JP2003080557A - 両面インモールド転写成形方法 - Google Patents

両面インモールド転写成形方法

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Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 フィルムに孔を開ける必要を無くし、カット
ゴミの成形品への混入及び成形品の打痕を防止して成形
品の歩留を向上させる。 【解決手段】 成形のためのキャビティ３ｂ、４ｂを有
する固定金型３と可動金型４よりなり、互いに対抗する
面に印刷層を形成した第一連続フィルム７及び第二連続
フィルム１４を平行して通過させる両面インモールド成
形方法において、固定金型３と可動金型４は型締めした
際にキャビティ３ｂ、４ｂへ材料を導入する導入路をフ
ィルム送り方向と交差する方向に形成し、導入路の一端
に材料を射出するための注入口３ａ、４ａを形成し、第
二連続フィルム１４のみが注入口３ａ、４ａと対向する
ように、固定金型側に第一連続フィルム７を、可動金型
側に第二連続フィルム１４を通過させる段階と、可動金
型４と固定金型３とを合わせた上で導入路から第一連続
フィルム７と第二連続フィルム１４との間に材料を射出
して成形品を成形する段階とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面に転写印刷が
施された両面インモールド成形品の製造方法に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】従来、成形と同時に転写印刷を行う転写
成形品の製造方法には様々なものがあり、特に、フィル
ムへの孔開け機構を有する両面転写成形品の製造方法が
特開昭62-227613号公報に開示されている。
【０００３】かかる両面転写成形品の製造方法は、固定
金型側に設けられた孔あけ機構により、固定金型側に設
けられたフィルム供給、位置決めで送り出した転写フィ
ルムに孔をあける。そして、この孔を通して樹脂を射出
することにより、各種形状の両面に転写印刷が施された
転写成形品を簡単に得ることができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のような両面転写成形品の製造方法は、フィルムに孔
を開ける必要であり、孔開け作業時に生じるカットゴミ
が金型のキャビティ内に残留し、透明な成形品の中に入
ってしまったり、カットゴミが金型に張り付いて成形品
の表面に打痕が形成されてしまうため、成形品の歩留が
低下するという問題点があった。
【０００５】そこで本発明は、フィルムに孔を開ける必
要がなく、カットゴミの成形品への混入及び成形品の打
痕を防止して成形品の歩留を向上させることができる両
面インモールド成形品の製造方法を提供することを目的
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る両面インモールド成形品の代表的な製造
方法は、成形品を成形するためのキャビティを有する固
定金型と可動金型よりなり、互いに対抗する面に印刷層
を形成した第一連続フィルム及び第二連続フィルムを平
行して通過させる両面インモールド転写成形方法におい
て、前記固定金型と可動金型は型締めした際に前記キャ
ビティへ材料を導入する導入路をフィルム送り方向と交
差する方向に形成し、該導入路の一端に材料を射出する
ための注入口を形成し、前記第二連続フィルムのみが前
記注入口と対向するように、前記固定金型側に、第一連
続フィルムを通過させるとともに、前記可動金型側に、
第二連続フィルムを通過させる段階と、前記可動金型と
固定金型とを合わせた上で前記導入路から前記第一連続
フィルムと前記第二連続フィルムとの間に材料を射出し
て前記成形品を成形する段階と、を有することを特徴と
した。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明に係る両面インモールド転
写成形方法の実施形態について、図を用いて説明する。
図１は本実施形態の製造方法により形成される保護パネ
