JP2003105137A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2003105137A
JP2003105137A JP2001301140A JP2001301140A JP2003105137A JP 2003105137 A JP2003105137 A JP 2003105137A JP 2001301140 A JP2001301140 A JP 2001301140A JP 2001301140 A JP2001301140 A JP 2001301140A JP 2003105137 A JP2003105137 A JP 2003105137A
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Shinichi Inagaki
伸一 稲垣
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Gomuno Inaki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム部プラスチック部との直接的な結合にお
いて、加硫接着剤を用いなくても、加硫接着剤を用いた
ときの接着強度を達成できるゴム組成物を提供するこ
と。 【構成】 オキシフェニレン又はチオフェニレンを主鎖
構造の全部又は主体とするプラスチック部と直接的に加
硫接着するゴム部を成形する際に使用するゴム組成物で
あって、ゴム組成物が粘着付与剤(タッキファイヤー)
を、加工性改良剤としての配合量以外に、さらに、約
0.5〜20phr含有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシフェニレン
又はチオフェニレンを主鎖構造の全部又は主体とするプ
ラスチック部と直接的に加硫接着するゴム部を成形する
際に使用するゴム組成物、及び前記ゴム組成物を使用し
たプラスチック−ゴム積層成形物に関する。
【0002】本明細書においては、プラスチック部を形
成する樹脂として、主としてスチレン変性ポリフェニレ
ンエーテル(以下、「変性PPE」と記すことがあ
る。)をポリマー成分またはポリマー成分主体とするも
のを例にとり説明を行う。
【0003】
【従来の技術】従来、硬質材料とゴム材料との複合・一
体化製品を製造する際、硬質材料−ゴム材料間の結合方
法としては、硬質材料の表面に脱脂処理(有機溶剤洗
浄)を施した後、加硫接着剤を均一に塗布し、十分な乾
燥を与えた後、ゴムの加硫工程において同時的に加硫接
着させる方法が一般的であった。
【0004】しかし、近年、脱脂処理工程においては、
使用する有機溶剤に関して人体への悪影響や、処理方法
等が指摘されつつある。また、加硫工程においても加硫
接着剤に含まれる環境負荷物質(鉛成分)の規制などが
行われている。よって、上記脱脂処理工程の排除、及び
加硫接着剤を使用せずに結合する手法の確立が望まれて
いた。
【0005】硬質材料として金属を使用する場合、稀に
銅系金属ではその表面遊離イオンの影響で加硫接着剤を
用いずゴムとの結合化を図ることが知られていた。そし
て、最近では、軽量で、金属と同様に使用可能な硬質樹
脂(エンジニアリングプラスチック)が硬質材料として
注目されており、アロイ化や特殊薬品の添加を施すこと
で、加硫接着剤を用いなくてもゴムとの直接的な結合が
可能な特殊硬質樹脂(PPE,PA)が上市されるよう
になってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特殊硬質
樹脂を使用してゴム材料との結合(コンポジット化)を
行った場合、加硫接着剤を使用した場合に比して接着強
度に劣ることが確認できた。
【0007】本発明は、上記特殊硬質樹脂を使用した場
合であっても、加硫時の熱により加硫接着可能で、か
つ、加硫接着剤を用いたときの接着強度を達成できるゴ
ム組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、鋭意研究・開発に努力する過程で、下
記構成のゴム組成物に想到した。
【0009】オキシフェニレン又はチオフェニレンを主
鎖構造の全部又は主体とするプラスチック部と直接的に
