JP2003113370A - 化学的機械的研磨用スラリー、半導体装置の製造方法、半導体装置の製造装置、及び化学的機械的研磨用スラリーの取り扱い方法 - Google Patents

化学的機械的研磨用スラリー、半導体装置の製造方法、半導体装置の製造装置、及び化学的機械的研磨用スラリーの取り扱い方法

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JP2003113370A JP2002089951A JP2002089951A JP2003113370A JP 2003113370 A JP2003113370 A JP 2003113370A JP 2002089951 A JP2002089951 A JP 2002089951A JP 2002089951 A JP2002089951 A JP 2002089951A JP 2003113370 A JP2003113370 A JP 2003113370A
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polishing
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abrasive particles
particles
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Yukiteru Matsui
之輝 松井
Hiroyuki Yano
博之 矢野
Fukugaku Minami
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    • C11D1/66Non-ionic compounds
    • C11D2111/22

Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度な研磨を高い研磨速度で実施可能であり
且つ保管や廃棄が容易なCMP用スラリー、その取り扱
い方法、それを用いた半導体装置の製造方法、及びそれ
を使用可能な半導体装置の製造装置を提供すること。 【解決手段】本発明の化学的機械的研磨用スラリー7
は、分散媒25と、前記分散媒25中に分散し且つ光照
射により光触媒作用を呈する研磨粒子18と、前記分散
媒25中に溶解したノニオン界面活性剤とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学的機械的研磨
法に用いるスラリー、その取り扱い方法、半導体装置の
製造方法、及び半導体装置の製造装置に係り、特には、
DRAMや高速ロジックLSIなどの埋め込み配線を形
成するのに利用可能な化学的機械的研磨用スラリー、そ
の取り扱い方法、それを用いた半導体装置の製造方法、
及びそれを使用可能な半導体装置の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の分野では、デバイス
の微細化及び高密度化などが進み、様々な微細加工技術
の研究開発が為されている。なかでも、化学的機械的研
磨(以下、CMPという)技術は、微細且つ高密度な埋
め込み配線(ダマシン配線)を形成するうえで欠くこと
のできない技術である。
【0003】CMP技術には、例えば、銅やアルミニウ
ムなどの金属の埋め込み配線を形成するのに利用可能な
メタルCMP技術がある。このメタルCMP技術では、
以下に説明するように、研磨速度、平坦性、及びスクラ
ッチが、そのCMP性能を評価するうえで重要なパラメ
ータである。すなわち、半導体装置の生産性を向上させ
るためには、メタルCMPの研磨処理速度(或いは、ス
ループット)を高める必要がある。また、埋め込み配線
の抵抗値の上昇を抑制するためには、ディッシングやシ
ニング(或いはエロージョン)と呼ばれる埋め込み配線
の過剰研磨量(メタルロス)を可能な限り少なくする必
要がある。さらに、埋め込み配線に十分な電流が流れ、
設計通りに動作する半導体装置を高い歩留まりで得るた
めには、埋め込み配線に生ずるスクラッチの密度をでき
る限り低減することが要求される。
【0004】これらは、CMPに使用するスラリー及び
研磨パッドの特性に大きく依存している。例えば、上記
CMP性能は研磨パッドの硬さなどと相関しており、埋
め込み配線を形成するために金属を研磨するメインポリ
ッシュでは、一般に、パッドとして平坦性の良好な硬質
パッドが用いられている。
【0005】他方、CMP用スラリーがCMP性能に与
える影響は、スラリーに含まれる研磨粒子、酸化剤、或
いは添加剤などの特性に由来している。それらの中で
も、研磨粒子の特性がCMP性能に与える影響は極めて
大きく、例えば、一般に、スラリー中の研磨粒子のサイ
ズが大きくなる程、研磨速度は速くなる。
【0006】以下、CMP用スラリーの特性とCMP性
能との関係について、図38(a),(b)及び図39
(a),(b)を参照しながら説明する。一般に、CM
P用スラリー7は、水のような溶媒25と、アルミナ
(Al23)粒子或いはシリカ(SiO2)粒子のような研
磨粒子18と、酸化剤22とを含有している。通常、研
磨粒子18は、図38(a)に示すように、スラリー7
の溶媒25中で凝集して凝集体(或いは、二次粒子)2
0を形成している。これら凝集体20の径,すなわち二
次粒子径,が大きい程、その研磨速度は速くなる。
【0007】ところが、二次粒子径が大きくなると、図
39(a)に示すように金属配線26に深いディッシン
グ108が生じ易い。また、研磨粒子18の凝集が激し
く、二次粒子20が過度に大きくなった場合には、研磨
粒子18は粗大粒子を形成する。このような粗大粒子を
生じると、例えばアルミニウムなどの比較的柔らかい材
質からなる金属へのCMPの際に、スクラッチ109を
生じ易くなる。
【0008】これとは逆に、図38(b)に示すように
研磨粒子18の分散度が高い場合、図39(b)に示す
ように、金属配線26にディッシング108が生じるの
を抑制できるとともに、スクラッチ109も生じ難くな
る。しかしながら、研磨粒子18の分散度を高めた場
合、研磨速度は著しく低下する。すなわち、ディッシン
グ108やスクラッチ109の発生を抑制することと研
磨速度を高めることとはトレードオフの関係にある。
【0009】これは、次のように説明することができ
る。一般に、前述したメインポリッシュを行う際に使用
する研磨パッドの研磨面の凹凸の大きさ(或いは、粗
さ)は20μm程度である。このような研磨面の粗さに
比べると、研磨粒子18の大きさは十分に小さい。その
ため、凝集体20の分散度が高く、各研磨粒子18間の
距離が過剰に長い場合には、研磨粒子18が研磨パッド
表面の凹部に埋もれてしまう。すると、各研磨粒子18
は、金属配線26と十分に相互作用することができなく
なる。このような理由から、凝集体20の分散度が過剰
に高くなると、スラリー7の研磨能力は低下し、したが
って、研磨速度は著しく低下する。
【0010】このように、研磨粒子18の分散度はCM
P性能に大きな影響を与えるため、研磨粒子18の分散
度を所望値に制御することが重要である。しかしなが
ら、研磨粒子18の凝集状態は経時変化を生じ易い。例
えば、CMP用スラリー7を使用せずに保存しておく
と、粗大粒子数が時間の経過とともに増加する。すなわ
ち、長期間放置したスラリー7を使用した場合、ディッ
シング108やスクラッチ109をより生じ易い。ま
た、粗大粒子数が増えると、粗大粒子同士が凝集して、
さらに巨大な粗大粒子を生じる。凝集した粗大粒子は、
溶媒25中に浮遊していることができなくなり沈降す
る。一旦、沈殿した粗大粒子を再び溶媒中に分散させる
ことは殆ど不可能である。すなわち、そのようなスラリ
ーは実質的に使用不可能となる。
【0011】また、CMP用スラリー7に含まれる酸化
剤22も分解を生じ易い。酸化剤22は分解するとその
酸化力が著しく低下する。酸化力が低下した酸化剤22
は、研磨速度の低下のようなCMP性能の劣化を引き起
こす主な要因の1つである。このように、酸化剤22の
経時劣化も、スラリー7の短命化をもたらす。
【0012】さらに、使用後のCMP用スラリー7の廃
液中には、自然環境中では分解され難い有機物などが多
量に含まれている。このため、使用後のスラリー7を所
定の化学処理(浄化処理)を施さずに廃棄すると、自然
環境を汚染するおそれがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みて為されたものであり、高精度な研磨を高い研磨
速度で実施可能であり且つ保管や廃棄が容易なCMP用
スラリー、その取り扱い方法、それを用いた半導体装置
の製造方法、及びそれを使用可能な半導体装置の製造装
置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面によ
ると、分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光照射によ
り光触媒作用を呈する研磨粒子と、前記分散媒中に溶解
したノニオン界面活性剤とを含有した化学的機械的研磨
用スラリーが提供される。
【0015】本発明の第2の側面によると、分散媒と、
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子と、前記分散媒中に分散した樹脂粒子とを
含有した化学的機械的研磨用スラリーが提供される。
【0016】本発明の第3の側面によると、分散媒と、
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子と、前記分散媒中に分散したアルミナ粒子
とを含有した化学的機械的研磨用スラリーが提供され
る。
【0017】本発明の第4の側面によると、分散媒と、
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有し、前記研磨粒子は、チタンと、
酸素と、ニッケル、銅、銀、金、及びニオブからなる群
より選択される少なくとも1種の元素とを含有した化学
的機械的研磨用スラリーが提供される。
【0018】本発明の第5の側面によると、分散媒と、
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有し、前記研磨粒子は、チタンと、
酸素と、窒素及び硫黄の少なくとも一方の元素とを含有
した化学的機械的研磨用スラリーが提供される。
【0019】本発明の第6の側面によると、第1乃至第
5の側面の何れか1項に係るスラリーを用いて被研磨基
板の被研磨部に化学的機械的研磨処理を施す際に、前記
スラリーに向けて前記光照射することを含んだ半導体装
置の製造方法が提供される。
【0020】本発明の第7の側面によると、研磨部材と
被研磨基板とを相対移動させることにより前記被研磨基
板の被研磨部を化学的機械的研磨する半導体装置の製造
方法であって、前記研磨部材と前記被研磨基板との間に
分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒
作用を呈する研磨粒子とを含有した化学的機械的研磨用
スラリーを供給すること、及び、前記研磨部材と前記被
研磨基板との間に介在した前記スラリーに光を照射する
ことを含んだ半導体装置の製造方法が提供される。
【0021】本発明の第8の側面によると、半導体基板
上に凹部が設けられた絶縁膜を形成することと、前記絶
縁膜上に窒化タングステンを含んだバリア層を形成して
前記凹部の底面及び側壁を被覆することと、前記バリア
層上に銅を含んだ金属層を形成して前記凹部を埋め込む
ことと、前記金属層を化学的機械的研磨することとを含
み、前記化学的機械的研磨は、分散媒と前記分散媒中に
分散し且つ光照射により光触媒作用を呈する研磨粒子と
を含有した化学的機械的研磨用スラリーを研磨部材上に
供給すること、前記研磨部材上に供給した前記スラリー
に前記光を照射すること、及び、前記光を照射した前記
スラリーを前記研磨部材と前記金属表面との間に介在さ
せながら前記研磨部材と前記半導体基板とを相対移動さ
せることを含んだ半導体装置の製造方法が提供される。
【0022】本発明の第9の側面によると、分散媒と前
記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈す
る研磨粒子とを含有した化学的機械的研磨用スラリーを
用いて被研磨基板に化学的機械的研磨処理を施し、その
後、前記化学的機械的研磨処理に使用した前記スラリー
に向けて光を照射する半導体装置の製造方法が提供され
る。
【0023】本発明の第10の側面によると、分散媒と
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有した化学的機械的研磨用スラリー
を用いて被研磨基板の被研磨部を化学的機械的研磨する
ことと、前記化学的機械的研磨に使用した前記スラリー
から前記化学的機械的研磨に伴って生じる削りカスを除
去して前記化学的機械的研磨に利用可能な再生スラリー
を生成することとを含んだ半導体装置の製造方法が提供
される。
【0024】本発明の第11の側面によると、分散媒と
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有した化学的機械的研磨用スラリー
を用いて被研磨基板の被研磨部を化学的機械的研磨する
ことと、前記化学的機械的研磨に伴って生じ且つ前記化
学的機械的研磨に使用した前記スラリーに含まれる削り
カスを溶解させることと、前記削りカスを溶解させた前
記スラリーから前記研磨粒子を回収することと、前記回
収した研磨粒子を用いて前記化学的機械的研磨に利用可
能な再生スラリーを生成することとを含んだ半導体装置
の製造方法が提供される。
【0025】本発明の第12の側面によると、被研磨基
板を保持可能な基板保持具と、研磨部材を保持可能な研
磨治具と、前記基板保持具に保持された前記被研磨基板
と前記研磨治具に保持された前記研磨部材とを対向させ
ながら前記基板保持具を前記研磨治具に対して相対移動
させる駆動機構と、前記研磨治具に保持された前記研磨
部材の前記基板保持具に保持された前記被研磨基板に対
向した面に化学的機械的研磨用スラリーを供給可能なス
ラリー供給装置と、前記研磨部材の前記被研磨基板に対
向した面に供給した前記スラリーに光を照射する光照射
装置とを具備した半導体装置の製造装置が提供される。
【0026】本発明の第13の側面によると、分散媒と
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有した化学的機械的研磨用スラリー
を保管している間に前記スラリーに前記光を連続的に或
いは断続的に照射する化学的機械的研磨用スラリーの取
