた側の素子基板2と対向基板3とが対向配置され、こ
れらの素子基板2と対向基板3との間に誘電率異方性が
正の液晶からなる液晶層(図示省略)が封入されてい
る。素子基板2の内面側には、多数のソース線4及び多
数のゲート線5が互いに交差するように格子状に設けら
れている。各ソース線4と各ゲート線5の交差点の近傍
にはTFT6が形成されており、各TFT6を介して画
素電極7がそれぞれ接続されている。即ち、マトリクス
状に配置された各画素毎に1つのTFT6と1つの画素
電極7とが設けられている。一方、対向基板3の内面側
全面には、多数の画素がマトリクス状に配列されてなる
表示領域の全体にわたって一つの共通電極8が形成され
ている。
【0012】図1(b)に示すように、TFT6は、ゲ
ート線5から延びるゲート電極10と、ゲート電極10
を覆う絶縁膜(図示略)と、この絶縁膜上に形成された
多結晶シリコンからなる半導体層11と、半導体層11
中のソース領域に電気的に接続されたソース線4から延
びるソース電極12と、半導体層11中のドレイン領域
に電気的に接続されたドレイン電極13とを有してい
る。そして、TFT6のドレイン電極13が画素電極7
に電気的に接続されている。本実施形態においては、画
素電極7がITO等の透明導電膜で形成され、対向基板
3側の共通電極8もITO等の透明導電膜で形成されて
いる。
【0013】また、図1において、20,21はTFT
6を駆動するための駆動回路(ソースドライバ)を示し
ている。この駆動回路20,21は、TFT6と同様に
素子基板2の内面側に形成されており、図示せぬ多数の
TFTを含んで構成されている。この駆動回路20,2
1には、図示せぬ制御回路から制御信号が供給されてお
り、この制御信号に基づいて各TFT6を駆動するため
の駆動信号(走査信号)を生成する。また、図1中の2
2,23は、TFT6を駆動するためのもう一つの駆動
回路(ゲートドライバ)を示している。この駆動回路2
2,23も多数のTFTを含んで構成され、供給される
制御信号から各TFT6を駆動するための駆動信号(デ
ータ信号)を生成する。
【0014】以上、本発明の一実施形態による電子デバ
イスの一例としての液晶装置について説明したが、次
に、本発明の実施形態による薄膜半導体装置としてのT
FT6及び駆動回路20〜23内に設けられる図示しな
いTFTの製造方法及びその構成の詳細について説明す
る。
【0015】〔第1実施形態による薄膜半導体装置及び
その製造方法〕図2〜図6は、本発明の第1実施形態に
よる薄膜半導体装置の製造方法の一例を示す工程図であ
る。図2〜図6において、(a)は薄膜半導体装置の断
面図であり、(b)は平面透視図である。尚、以下の説
明においては、図2〜図6中に示したXYZ直交座標系
を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の
位置関係について説明する。図2〜図6に示したXYZ
直交座標系は、積層構造を有する薄膜半導体装置の界面
内にXY平面を設定し、界面に直交する方向をZ軸方向
に設定してある。
【0016】本実施形態の薄膜半導体装置は、図2に示
すように、まず、基板として厚さ1.1mmの石英基板
111を用い、この石英基板111上に下地保護膜11
2として電子サイクロトロン共鳴プラズマ化学気相堆積
法(ECR−PECVD法)により酸化珪素膜(SiO
2膜)を膜厚200nm程度堆積する。次に、下地保護
膜112としての酸化珪素膜上に低圧化学気相堆積法
(LPCVD法)により非晶質珪素膜(a−Si膜)を
膜厚50nm程度堆積し、その後フォト・リソグラフィ
ー法により上記非晶質珪素膜をパターニングして第一半
導体膜113とする。
【0017】第一半導体膜113の長さ(Y方向の長
さ)は後述する活性領域の長さ(X方向の長さ)よりも
約1μm長くなるように形成される。尚、詳細は後述す
るが、活性領域のY方向の位置は第一半導体膜113の
中央付近に設定される。また、第一半導体膜の幅(X方
向の長さ)は50μm程度に設定され、活性領域は幅方
向(X方向)に関して完全に第一半導体膜113に包含
されるように設定される。
【0018】第一半導体膜113を形成すると、次に、
第一半導体膜113上に下側絶縁膜114としてECR
−PECVD法により酸化珪素膜を膜厚160nm程度
堆積する。上述した第一半導体膜113と下側絶縁膜1
14とは、後に活性領域と化す半導体膜(活性半導体
膜)部位を局所的に加熱する発熱部材であり、本発明に
