JP2003097626A - スプリング併用型ダンパ装置 - Google Patents

スプリング併用型ダンパ装置

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JP2003097626A JP2001289961A JP2001289961A JP2003097626A JP 2003097626 A JP2003097626 A JP 2003097626A JP 2001289961 A JP2001289961 A JP 2001289961A JP 2001289961 A JP2001289961 A JP 2001289961A JP 2003097626 A JP2003097626 A JP 2003097626A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象物への取り付けが容易で、組立工数
の低減を図ることができるスプリング併用型ダンパ装置
を提供する。 【解決手段】 本体ケース20内に回転可能に設けられ
る回転体30を備え、該回転体30が本体ケース20に
対して相対的に回転動作することにより生ずる内部に充
填された粘性液体の抵抗により、所定の制動力を発揮す
るダンパ装置において、一端40aが回転体30に、他
端40bが本体ケース20にそれぞれ支持されて配設さ
れるスパイラルスプリング40を具備して構成される。
従って、従来のようにばね部材とダンパ装置とを別々に
配設する必要がないため、制御対象物への取り付けが容
易で、組立工数の低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スプリング併用型ダン
パ装置に関し、より詳しくは、スパイラルスプリング
(渦巻きばね)を備え、ダンパ機能のみならず、当該ス
プリングの作用により回転動作する制御対象物を一定の
回転方向に付勢する機能を併せ持つダンパ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、回転動作する制御対象物に対し
て、ばね部材とダンパ装置をそれぞれ配設し、制御対象
物をばね部材により一定の回転方向に付勢して回転動作
させると共に、該ばね部材の付勢力に対抗して働くダン
パ装置の制動力によりその回転動作を遅動させる技術が
知られている。例えば、自動車のシートでは、該シート
のシートバック(制御対象物)を前後方向にリクライニ
ングさせるリクライニング機構に、シートバックを前方
へ付勢するばね部材が設けられ、該シートのシートクッ
ションに対してシートバックを回動可能に支持する軸部
材にダンパ装置を連結した構造のものがある。かかるシ
ートによれば、シートバックを所定位置に保持している
ロックを解除することによって、ばね部材の付勢力によ
りシートバックが前方へ勢いよく回転動作しようとする
が、シートバックが回転動作することによってダンパ装
置の制動力が発揮され、その回転速度が減速されるた
め、シートバックはゆっくりとした速度で回転動作す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、ばね部材とダンパ装置とが別個に構成されて
いるため、組み立てる際には、制御対象物に対してそれ
らを個々に取り付けなければならず、手間と時間を要
し、組立工数を低減させることが困難であった。特に、
自動車のシートに、シートバックを前方へ付勢するばね
部材を取り付ける場合には、ばね部材に大きな外力を加
えてある程度歪ませた状態で取り付けなければならず、
作業が面倒であった。
【0004】本発明は上記した点に鑑みなされたもので
あり、制御対象物への取り付けが容易で、組立工数の低
減を図ることができるスプリング併用型ダンパ装置を提
供することを課題とする。また、制御対象物への組み付
け時において、スプリングの歪み量の調整を省略するこ
とが可能なスプリング併用型ダンパ装置を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項1に記載の本発明は、本体ケース内に回転
可能に設けられる回転体を備え、該回転体が本体ケース
に対して相対的に回転動作することにより生ずる内部に
充填された粘性液体の抵抗により、所定の制動力を発揮
するダンパ装置において、一端が前記回転体に、他端が
前記本体ケースにそれぞれ支持されて配設されるスパイ
ラルスプリングを有することを特徴とするダンパ装置を
提供する。請求項2に記載の本発明は、前記スパイラル
スプリングの他端が、前記本体ケースに支持された固定
部材を介して該本体ケースに支持されていることを特徴
とする請求項1記載のダンパ装置を提供する。請求項3
