JP2003047467A - コンドロイチン合成酵素 - Google Patents
コンドロイチン合成酵素Info
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Abstract
NA及びその用途を提供する。 【解決手段】 ヒト由来の特定のアミノ酸配列を含むタ
ンパク質または同効物をコードするDNA。このDNA
の発現によりヒトコンドロイチン合成酵素が得られる。
ヒトコンドロイチン合成酵素を用いて、コンドロイチン
の二糖繰返し単位を有する糖鎖を製造できる。上記DN
Aまたはその一部は、ヒトコンドロイチン合成酵素に対
するハイブリダイゼーション用プローブとして使用でき
る。
Description
成酵素をコードするDNAを含むベクター、コンドロイ
チン合成酵素の製造方法、コンドロイチンの二糖繰返し
単位を有する糖鎖の製造方法、ならびに、コンドロイチ
ン合成酵素に対するハイブリダイゼーション用プローブ
に関する。
カン(GAG)の一種であり、細胞表面や細胞外マトリ
ックスにおいてプロテオグリカンとして存在する。コン
ドロイチン硫酸は、哺乳類の発生過程における脳におい
て神経系ネットワーク形成に重要な役割を担っているこ
とから(Arch. Biochem. Biophys. 374, 24-34 (2000);T
rends Glycosci. Glycotechnol. 12, 321-349 (2000))
注目を集めるに至っている。
(GlcUA)とN-アセチルガラクトサミン残基(GalNAc)の繰
り返し二糖単位から構成される直鎖状のポリマー構造を
有しており、独特な4糖構造(GlcUAβ1-3Galβ1-3Gal
β1-4Xylβ1)を介して、コアタンパク質のセリン残基
に共有結合する(Glycoproteins, ed. Gottschalk, A.
(Elsevier Science, New York), pp. 491-517 (1972);
The Biochemistry of Glycoproteins and Proteoglycan
s, ed. Lennarz, W. J. (Plenum, New York), pp.267-3
71 (1980))。
の非還元末端に順々に転移されることによって行われ
る。ヘパリン/ヘパラン硫酸の二糖繰り返し構造の生合
成に関与するグリコシルトランスフェラーゼはウシ血清
から精製され、そのcDNAクローニングによって、単一の
タンパク質がN-アセチルグルコサミン残基(GlcNAc)とGl
cUAの両方のトランスフェラーゼ反応を触媒することが
判明している。
合成に関与するグリコシルトランスフェラーゼは、細菌
由来のコンドロイチン合成酵素(J. Biol. Chem. 275, 2
4124-24129 (2000))を除いてまだクローニングされてい
ない。ニワトリの軟骨(J. Biol.Chem. 272, 14399-1440
3 (1997))とウシ血清(Eur. J. Biochem. 264, 461-467
(1999))からGlcUAトランスフェラーゼII(GlcAT-II)お
よびGalNAcトランスフェラーゼII(GalNAcT-II)が精製
されてはいるが、これらの酵素を均一に精製することが
困難であるため、cDNAクローニングは未だ行われていな
い。
ロイチン合成酵素をコードするDNAを含むベクター、
ヒトコンドロイチン合成酵素の製造方法、コンドロイチ
ンの二糖繰返し単位を有する糖鎖の製造方法、ならび
に、ヒトコンドロイチン合成酵素に対するハイブリダイ
ゼーション用プローブを提供することを課題とする。
ータベースを、特定のキーワードに基づいて検索するこ
とにより、ヒトコンドロイチン合成酵素をコードするD
NAの候補を見出すのに成功するとともに、候補DNA
を実際に発現させることにより、候補DNAがヒトコン
ドロイチン合成酵素をコードするDNAであることを確
認し、本発明を完成した。
る。
DNAを保持するベクターであって、前記(b)又は
(c)のDNAが、下記(イ)及び(ロ)の触媒活性を
有するタンパク質をコードしている前記ベクター(但
し、配列番号2におけるアミノ酸番号1〜802で示さ
れるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDN
Aを含むものを除く)。 (a)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするD
NA。 (b)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 (c)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失、挿入または転位したアミノ酸配列を
含むタンパク質をコードするDNA。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。)
1におけるヌクレオチド番号633〜2900で示され
るDNAである、(1)に記載のベクター。
(1)又は(2)に記載のベクター。
(3)のいずれかに記載のベクター。
DNAを保持するベクターであって、前記(b)又は
(c)のDNAが、下記(イ)及び(ロ)の触媒活性を
有するタンパク質をコードしている前記ベクターによっ
て宿主が形質転換された形質転換体。 (a)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするD
NA。 (b)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 (c)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失、挿入または転位したアミノ酸配列を
含むタンパク質をコードするDNA。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。)
1におけるヌクレオチド番号633〜2900で示され
るDNAである、(5)に記載の形質転換体。
(5)又は(6)に記載の形質転換体。
記載の形質転換体を生育させ、その生育物からコンドロ
イチン合成酵素を採取することを特徴とする、コンドロ
イチン合成酵素の製造方法。
ノ酸配列をそのアミノ酸配列中に包含し、かつ下記
(イ)及び(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパク質を
含有する、コンドロイチン合成用試薬。 (A)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列。 (B)上記(A)において、1もしくは数個のアミノ酸
が置換、欠失、挿入又は転位したアミノ酸配列。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。)
(9)の試薬。
薬を、GalNAc供与体及び下記一般式(1)で示される糖鎖
に接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式(3)で
示される糖鎖の製造方法。
ある。 - はグリコシド結合を、R1は任意の基を示
す。)
薬を、GlcUA供与体及び下記一般式(2)で示される糖鎖に
接触させる工程を少なくとも含む、下記一般式(4)で示
される糖鎖の製造方法。
同義である。R2は任意の基を示す。)
薬を、GalNAc供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般
式(1)で示される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含
む、下記一般式(5)及び(7) から選ばれる糖鎖の製造方
法。
及び - は、いずれも前記と同義である。またR1は任意
の基を示す。)
薬を、GalNAc供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般
式(2)で示される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含
む、下記一般式(6)及び(8) から選ばれる糖鎖の製造方
法。
及び - は、いずれも前記と同義である。またR2はいず
れも任意の基を示す。)
ド番号495〜2900で示される塩基配列又はその一
部に相補的な配列を有するハイブリダイゼーション用プ
ローブ。
により詳説する。 (1)本発明ベクター 本発明ベクターは、下記(a)〜(c)のいずれかのD
NAを保持するベクターである(但し、配列番号2にお
けるアミノ酸番号1〜802で示されるアミノ酸配列か
らなるタンパク質をコードするDNAを含むものを除
く)。 (a)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするD
NA。 (b)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 (c)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失、挿入または転位したアミノ酸配列を
含むタンパク質をコードするDNA。
(イ)及び(ロ)の触媒活性を有するタンパク質をコー
ドしている。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。 (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。
の繰り返し二糖単位からなるポリマーであり、その非還
元末端がGlcUAであるものとGalNAcであるものとの双方
を含んでいる。よって、GalNAcの転移は非還元末端がGl
cUAであるコンドロイチンに対するものであり、GlcUAの
転移は非還元末端がGalNAcであるコンドロイチンに対す
るものであると言える。
に示すアミノ酸配列のアミノ酸番号47〜802で示さ
れるアミノ酸配列を含むタンパク質は、ヒトコンドロイ
チン合成酵素の酵素活性を有することが確認されてい
る。配列番号2に示すアミノ酸配列のアミノ酸番号1〜
46で示されるアミノ酸配列の部分は、膜貫通領域を含
むと考えられる。よって、アミノ酸番号1〜46で示さ
れるアミノ酸配列をコードする配列を含まないDNAを
用いることにより、可溶性形態でコンドロイチン合成酵
素を発現させることができる点で好ましい。すなわち、
「アミノ酸番号47〜802で示されるアミノ酸配列を
コードするDNAであって、アミノ酸番号1〜46で示
されるアミノ酸配列をコードする配列を含まないDN
A」を保持するベクターが好ましい。
ードするDNAの多形や変異の他、生成後のタンパク質
の細胞内および精製中の修飾反応などによってそのアミ
ノ酸配列中にアミノ酸の置換、欠失、挿入又は転位等の
変異が起こりうるが、それにもかかわらず変異を有しな
いタンパク質と実質的に同等の生理、生物学的活性を示
すものがあることが知られている。このように構造的に
若干の差違があってもその機能については大きな違いが
認められないタンパク質をコードするDNAを保持する
ベクターは、本発明ベクターに包含される。人為的にタ
ンパク質のアミノ酸配列に上記のような変異を導入した
場合も同様であり、この場合にはさらに多種多様の変異
体を作製することが可能である。例えば、ヒトインター
ロイキン2(IL-2)のアミノ酸配列中の、あるシステイ
ン残基をセリンに置換したタンパク質がインターロイキ
ン2活性を保持することが知られている(Science,224,1
431(1984))。また、ある種のタンパク質は、活性には必
須でないペプチド領域を有していることが知られてい
る。例えば、細胞外に分泌されるタンパク質に存在する
シグナルペプチドや、プロテアーゼの前駆体等に見られ
るプロ配列などがこれにあたり、これらの領域のほとん
どは翻訳後、または活性型タンパク質への転換に際して
除去される。このようなタンパク質は、一次構造上は異
なった形で存在しているが、最終的には同等の機能を有
するタンパク質である。このようなタンパク質をコード
するDNAとして上記(b)及び(c)のDNAが挙げ
られる。
条件」とは、いわゆる特異的なハイブリッドが形成さ
れ、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう
(Sambrook, J. et al., Molecular Cloning A Laborat
ory Manual, Second Edition,Cold Spring Harbor Labo
ratory Press (1989)等参照)。「ストリンジェントな
条件」として具体的には、50%ホルムアミド、4×SS
C、50mMHEPES(pH7.0)、10×Denhardt's soluti
on、100μg/mlサケ***DNAを含む溶液中、42℃でハイブ
リダイズさせ、次いで室温で2×SSC、0.1%SDS
溶液、50℃下で0.1×SSC、0.1%SDS溶液で洗浄す
る条件が挙げられる。
る「数個のアミノ酸」とは、後述する(イ)及び(ロ)
の触媒活性が失われない程度の変異を起こしてもよいア
ミノ酸の数を示し、例えば800アミノ酸残基からなる
タンパク質の場合、4〜40程度、好ましくは4〜2
0、より好ましくは4〜10の数を示す。
として、遺伝暗号の縮重による種々の異なった塩基配列
を有するDNAが存在することは、当業者であれば容易
に理解されるところである。
コシルトランスフェラーゼの一般的なアッセイ方法によ
って検出することができる。
P-N−アセチルガラクトサミン(UDP-GalNAc)を供与体
として用い、コンドロイチンへのGalNAcの転移反応を利
用した測定方法、及び、UDP-グルクロン酸(UDP-GlcU
A)を供与体として用い、コンドロイチンへのGlcUAの転
移反応を利用した測定方法を用いることによってそれぞ
れ測定できる。よって当業者であれば、これらの転移活
性の有無を指標として、該活性を実質的に害さない1つ
以上の、特に1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠
失、挿入又は転位を容易に選択することができる。ま
た、ストリンジェントな条件でハイブリダイズするDN
Aの中から前記(イ)及び(ロ)の触媒活性を有するタ
ンパク質をコードするDNAを容易に選択できる。
非還元末端がGlcUAであるものと、GalNAcであるものと
の双方が含まれることは、前記で説明した通りである。
ってコードされるタンパク質は、さらに下記(ハ)の全
ての性質を有していることが好ましい。 (ハ)下記のいずれの受容体にも、下記の供与体(カッ
コ内)から実質的に単糖を転移しない。
Ac) ・α−トロンボモジュリン(UDP-GalNAc) ・ヒツジ顎下腺アシアロムチン(UDP-Gal) ・GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAc(UD
P-Gal)
Aβ1-3Galβ1-3Galβ1-4Xylからなる4糖が含まれてい
る。またヒツジ顎下腺アシアロムチンには、GalNAcα1-
O-Ser/Thrが含まれている。
残基を、Xylはキシロース残基を、Serはセリン残基を、
Thrはスレオニン残基をそれぞれ示し、その他は前記と
同義である。
保持されるタンパク質は可溶性タンパク質であることが
好ましい。可溶性タンパク質とは、通常には膜貫通ドメ
インを有さないタンパク質であり、発現させたときに水
性溶媒等に可溶であり、精製が容易なことから好ましい
ものである。
列番号2におけるアミノ酸番号1〜46で示されるアミ
ノ酸配列をコードする配列を含まないものが好ましく、
最も好ましいDNAは、配列番号1におけるヌクレオチ
ド番号633〜2900で示されるDNAである。
チン合成酵素の製造方法に好ましく用いられることか
ら、発現ベクターであることが好ましい。
れるアミノ酸配列をコードするDNA(アミノ酸番号1
〜46で示されるアミノ酸配列をコードする配列を含ま
ない)を保持する発現ベクターは、以下の手法により調
製することができる。
て特定されるcDNAクローン(GenBankアクセション番
号;AB023207)を入手し、これを鋳型として、XhoI部位
を含む5'-プライマー(5'-CCCTCGAGGGGCTGCCGGTCCGGGC-
3'(配列番号3))、および、終止コドンから138bp下流に
位置するXhoI部位を含む3'-プライマー(5'-CCCTCGAGCAA
TCTTAAAGGAGTCCTATGTA-3'(配列番号4))を用いてPCR
で増幅を行う。
きるが、例えば5%(v/v)ジメチルスルホキシド中で、Pfu
ポリメラーゼ(Stratagene社、ラホヤ、カリフォルニア
州)を用いて、94°Cで30秒、55°Cで30秒、および72°
Cで180秒のサイクルを34サイクル行うことにより実施す
ることができる。
入することで本発明ベクターを調製することができる。
えば、導入したDNAを発現させることが可能な適当な発
現ベクター(ファージベクター或いはプラスミドベクタ
ー等)を使用することができ、本発明ベクターを組み込
む宿主細胞で上記DNAを発現することが可能なベクター
を適宜選択する。このような宿主−ベクター系として
は、COS細胞、3LL-HK46細胞などの哺乳類細胞と、pGIR2
01(Kitagawa, H., and Paulson, J. C. (1994) J. Bio
l. Chem. 269, 1394-1401)、pEF-BOS(Mizushima,S.,
and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid Res. 18, 532
2)、pCXN2(Niwa, H.,Yamanura, K. and Miyazaki, J.
