JP2003052633A - 眼光学系のシミュレーション装置 - Google Patents

眼光学系のシミュレーション装置

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JP2003052633A JP2002154665A JP2002154665A JP2003052633A JP 2003052633 A JP2003052633 A JP 2003052633A JP 2002154665 A JP2002154665 A JP 2002154665A JP 2002154665 A JP2002154665 A JP 2002154665A JP 2003052633 A JP2003052633 A JP 2003052633A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 累進多焦点レンズ等のレンズ系を装用した場
合における揺れ、歪み、ボケ等を伴う見え方をもシミュ
レーション可能とする眼光学系のシミュレーション装置
を提供する。 【解決手段】 視野内の全ての物体点に対して眼球を回
旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として定
義される回旋網膜像を、特定の回旋中心点を持つ眼に入
る特定視野角の画像を原画像として作成し、この原画像
をレンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を
光線追跡法を用いて作成し、レンズ系及び眼鏡モデルよ
りなる光学系において原画像の物体点からの光による眼
球モデルの網膜上のPSFを求め、求めた歪み原画像と
原画像の各画素のPSFとの畳み込み演算をすることによ
って求める。また、得られた回旋網膜像を編集して回旋
網膜像の動画像を求める。また、PSFは、物体点に標本
点を設定してPSFを求め、標本点以外のPSFをスプライン
補間法を含む近似法を用いる手法で求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼の前に配置され
たレンズ系を通して外界を観察したときの見え方をシミ
ュレーションする眼光学系のシミュレーション装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡を装用した場合のように、眼の前に
配置されたレンズ系を通して外界を観察したときの見え
方をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション
方法及び装置を開示したものとしては、本願出願人の先
の出願にかかる特開平8-266473号に記載の装置がある。
【0003】上記公報に記載の装置は、眼鏡レンズを装
用した状態で人眼が回旋することにより見渡すことので
きる範囲の情景画像を、PSF演算等を行なってシミュレ
ーションするものである。これによって、眼鏡等の光学
レンズを装用した際の人眼の回旋を伴う広い角度の情景
をシミュレーションできるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に、累進
多焦点レンズを装用した場合、遠近両用機能を果たす代
わりに、揺れ、歪み、ボケ等の不快感を感ずる場合があ
る。それゆえ、累進多焦点レンズの設計にあたっては、
遠近両用機能を実現しながら、不快感を可能な限り抑え
ることが求められている。このためには、設計されたレ
ンズがどの様な揺れ、歪み、ボケ等の不快感を伴うもの
であるかを予め設計者自身が知ることが最も望ましい。
上述の従来の眼光学系のシミュレーション方法は、眼鏡
等の光学レンズを装用した際の人眼の回旋を伴う広い角
度の情景をシミュレーションできるので、一定の目的に
対しては非常に有用である。しかしながら、装用者が感
ずるであろうところの歪み、ボケ等を人間の知覚作用ま
でも考慮にいれて実際に近い態様でシミュレーションを
するものではなかった。それゆえ、設計されたレンズを
装用者が装用した場合に、装用者が実際にどの様な歪
み、ボケ等を感ずるものであるかを予め設計者自身が知
るという目的に対しては必ずしも十分なものではなかっ
た。しかも、実際に装用した場合に最も問題になると思
われる揺れに関しては全く対応できないものであった。
【0005】人間が眼を通して認識する(知覚する)外界
の像は、眼の網膜に光学の原理に従って結像された光学
像そのものではないと考えられる。即ち、網膜上の受光
体(錐体と杆体)の分布は中心窩付近の密度が高く周辺が
低い。従って、もし網膜に結像された光学像そのものが
知覚されているものならば、その光学像が理想的に結像
されたものであったとしても、中心付近だけが鮮明で周
辺はぼけた像として知覚されるはずである。しかるに、
健常眼であれば視野内のどこでもはっきりと見えている
と感じられる。これは、知覚という作用は、網膜に投影
された光学像をそのまま検知するというような単純な作
用ではなく、網膜以降の神経情報処理系によって複雑な
処理がされた結果に基づくものであると考えられるから
である。
【0006】本発明者等の研究によれば、この様な知覚
作用を直接シミュレーションすることはできないが、本
発明者等が見出だした一定の仮定に基づけば知覚作用の
結果を画像処理によって近似的に再現できることが解明
された。
【0007】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、累進多焦点レンズ等のレンズ系を装用した場
合における揺れ、歪み、ボケ等を伴う見え方をもシミュ
レーション可能とする眼光学系のシミュレーション装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、眼の前に
配置されたレンズ系を通して外界を観察したときの見え
方をシミュレーションする眼光学系のシミュレーション
装置において、前記レンズ系を通して眼によって知覚さ
れる像として、眼の網膜面に投影される光学像ではな
く、視野内の全ての物体点に対して眼球を回旋させ、中
心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として定義される回
旋網膜像を作成する回旋網膜像作成手段を備えることを
特徴とする。
【0009】第2の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、前