いう局所加熱機構に相当するものである。尚、第一半導
体膜113及び下側絶縁膜114を形成する工程は、本
発明にいう加熱機構形成工程に相当する。
【0019】以上の工程が終了すると、下側絶縁膜11
4としての酸化珪素膜上に活性半導体膜115としてL
PCVD法により非晶質珪素膜を膜厚50nm程度堆積
し、その後固相成長法により窒素雰囲気下600℃にて
48時間の熱処理を施して活性半導体膜115の結晶性
を改善し、更に活性半導体膜115としての大粒径多結
晶珪素膜にキセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ
(波長308nm)を照射して活性珪素膜中の結晶内部
欠陥を低減する。この工程は本発明にいう活性半導体膜
形成工程に相当する。
【0020】以上の工程が終了すると、第一半導体膜1
13と下側絶縁膜114とからなる発熱部材によって活
性半導体膜115を局所的に加熱した状態で活性半導体
膜115を溶融結晶化させる工程が行われる。具体的に
は、図3(a)に示すように、活性半導体膜115とし
ての多結晶珪素膜側からイットリウムアルミニウムガー
ネットにNd3+イオンをドープしたものを母体結晶とし
たレーザ(YAGレーザ:波長1064nm)の第二高
調波を用いたレーザ(YAG2ωレーザ:波長532n
m)から射出されるYAG2ωレーザ光116を照射す
る。
【0021】YAG2ωレーザ光116の照射領域は長
さ15mmで幅65μmの長方形状であり、その照射領
域内における光強度分布は、長さ方向に略台形状に分布
しており、幅方向については、略台形状又は略ガウス関
数的な光強度分布を有しているのが好ましい。YAG2
ωレーザ光116の照射領域は、その長さ方向が第一半
導体膜113の幅方向(X方向)とほぼ一致するように
設定される。従って、YAG2ωレーザ光116は、照
射領域の幅の分だけ移動(進行)させて順次照射される
が、この照射領域の進行方向と薄膜半導体装置のソース
・ドレイン方向とがほぼ平行になる。
【0022】ここで、YAG2ωレーザ光116の照射
エネルギー密度は450mJ・cm -2で、活性半導体膜
115上の任意の一点は20回のパルスレーザ光が照射
される。YAG2ωレーザ光116を照射すると、YA
G2ωレーザ光116の一部は活性半導体膜115とし
ての多結晶珪素膜に吸収されるが、残りのYAG2ωレ
ーザ光116は活性半導体膜115としての多結晶珪素
膜に吸収されずに透過する。活性半導体膜115として
の多結晶珪素膜を透過したYAG2ωレーザ光117は
下側絶縁膜114としての酸化珪素膜を透過して第一半
導体膜113に吸収される。尚、下側絶縁膜114に入
射したYAG2ωレーザ光117の一部は、酸化珪素膜
11内において多重反射又は干渉した後で第一半導体膜
113に吸収される。
【0023】第一半導体膜113はYAG2ωレーザ光
117を吸収したことにより温度が上昇し、熱を持つよ
うになる。この第一半導体膜113から放出される熱1
18が活性半導体膜115に影響して、第一半導体膜1
13直上の活性半導体膜115の温度が、第一半導体膜
113直上以外の活性半導体膜115の温度よりも高く
なる。こうして生じた活性半導体膜115内の温度差に
より活性半導体膜115の結晶成長が温度が低い領域
(第一半導体膜113直上以外の活性半導体膜から温度
が高い領域(第一半導体膜113直上の活性半導体膜)
へ(図3中Y方向)と生じる。
【0024】Y軸方向に関しては、第一半導体膜113
の直上が最も温度が高く、この位置からY方向及び−Y
方向へ進むに従って、温度が低くなる。従って、結晶成
長はY方向及び−Y方向へ進行する訳であるが、最終的
に第一半導体膜113の中央直上で二つの成長した結晶
が衝突し、そこに結晶の成長方向(Y方向:第1方向)
に垂直な方向(X方向:第2方向)に延びる結晶粒界1
19が生ずる。図3(b)に示すように、X軸方向に延
びる結晶粒界119は1つのみであり、他の結晶粒界は
Y軸方向へ延びていることに注意されたい。尚、結晶の
横成長(X方向及びY方向)の大きさは典型的には2μ
m〜2.5μm程度であり、最大で3.5μm程度とな
る。尚、以上の工程は、本発明にいう結晶化工程に相当
する。
【0025】YAG2ωレーザー光116を照射して活
性半導体膜115の結晶化を行なった後は、活性半導体
膜115を島状に加工して活性領域を形成する素子分離
工程として、フォト・リソグラフィー法により活性半導