に記載の本発明は、前記本体ケースは、一方の端部が端
壁により閉塞されていると共に、内周面から軸心に向か
って突出形成された隔壁部を有する筒状部と、該筒状部
の他方の端部を閉塞する閉塞部とを備えて構成され、前
記回転体は、外周面が前記隔壁部の先端面に摺接し得る
大きさに形成されたロータ部と、該ロータ部の外周面か
ら外に向かって突出形成され、ロータ部と本体ケースと
の間に形成された粘性液体が充填される室内に配設され
るベーンとを備えて構成されていることを特徴とする請
求項1又は2記載のダンパ装置を提供する。請求項4に
記載の本発明は、前記ベーンに、前記回転体が前記本体
ケースに対して相対的に一方向に回転動作した場合にの
み制動力を発揮させ得る弁機構が設けられていることを
特徴とする請求項3記載のダンパ装置を提供する。請求
項5に記載の本発明は、制御対象物に対する前記スパイ
ラルスプリングの付勢力発揮方向と、前記制動力発揮方
向とが同じ方向に設定されていることを特徴とする請求
項4記載のダンパ装置を提供する。請求項6に記載の本
発明は、前記スパイラルスプリングが、前記本体ケース
の外側に形成された凹部内に配設されていることを特徴
とする請求項1〜5のいずれか1に記載のダンパ装置を
提供する。請求項7に記載の本発明は、前記本体ケース
は、一方の端部が端壁により閉塞された筒状部と、該筒
状部の他方の端部を閉塞する閉塞部と、前記端壁又は閉
塞部の内面に突設される断面凹凸状の第1のロータとを
備えて構成され、前記回転体は、前記第1のロータとか
み合う断面凹凸状の第2のロータを備えて構成され、前
記粘性液体は、前記第1のロータと第2のロータとの間
隙に充填されていることを特徴とする請求項1又は2記
載のダンパ装置を提供する。請求項8に記載の本発明
は、前記回転体は、前記本体ケース又は本体ケースに支
持された固定部材に当接可能に設けられた突起部を有す
ることを特徴とする請求項7記載のダンパ装置を提供す
る。請求項9に記載の本発明は、前記スパイラルスプリ
ングが、前記本体ケース内に配設されていることを特徴
とする請求項7又は8記載のダンパ装置を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいてさらに詳しく説明する。図1乃至図4は、本
発明の第1の実施形態に係るダンパ装置を示す図であ
り、図1は平面図、図2は図1のA−A部断面図、図3
は図1のB−B部断面図、図4は図2のC−C部断面図
である。これらの図に示したように、本実施形態に係る
ダンパ装置10Aは、本体ケース20、回転体30及び
スパイラルスプリング40を有して構成される。
【0007】本体ケース20は、筒状部21と該筒状部
21の他方の端部を閉塞する閉塞部22とを有して構成
されている(図2及び図3参照)。筒状部21は、一方
の端部が端壁21aにより閉塞されていると共に、内周
面21bから軸心に向かって突出形成された隔壁部21
cを有する(図4参照)。
【0008】筒状部21の一方の端部側には、その内部
に後述するスパイラルスプリング40を収容可能な大き
さを有する凹部21dが形成されていると共に、該凹部
21dに配設されるスパイラルスプリング40の他端4
0bを支持する係止部21eが凹部21dの底面から突
出するように形成されている(図1乃至図3参照)。
【0009】平面視で係止部21eの略中央には、固定
用部材60(図5参照)が挿通される挿通孔23が設け
られており(図1参照)、該挿通孔23は、本体ケース
20を貫通するように形成されている(図2参照)。こ
こで、固定用部材60は、本体ケース20を制御対象物
等に固定するために、制御対象物等に設けられたもので
あり、かかる固定用部材60としては、平行ピンやボル
トなどが挙げられる。
【0010】回転体30は、本体ケース20内に回転可
能に設けられ、略円筒状の軸受け部31と、その周囲に
形成されたロータ部32と、該ロータ部32の外周面か
ら外に向かって突出形成された断面略扇状のベーン33
とを備えて構成されている(図2及び図3参照)。
【0011】軸受け部31は、軸心に沿って貫通形成さ
れた軸挿通孔31aを有する略筒状に形成され、両端部
が本体ケース20を構成する筒状部21の端壁21a及
び閉塞部22にそれぞれ形成された孔部21f,22a
に支持されて、本体ケース20の軸心に沿って設けられ
ている。軸受け部31の一方の端部には、後述するスパ
イラルスプリング40の一端40aを支持する溝31b
が形成されている。
【0012】ロータ部32は、一面32aが本体ケース
20を構成する筒状部21の端壁21a内面に、他面3
2bが閉塞部22内面にそれぞれ摺接するように設けら