り扱い方法が提供される。
【0027】本発明の第14の側面によると、分散媒と
前記分散媒中に分散し且つ光照射により光触媒作用を呈
する研磨粒子とを含有し、前記研磨粒子の酸化力は前記
光照射により高まる化学的機械的研磨用スラリーを自然
環境中に放出し、前記自然環境中に放出した前記スラリ
ーへの前記光照射により前記自然環境及び前記スラリー
の少なくとも一方を浄化する化学的機械的研磨用スラリ
ーの取り扱い方法が提供される。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。なお、同一または類似の
機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重
複する説明は省略する。
【0029】(第1の実施形態)図1(a),(b)
は、本発明の第1の実施形態に係るCMP用スラリーを
概略的に示す図である。図1(a),(b)に示すCM
P用スラリー7は、分散媒25と、分散媒25中に分散
した研磨粒子18と、分散媒25中に溶解或いは分散し
た添加剤22とを含有している。なお、本実施形態にお
いて、添加剤22は任意成分である。
【0030】分散媒25は、例えば、水のような極性溶
媒である。また、研磨粒子18は、所定の波長の光を照
射することにより光触媒作用を呈するものである。な
お、ここで、「光触媒作用」を呈することは、光照射に
より研磨粒子18の酸化力及び/または還元力が変化す
ることや、光照射により研磨粒子18の親水性が変化す
ることなどを含意していることとする。例えば、光照射
により研磨粒子18の親水性が高まる場合、図1(a)
に示すように研磨粒子18が凝集して二次粒子20を形
成したスラリー7に光を照射すると、極性溶媒のような
分散媒25中では図1(b)に示すように研磨粒子18
の分散度が向上する。
【0031】図2(a),(b)は、図1(a),
(b)に示すスラリーを用いたCMPの一例を概略的に
示す断面図である。なお、ここでは、埋め込み金属配線
を形成することとする。また、図2(a),(b)で
は、研磨パッドや分散媒25や添加剤22は省略してい
る。
【0032】埋め込み金属配線は、例えば、以下の方法
により形成することができる。まず、シリコン基板のよ
うな半導体基板(或いは半導体ウエハ)23上にシリコ
ン酸化膜のような層間絶縁膜24を形成し、続いて、層
間絶縁膜24に溝を形成する。次に、層間絶縁膜24上
に、銅のような金属を主成分とした導電膜(金属膜)2
6を、層間絶縁膜24に設けた溝を埋め込むように成膜
する。以上のようにして、図2(a)に示すように、被
研磨部として金属膜26を備えた被研磨基板2を得る。
その後、図1(a),(b)に示すスラリー7を用いて
金属膜26をCMP処理に供する。このCMP処理は、
金属膜26のうち、層間絶縁膜24に設けた溝内に位置
した部分のみが残り、他の部分が除去されるように行
う。これにより、図2(b)に示すように、埋め込み金
属配線26を得る。なお、これと同様の方法により、プ
ラグを埋め込み形成することや、配線とプラグとを同時
に埋め込み形成することも可能である。
【0033】上記のCMP処理は、スラリー7中の成分
と金属層26の表面との間の化学反応と、スラリー7中
の研磨粒子18による金属層26の表面からの反応生成
物などの物理的な除去とを利用している。そのため、研
磨の最中にスラリー7に適宜光を照射することにより、
研磨粒子18の研磨力及び/またはスラリー7の酸化力
のような反応性を制御することができ、したがって、所
望のCMP性能を実現することができる。
【0034】例えば、上記のCMP処理で使用するスラ
リー7の研磨粒子18が光照射によりその分散度を変化
させるものである場合、CMP処理の際に金属膜26上
のスラリー7に照射する光の強さに応じて、研磨粒子1
8が形成する二次粒子20の粒子径を制御することがで
きる。すなわち、CMP処理の際に金属膜26上のスラ
リー7に照射する光の強さに応じて、所望の研磨精度及
び所望の研磨速度を実現することができる。また、上記
のCMP処理で使用するスラリー7の研磨粒子18が光
照射によりその酸化力を変化させるものである場合、研
磨粒子18を照射光の強さに応じて酸化力を制御可能な
酸化剤としても利用可能となる。したがって、この場合
も、CMP処理の際に金属膜26上のスラリー7に照射
する光の強さに応じて、所望の研磨精度及び所望の研磨
速度を実現することができる。
【0035】本実施形態において、被研磨部である金属
層26は、上記の通り金属を主成分としている。そのよ
うな金属としては、例えば、アルミニウム、銅、タング
ステン、チタン、モリブデン、ニオブ、タンタル、及び
バナジウムなどの金属;それら金属の少なくとも1種を
主成分として含有している合金;それら金属の少なくと
も1種を主成分として含有している窒化物;それら金属
の少なくとも1種を主成分として含有している硼化物;
それら金属の少なくとも1種を主成分として含有してい
る酸化物;それら金属の少なくとも1種を主成分として
含有し且つ窒素、硼素、及び酸素の少なくとも2種をさ
らに含有した金属化合物を挙げることができる。金属層
26は、単層構造を有していてもよく、或いは、積層構
造を有していてもよい。
【0036】本実施形態において、スラリー7の研磨粒
子18が光照射によりその分散度を変化させるものであ
る場合、研磨粒子18は光照射によりその分散度を高め
るものであってもよい。また、スラリー7の研磨粒子1
8が光照射によりその酸化力を変化させるものである場
合、研磨粒子18は光照射によりその酸化力を高めるも
のであってもよい。さらに、スラリー7の研磨粒子18
が光照射によりその分散度及び酸化力の双方を変化させ
るものである場合、研磨粒子18が光照射によりその分
散度及び酸化力の双方を高めるものであってもよい。
【0037】上述した光触媒作用を呈する研磨粒子18
としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオ
ブ、セレン化カドミウム、及び硫化カドミウムの何れか
を含有した粒子を挙げることができる。
【0038】上記スラリー7は、添加剤22として酸化
剤を含有することができる。そのような酸化剤として
は、例えば、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、リン酸、硝酸、及び硝酸アンモニウムセリウムなど
のように標準電極電位が−3.0V乃至+3.0Vであ
るものを挙げることができる。また、スラリー7が酸化
剤を含有する場合、通常、その含量は0.1重量%乃至
5.0重量%とする。
【0039】また、研磨粒子18が光照射により酸化力
を発現する場合、スラリー7は添加剤22として酸化剤
を含有していなくてもよい。但し、研磨粒子18の酸化
力をより有効に利用するためには、使用する研磨粒子1
8の種類に応じ、硝酸や燐酸や塩酸や硫酸のような無機
酸などのpH調整剤を用いてスラリー7のpHを適宜調
節することが望ましい。
【0040】研磨粒子18の一次粒子径Aは、5nm乃
至1000nmの範囲内で分布していることが好まし
く、5nm乃至20nmの範囲内で分布していることが
より好ましい。また、研磨粒子18の二次粒子径Bは1
00nm乃至1000nmの範囲内で分布していること
が好ましい。これについては、図3を参照しながら説明
する。
【0041】図3は、研磨粒子の粒径とその沈降速度と
の関係を示すグラフである。図中、横軸は研磨粒子18
の一次粒子径A及び二次粒子径Bを示し、縦軸は一次粒
子としての研磨粒子18の沈降速度及び研磨粒子18の
凝集体である二次粒子20の沈降速度を示している。
【0042】図3に示すように、酸化チタンなどからな
る研磨粒子18やその二次粒子20の粒子径が約100
0nmを超えると、その沈降速度が著しく速くなる。研
磨粒子18或いはその二次粒子20の沈降速度が速い場
合、それらを分散状態に維持することが困難となる。す
なわち、研磨粒子18或いはその二次粒子20が沈降し
て沈殿物を生じるおそれがある。沈殿物を構成する研磨
粒子18同士は強く相互作用するため、再び分散媒25
中に分散させることは殆ど不可能である。このような沈
殿物の生成は、研磨粒子18やその二次粒子20の粒子
径を1000nm以下とすることにより抑制することが
できる。
【0043】また、図3に示すように、研磨粒子18の
一次粒子径Aが約5nm未満になると、その沈降速度が
著しく速くなる。これは、研磨粒子18の一次粒子径A
が約5nm未満になると、それら粒子18のブラウン運
動が激しくなるためである。すなわち、研磨粒子18の
ブラウン運動が激しくなると、それらが互いに衝突する
確率が高くなり、互いに結合する確率も高くなる。この
ような理由から、研磨粒子18の一次粒子径Aが約5n
m未満になると、その沈降速度が著しく速くなり、した
がって、沈殿物を生じ易くなる。
【0044】なお、多くの場合、スラリー7中で、研磨
粒子18の一部は一次粒子として存在し、残りは凝集し
て二次粒子20として存在している。そのため、このよ
うな場合、研磨粒子18の一次粒子径及び二次粒子径の
双方を上記範囲内とするには、研磨粒子18の一次粒子
径は5nm乃至100nmの範囲内で分布していること
が好ましく、5nm乃至20nmの範囲内で分布してい
ることがより好ましい。研磨粒子18の一次粒子径がこ
のような範囲内で分布している場合、研磨粒子18の二
次粒子径を例えば100nm乃至1000nmの範囲内
で分布させることができる。
【0045】上述した研磨粒子18の一次粒子径の分布
は、例えば、研磨粒子18のTEM像を観察することに
より調べることができる。また、同様に、研磨粒子18
の二次粒子径の分布も、例えば、研磨粒子18のTEM
像を観察することにより、或いは、ストークス法などの
原理を利用した粒子径測定法により調べることができ
る。
【0046】以上説明したように、本実施形態では、光
照射により研磨粒子18の酸化力及び/または還元力が
変化すること、及び/または、光照射により研磨粒子1
8の親水性が変化することのような研磨粒子18の光触
媒作用を利用している。理論に束縛されることを望む訳
ではないが、このような光触媒作用は以下の原理に基づ
いているものと考えられる。研磨粒子18が酸化チタン
粒子であり且つ分散媒25として純水を用いた場合を例
に説明する。
【0047】光照射による研磨粒子18の親水性の変化
は、以下の原理で生じるものと考えられる。すなわち、
酸化チタン粒子18に紫外線を照射すると、それを構成
しているチタン原子の位置に正孔が生じる。チタン原子
の位置に生じた正孔は、酸化チタン粒子18を構成して
いる酸素原子から電子を奪う。これにより、酸素原子は
酸化される。酸化チタン粒子18に紫外線を照射してい
る間、その表面に位置した酸素原子の少なくとも一部は
電子を奪われた状態にあり、そこに分散媒25を構成し
ている水分子が吸着される。酸化チタン粒子18の水分
子が吸着した表面は親水性のドメインとして機能する。
このような原理で、紫外線照射により酸化チタン粒子1
8の親水性が高まると考えられる。
【0048】他方、光照射による研磨粒子18の酸化力
の変化は、以下の原理で生じるものと考えられる。紫外
線照射により酸化チタン粒子18の表面に生じた正孔の
一部は、酸化チタン粒子18が金属層26と接触してい
るか或いは極めて近傍に位置している場合には、金属層
26を構成している金属原子から電子を奪う。また、紫
外線照射により酸化チタン粒子18の表面に生じた正孔
の他の一部は、分散媒25を構成している水に含まれる
ヒドロキシイオンから電子を奪い、それにより生じたヒ
ドロキシラジカルは金属層26を構成している金属原子
から電子を奪う。なお、電子を奪われた銅原子のような
金属原子は速やかにCuOxのような酸化物を生成す
る。このように、研磨粒子18の酸化力は紫外線照射に
より生じる正孔によってもたらされるので、酸化チタン
粒子18に照射する紫外線の強さを変化させることによ
り、研磨粒子18の酸化力を変化させることができる。
【0049】このような研磨粒子18の光触媒作用を利
用すると、様々な方法でCMPを行うことが可能とな
る。例えば、CMPの間中、スラリー7に照射する光の
強さを一定としてもよい。或いは、CMPの間に、スラ
リー7に照射する光の強さを変化させてもよい。後者の
場合、例えば、CMPの初期ではスラリー7に光を照射
せずにCMPを終了する間際にスラリー7に光を照射す
るか、或いは、CMPの初期ではスラリー7に弱い光を
照射してCMPを終了する間際にスラリー7に照射する
光の強さを高めてもよい。このような方法によると、C
MPの初期では高い研磨速度で研磨を行うことができ、
CMPを終了する間際には高精度な研磨を行うことがで
きる。したがって、研磨速度をより高速化すること、及
び、ディッシングやエロージョン並びにスクラッチが発
生するのをより効果的に抑制することができる。
【0050】研磨粒子18として酸化チタンを含んだ粒
子を使用する場合、その酸化チタンとしては、アナター
ゼ型、ルチル型、及びブルッカイト型の何れの結晶構造
を有する酸化チタンを使用してもよい。但し、それらの
中でも、アナターゼ型酸化チタンを使用することが好ま
しい。これについては、図4(a)乃至(c)及び図5
を参照しながら説明する。
【0051】図4(a)乃至(c)は、それぞれ、アナ
ターゼ型、ルチル型、及びブルッカイト型酸化チタンの
結晶構造を示す図である。また、図5は、酸化チタンの
エネルギーバンドを示す図である。なお、図4(a)乃
至(c)において、参照番号27はチタン原子を示し、
参照番号28は酸素原子を示している。
【0052】天然の酸化チタンの結晶構造としては、図
4(a)乃至(c)に示すアナターゼ型、ルチル型、及
びブルッカイト型が知られている。これらのうち、工業
用として利用されているものは、主に、図4(a)に示
すアナターゼ型酸化チタンと、図4(b)に示すルチル
型酸化チタンである。図4(c)に示すブルッカイト型
酸化チタンについては、現在、実用化に向けた研究が進
められている。
【0053】上述した酸化チタンの光触媒としての能力
は、アナターゼ型とルチル型とブルッカイト型との間で
異なっている。例えば、アナターゼ型酸化チタンは、ル
チル型酸化チタンよりも高い光触媒活性を示す。これ
は、図5に示すように、それらの間でエネルギーバンド
が異なっていることに由来している。
【0054】酸化チタン18は、価電子帯と伝導帯との
間のエネルギー差であるバンドギャップ以上のエネルギ
ーを有する光を吸収することによって、伝導帯に電子を
及び価電子帯に正孔をそれぞれ生じる。図3に示すよう
に、アナターゼ型酸化チタンのバンドギャップは約3.
