JP2003068744A - シリコンウエーハの製造方法及びシリコンウエーハ並びにsoiウエーハ - Google Patents

シリコンウエーハの製造方法及びシリコンウエーハ並びにsoiウエーハ

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JP2003068744A
JP2003068744A JP2001261382A JP2001261382A JP2003068744A JP 2003068744 A JP2003068744 A JP 2003068744A JP 2001261382 A JP2001261382 A JP 2001261382A JP 2001261382 A JP2001261382 A JP 2001261382A JP 2003068744 A JP2003068744 A JP 2003068744A
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silicon wafer
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Yoshinori Hayamizu
善範 速水
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ドナーの発生による抵抗率の低下を防
ぎ、かつ高いゲッタリング効果を有する高抵抗率CZシ
リコンウエーハを製造する方法、およびその方法により
製造された高抵抗率CZシリコンウエーハならびに、こ
の高抵抗率CZウエーハをベースウエーハとして用いて
得られるSOIウエーハを提供する。 【解決手段】 シリコンウエーハの製造方法において、
チョクラルスキー法により、抵抗率が100Ω・cm以
上で初期格子間酸素濃度が5〜10ppmaのシリコン
単結晶棒を育成し、該シリコン単結晶棒をウエーハに加
工し、該ウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行なう
ことを特徴とするシリコンウエーハの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法によって製造されたシリコンウエーハに急速加熱・急
速冷却熱処理を加えて、高抵抗率であってかつゲッタリ
ング能力を有するシリコンウエーハの製造方法及び該性
質を有するシリコンウエーハ並びにSOIウエーハに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高耐圧パワーデバイスやサイ
リスタ等のパワーデバイス用に高抵抗率のフローティン
グゾーン法(FZ法)により製造されたシリコンウエー
ハが使用されてきた。また、近年、半導体デバイスの性
能向上とコストの低減のため、大口径のシリコンウエー
ハが求められ、これに伴って大口径シリコン単結晶の育
成が要求されている。
【0003】しかしながら、FZ法では直径200mm
以上のシリコンウエーハを製造することは困難とされて
いる。これに対し、チョクラルスキー法(CZ法)は、
直径200mm、また300mmのシリコンウエーハを
作製することができ、今後直径400mmあるいはそれ
以上のウエーハについても十分に作製可能と考えられて
いる。
【0004】さらに、特に近年、移動体通信用の半導体
デバイスや、最先端のC−MOSデバイスでは寄生容量
の低減が必要とされている。信号の伝送ロスやショット
キーバリヤダイオードにおける寄生容量は、高抵抗率の
基板を用いることによって効果的に低減できることが報
告されており、そのため、大口径で高抵抗率のシリコン
ウエーハをCZ法で作製することが望まれている。
【0005】また、前記半導体デバイスを更に高性能に
するために、いわゆるSOI(Silicon On I
nsulator)ウエーハが用いられることもある。
このSOIウエーハの代表的な製造方法として、ウエー
ハ貼り合わせ法がある。この方法は、デバイス形成層と
なるボンドウエーハと支持基板となるベースウエーハと