記レンズ系を通して眼によって知覚される像として、眼
の網膜面に投影される光学像ではなく、視野内の全ての
物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像を
繋ぎ合わせた像として定義される回旋網膜像を作成する
回旋網膜像作成手段を備え、この回旋網膜像作成手段
は、特定の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像
を原画像として作成する原画像作成手段と、この原画像
をレンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を
光線追跡法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レ
ンズ系及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の
物体点からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求
めるPSF取得手段と、前記歪み原画像作成手段によっ
て求められた歪み原画像と、前記PSF取得手段によっ
て求められた原画像の各画素のPSFとの畳み込み演算
をする畳み込み演算手段とを有することを特徴とする。
【0010】第3の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、仮
想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる仮
想物体を作成して配置し、この仮想物体が、特定の位置
に回旋中心点を置き且つ特定の中心視線方向を持つ眼に
入る特定視野角の画像を原画像として作成するととも
に、前記原画像の各画素の代表する物体点位置と眼の回
旋中心点との距離である物体点距離を求める原画像作成
手段と、前記眼の前に配置するレンズ系上に前記中心視
線通過点を設定し、視野中心物体点から出射して前記中
心視線通過点を通過し、前記回旋中心点に向かう光線を
光線追跡法で求め、この求めたレンズ系の出射光線方向
を中心視線とする視野をレンズ系通過後視野と定義した
とき、このレンズ系通過後視野における前記原画像の各
画素の対応する物体点への視線の方向及びレンズ系通過
点を光線追跡法で求め、前記レンズ系による歪みを含め
た画像を作成する歪み原画像作成手段と、前記眼の光学
系として調節対応眼球モデルを導入し、前記原画像の各
画素に対し、前記原画像作成手段によって得られた物体
点距離と、前記歪み原画像作成手段によって得られた物
体点から出射する主光線のレンズ系通過点における度数
に合わせて前記眼球モデルの調節状態を設定し、前記レ
ンズ系とその主光線方向に合わせて回旋した眼球モデル
との合成光学系において、前記物体点から出射する光に
よる前記調節対応眼球モデルの網膜上の輝度分布を表す
PSF(Point Spread Function:点広がり関数)を求め
るPSF取得手段と、前記歪み原画像作成手段によって
作成されたレンズ系による歪みを含めた画像と前記PS
F取得手段によって得られた各画素のPSFとの畳み込
み演算(convolution)を行ない、前記仮想三次元空間に
配置した仮想物体を特定の位置及び視線方向の眼で前記
レンズ系の特定位置を通して見た場合の回旋網膜像を作
成する畳み込み手段とを有することを特徴とする。
【0011】第4の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、仮
想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる仮
想物体を作成して配置し、前記眼の位置、中心視線方向
及びレンズ系通過点を時系列に変えて見るストーリーを
作成し、そのストーリーに従って各時点で第2又は第3
の発明にかかる眼光学系のシミュレーション装置を用い
て回旋網膜像を作成し、該各網膜像を編集して回旋網膜
像の動画像を作成することを特徴とする。
【0012】第5の発明は、第2ないし第4のいずれか
の発明にかかる眼光学系のシミュレーション装置におい
て、前記PSF取得手段は、各該当画素の代表する物体
点から出射し、前記眼球モデルの入射瞳を均等に分割し
て設定した各点を通る光線のデータを全て光線追跡法で
求め、PSFを前記眼球モデルの網膜上の光線スポット
分布密度として、又は波動光学に基づく回折積分として
求めることを特徴とする。
【0013】第6の発明は、第2ないし第4のいずれか
の発明にかかる眼光学系のシミュレーション装置におい
て、前記PSF取得手段は、予め三次元物体空間に有限
数の物体標本点を設定し、また、前記入射瞳面上に有限
数の通過標本点を選び、前記物体標本点及び通過点標本
点との全ての組み合わせによる光線データを光線追跡法
で求め、スプライン補間係数データを作成し、前記原画
像の各画素の代表する物体点から出射し、入射瞳を均等
に分割した各点を通る光線データを前記予め準備したス
プライン補間係数データを用いてスプライン補間法で求
め、PSFを網膜上光線のスポット分布密度として、又
は波動光学に基づく回折積分法として求めることを特徴
とする。
【0014】第7の発明は、第2ないし第4のいずれか
の発明にかかる眼光学系のシミュレーション装置におい
て、前記PSF取得手段は、PSFを一定の関数近似さ
せてそのパラメータで表し、予め三次元物体空間に有限
数の物体標本点を選び、全ての物体標本点におけるPS
Fとその近似関数パラメータを求め、スプライン補間係
数データを作成し、前記原画像の各画素に関するPSF
パラメータを前記予め準備したスプライン補間係数デー
タを用いてスプライン補間法で求めることを特徴とす
る。
【0015】第8の発明は、第2ないし第7のいずれか
の発明にかかる眼光学系のシミュレーション装置におい
て、前記回旋網膜像又は前記回旋網膜像の動画像を画像
表示手段によって表示するとともに、これらの画像が前
記レンズ系のどの位置を通しての画像であるかを前記画
像表示手段に表示することを特徴とする。
【0016】第9の発明は、眼の前に配置されたレンズ
系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレーシ
ョンする眼光学系のシミュレーション装置において、仮
想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる仮