2eVであり、ルチル型酸化チタンのバンドギャップは
約3.0eVである。アナターゼ型酸化チタン及びルチ
ル型酸化チタンは、それぞれのバンドギャップの値から
明らかなように、何れもほぼ紫外線のみを吸収する。但
し、ルチル型酸化チタンは、紫外線より僅かに可視光線
に近い波長域の光も吸収することができる。
【0055】このように、より広い波長域の光を吸収で
きるルチル型酸化チタンの方が、アナターゼ型酸化チタ
ンよりも光触媒としての能力が高いと思われる。ところ
が、実際には、アナターゼ型酸化チタンの方がルチル型
酸化チタンよりも高い光触媒活性を示す。これは、以下
の理由による。
【0056】図5に示すように、アナターゼ型酸化チタ
ン及びルチル型酸化チタンの価電子帯のエネルギー準位
は何れも非常に深い位置にある。したがって、それら酸
化チタンが光を吸収することによって生じる正孔は、何
れも十分な酸化力を有している。具体的には、図5に示
すように、それら酸化チタンの正孔の酸化力は、酸化剤
として一般的な過酸化水素の酸化力よりも極めて強い。
【0057】他方、アナターゼ型及びルチル型酸化チタ
ンの伝導帯のエネルギー準位は、図5に示すように、何
れも水素(H+,H2)の酸化還元電位に近い。そのた
め、それら酸化チタンは、いずれも還元力が比較的弱
い。しかしながら、アナターゼ型酸化チタンの伝導帯の
エネルギー準位は、ルチル型酸化チタンの伝導帯のエネ
ルギー準位よりも、さらに負の位置にある。そのため、
アナターゼ型酸化チタンの還元力は、ルチル型酸化チタ
ンの還元力よりも強い。このような理由から、アナター
ゼ型酸化チタンの方が、ルチル型酸化チタンよりも高い
光触媒活性を示すと考えられている。
【0058】また、図4(c)に示すブルッカイト型酸
化チタンについては、光触媒活性がかなり高いことが分
かっている。また、そのバンドギャップが約3.2eV
であるということも分かっている。したがって、研磨粒
子18として、ブルッカイト型酸化チタンを含むものを
使用した場合でも、アナターゼ型の酸化チタンを含む物
を使用した場合と同等の光触媒作用が得られる可能性が
ある。
【0059】なお、酸化チタンを含む研磨粒子18は、
波長域が200nm乃至400nmである紫外線のうち
波長が約380nm以下の紫外線を吸収することにより
光触媒作用を発揮する。また、酸化チタンを含む研磨粒
子18の光触媒作用は、照射する紫外線の波長が短くな
るのに伴って強くなる。
【0060】次に、上述したスラリー7を使用可能なC
MP装置について説明する。図6は、図1(a),
(b)に示すスラリーを使用可能なCMP装置の一例を
概略的に示す図である。このCMP装置1は筐体19を
備えており、筐体19は、基板保持具であるヘッド(或
いはキャリア)3と、研磨治具であるターンテーブル6
と、スラリー供給装置8とを収容している。
【0061】ヘッド3は、ヘッド駆動装置11に回転可
能に取り付けられており、被研磨基板2をその被研磨面
の裏面側から着脱可能に保持している。ターンテーブル
6は、ヘッド3と対向するようにテーブル駆動装置15
に回転可能に取り付けられており、ヘッド3との対向面
に研磨部材である研磨パッド(或いは、研磨布)5を着
脱可能に保持している。スラリー供給装置8は、その供
給ノズル8aから研磨パッド5上にスラリー7を供給す
るように構成されている。なお、ヘッド駆動装置11と
テーブル駆動装置15とは駆動機構を構成している。
【0062】ヘッド駆動装置11及びテーブル駆動装置
15はそれぞれヘッド用センサ12及びテーブル用セン
サ16を内蔵している。ヘッド用センサ12は、ヘッド
3に加わる荷重(ヘッド3の回転軸トルク及び/または
軸方向荷重)やヘッド3の回転速度などのようなヘッド
3の駆動状態を検知する。また、テーブル用センサ16
は、研磨の際に摩擦力などに起因してテーブル6に加わ
る荷重(テーブル6の回転軸トルク)やテーブル6の回
転速度などのようなターンテーブル6の駆動状態を検知
する。センサ12及び16は、それぞれ、A/Dコンバ
ータ13及び17を介して制御装置14に電気的に接続
されている。
【0063】制御装置14は、スラリー供給装置8、ヘ
ッド駆動装置11、及びテーブル駆動装置15に電気的
に接続されている。制御装置14は、例えば、センサ1
2及び16からの信号と予め設定されているプログラム
とに基づいて、ヘッド3に加える荷重、ヘッド3の回転
数、テーブル6の回転数、及びスラリー7の供給量や供
給頻度などを適宜制御する。
【0064】このCMP装置1は、紫外線ランプのよう
な光照射装置10をさらに備えている。光照射装置10
は、研磨パッド5上のスラリー7に、研磨粒子18の光
触媒作用を誘起し得る光,例えば紫外線,を照射する。
光照射装置10は制御装置14に電気的に接続されてお
り、光照射装置10のON/OFFや光照射装置10が
放射する光の強さや光照射装置10が放射する光のスペ
クトルなどは制御装置14によって制御され得る。例え
ば、制御装置14は、上記光の照射/非照射を、ヘッド
3やターンテーブル6の回転軸トルクなどに応じて切り
換えるように構成されていてもよい。
【0065】なお、このCMP装置1において、筐体1
9は、研磨中にスラリー7が外部に飛び散ることや、ス
ラリー7中に大気中の粉塵や埃が混入することなどを防
止する役割を果たす。加えて、筐体19は、CMP装置
1の外部の光線がスラリー7に不所望な光触媒作用を誘
起することやスラリー7が変質することなどを防止する
ように構成されていることが好ましい。すなわち、筐体
19は、スラリー7の光触媒作用を誘起する光に対して
遮光性であることが好ましい。
【0066】このCMP装置1を用いると、例えば、以
下に説明する方法でCMPを行うことができる。図7
は、図6に示すCMP装置1を用いたCMPの際に観測
され得る、研磨時間とテーブル6に加わる荷重との関係
の一例を示すグラフである。図中、横軸は研磨時間を示
し、縦軸はテーブル用センサ16が検出するトルクをセ
ンサ16からの出力電流値として示している。
【0067】被研磨基板2の研磨状態は、ターンテーブ
ル6の回転速度の設定値と実測値との間のずれ、及び/
または、ターンテーブル6の回転軸トルクなどから推定
することができる。同様に、被研磨基板2の研磨状態
は、ヘッド3の回転速度の設定値と実測値との間のず
れ、及び/または、ヘッド3の回転軸トルクなどから推
定することができる。例えば、ヘッド3やターンテーブ
ル6の実際の回転速度が設定値と等しくなるように制御
を行った場合、図7に示すように、テーブル駆動装置1
5のモータ電流値(或いは、テーブル電流値)は研磨の
進行に応じて変化する。したがって、図2(a)に示す
金属層26を平坦化する場合には、テーブル電流値を監
視することにより、図2(b)に示すように絶縁膜24
の上面が露出した時点,すなわちジャストポリッシュ,
などを知ることができる。なお、研磨が完了したか否か
も、テーブル電流値を監視することなどにより推定する
ことができる。
【0068】このように、研磨の進行状態はテーブル電
流値を監視することなどにより推定することができる。
したがって、例えば、ジャストポリッシュに達するまで
光照射装置10による光照射を行わず、ジャストポリッ
シュの時点で研磨パッド5上のスラリー7への光照射装
置10による光照射を開始することができる。光照射装
置10を用いた光照射によりスラリー7中の研磨粒子1
8の分散度が高まる場合、研磨速度は照射時に比べて非
照射時においてより高く、研磨精度は非照射時に比べて
照射時においてより高い。そのため、上記のように光の
照射/非照射を切り替えれば、ディッシングやエロージ
ョンやスクラッチなどの発生を抑制すること及び研磨時
間を短縮することの双方を高い水準で実現することが可
能となる。
【0069】図8は、そのような方法を採用した場合に
実現され得るCMP性能の一例を示す図である。図中、
丸印は、研磨粒子としてチタニア粒子を用い且つ上記の
ようにCMPの際に光の照射/非照射を切り替えた場合
に得られたデータを示している。また、四角印及び三角
印は、研磨粒子としてアルミナ粒子或いはシリカ粒子の
みを用いた場合に得られたデータを示しており、より詳
細には、前者は研磨粒子が粗大な二次粒子を形成した場
合のデータを示し、後者は研磨粒子が二次粒子を実質的
に形成しなかった場合のデータを示している。図8で
は、研磨速度については、研磨時間がより短い場合によ
り大きな数字が与えられている。また、図8では、スク
ラッチ密度については、スクラッチがより低密度に発生
した場合により大きな数字が与えられている。さらに、
図8では、平坦性については、ディッシングやエロージ
ョンの程度がより小さい場合により大きな数字が与えら
れている。
【0070】図8に示すように、研磨粒子がアルミナ粒
子或いはシリカ粒子である場合、CMPの最中にそれら
研磨粒子の分散度を変化させることができない。そのた
め、研磨粒子が粗大な二次粒子を形成している場合に
は、研磨速度は極めて高いが、スクラッチが極めて多く
発生し、平坦性も極めて低い。また、研磨粒子の分散度
が高い場合には、スクラッチ発生頻度は極めて低く、ま
た平坦性も極めて高いが、研磨速度は極めて低い。
【0071】これに対し、研磨粒子としてチタニア粒子
を用いた場合、CMPの最中に光の照射/非照射を切り
替えることにより、研磨粒子の分散度や酸化力を変化さ
せることができる。そのため、上記のようにCMPの際
に光の照射/非照射を切り替えた場合には、研磨速度を
極めて高く、またスクラッチ発生頻度も極めて低く、さ
らには平坦性も極めて高くすることができる。したがっ
て、高研磨速度、高平坦性、低エロージョン、低欠陥密
度(スクラッチフリー)を同時に実現することが可能と
なる。
【0072】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態は、CMPの際の光照射方法が異なること以外は、第
1の実施形態と同様である。
【0073】図9(a),(b)は、本発明の第2の実
施形態に係るCMPの一例を概略的に示す断面図であ
る。なお、ここでは、第1の実施形態で図1(a),
(b)などを参照して説明したCMP用スラリー7を使
用して埋め込み金属配線を形成することとする。また、
図9(a),(b)では、研磨パッドや分散媒25や添
加剤22は省略している。
【0074】本実施形態では、例えば、以下の方法によ
り埋め込み金属配線を形成する。まず、第1の実施形態
で説明したのと同様の方法により、図9(a)に示す被
研磨基板2を得る。次に、第1の実施形態で使用したの
と同様のスラリー7を用いて金属膜26をCMP処理に
供する。このCMP処理の間、被研磨基板2に対し、そ
の被研磨面の裏面側からスラリー7の光触媒作用を誘起
し得る紫外線のような光を照射し続ける。
【0075】CMPの初期では、図9(a)に示すよう
に、被研磨面の裏面に照射した光は、金属層26で反射
されるため、研磨パッドと基板2との間に介在したスラ
リー7まで到達しない。そのため、研磨粒子18が光照
射により分散度が高まるものである場合は、比較的速い
速度で研磨が進行する。
【0076】研磨がほぼジャストポリッシュにまで進行
すると、図9(b)に示すように、被研磨面の裏面に照
射した光の多くが、研磨パッドと基板2との間に介在し
たスラリー7まで到達可能となる。そのため、研磨粒子
18の分散度が高まる。その結果、研磨速度が低下し、
より高精度な研磨が行われる。
【0077】このように、第2の実施形態では、金属層
26が光の照射/非照射を制御するシャッタ或いはスイ
ッチとしての役割を果たす。そのため、照射/非照射を
電気的に制御する必要がない。なお、研磨の初期では光
を照射せず、研磨開始からの経過時間やテーブル電流値
などに基づいて、アンダーポリッシュの間の何れかの時
点で光照射を開始してもよい。
【0078】また、第2の実施形態では、上記の通り、
研磨パッドと基板2との間に介在したスラリー7に光を
照射する。そのため、基板2の面内で研磨粒子18の分
散度や酸化力などを、より均一化すること及び/または
より高めることができる。
【0079】上述したCMPには、例えば、図6に示す
CMP装置1を部分的に変更したものを利用することが
できる。図10は、本発明の第2の実施形態で利用可能
なCMP装置のヘッドを概略的に示す断面図である。こ
のヘッド31の内部には吸引室32が設けられている。
吸引室32は通気路34を介して図示しない吸引装置及
び圧力調整バルブなどに接続されている。また、ヘッド
31には、吸引孔36が設けられた弾性体からなるウエ
ハチャック用の膜(バッキングフィルム)35が、吸引
室32の開口部を塞ぐように取り付けられている。図1
0に示すヘッド31では、このような構成により、基板
2を吸引保持可能としている。
【0080】このヘッド31は、さらに、吸引室32の
内部に、紫外線ランプのような光照射装置33を備えて
いる。光照射装置33は、実線矢印で示すように、膜3
5に設けられた吸引孔36を介して基板2側に向けて光
を放射可能である。
【0081】図6に示すCMP装置1で、ヘッド3の代
わりに上述したヘッド31を使用することにより、図9
(a),(b)を参照して説明したCMPを実施するこ
とができる。なお、ヘッド3の代わりに上述したヘッド
31を使用する場合、CMP装置1は光照射装置10を
備えていなくてもよい。また、ヘッド31の光照射装置
33は、制御装置14と電気的に接続してもよく、或い
は、接続しなくてもよい。
【0082】(第3の実施形態)第1及び第2の実施形
態では、主として、研磨粒子18の光触媒作用として光
照射による分散度変化を主に利用し、CMPの間に研磨
粒子18の光触媒作用の大きさを変化させることについ
て説明した。これに対し、本発明の第3の実施形態で
は、研磨粒子18の光触媒作用として光照射により発現
する酸化力を主に利用してCMPを行う。
【0083】図11(a),(b)は、本発明の第3の
実施形態に係るCMPの一例を概略的に示す断面図であ
る。なお、ここでは、第1の実施形態で図1(a),
(b)などを参照して説明したCMP用スラリー7を使
用して埋め込み金属配線を形成することとする。また、
図11(a),(b)では、研磨パッドや分散媒25や
添加剤22は省略している。
【0084】本実施形態では、例えば、以下の方法によ
り埋め込み金属配線を形成する。まず、第1の実施形態
で説明したのと同様の方法により被研磨基板2を得る。
次に、第1の実施形態で使用したのと同様のスラリー7
を用いて、図11(a),(b)に示すように金属膜2
6をCMP処理に供する。このCMPの間、研磨パッド
上に供給したスラリー7に対し、その光触媒作用を誘起
し得る紫外線のような光を照射し続ける。
【0085】研磨粒子18が光照射によりその分散度や
酸化力を高める場合、光を照射している間、研磨粒子1
8は高い分散度を維持し続ける。そのため、研磨粒子1
8が大きな二次粒子を形成することはない。したがっ
て、光を照射している間、研磨粒子18の研磨力は比較
的低いままである。この場合、第1及び第2の実施形態
で説明したように、研磨速度は著しく低下すると考えら
れる。
【0086】しかしながら、スラリー7に照射する光の
強さが十分に強く且つ研磨粒子18と被研磨面とを十分
に接触させることができれば、研磨粒子18を酸化剤と
して利用可能となる。そのため、スラリー7が金属層2
6の表面を酸化する能力は著しく向上する。これは、金
属に比べて研磨し易い脆弱な酸化物43の生成が促進さ
れることを意味する。そのため、研磨粒子18の機械的
研磨力が低くても、十分な研磨速度を実現することがで
きる。
【0087】また、CMPの間、研磨粒子18が大きな
二次粒子を形成することはないので、ディッシングやエ
ロージョンを抑制することや、スクラッチの発生を抑制
することができる。
【0088】しかも、研磨粒子18による金属層26の
表面の酸化は、主として、研磨粒子18と金属層26と
が接触した状態で生じ、研磨粒子18と金属層26とが
離間している場合には殆ど生じない。そのため、高い平