れている。
【0013】図3及び図4に示したように、ロータ部3
2と本体ケース20との間に形成される空間が液体室で
あり、該液体室を含む本体ケース20の内部には、シリ
コンオイル等の粘性液体が充填されている。
【0014】ベーン33は、断面略円弧状の先端面33
aを本体ケース20を構成する筒状部21の内周面21
bに摺接させて上記液体室に配設されている。このよう
にベーン33が液体室に配設されることにより、液体室
内は、圧力室24aと非圧力室24bとに二分される
(図4参照)。
【0015】ベーン33には、図2及び図4に示したよ
うに、大径部(大径の孔)34aと、該大径部34aの
内径よりも小さい内径を有する小径部(小径の孔)34
bとを有し、ベーン33を軸方向と略平行な方向に貫通
すると共に、大径部34aが圧力室24aに、小径部3
4bが非圧力室24bにそれぞれ連通するように形成さ
れた液体流路と、該液体流路の小径部34bの内径より
も大きい直径を有する球状に形成され、大径部34a内
に配設される弁体34cとを有して構成される弁機構3
4が設けられており、弁体34cは、粘性液体の流動圧
を受けることによって、大径部34aと小径部34bと
の境界部を閉塞し、又は開放するように動作する。
【0016】スパイラルスプリング40は、一端40a
が軸受け部31に形成された溝31bに嵌め込まれるこ
とにより回転体30に支持され、かぎ状の他端40bが
筒状部21に形成された係止部21eに掛けられること
により本体ケース20に支持されて、本体ケース20の
外側に形成された凹部21d内に配設されている。
【0017】なお、本実施形態では、上述のようにスパ
イラルスプリング40が筒状部21に形成された凹部2
1d内に配設されているが、閉塞部22に凹部を形成
し、該凹部内にスパイラルスプリング40を配設しても
よい。このように本体ケース20の外側(本体ケース2
0の一方の端部側又は他方の端部側)に形成した凹部内
にスパイラルスプリング40を配設することにより、ダ
ンパ装置10A全体の厚さを薄くすることができる。こ
のため、設置スペースが小さくて済むという利点があ
る。
【0018】また、本実施形態では、スパイラルスプリ
ング40の他端40bが本体ケース20に支持されてい
るが、これに代えて、筒状部21に形成された挿通孔2
3に挿通され、本体ケース20に支持された固定部材
(図示せず)に支持されたものであってもよい。
【0019】また、本実施形態では、回転体30が回動
不能に固定されている場合に、本体ケース20が図1に
おいて反時計回り方向へ回転することにより粘性液体の
抵抗が生じて制動力を発揮するように構成されているの
に対し、スパイラルスプリング40は、一端40a側が
回動不能に固定されている場合に、他端40bが図1に
おいて時計回り方向へ移動していくに従って外径が縮小
して応力が増大するように設けられている。すなわち、
スパイラルスプリング40の付勢力発揮方向(応力の方
向)とダンパ装置10Aの制動力発揮方向とが同じ方向
に設定されているが、このような設定に限定されるもの
ではなく、制御対象物に対応して、スパイラルスプリン
グ40の付勢力発揮方向とダンパ装置10Aの制動力発
揮方向とを逆方向に設定してもよい。
【0020】本実施形態に係るダンパ装置10Aは、次
のように使用される。すなわち、例えば、自動車のシー
トに用いられた場合には、ダンパ装置10Aは、図5に
示したように、シートバック100とシートクッション
110との連結部に設けられたリクライニング機構12
0の一部として設置される。
【0021】具体的には、シートバック100を支持す
る支軸130には、リクライニング機構120を構成
し、シートバック100に固定されるアッパーヒンジブ
ラケット121が回転自由に取り付けられている。ダン
パ装置10Aは、回転体30の軸受け部31に形成され
た軸挿通孔31aに支軸130を挿通させることによ
り、該回転体30が支軸130に連結されると共に、本
体ケース20がシートバック100の回転動作に伴って
支軸130を中心として回転し得るように、本体ケース
20の筒状部21に形成された挿通孔23にアッパーヒ
ンジブラケット121に突設された固定用部材60を挿
通させることにより、該本体ケース20がアッパーヒン
ジブラケット121に連結される。なお、ダンパ装置1
0Aは、スパイラルスプリング40によりシートバック
100を前方に付勢するように取り付けられる。
【0022】上述したように、自動車のシートに、シー
トバックを前方へ付勢するばね部材を取り付ける場合に
は、ばね部材に大きな外力を加えてある程度歪ませた状
態で取り付ける必要があるが、本実施形態のダンパ装置