(1991) Gene 108, 193-200)、pCMV-2(イーストマン
コダック(Eastman Kodak)製)、pCEV18、pME18S(丸山
ら,Med. Immunol., 20, 27(1990))又はpSVL(ファルマ
シア バイオテック社製)等の哺乳類細胞用発現ベクタ
ーの組み合わせ、大腸菌(E. coli)と、pTrcHis(イン
ビトロゲン社製)、pGEX(ファルマシア バイオテック
社製)、pTrc99(ファルマシアバイオテック社製)、pK
K233-3(ファルマシア バイオテック社製)、pEZZZ18
(ファルマシア バイオテック社製)、pCH110(ファル
マシア バイオテック社製)、pET(ストラタジーン社
製)、pBAD(インビトロゲン社製)、pRSET(インビト
ロゲン社製)、及びpSE420(インビトロゲン社製)等の
原核細胞用の発現ベクターとの組み合わせの他、宿主細
胞として昆虫細胞、酵母、枯草菌などが例示され、これ
らに対応する各種ベクターが例示される。上述の宿主−
ベクター系の中でも特に哺乳類細胞とpEF-BOSとの組み
合わせが好ましい。
み込んだDNAがコードするタンパク質とマーカーペプチ
ドとの融合タンパク質を発現するように構築されたもの
を用いることもでき、本発明ベクターを用いて発現され
るコンドロイチン合成酵素を精製する場合には特に好ま
しい。上記マーカーペプチドとしては例えばプロテイン
A、インスリンシグナル配列、His、FLAG、CBP(カルモ
ジュリン結合タンパク質)、GST(グルタチオン S−ト
ランスフェラーゼ)などが挙げられる。プロテインAと
融合させれば容易にアフィニティー精製することが可能
となり、インスリンシグナル配列等と融合させれば酵素
を細胞外(培地等)に分泌させることができる。
常法に従って、上記DNAとベクターとを連結することが
可能なように例えば制限酵素などによって処理し、必要
に応じて平滑化や粘着末端の連結を行った後、前記DNA
とベクターとの連結をすることが可能である。
DNA(PCR断片)をXhoIで消化し、断片の両端をクレ
ノウ断片(New England Biolabs, Beverly、マサチュー
セッツ州)、dCTP及びdTTPを用いて部分的に充填し、Ba
mHIで消化したpGIR201protA(J. Biol. Chem., 269, 139
4-1401 (1994))ベクターについても同様にdATPとdGTPで
部分的に充填する。これにより得られた断片をpGIR201p
rotAにサブクローニングし、上記<A>で得られたDN
AによってコードされるDNAと、ベクター中のインス
リンシグナル配列およびプロテインA配列とを融合させ
る。この融合タンパク配列を含むNheI断片を、発現ベク
ターpEF-BOS(Nucleic Acid Res., 18, 5322 (1990))のX
baI部位に挿入することにより、インスリンシグナル配
列及びプロテインAと融合したコンドロイチン合成酵素
を発現する発現ベクターを得ることができる。
けるアミノ酸番号1〜802で示されるアミノ酸配列か
らなるタンパク質をコードするDNAを含むものも含
む)によって宿主が形質転換された形質転換体である。
よる組換えが可能なものであればよいが、本発明ベクタ
ーの保持するDNA又はそのDNAを組み込んだ組換え
ベクターの機能を発揮できるものが好ましい。宿主とし
ては、動物細胞、植物細胞、微生物細胞(菌体)が包含
され、COS細胞(COS-1細胞、COS-7細胞等)、3LL-HK46
細胞などの哺乳類細胞、大腸菌(E. coli)、昆虫細
胞、酵母、枯草菌などが例示される。宿主は、本発明ベ
クターにあわせて適宜選択することができるが、例えば
pEF-BOSをベースとする本発明ベクターを用いる場合に
は哺乳類由来の細胞を選択することが好ましく、中でも
COS細胞が好ましい。
常法によって行うことができる。例えば、市販のトラン
スフェクション用試薬を用いる方法や、DEAE-デキスト
ラン法、エレクトロポレーション法等によって本発明ベ
クターを宿主に導入し、形質転換を行うことができる。
は、後述する通り、コンドロイチン合成酵素の製造等に
用いることができる。
形質転換体を生育させ、その生育物からコンドロイチン
合成酵素を採取することを特徴とする。
ある細胞や微生物自体の増殖、本発明形質転換体である
細胞を組み込んだ動物、昆虫等の生育を含む概念であ
る。また、ここでいう「生育物」とは、本発明形質転換
体を生育させた後の培地(培養液の上清)及び培養され
た宿主細胞、分泌物、排出物等を包含する概念である。
る宿主に合わせて適宜選択される。
に応じて種々の形態のコンドロイチン合成酵素を産生さ
せることができる。
におけるアミノ酸番号47〜802で示されるアミノ酸
配列をコードするDNAを保持する発現ベクターによっ
て形質転換された形質転換体を生育させれば、可溶性の
コンドロイチン合成酵素が産生される。
〜802で示されるアミノ酸配列をコードするDNAを
保持する発現ベクターによって形質転換された形質転換
体を生育させれば、不溶性(膜結合性)のコンドロイチ
ン合成酵素が産生される。
ク質を発現するよう構築された発現ベクターによって形
質転換された形質転換体を生育させれば、マーカーペプ
チドと融合したコンドロイチン合成酵素が産生される。
取は、産生されるコンドロイチン合成酵素の形態に応じ
て、公知のタンパク質の抽出・精製方法によって行うこ
とができる。
(培養液の上清)中に分泌される可溶性の形態で産生さ
れる場合には、培地を採取し、これをそのままコンドロ
イチン合成酵素として用いてもよい。またコンドロイチ
ン合成酵素が細胞質中に分泌される可溶性の形態、又は
不溶性(膜結合性)の形態で産生される場合には、窒素
キャビテーション装置を用いる方法、ホモジナイズ、ガ
ラスビーズミル法、音波処理、浸透ショック法、凍結融
解法等の細胞破砕による抽出、界面活性剤抽出、または
これらの組み合わせ等の処理操作によってコンドロイチ
ン合成酵素を抽出することができ、抽出物をそのままコ
ンドロイチン合成酵素として用いてもよい。
ン合成酵素をさらに精製することもでき、かつ好まし
い。精製は、不完全な精製(部分精製)であっても、完
全な精製であってもよく、コンドロイチン合成酵素の使
用目的等に応じて適宜選択することができる。
ンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠
心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、
イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフ
ィー、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過法、ゲル浸透
クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、電気泳動法等や、これらの組み合わせ等の処理操作
が挙げられる。
インAとの融合タンパク質として産生させれば、IgG
を結合させた固相を用いたアフィニティークロマトグラ
フィーによって簡便に精製することができる。同様に、
Hisとの融合タンパク質として産生させれば、磁性ニッ
ケルを結合させた固相を用いることができ、FLAGとの融
合タンパク質として産生させれば抗FLAG抗体を結合させ
た固相を用いることができる。さらにインスリンシグナ
ルと融合させることにより、細胞破砕等の抽出操作が不
要となる。
は、アミノ酸配列、作用、基質特異性等を分析すること
によって確認できる。
列をその配列中に包含し、かつ下記(イ)及び(ロ)の
触媒活性を有する酵素タンパク質を含有する、コンドロ
イチン合成用試薬である。 (A)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列。 (B)上記(A)において、1もしくは数個のアミノ酸
が置換、欠失、挿入又は転位したアミノ酸配列。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。 (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。
明ベクターに関して説明した(a)及び(c)のDNA
によりコードされるアミノ酸配列であり、上記(a)及
び(c)のDNAがコードするアミノ酸配列に関して説
明した通りである。(イ)及び(ロ)については、本発
明ベクターに関して説明した通りである。
は、配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で示
されるアミノ酸配列からなるもののみならず、アミノ酸
番号1〜802で示されるアミノ酸配列からなるもの等
も含まれる。
素タンパク質(コンドロイチン合成酵素)が有する「Ga
lNAcの転移作用」及び「GlcUAの転移作用」を、コンド
ロイチンの合成試薬として応用したものである。
るものである。本明細書において「コンドロイチンの合
成」あるいは「コンドロイチン合成」とは、コンドロイ
チンに糖を転移・付加して、コンドロイチンの糖鎖を延
長することを含む概念である。
態、凍結形態、凍結乾燥形態のいずれの形態であっても
よい。またコンドロイチン合成酵素の活性に影響を与え
ない限りにおいて他の成分(例えば、試薬的に許容され
る担体等)を含んでいてもよい。
るものであり、使用する糖供与体と受容体基質に応じ
て、以下の4つに分けることができる。
記一般式(1)で示される糖鎖に接触させる工程を少なく
とも含む、下記一般式(3)で示される糖鎖の製造方法。
記一般式(2)で示される糖鎖に接触させる工程を少なく
とも含む、下記一般式(4)で示される糖鎖の製造方法。
cUA供与体、並びに下記一般式(1)で示される糖鎖に接触
させる工程を少なくとも含む、下記一般式(5)及び(7)か
ら選ばれる糖鎖の製造方法。
cUA供与体、並びに下記一般式(2)で示される糖鎖に接触
させる工程を少なくとも含む、下記一般式(6)及び(8)か
ら選ばれる糖鎖の製造方法。
ン酸−GalNAcが好ましく、UDP-GalNAcが特に好ましい。
ン酸−GlcUAが好ましく、UDP-GlcUAが特に好ましい。
れるコンドロイチン合成酵素、供与体、及び受容体(糖
鎖)の分子が相互に接触して酵素反応が生ずる限りにお
いて特に限定されない。例えばこれら三者が溶解した溶
液中で接触させてもよい。また本発明試薬中に含まれる
コンドロイチン合成酵素を適当な固相(ビーズ等)に結
合させた固定化酵素や、限外濾過膜、透析膜等を用いる
膜型リアクター等を用いて連続的に酵素反応させること
もできる。また、PCT国際公開パンフレットWO00
/27437号に記載された方法と同様に、受容体を固
相に結合させて酵素反応させることもできる。さらに、
供与体を再生(合成)するバイオリアクターを組み合わ
せて用いてもよい。
必ずしもGalNAc供与体とGlcUA供与体とを同時に本発明
試薬及び上記一般式(1)又は(2)で示される糖鎖に接触さ
せる必要はなく、これら供与体を交互に接触させてもよ
い。
成酵素が作用する条件である限りにおいて特に限定され
ないが、中性pH付近(例えばpH6.5程度)で反応させ
ることが好ましく、当該pH下で緩衝作用を有する緩衝
液中で反応を行うことがより好ましい。またこのときの
温度もコンドロイチン合成酵素の活性が保持されている
限りにおいて特に限定されないが、30〜40℃程度
(例えば37℃)が例示される。またコンドロイチン合
成酵素の活性を増加させる物質がある場合には、その物
質を添加してもよい。例えばMn2+等を共存させること
が好ましい。反応時間は、使用する本発明試薬、供与体
及び受容体の量、並びにその他の反応条件に応じて当業
者が適宜決定することができる。
公知の方法によって行うことができる。
素)と、硫酸基転移酵素(スルホトランスフェラーゼ)
とを組み合わせて用いることによって、コンドロイチン
硫酸を製造することもできる。
イチンの製造方法)において、さらに硫酸基供与体(3'
-ホスホアデノシン 5'-ホスホ硫酸(PAPS)など)と硫酸
基転移酵素を共存せしめ、コンドロイチンの生成と硫酸
基の転移とを同時に行うことにより、コンドロイチン硫
酸を製造することができる。硫酸基転移酵素は、前記と
同様に適当な固相(ビーズ等)に結合させた固定化酵素
として用いてもよく、限外濾過膜、透析膜等を用いる膜
型リアクターを用いて、連続的に反応させてもよい。こ
の際、硫酸基供与体を再生(合成)するバイオリアクタ
ーを組み合わせて用いてもよい。
主(本発明形質転換体)において、直接コンドロイチン
を生成させることにより、コンドロイチンを製造するこ
ともできる。
をコードするcDNAとを共に宿主に導入し、宿主(硫
酸基転移酵素をコードするcDNAを含有する本発明形
質転換体)において、コンドロイチン合成酵素と硫酸基
転移酵素とを同時に発現させ、宿主において直接コンド
ロイチン硫酸を製造することができる。
(又はそれをコードするcDNA)は、コンドロイチン
に硫酸基を転移する酵素(又はそれをコードするcDN
A)であればよく、所望のコンドロイチン硫酸のタイプ