坦性を実現することが可能となる。これについては、図
12及び図13を参照しながら説明する。
【0089】図12は、図11(a)に示す状態と図1
1(b)に示す状態との間の状態を示す断面図である。
なお、図12では、図11(a),(b)と同様に分散
媒25や添加剤22は省略しているが、研磨パッド5は
描いている。
【0090】図12に示すように、CMPの際、研磨パ
ッド5は被研磨面の溝に沿って変形する。そのため、溝
の内壁や底面までも研磨される。しかしながら、上記の
通り、研磨粒子18による金属層26の表面の酸化は、
研磨粒子18と金属層26とが離間している場合には殆
ど生じない。研磨パッド5は溝の内壁や底面に研磨粒子
18を強く押し付けるほど変形することはないので、溝
の内壁や底面では金属層26の上面に比べて酸化膜43
が形成され難い。すなわち、溝の内壁や底面は研磨され
難い状態に維持される。そのため、溝の内壁や底面が研
磨されるのを抑制し、金属層26の上面を選択的に研磨
することができる。したがって、高い平坦性を実現する
ことが可能となる。
【0091】図13は、埋め込み配線の幅と平坦性との
関係を示すグラフである。図中、横軸は配線26の幅を
示し、縦軸は被研磨基板2の被研磨面における溝の深さ
を示している。なお、図13に示すデータは、以下の条
件のもとで得られたものである。すなわち、CMP用ス
ラリー7としては、一次粒子径が20nm程度のアナタ
ーゼ型酸化チタン粒子18を約3重量%の濃度で含んだ
スラリーを使用した。また、研磨布(研磨パッド)とし
てはIC1000/Suba400を使用した。CMP
に際しては、500Wの水銀灯を点灯し続け、荷重を約
2.9N/m2(300gf/cm2)、ヘッド3の回転
数を約100rpm、ターンテーブルの回転数を約10
0rpm、スラリー流量を200cc/minとした。
このような条件下で、銅の埋め込み配線(Cuダマシン
配線)26を形成した。
【0092】図13に示すように、本実施形態に係る方
法によると、ジャストポリッシュの時点で高い平坦性を
実現可能である。しかも、ジャストポリッシュからさら
に60%研磨したオーバーポリッシュの時点でも高い平
坦性は維持されている。このように、本実施形態による
と、高い平坦性を実現するうえで研磨停止のタイミング
を高精度に制御する必要がない。
【0093】研磨粒子18と金属層26とが離間してい
る場合に研磨粒子18による金属層26の表面酸化が殆
ど生じないことは、半導体装置の製造プロセスの様々な
工程で有用である。
【0094】図14(a)は、本発明の第3の実施形態
に係るCMPの他の例を概略的に示す断面図である。ま
た、図14(b)は、従来技術に係るCMPの例を概略
的に示す断面図である。なお、図14(a),(b)に
示す構造は、多層配線を含んでいる。すなわち、Si基
板のような半導体基板23上には層間絶縁膜24aが形
成され、絶縁膜24aには溝が設けられている。この溝
はCuなどの金属を主成分とした金属層26aで埋め込
まれており、この金属層26aは下層配線を構成してい
る。金属層26aの底面と側壁と上面とには、TaN層
のようなバリア層30aが設けられている。絶縁膜24
a上には層間絶縁膜24bが形成され、層間絶縁膜24
bにはビアホール及び溝が設けられている。これらビア
ホール及び溝はCuなどの金属を主成分とした金属層2
6bで埋め込まれており、この金属層26bは上層配線
とビアプラグとを構成している。金属層26bのプラグ
を構成した部分の側面及び上層配線を構成した部分の底
面と側壁とには、例えばCVD法により形成したWN層
のようなバリア層30bが設けられている。なお、ここ
で、WN層とは窒化タングステンを主成分とした層を意
味する。
【0095】ところで、上述した上層配線及びビアプラ
グは、ビアホール及び溝を設けた絶縁膜24bの表面に
CVD法などによりWN層のようなバリア層30bを形
成し、その後、ビアホール及び溝をCu層のような金属
層26bで埋め込み、さらに、CMP法により絶縁膜2
4bの上面が露出するまで研磨することにより得られ
る。WNなどのようにバリア層30bに用いられる材料
は、Cuのように金属層26bに用いられる材料に比
べ、有機酸のような酸化剤でエッチングされ易い。その
ため、上記CMPの際、従来技術では、図14(b)に
示すように、バリア層30bの金属層26bと絶縁膜2
4bとの間に介在した部分がエッチングされ、金属層2
6bの剥離を生じ易くなる。
【0096】本実施形態に係る方法では、上述のよう
に、研磨粒子18と金属層26bとが離間している場合
に研磨粒子18による金属層26bの表面酸化が殆ど生
じない。研磨粒子18は酸化剤に比べると遥かに大きい
ので、金属層26bと絶縁膜24bとの間に侵入し難
い。そのため、上層配線及びビアプラグを形成するため
のCMPの際に本実施形態に係る方法を利用すれば、図
14(a)に示すように、バリア層30bの金属層26
bと絶縁膜24bとの間に介在した部分がエッチングさ
れるのを抑制することができる。したがって、金属層2
6bの剥離を生じ難くすることが可能となる。
【0097】上記の通り、本実施形態では、研磨粒子1
8に光を照射することにより得られる高い酸化力を利用
している。研磨粒子18が光照射によりその酸化力を変
化させる原理については、第1の実施形態で簡単に説明
したが、ここでは研磨粒子18が酸化チタン粒子である
場合を例としてより詳細に説明する。
【0098】図15は、酸化チタンのエネルギーバンド
を示す図である。酸化チタンはn型半導体の一種であ
る。そのため、スラリー7中では、酸化チタン粒子18
の表面から水25と酸22とを含んだ電解液へと電子が
移動する。これにより、図15に示すように、酸化チタ
ン粒子18の表面では、そのエネルギーバンドがΔVだ
け上昇する。すなわち、平衡状態におけるスラリー7中
の酸化チタン粒子18の表面近傍には、下記等式: ΔV=2πn0/κ・L2 で示されるΔVの大きさのバンド曲がり(Schottoky ba
rrier)が生じる。なお、上記等式において、n0はドナ
ー準位の濃度、κは誘電率、Lは障壁高さをそれぞれ示
している。
【0099】第1の実施形態で説明したように、アナタ
ーゼ型の酸化チタンに約3.2eV以上のエネルギーを
有する紫外線を照射すると、図中、白抜き矢印で示すよ
うに、価電子帯から伝導帯に向けて電子が励起される。
すると、酸化チタンの価電子帯には、励起された電子と
同数の正孔が生じる。正孔は、バンド曲がりに沿って電
位がより低い側に向ってドリフトする。また、励起され
た電子は、バンド曲がりに沿って電位がより高い側に向
ってドリフトする。なお、この際、酸化チタン粒子18
の表面では、以下の反応式: OH- + h+ → ・OH で示される化学反応が起こっている。
【0100】この反応式に示すように、ヒドロキシイオ
ン(OH-)が正孔によって酸化され、酸化力の極めて
強いヒドロキシラジカル(・OH)が発生する。光照射に
より酸化チタンの酸化力が増大するのは、一般に、上記
の原理に基づいているものと考えられている。
【0101】上述した酸化チタン粒子18の酸化力は、
以下に説明するように、その一次粒子径と相関してい
る。上記の通り、酸化チタン粒子18に光を照射するこ
とにより発生した正孔は粒子表面に向けて移動する。と
ころが、ΔVはL2に比例するため、酸化チタン粒子1
8の一次粒子径が約5nm未満になると、ΔVが非常に
小さくなる。そのため、正孔が粒子表面まで移動するの
に十分なドライビングフォースが得られなくなる。ま
た、酸化チタン粒子18の一次粒子径が約100nmを
超えると、正孔が粒子表面に到達するまでの時間が長く
なり、電子と再結合する確率が高くなる。そのため、こ
の場合、酸化チタン粒子18の表面に到達し得る正孔が
少なくなる。したがって、酸化チタン粒子18を酸化剤
として利用する場合、酸化チタン粒子18の一次粒子径
は、約5nm乃至約100nmの範囲内で分布している
ことが好ましい。
【0102】また、上述のように、研磨粒子18を酸化
剤として利用するうえでは、スラリー7に照射する光の
強さが十分に強いことが必要である。これについては、
図16を参照しながら説明する。
【0103】図16は、スラリーに照射する光の強さと
研磨速度との関係を示すグラフである。図中、横軸は、
照射光強度を示し、縦軸は研磨速度を示している。な
お、図16に示すデータは、図13に関連して説明した
のとほぼ同様の条件でCMP法により銅の埋め込み配線
(Cuダマシン配線)26を形成した場合に得られたも
のである。
【0104】図16に示すように、紫外線の照射光強度
が高いほど、研磨速度が高くなった。また、Cu−CM
Pの際にスラリー7に紫外線を照射しなかった場合、C
u層26の研磨速度は約45nm/minであった。こ
れに対し、Cu−CMPの際にスラリー7に30Wの蛍
光燈を用いて紫外線を照射し続けた場合、Cu層26の
研磨速度は約450nm/minであった。すなわち、
研磨速度を約10倍にまで向上させることができた。さ
らに、Cu−CMPの際にスラリー7に紫外線をより多
く含む500Wの水銀ランプを用いて紫外線を照射し続
けた場合、Cu層26の研磨速度は約750nm/mi
nであった。
【0105】なお、図16には、Cu層のCMPに関す
るデータに加え、Al層のCMPに関するデータ及びS
iO2層に関するデータも示している。これらデータか
ら明らかなように、被研磨層がAl層やSiO2層であ
る場合に比べ、被研磨層がCu層である場合に最も高い
研磨速度を実現することができた。
【0106】図17(a),(b)は、それぞれ、研磨
粒子としてアルミナ粒子及びシリカ粒子を使用した場合
に得られた、スラリーに照射する光の強さと研磨速度と
の関係を示すグラフである。図中、横軸は、照射光強度
を示し、縦軸は研磨速度を示している。なお、図17
(a),(b)に示すデータは、研磨粒子としてアルミ
ナ粒子及びシリカ粒子を使用したこと以外は図16に関
連して説明したのと同様の条件でCMPを行った場合に
得られたものである。
【0107】図17(a)に示すように、研磨粒子18
としてアルミナ粒子を使用した場合、紫外線照射により
研磨速度を高める効果は殆ど得られなかった。また、図
17(b)に示すように、研磨粒子18としてシリカ粒
子を使用した場合も同様に、紫外線照射により研磨速度
を高める効果は殆ど得られなかった。これは、アルミナ
及びシリカは共に絶縁体であり、紫外線のエネルギーに
比べてそれらのバンドギャップが大きいためである。
【0108】上述のように、研磨粒子18を酸化剤とし
て利用する場合、研磨速度はスラリー7に照射する光の
強さと相関している。しかしながら、研磨粒子18を酸
化剤として利用する場合、研磨速度に影響を与えるのは
スラリー7に照射する光の強さだけではない。例えば、
スラリー7中の研磨粒子18の濃度や、スラリー7のp
Hなども研磨速度に影響を与える。
【0109】図18は、スラリー7中の研磨粒子18の
濃度と研磨速度との関係を示すグラフである。図中、横
軸はスラリー7中の研磨粒子18の濃度を示し、縦軸は
研磨速度を示している。また、図18に示すデータは、
スラリー7中の研磨粒子18の濃度を除いて図13に関
連して説明したのとほぼ同様の条件で得られたものであ
る。
【0110】図18に示すように、スラリー7中の研磨
粒子18の濃度が約0.1重量%乃至約10重量%の範
囲内では、研磨粒子18の濃度を高めるほど、より高い
研磨速度が得られている。特に、スラリー7中の研磨粒
子18の濃度が約1重量%以上の場合に、300nm/
min程度以上の研磨速度を実現することができた。
【0111】図19は、スラリー7のpHと研磨速度と
の関係を示すグラフである。図中、横軸はスラリー7の
pHを示し、縦軸は研磨速度を示している。また、図1
9に示すデータは、スラリー7のpHを除いて図13に
関連して説明したのとほぼ同様の条件で得られたもので
ある。
【0112】図19に示すように、スラリー7のpHを
8程度以下とした場合、pHが低いほど、より高い研磨
速度が得られている。特に、スラリー7のpHが酸化チ
タン粒子18の等電点である約5以下の場合には、60
0nm/min程度以上の研磨速度を実現することがで
きた。なお、スラリー7のpHを約7よりも高めた場
合、研磨速度は著しく低い。これは、そのようなpHの
もとでは、Cu層26の表面に研磨され難いCu(O
H)x膜が形成されるためである。
【0113】研磨速度はターンテーブル6の回転数にも
依存する。ターンテーブル6の回転数は、一般的なCM
Pでも研磨速度に影響を与えるが、本実施形態に係る方
法では研磨速度に与える影響が極めて大きい。これは、
本実施形態では、研磨粒子18を酸化剤として利用して
いるためである。換言すれば、光照射した研磨粒子18
を速やかに被研磨面に供給しないと、光照射によって生
じた正孔が金属の酸化に利用されずに電子と再結合して
しまうためである。
【0114】図40は、ターンテーブルの回転数と研磨
速度との関係を示すグラフである。図中、横軸はターン
テーブル6の回転数を示し、縦軸は研磨速度を示してい
る。また、図40に示すデータは、ターンテーブル6の
回転数を除いて図13に関連して説明したのとほぼ同様
の条件で得られたものである。
【0115】図40に示すように、ターンテーブル6の
回転数が60rpm乃至140rpmの範囲内にある場
合、300nm/min以上の高い研磨速度が得られ
た。また、ターンテーブル6の回転数が80rpm乃至
120rpmの範囲内にある場合、600nm/min
以上の高い研磨速度が得られた。このようにターンテー
ブル6の回転数を上記下限値以上とすることにより高い
研磨速度が得られたのは、上記の通り、より多くの正孔
を電子と再結合させずに金属の酸化に利用することがで
きたためである。また、ターンテーブル6の回転数が上
記の上限値よりも高い場合に研磨速度が低い理由は、被
研磨面に供給されるスラリー7の量が過剰な遠心力によ
り減少するためである。
【0116】研磨速度は、使用する研磨パッド5の種類
にも大きく依存する。図41は、研磨パッドの種類と研
磨速度との関係を示すグラフである。図中、「Cなし」
は、研磨パッド5として、導電性成分を含有していない
IC1000/Suba400を使用し、図13に関連
して説明したのとほぼ同様の条件で銅の埋め込み配線を
形成した場合に得られたデータを示している。また、図
中、「Cあり」は、研磨パッド5として、カーボンを含
有しているPolitexを使用したこと以外は図13
に関連して説明したのとほぼ同様の条件で銅の埋め込み
配線を形成した場合に得られたデータを示している。
【0117】図41に示すように、導電性成分を含有し
ていない研磨パッド5を使用した場合、1μm/min
程度の研磨速度を実現することができた。これに対し、
導電性成分を含有した研磨パッド5を使用した場合、研
磨速度は50nm/min程度であった。このように使
用する研磨パッド5の種類に応じて研磨速度が著しく異
なるのは、研磨パッド中にカーボンのような導電性成分
が含まれている場合、研磨粒子18に光を照射すること
により発生した正孔は導電性成分中の自由電子と再結合
し得るためである。このような再結合に起因した研磨速
度の低下は、研磨パッド5として、カーボンのような導
電性成分の濃度が3重量%以下のものを使用することに
より十分に抑制することができ、カーボンのような導電
性成分を含有していないものを使用することによりほぼ
完全に防止することができる。
【0118】(第4の実施形態)第3の実施形態で説明
したように研磨粒子18を酸化剤として利用する場合、
メタル残りが発生することがある。これについて、図2
0(a),(b)を参照しながら説明する。
【0119】図20(a),(b)は、第3の実施形態
に係る方法でCMPを行った場合に生じ得るメタル残り
を概略的に示す断面図である。なお、図20(a),
(b)において、図示はされていないが、Cu層26の
底面と側面とには図14(a),(b)に関連して説明
したのと同様のWN層のようなバリア層が形成されてい