10Aによれば、該シートに組み付ける際に、スパイラ
ルスプリング40の歪み量を調整する作業を省略するこ
とができる。
【0023】すなわち、ダンパ装置10Aによれば、そ
の製造段階において、本体ケース20内で回転体30を
一方向(図4において、反時計回り方向)へ回転させ、
本体ケース20を構成する筒状部21の隔壁部21c
に、回転体30のベーン33を当接させた状態で、必要
に応じて歪ませたスパイラルスプリング40を本体ケー
ス20の係止部21e及び回転体30の軸受け部31に
装着することにより、装着後のスパイラルスプリング4
0がもとの形に復帰しようとしても、隔壁部21cにベ
ーン33が当接して本体ケース20及び回転体30の回
転が抑制されるため、スパイラルスプリング40は所定
の応力を保持し続ける。従って、自動車のシートにダン
パ装置10Aを組み付ける際には、既にスパイラルスプ
リング40の初期設定がなされているため、歪み量を調
整する必要がない。
【0024】また、ダンパ装置10Aは、本体ケース2
0及び回転体30に一体的に設けられたスパイラルスプ
リング40を具備して構成されるため、従来のようにば
ね部材とダンパ装置とをそれぞれ配設する必要がなく、
一度の取り付けで済む。
【0025】このようにダンパ装置10Aによれば、制
御対象物に対する組み付けが極めて容易であり、また作
業時間も大幅に短縮することができるため、組立工数を
従来よりも大幅に低減させることが可能である。
【0026】自動車のシートに取り付けられたダンパ装
置10Aは、リクライニング機構120を構成する操作
レバー122を操作することにより、アッパーヒンジブ
ラケット121に形成されたギヤ部121aと、ロック
プレート123に形成されたギヤ部123a同士のかみ
合いが解除されると、スパイラルスプリング40の弾撥
作用によって本体ケース20が支軸130を中心として
一方向(図1において、反時計回り方向)へ回転するた
め、アッパーヒンジブラケット121を介して本体ケー
ス20に連結されたシートバック100を前方へ回転動
作させることができる。また、本体ケース20が上記の
ように一方向(図4において、時計回り方向)へ回転す
ることにより、本体ケース20内では、隔壁部21cに
よって押圧される粘性液体の圧力により、ベーン33に
設けられた弁体34cが液体流路を構成する大径部34
aと小径部34bとの境界部を閉鎖する。それにより、
粘性液体は、本体ケース20の内周面21bとベーン3
3の先端面33aとの間、及び隔壁部21cの先端面と
ロータ部の外周面との間の僅かな隙間を通じて圧力室2
4aから非圧力室24bへと移動することとなるため、
その際に大きな抵抗を発生する。ダンパ装置10Aは、
かかる粘性液体の抵抗により所定の制動力を発揮して、
シートバック100をゆっくりとした速度で前方へ回転
動作させることができる。
【0027】なお、シートバック100を後方へリクラ
イニングさせる際には、本体ケース20が支軸130を
中心として上記とは逆方向(図4において、反時計回り
方向)へ回転するため、隔壁部21cによって押圧され
る粘性液体の圧力により、大径部34a内で弁体34c
が移動して、大径部34aと小径部34bとの境界部が
開放した状態となる。そのため、粘性液体は、上記した
各間隙のほか、液体流路(大径部34a及び小径部34
b)をも通じて大量に移動することとなるので、ダンパ
装置10Aのダンパ機能は働かない。
【0028】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図6及び図7は、本実施形態に係るダンパ装置
10Bを示す図であり、図6は縦断面図、図7は図6の
D−D部断面図である。
【0029】これらの図に示したように、本実施形態に
係るダンパ装置10Bも、第1の実施形態と同様に、本
体ケース20、回転体30及びスパイラルスプリング4
0を有して構成されるが、本実施形態では、本体ケース
20を構成する筒状部21と閉塞部22のうち、閉塞部
22の内面に断面凹凸状の第1のロータ22bが突設さ
れている。但し、第1のロータ22bの配設箇所は限定
されるものではなく、筒状部21の一方の端部を閉塞す
る端壁21a内面に突設されていてもよい。また、第1
の実施形態では、筒状部21と閉塞部22が螺合結合さ
れているが、本実施形態では、かしめ加工により両者が
結合されている。
【0030】回転体30は、軸心に沿って貫通形成され
た軸挿通孔31aを有する略筒状に形成され、両端部が
本体ケース20を構成する筒状部21の端壁21a及び
閉塞部22にそれぞれ形成された孔部21f,22aに
支持されて、本体ケース20の軸心に沿って設けられる