に応じて、公知のものから適宜選択することができる。
また、硫酸基の転移位置が異なる2種類以上の硫酸基転
移酵素(又はそれをコードするcDNA)を組み合わせ
て用いてもよい。
ドロイチン6−O−硫酸基転移酵素(J. Biol. Chem.,
275(28), 21075-21080 (2000))を挙げることができる
が、これに限定されず、他の酵素を用いることもでき
る。
号495〜2900、好ましくは633〜2900で示
される塩基配列又はその一部に相補的な配列を有するハ
イブリダイゼーション用プローブである。
クレオチド番号495〜2900、好ましくは633〜
2900で示される塩基配列又はその一部に相補的な配
列を有するオリゴヌクレオチドを作成し、これをハイブ
リダイゼーションに適した標識(例えば、放射性同位
体)で標識することにより得ることができる。
ーブを用いるハイブリダイゼーションの条件によって適
宜選定される。
生物学的機能を調べる有用な道具となることが期待され
る。コンドロイチン硫酸は、広く発現し、かつ、多くの
組織、特に脳において重要な役割を果たしているからで
ある。このプローブはさらに、遺伝子と疾患との関連を
探るのにも有用と考えられる。
に説明する。
ーゼcDNAのインシリコ・クローニング(in silico cloni
ng) かずさDNA研究所(千葉県)のHUGEプロテインデータベ
ース( HYPERLINK http://www.kazusa.or.jp/huge/) htt
p://www.kazusa.or.jp/huge/)において、「一個の膜貫
通ドメイン(one transmembrane domain)」と「ガラクト
シルトランスフェラーゼファミリー(galactosyltransfe
rase family)」をキーワードとしてスクリーニングを行
った。この結果、一つのクローン(KIAA0990)が特定され
た(GenBankアクセション番号;AB023207)。このクロー
ンは、塩基配列の解析から、494bpの5'-未翻訳領域、N-
グリコシル化される可能性がある3つの部位(図1中の
星印)を含む802個のアミノ酸から成るタンパク質をコ
ードする2406 bpの、単一のオープンリーディングフレ
ーム、および、1.7kbであってポリアデニル化シグナル
を有すると予想される3'-未翻訳領域を含むことが明ら
かになった。塩基配列及びその塩基配列から推測される
アミノ酸配列を配列番号1に、アミノ酸配列のみを配列
番号2に示す。
手した。ノーザンブロット分析(実施例2参照)によ
り、このクローンに相当するmRNAは、各種ヒト組織にお
いて、約5.0 kb長を有することが明らかになった。この
ことから、上記クローンのcDNAはほぼ全長であることが
示唆された。推定されるアミノ酸配列は、91,728-Daの
タンパク質に相当する。予想される翻訳開始部位は、Ko
zakの共通開始配列(Nucleic Acids Res. 12, 857-872
(1984))と一致し、かつ、インフレーム終止コドンが、
割り当てられた開始ATGコドンの上流に存在した。
l. Biol. 157, 105-132 (1982))により、NH2末端領域に
17個のアミノ酸残基からなる、1個の顕著な疎水性領域
が存在することが明らかになった。これは、今日までに
クローンされている多くの、ゴルジ局在性グリコシルト
ランスフェラーゼに特徴的な、II型膜貫通形態を持つこ
とを予想させるものである(図1)。
列は、アミノ末端側では、ヒトのコア1 UDP-Gal:GalNAc
α-R β1,3-Galトランスフェラーゼ(GenBankアクセシ
ョン番号AF155582)に僅かに相同性を有しており、カル
ボキシル末端側ではヒトのUDP-Gal:GlcNAcβ-R β1,4-G
alトランスフェラーゼII(GenBankアクセション番号AB0
24434)に僅かに相同性を有していた。相同性を有する
グリコシルトランスフェラーゼ遺伝子に特徴的な点とし
て、異なるメンバーは供与体または受容体に関して異な
った特異性を有するにも拘わらず、形成される糖鎖の結
合様式はしばしば保存されている、という点を挙げるこ
とができる(Biochim. Biophys. Acta 1254, 35-53 (199
9))。
特徴から、この同定された遺伝子の産物は、β1,3-GlcU
Aトランスフェラーゼ(GlcAT-II)およびβ1,4-GalNAc
トランスフェラーゼ(GalNAcT-II)の両方の活性を有す
る可能性が示唆された。さらに、今回同定されたヒト遺
伝子の同族体が、Caenorhabditis elegansまたはDrosop
hilaゲノムの中に見出された。ヒト、C. elegansおよび
Drosophila由来のタンパク質配列の相互の一致度を図1
に示す。ヒトの配列は、C. elegansやDrosophilaに対し
て、それぞれ、36および42%の相同性を有していた。こ
れら3つのタンパク質は、いずれもアミノ末端側にDDD
を、カルボキシル末端側にDVDを含んでおり(図1)、
多くのグリコシルトランスフェラーゼに見られる、保存
されたDXDモチーフに相当すると考えられる (Proc. Nat
l. Acad. Sci. U. S. A. 95, 7945-7950 (1998))。
ベース検索を行った。この結果、このcDNA配列と同一の
ゲノム配列(アクセス番号NT010274.3)が示された。こ
のcDNAとゲノム配列とを比較することにより、この遺伝
子のゲノム構造と染色体上の位置が明らかになった。こ
の遺伝子は40 kbを超える長さを持ち、そのコード領域
は、図2に示すように、三つの不連続なエキソンに分割
されていた。イントロン/エキソン接合部は、GT/AGル
ールに従っており、その両側は保存配列によって挟まれ
ていた。この遺伝子は、ヒトの第15番染色体に存在す
る。
ェラーゼをコードするDNAを含むプラスミドの構築 この新規なグリコシルトランスフェラーゼにおいて、N-
末端の46個のアミノ酸残基を欠いたグリコシルトランス
フェラーゼのcDNAをPCRで増幅した。すなわち、KIAA099
0 cDNAを鋳型として、XhoI部位を含む5'-プライマー(5'
-CCCTCGAGGGGCTGCCGGTCCGGGC-3'(配列番号3))、およ
び、終止コドンから138bp下流に位置するXhoI部位を含
む3'-プライマー(5'-CCCTCGAGCAATCTTAAAGGAGTCCTATGTA
-3'(配列番号4))を用いて増幅を行った。PCR反応は、5
%(v/v)ジメチルスルホキシド中で、Pfuポリメラーゼ(S