る。
【0120】先に説明したように、酸化チタン粒子18
は、光照射により、その分散度及び酸化力を向上させ
る。そのため、研磨パッド上に供給されたスラリー7中
で酸化チタン粒子18の分散度は高いと考えられる。し
かしながら、第3の実施形態で説明した方法では、図2
0(a)に示すように、研磨パッドと被研磨基板との間
に介在したスラリー7中で酸化チタン粒子18は必ずし
も均一に分布している訳ではない。そのため、Cu層2
6の研磨が不均一に進行することがある。
【0121】Cu層26の研磨が不均一に進行すると、
Cu層26の表面に凹部と凸部とが生じる。凸部の上面
の面積が狭い場合には、凸部の上面と研磨パッドとの間
に酸化チタン粒子18は介在し難く、したがって、凸部
の上面は酸化され難い。すなわち、凸部の上面には、凹
部の底面に比べ、CuOx膜43が形成され難い。その
ため、図20(b)に示すように、絶縁膜24の上面に
Cu層26が島状に残ることがある。
【0122】このような島状に残留したCu層26の高
さや径は、最大で500nm程度になることがある。そ
れゆえ、そのような島状残留部を生じた場合、隣り合う
配線間で電気的短絡を生じるおそれがある。
【0123】本実施形態では、スラリー7にノニオン界
面活性剤をさらに添加すること以外は第3の実施形態で
説明したのと同様の方法により研磨を行う。スラリー7
がノニオン界面活性剤を含有している場合、研磨粒子1
8をより均一に分散させることができる。そのため、第
3の実施形態で説明した効果が得られるのに加え、金属
層26の研磨を均一に進行させることができ、したがっ
て、島状残留部の発生を抑制することができる。
【0124】図21は、スラリー中へのノニオン界面活
性剤の添加が島状残留部の発生を抑制する効果の一例を
示すグラフである。なお、図21に示すデータは、以下
の条件のもとで得られたものである。すなわち、CMP
用スラリー7としては、一次粒子径が20nm程度のア
ナターゼ型酸化チタン粒子18を約3重量%の濃度で含
んだスラリーを使用した。また、研磨布(研磨パッド)
としてはIC1000/Suba400を使用した。C
MPに際しては、500Wの水銀灯を点灯し続け、荷重
を約300gf/cm2、ヘッド3の回転数を約100
rpm、ターンテーブルの回転数を約100rpmと
し、スラリー流量を200cc/minとした。このよ
うな条件下で、幅が40μmのCu配線26を10μm
の間隔で形成した。
【0125】図21では、スラリー7にノニオン界面活
性剤を添加しなかった場合に得られたデータ(「NSな
し」)と、スラリー7にノニオン界面活性剤としてアセ
チレンジオール(親水疎水バランスHLB=18)を
0.1重量%の濃度で添加した場合に得られたデータ
(「NSあり」)とを示している。また、図中、縦軸
は、所定のエリアを観察した場合に認められた島状残留
部の数を示している。
【0126】図21に示すように、スラリー7にノニオ
ン界面活性剤を添加しなかった場合、60個の島状残留
部を生じた。これに対し、スラリー7にノニオン界面活
性剤を添加した場合、島状残留部の数は7個にまで減少
した。
【0127】このように、上記スラリー7にノニオン界
面活性剤を添加することにより、島状残留部の発生を抑
制することができる。そのため、配線間で電気的短絡が
生じるのを抑制し、製造歩留まりを大幅に向上させるこ
とができる。
【0128】図22は、スラリー中へのノニオン界面活
性剤の添加が製造歩留まりを向上させる効果の一例を示
すグラフである。図22では、島状残留部に起因した電
気的短絡に関する配線歩留まり(「ショート」)と、図
14(a),(b)を参照して説明した配線の剥離に関
する配線歩留まり(「オープン」)とを示している。ま
た、図22において、「NSなし」及び「NSあり」は
図21に関連して説明したスラリー7を用い、図21に
関連して説明したのとほぼ同じ条件のもとでCu配線2
6を形成した場合に得られたデータを示している。さら
に、図22において、「従来技術」は、研磨粒子として
アルミナ或いはシリカ粒子を含有し且つ酸化剤を含有し
たスラリーを用い、図21に関連して説明したのとほぼ
同じ条件のもとでCu配線26を形成した場合に得られ
たデータを示している。図22に示すように、酸化チタ
ン粒子18とノニオン界面活性剤とを組み合わせた場
合、配線間の電気的短絡及び配線の剥離の双方を抑制す
ることができる。
【0129】上記の通り、酸化チタン粒子18とノニオ
ン界面活性剤とを組み合わせた場合、歩留まりを向上さ
せることができる。しかも、この場合、高い研磨速度を
実現することができる。このような効果は、ノニオン界
面活性剤を添加した場合に特有である。すなわち、スラ
リー7にアニオン界面活性剤或いはカチオン界面活性剤
を添加しても、ノニオン界面活性剤を添加した場合ほど
の効果は得られない。
【0130】図23は、スラリーの組成と研磨速度との
関係を示すグラフである。図23に示すデータは、何れ
も、一次粒子径が20nm程度のアナターゼ型酸化チタ
ン粒子18を約3重量%の濃度で含んだスラリーを使用
し、図21に関連して説明したのとほぼ同じ条件のもと
でCu配線26を形成した場合に得られたデータを示し
ている。具体的には、「Sなし」はそのスラリーに界面
活性剤を添加しなかった場合に得られたデータを示して
いる。「AS1」及び「AS2」はそのスラリーにドデ
シルベンゼンスルホン酸系及びポリカルボン酸系のアニ
オン界面活性剤をそれぞれ添加した場合に得られたデー
タを示している。「CS」は上記スラリーにアンモニウ
ムクロライド系のカチオン界面活性剤を添加した場合に
得られたデータを示している。「NS1」は上記スラリ
ーにノニオン界面活性剤としてアセチレンジオールを添
加した場合に得られたデータを示している。「NS2」
は上記スラリーにフッ素系のノニオン界面活性剤を添加
した場合に得られたデータを示している。
【0131】図23に示すように、スラリー7にアニオ
ン界面活性剤を添加した場合、界面活性剤を添加しない
場合に比べ、研磨速度が低下した。また、スラリー7に
アニオン界面活性剤を添加した場合、酸化チタン粒子1
8の凝集を生じ、それらの分散度が著しく低下した。こ
れは、正電荷を帯びた酸化チタン粒子18に負電荷を帯
びたアニオン界面活性剤が吸着し、酸化チタンの酸化力
を低下させたためであると考えられる。
【0132】また、図23に示すように、スラリー7に
カチオン界面活性剤を添加した場合、界面活性剤を添加
しない場合に比べて研磨速度が低下し、実用的な研磨速
度は得られなかった。これは、カチオン界面活性剤が酸
化銅層に吸着し、酸化銅が研磨し難い材料へと変質した
ためであると考えられる。
【0133】本実施形態において、ノニオン界面活性剤
としては、例えば、アセチレンジオール、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、シュガーエステル、ソルビタ
ンエステル、グリセリンエステル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、アルキルトリメチルアン
モニウム塩、アルキルアミン塩、及びそれらの少なくと
も1種を含んだ混合物などを使用することができる。ま
た、本実施形態において、ノニオン界面活性剤として、
その分子内にフルオロアルキル基を含んだフッ素系のノ
ニオン界面活性剤を使用してもよい。
【0134】本実施形態において、スラリー7中のノニ
オン界面活性剤の濃度は0.001重量%乃至0.5重
量%の範囲内にあることが好ましい。スラリー7中のノ
ニオン界面活性剤の濃度が0.001重量%未満である
場合、研磨粒子18を均一に分散させる効果が顕著には
現れない。また、スラリー7中のノニオン界面活性剤の
濃度が0.5重量%を超えると、研磨粒子18の光触媒
作用が低減して研磨速度が低下することがある。
【0135】なお、本実施形態において、スラリー7
は、酸化剤は含有しない。しかしながら、研磨粒子18
を酸化剤として利用するため、図19を参照して説明し
たように、スラリー7のpHを7以下とすることが好ま
しい。スラリー7のpHは、例えば、硝酸や燐酸や塩酸
や硫酸のような無機酸をpH調整剤として添加すること
により調節することができる。
【0136】(第5の実施形態)第3の実施形態で説明
したように研磨粒子18を酸化剤として利用する場合、
パターン密度が研磨速度に影響を与える。これについ
て、図24を参照しながら説明する。
【0137】図24は、第3の実施形態に係る方法でC
MPを行った場合に生じ得る研磨速度のパターン密度依
存性を説明する断面図である。なお、図24において、
参照番号30はWN層のようなバリア層を示している。
【0138】パターン密度が低い部分51では、研磨粒
子18は研磨パッド5とCu層26との間を比較的自由
に動くことができる。そのため、パターン密度が低い部
分51では、常に十分な密度で研磨粒子18が存在し得
る。しかしながら、パターン密度が高い部分52では、
研磨粒子18がCu層26の凸部上から凹部内へと入り
込む確率が高い。凹部内に入り込んだ研磨粒子18は凸
部上に戻ることは困難であるため、その結果、凸部上で
は研磨粒子18の密度が低下する。そのため、パターン
密度が高い部分52では、パターン密度が低い部分51
に比べて研磨速度が極端に遅くなる。
【0139】図25は、本発明の第5の実施形態に係る
CMPを概略的に示す断面図である。本実施形態では、
スラリー7に樹脂粒子41をさらに添加すること以外は
第3の実施形態で説明したのと同様の方法により研磨を
行う。樹脂粒子41が研磨粒子18及び研磨パッド5の
双方に付着し易い場合、図25に示すように、研磨粒子
18がCu層26の凹部内に入り込むのを抑制すること
ができる。したがって、第5の実施形態によると、第3
の実施形態で説明した効果が得られるのに加え、パター
ン密度が高い部分52の研磨速度を高めることができ
る。
【0140】樹脂粒子41の材料としては、例えば、メ
タクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、及びそれらの少なくとも1種を含んだ
混合物などを使用することができる。
【0141】研磨粒子18に付着し易い樹脂粒子41と
しては、例えば、研磨粒子18の帯電極性とは逆極性に
帯電したものを使用することができる。例えば、研磨粒
子18として正電荷を帯びた酸化チタン粒子を使用する
場合は、分子内に負電荷を帯びた官能基(例えば、CO
-基など)を含んだ樹脂粒子や、シリカで表面処理し
た樹脂粒子などを使用することができる。また、研磨粒
子18に付着し易い樹脂粒子41として、メカノフュー
ジョン現象により研磨粒子18や研磨パッド5に付着し
得る樹脂粒子を用いてもよい。なお、通常、研磨パッド
5は有機材料でつくられているので、樹脂粒子41は強
く付着し得る。
【0142】樹脂粒子41の一次粒子径は5nm乃至1
000nmの範囲内で分布していることが好ましい。樹
脂粒子41の一次粒子径が5nm未満の場合、樹脂粒子
41が研磨粒子18を研磨パッド5に固定する効果が小
さい。また、樹脂粒子41の一次粒子径が1000nm
を超えると、樹脂粒子41を均一に分散させることが困
難となる。
【0143】スラリー7中の樹脂粒子41の濃度は0.
1重量%乃至3.0重量%の範囲内にあることが好まし
い。スラリー7中の樹脂粒子41の濃度が0.1重量%
未満である場合、樹脂粒子41が研磨粒子18を研磨パ
ッド5に固定する効果が小さい。また、スラリー7中の
樹脂粒子41の濃度が3.0重量%を超えると、樹脂粒
子41が研磨粒子18の研磨力や酸化力を低下させるこ
とがある。
【0144】図26は、スラリー中への樹脂粒子の添加
が研磨速度を高める効果の一例を示すグラフである。な
お、図26に示すデータは、以下の条件のもとで得られ
たものである。すなわち、CMP用スラリー7として
は、一次粒子径が20nm程度のアナターゼ型酸化チタ
ン粒子18を約3重量%の濃度で含み、表面にCOO-
基を有する一次粒子径が200nm程度のPMMA(ポ
リメチルメタクリレート)粒子41を約0.5重量%の
濃度で含み、pHを約3に調節したスラリーを使用し
た。また、研磨布(研磨パッド)としてはIC1000
/Suba400を使用した。CMPに際しては、50
0Wの水銀灯を点灯し続け、荷重を約300gf/cm
2、ヘッド3の回転数を約100rpm、ターンテーブ
ルの回転数を約100rpmとし、スラリー流量を20
0cc/minとした。このような条件下で、Cu配線
26を形成した。
【0145】図26では、パターン密度が低い部分にお
ける研磨速度のデータ(「blanket」)と、パタ
ーン密度が高い部分における研磨速度のデータ(「pa
ttern」)とが示されている。また、図26におい
て、「樹脂なし」は樹脂粒子41を含有していないスラ
リーを用いた場合に得られたデータを示し、「樹脂あ
り」は樹脂粒子41を含有したスラリーを用いた場合に
得られたデータを示している。図26に示すように、ス
ラリー7に樹脂粒子41を添加することにより、パター
ン密度が低い部分における研磨速度及びパターン密度が
高い部分における研磨速度の双方を高めることができ
た。特に、スラリー7に樹脂粒子41を添加した場合、
パターン密度が高い部分における研磨速度を大幅に高め
ることができた。
【0146】(第6の実施形態)第5の実施形態では、
スラリー7に樹脂粒子41を添加することにより研磨速
度を高めた。第6の実施形態では、スラリー7に研磨粒
子18の帯電極性と同極性に帯電した無機粒子を添加し
て研磨速度を高める。
【0147】図27は、本発明の第6の実施形態に係る
CMPを概略的に示す断面図である。本実施形態では、
スラリー7に無機粒子42をさらに添加すること以外は
第3の実施形態で説明したのと同様の方法により研磨を
行う。スラリー7に研磨粒子18の帯電極性と同極性に
帯電した無機粒子42を添加した場合、スラリー7の機
械的研磨力が向上する。したがって、第6の実施形態に
よると、第3の実施形態で説明した効果が得られるのに
加え、研磨速度を高めることができる。
【0148】なお、研磨粒子18の帯電極性と無機粒子
42の帯電極性とが異なっている場合、研磨速度を高め
ることは困難である。例えば、酸化チタン粒子18は正
電荷を帯びており、アルミナ粒子42も正電荷を帯びて
いる。そのため、酸化チタン粒子18とアルミナ粒子4
2との静電気力による凝集は生じ難い。したがって、酸
化チタン粒子18の酸化力を低下させることなくスラリ
ー7の機械的研磨力を高めることができる。これに対
し、酸化チタン粒子18とシリカ粒子のように負電荷を
帯びている無機粒子とを組み合わせた場合、それら粒子
同士で凝集してしまう。そのため、酸化チタン粒子18
の酸化力が低下し、研磨速度は逆に低下することとな
る。
【0149】本実施形態において、研磨粒子18として
酸化チタン粒子を使用し且つ無機粒子42としてアルミ
ナ粒子を使用する場合、スラリー7を調製する際に、酸
化チタン粒子18とアルミナ粒子42とは粉体状態で混
合しないことが望ましい。すなわち、酸化チタン粒子1
8の分散液とアルミナ粒子42の分散液とを混合する
か、酸化チタン粒子18及びアルミナ粒子42の一方の
分散液中に他方を添加することが望ましい。酸化チタン
粒子18とアルミナ粒子42とを粉体状態で混合する
と、酸化チタン粒子18とアルミナ粒子42とが一体化
されて複合粒子を生じることがある。そのような複合粒
子を生じると、酸化チタンの表面積が減少し、その酸化
力が著しく低下する。
【0150】アルミナ粒子42の一次粒子径は5nm乃
至100nmの範囲内で分布していることが好ましい。
アルミナ粒子42の一次粒子径が5nm未満の場合、機
械的研磨力が高まる効果が小さい。また、アルミナ粒子
42の一次粒子径が100nmを超えると、スクラッチ
が発生し易くなる。
【0151】スラリー7中のアルミナ粒子42の濃度は
0.1重量%乃至3.0重量%の範囲内にあることが好
ましい。スラリー7中のアルミナ粒子42の濃度が0.