を酸化膜を介して密着させ、熱処理を加えて両者を強固
に結合し、その後ボンドウエーハを薄膜化してSOI層
を有する貼り合わせSOIウエーハを製造するものであ
る。
【0006】このような方法で製造された貼り合わせS
OIウエーハを用いて半導体デバイスを製造する場合に
おいても、前述したウエーハの大口径化や信号の伝送ロ
ス等の問題を解決するためには、CZ法で高抵抗率のウ
エーハをベースウエーハとして用いることが望まれてい
る。
【0007】しかし、CZ法では、シリコン単結晶を育
成する際、石英製のルツボを使用していることからシリ
コン結晶中に酸素(格子間酸素)が少なからず混入す
る。このような酸素原子は通常単独では電気的に中性で
あるが、350〜500℃程度の低温熱処理が施される
と複数個の原子が集まって電子を放出して電気的に活性
な酸素ドナーとなる。そのため、CZ法により得られた
ウエーハに、デバイス工程等で350〜500℃程度の
熱処理が施されると、この酸素ドナーの形成により高抵
抗率CZウエーハの抵抗率が低下してしまうという問題
がある。
【0008】このような酸素ドナーによる抵抗率の低下
を防ぎ、CZ法を用いて高抵抗率のシリコンウエーハを
得る方法の一つとして、結晶育成時に格子間酸素濃度を
低くしたシリコン単結晶を製造する方法が開示されてい
る。例えば、特公平8−10695号公報には、CZ法
で高抵抗率のウエーハを製造する方法として、磁場印加
CZ法(MCZ法)により格子間酸素濃度の低いシリコ
ン単結晶を製造し、1000Ω・cm以上の高抵抗率の
シリコン単結晶を製造できることが記載されている。ま
た、特開平5−58788号公報には、合成石英ルツボ
を用いてMCZ法を行うことにより、10000Ω・c
m以上の高抵抗率を有するシリコン単結晶を製造できる
ことが開示されている。
【0009】また、CZ法によって高抵抗率のウエーハ
を製造する別の方法として、酸素ドナーが形成される現
象を逆に利用することによって、シリコンウエーハを製
造する方法も提案されている。すなわち、低不純物濃度
で低酸素濃度のP型シリコンウエーハに400〜500
℃の熱処理を行って酸素ドナーを発生させ、この発生し
た酸素ドナーによりP型シリコンウエーハ中のP型不純
物を打ち消してウエーハの電気伝導型をN型化すること
によって、高抵抗率N型シリコンウエーハを製造するこ
とができる(特公平8−10695号公報)。
【0010】CZ法により高抵抗率のウエーハを製造す
るさらに別の方法として、CZ法により抵抗率が100
Ω・cm以上で初期格子間酸素濃度が10〜25ppm
aであるシリコン単結晶棒を育成して、該シリコン単結
晶棒をウエーハに加工し、その後、該ウエーハに酸素析
出熱処理を行なって格子間酸素を析出させることによ
り、ウエーハ中の残留格子間酸素濃度を8ppma以下
としてシリコンウエーハを製造する方法も提案されてい
る(国際公開公報WO00/55397)。
【0011】しかし、上記のようにMCZ法等により格
子間酸素濃度が低いシリコン単結晶を育成してウエーハ
を作製した場合、デバイス製造工程での熱処理において
ウエーハバルク中に発生する内部欠陥密度が低く、十分
なゲッタリング効果が得られにくいという欠点がある。
高集積度のデバイスでは、ある程度の酸素析出によるゲ
ッタリング効果の付与は必須である。
【0012】また、熱処理により酸素ドナーを発生さ
せ、ウエーハ中のP型不純物を打ち消してN型化するこ
とにより高抵抗率のシリコンウエーハを得る方法も、格
子間酸素濃度を高くするとウエーハ抵抗率制御が難しい
ために、シリコンウエーハの初期格子間酸素濃度は低い
ものにせざるを得ず、ウエーハのゲッタリング効果は低
いものになってしまう欠点がある。また、初期の抵抗率
(不純物の濃度、種類)や熱処理時間を正確に制御しな
ければならず、また長時間の熱処理が必要となるため、
作業が煩雑となる。さらに、この方法では高抵抗率のP
型シリコンウエーハを得ることはできず、また得られた
ウエーハも、その後の熱処理によってはその抵抗率が変
動してしまう問題がある。