ルの斜視図、図２は固定金型と可動金型に連続フィルム
を連続して通過させる段階の説明図、図３、図４は固定
金型と可動金型の説明図、図５は連続フィルムの側断面
図、図６と図７は連続フィルムの斜視図、図８乃至図12
は保護パネルの製造方法の説明図、図13は導入路及び印
刷パターンの配置を説明する図である。
【０００８】図１に、本実施形態により製造される保護
パネルＰの例を示す。この保護パネルＰは携帯電話等の
電子機器表示窓のパネルの例である。保護パネルＰは透
明なアクリルの板体であり、その表面は、図１(ａ)に示
すように周囲に半透明な枠１ａを印刷し、中央部に液晶
画面を表示するための透明な表示窓１ｂを残している。
また、保護パネルＰの裏面は、図１(ｂ)に示すように、
周囲にメタリックな枠２ａを印刷し、中央部に液晶画面
を表示するための透明な表示窓２ｂを残している。この
ような構成とすることにより、保護パネルＰは、これら
表示窓１ｂ、２ｂにより中央に中央部に液晶画面を表示
するための透明な表示窓が形成され、その周囲に表面の
半透明色から裏面のメタリックが透けた金属光沢のある
枠が形成される。
【０００９】以下、本実施形態に係る電子機器表示窓の
保護パネルＰ１の製造方法について説明する。本実施形
態は、２つの連続フィルムを平行に送り出す形式の金型
装置の例である。
【００１０】図２に示すように、第１の工程において
は、固定金型３と可動金型４との間に第一連続フィルム
７と第二連続フィルム14を連続して通過させる。
【００１１】図３に示すように、固定金型３には、透明
樹脂を注入する注入口３ａと、キャビティ３ｂと、これ
に連結する第二カーブ３ｃが形成されている。また、可
動金型４には、透明樹脂を注入する注入口４ａと、第一
カーブ４ｃと、キャビティ４ｂとが形成されている。そ
して、図４に示すように、可動金型４と固定金型３を型
締めした際に、キャビティ３ｂ、４ｂへ材料を導入する
第二カーブ３ｃ、第一カーブ４ｃからなる導入路Ｚがフ
ィルム送り方向(矢印Ａ方向：図６参照)と直交する方向
(矢印Ｂ方向)に形成される。注入口３ａ、４ａは、固定
金型３と可動金型４を合わせて型締めした際に、導入路
Ｚの一端に一つの注入口Ｖを形成するように対向する位
置に設けられている。
【００１２】図２に示すように、固定金型３、可動金型
４のそれぞれには、第１の巻き取り装置５と第２の巻き
取り装置６とが取り付けられている。それぞれの巻き取
り装置５、６は、送り出しロール５ａ、６ａと、巻き取
りロール５ｂ、６ｂを有しており、両者間に連続フィル
ム７、14を巻き掛けている。
【００１３】第一連続フィルム７と第二連続フィルム14
は、それぞれ送り出しロール５ａ、６ａに巻き付けられ
て保持され、先端を固定金型３と可動金型４との間を通
過させて、巻き取りロール５ｂ、６ｂに巻き付けられる
ことで準備を完了する。また、図６に示すように、第一
連続フィルム７は、第二連続フィルム14より幅が狭く設
定されている。
【００１４】ここで図５(ａ)に示すように、第一連続フ
ィルム７は、ＰＥＴ製のベースフィルム８上に順に、接
着性を有しない材質からなる剥離層９、表面の硬度を向
上させるためのＵＶハード層10、印刷の定着向上させる
ためのアンカー層11、印刷層12、接着層13を積層してい
る。また図５(ｂ)に示すように、第二連続フィルム14も
同様に、ベースフィルム15上に同様な、剥離層16、ＵＶ
ハード層17、アンカー層18、印刷層19、接着層20を積層
している。
【００１５】図５(ｃ)に示すように、印刷層12、19に
は、印刷が施された部分（枠１ａ、２ａ）と施されない
部分（表示窓１ｂ、２ｂ）が形成され、この印刷が施さ
れない部分から裏面及び表面に、透明樹脂層がのぞくこ
とで、透明な表示窓(図１参照)が形成されている。ま
た、印刷層12、19は独立した印刷パターンを所定間隔で
複数形成している。
【００１６】図６に示すように、第一連続フィルム７と
第二連続フィルム14に幅差を設けることにより、第二連
続フィルム14のみが注入口４ａと対向するように配置さ
れる。すなわち、第一連続フィルム７は固定金型側にキ