体膜115のパターニングを行う。ここで、図4(b)
に示すように、パターニング後の活性半導体膜115の
幅(X方向の長さ)が第一半導体膜113の幅(X方向
の長さ)よりも短くなり、且つ活性半導体膜115の長
さ(Y方向の長さ)が第一半導体膜113の長さ(Y方
向の長さ)よりも長くなるようにパターニングする。こ
のようにパターニングすることで、活性領域が長さ方向
(Y方向)に関して局所加熱機構としての第一半導体膜
113に完全に含まれることになる。
【0026】以上の工程が終了すると、活性半導体膜1
15上にゲート絶縁膜としてECR−PECVD法によ
り酸化珪素膜を膜厚60nm程度堆積する。この酸化珪
素膜は、ゲート絶縁膜120として用いられる。そし
て、ゲート絶縁膜120としての酸化珪素膜上にスパッ
タリング法により窒化タンタル(TaN)膜を50nm
程度堆積し、タンタル(Ta)膜を450nm程度堆積
する。その後、フォト・リソグラフィー法により上記T
aN膜、Ta膜をパターニングしてゲート電極121
a,121bとする。
【0027】このパターニングを行なう際に、薄膜半導
体装置のチャネル形成領域となるゲート電極121a,
121b直下の活性半導体膜115が、長さ方向(Y方
向)に関して第一半導体膜113に完全に含まれ、且つ
第一半導体膜113の長さ方向に関する中心近傍、即ち
結晶の横成長方向(Y方向:第1方向)に垂直な方向
(X方向:第2方向)の結晶粒界119を含まず、且つ
Y方向に関して第一半導体膜113の中心近傍の両側に
位置するようにゲート電極121a,121bを形成す
る。ゲート電極121a,121bのY方向の長さは2
μmとし、ゲート電極121a,121bのY方向の位
置はY方向における第一半導体膜113の中心直上位置
からY方向及びーY方向へそれぞれ0.5μm離間した
位置に設定する。尚、図4(b)に示すようにゲート電
極121a,121bは、共通の電極121に接続され
ている。
【0028】以上の工程を経て、ゲート電極121a,
121bを形成すると、次にゲート電極121a,12
1bをマスクとしてドナー又はアクセプターとなる不純
物イオンをイオンドーピング法により打ち込み、図5
(a)、図5(b)に示すように、ソース領域115
a、ドレイン領域115c、及びチャネル形成領域11
5bを自己整合的に形成する。この時、活性半導体膜1
15の結晶の横成長方向(Y方向)に沿ってキャリアが
移動するようにソース領域115a及びドレイン領域1
15cを形成する。そして、ソース領域115a及びド
レイン領域115cに添加された不純物元素の活性化を
行なうために、窒素雰囲気下において、300℃にて4
時間の熱処理を施す。ここで、チャネル形成領域115
bは、ゲート電極121a,121bをマスクとして形
成されるため、X方向に延びた結晶粒界119の両側に
形成される。つまり、2つのチャネル形成領域115b
の間に結晶流界119が位置するように形成される。
【0029】その後、層間絶縁膜122としてプラズマ
CVD法(PECVD法)によりTEOS(Si(OC
2CH34)と酸素とを原料気体とした酸化珪素膜を
膜厚500nm程度堆積する。最後に、フォト・リソグ
ラフィー法によりコンタクト・ホールを形成した後で、
スパッタリング法によりアルミニウム(Al)を堆積
し、フォト・リソグラフィー法によりAlをパターニン
グしてソース電極123及びドレイン電極124を形成
して薄膜半導体装置が製造される。
【0030】以上説明したように、本発明の第1実施形
態による薄膜半導体装置によれば、ゲート電極121
a,121bの直下に形成されるチャネル形成領域11
5bには、キャリアが移動する方向(Y方向)に垂直な
方向(X方向)に延びる結晶粒界が存在しないため、単
結晶半導体装置並みの高性能のスイッチング特性を有
し、しかも薄膜半導体装置毎の特性のばらつきがない薄
膜半導体装置を製造することができる。
【0031】〔第2実施形態による薄膜半導体装置〕次
に、本発明の第2実施形態による薄膜半導体装置及びそ
の製造方法について説明する。尚、以下の説明において
は、以上説明した第1実施形態による薄膜半導体装置及
びその製造方法と共通する部分については、説明を簡略
化し又は説明を割愛する。図7は、本発明の第2実施形
態による薄膜半導体装置を説明するための図であり、
(a)は薄膜半導体装置の断面図であり、(b)は平面
透視図である。尚、第1実施形態と同様に、XYZ直交