想物体を作成して配置し、この仮想物体が、特定の位置
に回旋中心点を置き且つ特定の中心視線方向を持つ眼に
入る特定視野角の画像を原画像として作成するととも
に、前記原画像の各画素の代表する物体点位置と眼の回
旋中心点との距離である物体点距離を求める原画像作成
手段と、前記眼の前に配置するレンズ系上に前記中心視
線通過点を設定し、視野中心物体点から出射して前記中
心視線通過点を通過し、前記回旋中心点に向かう光線を
光線追跡法で求め、この求めたレンズ系の出射光線方向
を中心視線とする視野をレンズ系通過後視野と定義した
とき、このレンズ系通過後視野における前記原画像の各
画素の対応する物体点への視線の方向及び医レンズ系通
過点を光線追跡法で求め、前記レンズ系による歪みを含
めた画像を作成する歪み原画像作成手段と、前記眼の光
学系として調節対応眼球モデルを導入し、前記原画像の
各画素に対し、前記原画像作成工程で得られた物体点距
離と、前記歪み原画像作成工程で得られた物体点から出
射する主光線のレンズ系通過点における度数に合わせて
前記眼球モデルの調節状態を設定し、前記レンズ系とそ
の視線方向に合わせて回旋した眼球モデルとの合成光学
系において、前記物体点から出射する光による前記調節
対応眼球モデルの網膜上の輝度分布を表すPSFを求め
るPSF取得手段と、前記歪み原画像作成工程で作成し
たレンズ系による歪みを含めた画像と前記PSF取得工
程で得られた各画素のPSFとの畳み込み演算を行な
い、前記仮想三次元空間に配置した仮想物体を特定の位
置及び視線方向の眼で前記レンズ系の特定位置を通して
見た場合の回旋網膜像を作成する畳み込み手段とを有す
ることを特徴とする。
【0017】第10の発明は、眼の前に配置されたレン
ズ系を通して外界を観察したときの見え方をシミュレー
ションする眼光学系のシミュレーション装置において、
仮想三次元空間内にコンピュータグラフィックスによる
仮想物体を作成して配置し、前記眼の位置、中心視線方
向及びレンズ系通過点を時系列に変えて見るストーリー
を作成し、そのストーリーに従って各時点で第9の発明
を用いて回旋網膜像を作成し、該各網膜像を編集して回
旋網膜像の動画像を作成する手段を有することを特徴と
する。
【0018】第11の発明は、第9又は第10の発明に
かかる眼光学系のシミュレーション装置において、前記
回旋網膜像又は前記回旋網膜像の動画像を表示するとと
もに、これらの画像が前記レンズ系のどの位置を通して
の画像であるかを表示する画像表示手段を有することを
特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施例1)図1は本発明の実施例
1にかかる眼光学系のシミュレーション方法における回
旋網膜像作成の流れを示す図、図2は回旋網膜像の座標
系を示す図、図3はレンズ系を装用した場合の回旋網膜
像の座標系を示す図、図4はNavarro模型眼の光学パラ
メータ(非調節状態)を示す図、図5はNavarro模型眼の
水晶体レンズの調節力依存式を示す図、図6はPSFの説
明図、図7は光線追跡と入射瞳との関係を示す図、図8
は入射瞳の分割法を示す図、図9は網膜位置と入射角度
を示す図である。以下、これらの図面を参照にしながら
本発明の実施例1にかかる眼光学系のシミュレーション
方法を説明する。
【0020】この実施例にかかる眼光学系のシミュレー
ション方法は、コンピュータグラフィックスによって作
成した三次元物体像をレンズを通して見たときの回旋網
膜像の静止画像を得る方法である。なお、回旋網膜像と
は、本発明者等が見出だした一定の仮定に基づき、上記
三次元物体像に光学作用を考慮した画像処理を施すこと
によって、眼で知覚される像を近似的に再現した像であ
る。即ち、回旋網膜像とは、眼の網膜面に投影される光
学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を回
旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として定
義される。
【0021】実施例1にかかる眼光学系のシミュレーシ
ョン方法は、大きく分けて、(1)原画像作成工程、(2)歪
み原画像作成工程、(3)PSF取得工程、(4)畳み込み工
程、とからなる。
【0022】(1)原画像作成工程 この工程は、仮想三次元空間内にコンピュータグラフィ
ックスによる仮想物体を作成して配置し、この仮想物体
が、特定の位置に回旋中心点を置き且つ特定の中心視線
方向を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画像として作
成するとともに、前記原画像の各画素の代表する物体点
位置と眼の回旋中心点との距離である物体点距離を求め
る工程である。以下説明する。
【0023】原画像の基礎となる仮想物体像の作成 まず、周知のコンピュータグラフィックスの手法によっ
て、仮想三次元空間に仮想三次元物体を作成して配置す
る。例えば、室内に机、椅子、家具等を配置し、あるい
は、野外に花壇、樹木、標識等を配置した像を作成す
る。
【0024】原画像の作成 上記作成した仮想物体が、特定の位置に回旋中心点を置
き且つ特定の中心視線方向を持つ眼に入る特定視野角の
画像を原画像として作成する。即ち、図2に示されるよ
うに、特定視野として、視野四角錐A1234を設定
する。視野四角錐A1234の中心Aが視野の中心で
ある。Aと回旋中心Oとを結ぶ線が中心視線であり、こ
れをx軸とし、Oを原点とする。そして、視野四角錐内
の任意の物体点である任意の一点P(x,y,z)の回旋網
膜座標をΨ=tanβ=y/x,ζ=tanγ=z/x
とする。ここで、βとγとはP(x,y,z)の方位角であ
る。視野内の各物体点をこの座標系で表せば空間上の任
意の直線が回旋網膜像上直線として映る。この座標系で
各物体点を表した画像を原画像とする。また、P(x,
y,z)の座標値から各物体点距離を求める。
【0025】(2)歪み原画像作成工程 この工程は、眼の前に配置するレンズ系上に前記中心視
線通過点を設定し、視野中心物体点から出射して前記中
心視線通過点を通過し、回旋中心点に向かう光線を光線
追跡法で求め、この求めたレンズ系の出射光線方向を中
心視線とする視野をレンズ系通過後視野と定義したと
き、このレンズ系通過後視野における原画像の各画素の
対応する物体点への視線の方向及びレンズ系通過点を光
線追跡法で求め、レンズ系による歪みを含めた画像を作
成する工程である。