1重量%未満である場合、機械的研磨力が高まる効果が
現れない。また、スラリー7中のアルミナ粒子42の濃
度が3.0重量%を超えると、アルミナ粒子42が研磨
粒子18の研磨力や酸化力を低下させることがある。
【0152】図28は、スラリー中への無機粒子の添加
が研磨速度を高める効果の一例を示すグラフである。な
お、図28に示すデータは、以下の条件のもとで得られ
たものである。すなわち、CMP用スラリー7として
は、一次粒子径が20nm程度のアナターゼ型酸化チタ
ン粒子18を約3重量%の濃度で含み、一次粒子径が5
0nm程度のγアルミナ粒子42を約0.5重量%の濃
度で含み、pHを約3に調節したスラリー7を使用し
た。また、研磨布(研磨パッド)としてはIC1000
/Suba400を使用した。CMPに際しては、50
0Wの水銀灯を点灯し続け、荷重を約300gf/cm
2、ヘッド3の回転数を約100rpm、ターンテーブ
ルの回転数を約100rpmとし、スラリー流量を20
0cc/minとした。このような条件下で、Cu配線
26を形成した。
【0153】図28において、「アルミナなし」はアル
ミナ粒子21を含有していないスラリーを用いた場合に
得られたデータを示し、「アルミナあり」はアルミナ粒
子42を含有したスラリーを用いた場合に得られたデー
タを示している。また、「シリカあり」はアルミナ粒子
42の代わりにシリカ粒子を含有したスラリーを用いた
場合に得られたデータを示している。
【0154】図28に示すように、スラリー7にシリカ
粒子を添加した場合、パターン密度が低い部分における
研磨速度及びパターン密度が高い部分における研磨速度
の双方が大幅に低下し、実用的な研磨速度は得られなか
った。これに対し、スラリー7にアルミナ粒子42を添
加した場合、パターン密度が低い部分における研磨速度
及びパターン密度が高い部分における研磨速度の双方を
高めることができた。特に、スラリー7にアルミナ粒子
42を添加した場合、パターン密度が高い部分における
研磨速度を大幅に高めることができた。
【0155】(第7の実施形態)上述した第1乃至第6
の実施形態では、研磨粒子18として主に酸化チタン粒
子を使用した場合について説明した。本発明の第7の実
施形態では、窒素及び/または硫黄をドープした酸化チ
タン粒子を研磨粒子18として使用する。
【0156】上記の通り、酸化チタンの光触媒作用は主
として波長が380nm以下の紫外領域の光を照射する
ことにより発現する。そのため、CMP装置には、水銀
灯やブラックライトなどの紫外線照射装置を設ける必要
がある。しかも、紫外線は人体に悪影響を与えるおそれ
がある。
【0157】しかしながら、酸化チタン粒子18に紫外
線の代わりに可視光線を使用した場合、光触媒作用を十
分に発現させることができない。そのため、この場合、
実用的な研磨速度を得ることができない。したがって、
研磨粒子18は、より長い波長の光を照射した場合でも
光触媒作用を十分に発現し得るものであることが望まれ
る。
【0158】図29(a)は酸化チタンのエネルギーバ
ンドを示す図であり、図29(b)は窒素をドープした
酸化チタンのエネルギーバンドを示す図であり、図29
(c)はアルミナまたはシリカのエネルギーバンドを示
す図である。図29(a)に示すように、酸化チタンの
バンドギャップは3.2eVであり、紫外域の光を吸収
することにより光触媒作用を発現する。これに対し、酸
化チタンに窒素をドープした場合、図29(b)に示す
ように、酸化チタンの価電子帯と伝導帯との間に新たな
エネルギー準位が形成される。そのため、実効的なバン
ドギャップをより小さくすることができる。したがっ
て、紫外線よりも低エネルギーの可視光線でも光触媒作
用を発現させることが可能となる。なお、図29(c)
に示すように、アルミナやシリカのバンドギャップは8
eVよりも大きい。そのため、それらに紫外域の光を照
射しても光触媒作用は発現しない。
【0159】図30は、研磨粒子18に照射した光の波
長と光励起により生じた正孔の数との関係を示すグラフ
である。図中、横軸は研磨粒子18に照射した光の波長
を示し、縦軸は光照射により研磨粒子18に生じた正孔
の数を示している。なお、研磨粒子18の酸化力は生じ
た正孔の数にほぼ比例している。
【0160】図30に示すように、研磨粒子18の材料
が酸化チタンである場合、紫外線を照射すれば十分な数
の正孔を生じさせることができるものの、可視光線を照
射しても十分な数の正孔を生じさせることはできない。
これに対し、窒素をドープした酸化チタンを研磨粒子1
8の材料として使用すると、紫外線を照射した場合だけ
でなく、可視光線を照射した場合にも十分な数の正孔を
生じさせることが可能となる。そのため、本実施形態に
よると、可視光線を照射した場合にも十分な酸化力を得
ることができる。したがって、本実施形態によると、窒
素をドープした酸化チタンを研磨粒子18の材料として
使用すること以外は第1乃至第6の実施形態に記載した
のと同様の方法でCMPを行った場合、照射光として紫
外線を利用したときだけでなく可視光線を利用したとき
にも、それら実施形態で説明した効果を得ることができ
る。
【0161】本実施形態において、研磨粒子18の材料
として、窒素をドープした酸化チタンの代わりに硫黄を
ドープした酸化チタンを使用してもよい。或いは、研磨
粒子18の材料として、窒素をドープした酸化チタンの
代わりに窒素及び硫黄の双方をドープした酸化チタンを
使用してもよい。これらの場合も、研磨粒子18の材料
として窒素をドープした酸化チタンを使用した場合と同
様の効果を得ることができる。
【0162】本実施形態において、酸化チタン中の窒素
及び/または硫黄の濃度は、10原子%以下であること
が好ましく、2原子%以下であることがより好ましい。
窒素及び/または硫黄の濃度が過剰に高いと、研磨粒子
18の光触媒としての能力が低下することがある。ま
た、本実施形態において、酸化チタン中の窒素及び/ま
たは硫黄の濃度は、0.05原子%以上であることが好
ましく、0.1原子%以上であることがより好ましい。
窒素及び/または硫黄の濃度が低いと、可視光線を照射
することにより十分な光触媒作用を発現させることが困
難となることがある。
【0163】本実施形態において、スラリー7のpHは
約3乃至約5の範囲内にあることが好ましい。スラリー
7のpHが7程度である場合、研磨粒子18のゼータ電
位がゼロ(等電点)に近づくため、凝集し易くなる。ま
た、スラリー7がアルカリ性である場合、被研磨金属面
に研磨し難い金属水酸化物が形成され、研磨速度が低下
することがある。さらに、pHが約3未満である場合、
被研磨金属面がウェットエッチングされて不所望な溶解
を生ずることがある。
【0164】本実施形態において、窒素をドープした酸
化チタン粒子18、硫黄をドープした酸化チタン粒子1
8、及び、窒素及び硫黄の双方をドープした酸化チタン
粒子18は、様々な方法で得ることができる。例えば、
ゾル−ゲル法や化学反応法を利用して得ることができ
る。
【0165】(第8の実施形態)酸化チタンに紫外線を
照射することにより生じる電子と正孔とは再結合し易
い。通常、それらの寿命は100nsec程度である。
このような正孔の短い寿命は酸化チタン粒子18の酸化
力を制限し、研磨速度を律速することがある。
【0166】本発明の第8の実施形態では、電荷分離物
質を担持した酸化チタン粒子を研磨粒子18として使用
する。そのような研磨粒子18を使用した場合、酸化チ
タンに光を照射することにより生じる電子と正孔との再
結合を抑制することができる。例えば、電荷分離物質と
してニッケルを担持した酸化チタン粒子を研磨粒子18
として使用した場合には、光照射により生じた電子はニ
ッケル上で下記反応式: 2H+ + 2e- → H2 に示す還元反応を生じ得る。そのため、光照射により生
じた電子はニッケルに向けて移動し、正孔と電子とが再
結合する確率が低下する。
【0167】図31は、研磨粒子18に照射した光の波
長と研磨粒子18中の正孔の数との関係を示すグラフで
ある。図中、横軸は研磨粒子18に照射した光の波長を
示し、縦軸は光照射時における研磨粒子18中の正孔の
数を示している。
【0168】図31に示すように、ニッケルのような電
荷分離材料を担持した酸化チタン粒子18を使用した場
合、酸化チタン粒子18を使用した場合に比べて、紫外
線照射時における研磨粒子18中の正孔の数を高めるこ
とができる。そのため、より高い酸化力を得ることがで
きる。したがって、本実施形態によると、電荷分離材料
を担持した酸化チタン粒子18を使用すること以外は第
1乃至第6の実施形態に記載したのと同様の方法でCM
Pを行った場合、それら実施形態で説明した効果が得ら
れるのに加え、より高い研磨速度を実現することが可能
となる。
【0169】本実施形態では、電荷分離物質として、ニ
ッケル、銅、銀、金、ニオブ、及びそれらの混合物の何
れかを使用する。鉛やバナジウムやクロムなどは、毒性
が強いため、危険であり、また、環境問題を引き起こす
原因になる。特に、酸化バナジウムは猛毒であり、使用
に際して危険を伴う。これに対し、ニッケルや銅や銀や
金やニオブは毒性が低く、取り扱いも容易である。
【0170】本実施形態において、酸化チタン表面の電
荷分離物質で被覆された面積である被覆率は、90%以
下であることが好ましく、60%以下であることがより
好ましい。この被覆率が過剰に高いと、研磨粒子18の
光触媒としての能力が低下することがある。また、本実
施形態において、上記被覆率は、5%以上であることが
好ましく、10%以上であることがより好ましい。上記
被覆率が低いと、正孔と電子とが再結合する確率を顕著
に低下させることができない。
【0171】(第9の実施形態)本発明の第9の実施形
態では、第7及び第8の実施形態で説明した技術の組み
合わせを利用する。すなわち、電荷分離材料を担持し且
つ窒素及び/または硫黄をドープした酸化チタン粒子を
研磨粒子18として使用する。
【0172】図32は、研磨粒子18に照射した光の波
長と研磨粒子18中の正孔の数との関係を示すグラフで
ある。図中、横軸は研磨粒子18に照射した光の波長を
示し、縦軸は光照射時における研磨粒子18中の正孔の
数を示している。
【0173】図32に示すように、例えば、ニッケルの
ような電荷分離材料を担持し且つ窒素をドープした酸化
チタン粒子18を使用した場合、酸化チタン粒子18を
使用した場合に比べて、紫外線照射時だけでなく、可視
光線照射時にも研磨粒子18中の正孔の数を高めること
ができる。したがって、可視光線照射時にも、より高い
酸化力を得ることができ、より高い研磨速度を実現する
ことが可能となる。すなわち、第7及び第8の実施形態
で説明した効果の双方を得ることができる。なお、本実
施形態では、電荷分離物質として、例えば、ニッケル、
銅、銀、金、白金、ニオブ、及びそれらの混合物の何れ
かを使用することができる。
【0174】図33は、研磨粒子18の種類と研磨速度
との関係を示すグラフである。図33に示すデータは、
図14(a)に示す構造を以下の条件のもとで形成した
場合に得られたものである。すなわち、CMP用スラリ
ー7としては、研磨粒子18を約3重量%の濃度で含み
且つpHを約3としたスラリーを使用した。また、研磨
布(研磨パッド)としてはIC1000/Suba40
0を使用した。CMPに際しては、500Wの水銀灯を
点灯し続け、荷重を約300gf/cm2、ヘッド3の
回転数を約100rpm、ターンテーブルの回転数を約
100rpmとし、スラリー流量を200cc/min
とした。このような条件下で、幅が42.50μmのC
u配線26を7.5μmの間隔で形成した。
【0175】なお、図33において、「Al23」、
「SiO2」、「TiO2」は、それぞれ、研磨粒子18
として酸化アルミニウム粒子、酸化珪素粒子、酸化チタ
ン粒子を使用した場合に得られたデータを示している。
「TiON」は、研磨粒子18として、窒素をドープし
た酸化チタン粒子を使用した場合に得られたデータを示
している。「Ni/TiO2」は、研磨粒子18とし
て、Niを担持した酸化チタン粒子を使用した場合に得
られたデータを示している。「Ni/TiON」は、研
磨粒子18として、窒素をドープし且つNiを担持した
酸化チタン粒子を使用した場合に得られたデータを示し
ている。
【0176】図33に示すように、研磨粒子18として
酸化チタン粒子を使用した場合、水銀灯(500W)を
照射し続けながらCMPを行ったときには実用的な研磨
速度が得られるものの、蛍光灯(30W)を照射し続け
ながらCMPを行ったときに実用的な研磨速度を得るこ
とはできなかった。これに対し、研磨粒子18として窒
素をドープした酸化チタン粒子を使用した場合、水銀灯
を照射し続けながらCMPを行ったときにはより高い研
磨速度が得られ、蛍光灯を照射し続けながらCMPを行
ったときにも実用的な研磨速度を得ることができた。ま
た、研磨粒子18としてNiを担持した酸化チタン粒子
を使用した場合、水銀灯を照射し続けながらCMPを行
ったときにはより高い研磨速度を得ることができた。さ
らに、研磨粒子18として窒素をドープし且つNiを担
持した酸化チタン粒子を使用した場合、水銀灯を照射し
続けながらCMPを行ったときには極めて高い研磨速度
が得られ、蛍光灯を照射し続けながらCMPを行ったと
きにも非常に高い研磨速度を得ることができた。
【0177】なお、酸化チタン粒子を研磨粒子18とし
て使用したスラリー7にCu膜を浸漬して、ウェットエ
ッチングを行った。その結果、光照射時及び遮光時の双
方で、エッチングレートは1nm/min以下であっ
た。また、図33に示すように、酸化チタン粒子を研磨
粒子18として使用した場合、遮光時の研磨速度は光照
射時の研磨速度に比べて著しく低い。これら結果から、
酸化チタン粒子を研磨粒子18として使用した上記のC
MPでは、分散媒25中に溶解したpH調整剤などによ
るウェットエッチングは銅の除去に殆ど寄与しておら
ず、銅の除去は、主として、酸化チタン粒子18による
銅の酸化とそれにより生じた銅の酸化チタン粒子18に
よる機械的研磨とによって進行することが確認された。
【0178】また、研磨粒子18として、酸化チタン粒
子を使用した場合、窒素をドープした酸化チタン粒子を
使用した場合、研磨粒子18としてNiを担持した酸化
チタン粒子を使用した場合、研磨粒子18として窒素を
ドープし且つNiを担持した酸化チタン粒子を使用した
場合の何れにおいても、ジャストポリッシュからさらに
60%研磨したオーバーポリッシュの時点で、ディッシ
ングやエロージョンは60nm以下であった。すなわ
ち、良好な平坦性を実現することができた。
【0179】(第10の実施形態)次に、本発明の第1
0の実施形態について説明する。第1乃至第9の実施形
態では、研磨粒子18の光触媒作用をCMPの最中に利
用した。これに対し、第10の実施形態では、研磨粒子
18の光触媒作用をCMP用スラリー7の保管時に利用
する。
【0180】先に説明したように、CMP用スラリーを
使用せずに保管しておくと、研磨粒子が凝集して巨大な
粗大粒子を生じ、最終的には沈殿する。本実施形態で