座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各
部材の位置関係について説明する。図2〜図6に示した
XYZ直交座標系は、積層構造を有する薄膜半導体装置
の界面内にXY平面を設定し、界面に直交する方向をZ
軸方向に設定してある。
【0032】本実施形態の薄膜半導体装置は、基板とし
て厚さ1.1mmの石英基板211があり、この石英基
板211上に下地保護膜212として酸化珪素膜が膜厚
200nm程度に形成されている。更に、下地保護膜2
12としての酸化珪素膜上に活性半導体膜として多結晶
珪素膜213が膜厚50nm程度形成されている。ここ
で、本発明の第1実施形態と同様に、下地保護膜212
としての酸化珪素膜と活性半導体膜としての多結晶珪素
膜213との間に発熱部材として第一半導体膜と下側絶
縁膜とが存在していても良い。
【0033】また、上述した活性半導体膜としての多結
晶珪素膜213の上にゲート絶縁膜215としての酸化
珪素膜が形成されており、このゲート絶縁膜215とし
ての酸化珪素膜上にゲート電極216a,216bとし
て膜厚50nm程度の窒化タンタル(TaN)膜と膜厚
450nm程度のタンタル(Ta)膜が形成されてい
る。更に、ゲート電極216a,216b及びゲート絶
縁膜215上には、層間絶縁膜217としての酸化珪素
膜とアルミニウム(Al)からなるソース電極218及
びドレイン電極219が形成されている。本実施形態の
薄膜半導体装置は以上の構成を有している。
【0034】第1実施形態と同様に、本実施形態におい
てもチャネル形成領域213bは長さ方向(Y方向)に
2つ形成され、この2つのチャネル形成領域213bの
間に長さ方向(Y方向)を横切る方向(X方向)に延び
る結晶粒界214が一つ存在する。そして、2つチャネ
ル形成領域213b内には、X方向に延びる結晶粒界が
存在しない。2つのチャネル形成領域213bの間、チ
ャネル形成領域213bを挟む2つの領域(図7中斜線
を付した領域)は不純物イオンが打ち込まれた低抵抗領
域であり、チャネル形成領域213bを挟む2つの領域
は、それぞれソース領域213a及びドレイン領域21
3cである。また、チャネル形成領域213bのY方向
の長さはそれぞれ2μmであり、2つのチャネル形成領
域213b各々は、X方向に延びる結晶粒界214から
ぞれぞれY方向、−Y方向に0.5μm離間した位置に
形成されている。
【0035】以上説明したように、本発明の第2実施形
態による薄膜半導体装置によれば、薄膜半導体装置のチ
ャネル形成領域となるゲート電極直下の活性領域に、キ
ャリアが移動する方向に垂直な方向に延びる結晶粒界が
存在しないので、単結晶半導体装置並みの高性能な薄膜
半導体装置が得られる。
【0036】以上、本発明の第1、第2実施形態による
薄膜半導体装置、及びその製造方法、並びに薄膜半導体
装置を備える電子デバイスについて説明したが、本発明
は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に
変更が可能である。例えば、上記実施形態では、薄膜半
導体装置として液晶表示装置の画素を駆動するために設
けられるTFT及びこのTFTを駆動するための駆動装
置内に設けられるTFTを例に挙げて説明したが。しか
しながら、本発明は液晶表示装置に設けられるTFTの
みならず、有機EL表示装置に設けられるTFTにも適
用することができる。勿論、有機EL表示装置の場合
も、画素を駆動するために設けられるTFT及びこのT
FTを駆動するための駆動装置内に設けられるTFTに
適用することができる。つまるところ、本発明は、トラ
ンジスタを製造する過程で活性領域内に結晶粒界が生
じ、電気特性が悪化する場合の全般について適用可能で
ある。
【0037】また、上記実施形態では、電子デバイスと
して液晶表示装置を例に挙げたが、有機EL表示装置及
びイメージセンサのみならず、液晶プロジェクタ、マル
チメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及び
エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ペ
ージャ、携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビュー
ファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコー
ダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装
置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子デ
バイスに適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
結晶性の良い大粒径の結晶粒から成る半導体膜から成
り、チャネル形成領域の結晶粒界の位置が制御された、
電気特性が良く、ばらつきの少ない薄膜半導体装置を提
供することができるという効果がある。また、本発明の
薄膜半導体装置の製造方法によると、安価なガラス基板
の使用が可能となる低温プロセスを用いて高性能な薄膜
半導体装置を容易に且つ安定的に製造することができる
という効果がある。従って、本発明の薄膜半導体装置、
及びその製造方法をアクティブ・マトリックス液晶表示
装置に適用した場合には、大型で高品質な液晶表示装置
を容易に且つ安定的に製造することができる。この発明
によれば、電気特性が良く且つそのばらつきが少ない薄
膜半導体装置を電気的なスイッチング手段及び電気光学
的なスイッチング手段の少なくとも一方のスイッチング
手段として備えており、動作速度を高速化することがで
きるため、多数の画素を有するアクティブ型液晶表示装
置、有機EL表示装置、及びイメージセンサ等の各種電
子デバイスに用いて極めて好適である。更に、他の電子
デバイスの製造に適用した場合にも高品質な電子デバイ
スを容易に且つ安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電子デバイスの全
体構成の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の第1実施形態による薄膜半導体装置
の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は薄膜半
導体装置の断面図であり、(b)は平面透視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態による薄膜半導体装置
の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は薄膜半
導体装置の断面図であり、(b)は平面透視図である。
【図4】 本発明の第1実施形態による薄膜半導体装置
の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は薄膜半
導体装置の断面図であり、(b)は平面透視図である。
【図5】 本発明の第1実施形態による薄膜半導体装置
の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は薄膜半
導体装置の断面図であり、(b)は平面透視図である。
【図6】 本発明の第1実施形態による薄膜半導体装置
の製造方法の一例を示す工程図であり、(a)は薄膜半
導体装置の断面図であり、(b)は平面透視図である。
【図7】 本発明の第2実施形態による薄膜半導体装置
を説明するための図であり、(a)は薄膜半導体装置の
断面図であり、(b)は平面透視図である。
【符号の説明】
20〜23……駆動回路 111,211……石英基板 112,212……下地保護膜 113……第一半導体膜 114……下側絶縁膜 115,213……活性半導体膜 115a,213a……ソース領域 115c,213c……ドレイン領域 115b,213b……チャネル形成領域 116……YAG2ωレーザ光 117……活性半導体膜を透過したYAG2ωレーザ光 118……第一半導体膜の熱 119,214……結晶粒界 120,215……ゲート絶縁膜 121a,121b,216a,216b……ゲート電