加硫接着するゴム部を成形する際に使用するゴム組成物
であって、ゴム組成物が粘着付与剤(タッキファイヤ
ー)を、加工性改良剤としての配合量以外に、さらに、
約0.5〜20phr含有してなることを特徴とする。ゴ
ム組成物が粘着付与剤(タッキファイヤー)を一定量含
有することで、加硫接着剤を使用したときと同等の結合
力を保持することができる。
【0010】上記構成において、ゴム組成物のゴムポリ
マーとしては、全部又は主体がジエン系ゴムポリマーで
あることが望ましい。上記条件を満たすゴムポリマーと
しては、例えば、スチレンブタジエンゴムを挙げること
ができる。
【0011】上記構成において、ゴムポリマー中には、
さらに、ポリメチレン鎖系ゴムポリマー、特にポリメチ
レン鎖にスチレンを付加重合させたゴムポリマーを約0
〜60phr含むことが望ましい。ジエン系ゴムポリマー
の弱点である耐熱性の向上を図ることができる。
【0012】上記構成において、プラスチック部を形成
する樹脂としては、スチレン変性ポリフェニレンエーテ
ルをポリマー成分またはポリマー成分主体とするものを
好適に適用することができる。金属に近い強度を有し、
エンジニアリングプラスチックとして汎用されている樹
脂のうち、上記ゴム組成物との加硫接着が可能なもので
ある。
【0013】上記構成において、ゴム組成物に含有され
る粘着付与剤がクマロン樹脂系、フェノールテルペン樹
脂系、石油炭化水素系の中から1種又は2種以上選択さ
れるものであって、粉末状であることが望ましい。加硫
接着性がより良好となり、優れた結合力を有したプラス
チック−ゴム積層成形物の提供が可能となる。
【0014】本発明の他の一つは、オキシフェニレン又
はチオフェニレンを主鎖構造の全部又は主体とするプラ
スチック部と、プラスチック部と直接的に加硫接着する
ゴム部とからなるプラスチック−ゴム積層成形物であっ
て、ゴム部の成形に上述のゴム組成物を使用することを
特徴とするものである。
【0015】上記構成において、プラスチック−ゴム積
層成形物に、さらに金属補強を施す構成とすることもで
きる。締結負荷のかかる部分などに使用した場合であっ
ても、プラスチックの破壊を防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明を行う。
【0017】本発明のゴム組成物は、オキシフェニレン
又はチオフェニレンを主鎖構造の全部又は主体とするプ
ラスチック部と直接的に加硫接着するゴム部を成形する
際に使用するものであることを基本的特徴とする。
【0018】オキシフェニレン又はチオフェニレンを主
鎖構造の全部又は主体とするプラスチック部は、高い剛
性を有する熱可塑性成形材であって、各種製品の軽量化
に伴う金属の代替品として有用である。該プラスチック
部の成形に使用する樹脂としては、ポリフェニレンエー
テル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンスルフィド及びそれらの誘導体等があり、これらを単
独若しくは2種以上混合して使用することができるが、
主としてポリフェニレンエーテル(PPE)をポリマー
成分またはポリマー成分主体とするものを好適に使用可
能である。
【0019】なお、PPEは、荷重たわみ温度が高く、
比重が小さく、吸水による寸法変化が小さい。耐酸、耐
アルカリ性に優れるが、成形性がよくないので、実際
は、ポリスチレン等とブレンドしたスチレン変性PPE
が実用されている。上記ポリスチレンとしては、スチレ
ン単一重合物や耐衝撃性スチレン重合物が使用され、そ
の配合量はPPEに対して、通常、約3〜10%とされ
る。
【0020】上記プラスチック部を成形する成形材料に
は、さらに汎用のプラスチック用添加剤が必要量含有さ
れていてもよい。例えば、安定剤、加工用助剤、発泡
剤、金属繊維、カーボンブラック、黒鉛、金属箔、二酸
化チタン、硫化亜鉛などが例示できる。
【0021】上記プラスチック部は、例えば各成分を約
250〜300℃、望ましくは約260〜300℃×約
0.3〜10分、望ましくは約0.5〜3分、溶融状態
で混合することによって製造される。溶融及び混合に
は、バッチ式、連続式等の運転装置が使用可能である。
【0022】一方、本発明のゴム組成物としては、ゴム