tratagene社、ラホヤ、カリフォルニア州)を用いて、9
4°Cで30秒、55°Cで30秒、および72°Cで180秒のサイ
クルを34サイクル行った。このPCR産物をXhoIで消化
し、断片の両端をクレノウ断片(New England Biolabs
社, Beverly、マサチューセッツ州)、dCTP及びdTTPを
用いて部分的に充填した。BamHIで消化したpGIR201prot
A(J. Biol. Chem. 269, 1394-1401 (1994))ベクターに
ついても同様に、dATPとdGTPで部分的に充填した。得ら
れた断片をpGIR201protAにサブクローニングし、この新
規グリコシルトランスフェラーゼと、ベクター中のイン
スリンシグナル配列およびプロテインA配列とを融合さ
せた。上記の融合タンパク配列を含むNheI断片を、発現
ベクターpEF-BOS(Nucleic Acids Res. 18, 5322 (199
0))のXbaI部位に挿入し、発現プラスミドを得た。
スフェラーゼの最初の46個のアミノ酸が、切断可能なイ
ンスリンシグナル配列と、プロテインAのIgG結合ドメイ
ンとによって置換されたタンパク質、すなわち、インス
リンシグナル配列及びプロテインAと融合した可溶性コ
ンドロイチン合成酵素をコードする。
ェラーゼの発現および酵素アッセイ FuGENE(商標)6(Roche Molecular Biochemicals、東
京)を用い、メーカーの説明書に従って、発現プラスミ
ド(6.7 μg)を100 mmプレート上でCOS-1細胞にトラン
スフェクトさせた。トランスフェクションから2日後
に、培養液1 mlを採取して、10 μlのIgG-セファロー
ス(Amersham Pharmacia Biotech)と共に4°Cで1時間イ
ンキュベートした。遠心して回収したIgG-セファロース
のビーズをアッセイ緩衝液で洗浄し、同じ緩衝液に再懸
濁して、GalNAcトランスフェラーゼ、GlcUAトランスフ
ェラーゼ、およびGalトランスフェラーゼのアッセイに
用いた。すなわち、培養液中で発現した融合タンパク質
を、IgG-セファロースビーズに吸着させて内在性のグリ
コシルトランスフェラーゼ類を除去し、次いでこの酵素
結合ビーズを、酵素源として用い、このビーズに結合さ
せた融合タンパク質のグリコシルトランスフェラーゼ活
性を、各種の受容体基質及び供与体基質を用いてアッセ
イした。
は、コンドロイチンのポリマー(167μg)、α-トロンボ
モジュリン(1 nmol)、またはGlcUAβ1-3Galβ1-3Galβ1
-4Xylβ1-O-Ser(1 nmol)を用いた。また、GlcUAトラン
スフェラーゼの受容体としては、コンドロイチンのポリ
マー(167 μg)、またはGalβ1-3Galβ1-4Xyl(1 nmol)を
用いた。Galトランスフェラーゼの受容体としては、ヒ
ツジ顎下腺アシアロムチン(300 μg)またはGlcNAcβ1-3
Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNAc(1 nmol)を用い
た。GalNAcトランスフェラーゼのアッセイには、全容量
30 μl中に、再懸濁したビーズ10 μl、受容体基質、8.
57μM UDP-[3H]GalNAc (3.60 x 105 dpm)、50 mM MES緩
衝液、pH 6.5、10 mM MnCl2、およびATPのナトリウム塩
171 μMを含有する混合物を用いた(J. Biochem. 117, 1
083-1087 (1995))。
トランスフェラーゼI(GlcAT-I)のアッセイには、全容量
30 μl中に、再懸濁したビーズ10 μl、1 nmol Galβ1-
3Galβ1-4Xyl、14.3 μM UDP-[14C]GlcUA (1.46 x 105
dpm)、50 mM MES緩衝液、pH6.5、および2 mM MnCl2を含
有する混合物を用いた(FEBS lett. 459, 415-420 (199
9))。GlcAT-IIのアッセイには、全容量は30 μl中に、
再懸濁したビーズ10 μl、167 μgのコンドロイチンの
ポリマー、14.3 μM UDP-[14C]GlcUA (1.46 x 10 5 dp
m)、50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液、pH 5.6、および10 m
M MnCl2を含んでいた(Glycobiology 7, 905-911 (199
7))。Galトランスフェラーゼのアッセイには、全容量30
μl中に、再懸濁したビーズ10 μl、受容体基質、60
μM UDP-[3H]Gal (5.30 x 105 dpm)、50 mM MES緩衝
液、pH 6.5、10 mM MnCl2、およびATPのナトリウム塩17
1 μMを含有する混合物を用いた。反応混合物を37°Cで
1時間インキュベートし、放射標識された生成物を、セ
ファデックスG-25(スーパーファイン)を充填したシリ
ンジカラム、スーパーデックスペプチド・カラム、また
は、Dowex 1-X8 (PO4 2-型、100-400メッシュ、Bio-Rad
社、東京)を含むパスツールピペット・カラムを用いた
ゲル濾過によって、UDP-[3H]GalNAc、UDP-[14C]GlcUA、
または、UDP-[3H]Galから分離した(J. Biochem. 117, 1
083-1087 (1995); J. Biol. Chem. 273, 6615-6618 (19
98); FEBS Lett. 459, 415-420 (1999); Glycobiology
7, 905-911 (1997); Glycobiology 7, 531-537 (199
7))。回収した標識生成物を、液体シンチレーション分
光法によって定量した。
た。UDP-[U-14C]GlcUA(285.2 mCi/mmol)、UDP-[3H]GalN
Ac(10 Ci/mmol)、および、UDP-[3H]Gal(15 Ci/mmol)
は、NENLife Science Products社から購入した。未標識
のUDP-GlcUA、UDP-GalNAcおよびUDP-Galは、Sigmaから
入手した。コンドロイチン(クジラ軟骨由来のコンドロ
イチン硫酸Aを化学的に脱硫酸化した誘導体)は、生化
学工業株式会社(東京)から購入した。均一に精製し
た、Ampullaria(淡水産アップルスネイル)由来の肝膵
臓β-グルクロニダーゼ(EC3.2.1.31)(Comp. Biochem.