極 122,217……層間絶縁膜 123,218……ソース電極 124,219……ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 618Z (72)発明者 宮坂 光敏 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 小川 哲也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 時岡 秀忠 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H092 JA25 JA29 JA31 JA33 JA35 JA43 JB13 KA04 KA07 KA12 KA17 KA22 MA08 MA13 MA17 MA29 MA35 MA37 NA22 NA27 5C094 AA13 AA25 AA42 AA43 AA48 AA53 BA03 BA27 BA43 CA19 DA09 DA13 DB01 DB04 EA04 EB02 FA01 FA02 FB12 FB14 FB15 GB10 JA08 5F052 AA02 AA17 BA01 BA04 BA07 BB02 BB07 DA02 DB02 DB03 EA11 FA04 FA19 HA01 JA01 5F110 AA30 BB01 BB02 CC02 DD03 DD11 DD12 DD13 DD17 EE01 EE04 EE14 EE28 EE44 FF02 FF31 GG02 GG13 GG25 GG26 GG28 GG47 HJ12 HL03 HL23 NN02 NN04 NN23 NN35 NN72 PP01 PP03 PP04 PP06 PP10 PP13 PP24 PP29 QQ11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された半導体膜の一部を活
    性領域として用いる薄膜半導体装置の製造方法におい
    て、 前記半導体膜の一部を局所的に加熱する局所加熱機構を
    前記基板上に形成する加熱機構形成工程と、 前記加熱機構形成工程後に行われ、前記半導体膜として
    の活性半導体膜を形成する活性半導体膜形成工程と、 前記局所加熱機構により前記活性半導体膜が局所的に加
    熱された状態にて前記活性半導体膜を溶融結晶化させる
    結晶化工程と、 前記活性半導体膜を島状に加工して前記活性領域を2つ
    形成する素子分離工程とを含み、 前記素子分離工程では、前記活性領域が配列された第1
    方向に関して、前記活性領域が前記局所加熱機構に完全
    に含まれ、且つ、前記局所加熱機構の中心近傍の両側に
    所定の距離だけ離間した位置に配置されるように前記活
    性半導体膜を加工することを特徴とする薄膜半導体装置
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1方向における前記活性領域それ
    ぞれの長さは、2μm以下であることを特徴とする請求
    項1記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記活性領域各々の位置は、前記局所加
    熱機構の中心近傍から前記第1方向にそれぞれ0.5μ
    m以上離間した位置に設定されることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に形成された半導体膜の一部を活
    性領域として用いる薄膜半導体装置において、 前記半導体膜には、異なる2箇所に活性領域が形成され
    ており、 前記活性領域には、前記活性領域が配列された第1方向
    に延びる結晶粒界のみが存在し、前記活性領域の間に
    は、前記第1方向を横切る第2方向に延びる1つの結晶
    粒界が存在することを特徴とする薄膜半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第1方向における前記活性領域それ
    ぞれの長さは、2μm以下であることを特徴とする請求
    項4記載の薄膜半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記活性領域各々の位置は、前記結晶粒
    界から前記第1方向にそれぞれ0.5μm以上離間した
    位置に設定されることを特徴とする請求項4又は請求項
    5記載の薄膜半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項3の何れか一項に記
    載の薄膜半導体装置の製造方法を用いて製造された薄膜
    半導体装置、又は、請求項4から請求項6の何れか一項
    に記載の薄膜半導体装置を、電気的なスイッチング手段
    及び電気光学的なスイッチング手段の少なくとも一方の
    スイッチング手段として備えることを特徴とする電子デ
    バイス。
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