【0026】即ち、図3に示されるように、図2におけ
る原点OとAの中間におけるOに近い位置にレンズLを
配置する。視野四角錐内の物体点から出射された光線は
レンズLによって屈折されてO点に到達する。従って、
A点を注視するためには眼球をOB方向に向けなければ
ならない。視野を表す視野四角錐もB1234(レン
ズ系通過後視野)となる。そのときの回旋網膜像はx´
軸を注視線(中心視線)とした座標系をとらなければなら
ない。これをレンズ上各点の度数を考慮して光線追跡に
よって求め、こうして求めた物体点座標による像を歪み
原画像とする。
【0027】なお、上述のように、レンズを通した場
合、視野内の各点の回旋網膜像上の座標が裸眼の場合と
異なり、相対位置関係が変化してしまう。これが眼鏡レ
ンズの歪みが発生する原因である。OB方向はレンズ使
用位置により変化する。特に累進レンズの場合は変化が
激しい。視野内の他の光線も眼に入射する角度が変化
し、特に累進レンズの場合その変化が不均等なので、揺
れや歪みとして知覚される。
【0028】(3)PSF取得工程 この工程は、眼の光学系として調節対応眼球モデルを導
入し、原画像の各画素に対し、原画像作成工程で得られ
た物体点距離と、歪み原画像作成工程で得られた物体点
から出射する主光線のレンズ系通過点における度数に合
わせて眼球モデルの調節状態を設定し、レンズ系とその
主光線方向に合わせて回旋した眼球モデルとの合成光学
系において、物体点から出射する光線による調節対応眼
球モデルの網膜上の輝度分布を表すPSF(Point Spread F
unction:点広がり関数)を求める工程である。
【0029】調節対応眼球モデルの導入 歪み原画像が眼の光学系を通して網膜上に結像した像が
回旋網膜像であるので、眼の光学系のモデルの導入が必
要である。この場合、眼には物体距離に合わせて調節作
用があるので、それも考慮しなければならない。この実
施例では、調節作用も考慮した眼球モデルであるR・Nav
arroらによる調節依存性眼球モデルを用いた。Navarro
のモデルでは近軸値のみならず、球面収差と色収差も眼
の実測値に合わせるようになっている。簡単な4面構成
で、そのうち3面は二次曲線の非球面である。水晶体は
屈折率分布構造になっておらず、追跡計算が簡単であ
る。曲率半径、厚み、非球面度は調節パワーの対数に比
例して変化する。図4にNavarroの調節依存性眼球モデ
ルの無調節時の光学パラメータを示した。また、図5に
調節依存するパラメータの依存式を示した。非球面はy
2+z2+(1+Q)x2−2Rx=0で表される。Qは非球面
度である。
【0030】PSFの計算 a.PSFの意味 一般に、光学系による光学像は光学系のPSFを求め、こ
れを実画像と畳み込み演算(Convolution)を行なうこと
で求められる。このPSFは、図6に示したように、実物
体の一点から放射された光線が結像面に集光される点
(スポット)の集合状態を表す関数であり、単位面積あた
りのスポット数で表すことができる。完全な光学系であ
ればPSFは結像点にすべてのスポットが集まり、その分
布は垂直な直線となるが、通常は広がったガウス分布に
類似した形状となる。物体は点から構成されていると考
えられるので、物体の輝度分布とPSFのコンボリューシ
ョンでその像が得られる。
【0031】b.PSFの計算方法 図7は物体点Pを、レンズ上のQ点を通して見た場合の
PSFを求めるための光学系において追跡光線と入射瞳の
関係を示す図である。物体点Pからの光線は、レンズ表
面Q点で屈折され、射出方向は変化し、回旋点Oに到達
する。眼には物体点Pが射出光線方向QOの延長線上に
あるように見える。このように、Pを見るときはまず眼
球の光軸をQO方向に回旋し、そしてPの距離およびQ
点の屈折力に合わせて調節度を決め、調節を行う。この
時点で光学系が固まり、PSFを求めることができる。
【0032】上述のように、PSFは物体点から放射さ
れ、入射瞳を均等に分割した多数の領域の中心を通過し
た光線の、結像面上のスポットの密度である。入射瞳の
位置は、厳密にいうと瞳孔の物体側共役点である。しか
し、瞳孔位置は回旋によって変化し、調節状態によって
もその共役点の位置が異なる。一方、回旋中心の位置は
固定であるうえ、瞳孔の共役点との距離が物体距離に比
べて微小である。従って、裸眼の場合入射瞳の位置は回
旋中心と考えても差し支えない。眼鏡を装用したとき、
光学系全体の入射瞳は回旋中心点の眼鏡レンズに対する
共役点だが、累進レンズの場合通過点によってパワーが
異なり、その位置が微妙に変化する。その変化量も物体
距離に比較して微小であるので、入射瞳の位置はPQの
延長線上のO´点にあり、PO=PO´と仮定すること
ができる。
【0033】正確なPSFを求めるには、入射瞳を均一分
布の多数の小領域に分割することが重要である。図8の
ように、格子分割と輪帯分割の二種類の分割法がある。
格子分割は良い均等性が得られるが、四隅の無駄な部分
があるため、予定光線の70%程度しか追跡できない。一
方輪帯分割では個の輪帯で本の光線を追跡でき、輪帯の
位相角を調整してスポットの均等性を上げることができ
る。この実施例では輪帯分割法を採用した。
【0034】このように、PSFは物体点から発射して入
射瞳の均等分割点を通過する多数の光線を追跡し、網膜
面上のスポットを数えることで得られる。ところが、こ
のPSFは網膜位置(ym,zm)の関数であり、回旋角の正接
(Ψ,ζ)を座標とする回旋網膜像とは直接コンボルーシ
ョン演算することができない。従って、網膜位置に対応
する入射光線の角度を求める必要がある。ほとんどの場
合(ym,zm)は光軸から近いので、近軸光学の式を適用
できる。つまり、図9のように、(ym,zm)に対応する
入射光線の光軸からの偏角(βmm)はtanβm=ym
/f,tanγm=zm/fである。ここで、fは眼球の
焦点距離である。厳密には物体距離と目の調節状態によ
り入射角と網膜位置の関係式は変わるが、目の場合、物
体距離が焦点距離に比べて非常に長いので、無限遠方と
見なすことができる。
【0035】図7の任意物体点Pを見た場合を考える
と、網膜位置(ym,zm)に対応する注視線からの角度
は、Pの方向角度(β,γ)からさらに(βmm)偏角した
ものである。ここで注意したいのは、その角度は一般に
(β+βm,γ+γm)とはならず、リスティング回旋の法
則を用いて求める必要がある。このように、光線追跡で