軸受け部31を有すると共に、閉塞部22内面に突設さ
れた第1のロータ22bとかみ合う断面凹凸状の第2の
ロータ35を備えて構成されている。そして、粘性液体
は、第1のロータ22bと第2のロータ35とがかみ合
っている部位に形成される間隙に充填されている。
【0031】また、この回転体30には、図7に示した
ように、本体ケース20に支持されたボルトからなる固
定部材50に当接し得るように、第2のロータ部35の
外周面から突出するように形成された突起部36が設け
られている。
【0032】この突起部36は、ダンパ装置10Bの製
造段階において、固定部材50に該突起部36を当接さ
せた状態で、必要に応じて歪ませたスパイラルスプリン
グ40を次述するように固定部材50及び回転体30に
装着することにより、装着後のスパイラルスプリング4
0に一定の応力を保持させることを目的として設けられ
たものである。従って、例えば、本体ケース20の筒状
部21内面に突出部を形成し、該突出部に突起部36を
当接させることにより、スパイラルスプリング40のも
との形に復帰しようとする力によって本体ケース20又
は回転体30が回転してしまうことを防止する構造とす
ることもできる。
【0033】また、固定部材50は、第1の実施形態に
おいて説明した固定用部材60と同様に、本体ケース2
0を制御対象物等に固定するために設けられたものであ
り、本実施形態では、上述のように本体ケース20に支
持されている。固定部材50としては、ボルトに代えて
平行ピンなどを用いてもよい。
【0034】スパイラルスプリング40は、本体ケース
20内において、筒状部21の端壁21aと回転体30
の第2のロータ部35との間に配置され、一端40aが
軸受け部31に形成された溝31bに嵌め込まれること
により回転体30に支持され、かぎ状の他端40bが本
体ケース20に支持された固定部材50に掛けられるこ
とにより該固定部材50に支持されている。なお、本実
施形態では、上述のようにスパイラルスプリング40が
本体ケース20内に設けられているが、該スパイラルス
プリング40を本体ケース20の外側に配設した構造と
することも勿論可能である。
【0035】本実施形態に係るダンパ装置10Bは、次
のように使用される。すなわち、例えば、自動車のシー
トに用いられた場合には、ダンパ装置10Bは、第1の
実施形態と同様に、シートバックを支持する支軸に回転
体30が連結されると共に、本体ケース20がシートバ
ックの回転動作に伴って支軸を中心として回転し得るよ
うに、固定部材50を介してシートバックに固定された
アッパーヒンジブラケットに連結される。なお、ダンパ
装置10Bは、スパイラルスプリング40によりシート
バックを前方に付勢するように取り付けられる。
【0036】そして、このダンパ装置10Bによって
も、上述したように回転体30が本体ケース20に支持
された固定部材50に当接可能に設けられた突起部36
を有して構成されるため、スパイラルスプリング40に
一定の応力を保持させることが可能であり、自動車のシ
ートに組み付ける際には、スパイラルスプリング40の
歪み量を調整する作業を省略することができる。また、
第1の実施形態と同様に、ダンパ装置10Bは、本体ケ
ース20及び回転体30に一体的に設けられたスパイラ
ルスプリング40を具備して構成されるため、一度の取
り付けで済むので、制御対象物に対する組み付けが極め
て容易である。また作業時間も大幅に短縮することがで
きる。従って、組立工数を従来よりも大幅に低減させる
ことが可能である。
【0037】また、シートバックを前方へリクライニン
グさせる際には、リクライニング機構に設けられたギヤ
部同士のかみ合いが解除されることにより、スパイラル
スプリング40の弾撥作用によって本体ケース20が支
軸を中心として一方向へ回転するため、アッパーヒンジ
ブラケットを介して本体ケース20に連結されたシート
バックを前方へ回転動作させることができる。また、本
体ケース20が上記のように一方向へ回転することによ
り、本体ケース20内では、回転体30が支軸に連結さ
れることにより回転不能に固定されている第1のロータ
22bに対して、本体ケース20側に突設された第2の
ロータ35が回転するため、両者の間隙に充填された粘
性液体の抵抗が発生する。ダンパ装置10Bは、かかる
粘性液体の抵抗により所定の制動力を発揮して、シート
バックをゆっくりとした速度で前方へ回転動作させるこ
とができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制御対象物への取り付けが容易で、組立工数の低減を図
ることができる。また、制御対象物への組み付け時にお