【0013】また、上記のような初期格子間酸素濃度の
低いウエーハは、スリップ転位が発生しやすいという欠
点もある。スリップ転位とは、熱処理工程中の熱応力に
より結晶がすべり変形することによりウエーハ表面に段
差を生ずる欠陥であり、このようなスリップ転位がウエ
ーハ表面に発生すると、ウエーハの機械的強度が低下す
るだけでなく、接合リーク等、デバイス特性に悪影響を
及ぼすため極力低減することが望ましい。
【0014】一方、酸素濃度が比較的高いシリコンウエ
ーハを作製し、該ウエーハに酸素析出熱処理を加えてウ
エーハ中の残留格子間酸素濃度を8ppma以下にする
方法では、酸素析出のために少なくとも1000℃、1
6時間程度の長時間の熱処理を行うことが必要となるた
め高コストとなる。また、酸素析出処理により酸素析出
過多となり、デバイス製造工程中にウエーハが反り過ぎ
てチャッキング出来ない等の不具合が生じる可能性があ
る。
【0015】以上のように、従来の技術では、CZ法に
よって製造されたシリコンウエーハ(本発明ではCZシ
リコンウエーハまたは単にCZウエーハという場合があ
る)にデバイス製造工程、例えば酸化膜形成、不純物拡
散、配線工程における熱処理を加えるとウエーハの抵抗
率が低下する問題があり、また高抵抗率を維持するため
にウエーハの格子間酸素濃度を低くすると、ゲッタリン
グ効果の低下、またデバイス製造工程中にウエーハが反
り過ぎる等の問題があった。
【0016】すなわち、従来の技術では、CZ法によっ
て製造されたシリコンウエーハに熱処理を加えても、酸
素ドナーの発生による抵抗率低下の問題がなく、且つゲ
ッタリング効果も高い高抵抗率CZウエーハを効率的に
得る方法はなく、これらの要求を満たす製造方法の開発
が望まれていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みて為されたもので、酸素ドナーの発生による
抵抗率の低下を防ぎ、かつ高いゲッタリング効果を有す
る高抵抗率CZシリコンウエーハを製造する方法、およ
びその方法により製造された高抵抗率CZシリコンウエ
ーハならびに、この高抵抗率CZウエーハをベースウエ
ーハとして用いて得られるSOIウエーハを提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、シリコンウエーハの製造方法にお
いて、チョクラルスキー法により、抵抗率が100Ω・
cm以上で初期格子間酸素濃度が5〜10ppmaのシ
リコン単結晶棒を育成し、該シリコン単結晶棒をウエー
ハに加工し、該ウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を
行なうことを特徴とするシリコンウエーハの製造方法が
提供される(請求項1)。
【0019】このように、チョクラルスキー法により、
100Ω・cm以上の高抵抗率であって、初期格子間酸
素濃度が5〜10ppma(JEIDA(日本電子工業
振興協会)による換算係数を使用した値:尚、JEID
Aは、現在JEITA(日本電子情報技術産業協会)に
改名された)の低酸素濃度のシリコンウエーハを作製す
ることにより、熱処理による電気的に活性な酸素ドナー
の形成を防止でき、ウエーハの抵抗率の低下を防ぐこと
ができる。さらに、作製された高抵抗率で低酸素濃度の
CZウエーハに対して急速加熱・急速冷却熱処理を行な
うことによって、シリコンウエーハ中に原子空孔が注入
される。そのため、その後のデバイス製造工程における
熱処理によって容易に酸素析出密度が高められ、それに
よって、ゲッタリング効果を高めることができ、また同
時にスリップ転位の発生を抑制する効果も期待できる。
さらに、本発明ではCZ法によりシリコンウエーハを作
製するため、直径200mm以上の大口径のウエーハを
容易に製造することができる。
【0020】さらに、本発明によれば、前記急速加熱・
急速冷却熱処理されたウエーハをベースウエーハとして
用い、これをボンドウエーハとなる他のシリコンウエー
ハと酸化膜を介して貼り合わせ、その後ボンドウエーハ