Physiol. 86B, 565-569 (1987))は、東京臓器化学社
(東京)から提供された。Galβ1-3Galβ1-4Xylは、Nan
cy B. Schwartz博士(シカゴ大学)から恵与された。精
製α-トロンボモジュリン(Biochem. Biophys. Res. Com
mun. 171, 729-737 (1990))は、第一製薬株式会社(東
京)から提供されたもので、リンケージ部分の4糖(Glc
UAβ1-3Galβ1-3Galβ1-4Xyl)(J. Biol. Chem. 273, 3
3728-33734 (1998))を含む。N-アセチルコンドロシン
(GlcUAβ1-3GalNAc)およびGlcNAcβ1-3Galβ1-4GlcNA
cβ1-3Galβ1-4GlcNAcは、K. Yoshida博士(生化学工業
株式会社)から恵与された。化学的に合成されたリンケ
ージ4糖−セリン(GlcUAβ1-3Galβ1-3Galβ1-4Xylβ1-
O-Ser)(Liebigs Ann. 1239-1257 (1996))は、T. Ogawa
博士(理化学研究所、埼玉県)から恵与された。
tiとPigmanの方法(Arch. Biochem.Biophys. 124, 45-50
(1968))に従って調製したヒツジ顎下腺ムチンを、Arth
robacter ureafaciens由来のシアリダーゼ(ナカライテ
スク社、京都)で処理して得た。Superdex(商標)ペプ
チドHR10/30カラムは、Amersham Pharmacia Biotech社
(ウプサラ、スウェーデン)から入手した。結果を表1
に示す。活性は、コンドロイチンのポリマーを受容体と
し、UDP-GlcUAまたはUDP-GalNAcのいずれかを供与体と
して使用した場合に検出された。一方、他の受容体基質
と、UDP-GlcUA、UDP-GalNAcまたはUDP-Galのいずれかを
供与体として使用した場合には活性は検出されなかっ
た。そのような活性としては、コンドロイチン硫酸の生
合成の開始に関わるGlcAT-Iや、GalNAcトランスフェラ
ーゼI、コア1 UDP-Gal:GalNAcα-R β1,3-Galトランス
フェラーゼ、およびUDP-Gal:GlcNAcβ-R β1,4-Galトラ
ンスフェラーゼ活性が含まれる。コントロールとしてpE
F-BOSをトランスフェクトしたサンプルのアフィニティ
ー精製物では、グリコシルトランスフェラーゼ活性は検
出されなかった。これらの結果は、発現されたタンパク
質が、コンドロイチンのポリマーに対して高い特異性を
持つGlcUA/GalNAcトランスフェラーゼであることを明確
に示すものである。
ンドロイチンのポリマー)には、非還元末端がGlcUAで
あるものとGalNAcであるものとの双方が含まれ、GalNAc
の転移は非還元末端がGlcUAであるコンドロイチンに対
するものであり、GlcUAの転移は非還元末端がGalNAcで
あるコンドロイチンに対するものであるといえる。
ンスフェラーゼ反応またはGlcUAトランスフェラーゼ反
応の生成物の単離を、0.25M NH4HCO3/7% l-プロパノー
ルで平衡化したスーパーデックスペプチド・カラムを用
いたゲル濾過によって行った。各酵素反応生成物を含む
放射能ピークをプールして蒸発乾燥させた。この単離し
たGalNAcトランスフェラーゼ反応生成物(約120 μg)
を、50 mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH 6.0 を含む30 μl
の反応液中で、37°Cで一晩、100 mIUの、Arthrobacter
aurescens(アルトロバクター・オーレッセンス)由来
のコンドロイチナーゼAC-II(EC4.2.2.5)(生化学工業
株式会社(東京))で消化して、その消化性を評価し
た。単離したGlcUAトランスフェラーゼ反応生成物(約1
80 μg)は、100 mIUのコンドロイチナーゼAC-IIを含有
する30μlの50 mM酢酸ナトリウム緩衝液、pH6.0におい
て、または、22 mIUのβ-グルクロニダーゼを含有する3
0 μlの0.05M クエン酸ナトリウム緩衝液、pH4.5におい
て、37°Cで一晩消化した。各酵素の消化物を、前記と
同じスーパーデックスペプチド・カラムを用いて分析し
た。
析結果を図3のAに示す。標識された生成物はβ-グル
クロニダーゼまたはコンドロイチナーゼAC-IIによって
完全に消化され、遊離の[14C]GlcUAまたは[14C]GlcUAβ
1-3GalNAcの位置にピークが見られた。この結果から、G
lcUA残基は、コンドロイチンのポリマーの非還元末端に
存在するGalNAcに転移され、β1-3結合を形成したこと
が示唆される。
析結果を図3のBに示す。標識された生成物は、コンド
ロイチナーゼAC-IIによって完全に消化され、遊離の
[3H]GalNAcの位置にピークが見られた。この結果から、
GalNAc残基はコンドロイチンのポリマーの非還元末端に
存在するGluUAに転移され、β1-4結合を形成したことが
示唆される。
タンパク質は、GlcAT-IIとGalNAcT-IIの両方の活性を持
つコンドロイチン合成酵素であることが明らかになっ
た。
織用ノーザンブロット(CLONETEC)膜を用いた。各レー
ンに、1 μgのポリアデニル化RNAをアプライした。この
膜に、放射標識され(>1 x 109 cpm/μg)、ゲルで精製さ
れた0.84 kbコンドロイチン合成酵素特異的断片(KIAA0
990 cDNA(GenBankアクセション番号;AB023207)のヌク
レオチド631-1469に相当する)をプローブとして探索し
た。
組織で〜5.0 kbの単一バンドが示された(図4)。この
コンドロイチン合成酵素遺伝子は、ヒト組織において広
汎に存在するが、その発現の程度は組織によって異なっ
ていた。注目すべきことに、このmRNAは胎盤で特に
多く発現しており、脾臓、肺、および、末梢血白血球が
それに続いた。これらの所見は、コンドロイチン硫酸プ
ロテオグリカンが、多くの細胞の表面と、ほとんど全て
の組織の細胞外マトリックスに分布するという知見と一
致する。
るDNAを含むベクター、ヒトコンドロイチン合成酵素
の製造方法、コンドロイチンの二糖繰返し単位を有する
糖鎖の製造方法、ならびに、ヒトコンドロイチン合成酵
素に対するハイブリダイゼーション用プローブが提供さ
れる。
ミノ酸配列と、C. elegans (T25233)およびDrosophila
(AE003499)における相同性のあるタンパク質のアミノ酸
配列との比較を示す。これらの推定アミノ酸配列は、GE
NETYX-MAC(バージョン10)コンピュータプログラムを
用いて解析した。黒のボックスと灰色のボックスは、そ
れぞれアミノ酸が三者間で一致する、およびいずれか二
者間で一致することを示す。一致の程度を最も高くする
ために導入したギャップを破線で示す。予測される膜貫
通ドメインを四角の枠で囲んだ。保存されたDXDモチー
フは下線で示した。N-グリコシル化部位として考えられ
る3ヶ所を星印でマークした。
成を示す。エキソン領域をボックスで示した。黒のボッ
クスはコード配列を示し、白のボックスは、5'-および
3'-未翻訳配列を示す。翻訳開始コドン(ATG)と終止コ
ドン(TAA)も併せて示した。黒の横線は、イントロン
を示す。
の結果を示す。(A)スーパーデックスペプチド・カラ
ムから回収した、GlcUAトランスフェラーゼ反応生成物
を、コンドロイチナーゼAC-II、または、β-グルクロニ
ダーゼで消化した。未消化物(黒の四角)、コンドロイ
チナーゼAC-II消化物(黒の丸)、および、β-グルクロ
ニダーゼ消化物(黒塗り三角)を、スーパーデックスペ
プチド・カラムにアプライし、それぞれの溶出画分(各
0.4 ml)について、放射活性を分析した。矢印は飽和2