ポリマーの全部又は主体が、ジエン系ゴムポリマーであ
るものが望ましい。
【0023】ジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴム
(BR),イソプレンゴム:合成物(IR),イソブチ
レンイソプレンゴム(IIR),ニトリルブタジエンゴ
ム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルイ
ソプレンゴム(NIR),イソプレンゴム:天然物(N
R),ビニルピリジンブタジエンゴム(PBR),スチ
レンブタジエンゴム(SBR),カルボキシスチレンイ
ソプレンゴム(XSBR),カルボキシ−ニトリルブタ
ジエンゴム(XNBR)などが例示できる。特に、ジエ
ン系ゴムポリマーとして、スチレンブタジエンゴムを好
適に使用できる。本発明の処方とした際に、プラスチッ
ク部との良好な接着性を得やすいためである。
【0024】そして、上記ゴムポリマー中には、さら
に、ポリメチレン鎖系ゴムポリマーを約0〜60phr、
望ましくは約10〜50phr、さらに望ましくは約15
〜35phr含有することが望ましい。上述の二重結合を
多く含むポリマーは、耐熱性に乏しいため、耐熱性ポリ
マーとして、二重結合を含まないポリメチレン鎖系ゴム
ポリマーを適量添加することでゴム組成物の熱による劣
化をさらに向上させることができる。
【0025】上記ポリメチレン鎖系ゴムポリマーとして
は、ポリメチレン鎖にスチレンを付加重合させたものを
使用することが望ましい。ゴム部−プラスチック部間の
接着性の確保がより容易となるためである。具体的に
は、スチレン変性されたエチレンプロピレンジエン三元
共重合体(スチレン変性EPDM)を好適に使用するこ
とができる。
【0026】そして、本発明は、ゴム組成物が粘着付与
剤(タッキファイヤー)を、加工性改良剤としての配合
量以外に、さらに、約0.5〜20phr、望ましくは約
1〜15phr、さらに望ましくは約3〜8phr含有してな
ることを特徴とする。粘着付与剤(タッキファイヤー)
の量が多すぎると、ゴム混練時や成形時に粘着性が強す
ぎて取扱性が低下する。
【0027】上記ゴム組成物に粘着付与剤(タッキファ
イヤー)を添加することで加硫接着剤を用いたものと同
等以上の接着力を確保することができる。ここで、「加
工性改良剤としての配合量以外に」としたのは、粘着付
与剤が加工性改良剤としてゴム成分中に添加される場合
を想定しているものである。加工性改良剤が添加されな
い処方の場合は、当然、含有される粘着付与剤の全体量
を、上記範囲内に設定すればよい。
【0028】粘着付与剤(タッキファイヤー)は、クマ
ロン樹脂系、フェノールテルペン樹脂系、石油炭化水素
系、ロジンエステル誘導体に大別されるが、中でもクマ
ロン=インデン樹脂系、フェノールテルペン樹脂系、石
油炭化水素系であって、粉末状の粘着付与剤を使用する
と、結合力向上効果が著しい。
【0029】クマロン樹脂系の粘着付与剤としては、汎
用のものを使用することができる。例えば、クマロン・
インデン・スチレン樹脂である「エスクロンG−9
0」、「エスクロンN−100」、「エスクロンV−1
20」、「エスクロンL−5」、「エスクロンL−2
0」、(以上新日鐵化学社製商品)、クマロン・改質ポ
リテルペン樹脂である「プロセスレジンAC−8」、
「プロセスレジンB−70」、クマロン・ナフテン系プ
ロセス油である「プロセスレジンC−50」、低重合ク
マロン・特殊アロマチック油である「プロセスレジンC
−61」、クマロン・フェノール・パラフィン系プロセ
ス油である「プロセスレジンC−75」、水素添加石油
樹脂・特殊合成油である「プロセスレジンH−65」
(以上神戸油化学工業社製商品)等が市販されている。
【0030】上記のうち、特に粉末状のもの、例えば
「エスクロンG−90」を使用すると接着性が顕著に良
好となる。本グレードが優れた効果を奏する理由は、明
らかではないが、重合度が大きく粉末状であるため接着
性の向上に寄与していると予測される。
【0031】また、フェノールテルペン樹脂系の粘着付
与剤も汎用のものを使用することができる。例えば、ア
ルキルフェノール樹脂である「タッキロール101」、
「タッキロール160」(以上、田岡化学工業社製)、