を薄膜化することを特徴とするSOIウエーハの製造方
法が提供される(請求項2)。
【0021】このように、前記急速加熱・急速冷却熱処
理されたウエーハをベースウエーハとして用いることに
よって、大口径、高抵抗率で且つ十分なゲッタリング効
果を有するSOIウエーハを高生産性で製造することが
できる。
【0022】そして、本発明によれば、前記シリコンウ
エーハの製造方法によって製造されたシリコンウエーハ
が提供される(請求項3)。このように本発明により製
造されたシリコンウエーハは、電気的に活性な酸素ドナ
ーとなる格子間酸素が少なく、またデバイス製造工程で
酸素析出物密度が容易に高くなるため、高抵抗率と十分
なゲッタリング効果を併せ持つシリコンウエーハとする
ことができる。さらに、本発明によって製造されるシリ
コンウエーハは、酸素析出物が形成されているため、ス
リップ耐性が向上することが期待される。さらに、酸素
析出物が必要以上に析出することもないので、ウエーハ
が反り過ぎて、デバイス工程中に不具合が生じることも
ない。
【0023】さらに、本発明によれば、前記SOIウエ
ーハの製造方法によって製造された貼り合わせSOIウ
エーハが提供される(請求項4)。このように、本発明
により製造された貼り合わせSOIウエーハは、デバイ
ス製造熱処理を行なった後でも高抵抗率が維持されたベ
ースウエーハを有する大口径のSOIウエーハとするこ
とができる。このようなSOIウエーハは、信号の伝送
ロス等を低減できるため、特に高周波デバイスとして有
益に用いることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施の形態
を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。従来、高抵抗率のシリコンウエーハをCZ法により
製造するには、シリコン単結晶育成時に格子間酸素濃度
を低濃度にしてシリコン単結晶を作製する方法が用いら
れていたため、この低酸素濃度のシリコン単結晶から得
られた高抵抗率のCZシリコンウエーハは、酸素析出密
度が低くゲッタリング効果が低いものとなっていた。
【0025】また、高抵抗率のCZシリコンウエーハを
製造するもう一つの方法として、高酸素濃度結晶を用い
たシリコンウエーハに酸素析出処理を施して、残存格子
間酸素濃度を8ppma以下に減らすことによって、高
抵抗率で高い酸素析出密度を有するCZシリコンウエー
ハを製造する方法がある。しかしながら、この方法は、
長時間の酸素析出熱処理を必要とするため高コストとな
り、さらに酸素析出過多となりデバイス製造工程中にウ
エーハが反り過ぎて、チャッキング出来ない等の不具合
が生じる可能性があった。
【0026】そこで、本発明者は、高抵抗率で、初期格
子間酸素濃度の低いCZウエーハに急速加熱・急速冷却
熱処理を行うことによって、高抵抗率で、かつ高いゲッ
タリング効果を有するシリコンウエーハを高生産性で製
造することができることを見出した。
【0027】本発明者は、まず、急速加熱・急速冷却熱
処理+デバイス製造熱処理を施した際の内部欠陥密度
と、そのシリコンウエーハの初期格子間酸素濃度との関
係について明らかにするために、以下の実験・調査を行
なった。
【0028】高抵抗率のCZウエーハとして、初期格子
間酸素濃度が3〜10ppmaであって抵抗率が100
Ω・cm以上のシリコンウエーハを用意し、その後急速
加熱・急速冷却熱処理を行なった。その際、熱処理雰囲
気は窒素100%とし、また1200℃/30秒の急速
加熱を行なった後、冷却速度を33℃/秒と設定して急
速冷却を行った。次に、デバイス製造熱処理を模擬する
ため、800℃/4時間+1000℃/16時間の熱処
理を施し、内部欠陥密度を計測した。内部欠陥密度は、
角度研磨後日本工業規格(JIS H0609:199
9)に規定された選択エッチング法によるシリコンの結
晶欠陥の試験方法に基づき、六価クロムを含まない選択
エッチング液によりエッチングして、光学顕微鏡により
観察した。
【0029】表1は、上記実験の結果を示したものであ