糖(1, GlcUAβ1-3GalNAc)、または、遊離のGlcUA (2, [
14C]GlcUA)の溶出位置を示す。(B)スーパーデックス
ペプチド・カラムから回収した、GalNAcトランスフェラ
ーゼ反応生成物をコンドロイチナーゼAC-IIで消化し
た。未消化物(黒の四角)、または、コンドロイチナー
ゼAC-II消化物(黒の丸)をスーパーデックスペプチド
・カラムにアプライし、それぞれの溶出画分(各0.4 m
l)について、放射活性を分析した。矢印は飽和2糖(1,
GlcUAβ1-3GalNAc)、または、遊離のGalNAc (2, [3H]G
alNAc)の溶出位置を示す。
ノーザンブロット分析の結果(電気泳動写真)を示す。
各種ヒト組織由来のRNAに対し、コンドロイチン合成酵
素のプローブを用いてハイブリダイゼーションを行っ
た。レーン1は脳、レーン2は心臓、レーン3は骨格筋、
レーン4は結腸、レーン5は胸腺、レーン6は脾臓、レー
ン7は腎臓、レーン8は肝臓、レーン9は小腸、レーン10
は胎盤、レーン11は肺、レーン12は末梢血白血球であ
る。
Claims (15)
- 【請求項1】 下記(a)〜(c)のいずれかのDNA
を保持するベクターであって、前記(b)又は(c)の
DNAが、下記(イ)及び(ロ)の触媒活性を有するタ
ンパク質をコードしている前記ベクター(但し、配列番
号2におけるアミノ酸番号1〜802で示されるアミノ
酸配列からなるタンパク質をコードするDNAを含むも
のを除く)。 (a)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするD
NA。 (b)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 (c)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失、挿入または転位したアミノ酸配列を
含むタンパク質をコードするDNA。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。) - 【請求項2】 前記(a)のDNAが、配列番号1にお
けるヌクレオチド番号633〜2900で示されるDN
Aである、請求項1に記載のベクター。 - 【請求項3】 タンパク質が可溶性である、請求項1又
は2に記載のベクター。 - 【請求項4】 発現ベクターである、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載のベクター。 - 【請求項5】 下記(a)〜(c)のいずれかのDNA
を保持するベクターであって、前記(b)又は(c)の
DNAが、下記(イ)及び(ロ)の触媒活性を有するタ
ンパク質をコードしている前記ベクターによって宿主が
形質転換された形質転換体。 (a)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするD
NA。 (b)上記(a)に記載のDNA若しくは当該DNAに
相補的なDNA又はこれらのDNAの塩基配列の一部を
有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNA。 (c)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失、挿入または転位したアミノ酸配列を
含むタンパク質をコードするDNA。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。) - 【請求項6】 前記(a)のDNAが、配列番号1にお
けるヌクレオチド番号633〜2900で示されるDN
Aである、請求項5に記載の形質転換体。 - 【請求項7】 タンパク質が可溶性である、請求項5又
は6に記載の形質転換体。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1項に記載の形
質転換体を生育させ、その生育物からコンドロイチン合
成酵素を採取することを特徴とする、コンドロイチン合
成酵素の製造方法。 - 【請求項9】 下記(A)又は(B)に示すアミノ酸配
列をそのアミノ酸配列中に包含し、かつ下記(イ)及び
(ロ)の触媒活性を有する酵素タンパク質を含有する、
コンドロイチン合成用試薬。 (A)配列番号2におけるアミノ酸番号47〜802で
示されるアミノ酸配列。 (B)上記(A)において、1もしくは数個のアミノ酸
が置換、欠失、挿入又は転位したアミノ酸配列。 (イ)コンドロイチンに、UDP-GalNAcからGalNAcを転移
する。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GalNAcはN−
アセチルガラクトサミン残基を示す。) (ロ)コンドロイチンに、UDP-GlcUAからGlcUAを転移す
る。(UDPはウリジン 5'-二リン酸を、GlcUAはグルクロ
ン酸残基を示す。) - 【請求項10】 酵素タンパク質が可溶性である請求項
9の試薬。 - 【請求項11】 請求項9又は10に記載の試薬を、Ga
lNAc供与体及び下記一般式(1)で示される糖鎖に接触さ
せる工程を少なくとも含む、下記一般式(3)で示される
糖鎖の製造方法。 GlcUA-GalNAc-R1 (1) GalNAc-GlcUA-GalNAc-R1 (3) (各式中、GlcUA及びGalNAcは、いずれも前記と同義で
ある。 - はグリコシド結合を、R1は任意の基を示
す。) - 【請求項12】 請求項9又は10に記載の試薬を、Gl
cUA供与体及び下記一般式(2)で示される糖鎖に接触させ
る工程を少なくとも含む、下記一般式(4)で示される糖
鎖の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) GlcUA-GalNAc-GlcUA-R2 (4) (各式中、GlcUA、GalNAc、及び - は、いずれも前記と
同義である。R2は任意の基を示す。) - 【請求項13】 請求項9又は10に記載の試薬を、Ga
lNAc供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(1)で示
される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一
般式(5)及び(7)から選ばれる糖鎖の製造方法。 GlcUA-GalNAc-R1 (1) (GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-GalNAc-R1 (5) GalNAc-(GlcUA-GalNAc)n-GlcUA-GalNAc-R1 (7) (各式中、nは1以上の整数を示し、GlcUA、GalNAc、
及び - は、いずれも前記と同義である。またR1は任意
の基を示す。) - 【請求項14】 請求項9又は10に記載の試薬を、Ga
lNAc供与体及びGlcUA供与体、並びに下記一般式(2)で示
される糖鎖に接触させる工程を少なくとも含む、下記一
般式(6)及び(8) から選ばれる糖鎖の製造方法。 GalNAc-GlcUA-R2 (2) (GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (6) GlcUA-(GalNAc-GlcUA)n-GalNAc-GlcUA-R2 (8) (各式中、nは1以上の整数を示し、GlcUA、GalNAc、
及び - は、いずれも前記と同義である。またR2はいず
れも任意の基を示す。) - 【請求項15】 配列番号1におけるヌクレオチド番号
495〜2900で示される塩基配列又はその一部に相
補的な配列を有するハイブリダイゼーション用プロー
ブ。
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