「PP−5121」(群栄化学工業社製)、「ヒタノー
ル1501」、「ヒタノール1502」(以上、日立化
成工業社製)、変性アルキルフェノール樹脂である「タ
ッキロールEP−20」、「タッキロールEP−30」
(以上、田岡化学工業社製)、熱可塑性フェノール樹脂
である「スミライトレジンPR175」、「スミライト
レジンPR19900」(以上、住友デュレズ社製)、
アルキルフェノール変性樹脂である「ニカノールHP−
70」(三菱ガス化学社製)、フェノール樹脂である
「タマノル510」(荒川化学工業社製)、キシレンフ
ェノール樹脂である「CJ1000」(松下電工社製)
等が市販されている。
【0032】石油炭化水素系の粘着付与剤も汎用のもの
を使用することができる。例えば、脂肪族飽和炭化水素
樹脂である「アルコンP−90」、「アルコンM−9
0」(以上、荒川化学工業社製)、芳香族炭化水素樹脂
である「ネオポリマーL−90」、「ネオポリマーL−
120」(以上、日本石油化学社製)、「ペトロジン#
120」、脂肪族系炭化水素樹脂である「ハイレッツG
−100X」(以上、三井化学工業社製)、石油樹脂系
である「YSレジン75」、「YSレジン50」、合成
ポリテルペン樹脂である「YSポリスター」(以上、ヤ
スハラケミカル社製)、「クイントンA−100」、
「クイントンB−170」、「クイントンC−100」
(以上、日本ゼオン社製)、等が市販されている。
【0033】また、上記ゴム組成物にはその他汎用のゴ
ム用添加剤が必要に応じて添加される。具体的には、加
硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、素練り促進剤、スコー
チ防止剤、発泡剤、可塑剤、着色剤、加硫活性剤、補強
剤、充填剤などである。
【0034】上記ゴム組成物は、汎用の方法により、混
練、成形、加硫などの工程を経てゴム部とされる。な
お、加硫条件は、硫黄加硫の場合、例えば約180℃×
10minとすることができる。その他、過酸化物加硫、
チウラム加硫、キノイド加硫、樹脂加硫など、汎用の加
硫方式を適用してもよい。また、成形方法も、型成形
(圧縮、注入)、型押し出し、トランスファー、射出な
ど、汎用の成形機を用いて可能である。
【0035】次に、上記プラスチック部とゴム部との結
合方法の一例について説明する。プラスチック−ゴム間
の結合は、例えば下記の如く、1段階法や2段階法を用
いて、ゴム加硫時において同時加硫接着することで行
う。
【0036】1段階法は、プラスチック部とゴム部の成
形及び加硫を同時的に行う方法であり、2段階法は、プ
レス、射出成形又は押出し成形によって製造されたプラ
スチック部を、場合によっては予備成形されたゴム材料
と合体させ、ゴムの加硫条件下に置き、加硫を行う方法
である。それぞれ、汎用の射出成形機、押出し成形機を
使用して製造可能である。
【0037】なお、本発明のゴム組成物は、例えば熱交
換器サポート、ブレーキディスク、クラッチディスク、
フランジ、管継手、ホース継手、ポンプ、電動工具用ケ
ース、ランプケース、パッキン、シーリング枠、衝撃及
び輻射線吸収性建材、ばね要素、電動ベルト、自動車用
タイヤ、オーディオ機器のピンチローラー、キャタピラ
ーの関節等、各種部材に利用できる。
【0038】図1に本発明のゴム組成物及び上述のプラ
スチック部を使用して形成される熱交換器サポート12
の概略図、及び要部拡大断面図を示す。車体に搭載され
る熱交換器サポート12には、熱交換器18から車体へ
の振動伝達を抑制するために、図1に示す如く、硬質材
料(プラスチック製)パイプ14に、ゴム部16が結合
されてプラスチック−ゴム積層成形品とされている。そ
して、熱交換器サポート12の要求特性として、軸方向
の接着力が剥離強さで約6N/mm以上であることが望
ましいとされている。
【0039】本発明のゴム組成物を使用することによ
り、加硫接着剤を用いた場合と同様の結合力を確保する
ことができるため、工程の省略、コスト削減(約20〜
30%)、作業環境の無害化が実現可能で、かつ、前記
要求特性を満足する積層成形品を提供することが可能と
なる。
【0040】なお、実使用時、製品取り付け状況におい
て、上記プラスチック部14に許容応力を超える大きな