ャビティ３ｂのみと対面するように、第二連続フィルム
14は可動金型側に注入口４ａ、キャビティ４ｂ、第一カ
ーブ４ｃと対面するように配置される。そして、巻き取
り装置５、６を作動させて、それぞれの接着層13、20が
対面する状態で、第一連続フィルム７の送り方向(矢印
Ａ方向)と第二連続フィルム14が併走するように固定金
型３と可動金型４の間に間欠送りされる。この間欠送り
作業は、印刷パターンが、固定金型３のキャビティ３ｂ
と可動金型４のキャビティ４ｂと常に一致するように制
御される。
【００１７】尚、第二連続フィルム14のみが注入口４ａ
と対向するように配置するため、図６に示すように連続
フィルムの幅に差を設けたが、図７に示すように、第一
連続フィルム７と第二連続フィルム14を同様の幅として
も、第一連続フィルム７は固定金型側にキャビティ３ｂ
のみと対向するように、第二連続フィルム14は可動金型
側に注入口４ａ、キャビティ４ｂ、第一カーブ４ｃと対
向するように幅方向(矢印Ｂ方向)にずらして送ることに
より、同様に第二連続フィルム14のみが注入口４ａと対
向する配置とすることもできる。
【００１８】次に、図８乃至図12を用いて樹脂の射出工
程について説明する。図８に示すように、上述の如く第
一連続フィルム７と第二連続フィルム14のそれぞれの印
刷パターンをキャビティ３ｂ、４ｂの位置に停止させ、
その後、固定金型３と可動金型４とを合わせ型締めす
る。
【００１９】図９に示すように、可動金型と固定金型と
を合わせた上で注入口Ｖに透明樹脂を射出する。射出さ
れた透明樹脂は、第二連続フィルム14を可動金型４側に
付勢しながら第一カーブ４ｃを進み、第一連続フィルム
７を固定金型３側に付勢しながら第二カーブ３ｃを進ん
で導入路Ｚを満たし、第一連続フィルム７と第二連続フ
ィルム14を固定金型と可動金型側に押圧しながら、キャ
ビティ３ｂ、４ｂに充填されて第一連続フィルム７及び
第二連続フィルム14と一体となった成形品21が成形され
る。
【００２０】そして、図10乃至図12に示すように、成形
品21が硬化した後、固定金型３と可動金型４を開き、注
入口３ａと射出後注入口３ａに形成されたスプルー形成
部21ａとの粘着力により、成形品21を固定型側に残した
状態でこれを押し出し、バキューム式の取出機(不図示)
により成形品21を吸引して取り出す。これにより、第一
連続フィルム７、第二連続フィルム14ともに、剥離層
９、16とＵＶハード層10、17との間で、成形品21と各連
続フィルム７、14を分離させる。
【００２１】その後、注入口に残った成形部であるスプ
ルー形成部21ａを切断除去し保護パネルＰ１が成形され
る。
【００２２】上述のごとく、第二連続フィルム14のみが
注入口４ａと対向するように、第一連続フィルム７と第
二連続フィルム14を通過させ、可動金型４と固定金型３
とを合わせた上で導入路Ｚから第一連続フィルム７と第
二連続フィルム14との間に透明樹脂を射出して成形品21
を成形することにより、連続フィルムと金型の間に透明
樹脂が入り込むことを防止することができる。また、孔
明けを行うことのない成形方法とすることにより、孔開
け作業時に生じるカットゴミの成形品21への混入及び成
形品21の打痕を防止して成形品21の歩留を向上させるこ
とできる。
【００２３】尚、導入路Ｚは、フィルム送り方向(矢印
Ａ方向：図６参照)と交差する方向であって第一連続フ
ィルム７の外側へ出る通路であれば良く、本実施形態の
形状に限定されるものではない。例えば、図13（ａ）に
示すように、印刷パターンをフィルム送り方向(矢印Ａ
方向)と交差する方向とし、導入路Ｚをまっすぐに形成
したものであってもよい。
【００２４】また、図13（ｂ）に示すように、印刷パタ
ーンをフィルム送り方向(矢印Ａ方向)と交差する方向に
２つ並べて１つの導入路Ｚから２つの印刷パターンに連
結するよう形成し、導入路Ｚの分岐点Ｚａを第一連続フ
ィルム７の外に形成した（注入口Ｖと共通のものとし
た）ものであってもよい。
【００２５】また、図13（ｃ）に示すように、印刷パタ
ーンをフィルム送り方向(矢印Ａ方向)と交差する方向に
２つ並べて１つの導入路Ｚから２つの印刷パターンに連