求めた網膜上のPSF(ym,zm)を入射光線角度座標上のPS
F(Ψ,ζ)に変換することができ、物体の輝度分布とのコ
ンボルーションが可能になった。図10に、以上説明し
たPSF取得の概略手順を纏めてPSF取得方法一として示し
た。
【0036】(4)畳み込み工程 この工程は、歪み原画像作成工程で作成したレンズ系に
よる歪みを含めた歪み原画像とPSF取得工程で得られた
各画素のPSFとの畳み込み演算を行ない、仮想三次元空
間に配置した仮想物体を特定の位置及び視線方向の眼で
レンズ系の特定位置を通して見た場合の回旋網膜像を作
成する工程である。畳み込み演算は、例えば、以下のよ
うにして行なう。像面での理想像の光強度分布をf(μ,
ν)、点(μ,ν)におけるPSFをp(x,μ,u,v)とする
と、網膜上の点(μ,ν)における光強度は下記式で表さ
れる。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、p(u,v,u−μ,v−ν)は各点
(u,v)から(u−μ,v−ν)離れた点におけるPSFの値
である。また、aはPSFの広がり半径である。この式を
用い、網膜上の全ての点において光強度を求めることに
より、回旋網膜像の静止画像を得ることができる。図1
1は実施例1の方法によって得られた回旋網膜像の静止
画像の例を示す図である。この例は右目遠用0.00D加入
2.00Dの眼鏡用累進レンズ(HOYALUX GP;ホーヤ株式会社
の商品名)の近用部分を通して、卓面にある印刷物を333
mmの距離で見た場合の回旋網膜像である。視野は左右50
°、上下38.5°である。右上隅の円形は中心視線のレン
ズ通過点位置を示すための表示である。この通過点位置
は、図では識別できないが、円形内に赤色の点で示され
る。この円形はレンズの輪郭を表し、円形内の中心に付
された点はレンズの幾何中心を示し、幾何中心の上下の
○印は遠用測定点(上)及び近用測定点(下)を示す。R文
字を裏にしたマークは右レンズであることを示す。図1
1の例は中心視線のレンズ通過点が近用測定点(下の○)
上にある場合の例である。左右におけるボケと歪みが如
実に再現されていることがわかる。
【0039】この実施例によれば、累進多焦点レンズ等
のレンズ系を通して見たときに知覚されるボケや歪みを
近似的に再現した画像が得られる。即ち、健常裸眼であ
れば視野全体が鮮明に知覚されるが、老眼者が累進多焦
点レンズを装用した場合には、視野の一部のみが鮮明に
見え、他の部分はボケや歪みをともなって見える。この
実施例によれば、そのような老眼者が知覚するであろう
像を画像として再現できる。従って、得られた画像を表
示装置に表示すれば、老眼でもない設計者自身が自ら設
計した累進多焦点レンズの見え味を装用者の立場に立っ
て確認することができるという、最も望ましい評価が可
能になる。
【0040】(実施例2)この実施例は、実施例1にお
ける回旋網膜像の静止画像を、眼の位置と視線方向を変
えながら時系列に多数作成し、回旋網膜像の動画像を得
る例である。従って、この実施例は、原画像を作成する
際に、眼の位置と視線方向とを時系列にどのように変え
るかのストーリーを作成する工程と、時系列に得られた
1枚1枚の静止画像を編集して動画像にする工程とを付
加する外は基本的に実施例1と同じであるので、図12
に全体の流れを示す図を掲げてその詳細説明は省略す
る。なお、ストーリーには、レンズ通過点のストーリー
も必要であることは勿論である。また、ストーリー作成
の方法としては、全ての時刻での眼の位置、視線方向及
びレンズ通過点を定めるのではなく、スプライン補間法
をとれば、滑らかな視線移動が実現される。
【0041】ところで、この実施例において、計算処理
等に最も時間を要する工程がPSF取得工程である。特
に、レンズ系が累進多焦点レンズである場合には、全て
の視線方向におけるPSFが異なるため、全ての画素に対
してPSFを求める必要がある。例えば、800×600の画像
で、PSFを求めるときに追跡する光線の本数を400(決し
て多くない)に設定すると、全体に192,000,000回光線追
跡計算を行うことになる。光学系の面の複雑さや面数に
もよるが、コンピュータの計算能力が秒間3,000本と仮
定すると、64,000秒、つまり17時間46分40秒になる。こ
れは、まだ畳み込み演算などの必要時間を考慮に入れて
いない場合の計算時間である。今回のシミュレーション
は動画を目標とするので、秒間30コマで、一分間の映像
を作成するために1800枚の画像をシミュレーションしな
ければならない。すると、光線追跡の時間だけでも32,0
00時間=1333日、約3年8ヶ月かかる。従って、PSFを光
線追跡だけに頼って求めることは、理論的には可能だ
が、計算量の膨大さから考えるととても現実的ではな
い。
【0042】そこで考えたのは、すべての物体点に対し
て光線追跡するのではなく、標本点だけに光線追跡を行
い、その他の点についてはスプライン補間で求める方法
である。空間上任意点Aは、直交座標(x,y,z)で表現
しても良いが、眼鏡の場合眼からの距離が重要なので、
回旋点からの距離の逆数D1と方位角の正接ψ,ζで表し
た方が適切である。つまり、
【0043】
【数2】
【0044】である。点Aから発する任意光線、即ち仮
入射瞳平面上任意点(yp,zp)を通過する光線を追跡し
て得られる光線データ(網膜上の交点に対応する入射光
線のtkm,cfm、光路長など)は、D1,ψ,ζ,yp,zp
の関数である。即ち、tkm=Ft(D1,ψ,ζ,yp,
p)、ckm=Fc(D1,ψ,ζ,yp,zp)、pkm=Fp
(D 1,ψ,ζ,yp,zp)で表現することができる。色収
差を考える場合は更に波長次元を追加するとよい。各変
数D1,ψ,ζ,yp,zpそれぞれの所定範囲内に適当な
数、位置に標本点を設け、その5次元格子上のすべての
標本点に対して、あらかじめ光線追跡を行って光線デー
タを求めれば、所定範囲内(5次元ボックス)任意点につ
いての光線データをスプライン補間によって求めること
ができる。
【0045】次にスプライン補間演算の高速化を検討す
る。一次元スプライン補間は、
【数3】 で表される。ここで、iは各次元の節点番号、Ciはそ
の係数、nは標本点数である。NI(x)はi番節点に対
応する基底関数であり、階数Mの場合、i番節点とi+
M番節点との間の範囲でゼロでない値を持ち、隣接節点
間はm-1次多項式で表される(基底関数の局部性)。言
い換えると、xの定義域内の点任意aにおいては、多く