トルク、捩り、相互負荷が加わる場合がある。例えば、
組付けの付加が大きい箇所に使用する場合など、プラス
チック部14が破壊し製品の性状固定がなされず、機能
障害を起こす場合がある。このように許容応力を超える
大きな力がかかる場合は、プラスチック部14に直接負
荷をかけないよう、さらに金属による部分補強を施す構
成とすることができる。
【0041】具体的には、金属サポートをインサート成
形したり、後組み付けしたりする方法があり、これによ
り大きな組み付け負荷にも耐えうる製品を提供すること
が可能となる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、プラスチック部とゴム部とを
ゴムの加硫工程にて、加硫接着剤を用いずに結合化させ
る手法として、ゴム組成物にタッキファイヤーを適量添
加することを基本とするものであり、従来の加硫接着剤
を用いた結合化に比べ容易な生産が可能である。更に、
工程の省略や有害環境が存在するという点を排除でき
る。
【0043】また、従来加硫接着剤を用いずに結合され
たプラスチック−ゴム積層成形品に比してより高い結合
力を実現可能とした。
【0044】
【実験例】以下、本発明の効果を確認するために行った
実施例・比較例について詳細に説明を行う。なお、実施
例・比較例においては、それぞれ下記処方とした。
【0045】 −各実験例配合処方− ポリマー成分 100(各実施例・比較例参照) 粘着付与剤 変量(各実施例・比較例参照) カーボン(シーストS:東海カーボン社製) 55 クレー(ハードトップクレー:丸尾カルシウム社製) 25 プロセスオイル(ライトプロセスオイル:三菱油化社製) 13.3 ZnO(亜鉛華3号:堺化学工業社製) 5 ステアリン酸(ルナックS30:花王社製) 2 加硫剤(コロイド状硫黄:細見化学社製) 2.5 加硫促進剤CZ(スルフェンアマイド系:大内新興化学工業社製) 1.2 加硫促進剤D(グアニジン系:大内新興化学工業社製) 0.5 上記処方において、ポリマー成分、粘着付与剤の種類、
量をそれぞれ変えて、各表に示す実施例・比較例のゴム
組成物を製造した。なお、ゴム組成物は、発明の実施の
形態の欄で述べた方法に準じて調製し、粘着付与剤につ
いては、同欄で例示した各製品を使用した。また、ポリ
マー成分としては、SBR(SBR1502:JSR社
製)、NR(NR3号)、EPDM(エスプレン60
6:住友化学工業社製、油展40phr)をそれぞれ使
用した。
【0046】上記で調製した各実施例・比較例のゴム組
成物に関して、接着力の評価を行った。接着力は、JIS
K 6256「6.剛板と加硫ゴムの90度はく離試験」によ
り評価した。即ち、プラスチック(PPE製)剛板に上
記ゴム組成物を接着した試験片を用いて、90°方向に
剥離させ、下記式を用いて剥離強さを求めた。
【0047】TS=FS/b ・TS:剥離強さ(N/mm) ・FS:最大剥離力(N) ・b:剛板の幅(mm) また、同じくJIS K 6256に基づいて、ゴム部の剥離破損
の割合についても併せて評価した。
【0048】粘着付与剤として「エスクロンG−90」
を使用した場合、及び無添加の場合について接着性の評
価を行った結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から、粘着付与剤(タッキファ
イヤー)を添加することで、明らかに接着性が向上する
ことが確認できた。
【0051】次に、粘着付与剤の種類を変えて接着性の
評価を行った結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2の結果から、特に、粘着付与剤として
「エスクロンG−90」、「ハイレッツG−100
X」、「YSポリスター」、「クイントンA−100」
を使用した場合、接着性が良好であることがわかる。な
お、表中、ロジン系接着剤「エステルガムH」は、荒川
化学工業社製の水素添加ロジンエステルである。
【0054】次に、ポリマー成分の配合を変化させて、
接着性の評価を行った結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表3の結果から、ポリマー成分中、SBR