結するよう形成し、導入路Ｚの分岐点Ｚａを第一連続フ
ィルム７の領域内に形成したものであってもよい。
【００２６】また、図13（ｄ）に示すように、印刷パタ
ーンをフィルム送り方向(矢印Ａ方向)に導入路Ｚとの連
結部Ｚｂが向かい合うように２つ並べて１つの導入路Ｚ
から２つの印刷パターンに連結するよう形成し、導入路
Ｚの分岐点Ｚａを第一連続フィルム７の領域内かつ２つ
の印刷パターンの間に配置したものであってもよい。
【００２７】
【発明の効果】以上説明したように、前記第二連続フィ
ルムのみが前記注入口と対向するように、前記固定金型
側に、第一連続フィルムを通過させるとともに、前記可
動金型側に、第二連続フィルムを通過させ、可動金型と
固定金型とを合わせた上でＳ字状の導入路から第一連続
フィルムと第二連続フィルムとの間に材料を射出して前
記成形品を成形する。このように、孔明けを行うことの
ない成形方法とすることにより、カットゴミの成形品へ
の混入及び成形品の打痕を防止して成形品の歩留を向上
させることできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態の製造方法により形成される保護パ
ネルの斜視図である。
【図２】固定金型と可動金型に連続フィルムを連続して
通過させる段階の説明図である。
【図３】固定金型と可動金型の説明図である。
【図４】固定金型と可動金型の説明図である。
【図５】連続フィルムの側断面図である。
【図６】連続フィルムの斜視図である。
【図７】連続フィルムの斜視図である。
【図８】保護パネルの製造方法の説明図である。
【図９】保護パネルの製造方法の説明図である。
【図１０】保護パネルの製造方法の説明図である。
【図１１】保護パネルの製造方法の説明図である。
【図１２】保護パネルの製造方法の説明図である。
【図１３】導入路及び印刷パターンの配置を説明する図
である。
【符号の説明】
Ｐ …保護パネルＶ …注入口Ｚ …導入路Ｚａ
…分岐点Ｚｂ …連結部１ａ、２ａ …枠１ｂ、２ｂ
…表示窓３ …固定金型３ａ、４ａ …注入口３
ｂ、４ｂ …キャビティ３ｃ …導入路４ …可動金
型５、６ …巻き取り装置５ａ、６ａ …ロール７
…第一連続フィルム８、15 …ベースフィルム９、
16 …剥離層10、17 …ＵＶハード層11、18 …ア
ンカー層12、19 …印刷層13、20 …接着層14 …第
二連続フィルム21 …成形品21ａ …スプルー形成部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 成形品を成形するためのキャビティを有
    する固定金型と可動金型よりなり、互いに対抗する面に
    印刷層を形成した第一連続フィルム及び第二連続フィル
    ムを平行して通過させる両面インモールド転写成形方法
    において、前記固定金型と可動金型は型締めした際に前
    記キャビティへ材料を導入する導入路をフィルム送り方
    向と交差する方向に形成し、該導入路の一端に材料を射
    出するための注入口を形成し、前記第二連続フィルムの
    みが前記注入口と対向するように、前記固定金型側に、
    第一連続フィルムを通過させるとともに、前記可動金型
    側に、第二連続フィルムを通過させる段階と、前記可動
    金型と固定金型とを合わせた上で前記導入路から前記第
    一連続フィルムと前記第二連続フィルムとの間に材料を
    射出して前記成形品を成形する段階と、を有することを
    特徴とした両面インモールド転写成形方法。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の両面インモールド転写
    成形方法であって、前記導入路を断面方向において前記
    可動金型側に形成した第一カーブと、断面方向において
    前記固定金型側に形成した第二カーブとにより形成し、
    前記注入口は前記第一カーブに連結することを特徴とし
    た両面インモールド転写成形方法。
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