てM個のゼロでないNI(x)しか存在しない。従って、
補間式は一見n項あるように見えるが、x=aにおいて
は実質M項であり、M回の掛け算とM回の足し算でF
(a)が得られる。五次元スプライン補間は、
【0046】
【数4】
【0047】で表される。ここで、i,j,k,l,mは各
次元の節点番号であり、それぞれ標本点数だけ変化す
る。つまり、項の数は各次元の標本点数の積になるわけ
である。しかし、上述の基底関数の局部性により、ある
一点については、ゼロでない項の数は、各次元の階数の
積である。各次元のスプライン階数が4の場合、項の数
は45=1024である。つまり一回の補間演算では、足し算
1024回、掛け算1024×5=5120回行うことになる。一般
的には、nj次元のM階スプライン補間演算に必要な掛
け算の回数は、nj×Mnjであり、次元数が大きくなる
につれて急激に計算負担が増える。ところが、上式を、
【0048】
【数5】
【0049】に書き直すと、若干減らすことができる。
これは、1次元の補間のネスト構造であり、次元の順番
は自由に変えることができる。掛け算と足し算はともに
4+4×(4+4×(4+4×4)))=1364回であり、ほぼ1
/3の計算時間で済む。一般的には、nj次元のM階スプ
ライン補間演算に必要な掛け算の回数は、
【0050】
【数6】
【0051】である。このような方策を採りいれても、
まだ計算量が大きく、実用的でない。一般的に、多次元
スプライン補間の演算時間を上記の方法より更に短縮す
ることは困難であろう。しかし、PSFを求める場合は、
その特殊な事情ゆえに、もっと短縮する方法がある。物
体上一点(D000)のPSFを求めるためには、入射瞳
面(yp,zp平面)上多数(例えば400)の点と結ぶ光線デー
タが必要である。400回五次元スプライン補間の三次元
の変数は同じ値を入れることになる。もし、その400回
の補間を二次元スプライン補間で行えば、計算時間の大
幅短縮が可能である。五次元スプライン補間式を次のよ
うに書きかえる。
【0052】
【数7】
【0053】この式は、五次元スプライン空間のうち、
三次元の変数が確定した場合の二次元空間を求める方法
を表している。ここで、この二次元スプラインを点
(D000)の縮退空間といい、cl,mは縮退スプライ
ンの係数である。もちろん縮退スプラインの節点、基底
関数はすべて五次元スプラインと同一である。cl,m
数は標本点数の積で、yp,zp両次元それぞれ9点の標本
点を設定する場合、81個である。各係数を求めるには、
式のように三次元スプライン補間を用いる。そして、得
られたcl,mを用いて、yp-zp面上任意一点の光線デー
タを二次元スプライン補間計算することができる。従っ
て、81回の三次元補間と400回の二次元補間計算を行う
だけで、点cにおけるPSFを得ることができる。掛け算
の回数は、81×{4/(4-1)}(43-1)+400×{4/(4
-1)}(42-1)=14804回であり、1光線あたり約37回で
ある。400回の五次元補間より、計算量の削減効果は顕
著である。上記の方法を活用すると、光線追跡の1/10
の時間で光線データが得られる。図13に、以上説明し
たPSF取得の概略手順を纏めてPSF取得方法二として示し
た。
【0054】次に、PSFのパラメータ化を検討する。上
述の通り、光線データを光線追跡の代わりにスプライン
補間法で計算することによって、10倍の計算速度を実現
した。それにしても、一分間の映像を作成するのに、3
年8ヶ月(44ヶ月)の所用時間を、4.4ヶ月に短縮したに過
ぎない。1コマ当たりの処理時間でいうと、64000秒(17
時間46分40秒)が6400秒(1時間46分40秒)に短縮しただけ
である。実用的には1コマ当たりの処理時間を数分にし
たいのである。現状の方法では、PSFを取得するための
計算がもっとも時間がかかるので、それを短縮するのが
一番効果的である。
【0055】厳密にある物体点(D000)のPSFを取
得するには、多数の光線を追跡または補間し、その光線
密度を求めなければならない。しかも得られたPSFは画
素単位の離散関数であり、密度も画素当たりの光線数の
形になる。光線が集中している場合(焦点が合っている)
は、少数の画素に多量の光線数が入り、連続関数に近い
が、広範囲に散らばる(焦点が合わない) 場合、単位画
素に入る光線数が少なく、誤差が大きい。それをカバー
するためにはますます多量の光線が必要となる。そこ
で、PSFをあらかじめ連続関数に仮定し、そのパラメー
タを光線追跡のデータを用いて当てはめるようにすれ
ば、上記のジレンマから脱出することができる。そし
て、すべての物体点においてのパラメータを求める必要
がなく、標本点を定めて、スプライン補間(三次元)で求
めることができる。
【0056】さて、分布関数をどんな関数にすればよい
のかの点について検討すると、ほとんどのPSFは山の形
になっているから、二次元正規分布が適切であろと考え
られる。つまり、
【0057】
【数8】
【0058】ここで、μ,νはそれぞれtk、cf方向の主
光線からの偏移量、σμν,ρは正規分布のパラメー
タである。これらのパラメータは下記の性質を持ってい
る。 −1<ρ<1、σμ>0、σν>0、楕円
【数9】 の全ての点(μ,ν)において、
【数10】 である。そしてその等確立楕円内の積分は、
【数11】
【0059】図14のように、等確率楕円は、外接長方
形の形σμ/σνとρによって形が決められ、半径数c
によって大きさが決められる。楕円の方程式を極座標に
書き換えると、c=1のときの楕円は、
【数12】 となる。それを整理すると、
【数13】 となる。ここで、
【数14】 である。このように、A>Bが確実に成立するので、γ
の最大値と最小値、つまり楕円の長短軸の長さは、
【数15】 長短軸の角度はαとα+π/2とである。これらは非点
ボケ方向や程度を評価するための重要な量である。
【0060】このように、二次元正規分布関数は、広が
りの程度(σμν)と非点ボケの程度(等確率楕円長短
軸比)、角度(長軸の角度)を表すことができる。もちろ
んPSFの光学系の状態による無限に近い変化を忠実に表
すことはできないが、PSFを表現する簡略関数として有
効であろう。
【0061】二次元正規分布関数のパラメータσμ
ν,ρを、光線データから求める方法を考えると、(μ,
ν)平面に散布する多数の光線の交点(各交点が入射瞳上
の各分割点に対応)の統計値を求めて、σμν,ρに