いて、スプリングの歪み量の調整を省略することが可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るダンパ
装置を示す平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A部断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B部断面図である。
【図4】図4は、図2のC−C部断面図である。
【図5】図5は、上記実施形態に係るダンパ装置の使用
例を説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態に係るダンパ
装置を示す縦断面図である。
【図7】図7は、図6のD−D部断面図である。
【符号の説明】
10A,10B ダンパ装置 20 本体ケース 21 筒状部 22 閉塞部 30 回転体 31 軸受け部 32 ロータ部 33 ベーン 34 弁機構 40 スパイラルスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 正典 東京都墨田区本所1−34−6 株式会社ソ ミックエンジニアリング内 Fターム(参考) 3J069 AA41 CC40 DD38 DD48

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体ケース内に回転可能に設けられる回
    転体を備え、該回転体が本体ケースに対して相対的に回
    転動作することにより生ずる内部に充填された粘性液体
    の抵抗により、所定の制動力を発揮するダンパ装置にお
    いて、 一端が前記回転体に、他端が前記本体ケースにそれぞれ
    支持されて配設されるスパイラルスプリングを有するこ
    とを特徴とするダンパ装置。
  2. 【請求項2】 前記スパイラルスプリングの他端が、前
    記本体ケースに支持された固定部材を介して該本体ケー
    スに支持されていることを特徴とする請求項1記載のダ
    ンパ装置。
  3. 【請求項3】 前記本体ケースは、一方の端部が端壁に
    より閉塞されていると共に、内周面から軸心に向かって
    突出形成された隔壁部を有する筒状部と、該筒状部の他
    方の端部を閉塞する閉塞部とを備えて構成され、 前記回転体は、外周面が前記隔壁部の先端面に摺接し得
    る大きさに形成されたロータ部と、該ロータ部の外周面
    から外に向かって突出形成され、ロータ部と本体ケース
    との間に形成された粘性液体が充填される室内に配設さ
    れるベーンとを備えて構成されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載のダンパ装置。
  4. 【請求項4】 前記ベーンに、前記回転体が前記本体ケ
    ースに対して相対的に一方向に回転動作した場合にのみ
    制動力を発揮させ得る弁機構が設けられていることを特
    徴とする請求項3記載のダンパ装置。
  5. 【請求項5】 制御対象物に対する前記スパイラルスプ
    リングの付勢力発揮方向と、前記制動力発揮方向とが同
    じ方向に設定されていることを特徴とする請求項4記載
    のダンパ装置。
  6. 【請求項6】 前記スパイラルスプリングが、前記本体
    ケースの外側に形成された凹部内に配設されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のダンパ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記本体ケースは、一方の端部が端壁に
    より閉塞された筒状部と、該筒状部の他方の端部を閉塞
    する閉塞部と、前記端壁又は閉塞部の内面に突設される
    断面凹凸状の第1のロータとを備えて構成され、 前記回転体は、前記第1のロータとかみ合う断面凹凸状
    の第2のロータを備えて構成され、 前記粘性液体は、前記第1のロータと第2のロータとの
    間隙に充填されていることを特徴とする請求項1又は2
    記載のダンパ装置。
  8. 【請求項8】 前記回転体は、前記本体ケース又は本体
    ケースに支持された固定部材に当接可能に設けられた突
    起部を有することを特徴とする請求項7記載のダンパ装
    置。
  9. 【請求項9】 前記スパイラルスプリングが、前記本体
    ケース内に配設されていることを特徴とする請求項7又
    は8記載のダンパ装置。
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