る。内部欠陥密度は深さ方向に分布を持っていたので、
内部欠陥密度の最大値とウエーハ表面から深さ300μ
mの位置における内部欠陥密度を示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1が示すように、8.5ppmaの低い
初期格子間酸素濃度のウエーハであっても、充分な密度
の内部欠陥が観察され、ゲッタリング能力を有すること
が期待される。つまり、シリコン単結晶育成時には10
ppma以下と低い初期格子間酸素濃度の単結晶から作
製されたウエーハであっても、その後に急速加熱・急速
冷却熱処理を施すことにより、原子空孔が注入され、そ
の後デバイス製造熱処理工程において酸素析出物を形成
・成長させることができる。したがって、高抵抗率で十
分なゲッタリング効果を有するシリコンウエーハを得る
ことができる。
【0032】尚、初期格子間酸素濃度の下限値に関して
は、典型的なデバイス製造工程における高温部分の温度
である1000℃において、シリコン中での格子間酸素
の固溶度が4〜5ppmaであることから、5ppma
以上でなければ酸素析出物の形成は望めない。
【0033】初期格子間酸素濃度の上限値については、
下記のように検討した。図1は、本発明者が格子間酸素
濃度をパラメータとし、450℃における熱処理時間と
抵抗率の関係を調べたものである。この図1から分かる
ように、450℃での熱処理時間に伴い、酸素ドナーが
形成されるため、抵抗率は低下していく。この抵抗率の
低下は、格子間酸素濃度が高くなるほど顕著となる。実
際のデバイス製造における450℃付近での熱処理時間
は、各デバイスに依存するが、熱処理時間を1時間とし
た場合は、抵抗率を100Ω・cm以上に保つために、
大きくとも格子間酸素濃度は10ppma以下である必
要がある。
【0034】以上のように、急速加熱・急速冷却熱処理
が施されるシリコンウエーハでは、初期格子間酸素濃度
を5〜10ppmaとするのが好適である。
【0035】本発明者は、以上の実験・調査で得られた
知見を踏まえた上で、鋭意検討を重ね、本発明を完成す
るに至った。すなわち、シリコンウエーハの製造方法に
おいて、チョクラルスキー法により、抵抗率が100Ω
・cm以上で初期格子間酸素濃度が5〜10ppmaの
シリコン単結晶棒を育成し、該シリコン単結晶棒をウエ
ーハに加工することによって、高抵抗率で低酸素濃度の
シリコンウエーハを作製することができ、熱処理によっ
て形成される酸素ドナーを防止できる。さらに、得られ
た低酸素濃度のウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を
施すことによって、その後のデバイス製造工程中に酸素
析出物を形成することができる。したがって、本発明に
よれば、高抵抗率であり、デバイス製造工程における熱
処理でも抵抗率が低下することなく、またその熱処理に
より酸素析出物が形成されるため高いゲッタリング効果
を有するシリコンウエーハを製造することができる。ま
た、酸素析出物の成長によりスリップ耐性が向上するた
め、デバイス工程の適用範囲が広がり、非常に有益であ
る。さらに、酸素析出処理を施すこともないため、コス
トの増加を抑えることができ、また酸素析出過多による
ウエーハの反りが発生することもない。
【0036】また、このようにして得られたシリコンウ
エーハをベースウエーハとして用いることによって、大
口径で高抵抗率を有するSOIウエーハを製造すること
ができる。このとき、SOIウエーハの製造方法は、ベ
ースウエーハとして本発明のシリコンウエーハを用いる
こと以外は、従来用いられている方法と同様の方法を用
いれば良く、特に限定されるものではない。例えば、貼
り合わせ法によって、デバイス形成層となるボンドウエ
ーハと支持基板となる本発明のシリコンウエーハとを酸
化膜を介して密着させ、熱処理を加えて両者を強固に結
合し、その後ボンドウエーハを薄膜化することによっ
て、大口径で高抵抗率を有するSOIウエーハを製造す