あてる方法を自然に浮かぶ。つまり、
【数16】 である。ここで、Nは光線数で、(μii)は交点座標
である。σμ0ν0,ρはあくまで分布の統計量であ
り、近似正規分布のパラメータとしては、多くの場合適
当ではない。図14はその例を示している。左側の山は
その交点密度を示し、右側の山はσμ0ν0,ρをパラ
メータとした正規分布を示している。
【0062】図15のように、σμ0ν0,ρを直接適
用した正規分布を採用した場合、主軸方向および長短軸
比は実際の分布に即しているが、広がりの程度が実際の
分布とかなりかけ離れている。従って、適当な比例係数
kを定め、σμ=kσμ0、σν=kσν0を適用すれ
ば、実際の分布にかなり近い近似が得られると考えられ
る。問題は如何にkを決めるかということになるが、こ
れについては、等確率楕円内部の確率P(c)と半係数c
の関係曲線にヒントを得ることができよう。パラメータ
がσμ=kσμ0,σν=kσν0,ρに変更した場合の
正規分布のP(c)曲線はPk(c)=1−exp(−c2/2
2)である。それを実際分布のPr(c)曲線に近づける
ようにkを決めればよい。
【0063】図16は、図15の例のP(c),Pk(c),
r(c)の曲線をプロットしたものである。PSF分布の近
似を求める場合、特に中心部分が重要である。従って、
cが小さい時のPr(c)曲線になるべく近いPk(c)が望
ましい。統計値σμ0,σν0,ρをそのまま適用した場
合の曲線P(c)は、実際の分布Pr(c)とは離れてお
り、近似分布関数としては不適である。一方k=0.65の
σμ=kσμ0ν=kσν0,ρを適用した正規分布の
曲線Pk(c)は中心付近にPr(c)曲線と一致する部分が
多く、実際の分布に近い近似であることが伺える。図1
7はσμ=kσμ 0,σν=kσν0,ρを正規分布と実際
の分布との比較である。
【0064】この実施例では、kの値を決めるに当たっ
て、以下の方法を採っている。まず、Pr(c)曲線とPk
(c)曲線の交わる点Aの確率P0の値を決める。中心付
近重視ということで、ここではP0=0.1とする。P(c)
曲線上P(c)=P0の点では、
【数17】 である。Pr(c)曲線A点のc=Cr であれば、k=
Cr/C0となる。
【0065】他の方法も(例えばPr(c)とPk(c)との
差を中心付近で最小にするなど)考えられるが、上記の
方法がもっとも簡単である。このように、物体空間上任
意一点(D000)のPSF分布関数を、パラメータσ
μν,ρをもつ二次元正規分布関数で近似することが
できる。もちろんシミュレーションの過程に遭遇するす
べての物体点に対してσμν,ρを求める必要がな
く、標本点でのσμν,ρだけをあらかじめ求めてお
いて、それを用いて任意物体点においてのσμ ν
をスプライン補間で求めることができる。それによっ
て、計算時間を大幅に節約できる。
【0066】PSF分布関数をパラメータ化することによ
って、1コマ当たりの処理時間を1時間46分40秒から2〜1
0分程度に短縮することに成功した。処理時間に幅があ
るのは、ボケの程度によって処理時間が変わるからであ
る。一分間の映像を作成するのに、およそ100時間、つ
まり一週間程度である。図18に、以上説明したPSF取
得の概略手順を纏めてPSF取得方法三として示した。
【0067】上述の実施例2によれば、累進多焦点レン
ズ等のレンズ系を通して見たときに知覚されるボケや歪
みに加えて、眼の位置を変えたり視線を移動した場合の
揺れを再現した動画像が得られる。従って、得られた動
画像を表示装置に表示することにより、あたかも自らが
装用者になったような臨場感に溢れるれる評価が可能に
なる。この回旋網膜像の動画像の表示顔面に視線がレン
ズを通過する点を表示するようにすれば、視線のレンズ
上での移動を確認しながら、ボケ、歪み揺れを見ること
ができる。
【0068】次に上述の実施例で示したシミュレーショ
ンを行なうための装置について簡単に説明する。図19
は実施例のシミュレーションを行なうための装置の概略
構成を示すブロック図である。図19に示したように、
この装置は、プロセッサ61、読取専用目盛(ROM)6
2、メインメモリ63、グラフィック制御回路64、表
示装置65、マウス66、キーボード67、ハードディ
スク装置(HDD)68、フロッピー(登録商標)ディスク
装置(FDD)69、プリンタ70、磁気テープ装置71等
から構成されている。これらの要素は、データバス72
によって結合されている。
【0069】プロセッサ61は、装置全体を統括的に制
御する。読取専用メモリ62には立ち上げ時に必要なプ
ログラムが格納される。メインメモリ63にはシミュレ
ーションを行なうためのシミュレーションプログラムが
格納される。グラフィック制御回路64はビデオメモリ
を含み、得られた画像データを表示信号に変換して表示
装置65に表示する。マウス66は表示装置上の各種の
アイコン、メニュー等を選択するポインティングデバイ
スである。ハードディスク装置68はシステムプログラ
ム、シミュレーションプログラム等が格納され、電源投
入後にメインメモリ63にローディングされる。また、
シミュレーションデータを一時的に格納する。
【0070】フロッピー(登録商標)ディスク装置69
は原画像データ等の必要なデータをフロッピー(登録商
標)69aを通じて入力したり、必要に応じてフロッピ
ー(登録商標)69aにセービングする。プリンタ装置
70は回旋網膜像等をプリントアウトするのに用いられ
る。磁気テープ装置71は必要に応じてシミュレーショ
ンデータを磁気テープにセービングするのに使用する。
なお、以上のべた基本構成を有する装置としては、高性
能のパーソナルコンピュータや一般の汎用コンピュータ
を用いて構成することができる。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明にかかる眼
光学系のシミュレーション装置は、レンズ系を通して眼
によって知覚される像として、眼の網膜面に投影される
光学像ではなく、視野内の全ての物体点に対して眼球を
回旋させ、中心窩で捕らえた像を繋ぎ合わせた像として
定義される回旋網膜像をコンピュータシミュレーション
によって作成する回旋網膜像作成手段を備えることを特
徴とするもので、さらに、回旋網膜像作成手段は、特定
の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像を原画像