の含有量が多いほど接着性が良好であることが確認でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム組成物を適用可能な熱交換器サポ
ートの概略図
【符号の説明】
12 熱交換器サポート 14 パイプ(プラスチック部) 16 ゴム部 18 熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 21/00 C08L 45:02 45:02 57:02 57:02) Fターム(参考) 4F100 AK12A AK28B AK54A AK57A AK73B AL06A AN02B AT00A BA02 CA16B JK06 JL11 YY00B 4J002 AC011 AC021 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AC101 AF023 BA013 BB181 BJ001 BK003 BN062 CE003 FD343 GF00 GJ00 GJ02 GM00 GM01 GN00 GN01 GQ00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキシフェニレン又はチオフェニレンを
    主鎖構造の全部又は主体とするプラスチック部と直接的
    に加硫接着するゴム部を成形する際に使用するゴム組成
    物であって、 前記ゴム組成物が粘着付与剤(タッキファイヤー)を、
    加工性改良剤としての配合量以外に、さらに、約0.5
    〜20phr含有してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゴム組成物のゴムポリマーの全部又
    は主体が、ジエン系ゴムポリマーであることを特徴とす
    る請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】 前記ゴムポリマー中に、さらに、ポリメ
    チレン鎖系ゴムポリマーを約0〜60phr含むことを特
    徴とする請求項2記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリメチレン鎖系ゴムポリマーが、
    ポリメチレン鎖にスチレンを付加重合させたものである
    ことを特徴とする請求項3記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記ジエン系ゴムポリマーが、スチレン
    ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項2記載の
    ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 前記プラスチック部を形成する樹脂が、
    スチレン変性ポリフェニレンエーテルをポリマー成分ま
    たはポリマー成分主体とするものであることを特徴とす
    る請求項1記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】 前記粘着付与剤がクマロン樹脂系、フェ
    ノールテルペン樹脂系、石油炭化水素系の中から1種又
    は2種以上選択されるものであって、粉末状であること
    を特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 オキシフェニレン又はチオフェニレンを
    主鎖構造の全部又は主体とするプラスチック部と、前記
    プラスチック部と直接的に加硫接着するゴム部とからな
    るプラスチック−ゴム積層成形物であって、 前記ゴム部の成形に請求項1〜7のいずれかに記載のゴ
    ム組成物を使用することを特徴とするプラスチック−ゴ
    ム積層成形物。
  9. 【請求項9】 前記プラスチック−ゴム積層成形物に、
    さらに金属補強が施されてなることを特徴とする請求項
    8記載のプラスチック−ゴム積層成形物。
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Cited By (6)

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