は、研磨粒子18として分散度が光照射により向上する
もの,例えば酸化チタン粒子,を使用し、スラリー7を
保管している間、スラリー7に上記光を連続的に照射す
る。これにより、研磨粒子18の良好な分散状態を維持
することができる。なお、研磨粒子18の良好な分散状
態(例えば、研磨粒子18の沈殿を生じない程度の分散
状態)を維持可能であれば、スラリー7に上記光を連続
的に照射する代わりに、上記光を断続的に照射してもよ
い。また、スラリー7に照射する光の強さは、研磨粒子
18の良好な分散状態を維持することが可能であれば特
に制限はない。
【0181】図34は、CMP用スラリーの保管日数と
スラリー中の粗大粒子数との関係を示すグラフである。
図中、横軸は保管日数を示し、縦軸は粗大粒子数を示し
ている。また、図中、実線は研磨粒子18として酸化チ
タン粒子を使用し且つ保管時にスラリー7に紫外線を照
射し続けた場合に得られたデータを示し、破線は保管時
にスラリー7に光を照射しなかった場合に得られたデー
タを示している。
【0182】図34に示すように、スラリー7に光を照
射しなかった場合、スラリー中の粗大粒子数は時間の経
過とともに増加した。それに対し、スラリー7に紫外線
を照射し続けた場合、経過時間に拘らず、粗大粒子数は
ほぼ一定であった。
【0183】また、研磨粒子18として酸化チタン粒子
のように光照射により酸化力や還元力が誘起されるもの
を使用したCMP用スラリー7を使用せずに保管してお
くと、光照射により誘起される酸化力や還元力が低下す
ることがある。これに対しても、スラリー7を保管して
いる間、スラリー7に光を連続的或いは断続的に照射す
ることが有効である。
【0184】図35は、CMP用スラリーの保管日数と
研磨速度との関係を示すグラフである。図中、横軸は保
管日数を示し、縦軸は研磨速度を示している。また、図
中、実線は研磨粒子18として酸化チタン粒子を使用し
且つ保管時にスラリー7に紫外線を照射し続けた場合に
得られたデータを示し、破線は保管時にスラリー7に光
を照射しなかった場合に得られたデータを示している。
【0185】図35に示すように、スラリー7に光を照
射しなかった場合、研磨速度は保管開始からの経過日数
に応じて低下した。それに対し、スラリー7に紫外線を
照射し続けた場合、経過日数に拘らず、研磨速度はほぼ
一定であった。
【0186】このように、本実施形態によると、研磨粒
子18の凝集などに起因したスラリー7の劣化を抑制す
ることができる。また、紫外線を連続的に照射し続けた
状態でスラリー7を長期保存しても、分散度や酸化力が
高い状態に維持されること以外の光化学反応は起こり難
い。しかも、例え、それら以外の光化学反応が起こった
としても、そのような光化学反応がスラリー7に与える
影響は極めて小さい。したがって、本実施形態による
と、CMP用スラリーの寿命を大幅に長くすることが可
能となる。
【0187】(第11の実施形態)次に、本発明の第1
1の実施形態について説明する。第11の実施形態で
は、研磨粒子18の光触媒作用をCMP用スラリー7を
CMPに使用した後に利用する。
【0188】上述のように、使用後のCMP用スラリー
7の廃液中には、自然環境中では分解され難い有機物な
どが多量に含まれていることがある。本実施形態では、
使用後のスラリー7に研磨粒子18の酸化力或いは還元
力を誘起し得る光を照射して、スラリー7中の有機物な
どを分解する。このような分解処理を行えば、使用後の
スラリー7を自然環境へと廃棄したとしても環境に負荷
を与えることがない。すなわち、薬液などを使用した化
学処理が不要となる。
【0189】なお、太陽光は様々な波長の光を含んでい
るので、研磨粒子18の酸化力或いは還元力を誘起し得
る。したがって、スラリー7中の有機物などを分解する
のに太陽光を利用してもよい。例えば、使用後のスラリ
ー7に上記分解処理を施さずに太陽光が到達し得る自然
環境中へと廃棄したとしても、使用後のスラリー7中に
含まれる有機物などを分解することができる。また、ス
ラリー7を太陽光が到達し得る自然環境中へと廃棄した
場合には、自然環境を浄化することもできる。例えば、
環境汚染物質として代表的なテトラクロロエチレンは、
酸化チタンの光触媒作用により、以下の反応式: C22Cl4 + 4H2O → 2CO2 + 4HC
l + 6H+ で示すように分解することができる。
【0190】このように、第11の実施形態によると、
使用後のCMP用スラリー7を自然環境に対して殆ど無
害な状態にすることに加え、使用後のCMP用スラリー
7を自然環境の浄化に利用することが可能となる。
【0191】(第12の実施形態)第11の実施形態で
は使用後のスラリー7を自然環境の浄化に利用した。こ
れに対し、本発明の第12の実施形態では、使用後のス
ラリー7をCMPに再利用する。
【0192】図36は、本発明の第12の実施形態に係
るCMP用スラリーの再利用システムを概略的に示す図
である。図36に示す再利用システム61は、スラリー
7をCMP装置1に供給するスラリー供給装置62と、
CMP装置1で使用したスラリー7を回収するスラリー
回収装置63と、スラリー回収装置63が回収したスラ
リー7から削りカス70を除去するフィルタ64と、フ
ィルタ64により削りカス70を除去したスラリー7を
スラリー供給装置62へと供給する再生スラリー供給装
置65と、光照射装置66a乃至66cとを含んでい
る。なお、ここで使用するCMP装置1は、例えば、図
6や図10を参照して説明したCMP装置1のように光
照射装置10及び/または33を内蔵し得る。
【0193】CMP装置のランニングコストの多くは、
研磨パッドのコストとスラリーのコストとが占めてい
る。したがって、コストの観点からは、使用後のスラリ
ーを再利用する技術が重要である。しかしながら、従来
のスラリーは再利用が困難である。これは、従来のスラ
リーで酸化剤として使用している過硫酸アンモニウムや
硝酸鉄や有機酸などが金属と化合物を形成することや、
CMPに伴って生じる削りカスと研磨粒子とが粗大粒子
を形成するため再生可能な研磨粒子が少なくなることな
どに起因している。
【0194】本実施形態では、酸化チタン粒子のように
光照射により分散度や酸化力が高まる研磨粒子18を酸
化剤として利用し、別途、酸化剤は添加しない。そのた
め、不所望な金属化合物の生成を抑制することができ
る。また、酸化チタン粒子18の酸化剤としての能力
は、その光触媒としての能力の1つであるので、繰り返
し利用することができる。しかも、削りカスと研磨粒子
18とが粗大粒子を形成したとしても光照射によりそれ
らを離散させることができるため、研磨粒子18と削り
カスとの分離が容易である。したがって、本実施形態に
よると、より多くの研磨粒子をより容易に回収すること
ができる。
【0195】(第13の実施形態)図37は、本発明の
第13の実施形態に係るCMP用スラリーの再利用シス
テムを概略的に示す図である。図37に示す再利用シス
テム61は、スラリー7をCMP装置1に供給するスラ
リー供給装置62と、CMP装置1で使用したスラリー
7を回収するスラリー回収装置63と、スラリー回収装
置63が回収したスラリー7中の削りカス70を溶解処
理する溶解処理装置67と、溶解処理装置67で処理し
たスラリー7中の研磨粒子18を遮光することにより凝
集させる凝集装置68と、凝集装置68で処理したスラ
リー7中の凝集した研磨粒子18を分散媒25などから
分離するフィルタ64と、フィルタ64が回収した研磨
粒子18と新たな分散媒25などとを混合してスラリー
7を再生するとともに再生したスラリー7をスラリー供
給装置62へと供給する再生スラリー供給装置65と、
光照射装置66a乃至66dとを含んでいる。なお、こ
こで使用するCMP装置1は、例えば、図6や図10を
参照して説明したCMP装置1のように光照射装置10
及び/または33を内蔵し得る。
【0196】本実施形態では、第12の実施形態とは異
なり、スラリー7中の削りカス70はフィルタリングに
より除去するのではなく溶解処理により除去する。その
ため、本実施形態では、第12の実施形態で説明した効
果が得られるのに加え、再生したスラリー7中に削りカ
ス70が混入することや、削りカス70だけでなく研磨
粒子18までもがフィルタリングされて研磨粒子18の
回収効率が低下することを防止可能である。また、本実
施形態では、研磨粒子18以外は再利用しないので、再
生したスラリー7は新たなスラリー7と同等の研磨能力
を有する。さらに、本実施形態では、(例えば粒子径が
100μm程度の二次粒子を生じるように)研磨粒子1
8を凝集させて分散媒25などから分離するので、研磨
粒子18を高い効率で回収可能である。
【0197】本実施形態において、溶解処理装置67で
の削りカス70の溶解処理は、例えば、スラリー回収装
置63から供給されるスラリー7と濃度を6mol/L
程度とした硝酸水溶液とを混合することにより行うこと
ができる。なお、この場合、削りカス70,例えば酸化
銅,は、以下の反応式: CuO + 2HNO3 → Cu(NO)3 + H2
O で示すように溶解する。
【0198】また、溶解処理装置67での削りカス70
を溶解処理は、例えば、スラリー回収装置63から供給
されるスラリー7と濃度を6mol/L程度とした塩酸
水溶液とを混合することにより行うことができる。な
お、この場合、削りカス70,例えば酸化銅,は、以下
の反応式: CuO + 2HCl → CuCl2 + H2O で示すように溶解する。
【0199】第12及び第13の実施形態において、ス
ラリー7は界面活性剤などのように有機酸以外の有機成
分を含有することができる。但し、第12及び第13の
実施形態では、スラリー7が界面活性剤を含有していな
い場合であっても、光照射装置66a乃至66cや光照
射装置10及び/または33を点灯し続けるか或いは断
続的に点灯することにより、研磨粒子18を良好な分散
状態に維持することができる。しかも、スラリー7が有
機物を含有していない場合、有機成分の変質を生じるこ
とがないため、再生スラリーに新たな有機成分を添加す
る必要がない。したがって、ランニングコストを低減す
る観点では、スラリー7は有機成分を含有していないこ
とが好ましい。なお、スラリー7に有機酸などの有機成
分を添加しない場合、pH調整剤として無機酸を使用す
ることによりスラリー7のpHを調節することができ
る。したがって、スラリー7は、例えば、水のような分
散媒25、酸化チタン粒子のような研磨粒子18、及び
無機酸のみで構成することができる。
【0200】また、第12及び第13の実施形態では、
第1乃至第9の実施形態で説明したスラリー7を使用す
ることができる。但し、第4及び第5の実施形態で説明
したスラリー7は有機成分を含有しているので、第1乃
至第3及び第6乃至第9の実施形態で説明したスラリー
7を使用することが好ましい。
【0201】以上説明した各実施形態に係る技術は互い
に組み合わせることができる。例えば、第7乃至第9の
実施形態の何れかで説明した研磨粒子18を第5または
第6の実施形態で説明したスラリー7で使用することが
できる。また、第4の実施形態で説明したスラリー7
に、第5の実施形態で説明した樹脂粒子及び第6の実施
形態で説明した無機粒子の少なくとも一方を加えること
ができる。さらに、第1乃至第3の実施形態で説明した
研磨粒子18と、第7の実施形態で説明した研磨粒子
と、第8の実施形態で説明した研磨粒子18との少なく
とも2種を互いに混合して使用することもできる。
【0202】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、CM
P用スラリーとして、光照射により光触媒作用を呈する
研磨粒子を含有したスラリーを利用する。そのような研
磨粒子は、光照射により、その酸化力或いは還元力及び
/または親水性を変化させ得る。そのため、高精度な研
磨を高い研磨速度で実施可能となり、また、保管や廃棄
が容易になる。すなわち、本発明によると、高精度な研
磨を高い研磨速度で実施可能であり且つ保管や廃棄が容
易なCMP用スラリー、その取り扱い方法、それを用い
た半導体装置の製造方法、及びそれを使用可能な半導体
装置の製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明の第1の実施形態に
係るCMP用スラリーを概略的に示す図。
【図2】(a),(b)は、図1(a),(b)に示す
スラリーを用いたCMPの一例を概略的に示す断面図。
【図3】研磨粒子の粒径とその沈降速度との関係を示す
グラフ。
【図4】(a)乃至(c)は、それぞれ、アナターゼ
型、ルチル型、及びブルッカイト型酸化チタンの結晶構
造を示す図。
【図5】酸化チタンのエネルギーバンドを示す図。
【図6】図1(a),(b)に示すスラリーを使用可能
なCMP装置の一例を概略的に示す図。
【図7】図6に示すCMP装置を用いたCMPの際に観
測され得る、研磨時間とテーブルに加わる荷重との関係
の一例を示すグラフ。
【図8】図7に示す方法を採用した場合に実現され得る
CMP性能の一例を示す図。
【図9】(a),(b)は、本発明の第2の実施形態に
係るCMPの一例を概略的に示す断面図。
【図10】本発明の第2の実施形態で利用可能なCMP
装置のヘッドを概略的に示す断面図。
【図11】(a),(b)は、本発明の第3の実施形態
に係るCMPの一例を概略的に示す断面図。
【図12】図11(a)に示す状態と図11(b)に示
す状態との間の状態を示す断面図。
【図13】埋め込み配線の幅と平坦性との関係を示すグ
ラフ。
【図14】(a)は本発明の第3の実施形態に係るCM
Pの他の例を概略的に示す断面図、(b)は従来技術に
係るCMPの例を概略的に示す断面図。
【図15】酸化チタンのエネルギーバンドを示す図。
【図16】スラリーに照射する光の強さと研磨速度との
関係を示すグラフ。
【図17】(a),(b)は、それぞれ、研磨粒子とし
てアルミナ粒子及びシリカ粒子を使用した場合に得られ
た、スラリーに照射する光の強さと研磨速度との関係を
示すグラフ。
【図18】スラリー7中の研磨粒子の濃度と研磨速度と
の関係を示すグラフ。
【図19】スラリー7のpHと研磨速度との関係を示す
グラフ。
【図20】(a),(b)は、第4の実施形態に係る方
法でCMPを行った場合に生じ得るメタル残りを概略的
に示す断面図。
【図21】スラリー中へのノニオン界面活性剤の添加が
島状残留部の発生を抑制する効果の一例を示すグラフ。
【図22】スラリー中へのノニオン界面活性剤の添加が
製造歩留まりを向上させる効果の一例を示すグラフ。
【図23】スラリーの組成と研磨速度との関係を示すグ
ラフ。
【図24】第3の実施形態に係る方法でCMPを行った
場合に生じ得る研磨速度のパターン密度依存性を説明す
る断面図。
【図25】本発明の第5の実施形態に係るCMPを概略
的に示す断面図。
【図26】スラリー中への樹脂粒子の添加が研磨速度を
高める効果の一例を示すグラフ。
【図27】本発明の第6の実施形態に係るCMPを概略
的に示す断面図。
【図28】スラリー中への無機粒子の添加が研磨速度を
高める効果の一例を示すグラフ。