として作成する原画像作成手段と、この原画像をレンズ
系を通して見た場合の歪みを伴う歪み原画像を光線追跡
法を用いて作成する歪み原画像作成手段と、レンズ系及
び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像の物体点か
らの光による眼球モデルの網膜上のPSFを求めるPS
F取得手段と、歪み原画像作成手段で求めた歪み原画像
と、PSF取得手段で求めた原画像の各画素のPSFと
の畳み込み演算をすることによって行なうことを特徴と
し、さらに、得られた回旋網膜像を編集して回旋網膜像
の動画像を求めることを特徴とし、さらに、PSF作成
手段は、物体点に標本点を設定してPSFを求め、標本
点以外のPSFをスプライン補間法を含む近似法を用い
て求めることを特徴とする。これにより、累進多焦点レ
ンズ等のレンズ系を装用した場合における揺れ、歪み、
ボケ等を伴う見え方をもシミュレーション可能とする眼
光学系のシミュレーション装置を得ることを可能とした
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】回旋網膜像作成の流れを示す図である。
【図2】回旋網膜像の座標系を示す図である。
【図3】レンズ系を装用した場合の回旋網膜像の座標系
を示す図である。
【図4】Navarro模型眼の光学パラメータ(非調節状
態)を示す図である。
【図5】Navarro模型眼の水晶体レンズの調節力依存式
を示す図である。
【図6】PSFの説明図である。
【図7】光線追跡と入射瞳との関係を示す図である。
【図8】入射瞳の分割法を示す図である。
【図9】網膜位置と入射角度を示す図である。
【図10】PSF取得方法一を示す図である。
【図11】回旋網膜像の静止画像の例を示す図である。
【図12】回旋網膜像の動画像作成の流れを示す図であ
る。
【図13】PSF取得方法二を示す図である。
【図14】等確立楕円を示す図である。
【図15】光線密度分布及びσμ0、σν0、ρによる近
似正規分布を示す図である。
【図16】P(c)、Pk(c)、Pr(c)の曲線を示す図で
ある。
【図17】光線密度分布及びkσμ0、kσν0、ρによ
る近似正規分布を示す図である。
【図18】PSF取得方法三を示す図である。
【図19】本発明にかかる眼光学系のシミュレーション
方法を実施するための装置の構成を示すブロック図であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 前記レンズ系を通して眼によって知覚される像として、
    眼の網膜面に投影される光学像ではなく、視野内の全て
    の物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像
    を繋ぎ合わせた像として定義される回旋網膜像を作成す
    る回旋網膜像作成手段を備えることを特徴とする眼光学
    系のシミュレーション装置。
  2. 【請求項2】眼の前に配置されたレンズ系を通して外界
    を観察したときの見え方をシミュレーションする眼光学
    系のシミュレーション装置において、 前記レンズ系を通して眼によって知覚される像として、
    眼の網膜面に投影される光学像ではなく、視野内の全て
    の物体点に対して眼球を回旋させ、中心窩で捕らえた像
    を繋ぎ合わせた像として定義される回旋網膜像を作成す
    る回旋網膜像作成手段を備え、この回旋網膜像作成手段
    は、 特定の回旋中心点を持つ眼に入る特定視野角の画像を原
    画像として作成する原画像作成手段と、 この原画像をレンズ系を通して見た場合の歪みを伴う歪
    み原画像を光線追跡法を用いて作成する歪み原画像作成
    手段と、 レンズ系及び眼鏡モデルよりなる光学系において原画像
    の物体点からの光による眼球モデルの網膜上のPSFを
    求めるPSF取得手段と、 前記歪み原画像作成手段によって求められた歪み原画像
    と、 前記PSF取得手段によって求められた原画像の各画素
    のPSFとの畳み込み演算をする畳み込み演算手段とを
    有することを特徴とする眼光学系のシミュレーション装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の眼光学系のシミュレーショ
    ン装置において、 前記PSF取得手段は、各該当画素の代表する物体点か
    ら出射し、前記眼球モデルの入射瞳を均等に分割して設
    定した各点を通る光線のデータを全て光線追跡法で求
    め、PSFを前記眼球モデルの網膜上の光線スポット分
    布密度として、又は波動光学に基づく回折積分として求
    めることを特徴とする眼光学系のシミュレーション装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の眼光学系のシミュレーショ
    ン装置において、 前記PSF取得手段は、予め三次元物体空間に有限数の
    物体標本点を設定し、また、前記入射瞳面上に有限数の
    通過標本点を選び、前記物体標本点及び通過点標本点と
    の全ての組み合わせによる光線データを光線追跡法で求
    め、スプライン補間係数データを作成し、 前記原画像の各画素の代表する物体点から出射し、入射
    瞳を均等に分割した各点を通る光線データを前記予め準
    備したスプライン補間係数データを用いてスプライン補
    間法で求め、PSFを網膜上光線のスポット分布密度と
    して、又は波動光学に基づく回折積分法として求めるこ
    とを特徴とする眼光学系シミュレーション装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載の眼光学系のシミュレーショ
    ン装置において、 前記PSF取得手段は、PSFを一定の関数近似させて
    そのパラメータで表し、予め三次元物体空間に有限数の
    物体標本点を選び、全ての物体標本点におけるPSFと
    その近似関数パラメータを求め、スプライン補間係数デ
    ータを作成し、 前記原画像の各画素に関するPSFパラメータを前記予
    め準備したスプライン補間係数データを用いてスプライ
    ン補間法で求めることを特徴とする眼光学系のシミュレ
    ーション装置。
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