ることができる。さらに、ボンドウエーハに水素イオン
等を注入した後に剥離してボンドウエーハを薄膜化す
る、いわゆるイオン注入剥離法を用いてもよい。
【0037】このように製造された貼り合わせSOIウ
エーハは、デバイス製造熱処理を行なった後でもベース
ウエーハの高抵抗率が維持されるため、信号の伝送ロス
等を低減することができる。そのため、特に高周波デバ
イスとして有益に用いることができる。また、直径20
0mm以上の大口径化が比較的容易であり、さらにベー
スウエーハ中に適度な酸素析出物を有するため、熱処理
に対するウエーハの機械的強度が強く、かつ重金属等の
汚染物をゲッタリングする効果も有する。
【0038】以下、本発明のさらに具体的な実施の形態
について説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。まず、公知のCZ法あるいは融液に磁場を印
加してシリコン融液の対流を制御して単結晶を引き上げ
る公知のMCZ法により100Ω・cm以上の所望の抵
抗率を有し、格子間酸素濃度が5〜10ppmaとなる
シリコン単結晶棒を引き上げる。これらの引き上げ方法
は、石英ルツボに収容された多結晶シリコン原料の融液
に種結晶を接触させ、これを回転させながらゆっくりと
引き上げて所望直径の単結晶棒を育成する方法である
が、初期格子間酸素濃度を所望の値にするためには、従
来から慣用されている方法によれば良い。例えば、ルツ
ボの回転数、導入ガス流量、雰囲気圧力、シリコン融液
の温度分布および対流、あるいは印加する磁場強度等の
パラメータを適宜に調整することで所望の5〜10pp
maの酸素濃度の結晶を得ることができる。
【0039】こうして得られた低酸素濃度のCZシリコ
ン単結晶棒を通常の方法に従い、ワイヤーソーあるいは
内周刃スライサー等の切断装置でスライスした後、面取
り、ラッピング、エッチング、研磨等の工程を経てCZ
シリコン単結晶ウエーハに加工する。もちろんこれらの
工程は、例示列挙したにとどまり、この他にも洗浄、熱
処理等種々の工程が有り得るし、工程順の変更、一部省
略等目的に応じ適宜工程は変更して使用される。
【0040】次に、このCZシリコン単結晶ウエーハに
対して、急速加熱・急速冷却熱処理を施す。ここで、急
速加熱・急速冷却熱処理の条件は熱処理されるウエーハ
の初期格子間酸素濃度や、デバイス製造熱処理工程に依
存するので必ずしも特定できないが、これら初期格子間
酸素濃度やデバイス製造熱処理条件に合わせて実験的に
設定すればよい。例えば、本発明の場合、急速加熱・急
速冷却熱処理として熱処理雰囲気を窒素100%とし、
また1200℃/30秒の急速加熱を行なった後、冷却
速度を33℃/秒と設定して急速冷却を行っているが、
これはあくまでも一例に過ぎず、これに限定されるもの
ではない。
【0041】また、急速加熱・急速冷却熱処理は、必ず
しもウエーハの研磨後に行われるとは限らず、例えばエ
ッチング後でも良く、適宜工程は変更して使用できる。
本発明の急速加熱・急速冷却熱処理に用いられるRTA
装置としては、熱放射によるランプ加熱器のような装置
を挙げることができる。市販されているものとして、例
えばシュティアック マイクロテック インターナショ
ナル社製、SHS−2800のような装置を挙げること
ができ、これらは特別複雑なものではなく、高価なもの
でもない。使用条件としては、少なくとも1250℃で
10秒使用できることが望ましく、雰囲気ガスは、
、Ar、H、NH等の単独ガスあるいは混合ガ
スとして用いることができる。最高温度から1000℃
程度までの冷却速度としては、少なくとも10℃/秒以
上を設定できることが望ましい。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。 (実施例)CZ法により、方位<100>、直径200
mm、導電型P型であって、抵抗率が100Ω・cm以
上で、初期格子間酸素濃度8.5ppma(JEID
A)のシリコン単結晶棒を引き上げ、スライスしてウエ
ーハに加工した。その後急速加熱・急速冷却熱処理を行