【図29】(a)は酸化チタンのエネルギーバンドを示
す図、(b)は窒素をドープした酸化チタンのエネルギ
ーバンドを示す図、(c)はアルミナまたはシリカのエ
ネルギーバンドを示す図。
【図30】研磨粒子に照射した光の波長と光励起により
生じた正孔の数との関係を示すグラフ。
【図31】研磨粒子に照射した光の波長と研磨粒子中の
正孔の数との関係を示すグラフ。
【図32】研磨粒子に照射した光の波長と研磨粒子中の
正孔の数との関係を示すグラフ。
【図33】研磨粒子の種類と研磨速度との関係を示すグ
ラフ。
【図34】CMP用スラリーの保管日数とスラリー中の
粗大粒子数との関係を示すグラフ。
【図35】CMP用スラリーの保管日数と研磨速度との
関係を示すグラフ。
【図36】本発明の第12の実施形態に係るCMP用ス
ラリーの再利用システムを概略的に示す図。
【図37】本発明の第13の実施形態に係るCMP用ス
ラリーの再利用システムを概略的に示す図。
【図38】(a),(b)は、従来のCMP用スラリー
を概略的に示す図。
【図39】(a),(b)は従来のCMP用スラリーを
用いたCMPの例を概略的に示す断面図。
【図40】ターンテーブルの回転数と研磨速度との関係
を示すグラフ。
【図41】研磨パッドの種類と研磨速度との関係を示す
グラフ。
【符号の説明】
1…CMP装置; 2…被研磨基板; 3…ヘッド;
5…研磨パッド;6…ターンテーブル; 7…CMP用
スラリー; 8…スラリー供給装置;8a…供給ノズ
ル; 10…光照射装置; 11…ヘッド駆動装置;1
2…ヘッド用センサ; 13…A/Dコンバータ; 1
4…制御装置;15…テーブル駆動装置; 16…テー
ブル用センサ;17…A/Dコンバータ; 18…研磨
粒子; 19…筐体;20…二次粒子; 22…添加
剤; 23…半導体基板;24,24a,24b…絶縁
膜; 25…分散媒;26,26a,26b…金属膜;
27…チタン原子; 28…酸素原子;30,30
a,30b…バリア層; 31…ヘッド; 32…吸引
室;33…光照射装置; 34…通気路; 35…バッ
キングフィルム;36…吸引孔; 41…樹脂粒子;
42…無機粒子; 43…酸化膜;61…再利用システ
ム; 62…スラリー供給装置;63…スラリー回収装
置; 64…フィルタ;65…再生スラリー供給装置;
66a乃至66d…光照射装置;67…溶解処理装
置; 68…凝集装置; 70…削りカス;108…デ
ィッシング; 109…スクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/304 622 H01L 21/304 622D (72)発明者 南幅 学 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 3C047 FF08 GG15 3C058 AA07 AC04 CB01 DA17

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子と、前記分散媒
    中に溶解したノニオン界面活性剤とを含有した化学的機
    械的研磨用スラリー。
  2. 【請求項2】 分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子と、前記分散媒
    中に分散した樹脂粒子とを含有した化学的機械的研磨用
    スラリー。
  3. 【請求項3】 分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子と、前記分散媒
    中に分散したアルミナ粒子とを含有した化学的機械的研
    磨用スラリー。
  4. 【請求項4】 分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有し、前
    記研磨粒子は、チタンと、酸素と、ニッケル、銅、銀、
    金、及びニオブからなる群より選択される少なくとも1
    種の元素とを含有した化学的機械的研磨用スラリー。
  5. 【請求項5】 分散媒と、前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有し、前
    記研磨粒子は、チタンと、酸素と、窒素及び硫黄の少な
    くとも一方の元素とを含有した化学的機械的研磨用スラ
    リー。
  6. 【請求項6】 前記研磨粒子は、酸化チタン、酸化ス
    ズ、酸化ニオブ、セレン化カドミウム、及び硫化カドミ
    ウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物
    を含有した請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の
    スラリー。
  7. 【請求項7】 前記研磨粒子は可視光線照射により前記
    光触媒作用を呈する請求項5に記載のスラリー。
  8. 【請求項8】 前記研磨粒子は紫外線照射により前記光
    触媒作用を呈する請求項1乃至請求項7の何れか1項に
    記載のスラリー。
  9. 【請求項9】 前記研磨粒子の酸化力は前記光照射によ
    り高まる請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のス
    ラリー。
  10. 【請求項10】 前記研磨粒子の親水性は前記光照射に
    より高まる請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の
    スラリー。
  11. 【請求項11】 前記研磨粒子はアナターゼ型の結晶構
    造を有する酸化チタンを含有した請求項1乃至請求項1
    0の何れか1項に記載のスラリー。
  12. 【請求項12】 前記研磨粒子の一次粒子径は5nm乃
    至1000nmの範囲内で分布しており、前記研磨粒子
    の二次粒子径は100nm乃至1000nmの範囲内で
    分布している請求項1乃至請求項11の何れか1項に記
    載のスラリー。
  13. 【請求項13】 前記研磨粒子の一次粒子径は5nm乃
    至20nmの範囲内で分布している請求項13に記載の
    スラリー。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項13の何れか1項
    に記載のスラリーを用いて被研磨基板の被研磨部に化学
    的機械的研磨処理を施す際に、前記スラリーに向けて光
    を照射することを含んだ半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 研磨部材と被研磨基板とを相対移動さ
    せることにより前記被研磨基板の被研磨部を化学的機械
    的研磨する半導体装置の製造方法であって、前記研磨部
    材と前記被研磨基板との間に分散媒と前記分散媒中に分
    散し且つ光照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを
    含有した化学的機械的研磨用スラリーを供給すること、
    及び、前記研磨部材と前記被研磨基板との間に介在した
    前記スラリーに光を照射することを含んだ半導体装置の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記化学的機械的研磨処理の間に前記
    光の強度及び前記光のスペクトルの少なくとも一方を変
    化させる請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記被研磨基板を保持した基板保持具
    に加わる荷重及び前記研磨部材を保持した研磨治具に加
    わる荷重の少なくとも一方の大きさに応じて前記光の強
    度及び前記光のスペクトルの少なくとも一方を変化させ
    る請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記光を前記被研磨基板の前記被研磨
    部とは反対側から照射する請求項14乃至請求項17の
    何れか1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記被研磨部は金属を主成分とした層
    を含んだ請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記金属を主成分とした層は、金属、
    合金、金属窒化物、金属硼化物、金属酸化物、及び、窒
    素と硼素と酸素との少なくとも2種を含有した金属化合
    物からなる群より選択される材料を含有し、前記材料は
    その構成元素としてアルミニウム、銅、タングステン、
    チタン、モリブデン、ニオブ、タンタル、及びバナジウ
    ムからなる群より選択される金属元素を含んだ請求項1
    9に記載の方法。
  21. 【請求項21】 半導体基板上に凹部が設けられた絶縁
    膜を形成することと、前記絶縁膜上に窒化タングステン
    を含んだバリア層を形成して前記凹部の底面及び側壁を
    被覆することと、前記バリア層上に銅を含んだ金属層を
    形成して前記凹部を埋め込むことと、前記金属層を化学
    的機械的研磨することとを含み、前記化学的機械的研磨
    は、分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光照射により光
    触媒作用を呈する研磨粒子とを含有した化学的機械的研
    磨用スラリーを研磨部材上に供給すること、前記研磨部
    材上に供給した前記スラリーに前記光を照射すること、
    及び、前記光を照射した前記スラリーを前記研磨部材と
    前記金属表面との間に介在させながら前記研磨部材と前
    記半導体基板とを相対移動させることを含んだ半導体装
    置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記化学的機械的研磨に使用する研磨
    部材を60rpm乃至140rpmの範囲内の回転数で
    回転させながら前記化学的機械的研磨を行う請求項14
    乃至請求項21の何れか1項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記化学的機械的研磨に使用する研磨
    部材は3重量%以下の導電性成分濃度を有している請求
    項14乃至請求項22の何れか1項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記化学的機械的研磨の後に前記化学
    的機械的研磨に使用した前記スラリーに光を照射するこ
    とをさらに含んだ請求項17乃至請求項23の何れか1
    項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有した化
    学的機械的研磨用スラリーを用いて被研磨基板に化学的
    機械的研磨処理を施し、その後、前記化学的機械的研磨
    処理に使用した前記スラリーに向けて光を照射する半導
    体装置の製造方法。
  26. 【請求項26】 分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有した化
    学的機械的研磨用スラリーを用いて被研磨基板の被研磨
    部を化学的機械的研磨することと、前記化学的機械的研
    磨に使用した前記スラリーから前記化学的機械的研磨に
    伴って生じる削りカスを除去して前記化学的機械的研磨
    に利用可能な再生スラリーを生成することとを含んだ半
    導体装置の製造方法。
  27. 【請求項27】 分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有した化
    学的機械的研磨用スラリーを用いて被研磨基板の被研磨
    部を化学的機械的研磨することと、前記化学的機械的研
    磨に伴って生じ且つ前記化学的機械的研磨に使用した前
    記スラリーに含まれる削りカスを溶解させることと、前
    記削りカスを溶解させた前記スラリーから前記研磨粒子
    を回収することと、前記回収した研磨粒子を用いて前記
    化学的機械的研磨に利用可能な再生スラリーを生成する
    こととを含んだ半導体装置の製造方法。
  28. 【請求項28】 被研磨基板を保持可能な基板保持具
    と、研磨部材を保持可能な研磨治具と、前記基板保持具
    に保持された前記被研磨基板と前記研磨治具に保持され
    た前記研磨部材とを対向させながら前記基板保持具を前
    記研磨治具に対して相対移動させる駆動機構と、前記研
    磨治具に保持された前記研磨部材の前記基板保持具に保
    持された前記被研磨基板に対向した面に化学的機械的研
    磨用スラリーを供給可能なスラリー供給装置と、前記研
    磨部材の前記被研磨基板に対向した面に供給した前記ス
    ラリーに光を照射する光照射装置とを具備した半導体装
    置の製造装置。
  29. 【請求項29】 前記光照射装置は、前記被研磨基板の
    前記研磨部材に対向した面の裏面に前記光を放射し且つ
    前記被研磨基板の前記裏面に放射された光の少なくとも
    一部が前記被研磨基板を透過して前記被研磨基板と前記
    研磨部材との間に介在した前記スラリーを照射するよう
    に構成された請求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 前記光照射装置が放射する前記光の強
    度及び/またはスペクトルは可変である請求項29また
    は請求項30に記載の装置。
  31. 【請求項31】 前記光照射装置は前記光として紫外線
    を照射可能である請求項28乃至請求項30の何れか1
    項に記載の装置。
  32. 【請求項32】 分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有した化
    学的機械的研磨用スラリーを保管している間に前記スラ
    リーに前記光を連続的に或いは断続的に照射する化学的
    機械的研磨用スラリーの取り扱い方法。
  33. 【請求項33】 分散媒と前記分散媒中に分散し且つ光
    照射により光触媒作用を呈する研磨粒子とを含有し、前
    記研磨粒子の酸化力は前記光照射により高まる化学的機
    械的研磨用スラリーを自然環境中に放出し、前記自然環
    境中に放出した前記スラリーへの前記光照射により前記
    自然環境及び前記スラリーの少なくとも一方を浄化する
    化学的機械的研磨用スラリーの取り扱い方法。
  34. 【請求項34】 前記光は紫外線である請求項32また
    は請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記光は紫外線を含む太陽光線である
    請求項34に記載の方法。
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