なった。その際、熱処理雰囲気を窒素100%とし、ま
た1200℃/30秒の急速加熱を行なった後、冷却速
度を33℃/秒と設定して急速冷却を行った。
【0043】急速加熱・急速冷却熱処理後、ウエーハに
対してデバイス製造熱処理を模擬するため、800℃/
4時間+1000℃/16時間の熱処理を施し、内部欠
陥密度を観察した。内部欠陥密度は、角度研磨後日本工
業規格(JIS H0609:1999)に規定された
選択エッチング法によるシリコンの結晶欠陥の試験方法
に基づき、六価クロムを含まない選択エッチング液によ
りエッチングして光学顕微鏡により観察した。
【0044】(比較例)試料として、実施例と同様のシ
リコン単結晶棒を作製し、スライスしてウエーハに加工
した。得られたウエーハに、酸素析出核形成熱処理とし
て、熱処理雰囲気が窒素100%で、500℃/100
時間の低温熱処理を施した。その後、ウエーハに対して
デバイス製造熱処理を模擬するため、800℃/4時間
+1000℃/16時間の熱処理を施し、内部欠陥密度
を観察した。内部欠陥密度は、実施例と同様の条件で光
学顕微鏡により観察した。
【0045】実施例及び比較例によって得られたシリコ
ンウエーハの内部欠陥密度を観察した結果、急速加熱・
急速冷却熱処理を施した実施例のウエーハでは、最大1
×10/cm程度の内部欠陥が観察された。一方、
低温熱処理を施した比較例のウエーハでは、内部欠陥密
度は1×10/cm以下であった。このように、急
速加熱・急速冷却熱処理を施すことにより、従来の抵抗
加熱炉では極めて困難であった低酸素濃度のシリコンウ
エーハにおいても、デバイス工程で十分なゲッタリング
能力を有する密度の酸素析出物を形成することが可能と
なった。
【0046】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明よれば、抵
抗率が100Ω・cm以上で且つ初期格子間酸素濃度が
5〜10ppmaのCZシリコンウエーハに急速加熱・
急速冷却熱処理を施すことにより、デバイス製造工程中
の熱処理で酸素析出物を形成でき、ゲッタリング効果を
有するとともに、酸素ドナーの発生による抵抗率低下の
影響がほとんどない高抵抗率CZシリコンウエーハとす
ることができる。また、得られたシリコンウエーハはそ
のまま使用するのみならず、貼り合わせSOIウエーハ
のベースウエーハとして利用することもでき、それによ
って、大口径化が容易で、かつ信号の伝送ロス等の少な
いウエーハを高生産性で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】450℃におけるシリコンウエーハと熱処理時
間の関係について示したグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウエーハの製造方法において、
    チョクラルスキー法により、抵抗率が100Ω・cm以
    上で初期格子間酸素濃度が5〜10ppmaのシリコン
    単結晶棒を育成し、該シリコン単結晶棒をウエーハに加
    工し、該ウエーハに急速加熱・急速冷却熱処理を行なう
    ことを特徴とするシリコンウエーハの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1の急速加熱・急速冷却熱処
    理されたウエーハをベースウエーハとして用い、これを
    ボンドウエーハとなる他のシリコンウエーハと酸化膜を
    介して貼り合わせ、その後ボンドウエーハを薄膜化する
    ことを特徴とするSOIウエーハの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の製造方法により製造さ
    れたシリコンウエーハ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の製造方法により製造さ
    れた貼り合わせSOIウエーハ。
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